JP3789076B2 - 道路トンネル換気制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分岐部や合流部を有する道路トンネルの換気を制御する道路トンネル換気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路トンネル(以下トンネルと記載する)では、立坑あいるはトンネル内ダクトからの送排風や、集塵機、ジェットファン等の換気設備がトンネルの規模に応じて設置されている。これらの換気設備を必要に応じて運転することにより、トンネル内の汚染物質(煤煙、一酸化炭素(以下COと記載する)等)の濃度を許容範囲内に維持している。トンネル内の汚染濃度はトンネル内の位置に応じて異なる分布となっているため、汚染物質の濃度が最も高くなる地点の濃度を許容範囲内に維持するように換気機の運転風量・台数を制御する必要がある。
【0003】
また、トンネル内の風速も、換気方式によってはトンネル内の位置に応じて異なる分布となっているため、風速が最も高くなる地点の風速を許容範囲内に維持し、逆に換気に必要な風速を確保するために換気機の運転風量・台数を制御する必要がある。トンネル内の換気状態を制御するためにはトンネル内の圧力バランスを考慮しながら風速分布を計算し、その結果をもとに煤煙濃度分布、CO濃度分布等を予測演算し、制御に用いるという方式が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自動車用のトンネルは、その入口から出口までの間に分岐部や合流部を有しない形態が一般的であり、このようなトンネルにおいては上記従来の技術に記載した手法による換気制御方法で制御しても問題がなかった。
【0005】
しかし、近年、大都市圏の交通渋滞を緩和し、地下空間を有効に利用するために、トンネルの途中に分岐部や合流部を有するトンネルが多数計画されている。このようなトンネルに対しては、上記従来の技術に記載した手法をそのまま適用したのでは、有効な換気制御を行うことは困難であった。
【0006】
また、従来においては、途中に分岐部や合流部を有するトンネルの換気制御を扱う場合に、途中に分岐部や合流部が無いとした場合の一つの運動方程式をたて、その運動方程式を基礎にして分岐部や合流部の存在の影響を逐次的に求めるようにしていた。このため、トンネルの換気状態に関する予測演算の精度が低いという問題があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の問題を解消し、分岐部や合流部を有するトンネルの換気状態に関する予測演算の精度を向上させ、換気設備の効率的な運用を可能にする道路トンネル換気制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の道路トンネル換気制御装置は、トンネル本線と少なくとも1個の分岐部及び/又は少なくとも1個の合流部とにより構成され坑内の壁面に送風孔及び排気孔を有するトンネルダクトが設置された道路トンネルを換気制御する道路トンネル換気制御装置において、前記トンネルの全ての坑口に対して演算上必要となる坑口外の圧力を仮の値として指定するトンネル外圧力設定手段と、前記トンネルダクトの送排風量を設定する送排風量設定手段と、前記トンネル本線への流入交通量、前記分岐部からの流出交通量、及び前記合流部への流入交通量等の交通量を計測する交通量計測装置と、前記交通量計測装置が設置されている地点の交通量を予測する交通量予測手段と、前記道路トンネルを空気が流入し流出する複数のセクションに分割し、前記交通量予測手段の予測結果を用いて前記複数のセクションの各々のセクションに存在する車両の台数を演算する各セクション在車台数演算手段と、前記複数のセクションの各々のセクション毎に流通する空気に適用する互いに連立する複数の運動方程式を設定し、前記トンネル外圧力設定手段、前記送排風量設定手段、及び前記各セクション在車台数演算手段の出力結果を用いて互いに連立する前記複数の運動方程式を解き前記道路トンネル内の風速分布を演算する風速分布演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、前記交通量計測装置は車速を計測する車速計測手段を有し、前記車速計測手段による車速計測値に基づき各セクションを走行する車両の平均速度を演算する各セクション車速演算手段を備えることを特徴とする。
【0010】
前記車速計測手段による車速計測値に基づき前記交通量計測装置が設置されている地点の平均車速を予測する車速予測手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記各セクション在車台数演算手段の出力を用いて各セクションの煤煙発生量を計算する煤煙発生量演算手段と、前記煤煙発生量演算手段の出力と前記風速分布演算手段によって演算した風速分布とに基づき、トンネル内の空間的な煤煙濃度分布を演算する煤煙濃度分布演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、前記各セクション在車台数演算手段の出力と前記各セクション車速演算手段の出力とを用いて、各セクションの煤煙発生量を計算する煤煙発生量演算手段と、前記煤煙発生量演算手段の出力と前記風速分布演算手段によって演算した風速分布とに基づき、トンネル内の空間的な煤煙濃度分布を演算する煤煙濃度分布演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、前記各セクション在車台数演算手段の出力を用いて各セクションのCO発生量を計算するCO発生量演算手段と、前記CO発生量演算手段の出力と前記風速分布演算手段によって演算した風速分布とに基づき、トンネル内の空間的なCO濃度分布を演算するCO濃度分布演算手段と、を備えたことを特徴とする。また、前記風速分布演算手段によって演算した風速分布が望ましい範囲に収まっているか否かを検査する風速チェック手段と、前記風速チェック手段におけるチェックが満たされるように各セクションの送排風量を修正する送排風量修正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、トンネル内に設置され、煙霧透過率を示すVI値を計測する装置であるVI計と、前記煤煙濃度分布演算手段で演算した煤煙濃度分布が所定の許容範囲に収まるように各セクションの送排風量を修正し、送排風量指令値として出力する煤煙用送排風量指令値演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、トンネル内に設置され、CO濃度を計測する装置であるCO計と、前記CO濃度分布演算手段で演算したCO濃度分布が所定の許容範囲に収まるように各セクションの送排風量を修正し、送排風量指令値として出力するCO用送排風量指令値演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、トンネル内に設置され、風向風速を計測する装置であるAV計と、トンネル内のいずれかの地点で火災が発生した場合に、前記風速分布演算手段によって演算した風速分布を参照し、火災発生地点近傍の風速を抑制し延焼を防ぐとともに火災発生地点の風速を安全上望ましい値に維持するように各セクションの送排風量を修正し、送排風量指令値として出力する風速用送排風量指令値演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
