JP5392480B2 - トンネル換気設備の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車道路トンネルにおける換気設備の運転方法に関する。
自動車道路トンネルには、走行する自動車の排ガスを換気するための換気設備が設置されることが多い。換気設備は、主に、ジェットファン(以下「JF」)、排風機、送風機、煙霧透過率測定装置(以下「VI計」)、一酸化炭素濃度計測装置(以下「CO計」)、風向風速測定装置(以下「AV計」)、トラフィックカウンタ、換気計測盤、換気制御盤、換気動力盤などから構成されている(特許文献1参照)。
従来の自動車道路トンネルにおける換気設備の運転方法を図10に基づいて説明する。
図10において、1はJF、2はVI計、3はCO計、4はAV計、5は計測盤、6は換気制御盤、7は換気動力盤を示している。
VI計2、CO計3、AV計4はトンネル内に設置されており、トンネル内の空気環境を計測する。その計測値は、計測盤5を経由または直接換気制御盤6へ入力される。換気制御盤6では、計測制御運転とプログラム運転が選択できるようになっている。計測制御運転の場合、VI計2、CO計3、AV計4の計測値をもとにトンネル内の換気に必要なJF1の運転台数や換気方向を判定し、換気動力盤7へJF1の運転台数および換気方向についての指令信号を出力する。指令信号を入力した換気動力盤7は、電力を供給して必要な台数のJF1の運転を行うとともに、JF1の換気方向を制御する。
VI計2、CO計3、AV計4が故障した場合や、点検などのために正常に動作できない場合には、換気制御盤6はプログラム運転に切り換わる。この切り換えは、シーケンスで自動的に行うことや、オペレータの指令で行うことができる。プログラム運転では、任意に決められた時刻に対して、あらかじめJF1の運転台数と換気方向が設定されている。プログラム運転に切り替わった場合には、換気制御盤6から、あらかじめ設定された運転台数と換気方向のJF1への運転指令を換気動力盤7へ出力する。
プログラム運転の設定値は、トンネルごとに設定する必要がある。しかし、従来は計測制御運転における運転実績からオペレータの判断で設定しており、オペレータ個人の感覚に依存していた。従って、プログラム運転における設定値の妥当性が非常に曖昧であるとともに効果的な換気の実現を困難にしていた。そのため、適切な設定を行い、効率の良いトンネル内換気を実現する必要があった。
そこで、プログラム運転における換気設備の運転方法において、VI計、CO計およびAV計の計測値に基づく計測制御運転の制御結果の過去の一定期間の実績を平均化してプログラム運転の設定値とし、それを順次更新することによりプログラム運転の設定値を自動的に変更する方法が考えられている(特許文献2参照)。
特開平5−156899号公報 特許第3129052号公報
特許文献2の方法でプログラム運転における効率の良い換気を実現するためには、VI計等の計測値に基づく計測制御運転の制御出力の過去実績の平均化において、なるべく長期間の制御出力の過去実績を平均化し、より実態に近い平均値による制御を行う必要がある。しかし、特許文献2の平均化では、平均化後の変動割合が平準化されていないため、平均化誤差が大きくなる。そのため、効率の良い換気が実現できない。また、平均期間日数に応じてメモリ容量を消費する構成となっている。そのため、長期間の過去実績を平均化するためには、膨大なメモリ数が必要となる。
また、特許文献1および2では、計測制御運転とプログラム運転の2つの運転方法しか備えていないため、トンネル内の汚染が急激に悪化した場合など特別な制御が求められる場面においては、効率の良い換気が実現できない。
本発明の目的は、このような課題を解決し、計測制御運転におけるJFの運転実績に基づいてプログラム運転を行うトンネル換気設備の運転方法において、効率の良いトンネル内換気を実現することを目的としている。
