JPH0791198A - トンネル換気機運用装置 - Google Patents

トンネル換気機運用装置

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JPH0791198A
JPH0791198A JP24150293A JP24150293A JPH0791198A JP H0791198 A JPH0791198 A JP H0791198A JP 24150293 A JP24150293 A JP 24150293A JP 24150293 A JP24150293 A JP 24150293A JP H0791198 A JPH0791198 A JP H0791198A
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JP
Japan
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tunnel
wind speed
notch
distribution pattern
ventilation
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JP24150293A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ohashi
裕之 大橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、中性点の位置や車速とトンネル内風
速の大小関係に関わらずトンネル内の正確な換気計算を
行い、適切な換気機運転ノッチの基準値を確定する。 【構成】トラフィックカウンタ(1) により計測した交通
量及び車速に基づいて交通量・車速の各予測手段(2,3)
により今後の交通量及び車速を予測し、これと共にノッ
チ基準値仮定手段(4) によりノッチ基準値を設定し、こ
れら予測された交通量、車速、及びノッチ基準値を受け
て汚染濃度演算手段(6) により半横流式トンネル内の風
速分布パターンを求めてトンネル内の汚染濃度を求め、
これが許容範囲内にあるかをVI値・CO濃度チェック
手段(12)によりチェックし、このチェック結果に基づい
てノッチ基準値を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル内に配置され
た複数の換気機をノッチ運転してトンネル内における煤
煙値(VI値)や一酸化炭素濃度(CO濃度)の汚染濃
度を制御するトンネル換気機運用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル内では複数の換気機を配置して
汚染濃度を制御しているが、このトンネル内の換気機の
運用においては、消費電力をできるだけ低減化し、かつ
汚染濃度を許容範囲内に維持するために、交通量に応じ
た適切な換気量を確保することが肝要である。
【0003】このようなことから換気機の機器制約条件
や省エネルギー対策上の理由により、換気機の起動・停
止はできるだけ抑制することが望ましい。そのため、ト
ンネル内の換気機の運用計画は、例えば30分程度の周
期で行われている。
【0004】この換気運用計画における換気機の計画ノ
ッチは、トラフィックカウンタより得られる交通量の実
績値を用いて次の計画周期における交通量の平均値を予
測し、の予測結果に基づいた換気計算を行なうことによ
り決定している。
【0005】ここで、換気機のノッチ運転は、例えばト
ンネルの出入口側にそれぞれ換気機を複数台づつ配置し
た場合、「0」ノッチで全ての換気機を停止し、「1」
ノッチで出口側の1台のみを運転し、「2」ノッチで出
入口側それぞれ1台づつ運転する、というように運転パ
ターンを複数ノッチだけ予め定め、そのノッチ番号を指
令して各換気機を運転制御するものである。
【0006】ところで、半横流式トンネルでは、トンネ
ル内風速が各地点により異なるため、換気計算を行う際
には、トンネル内風速が0[m/s]の地点(中性点)