上述の発明において、道路トンネルはトンネル本線と少なくとも1個の分岐部及び/又は少なくとも1個の合流部とにより構成されている。ここで、道路トンネルは分岐部のみを含む場合、合流部のみを含む場合、分岐部と合流部の両方を含む場合であってもよい。
【0018】
本願発明においては、途中に分岐部や合流部が無いとした場合の一つの運動方程式を基礎にして分岐部や合流部の存在の影響を逐次的に求めるのではなく、分岐部や合流部の存在を取り入れて道路トンネルを空気が流入し流出する複数のセクションに分割し、複数のセクションの各々のセクション毎に流通する空気に適用する互いに連立する複数の運動方程式を設定する。そして、トンネル外圧力設定手段、送排風量設定手段、及び各セクション在車台数演算手段の出力結果を用いて互いに連立する複数の運動方程式を解き道路トンネル内の風速分布を演算する。分岐部や合流部の存在の影響を逐次的に求める場合に比べて換気状態に関する予測演算の精度を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態として複数の実施例について説明する。
【0020】
まず、実施例1に実施例について説明する。実施例1の構成を図1に示す。図1に記載するように、本実施例の道路トンネル換気制御装置は、トンネル外圧力設定手段1、送排風量設定手段2、交通量計測装置3、交通量予測手段4、各セクション在車台数演算手段5、及び風速分布演算手段6を備えている。本実施例に記載する装置全体をaで表すことにする。
【0021】
分岐部や合流部を有するトンネルの換気状態を予測するためにはトンネル内の風速分布やその推移を如何にして求めるかということが最大のポイントになる。本実施例に記載の装置によれば、トンネル内に複数の分岐合流部を有する場合や、複数の換気方式を組み合わせた方式を採用する場合等、さまざまなトンネルの風速分布を計算することが可能である。本実施例では簡単のため、図22に示すような、分岐合流部(分岐部または合流部)分岐部と合流部が各々1箇所ずつ有し、トンネル側面に多数の送風孔および排風孔を有するトンネルダクトが設置されたトンネル(横流式)を例として作用を説明する。なお、以下に分岐合流部とは分岐部または合流部の少なくとも一方がある場合において分岐部または/及び合流部を指すものとする。
【0022】
トンネル外圧力設定手段1はトンネル坑口外の圧力を設定する手段である。本実施例では図22に示すように、トンネル本線入口A、トンネル本線出口B、分岐部出口C、合流部入口Dの計4箇所の圧力PnA、PnB、PnC、PnDを設定する。これらの地点に圧力測定装置が設置されている場合にはその測定値を用いればよい。設置されていない場合には地形や標高等の諸条件を勘案し適切な値を設定する。
【0023】
送排風量設定手段2はトンネルダクトの送排風量を設定する手段である。本実施例で対象としているトンネルは、図22に示すように分岐合流部により、トンネル本線1、2、3、分岐トンネル4、合流トンネル5の計5つのセクションに分割され、各々のセクションの送風量Qbi(i=1〜5)、排風量Qei(i=1〜5)がそれぞれ個別に設定できるものとする。本手段で設定した送排風量に応じて、トンネル内風速分布が演算される。
【0024】
交通量計測装置3はトンネル内を走行する車両の台数を計測する装置である。一般にはトラフィックカウンタと呼ばれている。トンネル内の交通状況を詳細に把握するためには交通量計測装置3は多数設置されていることが望ましいが、コストの問題もあるため適切な場所を選定し必要な台数を設置することが望ましい。本実施例で対象としている図22のトンネルにおいてトンネル内全域の交通量を把握するためには、少なくともトンネル本線入口A、分岐部出口C、合流部入口Dの3箇所に設置する必要がある。
【0025】
交通量予測手段4は交通量計測装置3の計測値に基づき、交通量計測装置が設置されている地点の大型車交通量、小型車交通量を予測する手段である。なお予測方法については本発明の対象外であり、さまざまな手法が適用可能であるため詳細な説明を省略し、既に公知となっている手法の概要を説明する。過去1ヶ月間の交通量計測装置3のデータをもとに、1日(24時間)の大型車交通量、小型車交通量の時系列的な推移を平日、休日前、休日、休日明け等に分類して平均処理することにより、各予測項目の基本パターンを作成する。これは、交通特性が平日、休日前、休日、休日明け等の分類に応じて特有の傾向を示すことが多いからである。例えば、平日の午後0時に今後1時間の予測を行なう場合には、平日用の基本パターンを参照し、該当する時間帯のデータを予測値として用いる。その際に、当日の午後0時までの計測値と基本パターンとのずれを予測に用いることにより、予測精度を向上することができる。その際の方法としては、例えばカルマンフィルタを適用し自己回帰モデルを用いる方法等が挙げられる。
【0026】
各セクション在車台数演算手段5は交通量予測手段4の予測結果を用いて、トンネル内に存在する車両の台数を演算する手段である。本実施例では、トンネル本線1、2、3、分岐トンネル4、合流トンネル5の計5セクションの在車台数を演算する必要がある。交通量計測装置3が、トンネル本線入口A、分岐部出口C、合流部入口Dの3箇所に設置されている場合、交通量予測手段4により、各地点の時間交通量(1時間に走行する車両台数)が予測される。この予測交通量を以下の文字で表すものとする。
【0027】
NphA:トンネル本線入口A時間交通量予測値[台/h]
NphC:分岐部出口C時間交通量予測値[台/h]
NphD:合流部入口D時間交通量予測値[台/h]
この時、セクション1〜5の時間交通量予測値Nph1〜Nph5は次式により演算することができる。
【0028】
Nph1=NphA …(1)
Nph2=NphA−NphC …(2)
Nph3=NphA−NphC+NphD …(3)
Nph4=NphC …(4)
Nph5=NphD …(5)
セクション1〜5の長さをL1〜L5[m]、走行車両の平均速度をVts1〜Vts5[m/s]とするとき、各セクションの在車台数N1〜N5[台]は次式により計算できる。
【0029】
【数1】
ここで、走行車両の平均速度Vts1〜Vts5は、トンネルの設計速度や実際の交通状況を考慮して適切に設定する。車速が時間帯や曜日等に依存する傾向の強い場合には、固定値ではなく、時間帯や曜日等に応じたパターンで設定するものとする。
【0030】
