JP5392238B2 - ろう材供給機構及びこれを備えた自動溶接装置 - Google Patents

ろう材供給機構及びこれを備えた自動溶接装置 Download PDF

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Description

本発明は、一対の棒状のろう材の端部同士を溶接する溶接装置に用いられるろう材供給機構、及びこれを備えた自動溶接装置に関するものである。
従来、工業製品の製造時には、種々の部品を接合するためにろう付けなどの接合方法が用いられている。このろう付け時には、作業者は、例えば棒状のろう材を手で持ち、そのろう材の先端部を接合箇所の近傍に配置し、ろう材の先端部を溶融させることにより前記部品を接合箇所に接合する。
新品のろう材は、通常、規定の長さ(例えば50センチ程度)を有しており、作業者が手で持って作業する上で特に支障はない。しかし、ろう材は、ろう付けの度に消費されて次第に短くなる。そして、ろう材がある程度の長さ(例えば10センチ程度)まで短くなると、そのろう材を手で持って作業することは安全上の観点から好ましくない。したがって、作業者は、短くなったろう材に代えて新品のろう材を使用するか、又は短くなったろう材に新品のろう材を継ぎ足したものを使用する。
短くなったろう材(以下、短尺ろう材という。)に新品のろう材(以下、長尺ろう材という。)を継ぎ足す手段としては、例えば短尺ろう材の端部と長尺ろう材の端部を溶接する方法が適している。特許文献1には、棒状の金属素材同士を接合するためのバット溶接方法が開示されている。
特開平1−218774号公報
ところが、特許文献1の溶接方法を用いる場合、作業者は、溶接装置の押さえ型に短尺ろう材と長尺ろう材をそれぞれ固定する作業を行う必要がある。しかも、作業者は、これらのろう材の固定時に、短尺ろう材の端部と長尺ろう材の端部をそれぞれ位置合わせして短尺ろう材と長尺ろう材の端部同士が突き合わされた状態にする必要がある。このような作業者による各ろう材の固定作業には比較的多くの作業時間が必要とされ、それに伴って人件費も増加する。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一対のろう材の端部同士の接合にかかるコストを低減することができるろう材供給機構、及びこれを備えた自動溶接装置を提供することにある。
本発明は、規定の長さを有する棒状の第1ろう材(10)と前記第1ろう材(10)よりも短くてばらつきのある長さを有する棒状の第2ろう材(20)の端部同士を溶接する溶接装置に用いられ、前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)を供給するためのろう材供給機構に関するものである。このろう材供給機構は、第1受部(11)と、第2受部(21)と、第1送り機構(12)と、第2送り機構(22)と、制御部(31)と、を備えている。前記第1受部(11)は、前記第1ろう材(10)が載置される載置面(111)を有している。前記第2受部(21)は、前記溶接装置において前記端部同士が溶接される溶接位置(P)を挟んで前記第1受部(11)に対向する位置に設けられ、前記第2ろう材(20)が載置される載置面(211)を有している。前記第1送り機構(12)は、シリンダ本体と、このシリンダ本体に対して前進後退可能なピストンとを有し、このピストンが前進移動することによって前記第1受部(11)に載置された前記第1ろう材(10)の他端部を押して前記第1ろう材(10)を前記溶接位置(P)に送る。前記第2送り機構(22)は、シリンダ本体と、このシリンダ本体に対して前進後退可能なピストンとを有し、このピストンが前進移動することによって前記第2受部(21)に載置された前記第2ろう材(20)の他端部を押して前記第2ろう材(20)を前記溶接位置(P)に送る。前記制御部(31)は、前記第1送り機構(12)の前記ピストンを制御して、前記規定の長さに基づいて予め定められた距離だけ前記第1ろう材を送った後、前記第1ろう材をクランプし、その後、前記第2送り機構の前記ピストンを制御して、ばらつきのある長さを有する前記第2ろう材の何れもが前記第1ろう材の一端部に当接するように予め定められた時間の間、第2ろう材を押圧しつづけることにより、前記第1ろう材(10)の端部と前記第2ろう材(20)の端部とを前記溶接位置(P)において当接させた後、前記第2ろう材をクランプする
この構成では、第1送り機構(12)と第2送り機構(22)とが制御部(31)により制御されることによって、第1受部(11)に載置された第1ろう材(10)を溶接位置(P)に送り、第2受部(21)に載置された第2ろう材(20)を溶接位置(P)に送って第1ろう材(10)の端部と第2ろう材(20)の端部とを当接させることができる。このように本構成では、従来、作業者の手作業により行われていたろう材の位置合わせ作業をろう材供給機構によって自動で行うことができるので、この作業に要していた作業者の作業時間を削減することができる。これにより、ろう材の端部同士の接合にかかるコストを低減することができる。
前記ろう材供給機構において、前記第1受部(11)の前記載置面(111)は、前記溶接位置(P)に向かって延び、前記第1ろう材(10)の長手方向が前記溶接位置(P)に向いた姿勢で前記第1ろう材(10)を載置可能であり、前記第1受部(11)は、その載置面(111)から上方又は斜め上方に起立する側面(113)をさらに有し、この側面(113)は、前記第1ろう材(10)の長手方向が前記溶接位置(P)に向いた姿勢を維持したまま前記第1ろう材(10)を前記溶接位置(P)に案内可能であるのが好ましい。また、前記第2受部(21)の前記載置面(211)は、前記溶接位置(P)に向かって延び、前記第2ろう材(20)の長手方向が前記溶接位置(P)に向いた姿勢で前記第2ろう材(20)を載置可能であり、前記溶接位置(P)を挟んで前記第1受部(11)の前記載置面(111)とほぼ直線状に並び、前記第2受部(21)は、その載置面(211)から上方又は斜め上方に起立する側面(213)をさらに有し、この側面(213)は、前記第2ろう材(20)の長手方向が前記溶接位置(P)に向いた姿勢を維持したまま前記第2ろう材(20)を前記溶接位置(P)に案内可能であるのが好ましい。
