JP5399022B2 - 外装材 - Google Patents

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本発明は建築、構築物の外装を形成する外装材に関するものである。
一般に、金属製板材をロール成形、プレス成形等して加工し、化粧面に凹凸を形成した外装材は数多く上市されている。(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平8−42108号公報 特開2004−251086号公報 特開2005−207208号公報
特許文献1〜3は落とし込み構造で、化粧面に凹凸を形成した乾式壁材、あるいは建築用パネルである。引用文献1は連結部の外観形状を表面板の外観形状と同一とするということが目的であるが、嵌合部の寸法に精度が要求され、寸法の誤差・施工誤差により、目地部がどこの位置にあるか判り、連結部の外観形状を表面板の外観形状と同じように見えるようにすることは困難であった。勿論、引用文献2、3も同様で、連結部間に間隙が生じ、連結部と表面凹凸形状の見分けが付き、凹凸が途中で途切れるような外観となり違和感があった。
本発明はこのような欠点を解決するために、化粧面の上下端部に雄雌連結構造を形成した長尺状の外装材において、化粧面の下端には裏面側に屈曲した側壁と、側壁の先端を上方へ突出した上片と、側壁と上片間を裏面側へ突出した突起と、上片の先端を下方に傾斜して屈曲した傾斜下片と、該傾斜下片の先端を下方に垂下した垂直下片とからなる係合片と、上片と係合片とからなる係合溝とから雄型連結部を形成し、化粧面の上端には裏面側に屈曲した側壁と、側壁の先端を上方に垂直に屈曲した目地底面と、目地底面の先端を折り返し下方に傾斜して突出した傾斜下面と、傾斜下面の先端を下方に垂下した垂直下面と、垂直下面の先端を上方に屈曲して突出した固定面と、垂直下面と固定面とから形成した嵌合溝とからなる雌型連結部とから形成し、外装材同士を連結した際に係合片と傾斜下面とが面接触し、突起と目地底面が線接触するように形成した外装材に関するものである。
本発明に係る外装材によれば、外装材同士を連結した際に係合片と傾斜下面とが面接触し、突起と目地底面が線接触する外装材を形成することにより(1)一定幅の外装材を複数枚張り上げて形成した壁であることが外観上判らず、外装面全体が1枚の面として形成出来るために、高級感のある外装となる。(2)嵌め込み時の抵抗を少なくし、容易に施工出来るようにした。(3)係合片は雌型連結部の傾斜下面と面接触すると共に、その傾斜により嵌合片の先端がパッキンへさらに食い込み防水性を強化する。(4)係合片と傾斜下面の傾斜により、嵌合時の力が突起と目地底面間に隙間が生じるのを防止する方向に作用する。(5)嵌合部内に形成された空隙による毛細管現象の防止により、防水性が向上する。等の特徴、効果がある。
以下に図面を用いて、本発明に係る外装材の一実施例について詳細に説明する。すなわち、外装材Aは図1、図2(a)、(b)に示すように、表面材1と裏面材2で例えば合成樹脂発泡体からなる芯材3を、サンドイッチした外装材Aである。また、図3は施工状態を示す断面図である。
外装材Aの全体形状の一例としては図1、図2(a)、(b)に示すように、長尺で金属製の薄板からなる表面材1と裏面材2間に芯材3をサンドイッチし、幅方向の一端に形成した雄型連結部4、他端に形成した雌型連結部5とから形成し、化粧面6の下端には側壁7、上端には側壁8を形成したものである。また、化粧面6に少なくとも一個の凹部6aを形成することにより、複数個の凸部6bを形成したものである。
さらに詳説すると、雄型連結部4は化粧面6下端を裏面側に屈曲した側壁7と、側壁7の先端を上方へ突出した上片9bと、側壁7と上片9b間を裏面側へ突出した突起9aと、突起9aと上片9bとから形成された空間9cとからなる上面9と、上面9の先端を下方に傾斜して屈曲した傾斜下片10aと、傾斜下片10aの先端を下方へ垂下した垂直下片10bとからなる係合片10と、上面9と係合片10とからなる係合溝11とから形成したものである。
