JP4164556B2 - 道路トンネル換気制御の動的シミュレーション装置およびそのプログラム - Google Patents

道路トンネル換気制御の動的シミュレーション装置およびそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、道路トンネル換気制御シミュレーション装置、特に、分岐合流路、送排気坑、縦流換気設備や横流換気設備などを持つ複雑な構造の道路トンネルの換気機器設計者、制御開発者、運用管理者のトンネル換気解析を効率的に行うための道路トンネル換気制御シミュレーション装置に関するものである。
都市部においては、渋滞の緩和などを目的に、多くの地下道路トンネルの建設が計画されている。都市部のトンネルの場合、分岐合流道路、汚染空気の生活圏への流出を防ぐ集中排気立坑などを持つため、山岳部や海岸部におけるトンネルに比べ複雑な換気構造を持つという特徴を有する。このような複雑な構造を持つトンネルにおいては、換気機器、交通などの条件がトンネル内にどのような影響を与えるかを定量的に把握した上で換気制御を行うことがトンネルの運用を行う上で重要で、トンネル毎にシミュレーションモデルを構築して、道路トンネルの換気制御シミュレーションを行っている。
従来から、トンネル内の汚染濃度を少なくしながら過剰な換気を無くすという適切な換気制御を行うため、トンネルの換気状態を高い確度で予測することが求められてきた。従来の道路トンネル換気自動制御装置では、道路トンネル内の各計測値と現在の換気機運転量からトンネル内の汚染状態を予測し、この予測値に従って換気装置の運転量を増減制御しているが、対象とするトンネルが主としてチューブ型単管のものであり、都市部のトンネルの如く分岐合流道路、集中排気立坑などを持つ複雑な換気構造を持つトンネルに適用する場合には、各トンネル毎に換気自動制御装置のシミュレーションプログラムを設計・構築する必要があり、非常に時間とコストを要していた。
また、従来の道路トンネルの換気自動制御装置では、高い確度で換気状態を予測すべく、トンネル内の車両の交通状況及び排ガス発生状態を求める交通モデルと、前記車両の交通状況及び換気装置の現在の運転状態を入力データとしてトンネル内の換気モデルからトンネル内の風速を予測する風速予測手段(換気モデル)と、この予測したトンネル内の風速及び前記区間毎の排ガス発生状態を入力データとして汚染モデルからトンネル内の区間毎の汚染状態を予測する汚染状態予測手段(汚染モデル)を備えているが、これらのモデルは静的モデルを用いていたため、火災時などの非定常状態で精度の高いシミュレーションを行うことは困難であった。
特開平7−127395号公報
都市部のトンネルの如く、分岐合流道路,集中排気立坑などを持ち、山岳部や海岸部におけるトンネルに比べ複雑な換気構造を持つ道路トンネルの換気制御のシミュレーション装置では、従来、トンネル毎に1からシミュレータ装置を構築しており、製作コスト、製作日数の過大が問題となっていた。これは、換気制御手法も換気機メーカにより様々であり、対象とするトンネルの規模、形状,分岐合流の状態も様々であることから、シミュレーション装置のプログラムの汎用化、流用化が困難であったためである。
また、道路トンネル換気制御シミュレーション装置と実際の換気機を制御する換気制御装置を製作する会社は同じ会社であることが通例であった。これは、換気制御シミュレーション装置は、換気制御プログラムを必要とするためである。このため、換気制御シミュレーション装置の本体プログラムから換気制御プログラムを切り離し、換気制御シミュレーション装置のプログラム部品として独立させることが熱望されていた。換気制御シミュレーション装置の本体プログラムから換気制御プログラムを切り離し、換気制御シミュレーション装置のプログラム部品として独立させることができれば、換気制御シミュレーション装置と換気制御装置との相互依存度が低下し、換気制御シミュレーション装置の本体プログラムの大部分が汎用化できるため、換気制御シミュレーション装置の製作日数、コストが大幅に削減できることとなる。