従来、作業者の手作業により行われていたろう材の位置合わせ作業では、作業者間で位置合わせのばらつきが生じやすく、このばらつきがろう材同士の接合品質のばらつきにもつながっていた。
そこで、この構成では、前記第1受部(11)は、前記側面(113)を有しており、前記第2受部(21)は、前記側面(213)を有している。したがって、第1ろう材(10)は、前記側面(113)により前記溶接位置(P)に正確に案内され、第2ろう材(20)は、前記側面(213)により前記溶接位置(P)に正確に案内される。これにより、第1ろう材(10)及び第2ろう材(20)の位置合わせの精度をより向上させることができるので、接合品質のばらつきを低減することができる。
前記ろう材供給機構において、前記第1ろう材(10)を複数本保持可能であり、前記第1受部(11)に前記第1ろう材(10)を順次補給する第1補給機構(13)をさらに備えているのが好ましい。この場合において、前記第1補給機構(13)は、保持部(131)と、回転部(133)とを有しているのが好ましい。前記保持部(131)は、下方に傾斜する傾斜面(132)を有し、この傾斜面(132)の傾斜方向に各第1ろう材(10)の長手方向に直交する方向が向くように複数本の前記第1ろう材(10)を前記傾斜面(132)上に載置可能である。前記回転部(133)は、前記傾斜面(132)の下端部に隣接した位置に配置され、その軸方向が前記保持部(131)に載置される前記第1ろう材(10)の長手方向とほぼ平行な方向に向く円柱形状を有し、その側面(113)に1本の前記第1ろう材(10)を収容可能な溝(135)が形成され、軸回りに回転可能である。
この構成では、回転部(133)は、溝(135)に第1ろう材(10)が収容された状態で溝(135)が斜め下方又は下方に向くまで回転することにより、第1ろう材(10)を溝(135)から第1受部(11)側に落下させることができる。これにより、第1ろう材(10)を1本ずつ第1受部(11)側に送ることができる。
具体的には、例えば、前記制御部(31)は、前記第1補給機構(13)を制御して前記回転部(133)を回転させ、前記溝(135)を前記傾斜面(132)の下端部側に向けて前記溝(135)に前記第1ろう材(10)を収容した後、前記溝(135)が斜め下方又は下方に向くまで前記回転部(133)を回転させ、前記第1ろう材(10)を前記溝(135)から前記第1受部(11)側に落下させる。
また、前記第1補給機構(13)を備えている場合において、前記第1補給機構(13)は、前記第1受部(11)に向かって下方又は斜め下方に延設されるとともに、前記回転部(133)の前記溝(135)から前記第1受部(11)側に落下した前記第1ろう材(10)を前記第1受部(11)に補給するガイド部(137)をさらに有しているのが好ましい。また、前記第1受部(11)は、前記ガイド部(137)の延設方向に交わる方向に前進後退可能であり、その前端部に前記載置面(111)が形成されており、この載置面(111)よりも後端側には前記載置面(111)よりも上方に上がる段差を介して上面(115)がさらに形成されており、前記上面(115)と前記ガイド部(137)の下端との隙間は、前記第1ろう材(10)の直径よりも小さく設定されているのが好ましい。また、前記第1補給機構(13)は、前記第1受部(11)を前進位置と後退位置との間において前進後退させる駆動部(139)をさらに有しているのが好ましい。前記後退位置は、前記第1受部(11)の前記載置面(111)が前記ガイド部(137)の下端と上下方向に対向する位置であり、前記前進位置は、前記第1受部(11)の前記上面(115)が前記ガイド部(137)の下端と上下方向に対向する位置であるとともに、前記第1受部(11)に載置された前記第1ろう材(10)が前記溶接位置(P)に送られる位置であるのが好ましい。
この構成では、回転部(133)の溝(135)から第1受部(11)側に落下した第1ろう材(10)がガイド部(137)に第1受部(11)の上面(115)に案内され、第1受部(11)を前記後退位置に移動させることにより、第1受部(11)の載置面(111)に第1ろう材(10)を載置することができる。
前記ろう材供給機構において、前記第2ろう材(20)を複数本保持可能であり、前記第2受部(21)に前記第2ろう材(20)を順次補給する第2補給機構(23)をさらに備えているのが好ましい。この場合において、前記第2補給機構(23)は、前記第2受部(21)に向かって下方又は斜め下方に延設されるとともに、各第2ろう材(20)の長手方向に直交する方向に複数本の前記第2ろう材(20)が1列に並ぶように保持されるガイド部(233)を有しているのが好ましい。また、前記第2受部(21)は、前記ガイド部(233)の延設方向に交わる方向に前進後退可能であり、その前端部に前記載置面(211)が形成されており、この載置面(211)よりも後端側には前記載置面(211)よりも上方に上がる段差を介して上面(215)がさらに形成されており、前記上面(215)と前記ガイド部(233)の下端との隙間は、前記第2ろう材(20)の直径よりも小さく設定されているのが好ましい。また、前記第2補給機構(23)は、前記第2受部(21)を前進位置と後退位置との間において前進後退させる駆動部(235)をさらに有しているのが好ましい。前記後退位置は、前記第2受部(21)の前記載置面(211)が前記ガイド部(233)の下端と上下方向に対向する位置であり、前記前進位置は、前記第2受部(21)の前記上面(215)が前記ガイド部(233)の下端と上下方向に対向する位置であるとともに、前記第2受部(21)に載置された前記第2ろう材(20)が前記溶接位置(P)に送られる位置であるのが好ましい。