風速分布演算手段6は、トンネル外圧力設定手段1、送排風量設定手段2、および各セクション在車台数演算手段5の出力を用いてトンネル内の風速分布を演算する手段である。風速分布演算手段6は、本発明の最も重要なポイントであるため、図を引用しながら詳細に説明する。
【0031】
風速分布演算手段6は図22に記載する分岐合流トンネルの風速分布を演算するものであるが、まずはその基本となる単純なトンネルの数式モデルを示す。図23に示すようなトンネルを考える。図23における記号の説明は以下の通りである。
【0032】
A:トンネル入口
B:トンネル出口
x:トンネル入口を原点とする座標[m]
L:トンネル延長[m]
Qb:送風量[m3/s]
Qe:排風量[m3/s]
PnA:トンネル入口全圧(トンネル外側)[Pa]
PnB:トンネル出口全圧(トンネル外側)[Pa]
Pra:トンネル入口全圧(トンネル内側)[Pa]
Prb:トンネル出口全圧(トンネル内側)[Pa]
Ura:トンネル入口風速(トンネル内側)[m/s]
Urb:トンネル出口風速(トンネル内側)[m/s]
送風量Qbと排風量Qeから、風量Qを式(7)により計算する。
【0033】
Q=Qb−Qe …(7)
このとき、式(8)の運動方程式が成立する。
【0034】
【数2】
式(2)におけるAr,ρ,Pt,Prは以下の通りである。
【0035】
Ar:トンネル断面積[m2]
ρ:空気密度[kg/m3]
Pt:交通換気力[Pa]
Pr:トンネル壁面抵抗[Pa]
交通換気力Ptは、式(9)により計算することができる。
【0036】
【数3】
式(9)におけるAm,N,Vts,Ur(x)は以下の通りである。
【0037】
Am:車両等価抵抗面積[m2]
N:トンネル内在車台数[台]
Vts:車速[m/s]
Ur(x):座標x[m]におけるトンネル内風速[m/s]
トンネル内風速Ur(x)は、式(10)により計算することができる。
【0038】
【数4】
したがって、トンネル出口風速Urbは、式(11)のようにUraで表すことができる。
【0039】
【数5】
壁面抵抗Prは、式(12)により計算することができる。
【0040】
【数6】
式(12)におけるλ,Drは以下の通りである。
【0041】
λ:壁面抵抗係数[・]
Dr:トンネル代表寸法[m]
トンネル入口Aでは、入口損失あるいは出口損失が生じるため、トンネル入口全圧(トンネル外側)PnAとトンネル入口全圧(トンネル内側)Praとの関係は、トンネル入口風速Uraの符号(A→Bを正とする)に応じて式(13)あるいは式(14)のようになる。
【0042】
【数7】
式(13)におけるζeは以下の通りである。
【0043】
ζe :入口損失係数[・]
同様に、トンネル出口Bでは、出口損失あるいは入口損失が生じるため、トンネル出口全圧(トンネル外側)PnBとトンネル出口全圧(トンネル内側)Prbとの関係は、トンネル出口風速Urbの符号(A→Bを正とする)に応じて式(15)あるいは式(16)のようになる。
【0044】
【数8】
ここで、以下の変数が既知であると仮定する。
【0045】
Qb:送風量[m3/s]
Qe:排風量[m3/s]
PnA:トンネル入口全圧(トンネル外側)[Pa]
PnB:トンネル出口全圧(トンネル外側)[Pa]
N:トンネル内在車台数[台]
Vts:車速[m/s]
さらに、以下の定数が既知であると仮定する。
【0046】
L:トンネル延長[m]
Ar:トンネル断面積[m2]
Dr:トンネル代表寸法[m]
ρ:空気密度[kg/m3]
λ:壁面抵抗係数[・]
ζe:入口損失係数[・]
式(8)に、式(9)の交通換気力Pt、式(12)の壁面抵抗Pr、式(13)あるいは式(14)のトンネル入口全圧(トンネル内側)Pra、式(15)あるいは式(16)のトンネル出口全圧(トンネル内側)Prbをそれぞれ代入し、式(10)、式(11)の関係を用いれば、式(8)は未知変数がトンネル入口風速Uraのみの微分方程式となり、トンネル入口風速Uraを容易に計算することができる。定常状態を計算する場合には微分項をゼロとおいてよいため、計算はさらに容易になる。トンネル入口風速Uraが求まれば、式(10)を用いることによりトンネル内の風速分布を求めることができる。
【0047】
つづいて、図22の分岐合流トンネルの風速分布を演算する方法について説明する。
【0048】
図22に記載する分岐後流トンネルの5つのセクション(トンネル本線1、2、3、分岐トンネル4、合流トンネル5)の各々について、式(8)と同様に運動方程式を立てると以下の式(17)〜(21)のようになる。各記号の添字はセクション番号に対応している。また、各記号の説明は前記のとおりである。
【0049】
【数9】
分岐点における圧力の変化は次式のようになる。
【0050】
【数10】
式(22)、(23)におけるζ12,ζ14は以下の通りである。
【0051】
ζ12:セクション1からセクション2への損失係数[・]
ζ14:セクション1からセクション4への損失係数[・]
上記のζ12,ζ14は分岐部の構造や風向等により変化することが知られており、実験等により適切に定める必要があるが、簡易計算の場合、ゼロとみなすこともある。その場合、Prb1,Pra2,Pra4が同一値となる。
【0052】
合流点における圧力の変化は次式のようになる。
【0053】
【数11】
式(24)、(25)におけるζ23,ζ53は以下の通りである。
【0054】
ζ23:セクション2からセクション3への損失係数[・]
ζ53:セクション5からセクション3への損失係数[・]
上記のζ23,ζ53は合流部の合流部の構造や風向等により変化することが知られており、実験等により適切に定める必要があるが、簡易計算の場合、ゼロとみなすこともある。その場合、Prb2,Prb5,Pra3が同一値となる。
【0055】
また、風速に関しては、分岐点における風量のバランスにより次式が成立している。
【0056】
Ar1・Urb1=Ar2・Urb2+Ar4・Urb4 …(26)
同様に、合流点における風量のバランスにより次式が成立している。
【0057】
Ar2・Urb2+Ar5・Urb5=Ar3・Urb3 …(27)
式(11)を用いると、Urb1〜Urb5はUra1〜Ura5を用いて次式のように表すことができる。
【0058】
【数12】
ここで10箇所の風速(Ura1〜Ura5 ,Urb1〜Urb5 )のうち3つを選択し、それ以外の風速を選択した3つの風速で表すことを考える。一例として、Ura1=X1,Ura2=X2,Ura3=X3を選択した場合について記載する。本実施例では式を簡単にするためAr1〜Ar5は同一値(Ar)とする。もちろんAr1〜Ar5に個々の値を設定する場合も式が若干複雑になるだけで本質的には全く同じである。その結果を以下に示す。
【0059】
【数13】
次に、風速分布を求めるため、式(17)〜(21)を連立して解く方法を説明する。図24に矢印で示すような3つのルートを考える。なお、このルートは一意ではなく、例えば、セクション1→セクション2→セクション5等、出入り口が異なる3つのルートを任意に選定すればよい。
【0060】