前記の目的を達成するために、本発明によれば、トンネル内に設置された換気機を少なくとも計測制御運転またはプログラム運転に切り換えて運転するトンネル換気設備の運転方法において、前記計測制御運転では、トンネル内の風向風速および煙霧透過率を測定し、
少なくとも前記風向風速または前記煙霧透過率の測定値に基づいて所定の周期毎に前記換気機の換気方向または運転台数の制御出力を決定し、該制御出力により前記換気機の換気方向または運転台数を制御し、前記プログラム運転では、前記周期毎にあらかじめ設定された制御出力値を用いて前記換気機の換気方向および運転台数を制御し、前記周期毎の前記計測制御運転の制御出力の所定期間の実績を累積移動平均値として演算し、該累積移動平均値を前記プログラム運転の新たな前記制御出力値として更新し、一定期間ごとに前記所定期間を変更して前記累積移動平均値を演算することを特徴とするトンネル換気設備の運転方法とする。
また、本発明によれば、上記の運転方法において、少なくとも前記煙霧透過率の測定値が設定値を下回った場合には、前記計測制御運転または前記プログラム運転の前記周期にかかわらず、前記換気機の運転台数を最大とする非常制御運転により運転することを特徴とするトンネル換気設備の運転方法とする
また、本発明によれば、上記の運転方法において、トンネル内の一酸化炭素濃度を測定し、少なくとも該一酸化炭素濃度の測定値が設定値を上回った場合には、前記計測制御運転または前記プログラム運転の前記周期にかかわらず、前記換気機の運転台数を最大とする非常制御運転により運転することを特徴とするトンネル換気設備の運転方法とする。
また、本発明によれば、上記の運転方法において、前記非常制御運転が一定時間継続した場合には、前記プログラム運転により運転することを特徴とするトンネル換気設備の運転方法とする。
また、本発明によれば、上記の運転方法において、前記非常制御運転により運転した期間においては、前記計測制御運転の制御出力に代えて前記非常制御運転の制御出力を用いることを特徴とするトンネル換気設備の運転方法とする。
以上の方法とすることで、計測制御運転の運転実績の平均化において累積移動平均値を用いるとともに、運転実績を平均化する期間を定期的に変更するため、より実態に近い平均値に基づく制御が可能となり、効率の良いトンネル内換気を実現することができる。また、平均化の結果を時間帯別のメモリへ更新書き換えするため、平均化する期間にかかわらずメモリ消費を一定にできる。
さらに、計測制御運転およびプログラム運転以外に非常制御運転を備えているため、特別な制御が求められるような場面においても、効率の良いトンネル内換気を実現することができる。
本発明により、プログラム運転の場合や特別な制御が求められる場面において、効率の良いトンネル内の換気を実現することができる。
本発明の実施例の換気設備の制御機能のブロック図である。 本発明の実施例の計測制御運転におけるJFの換気方向の制御フローを示す図である。 本発明の実施例の計測制御運転におけるJFの運転台数についての運転ノッチとVI値との演算処理を示す図である。 本発明の実施例のプログラム運転の設定値の変更補正の演算で用いられる、計測制御運転のJFの換気方向の実績例を示す図である。(A)は任意の「平日」0:00〜0:30の10分ごとの計測制御運転の制御出力実績(Dptnm)の例、(B)は任意の第2週までの「平日」0:00〜0:30の10分ごとの計測制御運転の制御出力実績(Dptnm)を各日ごとに30分単位で平均化した値(Dptn)の例である。 本発明の実施例のプログラム運転の設定値の変更補正の演算で用いられる、計測制御運転のJFの運転ノッチの実績例を示す図である。(A)は任意の「平日」0:00〜0:30の10分ごとの計測制御運転の制御出力実績(Nptnm)の例、(B)は任意の第2週までの「平日」0:00〜0:30の10分ごとの計測制御運転の制御出力実績(Nptnm)を各日ごとに30分単位で平均化した値(Nptn)の例である。 