JP2006159410A - 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータ部の配線接続部における上電極と下電極の高低差を低減し、配線基板との接続不良を防ぐ。
【解決手段】流路基板1に形成された圧力発生室2を覆うように配設された振動板4上に、下電極5、圧電層6、上電極7を順次積層して圧電アクチュエータ部8を形成し、上電極7および下電極5を配線接続部9まで引き出して、駆動信号を供給する配線基板に接続する。圧電層6は、その膜厚を漸減しながら下電極5の積層領域を越えて延在する膜厚漸減部6aを有し、上電極7は、膜厚漸減部6aに沿って下電極5と同一平面に引き出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、インク滴等の液滴を吐出することにより印刷を行うインクジェットプリンタ等の液体吐出装置に搭載される圧電駆動方式の液体吐出ヘッドおよびその製造方法に関するものである。
圧電素子による変位を用いてインク室等圧力発生室を容積変化せしめて液滴を吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行う液体吐出方式の記録方法は、高速記録が可能であり、また記録品位も高く、低騒音であるという利点を有している。さらに、この方法はカラー画像記録が容易であって、普通紙等にも記録でき、装置を小型化し易いといった多くの優れた利点を有している。
液体吐出方式の記録方法を用いる記録装置(液体吐出装置)には、一般に、液体を飛翔液滴として吐出させるための複数のノズル開口と、それぞれノズル開口に連通する複数の圧力発生室が配列された流路基板と、流路基板上に設けられた振動板と、各圧力発生室に対応する圧電アクチュエータ部によって各圧力発生室の容積を変化せしめる圧電素子とを備える液体吐出ヘッドが用いられる。
このような液体吐出ヘッドにおいては、近年の画像形成の高精細化、大面積化および高速化の要求に伴い、流路基板にノズル開口、圧力発生室、圧電素子を高密度で多数配列した高集積化が行われており、液体吐出ヘッドの駆動に用いられる圧電素子としては、圧力発生室に対応した領域の振動板(メンブレン)上に、下電極、圧電層、上電極を積層した圧電アクチュエータ部を設け、撓みモード変位を利用したものが提案されている。このような撓みモード圧電素子を、薄膜技術およびフォトリソグラフィーを利用して作製することにより、さらなる高集積化と、素子の小型化による高速駆動が可能となる素子構造が提案されている。
上記の液体吐出ヘッドにおいては、駆動のための電圧信号を生成する駆動回路から圧電アクチュエータ部への駆動信号印加のための配線の接続を行う必要がある。このような配線の接続では、メンブレン上の圧電アクチュエータ部に直接接続すると応力集中などによりクラック、破壊が生じるため、圧電アクチュエータ部から、圧力発生室に対応した領域外に設けられた配線接続部へ上電極および下電極を引き出し、この配線接続部に、駆動信号を発生・制御する駆動回路からの信号配線が接続される。
圧電アクチュエータ部からの電極の引き出しについては、特許文献1に開示されているような、上電極および下電極の両者から外部へ引き出される電極の間に層間絶縁膜を設けることにより電極間を絶縁して引き出す方法が提案されている。また、特許文献2には、圧力発生室に対向する領域の略中央部に、圧電体能動部へ電圧を印加するためのリード電極と圧電体能動部との接続部となるコンタクト部が設けられ、このコンタクト部より電極を引き出す方法が提案されている。
そしてこのようにして引き出された配線接続部に、駆動信号を発生・制御する駆動回路からの信号配線が接続される。この接続には、例えば特許文献3に開示されているような、駆動回路からの信号配線が設けられたフレキシブル基板よりなる配線基板(コネクタ)と、液体吐出ヘッド側の配線接続部(端子電極)と位置合わせをして重ね合わせ、接着することで接続を行う方法が提案されている。
特開2000−037868号公報 特開平11−170505号公報 特開2000−285992号公報
しかしながら、従来の液体吐出ヘッドにおいては以下に示すような問題点があった。
駆動回路から圧電アクチュエータ部までの駆動信号印加のための配線の接続経路における、配線基板と配線接続部の接続においては、両者の接合面すなわち端子同士に高低差があると、接続不良を生じる場合がある。特に高集積化され、面内にごく近接して配された端子においては、端子同士の高低差は僅かでも配線基板に局所的に大きな歪が誘起されるため、特に接続不良が発生しやすい。このような接続不良に伴い、駆動信号の印加に不良が生じるため、画像形成における印刷ドット抜けが発生し画像品位の低下が問題となる。