この構成では、駆動部(235)によって第2受部(21)が前進位置と後退位置との間において前進後退する。第2受部(21)が後退位置にあるときには、ガイド部(233)において1列に並ぶように保持された複数本の第2ろう材(20)のうち最下部に位置する1本の第2ろう材(20)が、ガイド部(233)の下端から前記段差に落下して載置面(211)に載置される。そして、第2受部(21)が前進位置に向かって移動し始めると、第2受部(21)の上面(215)とガイド部(233)の下端との間には第2ろう材(20)の直径よりも小さな隙間があいているだけなので、ガイド部(233)に並ぶ他の第2ろう材(20)は、前記上面(215)によって下方への移動が規制される。したがって、本構成では、ガイド部(233)に複数本の第2ろう材(20)を保持させておくことにより、第2ろう材(20)を1本ずつ第2受部(21)の前記段差に補給することができる。
本発明の自動溶接装置は、前記ろう材供給機構(41)と、前記溶接位置(P)において前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)を溶接する溶接部(51)と、を備え、前記溶接部(51)は、前記ろう材供給機構(41)により供給される前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)を、これらの端部同士が当接した状態でクランプするクランプ部(53)を有し、前記クランプ部(53)によりクランプされた前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)の端部に電流を供給可能なように構成されている。
この構成では、ろう材供給機構(41)により供給される第1ろう材(10)と第2ろう材(20)を、これらの端部同士が当接した状態でクランプ部(53)によってクランプすることができ、このようにクランプされた状態で第1ろう材(10)の端部及び第2ろう材(20)の端部に電流を供給することができる。これにより、第1ろう材(10)の端部と第2ろう材(20)の端部が溶接される。
前記自動溶接装置において、前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)が前記溶接位置(P)において溶接され、前記クランプ部(53)によるクランプが解除された後、前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)が一体化したろう材が落下する際に、このろう材の姿勢が傾斜するのを規制する規制部材(60)をさらに備えているのが好ましい。
例えば第2ろう材(20)が第1ろう材(10)よりも短い場合、第1ろう材(10)と第2ろう材(20)が溶接位置(P)において溶接され、クランプ部(53)によるクランプが解除された後、第1ろう材(10)と第2ろう材(20)が一体化したろう材が落下する際には、このろう材は、重心が長い方の第1ろう材(10)側にあるので、落下する際に姿勢が傾斜しやすい。このように溶接後のろう材の姿勢が傾斜すると、ろう材が溶接装置の一部にひっかかることがある。
そこで、この構成では、ろう材の落下時に姿勢が傾斜するのを規制する規制部材(60)を備えているので、たとえ第1ろう材(10)と第2ろう材(20)の長さが異なる場合であっても、溶接後のろう材を円滑に回収することができる。
前記自動溶接装置において、前記制御部(31)は、前記第1送り機構(12)を制御して前記第1ろう材(10)を前記溶接位置(P)に向かって、前記第1ろう材(10)の規定長さに基づいて予め定められた距離だけ送った後、前記クランプ部(53)を制御して前記第1ろう材(10)をクランプし、その後、前記第2送り機構(22)を制御して前記第2ろう材(20)の端部が前記第1ろう材(10)の端部に当接するまで前記第2ろう材(20)を前記溶接位置(P)に向かって送った後、前記クランプ部(53)を制御して前記第2ろう材(20)をクランプし、その後、前記第1ろう材(10)の端部及び前記第2ろう材(20)の端部に電流を供給するのが好ましい。
この構成では、制御部(31)は、まず、規定長さを有する第1ろう材(10)を溶接位置(P)に向かって予め定められた距離だけ送ってクランプし、その後、第2ろう材(20)の端部が第1ろう材(10)の端部に当接するまで第2ろう材(20)を溶接位置(P)に向かって送ってクランプする。したがって、たとえ第2ろう材(20)の長さが一定ではなくても、第1ろう材(10)及び第2ろう材(20)を正確に位置決めすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、一対のろう材の端部同士の接合にかかるコストを低減することができる。
本発明の一実施形態にかかるろう材供給機構及びこれを備えた自動溶接装置を示す正面図である。 (A)〜(E)は、前記自動溶接装置の第1補給機構の動作を示す概略図である。 (A)〜(D)は、前記自動溶接装置の第2補給機構の動作を示す概略図である。 (A)〜(D)は、前記自動溶接装置の第1送り機構及び第2送り機構の動作を示す概略図である。 (A)〜(F)は、前記溶接部のクランプ部の動作を示す概略図である。 (A)〜(D)は、前記溶接部の動作を示す概略図である。 (A)〜(D)は、前記溶接部において電流を供給するための起動ボタンが押される際の動作を示す概略平面図である。 (A)〜(C)は、一対のろう材の端部同士を溶接して一体化したろう材が落下する際の動作を示す概略図である。(D)は、他の実施形態にかかる自動溶接装置においてろう材が落下する際の動作を示す概略図である。 前記溶接部の一部を拡大した斜視図である。 (A)〜(C)は、前記自動溶接装置を用いて一対のろう材の端部同士を接合する手順を示す正面図である。 (A)〜(C)は、前記自動溶接装置を用いて一対のろう材の端部同士を接合する手順を示す正面図である。 (A)〜(C)は、前記自動溶接装置を用いて一対のろう材の端部同士を接合する手順を示す正面図である。 (A)〜(C)は、前記自動溶接装置を用いて一対のろう材の端部同士を接合する手順を示す正面図である。 (A)は、一対のろう材の端部同士の溶接前の状態を示す概略図であり、(B)は、一対のろう材の端部同士の溶接後の状態を示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
<自動溶接装置の全体構造>