プログラム運転の自動補正換気方向(Dpt)のプログラム設定値の変更補正における累積移動平均値の演算において、一定期間ごとに、累積移動平均値の分母となるパターンごとの日数(n)の初期設定値(n0)を当該期間の増加量との見合いで減じて演算を行う制御フローである。 プログラム運転の自動補正運転ノッチ(Npt)のプログラム設定値の変更補正における累積移動平均値の演算において、一定期間ごとに、累積移動平均値の分母となるパターンごとの日数(n)の初期設定値(n0)を当該期間の増加量との見合いで減じて演算を行う制御フローである。 非常制御運転における悪化制御フローを示す図である。 非常制御運転における悪化制御フローにおいて、悪化状態が24時間継続した場合の制御フローを示す図である。 従来のトンネル換気設備の運転方法を説明するための図である。
実施の形態を以下の実施例により説明する。
図1は、本発明の実施例の換気設備の制御機能のブロック図である。図1の換気制御盤6において、単独を選択した場合、換気動力盤7よりJF1の1台ごとに「正転」、「逆転」、「停止」の操作が可能となる。また、「連動」を選択した場合は、換気制御盤6から「正転」、「逆転」、「停止」の信号を換気動力盤7に送りJF1を運転できる。「連動」かつ「自動」を選択した場合には、「計測制御運転」または「プログラム運転」のいずれかを選択できる。また、「計測制御運転」または「プログラム運転」の運転中に所定の条件を満たした場合には、即座に「非常制御運転」に切り替えて運転を行う。
計測制御運転について説明する。計測制御運転では、1台のAV計とトンネル内の両坑口付近に設置した2台のVI計の測定値に基づいて、JFの運転台数および換気方向(正転、逆転)が制御される。
図2は計測制御運転におけるJFの換気方向の制御フローを示す図である。換気方向は、AV計により自然風の風向風速を判定した上で、風速2m/s以上の場合には、自然風の風向と同じ方向になるように換気方向の制御出力を決定する。そして、風速2m/s未満の場合には、2台のVI計のVI値(煙霧透過率)を比較演算し、VI値の大→小、すなわちVI値が悪化している方向(汚れている方向)に吹くように換気方向の制御出力を決定する。なお、2台のVI計のうち1台でも故障または点検中の場合には、VI値の比較不可のため、プログラム運転において設定された換気方向へ制御出力を決定する。
図3は計測制御運転におけるJFの運転台数についての運転ノッチとVI値との演算処理を示す図である。ここでノッチとは、JFの任意の運転台数を示す。運転ノッチのレベルは、VI値(%)に基づいて決定され、設定値は「上限(65%)」、「下限1(50%)」、「下限2(45%)」の3段階である。2台のVI計におけるVI値の低い方を運転制御に使用する。VI値が設定値を下回った場合には、次回の制御周期で運転ノッチの上げ指令を出力する。2つのVI値がともに「上限」設定値を超えた場合には、以後、制御周期の経過ごとに運転ノッチの下げ指令を出力する。運転ノッチは、制御周期ごとにその時点のVI値を読み込んで判定を行う。制御周期は、例えば1〜60分の範囲で設定可能である。
なお、図7および図8で説明する非常制御運転においては、計測制御運転時またはプログラム運転時のいずれかにかかわらず、また、各運転の制御周期にかかわらず、VI値が悪化した場合には、予め設定した悪化確認時間経過後(設定時間は、例えば0〜600秒の範囲で設定)運転ノッチを最大まで引き上げることができる。VI値が悪化した時点で即座に運転ノッチを最大まで引き上げた場合には、図3の「実測値<45%で6ノッチ(VI悪化)」のようになる。1つの制御周期ごとに運転ノッチの上げ指令(+1ノッチ)を出力する場合は、運転ノッチを最大(6ノッチ)まで引き上げるには、一定の制御周期の経過を待たなければならず、効果的な換気が実現できない。しかし、制御周期にかかわらず、即座に運転ノッチを最大まで引き上げる制御を行うことにより、トンネル内の環境に即座に対応した制御が可能となり、効果的な換気を実現できる。
