JP6150660B2 - 手摺構造 - Google Patents

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Description

本発明は手摺構造に関し、特に、引戸の正面に設けられる手摺構造に関する。
高齢者施設や病院などでは、廊下の歩行を補助するために壁面に手摺が設けられ、部屋や病室の引戸手前の壁面まで連続して設置されている。廊下の手摺は、通常、引戸の正面には設置されておらず、引戸正面から部屋や病室に入室するまでの間は、手で体を支持できない状態で歩行することとなり、その間で転倒してけがをするという問題があった。
この問題に対しては、引戸正面に手摺を設置し、廊下から入室するまでの歩行中の転倒防止を行うことも考えられるが、引戸正面の手摺りを握って歩行している際に引戸が開くと、引戸に手が接触して怪我をすることがあった。
このような背景において、特許文献1において、引戸と手摺の間に安全カバーを設けることが提案されるに至った。これによれば、手摺を握った手が引戸に接触することがなく、指詰めや裂傷などの怪我を防止することができる。
特開2007−032111号公報(図4)
しかしながら、特許文献1の提案では、引戸正面の手摺を握って歩行している際に、誤って足が手摺の下方および安全カバーの下方に入り込み、開いた引戸に足が接触したり、引戸と枠の間に足が挟まって怪我をするという問題が生じた。また、子供が手摺にぶら下がって遊び、開いた引戸と枠の間に挟まれる可能性もあり、必ずしも十分な安全性が確保されるものではなかった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、廊下から部屋や病室に入室するまでの歩行を連続して補助し、引戸正面から入室するまでの間の転倒を防止することができ、また、歩行中に足が手摺の下方に誤って入り込んでしまうことを防止することができるような構成を備えた、引戸正面に設置する新規な手摺構造を提供することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、開放した状態の引戸の正面に設けられる手摺構造であって、床面に固定される少なくとも左右一対の支柱と、これら支柱の上端に横架固定される手摺部材と、該手摺部材の下方において前記支柱間の空間を実質的に閉塞するように該支柱間に固定されるガードパネルと、を有してなることを特徴とする。
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の手摺構造において、ガードパネルの下端と床面との間に隙間が設けられることを特徴とする。
請求項3に係る本発明は、請求項1または2記載の手摺構造において、ガードパネルの上端と手摺部材との間に隙間が設けられることを特徴とする。
請求項4に係る本発明は、請求項1ないし3のいずれか記載の手摺構造において、前記引戸が壁面の廊下側に設けられたアウトセット引戸であり、開放した状態の該アウトセット引戸の廊下側に前記手摺部材が設けられ、該手摺部材は、廊下壁面に既設されている壁面固定手摺に手摺接続部材を介して接続され、該手摺接続部材において、手摺部材と壁面固定手摺との中心軸のずれを吸収することを特徴とする。
本発明による手摺部材は、廊下側において開放状態の引戸正面に手摺部材が設置される場合と、室内側において開放状態の引戸正面に手摺部材が設置される場合とを含み、いずれの場合も、特に高齢者施設の入居者や病院の入院患者などにとって転倒の危険性を解消または少なくとも大幅に低減させ、安全な方向を可能にする効果がある。
廊下側に手摺部材が設置される場合は、室内から室外(廊下)に出ようとして引戸の引手に一方の手を掛けて引戸を開けた後に、すぐに廊下側の手摺部材の開口部側端部近くに他方の手を掛けることができるので、引戸を開く動作から廊下に出るまで、手を引手および手摺部材に掛けて体を連続的に支持しながら歩行することができ、転倒の危険を防止する。
また、廊下を歩行した後に室内に入る際も、廊下側の手摺部材の開口部側端部近くに一方の手を掛けた状態で、他方の手を引戸の引手に手を掛けて開くことができるので、引戸を開く動作から室内に入るまで、手を手摺部材および引手に掛けて体を連続的に支持しながら歩行することができ、転倒の危険を防止する。
室内側に手摺部材が設置される場合は、室内から出ようとするときは一方の手を手摺部材の開口部側端部近くに掛けながら他方の手を引戸の引手に掛けて引戸を開くことができ、また、廊下を歩行した後に室内に入ろうとするときは一方の手を引戸の引手に掛けて引戸を開いて室内に入った直後に手摺部材の開口部側端部近くに他方の手を掛けて体を安定した状態に支持することができるので、安全に出入りを行うことができる。また、ベッドや椅子などを引戸正面の室内側手摺の近傍に配置しておくことで、起き上がったり立ち上がったりした後にすぐに手摺部材に手を掛けることができるので、室内での転倒事故を防止する効果も発揮される。