本実施形態の自動溶接装置71は、第1ろう材としての長尺ろう材10と、第2ろう材としての短尺ろう材20の端部同士を自動で溶接するための装置である。図1に示すように、自動溶接装置71は、ろう材供給機構41と、溶接部51と、これらの動作を制御する制御部31とを備えている。
本実施形態では、長尺ろう材10は、棒状であり、規定の長さ(例えば数十センチ程度)を有している。一方、短尺ろう材20は、棒状であり、長尺ろう材10がろう付けに用いられて短くなったものであって、ある程度の範囲(例えばプラスマイナス数センチ程度の範囲)でばらつきのある長さを有している。長尺ろう材10と短尺ろう材20は、ほぼ同じ直径の略円柱形状を有している。
ろう材供給機構41は、長尺ろう材10と短尺ろう材20を溶接部51に供給する。このろう材供給機構41は、第1受部11と、第2受部21と、第1送り機構12と、第2送り機構22と、第1補給機構13と、第2補給機構23とを備えている。溶接部51は、ろう材供給機構41により供給される長尺ろう材10と短尺ろう材20の端部同士を溶接位置Pにおいて溶接する。この溶接位置Pは、第1受部11と第2受部21との間に位置しており、長尺ろう材10と短尺ろう材20の端部同士を当接させる位置である。
なお、図1などの図面において、自動溶接装置71の前方を前方Fと表示し、後方を後方Rと表示する。また、前方F及び後方Rに垂直な水平方向を横方向Dと表示する。また、この方向Dのうち、第1受部11に載置された長尺ろう材10が溶接位置Pに送られる方向を方向D1と表示し、第2受部21に載置された短尺ろう材20が溶接位置Pに送られる方向を方向D2と表示する。
<第1受部>
図1及び図2(A)に示すように、第1受部11は、略直方体の形状を有し、前後方向の奥行き及び横方向Dの幅よりも厚みの小さな扁平な形状である。図2(D)に示すように、第1受部11は、載置面111と、側面113と、上面115とを有している。第1受部11は、後述する駆動部139によって支持されており、後述するガイド部137の延設方向に交わる方向に、駆動部139の動作に伴って前進後退する。
載置面111は、第1受部11の前端部に形成されている。載置面111は、横方向Dに略平行な方向に延設されている。第1受部11が後述する前進位置Pfにあるときには、載置面111は、溶接位置Pに向かって横方向Dに延び、長尺ろう材10の長手方向が溶接位置Pに向いた姿勢で長尺ろう材10を載置可能である。
側面113は、載置面111から上方又は斜め上方に起立している。側面113は、横方向Dに略平行な方向に延設されている。側面113は、長尺ろう材10の長手方向が溶接位置Pに向いた姿勢を維持したまま長尺ろう材10を溶接位置Pに案内可能である。
上面115は、載置面111と側面113により形成された段差を介して載置面111よりも後方Rに形成されている。上面115の少なくとも前端部は、載置面111よりも上部に位置している。前記段差は、長尺ろう材10の直径よりも大きく、かつ長尺ろう材10の直径の2倍よりも小さい高低差を有している。ただし、この段差は、長尺ろう材10の直径よりも小さくてもよく、例えば長尺ろう材10の一部が嵌ることが可能な小さな溝であってもよい。上面115と後述するガイド部137の下端との隙間は、長尺ろう材10の直径よりも小さい。
<第2受部>
図1に示すように、第2受部21は、溶接位置Pを挟んで第1受部11に対向する位置に設けられている。図1及び図3(A)に示すように、第2受部21は、略直方体の形状を有し、前後方向の奥行き及び横方向Dの幅よりも厚みの小さな扁平な形状である。第2受部21には、長尺ろう材10よりも短い短尺ろう材20が載置されるので、その分だけ第2受部21の前記幅は、第1受部11の前記幅よりも小さい。図3(C)に示すように、第2受部21は、載置面211と、側面213と、上面215とを有している。第2受部21は、後述する駆動部235によって支持されており、後述するガイド部233の延設方向に交わる方向に、駆動部235の動作に伴って前進後退する。
載置面211は、第2受部21の前端部に形成されている。載置面211は、横方向Dに略平行な方向に延設されている。第2受部21が後述する前進位置Pfにあるときには、載置面211は、溶接位置Pに向かって横方向Dに延び、短尺ろう材20の長手方向が溶接位置Pに向いた姿勢で短尺ろう材20を載置可能である。載置面211は、前進位置Pfにおいて、溶接位置Pを挟んで第1受部11の載置面111とほぼ直線状に並ぶ。
側面213は、載置面211から上方又は斜め上方に起立している。側面213は、横方向Dに略平行な方向に延設されている。側面213は、短尺ろう材20の長手方向が溶接位置Pに向いた姿勢を維持したまま短尺ろう材20を溶接位置Pに案内可能である。
上面215は、載置面211と側面213により形成された段差を介して載置面211よりも後方Rに形成されている。上面215の少なくとも前端部は、載置面211よりも上部に位置している。前記段差は、短尺ろう材20の直径よりも大きく、かつ短尺ろう材20の直径の2倍よりも小さい高低差を有している。ただし、この段差は、短尺ろう材20の直径よりも小さくてもよく、例えば短尺ろう材20の一部が嵌ることが可能な小さな溝であってもよい。上面215と後述するガイド部233の下端との隙間は、短尺ろう材20の直径よりも小さい。
<送り機構>
第1送り機構12は、第1受部11に載置された長尺ろう材10を、その端部が溶接位置Pに位置するように溶接位置P側に送ることができる。図1及び図4(A)に示すように、本実施形態では、第1送り機構12として、エアシリンダ、油圧シリンダ、電動シリンダなどのシリンダを用いている。この第1送り機構12は、筒状のシリンダ本体121と、このシリンダ本体121の長手方向に沿ってシリンダ本体121に対して前進後退可能なピストン122とを有している。
ピストン122は、シリンダ本体121よりも溶接位置P側に配置されている。ピストン122の軸方向は、載置面111の延びる方向、及びこの載置面111に載置される長尺ろう材10の長手方向にほぼ平行である。ピストン122は、空気圧、油圧、電力などを動力源として前進後退する。ピストン122は、前進移動するときにその先端部が載置面111に載置された長尺ろう材10の端部に当接した状態で長尺ろう材10を溶接位置Pに向かって方向D1に押す。