このため、圧電アクチュエータ部からの上電極と下電極の引き出し部分から配線接続部までの間に、圧電アクチュエータ部で上下電極間に存在する圧電層の厚さ分の高低差を解消する必要がある。しかし、上記従来例における圧電アクチュエータ部からの電極の引き出し方法では、圧電層、もしくは層間絶縁層の端部の段差が存在するため、上電極の断線が生じる場合があった。また、圧電アクチュエータ部から配線接続部までの電極引き出し部において、例えば、特許文献1に開示されている液体吐出ヘッドでは圧電アクチュエータ部以外の箇所で上電極と下電極が層間絶縁膜を介して対向するため不要な配線容量が発生し、特に多数の微小液滴の吐出を繰り返す高精細画像形成における高速駆動においては、駆動回路からの信号の供給に悪影響を与える場合があった。
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、圧電アクチュエータ部から上電極および下電極の双方を高低差なしに引き出して配線基板の接続を行うことで、接続不良等のトラブルを防ぎ、圧電アクチュエータ部の高集積化および高速駆動により高精細な画像を形成できる液体吐出ヘッドおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドは、吐出口に連通する圧力発生室内の液体を加圧するための、前記圧力発生室側から順次積層された下電極、圧電層および上電極からなる圧電素子を有し、前記圧電層が、その膜厚を漸減しながら前記下電極の積層領域外に延在し、前記上電極を前記下電極と同一平面上に引き出すための膜厚漸減部を備えていることを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、吐出口に連通する圧力発生室を有する流路基板を提供する工程と、流路基板上に振動板を形成する工程と、振動板上に下電極を積層する工程と、下電極上およびその積層領域外に圧電層を形成する工程と、圧電層上に上電極を積層する工程と、を有し、前記圧電層を形成する工程において、前記圧電層を、その膜厚が漸減しながら前記下電極の積層領域外に延在するように形成することを特徴とする。
圧電層に膜厚漸減部を設けることで、圧電層上に積層される上電極を下電極と同一平面に引き出して、上電極と下電極の高低差なしに配線接続部に接続することを可能とする。
これによって、液体吐出ヘッドの駆動信号を供給する配線基板と圧電素子との接続不良を低減し、液体吐出装置の画像性能や信頼性を大幅に向上できる。
図1に示すように、流路基板1には複数の凹形の圧力発生室2が配列され、これらの圧力発生室2は共通液室3に連通している。流路基板1上には、絶縁性の振動板4と、各圧力発生室2に対応するように振動板4上に薄膜状の下電極5、圧電層6、上電極7を順次積層した圧電アクチュエータ部(圧電素子)8が設けられる。
下電極5を設けた領域外の振動板4上の圧電層6は、その膜厚が振動板4の面内方向に漸減する膜厚漸減部6aを有し、上電極7は、圧電層6の膜厚漸減部6a上を経て圧電アクチュエータ部8と離間した配線接続部9まで引き出される。
このような構成であるため、圧電アクチュエータ部8の上電極7と下電極5を高低差なしに配線接続部9まで引き出すことが可能となり、高集積化された圧電アクチュエータ部8に接続不良等の欠陥なしに駆動回路からの信号を供給して、高品位な画像を形成できる。
上記の配線接続部においては、振動板表面より上電極表面および下電極表面までの高さのばらつきを100nm以下にすることで、配線接続部への配線基板の接続の不良を確実に防ぎ、しかも接続作業を簡便に行うことができる。
圧電層の膜厚漸減部は、圧電層形成工程である圧電層堆積時において薄膜堆積物の量に所定の面内分布を持たせることにより形成される。これによって、なだらかな形状で急峻な凹凸のない圧電層の膜厚漸減部を簡易な方法で形成可能である。
例えば、圧電層を気相からの薄膜堆積法により形成する工程で、薄膜堆積時に開口部を有するシャドーマスクにより薄膜堆積物の一部を制限しながら堆積させ、薄膜堆積物の量に所定の面内分布を持たせることにより、上記の膜厚漸減部を形成するとよい。
あるいは、シャドーマスクの端部形状や基体との間隔などを適宜選定することで、膜厚漸減部を広い範囲で形状制御性よく形成できる。
または、シャドーマスクの開口部と基体とを所定の速度で相対的に移動させることにより圧電層の膜厚漸減部を形成してもよい。
さらに、圧電層形成工程において、圧電層の堆積後に薄膜堆積物の一部をエッチングする工程により、上記の膜漸減部を形成してもよい。この場合は、エッチング工程が必要となり工程数が増大するものの、薄膜堆積法に任意の方法を用いることができる。すなわち、ゾル−ゲル法、水熱合成法、スプレー法などの方法を用いることが可能となる。さらに、流路基板とは別に形成した圧電層を接合する方法も採用可能となる。このことより、液体吐出ヘッドの構造、構成の設計の自由度が格段に高くなる。