さらに、換気制御プログラムのロジックは、換気機器仕様やトンネル内での個数、配置、運転マニュアルなどに依存するため、トンネル毎に設計製作されるものであり、また、頻繁にロジックが変更されるものである。このため、換気制御プログラム部分は、換気制御シミュレーション装置のプログラム部分と独立させて構築する方が望ましい。
本発明の課題は、上記問題点に鑑み、複雑な構造を持つ様々なトンネルにおいて、換気シミュレーションプログラムの対象のトンネル区間形状、分岐合流,集中排気立坑に依存する数値計算モデルを汎用化し、かつ、換気制御プログラム部分を独立して構築でき、製作日数およびコストを大幅に削減できる道路トンネル換気制御シミュレーション装置を提供することにある。
本発明者等は、長年、グラフ理論による分岐・合流などを持つトンネル内の換気解析について研究を続けてきた結果、グラフ理論を用いることにより、複雑な構造を持つ様々なトンネルにおいて、トンネル内風速モデル、トンネル内濃度モデルを換気制御プログラムに依存しないで汎用化できることを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、複雑な構造を持つ様々なトンネルにおいて、換気シミュレーションプログラムの対象のトンネル区間形状、分岐合流,集中排気立坑などの設計仕様をグラフ理論を用いて接続行列に等価させることにより、各数値計算モデルを汎用化し、かつ、換気制御プログラム部分を独立して構築できるプログラム機構を用いて、道路トンネル換気制御シミュレーション装置を提供するものである。
本発明に係る道路トンネル換気制御シミュレーション装置は、トンネル区間形状などのトンネル情報,車両特性などの車両情報,交通情報および換気機器情報の設定入力を行うパラメータ設定手段Aと、交通モデル,風速モデル,濃度モデル,排煙モデルなどから構成される数値計算手段Bと、トンネル毎に設計製作する換気制御手段Cと、トンネル内のセンサや換気機器と信号入出力を行う手段Dとを備え、前記数値計算手段Bはグラフ理論を用いて汎用化し、換気制御プログラムは数値計算プログラムと実行時に動的にリンク処理され、一体となって動作できる機構を開発した。
ここで、前記数値計算手段Bは前記パラメータ設定手段Aから入力されたデータから、グラフ理論を用いて接続行列を生成し、トンネル内の各区間毎に微分方程式を計算して、各区間の風速、濃度を計算することとしている。これにより、従来複雑なトンネル構造に基づいて、トンネル毎に設計製作していた数値計算プログラムが、グラフ理論を用いた接続行列データという標準化されたデータインターフェースにより、トンネル構造に依存しない数値計算式のみで構成することが可能となった。
また、換気制御プログラムは、シミュレーション装置の本体プログラムから切り離され、独立にC言語などの汎用言語で自由に製作でき、DLL(Dynamic Link Library)機構などにより数値計算プログラムと動的にリンク処理がなされ、本体プログラムとコンピュータのメモリ上のデータを共有でき、連動して動くことができることとしている。これにより、従来の換気制御シミュレーション装置のプログラムと異なり、プログラム開発時に換気制御プログラムをリンク処理して1枚岩のような実行ファイルとする必要がなく、プログラム実行時に動的にリンク処理できるため、換気制御シミュレーション装置のプログラムにおいて、実際の換気機ハードウェアに依存度が高い換気制御プログラムを独立して製作できることとなる。
なお、シミュレーション結果の表示画面・データ設定入力操作画面は、汎用画面作成ツールを用いることとし、個々の画面表示・設定入力操作に関するプログラムの変更を不要とすることができる。
平常時および非常時において、様々な自然風条件、交通条件、換気制御条件の下での複雑な構造を有する道路トンネルの換気制御の効果を確認することのできる道路トンネル換気制御シミュレーション装置において、グラフ理論を用いることで換気シミュレーションプログラムを汎用パッケージ化することにより、換気制御プログラムを除く換気制御シミュレーション装置のプログラムの流用度を高め、個々のトンネル毎に換気制御シミュレーション装置のプログラムを1から製作することを不要とし、かかるシミュレーション構築作業にかかる日数およびコストを大幅に軽減でき、より高い生産性を実現するという効果を有する。