の位置や、車速とトンネル内風速の大小関係を考慮する
必要がある。
【0007】又、一方通行の送気半横流式トンネルの場
合、通常走行時(走行車両の交通量および速度が設計値
に近い場合)には、中性点はトンネル入口側に存在し、
車速はトンネル内全区間において常にトンネル内風速を
上回ることが多い。このため、中性点の位置や車速と風
速の大小関係を考慮した換気計算は行われていなかっ
た。
【0008】このように一方通行の送気半横流式トンネ
ルの場合、通常時には中性点はトンネル入口外側に存在
し、車速はトンネル内全区間において常にトンネル内風
速を上回ることが多い。
【0009】しかしながら、渋滞時など車速が低い場合
には、中性点がトンネル内に存在したりトンネル内風速
が車速を上回る区間が存在するという現象が頻繁に出現
する。このため、中性点の位置や車速とトンネル内風速
の大小関係を考慮した換気計算が必要になる。この場
合、中性点や車速とトンネル内風速が一致する点の前後
で換気計算モデルを切り換えればよいが、これらの点は
換気計算の結果として求まる点であり、換気計算を行う
段階では未定である。
【0010】従って、渋滞時の場合、中性点の位置や車
速とトンネル内風速の大小関係を考慮した換気計算は確
立されておらず、渋滞時には正確な換気計算が行えなか
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように車速がト
ンネル内風速を上回ることしか考慮しておらず、渋滞時
のように車速がトンネル内風速を下回る場合には、正確
な換気ができなかった。そこで、本発明は、中性点の位
置や車速とトンネル内風速の大小関係に関わらずトンネ
ル内の正確な換気計算を行い、適切な換気機運転ノッチ
の基準値を確定できるトンネル換気機運用装置を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、トン
ネル内に配置された換気機をノッチ運転してトンネル内
の汚染濃度を制御するトンネル換気機運用装置におい
て、トンネル内の交通量及び車速を計測する車計測手段
と、この車計測手段により計測された交通量に基づいて
今後の交通量を予測する交通量予測手段と、車計測手段
により計測された車速に基づいて今後の車速を予測する
車速予測手段と、換気機のノッチ運転に対するノッチ基
準値を設定するノッチ設定手段と、交通量予測手段によ
り予測された交通量、車速予測手段により予測された車
速、及びノッチ設定手段により設定されたノッチ基準値
を受けてトンネル内の風速分布パターンを求め、この風
速分布パターンに基づいてトンネル内の汚染濃度を求め
る汚染濃度演算手段と、この汚染濃度演算手段により求
められた汚染濃度が許容範囲内にあるかをチェックし、
汚染濃度が許容範囲内であればノッチ基準値に確定し、
許容範囲外であればノッチ設定手段のノッチ基準値を変
更するノッチ制御手段と、を備えて上記目的を達成しよ
うとするトンネル換気機運用装置である。
【0013】請求項2によれば、汚染濃度演算手段は、
予測された交通量、予測された車速、及びノッチ基準値
に基づいてトンネル入口の風速、このトンネル内の風速
・静圧、及びトンネル内の煤煙値・一酸化炭素濃度を算
出する換気計算モデルを構築する換気計算モデル構成手
段と、この換気計算モデルに基づいてトンネル入口の風
速を求めるトンネル入口風速演算手段と、このトンネル
入口風速及び換気計算モデルに基づいてトンネル内の風
速・静圧を求める風速・静圧演算手段と、この風速・静
圧及び換気計算モデルに基づいてトンネル内の煤煙値・
一酸化炭素濃度を求めるVI値・CO濃度演算手段とを
有するものである。
【0014】請求項3によれば、トンネル入口風速演算
手段は、トンネル内の風速分布パターンを複数パターン
予め記憶し、このうち1つの風速分布パターンを仮定し
て換気計算モデルの係数を求め、続いてこの係数に従っ
てトンネル入口風速を求め、このトンネル入口風速が仮
定した風速分布パターンを満足するかをチェックし、満
足しなければ仮定する風速分布パターンを変更して再び