第2送り機構22は、第2受部21に載置された短尺ろう材20を、その端部が溶接位置Pに位置するように溶接位置P側に送ることができる。本実施形態では、第2送り機構22として、第1送り機構12と同様のシリンダを用いている。第2送り機構22は、シリンダ本体221とピストン222とを有している。
ピストン222は、シリンダ本体221よりも溶接位置P側に配置されている。ピストン222の軸方向は、載置面211の延びる方向、及びこの載置面211に載置される短尺ろう材20の長手方向にほぼ平行である。ピストン222は、前進移動するときにその先端部が載置面211に載置された短尺ろう材20の端部に当接した状態で短尺ろう材20を溶接位置Pに向かって方向D2に押す。
<第1補給機構>
第1補給機構13は、長尺ろう材10を複数本保持可能であり、第1受部11に長尺ろう材10を順次補給する。図2(A)に示すように、第1補給機構13は、保持部131と、前述の第1受部11を前進後退させるための駆動部139と、回転部133と、この回転部133を回転させるための回転駆動部134と、ガイド部137とを有している。
保持部131は、平面視で略長方形の形状を有している。保持部131は、下方に傾斜する傾斜面(上面)132を有している。傾斜面132には、その傾斜方向に各長尺ろう材10の長手方向に直交する方向(長尺ろう材10の径方向)が向くように複数本の長尺ろう材10を載置可能である。したがって、保持部131の横方向Dの幅は、長尺ろう材10の長さよりも若干長くなるように設計されている。
また、保持部131は、傾斜面132の横方向Dの両端辺から上方に起立する起立面を有している。なお、図2(A)〜(E)では、これらの起立面の図示を省略している。これらの起立面が設けられていることにより、傾斜面132に載置された複数の長尺ろう材10は、上述した方向に整列する。また、これらの起立面は、傾斜面132上における各長尺ろう材10の横方向Dの移動を規制することができるので、各長尺ろう材10が保持部131から落下するのを防止できる。さらに、これらの起立面は、傾斜面132上において各長尺ろう材10の横方向Dの位置ずれ(載置位置のばらつき)を抑制することができるので、図1に示すように複数の長尺ろう材10の端部の位置(横方向Dの位置)を揃えることができる。
回転部133は、傾斜面132の下端部(傾斜面132の前方Fの縁部)に隣接した位置に配置されている。回転部133は、その軸方向が保持部131に載置される長尺ろう材10の長手方向とほぼ平行な方向(横方向D)に向く円柱形状を有している。
図2(C)に示すように、回転部133の側面には、1本の長尺ろう材10を収容可能な溝135が形成されている。この溝135は、回転部133の側面から半径方向に凹み、回転部133の軸方向に略平行に延びている。この溝135の前記軸方向の長さは、長尺ろう材10の長さよりも若干大きめに設定されている。また、この溝135の凹み寸法は、1本の長尺ろう材10を収容可能な程度に設定されている。具体的には、例えば、溝135の凹み寸法は、長尺ろう材10の直径とほぼ同程度に設定することができる。
図1に示すように、回転部133の両端部は、回転駆動部134及び回転支持部136にそれぞれ支持されている。回転部133は、回転駆動部134が動作することにより回転部133の軸回りに回転する。したがって、回転部133は、図2(A)に示すように溝135が傾斜面132の下端部側に向いた状態(溝135の開口が斜め上方に向いた状態)のときに、溝135内に1本の長尺ろう材10を受け入れることができる。そして、この状態から所定方向(図2(A)における反時計回り)に回転部133が回転して図2(B)に示すように溝135が斜め下方に向くと、溝135から長尺ろう材10が自然に落下する。
ガイド部137は、溝135から落下した長尺ろう材10を第1受部11に案内する。ガイド部137は、落下した長尺ろう材10が着地する着地面137aと、この着地面137aの下端部につながり第1受部11の上面115の近傍まで斜め下方に延びる後方側面137bと、この後方側面137bの前方Fに位置し、斜め下方に延びる前方側面137cとを含む。
着地面137aは、前方Fに向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面である。この着地面137aは、少なくとも回転部133を下方からカバーする領域に設けられている。後方側面137bと前方側面137cとの間隔は、長尺ろう材10の直径よりも大きく、長尺ろう材10の直径の2倍よりも小さい範囲に調整されている。前方側面137cの上端部は、回転部133の前方Fに位置している。具体的には、前方側面137cの上端部は、回転部133の軸とほぼ同じ高さにある。後方側面137bの下端部と第1受部11の上面115との隙間、及び前方側面137cの下端部と第1受部11の上面115との隙間は、長尺ろう材10の直径よりも小さく、かつ第1受部11が前進後退する際に各下端部が上面115に接触しないように調整されている。
駆動部139は、第1受部11を前進位置Pfと後退位置Prとの間において前進後退させる。後退位置Prは、第1受部11の載置面111がガイド部137の下端と上下方向に対向する位置である(図2(A)の位置)。前進位置Pfは、第1受部11の上面115がガイド部137の下端と上下方向に対向する位置であるとともに、第1受部11に載置された長尺ろう材10が溶接位置Pに送られる位置である(図2(B)の位置)。
駆動部139としては、例えば第1送り機構12と同様のシリンダを用いることができる。この駆動部139は、筒状のシリンダ本体139aと、このシリンダ本体139aの長手方向に沿ってシリンダ本体139aに対して前進後退可能なピストン139bとを有している。ピストン139bの先端部は、第1受部11の後端面に連結されている。ピストン139bがシリンダ本体139aに対して前後方向に移動することにより、第1受部11が前進後退する。
<第2補給機構>
第2補給機構23は、短尺ろう材20を複数本保持可能であり、第2受部21に短尺ろう材20を順次補給する。図3(A)に示すように、第2補給機構23は、保持部231と、ガイド部233と、駆動部235とを有している。