VI悪化解除は、VI値が下限値2(45%)を回復してから復帰確認時間(例えば0〜600秒の範囲で設定)を経過した後に行われる。復帰確認時間を制御周期と同じとした場合には、図3の「VI悪化解除」のようになる。
プログラム運転について説明する。プログラム運転では、あらかじめ設定された値により、JFの換気方向および運転ノッチを制御する。設定値は、「平日」、「土曜」、「日曜」、「祝日」の4パターンにおいて、計測制御運転における換気方向および運転台数の制御出力の時間帯別(30分単位)の過去の実績に基づいて設定される。時間帯別の実績を順次演算し、次回のプログラム設定値として自動的に変更補正を行い、設定値を上書きして書き換える。
図4は、本発明の実施例のプログラム運転の設定値の変更補正の演算で用いられる、計測制御運転のJFの換気方向の実績例を示す図である。(A)は任意の「平日」0:00〜0:30の10分ごとの計測制御運転の制御出力実績値(Dptnm)の例、(B)は任意の第2週までの「平日」0:00〜0:30の10分ごとの計測制御運転の制御出力実績(Dptnm)を各日ごとに30分単位で平均化した値(Dptn)の例である。
図5は、本発明の実施例のプログラム運転の設定値の変更補正の演算で用いられる、計測制御運転のJFの運転ノッチの実績例を示す図である。(A)は任意の「平日」0:00〜0:30の10分ごとの計測制御運転の制御出力実績値(Nptnm)の例、(B)は任意の第2週までの「平日」0:00〜0:30の10分ごとの計測制御運転の制御出力実績(Nptnm)を各日ごとに30分単位で平均化した値(Nptn)の例である。
なお、以下の図4および図5の説明において、pは、各パターン(「平日」、「土曜」、「日曜」、「祝日」)である。tは、時間帯(30分単位。0:00〜0:30、0:30〜1:00・・・23:30〜24:00)である。nは日数である。mは、時間帯t(例えば0:00〜0:30)における制御回数(10分ごとの場合には1〜3回)である。但し、以上の条件は限定されるものではなく、任意に変更できる。
図4により、プログラム運転の換気方向の設定値の変更補正例における自動補正換気方向(Dpt)の演算を説明する。まず、計測制御運転の10分ごとの制御出力実績値(Dptnm)を測定する。そして、次のとおり、パターンごとに時間帯別(30分単位)に平均化して平均値(Dptn)を演算する。
Dptn=(1/m)ΣDptnm
正転時:Dptnm=+1
逆転時:Dptnm=−1
※Dpt=0となった場合は、正転(または逆転)と判定する。
図4の(A)では、任意の「平日」(月曜)の「0:00〜0:30」の時間帯における10分ごとの計測制御運転の制御出力実績値(Dptnm)の例が示されている。この例では、当該時間帯における平均値(Dptn)は次のとおりとなる。
D平0001=(1/3)(D平000101+D平000102+D平000103)
=(1/3)(1+1+0)
=+2/3 → 判定:正転
図4の(B)では、任意の「平日」の各日(月曜〜金曜)の「0:00〜0:30」の時間帯における各日の計測制御運転の平均値(Dptn)の例が示されている。
この計測制御運転の平均値(Dptn)に基づいて、パターンごとに時間帯別(30分単位)のプログラム運転の自動補正換気方向(Dpt)を累積移動平均値として演算してプログラム設定値を求める。当該設定値は、累積移動平均値の演算により順次上書き更新されることにより、自動的に変更補正されることになる。ここで、累積移動平均値とは、次の式により定義される。
Dpt=(1/n)((「前日までのDpt」×「n−1」)+「計測制御運転の今回値」)
図4の(B)の例では、「0:00〜0:30」の時間帯における「第1週の月曜〜火曜(日数:2日)」までの計測制御運転の実績により累積移動平均値として演算されるプログラム運転の「平日」の自動補正換気方向(Dpt)は次のとおりとなる。