雌型連結部5は化粧面6の上端を裏面側に屈曲した側壁8と、側壁8の先端を上方に屈曲した目地底面12と、目地底面12の先端を折り返し下方に傾斜して突出した傾斜下面13aと、傾斜下面13aの先端を下方に垂下した垂直下面13bとからなる下面13と、目地底面12と下面13とからなる嵌合片14と、目地底面12と下面13間を接続する折り返し片14aと、下面13の先端を上方に屈曲して突出した固定面15と、下面13と固定面15とから形成した嵌合溝16とから形成したものである。なお、17は防水性強化のために形成したパッキンである。
図3において、αは躯体、βは固定具、γは連結部である。
表面材1と裏面材2は金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形等によって各種形状に成形したもの、あるいは無機質材を押出成形、プレス成形、オートクレーブ養生成形等して各種任意形状に形成したものである。また、裏面材2としてはアルミニウム蒸着紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート状物からなるものでも良いものである。
芯材3は例えばポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等、の合成樹脂発泡体からなるものであり、特に耐火性を必要とする場合にはレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材1、もしくは裏面材2の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。また、芯材3中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることも出来る。勿論、芯材3としてロックウール、グラスウール、セラミックウール等の無機材を使用しても良いものである。
外装材A同士は、係合片10が嵌合溝16へ、係合溝11には嵌合片14が連結されることにより、図3に示すように連結されるものである。
突起9aは図3、図6〜図8に示すように目地底面12と線接触し、外装材A同士を連結する際に上面9と目地底面12が面接触するのを防止することにより、嵌め込み時の抵抗を少なくし、容易に施工出来るようにしたものである。つまり、係合片10と突起9a間の幅をh1、目地底面12と下面13間の幅をh2とすると、突起9aが目地底面12と線接触するために、h1を広く形成しh2を狭く形成しなくとも外装材A同士が嵌合し易くなり施工性が向上すると共に、外装材A同士の嵌合不良のクレームも皆無となるものである。
また、実際にはh1>h2の関係ではあるが、h1=h2に近づけることが出来るために、突起9aと目地底面12間の隙間を極小とすることが出来、施工後、外装材A同士の連結部となる嵌合部が何処に有るかの判断が出来にくくなり、外観上目地部の存在しない1枚の外装材Aからなる外装のように形成することが可能となる。
突起9aは図8に示すように、係合溝11内に空間9cを形成して嵌合部に空隙9dを形成することにより毛細管現象を防止し、防水性を向上するものである。また、傾斜下片10aは後記する雌型連結部5の傾斜下面13aと面接触すると共に、その傾斜により嵌合片14の先端の折り返し片14aがパッキン17へさらに食い込み防水性を強化するものである。
傾斜下片10aと傾斜下面13aは図8に示すように面接触し、外装材A同士の連結強度、防水性、気密性を向上するものである。
さらに詳説すると、目地下地12の先端部分に形成した傾斜下面13aは、傾斜下片10aと面接触するように形成したものである。つまり、傾斜下片10aと上面9の角度をθ1、傾斜下面13aと目地底面12の角度をθ2とし、θ1とθ2の関係をθ1=θ2の関係とすることにより、傾斜下片10aと傾斜下面13aが面接触するように形成したものである。また、傾斜下面13aは図5、図6に示すように係合片10と接触し、傾斜下面13aの傾斜が係合片10を嵌合溝15内にスムーズに挿入出来るようにする効果も有するものである。
