JP5398398B2 - 出入口用手摺及び玄関 - Google Patents

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Description

本発明は、出入口に設けられる手摺と、その手摺を備えた玄関に関する。
お年寄りや身体の不自由な人にとって、玄関の出入りは大きな障害であり、段差につまづいたり、閉まろうとするドアに足や杖が挟まったりして転び、怪我をすることも少なくない。また最近のドアは、防犯性を高めるために上部と下部の2箇所に錠が設けられており、これらを解錠しようとして上体を持ち上げたり屈めたりした際によろけて転倒することもある。また、力の弱い子供やお年寄りは、ドアを引いて開けるのが困難なことがある。健康な大人であっても、手が荷物でふさがっていたりすると、ドアの錠を解錠したりドアを開けたりするのが容易ではなく、ドアを通過する際に身体や荷物がドアに挟まり、荷物を落としたり転びそうになったりすることがある。
従来、廊下や階段、風呂場、トイレ等には、歩行や立ち上がりを補助するためによく手摺が設けてあるが(例えば、特許文献1,2参照)、玄関用の手摺としては、図9に示すように、ドア90の戸先側に隣接して設けた縦の手摺91単独のものしかなく、お年寄り等が玄関を安心して出入りするために十分なものではなかった。
特開2000−192633号公報 特開2000−87408号公報
本発明は以上に述べた実情に鑑み、お年寄り等が出入口を安心して安全に出入できるようにするための出入口用手摺及び玄関の提供を目的とする。
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による出入口用手摺は、出入口の戸の戸先側に隣接して設けた縦手摺と横手摺を備え、縦手摺は、横手摺の上方から下方にわたって設けてあり、横手摺は、縦手摺よりも短尺で、縦手摺の周辺にのみ位置し、少なくとも戸側が略円弧状になっており、略円弧状の部分が縦手摺よりも前方及び側方に張り出して縦手摺の中間部を隙間をおいて囲んでいることを特徴とする。
請求項2記載の発明による出入口用手摺は、請求項1記載の発明の構成に加え、縦手摺の中間部に湾曲部を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明による出入口用手摺は、出入口の戸の戸先側に隣接して設けた縦手摺と横手摺を備え、縦手摺と横手摺は、縦手摺の下端部と横手摺の戸側端部とを近づけて略L形に配置してあり、横手摺は、縦手摺よりも短尺で、縦手摺の周辺にのみ位置し、少なくとも戸側が略円弧状になっており、略円弧状の部分が縦手摺よりも前方及び側方に張り出していることを特徴とする。
請求項4記載の発明による玄関は、戸と、請求項1〜3の何れかに記載の出入口用手摺とを備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明による玄関は、室外側に開く戸と、室外側に設けた請求項1又は2記載の出入口用手摺と、室内側に設けた請求項3記載の出入口用手摺とを備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明による出入口用手摺は、出入口の戸の戸先側に隣接して縦手摺と横手摺が交差状に設けてあって、縦手摺が横手摺の下までのびているため、大人だけでなく子供も縦手摺をつかむことができ、縦手摺につかまることで戸の施解錠操作を行う際などに体がよろけるのを防止でき、また戸に力を伝えやすくなるため、力の弱い人でも戸を開けるのが容易になる。横手摺は、縦手摺よりも短尺で、縦手摺の周辺にのみ位置し、少なくとも戸側が略円弧状になっており、略円弧状の部分が縦手摺よりも前方及び側方に張り出して縦手摺の中間部を隙間をおいて囲んでいるので、その略円弧状の部分に体をそわせることで、お年寄り等が出入口を通過するのを良好にサポートできる。また、横手摺に荷物を置いたり引っ掛けたりすることができ、便利である。
請求項2記載の発明による出入口装置は、縦手摺の中間部に湾曲部を有していることで、縦手摺の中間部を手首を曲げることなく楽に握ることができる。
請求項3記載の発明による出入口用手摺は、出入口の戸の戸先側に隣接して縦手摺と横手摺が略L形の配置で設けてあって、縦手摺につかまることで戸の施解錠操作を行う際などに体がよろけるのを防止でき、また戸に力を伝えやすくなるため、力の弱い人でも戸を開けるのが容易になる。横手摺は、縦手摺よりも短尺で、縦手摺の周辺にのみ位置し、少なくとも戸側が略円弧状になっており、略円弧状の部分が縦手摺よりも前方及び側方に張り出しているので、その略円弧状の部分に体をそわせることで、お年寄り等が出入口を通過するのを良好にサポートできる。また、横手摺に荷物を置いたり引っ掛けたりすることができ、便利である。