D平00=(1/2)((D平0001×(2−1)+D平0002)
=(1/2)(2/3×1−1/3)
=1/6 → 判定:正転
同様に、「0:00〜0:30」の時間帯における「第1〜2週の月曜〜金曜(日数:10日)」までの計測制御運転の実績により累積移動平均値として演算されるプログラム運転の「平日」の自動補正換気方向(Dpt)は次のとおりとなる。
D平00=(1/10)((D平0009までのDpt×(10−1)+D平0010)
=(1/10)(1/27×9−1/6)
=1/60 → 判定:正転
以上のとおり、プログラム運転の自動補正換気方向(Dpt)は、各パターンにおける時間帯別(30分単位)に累積移動平均値として演算されて設定値として用いられる。また、当該設定値は、累積移動平均値の演算に伴い、順次、上書き更新される。具体的なフローは図6において説明する。
図5により、プログラム運転の運転ノッチの設定値の変更補正例における自動補正運転ノッチ(Npt)の演算を説明する。まず、計測制御運転の10分ごとの制御出力実績値(Nptnm)を測定する。そして、次のとおり、パターンごとに時間帯別(30分単位)に平均化して平均値(Nptn)を演算する。
Nptn=(1/m)Σ|Nptnm|
図5の(A)では、任意の「平日」(月曜)の「0:00〜0:30」の時間帯における10分ごとの計測制御運転の制御出力実績値(Nptnm)の例が示されている。この例では、当該時間帯における平均値(Nptn)は次のとおりとなる。
N平0001=(1/3)(N平000101+N平000102+N平000103)
=(1/3)(5+6+0)
=3.66・・ → 判定:4ノッチ
図5の(B)では、任意の「平日」の各日(月曜〜金曜)の「0:00〜0:30」の時間帯における各日の計測制御運転の平均値(Nptn)の例が示されている。
この計測制御運転の平均値(Nptn)に基づいて、パターンごとに時間帯別(30分単位)のプログラム運転の自動補正運転ノッチ(Npt)を累積移動平均値として演算してプログラム設定値を求める。当該設定値は、累積移動平均値の演算により順次上書き更新されることにより、自動的に変更補正されることになる。ここで、累積移動平均値とは、次の式により定義される。
Npt=(1/n)((「前日までのNpt」×「n−1」)+「計測制御運転の今回値」)
図5の(B)の例では、「0:00〜0:30」の時間帯における「第1週の月曜〜火曜(日数:2日)」までの計測制御運転の実績により累積移動平均値として演算されるプログラム運転の「平日」の自動補正運転ノッチ(Npt)は次のとおりとなる。
N平00=(1/2)((N平0001×(2−1)+N平0002)
=(1/2)(4×1+2)
=3 → 判定:3ノッチ
同様に、「0:00〜0:30」の時間帯における「第1〜2週の月曜〜金曜(日数:10日)」までの計測制御運転の実績により累積移動平均値として演算されるプログラム運転の「平日」の自動補正運転ノッチ(Npt)は次のとおりとなる。
N平00=(1/10)((N平0009までのNpt×(10−1)+N平0010)
=(1/10)(3×9+1)
=2.8 → 判定:3ノッチ
以上のとおり、プログラム運転の自動補正運転ノッチ(Npt)は、各パターンにおける時間帯別(30分単位)に累積移動平均値として演算されて設定値として用いられる。また、当該設定値は、累積移動平均値の演算に伴い、順次、上書き更新される。具体的なフローは図7において説明する。
図6および7は、プログラム運転の自動補正換気方向(Dpt)および自動補正運転ノッチ(Npt)のプログラム設定値の変更補正における累積移動平均値の演算において、一定期間(例えば、3ヶ月や半年など)ごとに、累積移動平均値の分母となるパターンごとの日数(n)の初期設定値(n0)を当該期間の増加量との見合いで減じて演算を行う制御フローである。図6は自動補正換気方向(Dpt)のプログラム設定値変更補正の制御フローであり、図7は自動補正運転ノッチ(Npt)のプログラム設定値変更補正の制御フローである。