以下、本発明にかかる道路トンネル換気制御の動的シミュレーション装置およびそのプログラムの実施の形態として、具体的にある分岐・合流を有するトンネルの換気制御シミュレーション処理対象としたものを例に挙げて説明する。
図1は、本発明に係る道路トンネル換気制御シミュレーション装置のソフトウェア・ブロック図を示している。ここで、パラメータ設定手段Aとは、トンネル毎に異なるトンネル区間形状などのトンネル情報,車両特性などの車両情報,交通情報,換気機器情報などを設定する機能を有するものである。また、数値計算手段Bとは、交通モデル,風速モデル,濃度モデル,排煙モデルなどが集合したもので、トンネルの換気制御シミュレーションの解析に使用されるものである。
ここで、パラメータ設定手段Aがトンネル区間形状設定と車両特性設定と交通設定と換気機器設定とから構成され、数値計算手段Bが交通モデルと風速モデルと濃度モデルとから構成されるものは、本発明に係る道路トンネル換気制御シミュレーション装置のプログラムの最小構成部位である。この最小構成部位をシミュレーション装置のプログラム基本部と称することとする。
本発明に係る道路トンネルの換気制御シミュレーション装置は、上述したように、数値計算手段Bの各モデルにグラフ理論を用いて汎用化した微分方程式を解くこととしている。以下、具体的に例示する数値データを用い、図1におけるパラメータ設定手段Aおよび数値計算手段Bについて詳細に説明する。
図2は、縦流換気方式のトンネル模式図を示している。図2は、分岐・合流部をそれぞれ一ヶ所ずつもち、縦流換気のための立坑とジェットファンをいくつか設けた一方向通行のトンネルモデルである。図2のトンネルモデルの形状について、例示データを表1に示すこととする。
例えば、図2に示すように、例示のトンネルは、本線中央部が縦流集中送排気式換気となっているとする。この縦流式換気方式モデルの換気風量データの例示データを表2に示すこととする。
図3は、この縦流式換気方式モデルを有向グラフで表現したものを示している。図3のグラフ上の数字はトンネル内の枝区間番号、丸で囲まれた数字は点番号である。大気開放を全て点番号1とすることで、全体は閉ループネットワークととらえることができる。
トンネルでは、区間内で風速を一定と仮定するいくつかの枝で表現される。入口ランプ・出口ランプ・本線入口付近・本線出口付近では縦流換気方式を採用し、交通は一方向通行と仮定することにより、交通換気力を換気に利用できるようにしている。図3の縦流式換気方式モデルについて、グラフから決定される接続行列を図4に示す。
以上の処理が、図1の道路トンネル換気制御シミュレーション装置のソフトウェア・ブロック図中のパラメータ設定手段Aのうち、トンネル区間形状設定と換気機器設定に相当する処理である。
また、車両特性設定と交通設定について説明する。換気解析条件として、車両が全区間で等間隔に走行する定常状態と、一台毎に入口・出口経路の情報をもたせラグランジェ的に追跡する動的モデルの両方で計算を行うこととし、交通量は例えば3000(台/h)とし、動的モデルではトンネル全体でこの値になるように経路情報と車両間隔をランダムに与えることにしている。また、車両速度は例えば60(km/h)とする。
その他、換気解析の際に設定した仮定及び条件を以下に列挙する。
・空気は非圧縮性とする。
・空気の物性量は1気圧,20℃の値とする。
・初期条件は時刻t=0において、全区間で風速0(m/s)とし、車両はt=0から進入し始めるものとする。
・立坑の風量は一定とし、時刻t=0から90(s)で設定風量になるように線形に立ち上げる。