・ルート1:セクション1→セクション2→セクション3
・ルート2:セクション1→セクション4
・ルート3:セクション5→セクション3
各々のルートにしたがって、式(17)〜(21)の運動方程式を辺々加えていく。ルート1を例として説明する。式(17)、式(18)、式(19)を辺々足し合わせる。まず、左辺は式(22)、式(24)を用いると、次式のようになる。
【0061】
【数14】
ここで、Pra1については次式が成立する。
【0062】
【数15】
同様に、Prb3については次式が成立する。
【0063】
【数16】
式(39)〜式(43)を用いると、左辺はPnA,PnBおよび風速で表すことができる。
【0064】
同様に右辺についても足し合わせると、各々のセクションのPti,Priが式(9)、式(12)の形で表されることから、右辺は風量Q1および風速で表すことができる。
【0065】
ここで、PnA,PnBはトンネル外圧力設定手段1、風量Q1は送排風量設定手段2、式(9)の交通換気力Pt1の計算に必要なセクション内在車台数N1は各セクション在車台数演算手段5により得ることができる。また、各風速に式(29)〜(38)を代入すると、ルート1に存在するセクション1〜3の運動方程式を辺々足し合わせた式は、未知変数がX1〜X3の微分方程式になる。同様の方法で、ルート2(セクション1→セクション4)、ルート3(セクション5→セクション3)に存在するセクションの運動方程式を足し合わせると、未知変数がX1〜X3の微分方程式が各々得られる。この結果、未知変数がX1〜X3の微分方程式が3本得られる。これらの微分方程式を連立し、未知変数X1〜X3について解く事によりトンネル内の風速分布を得ることができる。
【0066】
以上記載した方法により、分岐部と合流部を有するトンネル内の風速分布を高精度で演算可能な装置を実現することができる。
【0067】
なお、本実施例では図22に示すような分岐部および合流部を一箇所ずつ有するトンネルを対象としたが、分岐部と合流部の数が異なる場合にも適用することができる。本実施例はトンネル坑口が4箇所で、出入口の異なる(片方は同じでも良い)ルートを3つ選択した。トンネル坑口がn箇所ある場合には、同様にn−1のルートを選定すればよい。
【0068】
上述の実施例1によれば、トンネル内の分岐点や合流部の存在を考慮してトンネル内の風速分布を演算するように構成して、トンネル内に分岐合流部を有するトンネルに対して複数のルートを設定し各々のルートに成立する運動方程式を求め、これらの運動方程式を連立して各々のルートにおける運動方程式の解を求めるようにしたので、トンネル内に分岐合流部を有する複雑なトンネルに対して、トンネル外の圧力、送排風機の風量、本線部への流入交通量、分岐部からの流出交通量、合流部からの流入交通量の値に応じて、トンネル内の換気状態を予測するための基礎となるトンネル内風速分布を高精度で予測演算することができる。
【0069】
次に、実施例2について説明する。実施例2の構成を図2に示す。図2に記載するように、本実施例は、実施例1に記載の構成に、各セクション車速演算手段7を加えたものである。本実施例に記載する装置全体をbで表すことにする。実施例2は、実施例1に記載の構成に各セクション車速演算手段7を加えたものであるから、各セクション車速演算手段7の作用についてのみ説明する。
【0070】
本実施例では、交通量計測装置3に車速計測機能がある場合を想定している。実施例1では各セクションの車速をトンネルの設計速度や実際の交通状況を考慮して設定したが、本実施例では交通量計測装置3の車速計測値に基づいて定めるものとする。
【0071】
各セクション車速演算手段7では、交通量計測装置3の計測値を用いて、各セクションを走行する車両の平均速度を演算する手段である。交通量計測装置3で計測した車速は、設定された周期(例えば5分)毎に平均処理を行う。各セクションの車速を得るためには、各々のセクションに交通量計測装置3が設置されていることが望ましいが、コストの観点から設置台数を低減する場合には、トンネル本線入口A、分岐部出口C、合流部入口Dの3箇所に設置し、トンネル本線のセクション1〜3はA、分岐部セクション4はC、合流部セクション5はDの計測値をそれぞれ用いることとする。
【0072】
各セクション車速演算手段7で演算した各セクションの平均車速は、風速分布演算手段6に渡され、風速分布の演算に用いられる。
【0073】
実施例2によれば、実施例1の構成に各セクション車速演算手段7を加えたものであるから、実施例1の効果に加え、特に車速の変動が大きい場合、より高精度で風速分布を演算することが可能となる。
【0074】
次に、実施例3について説明する。実施例3の構成を図3に示す。図3に記載するように、本実施例は、実施例2に記載の構成に、車速予測手段8を加えたものである。本実施例に記載する装置全体をcで表すことにする。本実施例は、実施例2に記載の構成に車速予測手段8を加えたものであるから、車速予測手段8の作用についてのみ説明する。本実施例では、実施例2と同様に、交通量計測装置3に車速計測機能がある場合を想定している。
【0075】
車速予測手段8は、交通量計測装置3の車速計測値に基づき、交通量計測装置が設置されている地点の平均車速を予測する手段である。なお予測方法については本発明の対象外であり、さまざまな手法が適用可能であるため詳細な説明を省略するが、例えば、実施例1の交通量予測手段4で記載した公知の手法を用いても良い。車速予測手段8による車速予測値に基づき、各セクション車速演算手段7にて各セクションの平均車速を演算する。演算結果は風速分布演算手段6に渡され、風速分布の演算に用いられる。
【0076】
実施例3によれば、本実施例は実施例2の構成に車速予測手段8を加えたものであるから、実施例2の効果に加え、車速の変動を高精度で予測することにより、風速分布の演算精度を向上することが可能となる。
【0077】
次に、実施例4について説明する。本実施例の構成を図4に示す。本実施例は実施例1に記載の装置aに、煤煙発生量演算手段9と、煤煙濃度分布演算手段10を加えたものである。本実施例に記載する装置全体をdで表すことにする。本実施例は実施例1に記載の装置aに、煤煙発生量演算手段9と煤煙濃度分布演算手段10を加えたものであるから、これらの作用についてのみ説明する。
【0078】
煤煙発生量演算手段9では、装置aにより演算された各セクション在車台数に基づいて各セクションの煤煙発生量を計算する手段である。煤煙発生量の演算においては、実験データあるいは統計データとして得られている通行車両の煤煙発生量データを用いればよい。なお本手段では従来から一般的に用いられている手法を適用すればよいので、詳細な説明は省略する。この各セクション煤煙発生量の演算結果と、装置aにより得られる風速分布をもとに、煤煙濃度分布演算手段10によりトンネル内の空間的な煤煙濃度分布が演算される。本手段においても従来から一般的に用いられている手法を適用すればよいので、詳細な説明は省略する。
【0079】