さらに、手摺部材の下方においてガードパネルが支柱間の空間を実質的に閉塞するように設置されるので、手摺部材に手を添えて廊下または室内を歩行する際に、この空間に足が侵入することを防止する。したがって、引戸を開いたときに、足が引戸に接触したり、引戸と支柱の間に挟まれることを防止することができる。
さらに、請求項2に係る本発明によれば、ガードパネルの下端と床面との間に隙間が設けられるので、手摺部材の下方の床面に溜まったゴミを容易に掃除することができる。また、壁面とガードパネルとの間から物を落としてしまったときも、この隙間から容易に拾い上げることができる。ガードパネル下端と床面との間の隙間は、足が入り込まないような大きさに設定されるので、前述のガードパネルの作用が損なわれることはない。
さらに、請求項3に係る本発明によれば、ガードパネルの上端と手摺部材との間に隙間が設けられるので、ガードパネルに指先が引っ掛かることなく手摺部材を握ることができ、握り損ねて転倒する恐れがない。
さらに、壁面の廊下側に設けられたアウトセット引戸の正面に手摺部材を設置する場合、アウトセット引戸の厚みによって手摺部材が廊下側に突出した状態で設置されることになり、手摺部材と、廊下壁面に既設されている手摺の中心軸が一致しないことになるが、請求項4に係る本発明によれば、手摺部材と壁面固定手摺とが手摺接続部材によって接続され、該手摺接続部材で前記中心軸のずれを吸収することができる。したがって、廊下から部屋の開口部まで、手を壁面固定手摺および手摺部材に掛けながら体を連続的に支持して歩行することができ、部屋に入るまで転倒の恐れがない。室内から廊下に出るときも同様である。
本発明の一実施形態による手摺構造を引戸を閉じた状態で示す平面図(a)および正面図(b)である。 この手摺構造を引戸を開いた状態で示す平面図(a)および正面図(b)である。 図2(a)中A部を示す拡大平面図(a)および同部の拡大正面図(b)である。 本発明の他の実施形態による手摺構造を引戸を開いた状態で示す平面図(a)および正面図(b)である。 本発明のさらに他の実施形態による手摺構造を引戸を開いた状態で示す平面図(a)および正面図(b)である。 手摺接続部材についての他形状例を示す平面図(a)〜(c)である。 本発明による手摺構造の要部を示す正面図である。 図7中B−B切断線による断面図である。 手摺部材の取付位置を定める際の参考図である。 ガードパネルの取付位置を定める際の参考図である。 同じくガードパネルの取付位置を定める際の参考図である。
本発明の一実施形態による手摺構造について、以下図1ないし図3を参照して説明する。この手摺構造10は、居室の出入口として利用される開口部1を開閉するべく水平方向にスライド移動可能に設置される引戸2が開いた状態にあるとき(図2)に、その廊下側正面に設置されるものとして示されている。また、この引戸2は、リフォームなどにより開口部1の廊下側において、廊下壁面3Aに沿って開閉するように設置された、いわゆるアウトセット引戸であり、上部レール4に吊り車(図示せず)を介して走行可能に上吊りされ、床面5に段差を設けないバリアフリーに対応するものとされている。符号6は、引戸2の開閉操作のために引戸2の閉じ側端近くにおいて居室側および廊下側の表裏両面に取り付けられた引手を示す。
この手摺構造10は、左右一対の支柱11a,11bと、手摺部材12と、ガードパネル13とを有してなる。支柱11a,11bはネジ(図示せず)で床面5に固定される。手摺部材12は、この実施形態では断面円形(直径35mm)の丸棒部材として用いられており、たとえば支柱11a,11bの上端に取り付けた受部材14の凹部に嵌合してネジ(図示せず)止めすることにより、支柱11a,11b間に横架固定される。
ガードパネル13は、上記のように固定された手摺部材12の下方において、支柱11a,11b間の空間を実質的に閉塞するように支柱11a,11b間の外側に、取付金具15を介して固定される。一例として、ガードパネル13の大きさは、高さ597mm、厚さ8mmであり、幅は引戸2の大きさ(幅)に応じて、801mm、851mmおよび1022mmの3種類を用意しておいて、その中から適合する幅寸法のものを選択して用いる。この実施形態で用いられるガードパネル13は透明アクリル板であり、廊下側からガードパネル13の内側空間を目視することができるように配慮している。