図6および7では、計測制御運転において、現時間帯における自動補正換気方向(Dpt)および自動補正運転ノッチ(Npt)と日数を読み込み、累積移動平均値の演算を行う。そして、換気方向および運転ノッチのプログラム設定値を演算した累積移動平均値に書き換える。以後、時間帯ごとに同様の読み込み、演算、書き換えを繰り返す。
そして、特定の期日(2XXX年4月1日or7月1日or10月1日or12月1日)をあらかじめ指定しておき、当該期日になった場合、自動補正換気方向(Dpt)および自動補正運転ノッチ(Npt)として求められる累積移動平均値の演算において、累積移動平均値の分母となるパターンごとの日数(n)を次のとおり減じる処理を行う。
n=(1/2)(n−n0)
そして、上記で求めた新しい日数を日数(n)の初期設定値(n0)として書き換えた上で、以後、再び、時間帯ごとに同様の読み込み、演算、書き換えを繰り返す。
各パターンの時間帯ごとの計測制御運転の過去の運転実績を平均化または移動平均化してプログラム運転の設定値の変更補正を行う場合において、過去の全期間の運転実績を演算するならば、日数(n)が永久に増加することとなり、今回値の重みが小さくなってしまう。また、常に直近の過去一定期間の運転実績を演算するならば、実態に近い平均値を求められない。さらに、いずれも平均化期間の日数に応じてメモリ容量を消費することとなる。これは例えば、ある任意の1年間(「平日」245日)のメモリ容量は、時間帯別(30分単位)では、48分割×1年(「平日」245日)=11760ワード必要となる。1ワードは2バイトなので、1年の「平日」だけで約23キロバイト消費する。
しかし、本発明では、各パターンの時間帯ごとの計測制御運転の過去の運転実績を累積移動平均値として演算し、さらに累積移動平均値の分母となる日数(n)を一定期間の増加量見合いで減じた上で、累積移動平均値を演算している。そのため、今回値の重みを保ちながら、過去平均値と今回平均値を比較した場合に、平均化後の変動割合を平準化できる。その結果、より実態に近い平均値により判定できるため、平均化誤差が少ない。また、計測制御運転の運転実績を累積移動平均化した上で、時間帯別のメモリへ更新書き換えを続けるため、平均化する期間を限定せず、メモリ消費を一定にできる。例えば、時間帯別(30分単位)では、48分割×4種類(「平日」、「土曜」、「日曜」、「祝日」)=192ワードとなり、メモリ消費量は384バイトで良いことになる。これは、上述した平均化期間の日数に応じてメモリ容量を消費する場合の「平日」4日分(=192÷48分割)である。
図8は、非常制御運転における悪化制御フローを示す図である。ここでは、VI値だけでなく、CO計により測定された一酸化炭素濃度(CO値)も用いる。計測制御運転またはプログラム運転にかかわらず、VI値が悪化レベル設定値を下回った場合またはCO値が悪化レベル設定値を上回った場合には、直ちにJFの運転台数を最大として運転する非常制御運転に移行する。その場合には、AV計により自然風の風向風速を測定した上で、風速2m/s以上の場合には、自然風と同じ方向になるように換気方向の制御出力を決定する。風速2m/s未満の場合には、2台のVI計の測定値を比較演算し、VI値の大→小、すなわちVI値が悪化している方向、または、CO計の測定値に基づいてCO値の小→大、すなわちCO値が悪化している方向に吹くように換気方向の制御出力を決定する。なお、VI値の悪化レベル設定値は45%以下、CO値の悪化レベル設定値は100ppm以上とする。