請求項4記載の発明による玄関は、戸の戸先側に隣接して請求項1〜3の何れかに記載の出入口用手摺を備えていることで、玄関を出入りする際の一連の動作を効率よくサポートし、お年寄り等が玄関を安心して安全に出入りできるようになる。
請求項5記載の発明は、お年寄り等にとって比較的出入りのしづらい開き戸付きの玄関において、室外側に請求項1又は2記載の出入口用手摺を、室内側に請求項3記載の出入口用手摺をそれぞれ設けたことにより、玄関を出入りする際の一連の動作を効率よく総合的にサポートし、お年寄り等がより一層安心して安全に出入りできる玄関になる。
玄関のドアまわりの室外側正面図である。 玄関のドアまわりの室内側正面図である。 図1のA−A断面図である。 玄関のドアまわりの横断面図である。 玄関に入る際の出入口用手摺の使用状態を順に示す斜視図である。 玄関に入る際の出入口用手摺の使用状態を順に示す斜視図(図5−1の続き)である。 室外側の出入口用手摺の使用状態の他の例を示す室外側正面図である。 玄関を出る際の出入口用手摺の使用状態を順に示す斜視図である。 出入口用手摺の設置状態の他の例を示す室外側正面図である。 従来の出入口用手摺の一例を示す室外側正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜4は、玄関9のドア1まわりの一実施形態を示している。玄関9の壁開口部11にはドア枠12が取付けられ、ドア枠12内にドア本体10が蝶番13により室外側に開くように取付けられている。ドア本体10は、戸先側の室外側面及び室内側面に縦長のハンドル14a,14bが設けてあり、ハンドル14a,14bの上方と下方の2箇所に錠15a,15bが設けてある。ドア1の戸先側に隣接する壁16の室外側面及び室内側面には、それぞれ縦手摺3,7と横手摺4,8とで構成された出入口用手摺2,6が設置してある。
室外側の出入口用手摺2は、図1に示すように、縦手摺3と横手摺4とを交差して設けてある。縦手摺3は、金属製の丸パイプで約1mの長さに形成され、中間部を横手摺4の内側に挿通して交差させ、ドア1の戸先側の竪枠17に沿うように垂直に配置され、上下端部をエンドエルボ18,18を介して壁16に固定してある。縦手摺3は、大人だけでなく子供もつかまれるように、地面から30〜40cm程度の高さまで下方に長くのばしてある。縦手摺3の取付位置及び長さは、適宜調節することができる。縦手摺3の、横手摺4と交差する中間部には、ドア1から離れる方向に出っ張るように円弧状に湾曲した湾曲部5を有している。
横手摺3は、金属製の丸パイプを曲げて形成したものであって、図4に示すように、ドア1の戸先側に隣接する位置から円弧状に湾曲して室外側に大きく張り出す1/4円弧部19と、室外側にまっすぐ張り出すストレート部20とを有するものとなっており、1/4円弧部19の内側に縦手摺3を挿通してある。横手摺4は、両端部が取付板21に溶接等により固定され、取付板21を壁16に取付ネジ(図示省略)で固定して取り付けている。横手摺4は、壁16から約30cm室外側に張り出しており、横手摺4の設置高さは大人の腰ぐらいの高さ、具体的には地面から約80cmの高さにしている。横手摺4の取付位置は、適宜調節することができる。
室内側の出入口用手摺6は、図2に示すように、縦手摺7と横手摺8とが、縦手摺7の下端部と横手摺8のドア側端部とを近づけるように、L形の配置で設けてある。縦手摺7は、金属製の丸パイプで約50cmの長さに形成され、ドア1の戸先側の竪枠17に沿うように垂直に配置され、上下端部をエンドエルボ18,18を介して壁16に固定してある。縦手摺7の取付位置及び長さは、適宜調節することができる。
横手摺8は、金属製の丸パイプを曲げて形成したものであって、図4に示すように、ドア1の戸先側に隣接する位置から円弧状に湾曲して室内側に大きく張り出す1/4円弧部22と、室内側にまっすぐ張り出すストレート部23と、1/4円弧部22とストレート部23とを繋ぐ繋ぎ部24を有するものとなっている。横手摺8は、両端部が取付板21に溶接等により固定され、取付板21を壁16に取付ネジ(図示省略)で固定して取り付けている。横手摺8の壁16からの張り出し量は約15cmで、縦手摺7よりも大きく室内側に張り出している。横手摺8の設置高さは、室外側の横手摺4と同じにしてある。横手摺8の取付位置は、適宜調節することができる。