上記のエッチング工程がエッチング液による化学エッチングによって行われる場合は、エッチング液と薄膜堆積物との接液境界を所定の速度で移動させることにより、圧電層の膜厚漸減部を形成する。この方法で、エッチングマスクを用いることなく形状を制御したエッチングが可能であり、きわめて簡便にエッチング工程を行うことができる。あるいは、エッチング工程において薄膜堆積物の一部を開口を有するマスク層によって保護し、エッチング液による化学エッチングによってエッチングマスクの開口端をエッチングにより後退させながら堆積物をエッチングすることにより圧電層の膜厚漸減部を形成してもよい。そして、例えばエッチングマスクの開口端に適宜テーパー形状部を設けたり、マスク材と堆積物のエッチングレート比を制御するために、ドライエッチングのエッチングガスや基体の温度、エッチング種の入射方向などの条件、あるいは、化学エッチングにおけるエッチング液や温度条件等を適当に選定することで、高精度な膜厚漸減部の加工が可能である。
図1は実施例1による液体吐出ヘッドの構成を示すもので、流路基板1は圧力発生室2および共通液室3を有し、流路基板1上に振動板4が配設され、その上に、下電極5、圧電層6、上電極7を有する圧電アクチュエータ部8および配線接続部9が形成され、流路基板1の下面に結合されたノズルプレート10は、各圧力発生室2に連通する吐出口であるノズル開口11を有する。
図1の(a)に示すように、流路基板1には、ノズル開口11にそれぞれ連通する複数の凹型の圧力発生室2や、各圧力発生室2と連通する共通液室3などを構成する液体流路が設けられており、この流路基板1として、シリコン単結晶基板をドライエッチングなどにより加工して圧力発生室2等を形成したものを用いた。なお、流路基板1の材料については、シリコンに限らず、所望の形状に加工可能で、強度、剛性、インク耐性を有するものであれば、他に樹脂やステンレスなどの金属材料、ガラスなどを用いることもできる。
本実施例では、流路基板1として厚さ380μmの面方位(100)シリコン単結晶基板を用い、圧力発生室2は、幅70μm、長さ3000μm、深さ150μmとし、幅20μmの隔壁を介して、圧力発生室2の幅方向に列状に複数個配列した。なお本実施例においては一列のみを配列したものを示したが、このように配列した圧力発生室の列を例えば圧力発生室の長手方向に並べて複数列配したり、さらにはいわゆる千鳥状に配することも可能である。
流路基板1上には絶縁性の振動板4を設けた。本実施例の振動板4は、流路基板1上において、少なくとも圧力発生室2に対向する領域ならびに上電極7や下電極5が設けられる領域全体に連続して設ける。振動板4の材料としては、所望の厚さ、耐熱性、弾性定数、強度、インク耐性を有するとともに、上電極7と下電極5の間で駆動信号のリークが発生しない程度の絶縁性を有する材料から選択される。好ましいものとしては、ガラス材料、酸化シリコン、窒化シリコン、ジルコニアなどの酸化物材料が挙げられる。このような材料を、膜堆積法や直接接合、接着などの方法により流路基板1に接合する。
なお、振動板4は流路基板1に圧力発生室2などを設けた後に接合してもよいし、振動板4を流路基板1に接合した後に圧力発生室2などを形成してもかまわない。ただし、以上の振動板材料および接合方法は、後工程における加熱やエッチング処理などのプロセスに耐性を有する組み合わせから選択されることは言うまでもない。本実施例では、振動板4として、後述する圧電層6の形成のための加熱工程に対する耐熱性を有するガラス板を用いて、陽極接合で流路基板1に直接接合して、平均厚さ3μmまで研磨薄片化したものを用いた。
この振動板4上に、下電極5、圧電層6、上電極7を配した。これらは、圧力発生室2のそれぞれに対応するように振動板4上に設けられ、振動板4側より順に下電極5、圧電層6、上電極7を積層することで圧電アクチュエータ部8を形成した。
下電極5の積層領域外の圧電層6は、その膜厚が振動板4の面内方向に漸減する膜厚漸減部6aを構成し、上電極7が膜厚漸減部6a上を経て圧電アクチュエータ部8外の振動板4の露出面まで引き出される。
ここで圧電アクチュエータ部8は、少なくとも下電極5、圧電層6、上電極7が積層された部位を示す。圧電アクチュエータ部8の第1の端部8aとは圧電アクチュエータ部8における上電極7の端部に相当し、第2の端部8bは圧電アクチュエータ部8における下電極5の端部に相当する。このような第1の端部8aおよび第2の端部8bは、配線引き回しの設計に応じて適宜配置を決定できる。
下電極5は列状に配された圧力発生室2を配列方向に複数個またぐとともに、各圧力発生室2に対向する領域内において圧力発生室2の配列方向に概直交する圧電アクチュエータ部8の第2の端部8bに相当する端部5aを有する平面形状とする。さらに、下電極5は各圧電アクチュエータ部8の圧力発生室2の配列方向側の端部より引き出されて、配列された複数の各圧電アクチュエータ部8に対する共通電極となる。
下電極5の材料としては、駆動電圧の印加に必要な導電性を有し、後工程における加熱やエッチング処理などのプロセスに耐性を有するものから適宜選択される。本実施例では、後述する圧電層6の結晶化温度に耐久性を有する材料としてTi、Ptを順に堆積した積層膜を用いた。他には、Irなどの金属や導電性酸化物などが好ましい。