非常制御運転は、計測制御運転またはプログラム運転のいずれの運転方法であるかにかかわらず、また、各運転の制御周期とも関係なく、VI値が悪化レベル設定値を下回った時点またはCO値が悪化レベル設定値を上回った時点において自動的に開始され、JFの運転台数を最大まで引き上げることができる。1つの制御周期ごとに運転ノッチの上げ指令(+1ノッチ)を出力する場合は、運転ノッチを最大(6ノッチ)まで引き上げるには、一定の制御周期の経過を待たなければならず、効果的な換気が実現できない。しかし、制御周期にかかわらず、直ちに運転ノッチを最大まで引き上げる制御を行うことにより、トンネル内の環境に迅速に対応した制御が可能となり、効果的な換気を実現できる。
図9は、非常制御運転における悪化制御フローにおいて、悪化状態が24時間継続した場合の制御フローを示す図である。非常制御運転に移行してJFの運転台数を最大にして運転した状態が24時間継続した場合には、計測機器が故障したものとみなして、自動的にプログラム運転へ移行する。復帰は手動で行われる。これにより、計測機器が故障等の場合であっても、合理的な運転方法によりトンネル内換気設備の運転を行うことができる。
なお、非常制御運転によるJFの換気方向および運転ノッチの制御出力の実績についても、計測制御運転の実績と同様に時間帯別(30分単位)で順次演算し、次回のプログラム設定値として自動的に変更補正を行い、設定値を上書きして書き換える。この場合、計測制御運転の実績に代えて非常制御運転の実績を用いることになる。計測制御運転の過去実績のみならず、非常制御運転の過去実績についてもプログラム設定値の変更に反映させることにより、よりトンネル内の環境に対応したプログラム運転を行うことができる。
1 JF
2 VI計
3 CO計
4 AV計
5 計測盤
6 換気制御盤
7 換気動力盤

Claims (5)

  1. トンネル内に設置された換気機を少なくとも計測制御運転またはプログラム運転に切り換えて運転するトンネル換気設備の運転方法において、
    前記計測制御運転では、トンネル内の風向風速および煙霧透過率を測定し、
    少なくとも前記風向風速または前記煙霧透過率の測定値に基づいて所定の周期毎に前記換気機の換気方向または運転台数の制御出力を決定し、該制御出力により前記換気機の換気方向または運転台数を制御し、
    前記プログラム運転では、前記周期毎にあらかじめ設定された制御出力値を用いて前記換気機の換気方向および運転台数を制御し、
    前記周期毎の前記計測制御運転の制御出力の所定期間の実績を累積移動平均値として演算し、該累積移動平均値を前記プログラム運転の新たな前記制御出力値として更新し、
    一定期間ごとに前記所定期間を変更して前記累積移動平均値を演算することを特徴とするトンネル換気設備の運転方法。
  2. 請求項1記載のトンネル換気設備の運転方法において、
    少なくとも前記煙霧透過率の測定値が設定値を下回った場合には、
    前記計測制御運転または前記プログラム運転の前記周期にかかわらず、前記換気機の運転台数を最大とする非常制御運転により運転することを特徴とするトンネル換気設備の運転方法。
  3. 請求項1または2記載のトンネル換気設備の運転方法において、
    トンネル内の一酸化炭素濃度を測定し、少なくとも該一酸化炭素濃度の測定値が設定値を上回った場合には、
    前記計測制御運転または前記プログラム運転の前記周期にかかわらず、前記換気機の運転台数を最大とする非常制御運転により運転することを特徴とするトンネル換気設備の運転方法。
  4. 請求項2または3記載のトンネル換気設備の運転方法において、
    前記非常制御運転が一定時間継続した場合には、
    前記プログラム運転により運転することを特徴とするトンネル換気設備の運転方法。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項記載のトンネル換気設備の運転方法において、
    前記非常制御運転により運転した期間においては、
    前記計測制御運転の制御出力に代えて前記非常制御運転の制御出力を用いることを特徴とするトンネル換気設備の運転方法。
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