次に、上述の出入口用手摺2,6の機能について説明する。図5−1,5−2は、お年寄りが玄関9に入るときの様子を示している。まず図5−1(a)に示すように、玄関前のポーチ30の段を上る際、横手摺4につかまることで、容易に上ることができる。次に、錠15a,15bの解錠操作を行うにあたり、上側の錠15aを操作するときには上体を持ち上げ、下側の錠15bを操作するときには上体を屈める不安定な姿勢になるが、その際に図5−1(b)に示すように、縦手摺3につかまることで体を支えられ、安心して解錠操作が行える。このとき、縦手摺3の中間部に湾曲部5を設けてあるため、縦手摺3の中間部を握る際に手首を曲げない楽な状態で握ることができる。またこのときに、持っている杖25を横手摺4に引っ掛けておけば、杖25を倒す心配がない。荷物を持っている場合は、荷物を横手摺4に掛けたり載せたりすることができる。その後、図5−1(c)に示すように、片方の手は縦手摺3につかまったままで、もう片方の手をドア1のハンドル14aにかけて引くことで、力を入れやすくなり、力の弱いお年寄りでも容易にドア1を開けることができる。その後は、図5−2(d)に示すように、横手摺4のドア1側に人の動線に沿うように大きなRのついた1/4円弧部19が設けてあるため、この1/4円弧部19に体をそわせることで、ドア1を安心して安全に通過できる。また図5−2(e)に示すように、室内側の縦手摺7につかまって体を支えることもできる。
室外側の出入口用手摺2は、縦手摺3が横手摺4の下まで長くのびているため、図6(a)に示すように、小さい子供も縦手摺3につかまることができ、このように縦手摺3につかまりながらもう片方の手をハンドル14aにかけてドア1を引っ張ることで、力を入れやすくなるため、小さい子供でもドア1を容易に開けることができる。また図6(b)に示すように、大人が玄関を入るときでも、荷物26を横手摺4に載せたり引っ掛けたりすることで、鍵を探したり錠の解錠操作をしたりドアを開けたりするのが容易になる。
図7は、お年寄りが玄関9から出るときの様子を示している。まず図7(a)に示すように、上り框27に腰掛けて靴を履いて立ち上がる際、横手摺8につかまることで容易に立ち上がることができる。次に、図7(b)に示すように、縦手摺7につかまりながら錠15a,15bの解錠操作を容易に行うことができる。その後、ドア1を押して開け、図7(c)に示すように、横手摺8の1/4円弧部22に体をそわせることで、ドア1を安心して安全に通過できる。室外側の縦手摺3につかまって体を支えることもできる。
以上に述べたように、玄関9のドア1の戸先側に、縦手摺3,7と横手摺4,8とで構成された出入口用手摺2,6を室外側と室内側にそれぞれ設けることで、玄関9を出入りする際の一連の動作を効率よくサポートし、お年寄り等が安心して安全に玄関9を出入りできるようになる。
図8は、親子ドアに出入口用手摺2,6を設置する場合を示している。ドア枠12内には、親ドア28と子ドア29がそれぞれ蝶番13で開閉自在に取付けられており、小ドア29の室外側面と室内側面に、上述の実施形態のものと同様な出入口用手摺2,6を取付けている。
本発明は、以上に述べた実施形態に限定されない。室外側と室内側の両方に、図1に示すように縦手摺3と横手摺4を交差状に設けたり、図2に示すように縦手摺7と横手摺8をL形の配置で設けてもよい。また、室外側と室外側の何れか一方側にのみ、交差状またはL形の配置の出入口用手摺を設けることもできる。横手摺4,8の戸1側は略円弧に近い多角形状であってもよい。戸は引戸であってもよいが、実施形態のような開き戸(ドア)に対して出入口用手摺を設けることで、縦手摺につかまってドアを引っ張ることで力を入れやすくなり、ドアを開けやすくできると共に、横手摺の円弧状部がドアを出入りするときの人の動線に沿う形になるため、より効果的である。本発明の出入口用手摺の設置場所としては、玄関に限らず、例えば病院や介護施設等の室内の部屋の出入口に設けることもできる。
1 ドア(戸)
2 出入口用手摺(室外側)
3 縦手摺(室外側)
4 横手摺(室外側)
5 湾曲部
6 出入口用手摺(室内側)
7 縦手摺(室内側)
8 横手摺(室内側)
9 玄関

Claims (5)

  1. 出入口の戸の戸先側に隣接して設けた縦手摺と横手摺を備え、縦手摺は、横手摺の上方から下方にわたって設けてあり、横手摺は、縦手摺よりも短尺で、縦手摺の周辺にのみ位置し、少なくとも戸側が略円弧状になっており、略円弧状の部分が縦手摺よりも前方及び側方に張り出して縦手摺の中間部を隙間をおいて囲んでいることを特徴とする出入口用手摺。
  2. 縦手摺の中間部に湾曲部を有することを特徴とする請求項1記載の出入口用手摺。
  3. 出入口の戸の戸先側に隣接して設けた縦手摺と横手摺を備え、縦手摺と横手摺は、縦手摺の下端部と横手摺の戸側端部とを近づけて略L形に配置してあり、横手摺は、縦手摺よりも短尺で、縦手摺の周辺にのみ位置し、少なくとも戸側が略円弧状になっており、略円弧状の部分が縦手摺よりも前方及び側方に張り出していることを特徴とする出入口用手摺。
  4. 戸と、請求項1〜3の何れかに記載の出入口用手摺とを備える玄関。
  5. 室外側に開く戸と、室外側に設けた請求項1又は2記載の出入口用手摺と、室内側に設けた請求項3記載の出入口用手摺とを備える玄関。
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