実施例4によれば、本実施例ではトンネル内の分岐・合流部の存在を考慮して演算した風速分布に基づき煤煙濃度分布を演算しており、したがって、分岐・合流部を有する複雑なトンネルに対し、トンネル外の圧力、送排風機の風量、本線部への流入交通量、分岐部からの流出交通量、合流部からの流入交通量に応じてトンネル内の煤煙濃度分布を高精度で予測演算することができる。
【0080】
次に、実施例5について説明する。本実施例の構成を図5に示す。本実施例は実施例2に記載の装置bに、煤煙発生量演算手段9と、煤煙濃度分布演算手段10を加えたものである。本実施例に記載する装置全体をeで表すことにする。本実施例は実施例2に記載の装置bに、煤煙発生量演算手段9と煤煙濃度分布演算手段10を加えたものであるから、これらの作用についてのみ説明する。
【0081】
煤煙発生量演算手段9では、装置bにより演算された各セクション在車台数に基づいて各セクションの煤煙発生量を計算する手段である。本実施例においては、各セクションの車速が得られるため、煤煙発生量演算手段9にて煤煙発生量を演算する際に、車速を考慮するものとする。煤煙発生量データは車速に依存することが知られている。なお、本手段では従来から一般的に用いられている手法を適用すればよいので、詳細な説明は省略する。この各セクション煤煙発生量の演算結果と装置bにより得られる風速分布をもとに、煤煙濃度分布演算手段10によりトンネル内の空間的な煤煙濃度分布が演算される。
【0082】
実施例5によれば、車速を計測し演算に用いることにより装置bにおける風速分布の演算精度および煤煙発生量演算手段9における演算精度を向上することが可能になる。この結果として、煤煙濃度分布の演算精度を向上することができる。
【0083】
次に、実施例6について説明する。本実施例の構成を図6に示す。本実施例は実施例3に記載の装置cに、煤煙発生量演算手段9と、煤煙濃度分布演算手段10を加えたものである。本実施例に記載する装置全体をfで表すことにする。本実施例は、実施例5の装置bの代わりに装置cを用いたものであるから作用の説明は省略する。
【0084】
実施例6によれば、車速を予測し演算に用いることにより、装置cにおける風速分布の演算精度および、煤煙発生量演算手段9における演算精度を向上することが可能になる。この結果として、煤煙濃度分布の演算精度を向上することができる。
【0085】
次に、実施例7について説明する。本実施例の構成を図7に示す。本実施例は実施例1に記載の装置aに、CO発生量演算手段11と、CO濃度分布演算手段12を加えたものである。本実施例に記載する装置全体をgで表すことにする。本実施例は実施例1に記載の装置aに、CO発生量演算手段11と煤煙濃度分布演算手段12を加えたものであるから、これらの作用についてのみ説明する。 CO発生量演算手段11では、装置aにより演算された各セクション在車台数に基づいて各セクションのCO発生量を計算する手段である。CO発生量の演算においては、実験データあるいは統計データとして得られる通行車両のCO発生量データを用いればよい。なお本手段では従来から一般的に用いられている手法を適用すればよいので、詳細な説明は省略する。この各セクションCO発生量の演算結果と、装置aにより得られる風速分布をもとに、CO濃度分布演算手段12によりトンネル内の空間的なCO濃度分布が演算される。本手段においても従来から一般的に用いられている手法を適用すればよいので、詳細な説明は省略する。
【0086】
実施例7によれば、トンネル内の分岐・合流部の存在を考慮して演算した風速分布に基づき、CO濃度分布を演算しており、したがって、分岐・合流部を有する複雑なトンネルに対し、トンネル外の圧力、送排風機の風量、本線部への流入交通量、分岐部からの流出交通量、合流部からの流入交通量に応じてトンネル内のCO濃度分布を高精度で予測演算することができる。
【0087】
次に、実施例8について説明する。本実施例の構成を図8に示す。本実施例は実施例2に記載の装置bに、CO発生量演算手段11と、CO濃度分布演算手段12を加えたものである。本実施例に記載する装置全体をhで表すことにする。本実施例は実施例2に記載の装置bに、CO発生量演算手段11とCO濃度分布演算手段12を加えたものであるから、これらの作用についてのみ説明する。
【0088】
CO発生量演算手段11では、装置bにより演算された各セクション在車台数に基づいて各セクションのCO発生量を計算する手段である。本実施例においては、各セクションの車速が得られるため、CO発生量演算手段11にて煤煙発生量を演算する際に、車速を考慮するものとする。CO発生量データは車速に依存することが知られている。なお、本手段では従来から一般的に用いられている手法を適用すればよいので、詳細な説明は省略する。この各セクションCO発生量の演算結果と装置bにより得られる風速分布をもとに、CO濃度分布演算手段12によりトンネル内の空間的なCO濃度分布が演算される。
【0089】
実施例8によれば、車速を計測し演算に用いることにより、装置bにおける風速分布の演算精度および、CO発生量演算手段11における演算精度を向上させることが可能になる。この結果として、CO濃度分布の演算精度を向上させることができる。
【0090】
次に、実施例9について説明する。本実施例の構成を図9に示す。本実施例は実施例3に記載の装置cに、CO発生量演算手段11と、CO濃度分布演算手段12を加えたものである。本実施例に記載する装置全体をiで表すことにする。本実施例は、実施例8の装置bの代わりに装置cを用いたものであるから、作用の説明は省略する。
【0091】
実施例9によれば、車速を予測し演算に用いることにより、装置cにおける風速分布の演算精度およびCO発生量演算手段11における演算精度を向上させることが可能になる。この結果として、CO濃度分布の演算精度を向上させることができる。
【0092】
次に、実施例10について説明する。本実施例の構成を図10に示す。本実施例は実施例1に記載の装置aに、風速チェック手段13と、送排風量修正手段14を加えたものである。本実施例では、装置aが風速分布予測演算装置として機能し、トンネル内の風速分布を予測演算する。その風速分布が望ましい範囲に収まるように送排風機への指令値(設定値)の修正演算を行うようになっている。
【0093】
まず装置aでは、各セクションの送風量基準値および排風量基準値をもとに、トンネル内の風速分布を計算する。各セクションの送風量基準値および排風量基準値を以下のように表す。
【0094】
QbO1:セクションiの送風量基準値(i=1〜5)
QeO1:セクションiの排風量基準値(i=1〜5)
風速チェック手段13では、装置aが演算した風速分布が望ましい範囲に収まっているか否かをチェックする。本手段でチェックする項目は、トンネル形状や換気機の運用方針等によって適宜設定する必要があるが、例えば、以下のような項目がある。
【0095】
▲1▼トンネル内風速分布の最大値が許容値以下となっているか否か?
▲2▼送排風量がゼロの区間で、最低風速が確保されているか否か?