下電極5の膜厚は、圧電素子として動作する範囲で適宜決定されるが、圧電アクチュエータ部8において20nm以上であり、かつ圧電層6の厚さの1/10以下であることが好ましい。このようにすることで、下電極5の端部5aにおける下電極5の膜厚分に相当する段差を当該個所に形成される被覆部の圧電層6のステップカバレッジによって充分吸収できる。このため被覆部における上電極7の断線をなくすことができる。本実施例においては、振動板4上にTiを10nm、Ptを100nmの厚さに成膜したものを上記形状に加工した。
圧電層6は、各圧電アクチュエータ部8に対応する領域と、各圧電アクチュエータ部8の第2の端部8bにおいて下電極5の端部5aを被覆する被覆部と、被覆部より連続した領域において膜厚が漸減する膜厚漸減部6aを有する薄膜堆積層である。圧電層6の材料は、高い圧電特性とともに高い絶縁性を有する材料から適宜選択される。本実施例においては、チタン酸ジルコン酸鉛を用いた。チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とすることにより、電極相互の絶縁を充分確保できる。ただし、上記条件を満たす材料であればこれに限らず任意の材料を用いることができることは言うまでもない。
圧電層6の厚さは、圧電アクチュエータ部8において500nmないし50μmであることが好ましい。このようにすることで上下電極間の絶縁耐圧を充分に確保しながら液体の吐出のために充分な発生力を得ることができる。本実施例では、圧電層6の厚さは、圧電アクチュエータ部8ならびに下電極5の端部5a上の被覆部においては均一に2.5μmとした。そして、前記被覆部より連続した膜厚漸減部6aにおいては膜厚が連続的に漸減する。
膜厚漸減部6aは、図1の(b)に示す断面形状をもち、図2に示す膜厚分布を有する。図2のグラフの横軸は圧電アクチュエータ部8の第2の端部8bからの面内方向の距離であり、圧電アクチュエータ部側を+の数字で示している。また、縦軸はそれぞれの点における圧電層6の膜厚を示している。
本実施例では、圧電層6の膜厚漸減部6aは圧電アクチュエータ部8の第2の端部8bから連続的に漸減し、約1mm離間した反対側の端部においてより緩やかな漸減形状をもって急激な段差なしに膜厚がゼロとなるようにした。圧電層6の平面形状は、図1の(a)に示したように各圧電アクチュエータ部8ごとに分割され、圧力発生室2に対向する領域では圧力発生室2の幅方向に60μmの幅の概短冊形状とした。
上電極7は、各圧電アクチュエータ部8に対応する領域に設けられるとともに、各圧電アクチュエータ部8の第2の端部8bにおいて下電極5の端部5aを圧電層6によって被覆した被覆部より引き出されて、膜厚漸減部6a上を経て振動板4上まで延長される。上電極7の材料としては駆動電圧の印加に必要な導電性を有するものから適宜選択される。本実施例では、Ti、Ptを順に堆積した積層膜を用いた。他には、Au、Ag、Al、Cu、Cr、Irなどの金属や導電性酸化物などが好ましい。
上電極7の膜厚は、圧電素子として動作する範囲で適宜決定されるが、好ましくは圧電アクチュエータ部8において20nmないし500nmとする。上電極7の膜厚を上記の範囲とすることで、個別化により細線化しても上電極7に対して充分に駆動電圧の印加が可能であるとともに、圧電アクチュエータ部8の変位に対してほとんど影響を与えず、従って大きな圧電変位量を得ることができる。また、上電極7の平面形状は、図1の(a)に示したように、各圧電アクチュエータ部8ごとに分割し、圧力発生室2に対向する領域では圧力発生室2の幅方向に50μmの幅の概短冊形状とし、圧電アクチュエータ部8、および下電極5の端部5aの被覆部においてはすべて圧電層6の上になるようにした。
なお、図3に示すように、上電極7に、上記の被覆部より配線接続部9に至る領域内に厚膜部7aを設けてもよい。このような厚膜部7aを設けることで、圧電変位に寄与しない範囲内で上電極7の強度を高めて、圧電変位量に影響を与えることなく上電極7の断線を確実に低減できる。
図4は、配線接続部9へ配線基板20を接続した状態を示すもので、配線基板20は、配線接続部9に駆動信号を供給する端子21を有する。配線接続部9においては、配線基板20の端子21と同一ピッチで上電極7ならびに下電極5が配設されている。配線接続部9の上電極5および下電極7と配線基板20の端子21は、例えば導電性ペーストを用いた接着や、圧着などの手段により接続される。このような構造にすることにより、圧電アクチュエータ部8から引き出された上下電極5、7に対して、配線基板20の接続を簡便に行うことができる。
この配線接続部9において、振動板4の表面より上電極7および下電極5の表面までの高さのばらつきを100nm以下とすることが好ましい。このようにすることで、配線接続部9への配線基板20の接続の不良をより一層低減できる。
さらに、流路基板1にはノズルプレート10が接合される。ノズルプレート10としては、液滴の吐出特性に応じた厚さの板を用い、これに打ち抜き加工やエッチングによりノズル開口11を形成している。本実施例ではノズルプレート10として、厚さ50μmのステンレス板に、開口径が30μmの円形のノズル開口11を設けたものを用いた。そして、ノズルプレート10により共通液室3を蓋う構成とした。なお、共通液室3には外部より液体を供給する供給路が接続され、適宜液体を供給するように構成される。