トンネル入口風速を求める機能を有するものである。
【0015】請求項4によれば、トンネル入口風速演算
手段は、トンネル内の風速分布パターンを複数パターン
予め記憶し、トンネル内の所定地点における風速に基づ
いて複数パターンから1つの風速分布パターンを求め、
この風速分布パターンからトンネル入口風速を求める機
能を有するものである。
【0016】
【作用】請求項1によれば、トンネル内の交通量及び車
速を計測し、この計測された交通量及び車速に基づいて
今後の交通量及び車速を予測し、一方、換気機のノッチ
運転に対するノッチ基準値を設定する。
【0017】これら予測された交通量、車速、及びノッ
チ基準値を受けてトンネル内の風速分布パターンが求め
られ、この風速分布パターンに基づいてトンネル内の汚
染濃度が求められる。
【0018】そして、この汚染濃度が許容範囲内にある
かがチェックされ、汚染濃度が許容範囲内であれば上記
設定されたノッチ基準値に確定される。これに対して汚
染濃度が許容範囲外であればノッチ基準値が変更され、
再び風速分布パターンに基づいてトンネル内の汚染濃度
が求めら、この汚染濃度に対する許容範囲内のチェック
が行われる。
【0019】請求項2によれば、汚染濃度の求める場
合、予測された交通量、車速、及びノッチ基準値に基づ
いてトンネル入口の風速やトンネル内の風速・静圧、及
びトンネル内の煤煙値・一酸化炭素濃度を算出する換気
計算モデルを構築し、この後に、換気計算モデルに基づ
いてトンネル入口風速を求め、次にこのトンネル入口風
速及び換気計算モデルに基づいてトンネル内の風速・静
圧を求め、次にこれら風速・静圧及び換気計算モデルに
基づいてトンネル内の煤煙値・一酸化炭素濃度を求めて
いる。
【0020】請求項3によれば、トンネル入口風速を求
める場合、予め複数のトンネル内の風速分布パターンを
記憶し、このうち1つの風速分布パターンを仮定して換
気計算モデルに従ってトンネル入口風速を求める。そし
て、このトンネル入口風速が仮定した風速分布パターン
を満足するかをチェックし、このチェックの結果、満足
しなければ仮定する風速分布パターンを変更して再びト
ンネル入口風速を求めている。
【0021】請求項4によれば、トンネル入口風速を求
める場合、予め複数のトンネル内の風速分布パターンを
記憶し、トンネル内の所定地点、例えば入口の風速に基
づいて複数パターンから1つの風速分布パターンを求
め、この風速分布パターンからトンネル入口風速を求め
ている。
【0022】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図面を参
照して説明する。図1は半横流式トンネルに適用したト
ンネル換気機運用装置の構成ブロック図である。
【0023】トラフィックカウンタ1は、トンネルを通
過する車両の台数および速度を計測する機能を有してい
る。その計測する項目は下記の通りである。 大型車台数 (台/5分) 小型車台数 (台/5分) 車両平均速度(km/h)…(5分間の通過車両速度の
平均値) 交通量予測手段2は、トラフィックカウンタ1より得ら
れる交通量実績値(車両台数)を用いて、次周期(例え
ば今後30分間)における交通量を大型車・小型車それ
ぞれについて予測する機能を有している。この交通量予
測値の単位は[台/h]とする。これは、1周期分(例
えば30分間)の交通量を単位時間当たりに換算したも
のである。
【0024】なお、この予測方法は公知の技術であるた
め詳細な数式等は省略し概略のみを説明するが、前日ま
での平均的な変動パターン(例えば30分周期で24時
間分)と当日の過去数回の実績値に基づき、カルマンフ
ィルタにより自己回帰モデル係数を推定することにより
予測値を計算している。
【0025】ここで、変動パターンとしては、例えばつ
ぎの5種類を用意する。 平日 (火曜日〜金曜日) 休日前 (土曜日、休日指定日前日) 休日 (日曜日、休日指定日) 休日明け(月曜日、休日指定日翌日) 特異日 (年末年始、お盆など) 車速予測手段3は、トラフィックカウンタ1より得られ