保持部231は、平面視で略長方形の形状を有している。保持部231は、下方に傾斜する傾斜面(上面)232を有している。傾斜面232には、その傾斜方向に各短尺ろう材20の長手方向に直交する方向(短尺ろう材20の径方向)が向くように複数本の短尺ろう材20を載置可能である。したがって、保持部231の横方向Dの幅は、短尺ろう材20の長さよりも若干長くなるように設計されている。
また、保持部231は、傾斜面232の横方向Dの両端辺から上方に起立する起立面を有している。なお、図3(A)〜(D)では、これらの起立面の図示を省略している。これらの起立面が設けられていることにより、傾斜面232に載置された複数の短尺ろう材20は、上述した方向に整列する。また、これらの起立面は、傾斜面232上における各短尺ろう材20の横方向Dの移動を規制することができるので、各短尺ろう材20が保持部231から落下するのを防止できる。
ガイド部233は、傾斜面232に載置された短尺ろう材20を第2受部21に案内する。ガイド部233は、傾斜面232の下端部につながり第2受部21の上面215の近傍まで斜め下方に延びる後方側面233aと、この後方側面233aの前方Fに位置し、斜め下方に延びる前方側面233bとを含む。
後方側面233aと前方側面233bとの間隔は、短尺ろう材20の直径よりも大きく、短尺ろう材20の直径の2倍よりも小さい範囲に調整されている。前方側面233bの上端部は、傾斜面232の下端部よりも上方に位置している。後方側面233aの下端部と第2受部21の上面215との隙間、及び前方側面233bの下端部と第2受部21の上面215との隙間は、短尺ろう材20の直径よりも小さく、かつ第2受部21が前進後退する際に各下端部が上面215に接触しないように調整されている。後方側面233aと前方側面233bと間には、第2受部21に向かって、各短尺ろう材20の長手方向に直交する方向に複数本の短尺ろう材20が1列に並ぶ。
駆動部235は、第2受部21を前進位置Pfと後退位置Prとの間において前進後退させる。後退位置Prは、第2受部21の載置面211がガイド部233の下端と上下方向に対向する位置である(図3(A)の位置)。前進位置Pfは、第2受部21の上面215がガイド部233の下端と上下方向に対向する位置であるとともに、第2受部21に載置された短尺ろう材20が溶接位置Pに送られる位置である(図3(B)の位置)。
駆動部235としては、例えば第1送り機構12と同様のシリンダを用いることができる。この駆動部235は、筒状のシリンダ本体235aと、このシリンダ本体235aの長手方向に沿ってシリンダ本体235aに対して前進後退可能なピストン235bとを有している。ピストン235bの先端部は、第2受部21の後端面に連結されている。ピストン235bがシリンダ本体235aに対して前後方向に移動することにより、第2受部21が前進後退する。
<溶接部>
図1に示すように、溶接部51は、長尺ろう材10をクランプするための第1クランプ部53と、この第1クランプ部53を開閉するクランプ駆動部54と、短尺ろう材20をクランプするための第2クランプ部55と、この第2クランプ部55を開閉するクランプ駆動部56と、第2クランプ部55を第1クランプ部53に対して移動させる駆動部57と、起動ボタン58と、この起動ボタン58を押す押圧部59と、規制部材60と、これらを支持する土台であるベース部61とを備えている。
第1クランプ部53及び第2クランプ部55は、ろう材供給機構41により供給される長尺ろう材10と短尺ろう材20を、これらの端部同士が溶接位置Pにおいて当接した状態でそれぞれクランプする。図1及び図5(A)に示すように、第1クランプ部53は、下方挟持部531と、上方挟持部532と、棒状部533と、軸534と、ばね535と、第1支持部537とを有している。
下方挟持部531は、第1支持部537に固定されており、この第1支持部537はベース部61に固定されている。この下方挟持部531は、上方挟持部532に対向する表面に横方向Dに延びる溝531aを有している。また、上方挟持部532は、溝531aに対向する位置に横方向Dに延びる溝532aを有している。これらの溝531a,532aには、ろう材供給機構41により供給される長尺ろう材10が嵌り込む。上方挟持部532は、下方挟持部531とともに長尺ろう材10を挟み込んでクランプすることが可能である。
棒状部533は、上方挟持部532の端部から斜め上方に延設されている。軸534は、棒状部533の中央付近において棒状部533を回動可能に支持している。ばね535は、棒状部533の上端部の後方Rにおいてこの上端部に隣接する位置に設けられている。ばね535は、棒状部533の上端部を押圧して下方挟持部531と上方挟持部532が閉じる方向に棒状部533を付勢している。棒状部533の上端部は、樹脂製のカバー536により覆われている。
第2クランプ部55は、下方挟持部551と、上方挟持部552と、棒状部553と、軸554と、ばね555と、支持部557とを有し、第1クランプ部53と同様の構造を有している。下方挟持部551は、第2支持部557に固定されており、この第2支持部557はベース部61に固定されている。下方挟持部551及び上方挟持部552は、溝551a及び溝552aを有している。これらの溝551a,552aには、ろう材供給機構41により供給される短尺ろう材20が嵌り込む。棒状部553の上端部は、樹脂製のカバー556により覆われている。第2クランプ部55のその他の構成については、図5(A)において第1クランプ部53の対応する構成の符号の横にかっこ書きで符号を記載してその説明を省略する。
第1クランプ部53における下方挟持部531、上方挟持部532及び棒状部533は、電気伝導性を有する金属により形成されており、図略の電源に接続されている。同様に、第2クランプ部における下方挟持部551、上方挟持部552及び棒状部553は、電気伝導性を有する金属により形成されており、図略の電源に接続されている。これにより、長尺ろう材10の端部及び短尺ろう材20の端部に電流を供給できる。