本実施例によれば、圧電アクチュエータ部から上下電極を高低差なしに引き出すことができるため、配線基板等による電気接続部の接続不良を大幅に低減し、高集積化された圧電アクチュエータ部に欠陥なく駆動回路からの信号を供給して、高精細な画像を形成できる。
図5は、図1の液体吐出ヘッドの製造方法を示す工程図である。まず、図5の(a)に示すように、ノズル開口11に連通する凹型の圧力発生室2等が複数個配列された流路基板1を形成した。前述のように、流路基板1としては厚さ380μmの面方位(100)シリコン単結晶基板を用い、シリコンの熱酸化膜をエッチングマスクとして用い、エッチング装置としてICP(Inductively Coupled Plasma)−RIE装置を用い、エッチングガスはSF6 を用いて基板両面よりエッチングを行い、後にエッチングマスクを除去した。なお、本工程のエッチング方法としては、例えば水酸化カリウム水溶液、エチレンジアミンピロカテコール、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイトなどの異方性エッチング液を用いたウエットエッチングや、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)装置やイオンミリング装置などのドライエッチング装置を用いたドライエッチングなどを使用することもできる。
圧力発生室2は、幅70μm、長さ3000μm、深さ150μmとして、幅20μmの隔壁を介して複数個並列に形成した。また、同様のエッチングを流路基板1の裏面より施し、圧力発生室間を連通するとともに液体の供給経路となる共通液室3を形成した。なお、本実施例では1枚の基板を両面から加工した例を示すが、複数枚の基板に流路の部位を形成した後、位置合せをして接合しても構わない。
続いて、図5の(b)に示すように、流路基板1上に振動板4を形成した。振動板4としては、ガラス板を陽極接合で流路基板1に接合して、平均厚さ3μmまで研磨薄片化した。本実施例では振動板4としては絶縁性であり、耐熱性を有するガラス板を用い、陽極接合で流路基板1に直接接合して平均厚さ3μmまで研磨薄片化した。なお、振動板4の形成工程は、前記方法になんら限定されるものではない。膜堆積法や直接接合、接着などの方法により流路基板1に接合する。
また、振動板4は流路基板1に圧力発生室2等を設けた後に接合してもよいし、振動板4を流路基板1に接合した後に圧力発生室2等を形成してもかまわない。ただし、以上の振動板材料および接合方法は後工程における加熱やエッチング処理などのプロセスに耐性を有する組み合わせから選択されることは言うまでもない。
他の好ましい例としては、流路基板としてシリコン単結晶基板を用い、表面に酸化シリコン皮膜を熱酸化やスパッタ法などの膜堆積法で形成後、流路基板をエッチングなどにより圧力発生室などを形成してもかまわない。
続いて、図5の(c)に示すように、下電極5を振動板4上に形成した。下電極5の材料としては、駆動電圧の印加に必要な導電性を有し、後工程における加熱やエッチング処理などのプロセスに耐性を有するものから適宜選択される。本実施例では、圧電層6の結晶化温度に耐久性を有する材料としてTi、Ptを順に堆積した積層膜を用いた。他には、Irなどの金属や導電性酸化物などが好ましい。成膜方法はスパッタ法を用いて、振動板上4にTiを10nm、Ptを100nmの厚さに成膜した。その際、メタルマスクを用い成膜領域を制限することにより、下電極5は列状に配された圧力発生室2を配列方向に複数個またぐとともに、各圧力発生室2に対向する領域内において圧力発生室配列方向に概直交する側に端部5aを有する平面形状とし、さらに下電極5は各圧電アクチュエータ部8の圧力発生室配列方向側の端部より引き出されて、配列された複数の圧電アクチュエータ部8に対する共通電極となる形状に堆積した。
下電極5は配線接続部9まで延長される形状とした。このような方法で下電極5を堆積することで、フォトリソグラフィーやエッチングによるパターニング加工が不要となるため、下電極表面および端面に加工に伴うレジスト滓による汚れなどのダメージがなく、下電極上に良質な圧電層6を形成可能である。ただし、素子設計上の必要性があれば、振動板上に上記薄膜を堆積後にフォトリソグラフィーやエッチング等で加工する手法を用いることも可能である。
続いて、図5の(d)に示すように、圧電層6を形成した。本実施例においては、本工程における圧電層堆積時の薄膜堆積物の量に所定の面内分布を持たせることにより、圧電層6の膜厚漸減部6aを形成した。膜厚漸減部6aの形状となる膜厚分布を形成する方法としては、圧電層6を気相からの薄膜堆積法により形成するとともに、薄膜堆積時に開口部を有するシャドーマスクにより堆積物の一部を制限しながら堆積する工程により、薄膜堆積物の量に所定の面内分布を持たせるのが好ましく、シャドーマスクの端部形状あるいは基体との間隔などを適宜制御することで、膜厚漸減部6aの形状を広い範囲で制御性よく形成できる。