る車速実績値を用いて、次周期(例えば今後30分間)
における車速を予測する機能を有している。なお、車速
の予測方法は前記交通量予測手段2における方法と全く
同一であるため、その説明は省略する。
【0026】一方、ノッチ基準値仮定手段4は、換気機
運転ノッチの基準値を仮定する機能を有している。仮定
する際の初期値は換気風量の最も少ないノッチとする。
なお、このノッチ基準値仮定手段4は、ノッチ基準値確
定手段5において「(汚染濃度)許容範囲外」と判断さ
れた場合、換気風量を増加させる方向にノッチ基準値の
仮定を変更し、計算を繰り返す機能を有している。
【0027】汚染濃度演算手段6は、交通量予測手段2
により予測された交通量、車速予測手段3により予測さ
れた車速、及びノッチ基準値仮定手段4により設定され
たノッチ基準値を受けてトンネル内の風速分布パターン
を求め、この風速分布パターンに基づいてトンネル内の
汚染濃度を求める機能を有している。
【0028】以下、具体的な構成について説明する。換
気計算モデル構成手段8は、交通量予測手段2、車速予
測手段3、ノッチ基準値仮定手段4の結果および各種デ
ータより、半横流式トンネルの換気計算モデルを構成す
る機能を有している。
【0029】この換気計算モデルの構成方法は公知の技
術であるため、概略のみを簡単に説明する。図2は、両
坑口送気形の半横流式トンネルを示している。同図にお
いてQ1 、Q2 は換気風量[m3 /s]、q1 、q2
単位長さ当り換気風量[m3/s・m]、L、L1 、L2
はトンネル延長、各区間長[m]、Ut は車速[m/
s]を表すものとする。
【0030】ここで、トンネル入口を原点とする座標系
を設定し、Ur(x)は車道内風速[m/s]、Pr(x)は静
圧[Pa]、C(x) は汚染濃度[−]、dUr(x),dP
r(x)、dC(x) はそれぞれの微小変化量<dPt(x),d
Pf(x)は交通換気力[Pa]、流体抵抗損失[Pa]と
定義する。
【0031】以下の定式化において、Ar は車道断面積
[m2 ]、Dr はトンネル代表寸法[m]、ΔPn は自
然換気力[Pa]、ρは空気密度[kg/m3 ]、λは
流体抵抗係数[−]、ζe は入口損失係数[−]、Am
は自動車等価抵抗面積[m2]、Nは時間交通量[台/
h]、Gは汚染発生量[m3 /(s・m)]と定義す
る。
【0032】ここで、トンネル入口風速をUr0[m/
s]とすれば、トンネル内の風速分布は次式で表すこと
ができる。 (a) 0≦x≦L1 の場合 Ur(x)=(q1 /Ar )・x+Ur0 …(1) (b) L1 <x≦Lの場合 Ur(x)=(q2 /Ar )・(x−L1 )+Ur(L1 ) …(2) 又、静圧分布は次式を積分することにより求められる。
【0033】 (dPr(x)/dx )=−2・ρ・Ur(x)・(dUr(x)/dx ) +(dPt(x)/dx )−(dPf(x)/dx ) …(3) ただし、 dPt(x)=ρ/2・α・dx /L・(Ut −Ur(x))・|Ut −Ur(x)| …(4) dPf(x)=ρ/2・λ・dx /Dr ・Ur(x)・|Ur(x)| …(5) 式(4) におけるαは交通換気力係数であり α=Am /Ar ・(N・L)/(3600・Ut ) …(6) で与えられる。
【0034】濃度分布は次式を積分することにより得ら
れる。 (a) 0≦x=L1 の場合 Ar ・Ur(x)・(dC(x))/dx =G−q1 ・C(x) …(7) (b) L1 <x≦Lの場合 Ar ・Ur(x)・(dC(x))/dx =G−q2 ・C(x) …(8) 従って、式(7) 及び(8) の汚染発生量Gを「煤煙用」、
「CO用」と使い分けることにより、VI値、CO濃度
が求められる。以上、式(1) 〜(8) によりトンネル入口
風速Ur0が求まれば、風速、静圧、VI値、CO濃度の
分布が得られる。
【0035】トンネル入口風速演算手段9は、トンネル
入口風速を演算する機能を有するもので、トンネル入口