また、この実施形態では、廊下壁面3Aに手摺受金具7を介して固定されている既設の壁面固定手摺8の開口部側端部8aに対し、手摺接続部材16および端部接続金具17,18を介して、手摺部材12の反開口部側の端部12aを接続し、手摺部材12と壁面固定手摺8とを連続させた構成が採用されている。より具体的には、手摺部材12の反開口部側端部12aおよび壁面固定手摺8の開口部側端部8aにそれぞれ端部接続金具17,18をネジ(図示せず)で固定し、これら端部接続金具17,18に手摺接続部材16の両端を差し込んでネジ(図示せず)で固定することにより、手摺部材12と壁面固定手摺8とを連続させた構成が得られる。
壁面固定手摺8は、手摺受金具7により廊下壁面3Aとの間に所定の距離を隔てて設けられているが、手摺部材12は引戸2の厚み分だけさらに廊下壁面3Aから離れて設ける必要があるため、壁面固定手摺8の中心軸P1と手摺部材12の中心軸P2とが一致しない(図3(a))。手摺接続部材16は、この軸心のずれを吸収するため、S字状に屈曲した形状を有している。なお、この実施形態では、床面5からの高さについては、既設の壁面固定手摺8と同じ高さに手摺部材12が取り付けられており、したがって、正面視では中心軸P1,P2が一致している(図3(b))。
この手摺構造10によれば、引戸2を開けて室内から出ようとするときも、反対に室内に入ろうとするときも、手摺を利用して体をしっかり支持することができるので、高齢者等であっても転倒の危険をなくして安全に出入りすることを可能にする。
すなわち、室外から引戸2の引手6に一方の手を掛けて引戸2を開けると、その廊下側のすぐ近くに手摺部材12があるので、この手摺部材12の開口部側端部(端部12a(図3(a))の反対側の端部)近くに他方の手を掛けることができる。したがって、引戸を開ける動作から廊下に出るまでの間、手を引手6および手摺部材12に掛けて体を連続的に支持しながら歩行することができることになり、転倒の危険を防止する。
また、廊下を歩行した後に室内に入る際も、手摺部材12の開口部側端部12b近くに一方の手を掛けた状態で、他方の手を引戸2の引手6に手を掛けて開くことができるので、引戸2を開ける動作から室内に入るまでの間、手を手摺部材12および引手6に掛けて体を連続的に支持しながら歩行することができることになり、転倒の危険を防止する。
さらに、この実施形態では、手摺部材12が手摺接続部材16および端部接続金具17,18を介して既設の壁面固定手摺8に接続されているので、室内から出て廊下を歩行する際や、廊下を歩行して室内に入る際に、常に手摺に手を添えて安全に歩行することができるようになっている。
したがって、この手摺構造10を、特に高齢者施設や病院などに設置すれば、高齢者施設の入居者や病院の入院患者などにとって転倒の危険性を解消または少なくとも大幅に低減させ、高齢者等であっても安全に歩行することができる効果が得られる。
なお、この実施形態で用いる手摺接続部材16は、既設の壁面固定手摺8の中心軸P1と手摺部材12の中心軸P2のずれを吸収することができるものであれば良く、図1〜図3に示す形状(図6(a))の他、図6(b),(c)に示すような形状を有するものであっても良い。
図4に示す実施形態は、図1〜図3に示す既述実施形態の変形例であり、手摺部材12が既設の壁面固定手摺8に連結されず、その反開口部側端部12aが端部固定部材19を介して廊下壁面3Aに固定されている点で異なっている。このような構成も、本発明の範囲内である。他の点については、図1〜図3に示す既述実施形態と同様であるので、同一の部材・部分・要素には同一の符号を付してそれらの説明を割愛する。また、作用効果についても、手摺部材12が壁面固定手摺8と連続することによる作用効果を除いて、図1〜図3に示す既述実施形態による作用効果と同様であるので、それらの説明を割愛する。
図5は、開口部1に開閉自在に設置されている引戸2(アウトセット引戸ではない)の室内側に手摺構造10を設置した場合の実施形態を示す。手摺構造10自体の構成は、図1〜図3に示す既述実施形態と略同様であるので、手摺構造10に関連する部材・部分・要素には同一の符号を付してそれらの説明を割愛する。この実施形態の場合、開口部1の近くまで壁面固定手摺8が取り付けられているが、室内側に設置される手摺部材12とは連結させることができないので、手摺部材12の反開口部側端部12aは、端部固定部材19(図4に示す実施形態で用いた端部固定部材19と同様のものであって良い)を介して室内壁面3Bに固定されている。
なお、図5において、符号9aは上枠、符号9b,9cは左右の縦枠を示し、これらにより形成される三方枠9内を引戸2が左右方向にスライド移動可能に設けられている。床面5には下枠が固定されていないので、室内外をフラットな床面5で連続させることができ、バリアフリーに対応している。