一例として、図6の(a)に示すように、シャドーマスクMが流路基板1、振動板4および下電極5からなる基体Bに対して密着され、かつシャドーマスクMが開口の端部に立ち上がり部M1 を有するものを用いた。シャドーマスクMの立ち上がり部M1 は、所望の形状の膜厚漸減部6aを形成できるように角度、高さを任意に設定される。本実施例においては、基体Bの表面に対して垂直に0.5mmまでの高さで立ち上がる形状のものを用いた。
薄膜堆積法としては、気相からの薄膜堆積法、すなわちスパッタ法、イオンビームスパッタ法、真空蒸着法、クラスターイオンビーム法、MO−CVD法などから適宜選択される。気相からの薄膜堆積においては、堆積物粒子の入射に方向性を有するため、シャドーマスクMの端部近傍において一定範囲の入射角度の堆積物粒子が遮蔽を受けるため、マスク端部に近づくほど遮蔽される堆積物粒子の比率が高まり膜厚分布が生じる。
薄膜堆積法として特に好ましいものとしてはスパッタ法が挙げられる。スパッタ法ではターゲットよりスパッタされた堆積物粒子が、平均自由工程の略1倍ないし数倍の輸送過程を経て散乱されながら基体B上に堆積されるため、堆積される堆積物粒子の入射角度に適当な分散が生じ、シャドーマスクMによる遮蔽において急峻な膜厚分布が生じることを抑制できる。本実施例ではスパッタ法の一種である高周波マグネトロンスパッタ法を用い、Arガス圧力3.0Pa、ターゲット面積に対する高周波出力を1.5W/cm2 、ターゲット−基体間の対向距離80mmの条件で、無加熱で成膜後、酸化雰囲気中で650℃の加熱処理を行い、PZTを結晶化させた。ただし、薄膜堆積中に基体の加熱を行うことでPZT結晶化させても構わない。
以上の方法により、圧電層6の厚さを、圧電アクチュエータ部8ならびに下電極5の端部5aの被覆部においては全面で2.5μmとし、前記被覆部より連続した膜厚漸減部6aにおいて膜厚が連続的に漸減するようにした。図2に示したように、本実施例では、膜厚漸減部6aは圧電アクチュエータ部8から前記被覆部を経て連続的に漸減し、約1mmの反対側に端部においてより緩やかな漸減形状を以って急激な段差なしに膜厚がゼロとなるようにした。
シャドーマスクMの開口部以外に圧電層6が堆積することを完全になくすように制御することができるため、配線接続部9などに不要な堆積物が付着しないようにすることができる。このため、配線基板20の接続が良好に行える。
また、図6の(b)に示すように、シャドーマスクMの開口端部に、基体Bに対して90°ないし150°の角度を以って立ち上がるテーパー形状部M2 を設けてもよい。テーパー形状部M2 により、シャドーマスクMの端部をオーバーハング状とすることで、特にシャドーマスクMの開口端近傍における急峻な膜厚分布の形成が抑制できる。
このようにして堆積された圧電層6は図5の(e)に示すように、必要に応じて適宜分割加工される。本実施例においては、圧電層6をフッ酸および硝酸の混合水溶液によるウエットエッチングにより加工した。ただし、本工程の圧電層6の加工は一般的に用いられる方法を任意に用いて構わない。圧電層6の平面形状は、各圧電アクチュエータ部8ごとに分割し、圧電アクチュエータ部8上の圧電層6および膜厚漸減部6aにおいては、圧力発生室2の幅方向に60μmの幅の概短冊形状とした。なお、この圧電層6の分割加工は上電極7の形成後に行っても構わない。
続いて、図5の(f)に示すように、上電極7を形成した。上電極7は、材料、厚さとも下電極5と同様として堆積した後、Arガスを用いたドライエッチングにより加工した。上電極7の平面形状は、各圧電アクチュエータ部8ごとに分割し、圧力発生室2に対向する領域では圧力発生室2の幅方向に50μmの幅の概短冊形状とし、圧電アクチュエータ部8および圧電層6の膜厚漸減部6a上を経て振動板4の露出面まで引き出して、配線接続部9まで延長される形状とした。
最後に、図5の(g)に示すように、ノズルプレート10を接合した。ノズルプレート10としては、インク滴の吐出特性に応じた厚さの板を用い、これに打ち抜き加工やエッチングによりノズル開口11を形成している。本実施例ではノズルプレート10として、厚さ50μmのステンレス板に、開口径が30μmの円形のノズル開口11を設けたものを用いた。
以上述べた製造方法により、液体吐出ヘッドを製造した。
本実施例は、圧電層の形成工程において、実施例1とは別の手法で膜厚漸減部を形成した点のみが異なる。すなわち、図7に示すように、振動板4上に下電極5を形成した基体B上に圧電層6を堆積する工程において、薄膜堆積物の量に所定の面内分布を持たせるために、シャドーマスクNと基体Bとの間に間隙を設けて成膜するものである。