上記▲1▼はトンネル内の車両が安全に走行できるようにするためである。また、上記▲2▼は、トンネル内の汚染濃度(煤煙、CO等)の急激な悪化を防止するためである。
【0096】
送排風量修正手段14は、風速チェック手段13におけるチェック項目が全て満たされるように各セクションの送排風量を修正する手段である。本手段では、風速チェック手段13の結果に応じて各セクションの送排風量の修正値ΔQbi,ΔQeiを演算する。
【0097】
ΔQbi:セクションiの送風量修正値(i=1〜5)
ΔQei:セクションiの排風量修正値(i=1〜5)
つぎに送排風量基準値QbO1,QeO1に送排風量修正値ΔQbi,ΔQeiを加算し、修正後の送排風量Qbi,Qeiを演算する。
【0098】
Qbi=QbO1+ΔQbi …(44)
Qei=QeO1+ΔQei …(45)
式(44)および式(45)により修正された送排風量は装置aに渡され、この送排風量に基づいて、再度、トンネル内の風速分布が演算される。このようにして、風速チェック手段13のチェック項目が全て満たされるまで送排風量の修正が繰り返される。そして、最終的に風速チェック手段13のチェック項目を全て満足した送風量および排風量が、送排風機への指令値Qbrefi,Qerefiとして出力される。
【0099】
Qbrefi:セクションiの送風量指令値(i=1〜5)
Qerefi:セクションiの排風量指令値(i=1〜5)
実施例10によれば、トンネル内の分岐・合流部の存在を考慮してトンネル内の風速分布を演算し、トンネル内の風速分布が望ましい範囲に収まっているか否かのチェックを行っている。したがって、トンネル内に分岐・合流部を有する複雑なトンネルに対して、トンネル外の圧力、送排風機の風量、本線部への流入交通量、分岐部からの流出交通量、合流部からの流入交通量の値に応じて、トンネル内の風速分布を望ましい範囲に維持するための送風機風量および排風機風量を設定できる効果を有する。
【0100】
次に、実施例11について説明する。本実施例の構成を図11に示す。本実施例は実施例2に記載の装置bに、風速チェック手段13と、送排風量修正手段14を加えたものである。本実施例は実施例10の装置aを装置bに置き換えたものである。装置bの作用は実施例2に記載してあるため、本実施例の作用の説明は省略する。
【0101】
実施例11によれば、車速を計測し演算に用いることにより、装置bにおける風速分布の演算精度を向上することが可能になる。この結果として、送排風機風量指令値の演算精度を向上することができる。
【0102】
次に、実施例12について説明する。本実施例の構成を図12に示す。本実施例は実施例3に記載の装置cに、風速チェック手段13と、送排風量修正手段14を加えたものである。本実施例は実施例10の装置aを装置cに置き換えたものである。装置cの作用は実施例3に記載してあるため、本実施例の作用の説明は省略する。
【0103】
実施例12によれば、車速を予測し演算に用いることにより、装置cにおける風速分布の演算精度を向上することが可能になる。この結果として、送排風機風量指令値の演算精度を向上することができる。
【0104】
次に、実施例13について説明する。本実施例の構成を図13に示す。本実施例は実施例4に記載の装置dに、Vl計15と、煤煙用送排風量指令値演算手段16を加えたものである。本実施例は、実施例4に記載の装置dに、Vl計15と、煤煙用送排風量指令値演算手段16を加えたもので、煤煙濃度フィードバック制御装置としての機能を有するものである。
【0105】
Vl計15は、トンネル内に設置され、Vl値(煙霧透過率)を計測する装置である。なお、Vlとはトンネル内の視界の良さを0〜100%の値で表す指標であり、0%は煤煙濃度が無限大(真っ暗)、100%は煤煙濃度がゼロ(完全にクリア)の状態に対応している。本装置で計測したVl値をVli(i=1〜n:nはVl計の設置台数)とする。
【0106】
煤煙用送排風量指令値演算手段16は、各制御タイミングにおいて、トンネル内の代表的な位置に設置されたVl計の計測値Vliを取り込む。そして、これらのVl値が全て許容範囲内となるような送風量指令値Qbrefi、排風量指令値Qerefiを演算している。この演算を行うためには、現状の送風量Qbi、排風量Qeiを取り込み、修正を加える必要がある。そのためには、送排風量の修正が煤煙濃度分布に与える影響を予測演算し、その演算結果を用いて適正な修正量を選択する必要がある。そのために装置dを用いる。
【0107】
装置dを用いて、現状の送風量Qbiおよび排風量Qeiに対する煤煙濃度分布と、修正後の送風量Qbi+ΔQbiおよびQei+ΔQeiに対する煤煙濃度分布を演算し、Vl計設置位置に対応するVl値の変化量の予測値ΔVli(i=1〜n:nはVl計の設置台数)を得る。そして、現状のVl計の計測値VliにΔVliを加算することにより、送排風量を修正した場合のVl値の予測値を得る。このVl値予測値Vli+ΔVliの中の最小値(視界が最も悪い地点のVl値)が、設定された目標値に対し、「目標値〜目標値+ε」の範囲(εは微小値)に入っている場合は、送風量の指令値Qbrefi、排風量の指令値Qerefiとして、
Qbrefi =Qbi+ΔQbi …(46)
Qerefi =Qei+ΔQei …(47)
を出力する。「目標値〜目標値+ε」の範囲に入っていないときは、ΔQbi,ΔQeiを変更し、再度、装置dを用いてVl値の変化量の予測値ΔVli(i=1〜n:nはVl計の設置台数)を演算し、「目標値〜目標値+ε」の範囲に入るまで繰り返す。その結果として、適切な送風量の指令値Qerefi、排風量の指令値Qerefiを得る。
【0108】
実施例13によれば、トンネル内複数箇所の煤煙濃度を計測するとともに、分岐・合流部を有するトンネルにおいて、換気機風量を変更した際の煤煙濃度分布の変化を予測演算するように構成されているので、トンネル内に分岐・合流部を有する複雑なトンネルに対して、煤煙濃度を適正な範囲に維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果を有する。
【0109】
次に、実施例14について説明する。本実施例の構成を図14に示す。本実施例は実施例5に記載の装置eに、Vl計15と、煤煙用送排風量指令値演算手段16を加えたものである。本実施例は実施例13の装置dを装置eに置き換えたものである。装置eの作用は実施例5に記載してあるため、本実施例の作用の説明は省略する。
【0110】
実施例14によれば、車速を計測し演算に用いることにより、装置bにおける風速分布の演算精度および煤煙発生量演算手段9における演算精度を向上することが可能になる。この結果として、装置eの煤煙濃度分布の演算精度が向上するため、煤煙濃度を適正な範囲に維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果が向上する。
【0111】
次に、実施例15について説明する。本実施例の構成を図15に示す。本実施例は実施例6に記載の装置fに、Vl計15と、煤煙用送排風量指令値演算手段16を加えたものである。本実施例は実施例13の装置dを装置fに置き換えたものである。装置fの作用は実施例6に記載してあるため、本実施例の作用の説明は省略する。
【0112】
実施例15によれば、車速を予測し演算に用いることにより、装置bにおける風速分布の演算精度および、煤煙発生量演算手段9における演算精度を向上することが可能になる。この結果として、装置fの煤煙濃度分布の演算精度が向上するため、煤煙濃度を適正な範囲に維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果が向上する。
【0113】
次に、実施例16について説明する。本実施例の構成を図16に示す。本実施例は実施例7に記載の装置gに、CO計17と、CO用送排風量指令値演算手段18を加えたものである。本実施例は、実施例7に記載の装置gに、CO計17と、CO用送排風量指令値演算手段18を加えたもので、CO濃度フィードバック制御装置としての機能を有するものである。
【0114】
CO計17は、トンネル内に設置され、CO濃度を計測する装置である。なお、Vlとはトンネル内の視界の良さを0〜100%の値で表す指標であり、本装置で計測したCO濃度をCOi (i=1〜m:mはCO計の設置台数)とする。 CO用送排風量指令値演算手段18は、各制御タイミングにおいて、トンネル内の代表的な位置に設置されたCO計の計測値COiを取り込む。そして、これらのCO濃度が全て許容範囲内となるような送風量指令値Qbrefi、排風量指令値Qerefiを演算している。この演算を行うためには、現状の送風量Qbi、排風量Qei を取り込み、修正を加える必要がある。そのためには、送排風量の修正がCO濃度分布に与える影響を予測演算し、その演算結果を用いて適正な修正量を選択する必要がある。そのために装置gを用いる。