このように室内側に手摺構造10が設置された実施形態においても、引戸2を開けて室内から出ようとするときも、反対に室内に入ろうとするときも、手摺を利用して体をしっかり支持することができるので、高齢者等であっても転倒の危険をなくして安全に出入りすることを可能にする。
すなわち、室内から出ようとするときは、一方の手を手摺部材12の開口部側端部近くに掛けながら他方の手を引戸2の引手6に掛けて引戸2を開くことができ、引戸2を完全に開けた状態で室外に出れば、すぐ近くに壁面固定手摺8が存在するので、引手6に掛けた手を壁面固定手摺8に掛け換えて安全に廊下を歩行することができる。
また、室内に入ろうとするときは、壁面固定手摺8を伝って廊下を歩行して開口部1近くまで到達すれば、一方の手を引戸2の引手6に掛けて容易に引戸を開けることができ、このようにして引戸2を完全に開けた状態で室内に入れば、すぐ近くに手摺部材12が存在するので、引手6に掛けた手を手摺部材12に掛け換えて安全に室内を歩行することができる。
次に、図7および図8を参照して、本発明の手摺構造10における各部材の寸法や配置関係について説明する。なお、図7および図8は、図1〜図3に示す既述実施形態を対象とし、下記では該実施形態における各部材の寸法や配置関係を説明するが、他の実施形態においても実質的に同様の寸法や配置関係を採用することができる。
まず、手摺部材12は、床面5から手摺部材12の上面までの距離が800mmとなる高さ位置に取り付けられる。これは、手摺は、通常、骨格の大腿骨大転子に合わせて750〜800mm程度の高さに設置されることに対応させたものである。
また、前後方向の位置については、手摺部材12は、引戸2が開いた状態で、引戸2表面から手摺部材12の裏側面までの距離aが52.5mmとなる位置に取り付けられる。この距離aは、高齢者が手摺を握る状況を想定し、65歳以上の男女の「親指と中指の先端が触れる状態で円を作ったときの手の甲の厚みX」(図9)の97.5パーセンタイル値=42mmに10.5mmを加えて安全側に配慮して設定したものである。この設定であれば、手摺部材12を握った状態で手Hの甲と引戸2表面との間に十分な距離が残されるので、手Hの甲が引戸2に接触したり挟まれたりすることがない(図8参照)。この観点から、一般に、引戸2表面から手摺部材12裏側面までの距離aは、40〜100mmが好ましく、45〜65mmがより好ましい。40mm未満では手摺部材12を握った状態で手の甲が引戸2表面に接触して怪我をする恐れがある。100mmより大きいと手摺部材12が廊下側に突出して位置することになるので、歩行の妨げになる。
なお、「パーセンタイル値」とは、計測値の統計的分布の中で小さい方から数えて何%目の値がどれくらいであるかを示す統計的表示法であり、「50パーセンタイル」は中央値であり、この値より小さいものと大きいものが半数ずついることを示す。上記において「97.5パーセンタイル値=42mm」とは、たとえば1000人分の「親指と中指の先端が触れる状態で円を作ったときの手の甲の厚み」のデータの中の975番目に大きなデータが42mmであることを意味している。すなわち、42mm以内に(975/1000)人分のデータが含まれている。
次に、ガードパネル13の支柱11a,11bへの取付高さについては、手摺部材12下面からガードパネル13上端までの距離bが130mmであり、且つ、ガードパネル13下端から床面5までの距離cが38mmとなる高さ位置において、ガードパネル13を支柱11a,11bに固定する。また、その引戸2表面に対する前後方向の位置は、ガードパネル13の廊下側表面から引戸2表面までの距離dが109.5mmとなる位置に取り付けられる。
手摺部材12下面からガードパネル13上端までの距離b=130mmは、高齢者が手摺を握る状況を想定し、65歳以上の男女の「指股から中指先端までの距離Y」(図10)の98パーセンタイル値=130mmから設定したものである。このような高さ位置にガードパネル13を取り付ければ、手摺部材12に指股(親指と人差指の間)を当て、指をめいっぱい伸ばした状態でも、中指の先端がガードパネル13に引っ掛からずに手摺部材12を握ることができる。この観点から、手摺部材12下面からガードパネル13上端までの距離は、95〜150mmが好ましく、110〜140mmがより好ましい。95mm未満では、手摺部材12を握る際、指の先端が引っ掛かりやすくなり、手摺部材12を握り損ねて転倒する恐れがある。150mmより大きいと子供の頭が入りやすくなり、頭が入った状態で引戸2が開くと支柱11bと引戸2との間に挟まれて大怪我の原因となる。