シャドーマスクNは、所望の形状の膜厚漸減部6aを形成できるように任意に決定できるが、本実施例においては、厚さ0.2mmで、マスク開口Pの端部が概垂直のものを用い、基体Bの表面との間に所定の間隙を有するように相対的に固定した。前記間隙は、任意に設定できるが、0.1mmないし1mmが好適な範囲である。本実施例では0.2mmとした。薄膜堆積法および成膜条件は実施例1と同様である。本実施例では、マスク開口Pより、前記間隙に一定範囲の入射角度の堆積物粒子が侵入し膜厚分布が生じる。このようにした場合の膜厚分布は実施例1とほほ同様であった。
これ以外の製造工程は実施例1と同様であるから説明は省略する。
本実施例によれば、実施例1と同様に液体吐出ヘッドを製造できるとともに、シャドーマスクと基体との間の間隙に堆積物が入り込むため不要な堆積物が配線接続部などに付着する可能性があるものの、なだらかな形状の膜厚分布を容易に制御できる。さらにシャドーマスクと基体上の下電極などが直接接触しないため、接触に伴う下電極の損傷を防止できる。
図8に示すように、シャドーマスクNのマスク開口Pと基体Bとを所定の速度で相対的に移動させることにより圧電層6の膜厚漸減部6aを形成した。
シャドーマスクNは、所望の形状の膜厚漸減部6aを形成できるように任意に決定できるが、本実施例においては、厚さ0.2mmで、端部が概垂直のものを用い、基体Bの表面との間に不要な接触が起きない範囲でごく近接した状態としたうえで、不図示のマイクロマニピュレーターを用いて矢印で示すように相対的に移動させた。この際の移動の範囲、ならびに移動の速度やその時間的変化を適当に制御することにより、膜厚漸減部6aの形状は制御性よく任意に形成できる。本実施例では、薄膜堆積法、成膜条件は実施例1と同様にしたうえで、移動速度を制御し、実施例1とほぼ同様の膜厚分布を形成した。
本実施例によれば、実施例1と同様の液体吐出ヘッドを製造できるとともに、圧電層の堆積を行う装置に上述した相対的な移動を行う機構を設ける必要があるものの、膜厚分布の制御性がより向上するという利点がある。
図9に示すように、本実施例では、圧電層6の膜厚漸減部6aを、圧電層6となる薄膜堆積物6eの一部をウエットエッチングする工程により形成した。本実施例では、一例として、エッチング工程がエッチング液Lによる化学エッチングによって行われ、エッチング液Lと薄膜堆積物6eとの接液境界L1 を所定の速度で移動させることにより圧電層6の膜厚漸減部6aを形成した。
薄膜堆積物6eは、圧電層6となる膜であり、実施例1と同様の薄膜堆積法を用い、基体Bのほぼ全面に形成したものである。
なお、本実施例においては、薄膜堆積法としては気相からの薄膜堆積法すなわちスパッタ法、イオンビームスパッタ法、真空蒸着法、クラスターイオンビーム法、MO−CVD法など加えて、ゾル−ゲル法、水熱合成法、スプレー法などの方法を用いることが可能となる。さらに、流路基板とは別に形成した圧電層を接合する方法も採用可能となる。
本実施例においては、薄膜堆積物6eの堆積された基体Bをエッチング液Lに浸漬するにあたり、例えば基体Bを図9の上方へ移動させて接液境界L1 を移動させる。エッチング液Lを適当に選択するとともに、この際の移動の範囲、ならびに移動の速度や速度の時間的変化を適当に制御することにより、膜厚漸減部6aの形状は制御性よく任意に形成できる。本実施例では、エッチング液Lとしてフッ酸と硝酸の混合水溶液を用い、移動速度を制御し、実施例1とほぼ同様の膜厚分布を形成した。
本実施例によれば、実施例1と同様の液体吐出ヘッドを製造できるとともに、エッチング工程が必要となり工程数が増大するものの、薄膜堆積法に任意の方法を用いることができる。すなわち、ゾル−ゲル法、水熱合成法、スプレー法などの方法を用いることが可能となる。さらに、流路基板とは別に形成した圧電層を接合する方法も採用可能となる。このことより、インクジェットヘッドの構造、構成の設計自由度が格段に高くなる。
さらに本実施例によれば、エッチング工程がエッチング液による化学エッチングによって行われ、エッチング液と薄膜堆積物との接液境界を所定の速度で移動させることにより圧電層の膜厚漸減部を形成することにより、特にエッチングマスクを用いることなく形状を制御したエッチングが可能であり、きわめて簡便にエッチング工程を行うことができる。
本実施例では、圧電層6の膜厚漸減部6aを、振動板4上に均一に堆積された薄膜堆積物6eの一部をドライエッチングする工程により形成した。
図10に示すように、エッチング工程において薄膜堆積物6eの一部をエッチングマスクHによって保護し、エッチングマスクHをエッチングしながら薄膜堆積物6eの露出部をエッチングすることにより圧電層6の膜厚漸減部6aを形成した。
まず、図10の(a)に示すように、薄膜堆積物6eの表面にテーパー状の端部H1 を有するエッチングマスクHを形成した。エッチングマスクHの材料としては、薄膜堆積物6eのエッチング工程において適当なエッチングレート比でエッチングされるものから選択される。本実施例においては一例としてフォトレジストを用いた。本実施例では、フォトレジストを塗布後、フォトマスクによる露光と現像を行い、エッチングマスクHを形成した。この際、露光、現像条件を適当に選択するとともに、必要に応じて加熱処理(リフロー)を行うことでフォトレジストを変形せしめ、図10に示すようなテーパー状の端部H1 を形成した。