風速Ur0は、両坑口の静圧差の式(9) 〜(11)を解くこと
により求めている。
【0036】(a) Ur0≧0の場合 Pr(L)−Pr(0)=−ΔPn +ρ/2・(1+ζe )・Uro2 …(9) (b) Ur0<0、Ur(L)>0の場合 Pr(L)−Pr(0)=−ΔPn …(10) (c) Ur(L)≦0の場合 Pr(L)−Pr(0)=−ΔPn +ρ/2・(1+ζe )・Ur(L)2 …(11) ところで、トンネル入口風速は、両坑口の静圧差の式
(9)〜(11)を解くことにより計算されるが、これらの式
(9)〜(11)は、図3に示すトンネル内の各風速分布パタ
ーンにより異なった形となる。そこで、具体的なトンネ
ル内風速演算手段5の構成は、図4に示す如くとなる。
【0037】風速分布パターン仮定手段91は、パター
ン「1」〜「10」のうちいずれかのパターンを仮定す
る。風速分布パターンを仮定すれば、式(1) 〜 (6)、式
(9)〜(11)を整理することにより、両坑口の静圧差の式
がUr0に関する2次あるいは3次の代数方程式となる。
【0038】トンネル入口風速方程式係数演算手段92
は、この方程式の係数を求める機能を有している。トン
ネル入口風速方程式計算手段93は、方程式を解くこと
によりトンネル入口風速を求める機能を有している。風
速分布パターンチェック手段94は、求めたトンネル入
口風速が風速分布パターン仮定手段91における仮定を
満足しているかをチェックし、仮定を満足しているなら
ば、正しいトンネル入口風速が求められたとし、また、
仮定を満足していなければ、風速分布パターン仮定手段
91における仮定が誤っていたことになるため、パター
ンの仮定を改め計算を繰り返す機能を有している。
【0039】風速・静圧演算手段10は、トンネル入口
風速演算手段9の演算結果に基づき、式(1) 及び(2) を
用いてトンネル内の風速および静圧の分布を求める機能
を有している。
【0040】VI値・CO濃度演算手段11は、風圧・
静圧演算手段10の演算結果に基づき、式(7) 及び(8)
を用いてトンネル内のVI値およびCO濃度の分布を求
める機能を有している。
【0041】一方VI値・CO濃度チェック手段12
は、VI値・CO濃度演算手段11の演算結果をチェッ
クし、汚染濃度があらかじめ定められた許容範囲内か否
かを調べる機能を有してる。このチェックした結果はノ
ッチ基準確定手段5に渡される。
【0042】このノッチ基準値確定手段5は、換気運用
計画の出力である換気機運転ノッチの基準値を確定する
機能を有している。具体的には、VI値・CO濃度チェ
ック手段12より「許容範囲内」の信号を受け取った
際、ノッチ基準値の仮定値を確定値として出力し、又
「許容範囲外」の信号を受け取った際には、ノッチ基準
値仮定手段4に「許容範囲外」の信号を送り、ノッチの
仮定を、より換気風量が大きいものに変更させる機能を
有している。
【0043】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。トラフィックカウンタ1は、トンネルを
通過する車両の台数および速度を、次の計測する項目す
なわち大型車台数(台/5分)、小型車台数(台/5
分)、車両平均速度(km/h)に従って計測する。
【0044】次に交通量予測手段2は、トラフィックカ
ウンタ1より得られる交通量実績値を用いて、次周期
(今後30分間)における交通量を大型車・小型車それ
ぞれについて予測する。
【0045】次に車速予測手段3は、トラフィックカウ
ンタ1より得られる車速実績値を用いて、次の周期(今
後30分間)における車速を予測する。一方、ノッチ基
準値仮定手段4は、換気機運転ノッチの基準値を仮定す
る。仮定する際の初期値は換気風量の最も少ないノッチ
とする。
【0046】次に換気計算モデル構成手段8は、交通量
予測手段2、車速予測手段3、ノッチ基準値仮定手段4
の結果および各種データより、半横流式トンネルの換気
計算モデルを構成する。
【0047】例えば、トンネル内の風速分布を表わす上
記式(1) において、仮定した風速分布パターンの換気風