【0115】
装置gを用いて、現状の送風量Qbiおよび排風量Qeiに対する煤煙濃度分布と、修正後の送風量Qbi+ΔQbiおよびQei+ΔQeiに対するCO濃度分布を演算し、CO計設置位置に対応するCO濃度の変化量の予測値ΔCOi(i=1〜m:mはCO計の設置台数)を得る。そして、現状のCO計の計測値COi にΔCOi を加算することにより、送排風量を修正した場合のCO濃度の予測値を得る。このCO濃度予測値COi +ΔCOi の中の最大値(CO濃度が最悪な地点のVl値)が、設定された目標値に対し、「目標値〜目標値−ε」の範囲(εは微小値)に入っている場合は、送風量の指令値Qbrefi、排風量の指令値Qerefiとして、
Qbrefi =Qbi+ΔQbi …(46)
Qerefi =Qei+ΔQei …(47)
を出力する。「目標値〜目標値−ε」の範囲に入っていないときは、ΔQbi,ΔQeiを変更し、再度、装置gを用いてCO濃度の変化量の予測値ΔCOi(i=1〜m:mはCO計の設置台数)を演算し、「目標値〜目標値−ε」の範囲に入るまで繰り返す。その結果として、適切な送風量の指令値Qerefi、排風量の指令値Qerefiを得る。
【0116】
実施例16によれば、トンネル内複数箇所のCO濃度を計測するとともに、分岐・合流部を有するトンネルにおいて換気機風量を変更した際のCO濃度分布の変化を予測演算するように構成されている。したがって、トンネル内に分岐・合流部を有する複雑なトンネルに対して、CO濃度を適正な範囲に維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果を有する。
【0117】
次に、実施例17について説明する。本実施例の構成を図17に示す。本実施例は実施例8に記載の装置hに、CO計17と、CO用送排風量指令値演算手段18を加えたものである。本実施例は実施例16の装置gを装置hに置き換えたものである。装置hの作用は実施例8に記載してあるため、本実施例の作用の説明は省略する。
【0118】
実施例17によれば、車速を計測し演算に用いることにより、装置bにおける風速分布の演算精度および、CO発生量演算手段11における演算精度を向上することが可能になる。この結果として、装置hのCO濃度分布の演算精度が向上するため、煤煙濃度を適正な範囲に維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果が向上する。
【0119】
次に、実施例18について説明する。本実施例の構成を図18に示す。本実施例は実施例9に記載の装置iに、CO計17と、CO用送排風量指令値演算手段18を加えたものである。本実施例は実施例16の装置gを装置iに置き換えたものである。装置iの作用は実施例9に記載してあるため、本実施例の作用の説明は省略する。
【0120】
実施例18によれば、車速を予測し演算に用いることにより、装置bにおける風速分布の演算精度およびCO発生量演算手段11における演算精度を向上することが可能になる。この結果として、装置iのCO濃度分布の演算精度が向上するため、煤煙濃度を適正な範囲に維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果が向上する。
【0121】
次に、実施例19について説明する。本実施例の構成を図19に示す。本実施例は実施例1に記載の装置aに、AV計19と、風速用送排風量指令値演算手段20を加えたものである。本実施例は、実施例1に記載の装置aに、AV計19と、風速用送排風量指令値演算手段20を加えたもので、風速フィードバック制御装置としての機能を有するものである。特に火災発生時において火災発生地点の風速を速やかに抑制し延焼を防ぐとともに、火災発生地点の風速を、安全上、望ましい値に維持するための機能を有するものである。
【0122】
AV計19は、トンネル内に設置され、風向風速を計測する装置である。本装置で計測した風速値をAVi(i=1〜k:kはAV計の設置台数)とする。
【0123】
風速用送排風量指令値演算手段20は、各制御タイミングにおいて、トンネル内の代表的な位置に設置されたAV計の計測値AViを取り込む。そして、これらの値を目標値に速やかに移行させるような、送風量指令値Qbrefi、排風量指令値Qerefiを演算している。この演算を行うためには、現状の送風量Qbi、排風量Qeiを取り込み、修正を加える必要がある。そのためには、送排風量の修正が風速分布に与える影響を予測演算し、その演算結果を用いて適正な修正量を選択する必要がある。そのために装置aを用いる。
【0124】
装置aを用いて、現状の送風量Qbiおよび排風量Qeiに対する風速分布と、修正後の送風量Qbi+ΔQbiおよびQei+ΔQeiに対する風速分布を演算し、AV計設置位置に対応する風速の変化量の予測値ΔAVi(i=1〜k:kはAV計の設置台数)を得る。そして、現状のAV計の計測値AViにΔAViを加算することにより、送排風量を修正した場合の風速の予測値を得る。この風速予測値AVi+ΔAViの中のうち、火災発生地点に最も近いAV計の風速が、設定された目標値に対し、「目標値±ε」の範囲(εは微小値)に入っている場合は、送風量の指令値Qbrefi、排風量の指令値Qerefiとして、
Qbrefi =Qbi+ΔQbi …(46)
Qerefi =Qei+ΔQei …(47)
を出力する。「目標値±ε」の範囲に入っていないときは、ΔQbi,ΔQeiを変更し、再度、装置aを用いて風速の変化量の予測値ΔAVi(i=1〜k:kはAV計の設置台数)を演算し、「目標値±ε」の範囲に入るまで繰り返す。その結果として、適切な送風量の指令値Qbrefi、排風量の指令値Qerefiを得る。
【0125】
実施例19によれば、トンネル内複数箇所の風速を計測するとともに、分岐・合流部を有するトンネルにおいて、換気機風量を変更した際の風速分布の変化を予測演算するように構成されている。したがって、トンネル内に分岐・合流部を有する複雑なトンネルに対して、火災発生地点の風速を適性レベルに維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果を有する。
【0126】
次に、実施例20について説明する。本実施例の構成を図20に示す。本実施例は実施例2に記載の装置bに、AV計19と、風速用送排風量指令値演算手段20を加えたものである。本実施例は実施例19の装置aを装置bに置き換えたものである。装置bの作用は実施例2に記載してあるため、本実施例の作用の説明は省略する。
【0127】
実施例20によれば、車速を計測し演算に用いることにより、装置bにおける風速分布の演算精度を向上させることができる。この結果として、火災発生地点の風速を適正なレベルに維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果が向上する。
【0128】
次に、実施例21について説明する。本実施例の構成を図21に示す。本実施例は実施例3に記載の装置cに、AV計19と、風速用送排風量指令値演算手段20を加えたものである。本実施例は実施例19の装置aを装置bに置き換えたものである。装置bの作用は実施例3に記載してあるため、本実施例の作用の説明は省略する。
【0129】
実施例21によれば、車速を予測し演算に用いることにより、装置bにおける風速分布の演算精度を向上させることができる。この結果として、火災発生地点の風速を適正なレベルに維持するための換気機風量をダイナミックに制御する効果が向上する。
【0130】
以上にように、上述した各実施例では、簡単のため、図22に示すような、分岐合流部を各々1箇所ずつ有し、トンネル側面に多数の送風孔および俳風孔を有するトンネルダクトが設置されたトンネル(横流式)を対象としている。しかしながら、本発明によれば、トンネル内に複数の分岐合流部を有する場合や、縦流式や半横流式等、複数の換気方式を組み合わせた方式を採用する場合等、さまざまな構成のトンネルを対象とすることが可能である。
【0131】