上述は一例であるが、パラメータ設定手段は、トンネル毎に異なる情報を取り込み、個々のトンネル毎にデータウェアハウス(データベース)を構築していくこととした。図5は、トンネルデータウェアハウスの構成図を示している。トンネルデータウェアハウスは、トンネル台帳ファイルと道路区間データファイルと換気区間データファイルと送排風機ダンパデータファイルとセンサデータファイルから構成される。図6〜図9に、トンネル台帳ファイルと道路区間データファイルと換気区間データファイルと送排風機ダンパデータファイルとセンサデータファイルの各々のファイル構造図を示すこととする。トンネル内の時々刻々と変化する現象を効果的に表現するために、木目細かなトンネル形状などの情報を設定することとしている。
次に、汎用化した数値計算手段Bについて説明する。
図1に示す数値計算手段Bにおいて、風速モデルは風速計算にグラフ理論を用いることにより、分岐・合流及び縦流・横流換気方式を持つ複雑なトンネル内の風速計算を可能にしている。このグラフ理論を用いる場合、図4のような行列を用いた繰り返し計算となるが、木と補木の利用によって行列のランクを減少させることができ、複雑なトンネルにおいても比較的短時間で解析を行えることができる。なお、風速計算には一次元非圧縮モデルを適用している。トンネル各区間における気流の運動方程式は次式で表される。
ここで、運動方程式の右辺の各項は,管摩擦抵抗Fr,ジェットファン(以下J.Fと略する)換気力Fj,交通換気力Ft,圧力による換気力であり,それぞれ以下の式で表される。
管内はレイノルズ数の十分高い乱流であり,管摩擦係数λは通例よく用いられるλ=0.025の値を用いる。この運動方程式を変形して行列表記したものが下記の式である。尚、Pは圧力(Pa)、Vは区間風速(m/s)である。
また、図1に示す数値計算手段において、濃度モデルは汚染濃度計算を行うものである。トンネル内に発生する汚染物質はさまざまな種類のものが存在するが、トンネル内で主に問題となるのは一酸化炭素と煤煙である。一般に、大半のトンネル内の車種構成では一酸化炭素に対する必要換気量よりも煤煙に対する必要換気量のほうが大きくなる。すなわち煤煙に対する必要換気量を満たせば、他の有害成分は安全な濃度となることが多い。解析ではいずれの汚染物質の濃度も計算することができるが、本実施例では上記理由から煤煙の汚染濃度に関して説明する。
ここで、煤煙とは、主としてディーゼル車の排出ガスに含まれる遊離炭素(黒煙)やタイヤ粉塵などの総称であるが、視野に支配的な影響を及ぼすのは、比較的粒径の小さい黒煙であると考えられている。このため、煤煙とは黒煙を意味し、ディーゼル車のみから排出されると仮定する。なお、汚染濃度計算モデルには下記の式の一次元移流拡散方程式を用いる。区間風速と流量の関係は、区間風速×断面積=流量と仮定し、また、煤煙の輸送は対流が支配的と考え拡散効果は無理している。また、下記式のCexは、
セル内の自動車から汚染物質が排出されるという意味の変数であり、単位時間あたりのセル内汚染物質総排出量である。
濃度計算は、風速を計算した枝区間を約10mになるように等分割したセルを用い、各セルの風速はその区間のものを使用する。対流項は区間毎の1次風上差分で求め、分岐点・合流点では接続行列と風向きの情報から流入セル・流出セルを検出し、風上差分を適用する。すなわち枝区間内のセルのうち、最も上流のセルの濃度を求める際に、その枝の上流側の点に接続しているすべての枝の風向きと風速および濃度を考慮し、流入を計算する。流出はそのセルの流量と濃度を用いる。枝区間の2番目以降のセルの濃度は単純な1次風上差分で求められる。
濃度の単位は1mあたりの吸光係数として扱える。煤煙はトンネル内の視界が主に問題となるため濃度から透過率を計算する。透過率は次式による。
煤煙を発生する車両の全車両台数に対する混入率は23.8%とし、大型車両1台あたりの煤煙発生量は道路トンネル技術基準(換気編)(出版:平成13年10月)より、5.1(m/km・台,自然対数表示)として計算している。
トンネル内の車道合流部や道路勾配の急な所では、合流や勾配道路の走行に伴って車両が急加速・減速することにより、単管区間より多くの汚染物質を排出する。分岐部や道路勾配の急な所では、大型車両1台あたりの煤煙発生量を割増することにより調整している。
次に、本発明に係るトンネル換気制御シミュレーション装置のプログラム処理フローの動作アルゴリズムについて図11を用いて説明する。