量q1 を代入して換気計算モデルを構成する。つまり仮
定した風速分布パターンに対して上記各式(1) 〜式(11)
を構成する。
【0048】次にトンネル入口風速演算手段9は、トン
ネル入口風速Ur0を両坑口の静圧差の上記式(9) 〜(11)
を解くことにより求める。すなわち、風速分布パターン
仮定手段91は、図3に示す各風速分布パターンのうち
いずれかのパターンを仮定する。この風速分布パターン
を仮定すれば、上記式(1) 〜(6) 、式(9) 〜(11)を整理
することにより、両坑口の静圧差の式がUr0に関する2
次あるいは3次の代数方程式となる。この方程式の係数
を、トンネル入口風速方程式係数演算手段92は求め
る。
【0049】つづいて、トンネル入口風速方程式計算手
段93は、方程式を解くことによりトンネル入口風速を
求める。最後に、風速分布パターンチェック手段94
は、求めたトンネル入口風速が風速分布パターン仮定手
段91における仮定を満足しているかをチェックする。
【0050】このチェックの結果、仮定を満足している
ならば、正しいトンネル入口風速が求められたことにな
る。また、仮定を満足していなければ、風速分布パター
ン仮定手段91における仮定が誤っていたことになるた
め、パターンの仮定を改め計算を繰り返す。
【0051】風速・静圧演算手段10は、トンネル入口
風速演算手段9の演算結果に基づき、上記式(1) 及び
(2) を用いてトンネル内の風速および静圧の分布を求め
る。VI値・CO濃度演算手段11は、風速・静圧演算
手段10の演算結果に基づき、上記式(7) 及び(8) を用
いてトンネル内のVI値およびCO濃度の分布を求め
る。
【0052】次にVI値・CO濃度チェック手段12
は、VI値・CO濃度演算手段11の演算結果をチェッ
クし、汚染濃度があらかじめ定められた許容範囲内か否
かを調べる。このチェック結果はノッチ基準確定手段5
に渡される。
【0053】このノッチ基準値確定手段5は、換気運用
計画の出力である換気機運転ノッチの基準値を確定す
る。すなわち、VI値・CO濃度チェック手段12より
「許容範囲内」の信号を受け取った際には、ノッチ基準
値の仮定値を確定値として出力する。また「許容範囲
外」の信号を受け取った際には、ノッチ基準値仮定手段
4に対して「許容範囲外」の信号を送り、ノッチの仮定
を、より換気風量が大きいものに変更する。
【0054】このように上記第1実施例においては、計
測した交通量及び車速に基づいて今後の交通量及び車速
を予測するとともに換気機運転のノッチ基準値を設定
し、これら予測された交通量、車速、及びノッチ基準値
を受けて半横流式トンネル内の風速分布パターンを求
め、この風速分布パターンに基づいてトンネル内の汚染
濃度を求めてこれが許容範囲内にあるかをチェックし、
このチェック結果に基づいてノッチ基準値を変更するよ
うにしたので、中性点の位置及び車速と車道内風速の大
小関係を考慮して、つまり半横流式トンネル内における
各風速分布パターンに応じたトンネル内の換気計算が可
能となり、渋滞時のように車速がトンネル内風速を下回
っても正確にVI値、CO濃度を求めることができ、車
流に応じた各換気機のノッチ運転ができる。
【0055】又、半横流式トンネルの入口風速を、2次
又は3次の代数方程式を解くことにより実現できるの
で、正確なトンネル入口風速が簡単なアルグリズムによ
り短時間で求めることができる。
【0056】次に本発明の第2実施例について説明す
る。なお、図4と同一部分には同一符号を付してその詳
しい説明は省略する。この実施例は、トンネル入口風速
演算手段9を図5に示す構成にしたものである。
【0057】このトンネル入口風速演算手段9は、図3
に示す半横流式トンネル内の風速分布パターンを複数パ
ターン予め記憶し、トンネル内の所定地点における風速
に基づいて複数パターンから1つの風速分布パターンを
求め、この風速分布パターンからトンネル入口風速を求
める機能を有している。
【0058】風速分布パターン確定手段95は、換気計
算モデルを用いて、トンネル内の風速分布が図3に示す