さらに図10の(b)に示すように、エッチングマスクHの厚みをエッチングにより後退させながら薄膜堆積物6eをエッチングした。エッチングは、エッチングガスによるドライエッチングで行った。この工程においては、薄膜堆積物6eのエッチングが進行すると同時にエッチングマスクHもエッチングされるため、テーパー状の端部H1 の後退が進行する。このため、薄膜堆積物6eがマスキングされる領域を後退させながらエッチングが進行し、膜厚漸減部6aが形成される。
最後に図10の(c)に示すように、残ったエッチングマスクHを除去する。
本実施例によれば、例えばエッチングマスクの端部に適宜テーパー状の形状を設けたり、マスク材と薄膜堆積物のエッチングレート比を化学エッチング液や温度条件等を適当に選んでやることで、高精度な膜厚漸減部の加工が可能である。
また、例えばエッチングマスクの端部に適宜テーパー状の形状を設けたり、マスク材と薄膜堆積物のエッチングレート比をエッチングガスや基体の温度、エッチング種の入射方向などの条件を適当に選んでやることで高精度の膜厚漸減部の加工が可能である。
実施例1による液体吐出ヘッドの構成を示すもので、(a)はその模式平面図、(b)は(a)のA−A線に沿ってとった断面図である。 膜厚漸減部の膜厚分布を示すグラフである。 実施例1の上電極に厚膜部を設けた場合を示す断面図である。 実施例1の配線接続部への配線基板の接続を示すもので、(a)はその模式平面図、(b)は(a)のB−B線に沿ってとった断面図である。 実施例1による液体吐出ヘッドの製造方法を示す工程図である。 実施例1による液体吐出ヘッドの製造工程に用いるシャドーマスクを説明する図である。 実施例2による液体吐出ヘッドの製造工程に用いるシャドーマスクを示す図である。 実施例3による液体吐出ヘッドの製造工程に用いるシャドーマスクを示す図である。 実施例4による液体吐出ヘッドの製造工程におけるウエットエッチングを説明する図である。 実施例5による液体吐出ヘッドの製造工程におけるドライエッチングを説明する図である。
符号の説明
1 流路基板
2 圧力発生室
3 共通液室
4 振動板
5 下電極
6 圧電層
6a 膜厚漸減部
7 上電極
7a 厚膜部
8 圧電アクチュエータ部
9 配線接続部
10 ノズルプレート
11 ノズル開口
20 配線基板
21 配線基板側の端子

Claims (8)

  1. 吐出口に連通する圧力発生室内の液体を加圧するための、前記圧力発生室側から順次積層された下電極、圧電層および上電極からなる圧電素子を有し、前記圧電層が、その膜厚を漸減しながら前記下電極の積層領域外に延在し、前記上電極を前記下電極と同一平面上に引き出すための膜厚漸減部を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 上電極と下電極が、同一平面上において駆動信号を供給する配線接続部に接続されることを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 配線接続部における上電極と下電極の高さのばらつきが100nm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の液体吐出ヘッド。
  4. 上電極が、膜厚漸減部上において膜厚が増大する厚膜部を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の液体吐出ヘッド。
  5. 吐出口に連通する圧力発生室を有する流路基板を提供する工程と、
    流路基板上に振動板を形成する工程と、
    振動板上に下電極を積層する工程と、
    下電極上およびその積層領域外に圧電層を形成する工程と、
    圧電層上に上電極を積層する工程と、を有し、
    前記圧電層を形成する工程において、前記圧電層を、その膜厚が漸減しながら前記下電極の積層領域外に延在するように形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記圧電層を形成する工程において、シャドーマスクを用いた真空成膜によって膜厚漸減部を有する圧電層を形成することを特徴とする請求項5記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 開口端にテーパー形状部を有するシャドーマスクを用いることを特徴とする請求項6記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記圧電層を形成する工程において、均一に積層された薄膜堆積物をドライエッチングまたはウエットエッチングすることで、膜厚漸減部を有する圧電層を形成することを特徴とする請求項5記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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