クランプ駆動部54は、第1クランプ部53の上端部の前方Fにおいてこの上端部に隣接する位置に設けられている。第1クランプ部53の上端部は、クランプ駆動部54とばね535とにより挟まれている。クランプ駆動部54としては、例えば第1送り機構12と同様のシリンダを用いることができる。
このクランプ駆動部54は、筒状のシリンダ本体541と、このシリンダ本体541の軸方向に沿ってシリンダ本体541に対して前進後退可能なピストン542とを有している。第2クランプ部55を開閉するクランプ駆動部56は、第1クランプ部53のクランプ駆動部54と同様の構成であるので、図5(A)中の対応する箇所にカッコ書きで符号を記載してその説明を省略する。
第2クランプ部55を支持する第2支持部557は、その下端部付近に設けられた図略の軸を中心にして図6(B)に二点鎖線で記載した矢印の方向に回動可能な構造を有している。図6(A)の状態から第2支持部557が右方向に回動して第2支持部557が図6(B)に示す位置に移動すると、第2クランプ部55は、第1クランプ部53から離隔し、第2クランプ部55の棒状部553は、第1クランプ部53の棒状部533となす角が角度θとなる。このように第2支持部557を移動させる機構は次の通りである。
第2支持部557は、ばね63によって第1支持部537側に付勢されている。ばね63の一端631は、ベース部61に固定された支柱64に固定されており、ばね63の他端632は、第2支持部557における第1支持部537に対向する側面に固定されている。第2支持部557の上端部の近傍には、駆動部57が配置されている。
駆動部57としては、例えば第1送り機構12と同様のシリンダを用いることができる。この駆動部57は、筒状のシリンダ本体571と、このシリンダ本体571の軸方向に沿ってシリンダ本体571に対して前進後退可能なピストン572と、このピストン572の先端に配置された嵌合部573とを有している。この嵌合部573は、ピストン572の幅よりも大きな幅を有しており、ピストン572の軸方向に垂直な方向にピストン572よりも外側に張り出している。
第2クランプ部55の棒状部553の側面553aには、筒状体62が固定されている。この筒状体62は、ピストン572の軸方向に略平行な方向に筒状体62を貫通する貫通口を有している。この貫通口内には、ピストン572及び嵌合部573が配置されている。また、筒状体62の側部には、嵌合部573が嵌合可能な嵌合穴63が形成されている。
図1に示すように、起動ボタン58は、ベース部61上に固定された支持部65の側面に固定されている。押圧部59は、起動ボタン58の側方に配置されている。図1及び図7(A)に示すように、押圧部59は、駆動部66と回動棒67とを有している。駆動部66は、シリンダ本体661とピストン662とを有している。
回動棒67は、横方向Dに沿って延びる棒状の部材であり、その一端が起動ボタン58の表面に当接又は近接している。回動棒67の他端の近傍には、ピストン662の軸方向が横方向Dに略垂直な方向に延びる姿勢で駆動部66が配置されている。回動棒67は、その長手方向のほぼ中央に挿通された軸671を中心に回動可能である。この軸671は、ベース部61に固定された支持部68(図1参照)に支持されている。
規制部材60は、長尺ろう材10と短尺ろう材20が溶接位置Pにおいて溶接され、第1クランプ部53及び第2クランプ部55によるクランプが解除された後、長尺ろう材10と短尺ろう材20が一体化したろう材が落下する際に、このろう材の姿勢が傾斜するのを規制する。
図8(A)及び図9に示すように、本実施形態では、規制部材60は、棒状の部材であり、第2クランプ部55の下方挟持部551と第2受部21との間に配置されている。規制部材60の下端部はベース部61に固定されている。規制部材60の長手方向は、横方向Dにほぼ垂直な方向に向いており、下端部から上端部に向かうにつれて前方Fに位置するように斜め上方に傾斜している。
制御部31は、中央処理装置(CPU)、プログラムなどのデータが記憶されているメモリ、プログラム実行時のデータなどを記憶するためのメモリなどで構成されている。制御部31は、例えば後述する図10〜図13に示す順序に従って各段階を逐次進めていくシーケンス制御を実行する。
<動作>
次に、自動溶接装置71の動作の一例について説明する。図10〜図13は、自動溶接装置71を用いて長尺ろう材10と短尺ろう材20の端部同士を接合する手順を示す正面図である。
まず、図10(A)に示すように、作業者は、保持部131に複数本の長尺ろう材10を供給し、保持部231に複数本の短尺ろう材20を供給し、自動溶接装置71の溶接開始ボタン73を押す。これにより、自動溶接装置71の運転が開始される。
次に、図10(B)に示すように、制御部31は、駆動部57を制御して第2支持部557を右方向に回動させ、第2クランプ部55を第1クランプ部53から離隔させる。具体的な動作は次の通りである。
まず、図6(A)に示す初期状態から駆動部57のピストン572がシリンダ本体571側に後退し始める。このとき、第2クランプ部55の棒状部553は静止したままである。そして、ピストン572がさらに後退して嵌合部573が筒状体62の嵌合穴63の位置まで到達すると、嵌合部573が嵌合穴63に嵌合する。嵌合部573が嵌合穴63に嵌合すると、筒状体62は、ピストン572に引っ張られてピストン572の動きと連動するようになる。
そして、ピストン572がさらに後退すると、第2支持部557は、その下端部付近に設けられた図略の軸を中心にして右方向に回動するので、第2クランプ部55は、第1クランプ部53から離れる。ピストン572の後退動作は、ピストン572が予め設定された位置(図6(B)に示す位置)まで到達すると完了する。このとき第2クランプ部55の棒状部553は、第1クランプ部53の棒状部533となす角が角度θとなる位置に配置されている。
次に、図10(B)に示すように、制御部31は、クランプ駆動部54を制御して第1クランプ部53の上方挟持部532が下方挟持部531から離れる方向に第1クランプ部53を動作させる。また、制御部31は、クランプ駆動部56を制御して第2クランプ部55の上方挟持部552が下方挟持部551から離れる方向に第2クランプ部55を動作させる。具体的な動作は次の通りである。