10パターンのうちのどれに属するかを確定する機能を
有している。トンネル内の風速分布パターンは、トンネ
ル入口風速Ur0、換気風量切換地点の風速Ur(L1) 、ト
ンネル出口風速Ur(L) のそれぞれが、「0未満」、「0
以上、Ut 以下」、「Ut より大」のどれに属するかに
より確定される。
【0059】風速分布パターン確定手段95は、図6に
示すフローに従い、各風速Ur0,Ur(L1) 、Ur(L)の属
する範囲を調べることにより風速分布パターンを確定す
る。なお、実際に調べる際には、さまざまな方法が考え
られるが、本実施例では自然換気力ΔPn の大きさに着
目する方法を採用している。自然換気力ΔPn とは、ト
ンネル出口に対するトンネル入口の静圧差を表す値であ
り、この値が大きいほどトンネル内の風速が高くなる。
【0060】かかる構成であれば、風速分布パターン確
定手段95は、換気計算モデルを用いて、トンネル内の
風速分布が図3に示す10パターンのうちのどれに属す
るかを確定する。
【0061】すなわち、風速分布パターン確定手段95
は、図6に示すフローに従い、Ur0、Ur(L1) 、Ur(L)
の属する範囲を調べることにより風速分布パターンを確
定する。例えば「Ur0が0未満か?」を調べる際には、
Ur0を0とするような(仮の)自然換気力ΔPn'を計算
し、ΔPn'がΔPn 未満であれば、「Ur0は0未満」、
ΔPn 以上であれば、「Ur0は0以上」と判断する。同
様な方法で、図6に示すフローに従いUr0、Ur(L1) 、
Ur(L)の属する範囲を決定することにより、トンネル内
の風速分布パターンを確定する。
【0062】以下、上記実施例と同様に、トンネル入口
風速方程式係数演算手段92、トンネル入口風速方程式
計算手段93によりトンネル入口風速を求める。このよ
うに本発明の第2実施例においては、トンネル入口風速
の計算において、風速分布パターンをあらかじめ確定す
ることにより、トンネル入口風速の繰り返し計算を行う
必要がなくなる。これによって計算時間が短縮でき、換
気区間の増加による風速分布パターンの増加にも対応で
きる。
【0063】なお、本発明は、上記各実施例に限定され
るものでなくその要旨を変更しない範囲で変形してもよ
い。例えばノッチ基準値仮定手段4およびノッチ基準値
確定手段5を、換気機風量・台数基準値の仮定を行う換
気機風量・台数基準値仮定手段および換気機風量・台数
基準値の確定を行う換気機風量・台数基準値確定手段で
置き換えてもよい。これにより、換気機の風量・台数に
よりトンネル内の汚染濃度を制御するトンネル換気制御
装置に対し適用することができる。
【0064】又、図2に示す両坑口送気形の半横流式ト
ンネルを対象としたが、排気形の半横流式トンネルや、
送気形と排気形を接続した半横流式トンネル、あるいは
換気区間が3以上の半横流式トンネルに対しても同様な
方法により適用することができる。
【0065】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、中
性点の位置や車速とトンネル内風速の大小関係に関わら
ずトンネル内の正確な換気計算を行い、適切な換気機運
転ノッチの基準値を確定できるトンネル換気機運用装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるトンネル換気機運用装置の第1
実施例を示す構成図。
【図2】同装置を適用した半横流式トンネルの概略構成
図。
【図3】同半横流式トンネルにおける各風速分布パター
ンを示す図。
【図4】トンネル入口風速演算手段の具体的な構成図。
【図5】本発明の第2実施例であるトンネル入口風速演
算手段の具体的な構成図。
【図6】トンネルにおける風速分布パターンを確定する
ためのフローチャート。
【符号の説明】
1…トラフィックカウンタ、2…交通量予測手段、3…
車速予測手段、4…ノッチ基準値仮定手段、5…ノッチ
基準値確定手段、6…汚染濃度演算手段、8…換気計算
モデル構成手段、9…トンネル入口風速演算手段、10