交通流入力モジュールは、交通量、車両速度、大型車混入率などの情報や、動的モデルを用いる場合には、経路情報と車両間隔などを入力する。次に、交通流演算モジュールは、道路区間データファイルを取り込み、ピストン効果出力ファイルと排ガス発生量(CO,VI)出力ファイル及び交通台数出力ファイルを生成する。この交通流演算モジュールは、約0.1秒の周期演算を行い、各道路区間の状態を高い確度で予測する。
風速モジュールは、上述如くグラフ理論を用いた風速モデルを用いている。交通流演算モジュールが生成したピストン効果出力ファイルのデータを入力し、換気区間データと送排風機ダンパデータとセンサデータ及び換気機運転出力ファイルを参照し、風速出力ファイルと圧力出力ファイルを生成する。この風速モジュールは、約1秒の周期演算を行い、各道路区間の風速状態を高い確度で、かつ、ダイナミックに予測する。
濃度モジュールは、上述如くグラフ理論を用いた濃度モデルを用いている。風速モジュールが生成した風速出力ファイルと交通流演算モジュールが生成した排ガス発生量出力ファイルを入力し、センサデータを参照して、濃度(CO,VI)出力ファイルを生成する。この濃度モジュールは、約1秒の周期演算を行い、各道路区間の汚染濃度状態を高い確度で、かつ、ダイナミックに予測する。
換気制御モジュールは、濃度モジュールが生成した濃度(CO,VI)出力ファイルを入力し、送排風機ダンパデータ及びセンサデータを参照して、換気機運転出力ファイルを生成する。この換気機運転出力ファイルは、前記風速モジュールに参照される。この換気制御モジュールを、換気制御シミュレーション装置のプログラムから切り離し、独立の換気制御プログラムとしている。
前記交通流演算モジュールと風速モジュールと濃度モジュールは、グラフ理論を適用してトンネル構造に依存しない汎用プログラムにより構成されている。一方、換気制御モジュールは、トンネル毎に換気機の仕様に依存して開発する必要があるため、別個独立に設計製作できるようにし、本シミュレーション処理が実行されるときに動的に(ダイナミックに)リンク処理を行うようにする。この動的なリンク処理は、Windows(登録商標)系OSでは、DLL(Dinamic link library)処理を用いて、また、Unix(登録商標)系OSでは、共有ライブラリやシェアードライブラリ(Shared library)を用いてリンク処理を行うことができる。
図12に、換気制御プログラムと数値計算プログラムとのデータI/F図を示す。図12は、コンピュータを換気制御手段Bとして機能させる換気制御プログラムと、換気制御シミュレータ装置のプログラム本体部とのデータインターフェイスの構造を表している。換気制御プログラムは、換気機器の依存度が高いことから、汎用言語もしくはPLC(プログラマブル・コントローラ)などの専用言語で記述される。図12に示すようなデータインターフェースを有することにより、換気制御プログラムを換気制御シミュレータ装置のプログラム本体部から切り離すことが可能となる。
次に、図1の数値計算手段における排煙モデルとパラメータ推定について説明する。
排煙モデルは、濃度モデルと同様に、一次元移流拡散方程式を用いている。パラメータ設定手段における火災条件設定により、火災事故状況シナリオに応じた火災規模に応じて排煙発生量及び排煙発生位置を任意に設定できることにしている。これにより、煤煙がどのように分布して、煙が流れていくかを予測し、煙に対してトンネル内にいる人が逃げる経路を確保できるか、非常口は十分に確保できているかの検証を行うことができる。
パラメータ推定は、トンネル内フィールドの実データに基づき、車両投影面積や車両の等価抵抗係数などの適切な値を推定するものである。図13に、パラメータ推定の動作フローを示す。フィールドの実データは、トンネル内の各種センサの計測データを入力し、図10に示すリアルタイムデータウェアハウスに蓄積している。図13の処理フローにおいて、交通流,送排風機,風速,VI濃度,CO濃度のリアルタイムデータは、このリアルタイムデータウェアハウスから取り込むこととしている。このパラメータ推定をシーケンス的に行うことにより数値計算手段の各モデルのパラメータをより精度よく推定することが可能となり、現実に近い状況をシミュレーションできる。