また、ガードパネル13下端から床面5までの距離c=38mm、および、ガードパネル13の廊下側表面から引戸2表面までの距離d=109.5mmを定めるに際しては、高齢者または子供が廊下を歩行中にガードパネル13と床面5の間につま先が誤って入り込まないように考慮した。ここで、廊下を歩行する際には通常は靴やスリッパを履いているが、より安全を期すために裸足の状態で検討した。65歳以上の男女の足Faの甲の厚さ「第一中足指節関節の位置における床面から足表面までの高さZ1」(図11)の97.5パーセンタイル値=38mmであり、隙間に入ってしまう足先端部の長さZ2(図11)=66mmである。また、5歳児の足寸法の97.5パーセンタイル値に基づいて、5歳児の足Fcの厚さ38mmの位置から足先端までの足先端部の長さを計算すると84mmである。これらの寸法から、ガードパネル13下端から床面5までの距離c=38mmとし、ガードパネル13表面から引戸2表面までの距離dについては上記84mmに25.5mm加えて安全側に配慮してd=109.5mmとした。この設定であれば、高齢者の足Faであれ子供の足Fcであれ、その先端部がガードパネル13と床面5の間の隙間に入ったとしても、引戸2に接触することがない。
上述の観点から、一般に、ガードパネル13下端から床面5までの距離は、10〜60mmが好ましく、20〜40mmがより好ましい。10mm未満であるとガードパネルと引戸表面の間の床面にゴミがたまると、掃除機の先端またはモップなどが隙間に入らないので掃除が行いにくくなり不衛生になる。60mmより大きくなると、スリッパや靴を履いていても隙間に足先端部が入りやすくなり、引戸と接触して怪我をする恐れがある。
図4に示す実施形態のように手摺部材12を壁面固定手摺8に連結せずに、端部固定部材19で壁面3A(または3B)に固定する場合、端部固定部材19の側面から壁面固定手摺8の開口側端部8a(図3(a)参照)までの距離は、30〜130mmとするのが好ましく、50〜100mmがより好ましい。30mm未満であると、端部固定部材19の側面と壁面固定手摺8の端部8aとの間に誤って指を挟んでしまい、抜くときに怪我をする恐れがある。一方、この隙間が130mmより大きくなると、手摺部材12から壁面固定手摺8へ、または壁面固定手摺8から手摺部材12へと手摺を持ち替える動作が必要となり、体を手で連続的に支持しない時間が生じてしまうので、転倒する恐れが大きくなる。
なお、上記において、人の寸法データ(日本人のデータ)については、独立行政法人産業技術総合研究所のデータを使用した。
以上に本発明を幾つかの実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれら図示実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定される発明の範囲内において様々に変形・変更して実施可能である。
たとえば、図示実施形態において、ガードパネル13は、支柱11a,11bの外側面(図1〜図3に示す実施形態および図4に示す実施形態では廊下側の面、図5に示す実施形態では室内側の面)に固定して取り付けられているが、この取付形態に限定されるものではなく、これに代えて、支柱11a,11bの引戸側の面に固定して取り付けても良く、あるいは、支柱11a,11bの内側対向面に固定して取り付けても良い。
1 開口部
2 引戸
3A 廊下側壁面
3B 室内側壁面
4 上部レール
5 壁面
6 引手
7 手摺受金具
8 壁面固定手摺
8a 開口部側端部
9 三方枠
9a 上枠
9b,9c 縦枠
10 手摺構造
11a,11b 支柱
12 手摺部材
12a 反開口部側端部
13 ガードパネル
14 受部材
15 取付金具
16 手摺接続部材
17 端部接続金具
18 端部接続金具
19 端部固定部材

Claims (4)

  1. 開放した状態の引戸の正面に設けられる手摺構造であって、床面に固定される少なくとも左右一対の支柱と、これら支柱の上端に横架固定される手摺部材と、該手摺部材の下方において前記支柱間の空間を実質的に閉塞するように該支柱間に固定されるガードパネルと、を有してなることを特徴とする手摺構造。
  2. ガードパネルの下端と床面との間に隙間が設けられることを特徴とする、請求項1記載の手摺構造。
  3. ガードパネルの上端と手摺部材との間に隙間が設けられることを特徴とする、請求項1または2記載の手摺構造。
  4. 前記引戸が壁面の廊下側に設けられたアウトセット引戸であり、開放した状態の該アウトセット引戸の廊下側に前記手摺部材が設けられ、該手摺部材は、廊下壁面に既設されている壁面固定手摺に手摺接続部材を介して接続され、該手摺接続部材において、手摺部材と壁面固定手摺との中心軸のずれを吸収することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか記載の手摺構造。
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