…風速・静圧演算手段、11…VI値・CO濃度演算手
段、12…VI値・CO濃度チェック手段、91…風速
分布パターン仮定手段、92…トンネル入口風速方程式
係数演算手段、93…トンネル入口風速方程式計算手
段、94…風速分布パターンチェック手段、95…風速
分布パターン確定手段。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル内に配置された換気機をノッチ
    運転して前記トンネル内の汚染濃度を制御するトンネル
    換気機運用装置において、 前記トンネル内の交通量及び車速を計測する車計測手段
    と、 この車計測手段により計測された交通量に基づいて今後
    の交通量を予測する交通量予測手段と、 前記車計測手段により計測された車速に基づいて今後の
    車速を予測する車速予測手段と、 前記換気機のノッチ運転に対するノッチ基準値を設定す
    るノッチ設定手段と、 前記交通量予測手段により予測された交通量、前記車速
    予測手段により予測された車速、及び前記ノッチ設定手
    段により設定されたノッチ基準値を受けて前記トンネル
    内の風速分布パターンを求め、この風速分布パターンに
    基づいて前記トンネル内の汚染濃度を求める汚染濃度演
    算手段と、 この汚染濃度演算手段により求められた汚染濃度が許容
    範囲内にあるかをチェックし、前記汚染濃度が許容範囲
    内であれば前記ノッチ基準値に確定し、前記許容範囲外
    であれば前記ノッチ設定手段のノッチ基準値を変更する
    ノッチ制御手段と、を具備したことを特徴とするトンネ
    ル換気機運用装置。
  2. 【請求項2】 汚染濃度演算手段は、予測された交通
    量、予測された車速、及びノッチ基準値に基づいてトン
    ネル入口の風速、このトンネル内の風速・静圧、及び前
    記トンネル内の煤煙値・一酸化炭素濃度を算出する換気
    計算モデルを構築する換気計算モデル構成手段と、 この換気計算モデルに基づいて前記トンネル入口の風速
    を求めるトンネル入口風速演算手段と、 このトンネル入口風速及び前記換気計算モデルに基づい
    て前記トンネル内の風速・静圧を求める風速・静圧演算
    手段と、 この風速・静圧及び前記換気計算モデルに基づいて前記
    トンネル内の前記煤煙値・一酸化炭素濃度を求めるVI
    値・CO濃度演算手段と、を有することを特徴とする請
    求項1記載のトンネル換気機運用装置。
  3. 【請求項3】 トンネル入口風速演算手段は、トンネル
    内の風速分布パターンを複数パターン予め記憶し、この
    うち1つの風速分布パターンを仮定して換気計算モデル
    の係数を求め、続いてこの係数に従って前記トンネル入
    口風速を求め、このトンネル入口風速が前記仮定した風
    速分布パターンを満足するかをチェックし、満足しなけ
    れば仮定する前記風速分布パターンを変更して再び前記
    トンネル入口風速を求める機能を有することを特徴とす
    る請求項2記載のトンネル換気機運用装置。
  4. 【請求項4】 トンネル入口風速演算手段は、トンネル
    内の風速分布パターンを複数パターン予め記憶し、前記
    トンネル内の所定地点における風速に基づいて前記複数
    パターンから1つの風速分布パターンを求め、この風速
    分布パターンから前記トンネル入口風速を求める機能を
    有することを特徴とする請求項2記載のトンネル換気機
    運用装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013224550A (ja) * 2012-04-23 2013-10-31 Sohatsu System Kenkyusho:Kk 対面通行トンネルのジェットファンによるトンネル換気制御システム

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