図14に、本発明に係る道路トンネル換気制御シミュレーション装置におけるシミュレーション結果表示画面の一例を示す。道路トンネル内の各区間における風速、VI濃度、CO濃度、圧力、車両の走行状態を表示し、道路トンネル内の状況を効率的に把握できるようにしている。
本発明は、分岐合流路、送排気坑、横流換気設備などを持つ複雑な構造の道路トンネルの換気機器設計者、制御開発者、運用管理者のトンネル換気解析用ツールまたはトンネル換気機器の運転用シミュレータなどに利用できる。
道路トンネル換気制御シミュレーション装置のソフトウェア・ブロック図 トンネルモデル例 トンネルモデルの有向グラフ表現(縦流式換気方式モデル) トンネルモデルの既約接続行列 トンネルデータウェアハウス構造図 道路区間データ構造図 換気区間データ構造図 送排風機ダンパデータ構造図 センサデータ構造図 リアルタイムデータウェアハウス構造図 道路トンネル換気制御シミュレーション動作アルゴリズム 換気制御手段と数値計算手段とのデータI/F図 パラメータ推定フロー図 シミュレーション結果表示画面例

Claims (5)

  1. トンネル形状と車両特性と交通と換気機器などの情報をパラメータ設定して入力データを発生するパラメータ設定手段Aと、
    トンネル内の交通流と風速と濃度を数値計算する数値計算手段Bと、
    換気機器の制御ロジック演算を行う換気制御手段Cと、
    トンネル内のセンサや換気機と信号入出力を行う入出力手段Dとを備えた道路トンネルシミュレーション装置において、
    1)前記換気制御手段Cが、シミュレーション装置本体から切り離され、
    2)前記数値計算手段Bが、前記パラメータ設定手段Aの前記入力データからグラフ理論を用いて接続行列を生成し、トンネル内の区間毎に微分方程式を計算し、各区間の風速、濃度を計算することにより、前記接続行列という標準化されたデータインターフェースと、トンネル構造に依存しない数値計算式のみで構成され、前記接続行列を入力データとして、交通流モデル,風速モデル,濃度モデルから成る数値計算プログラムにより数値計算を行うもので、
    3)前記数値計算プログラムが、切り離された前記換気制御手段Cにおける換気機器の制御ロジック演算を行う換気制御プログラムと、実行時に動的なリンク処理を行うもので、
    前記パラメータ設定手段Aと前記数値計算手段Bと前記入出力手段Dから成ることを特徴とする道路トンネル換気制御シミュレーション装置。
  2. 前記パラメータ設定手段Aが、火災条件設定のパラメータ設定機能をさらに有し、かつ、前記数値計算手段Bが排煙モデルをさらに有し、道路トンネル内の火災時などの非定常時のシミュレーションを行えることを特徴とする請求項1記載の道路トンネル換気制御シミュレーション装置。
  3. 前記数値計算手段Bが、実時間にセンサ計測データを入力し、得られた交通流データ,換気機運転状態データ,風速データ,濃度データから交通流パラメータと空気流パラメータと濃度パラメータを順次推定計算する手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の道路トンネル換気制御シミュレーション装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の道路トンネル換気制御シミュレーション装置において、コンピュータを前記パラメータ設定手段Aと前記数値計算手段Bとして機能させるためのプログラム。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の道路トンネル換気制御シミュレーション装置において、コンピュータを前記パラメータ設定手段Aと前記数値計算手段Bとして機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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