また、トンネルの換気運用を行う際には、VI値のみやCO濃度のみではなく、双方の汚染濃度を許容範囲に維持することが必要になる。このためには、上述した実施例を組み合わせ、VI値を満足するための送排風量指令値、CO濃度を満足するための送排風量指令値を各々演算し、その大きい方を採用すればよい。
【0132】
さらに、CO濃度のみならず、NOx、SOx等の汚染物資濃度についても同様に扱うことができる。
【0133】
【発明の効果】
以上のように、本発明の構成によれば、分岐部及び/又は合流部を有する道路トンネル内の換気状態に関する予測演算の精度を向上させ、換気設備の適切な運用を可能にする道路トンネル換気制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第4の実施例の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第5の実施例の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第6の実施例の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第7の実施例の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第8の実施例の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の第9の実施例の構成を示すブロック図。
【図10】本発明の第10の実施例の構成を示すブロック図。
【図11】本発明の第11の実施例の構成を示すブロック図。
【図12】本発明の第12の実施例の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第13の実施例の構成を示すブロック図。
【図14】本発明の第14の実施例の構成を示すブロック図。
【図15】本発明の第15の実施例の構成を示すブロック図。
【図16】本発明の第16の実施例の構成を示すブロック図。
【図17】本発明の第17の実施例の構成を示すブロック図。
【図18】本発明の第18の実施例の構成を示すブロック図。
【図19】本発明の第19の実施例の構成を示すブロック図。
【図20】本発明の第20の実施例の構成を示すブロック図。
【図21】本発明の第21の実施例の構成を示すブロック図。
【図22】本発明の各実施例で対象とする道路トンネルの構成図。
【図23】本発明の第1の実施例の説明で用いる道路トンネルの構成図(1)。
【図24】本発明の第1の実施例の説明で用いる道路トンネルの構成図(2)。
【符号の説明】
1 トンネル外圧力設定手段
2 送排風量設定手段
3 交通量計測装置
4 交通量予測手段
5 各セクション在車台数演算手段
6 風速分布演算手段
7 各セクション車速演算手段
8 車速予測手段
9 煤煙発生量演算手段
10 煤煙濃度分布演算手段
11 CO発生量演算手段
12 CO濃度演算手段
13 風速チェック手段
14 送排風量修正手段
15 VI計
16 煤煙用送排風量指令値演算手段
17 CO計
18 CO用送排風量指令値演算手段
19 AV計
20 風速用送排風量指令値演算手段
a 実施例1に記載の風速分布演算装置
b 実施例2に記載の風速分布演算装置
c 実施例3に記載の風速分布演算装置
d 実施例4に記載の煤煙濃度分布演算手段
e 実施例5に記載の煤煙濃度分布演算手段
f 実施例6に記載の煤煙濃度分布演算手段
g 実施例7に記載のCO濃度分布演算手段
h 実施例8に記載のCO濃度分布演算手段
i 実施例9に記載のCO濃度分布演算手段
Claims (10)
- トンネル本線と少なくとも1個の分岐部及び/又は少なくとも1個の合流部とにより構成され坑内の壁面に送風孔及び排気孔を有するトンネルダクトが設置された道路トンネルを換気制御する道路トンネル換気制御装置において、
前記トンネルの全ての坑口に対して演算上必要となる坑口外の圧力を仮の値として指定するトンネル外圧力設定手段と、
前記トンネルダクトの送排風量を設定する送排風量設定手段と、
前記トンネル本線への流入交通量、前記分岐部からの流出交通量、及び前記合流部への流入交通量等の交通量を計測する交通量計測装置と、
前記交通量計測装置が設置されている地点の交通量を予測する交通量予測手段と、
前記道路トンネルを空気が流入し流出する複数のセクションに分割し、前記交通量予測手段の予測結果を用いて前記複数のセクションの各々のセクションに存在する車両の台数を演算する各セクション在車台数演算手段と、
前記複数のセクションの各々のセクション毎に流通する空気に適用する互いに連立する複数の運動方程式を設定し、前記トンネル外圧力設定手段、前記送排風量設定手段、及び前記各セクション在車台数演算手段の出力結果を用いて互いに連立する前記複数の運動方程式を解き前記道路トンネル内の風速分布を演算する風速分布演算手段と、
を備えたことを特徴とする道路トンネル換気制御装置。 - 前記交通量計測装置は車速を計測する車速計測手段を有し、
前記車速計測手段による車速計測値に基づき各セクションを走行する車両の平均速度を演算する各セクション車速演算手段
を備えることを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。 - 前記車速計測手段による車速計測値に基づき前記交通量計測装置が設置されている地点の平均車速を予測する車速予測手段
を備えることを特徴とする請求項2に記載の道路トンネル換気制御装置。 - 前記各セクション在車台数演算手段の出力を用いて各セクションの煤煙発生量を計算する煤煙発生量演算手段と、
前記煤煙発生量演算手段の出力と前記風速分布演算手段によって演算した風速分布とに基づき、トンネル内の空間的な煤煙濃度分布を演算する煤煙濃度分布演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。 - 前記各セクション在車台数演算手段の出力と前記各セクション車速演算手段の出力とを用いて、各セクションの煤煙発生量を計算する煤煙発生量演算手段と、
前記煤煙発生量演算手段の出力と前記風速分布演算手段によって演算した風速分布とに基づき、トンネル内の空間的な煤煙濃度分布を演算する煤煙濃度分布演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の道路トンネル換気制御装置。 - 前記各セクション在車台数演算手段の出力を用いて各セクションのCO発生量を計算するCO発生量演算手段と、
前記CO発生量演算手段の出力と前記風速分布演算手段によって演算した風速分布とに基づき、トンネル内の空間的なCO濃度分布を演算するCO濃度分布演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。 - 前記風速分布演算手段によって演算した風速分布が望ましい範囲に収まっているか否かを検査する風速チェック手段と、
前記風速チェック手段におけるチェックが満たされるように各セクションの送排風量を修正する送排風量修正手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。 - トンネル内に設置され、煙霧透過率を示すVI値を計測する装置であるVI計と、
前記煤煙濃度分布演算手段で演算した煤煙濃度分布が所定の許容範囲に収まるように各セクションの送排風量を修正し、送排風量指令値として出力する煤煙用送排風量指令値演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の道路トンネル換気制御装置。 - トンネル内に設置され、CO濃度を計測する装置であるCO計と、
前記CO濃度分布演算手段で演算したCO濃度分布が所定の許容範囲に収まるように各セクションの送排風量を修正し、送排風量指令値として出力するCO用送排風量指令値演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の道路トンネル換気制御装置。 - トンネル内に設置され、風向風速を計測する装置であるAV計と、
トンネル内のいずれかの地点で火災が発生した場合に、前記風速分布演算手段によって演算した風速分布を参照し、火災発生地点近傍の風速を抑制し延焼を防ぐとともに火災発生地点の風速を安全上望ましい値に維持するように各セクションの送排風量を修正し、送排風量指令値として出力する風速用送排風量指令値演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。
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