この場合には、図8の点線矢印アに示すように垂直下面13bと垂直下片10bは面接触、一点鎖線矢印イに示すように突起9aと目地底面12は線接触、点線矢印ウに示すように傾斜下片10aと傾斜下面13aは面接触するように形成され、連結部が施工性、防水性、気密性に優れた構造となるものである。また、上部の外装材Aを嵌合した際の傾斜下片10aと傾斜下面13aの傾斜により、矢印イへの作用力がさらに加わり、突起9aと目地底面12間に隙間が生じるのをさらに防止すると共に、パッキン17へ嵌合片14の先端の折り返し片14aがさらに食い込み防水性を強化するものである。
そこで、外装材Aの施工順序について図3から図8を用いて説明する。まず、図4に示すように下段の外装材A1の固定面15を固定具βで打設して固定する。その後、図5、〜図7に示すように下段の外装材A1の嵌合溝16に上段の外装材A2の係合片10を差し込むように落とし込み、図3、図8に示すように連結部γと化粧面6の凹部6aの寸法が同一になった状態で上段の外装材A2の固定面15を躯体αに固定具βにより打設するものである。このような工程を土台から軒天まで行うことにより施工を完了するものである。勿論、縦張りの場合には上記工程を横方向に順次行うことにより、外装材Aを施工するものである。
以上説明したのは本発明に係る外装材の一実施例にすぎず、図9(a)〜(f)〜図16(a)〜(e)に示すように外装材Aを形成することも出来る。
すなわち、図9(a)〜(f)、図10(a)〜(e)、は化粧面6の凹部6a、凸部6bを変形した外装材A、図11(a)〜(f)、図12(a)〜(e)は目地底面12に凹部18を形成し、突起9aが凹部18に嵌合するように形成した外装材A、図13(a)〜(f)、図14(a)〜(e)は目地底面12に凸部19を形成、突起9aが凸部19に嵌合するように形成した外装材A、図15(a)〜(f)、図16(a)〜(e)は係合片10に形成した垂直下片10bを削除した外装材Aである。
本発明に係る外装材の代表例を示す断面図である。 本発明に係る外装材の代表例を示す断面図である。 本発明に係る外装材の施工状態を示す断面図である。 本発明に係る外装材の施工順序を示す断面図である。 本発明に係る外装材の施工順序を示す断面図である。 本発明に係る外装材の施工順序を示す断面図である。 本発明に係る外装材の施工順序を示す断面図である。 本発明に係る外装材の施工状態を示す断面図である。 本発明に係る外装材のその他の実施例を示す断面図である。 本発明に係る外装材のその他の実施例を示す断面図である。 本発明に係る外装材のその他の実施例を示す断面図である。 本発明に係る外装材のその他の実施例を示す断面図である。 本発明に係る外装材のその他の実施例を示す断面図である。 本発明に係る外装材のその他の実施例を示す断面図である。
符号の説明
α 躯体
β 固定具
γ 連結部
A 外装材
1 表面材
2 裏面材
3 芯材
4 雄型連結部
5 雌型連結部
6 化粧面
6a 凹部
6b 凸部
7 側壁
8 側壁
9 上面
9a 突起
9b 上片
9c 空間
9d 空隙
10 係合片
10a 傾斜下片
10b 垂直下片
11 係合溝
11a 折り返し片
12 目地底面
13 下面
14 嵌合片
14a 折り返し片
15 固定面
16 嵌合溝
17 パッキン
18 凹部
19 凸部

Claims (1)

  1. 化粧面の上下端部に雄雌連結構造を形成した長尺状の外装材において、化粧面の下端には裏面側に屈曲した側壁と、該側壁の先端を上方へ突出した上片と、側壁と上片間を裏面側へ突出した突起と、上片の先端を下方に傾斜して屈曲した傾斜下片と、該傾斜下片の先端を下方に垂下した垂直下片とからなる係合片と、上片と係合片とからなる係合溝とから雄型連結部を形成し、化粧面の上端には裏面側に屈曲した側壁と、該側壁の先端を上方に垂直に屈曲した目地底面と、該目地底面の先端を折り返し下方に傾斜して突出した傾斜下面と、該傾斜下面の先端を下方に垂下した垂直下面と、該垂直下面の先端を上方に屈曲して突出した固定面と、垂直下面と固定面とから形成した嵌合溝とからなる雌型連結部とから形成し、外装材同士を連結した際に係合片と傾斜下面とが面接触し、突起と目地底面が線接触するように形成したことを特徴とする外装材。
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