まず、図5(A)に示す初期状態からクランプ駆動部54(56)のピストン542(562)が突出する方向に移動すると、ピストン542(562)の先端部が棒状部533(553)の上端部を押圧する。押圧された棒状部533(553)は、軸534(554)を中心に回動し、上方挟持部532(552)が下方挟持部531(551)から離れる方向に移動する。これにより、図5(B)に示すように、上方挟持部532(552)と下方挟持部531(551)との間に長尺ろう材10(短尺ろう材20)が入り込むことができる隙間が形成される。
次に、制御部31は、第1補給機構13及び第2補給機構23を制御して長尺ろう材10と短尺ろう材20を、溶接位置Pを挟んで互いに直線状に並ぶ所定位置にそれぞれ配置する。具体的な動作は次の通りである。
まず、第1補給機構13において、後退位置Prにある第1受部11の載置面111に長尺ろう材10が補給される。そして、回転部133は、図2(A)に示すように溝135が斜め上方に向いた状態(傾斜面132の下端部側に向いた状態)まで回転し、溝135内に1本の長尺ろう材10を受け入れる。
ついで、図2(B)に示すように、駆動部139のピストン139bが予め設定された長さだけ前進することにより、第1受部11が前進位置Pfまで前進して長尺ろう材10が前記所定位置に配置される。この動作とほぼ同時に回転部133は、溝135が斜め下方に向くまで回転し、溝135から長尺ろう材10を落下させる。このとき、図2(C)に示すように、第1受部11には、載置面111に1本の長尺ろう材10が載置されているとともに、上面115に1本の長尺ろう材10が載置されている。
一方、第2補給機構23において、図3(A)に示すように第2受部21が後退位置Prにあるときには、載置面211に1本の短尺ろう材20が載置されている。ついで、図3(B)に示すように、駆動部235のピストン235bが予め設定された長さだけ前進することにより、第2受部21が前進位置Pfまで前進して短尺ろう材20が前記所定位置に配置される。
次に、図10(C)に示すように、制御部31は、第1送り機構12を制御して第1受部11に載置された長尺ろう材10を、その端部が溶接位置Pに位置するように溶接位置P側に送る。具体的な動作は次の通りである。
第1受部11が前進位置Pfにあるときには、第1送り機構12のピストン122と、載置面111に載置された長尺ろう材10とは、ほぼ直線状に並んでいる。また、第1クランプ部53は、図5(B)に示すように開いた状態にある。この状態で第1送り機構12のピストン122が予め設定された長さだけ前進することにより、ピストン122に長尺ろう材10が押圧され、図4(A)に示すように長尺ろう材10の端部が溶接位置Pに配置される。このとき、長尺ろう材10は、下方挟持部531の溝531a及び上方挟持部532の532aに嵌り込んでいる。
次に、図11(A)に示すように、制御部31は、クランプ駆動部54を制御して長尺ろう材10をクランプする。具体的には、制御部31は、ピストン122が前進端まで前進したことを示す信号を受けると、図5(C)に示すようにクランプ駆動部54を制御してピストン542を後退させる。これにより、ピストン542の先端部が棒状部533の上端部から離れてピストン542による押圧が解除される。棒状部533は、ばね535に付勢されているので、軸534を中心に回動する。その結果、上方挟持部532が下方挟持部531に近づく方向に移動して上方挟持部532と下方挟持部531によって長尺ろう材10がクランプされる。
次に、制御部31は、クランプ駆動部54のピストン542が後退端まで後退したことを示す信号を受けると、図11(B)に示すように第2送り機構22を制御して第2受部21に載置された短尺ろう材20を、その端部が溶接位置Pに位置するように溶接位置P側に送る。具体的な動作は次の通りである。
第2受部21が前進位置Pfにあるときには、第2送り機構22のピストン222と、載置面211に載置された短尺ろう材20とは、ほぼ直線状に並んでいる。また、第2クランプ部55は、図5(B)に示すように開いた状態にある。この状態でピストン222が前進することにより、ピストン222に短尺ろう材20が押圧され、図4(B)に示すように短尺ろう材20の端部が長尺ろう材10の端部に当接して溶接位置Pに配置される。このとき、短尺ろう材20は、下方挟持部551の溝551a及び上方挟持部552の552aに嵌り込んでいる。
本実施形態では、前述したように第1送り機構12は、予め設定されたピストン122の移動距離に基づいて制御される一方で、第2送り機構22は、ピストン222の移動距離ではなく、経過時間に基づいて制御される。また、第1送り機構12により長尺ろう材10を押圧する押圧力を、第2送り機構22により短尺ろう材20を押圧する押圧力よりも大きくしている。例えば、前者の押圧力を5kg程度に設定し、後者の押圧力を3kg程度に設定するという設定条件を挙げることができる。第2送り機構22の制御について具体的に説明する。
制御部31は、ピストン222の前進を開始し、ピストン222がある基準位置を通過してから所定時間(例えば2秒)が経過するまではピストン222によって短尺ろう材20を押圧しづつけるように第2送り機構22を制御する。短尺ろう材20の端部は、前記所定時間内に長尺ろう材10に端部に当接し、その後も短尺ろう材20は、前記所定時間が経過するまではピストン222によって押圧されつづける。しかし、長尺ろう材10を押圧する押圧力が、第2送り機構22により短尺ろう材20を押圧する押圧力よりも大きいので、短尺ろう材20は、その端部が長尺ろう材10の端部に当接した時点で停止する。このような制御を行うことによって、短尺ろう材20の長さにばらつきがある場合であっても、長尺ろう材10の端部及び短尺ろう材20の端部を溶接位置Pに正確に配置することができる。前記所定時間は、すべての短尺ろう材20の端部が前記所定時間内に長尺ろう材10の端部に到達するように、短尺ろう材20の寸法ばらつきの程度に応じて設定される。
次に、制御部31は、前記所定時間が経過すると、図4(B)及び図11(C)に示すようにクランプ駆動部56を制御して短尺ろう材20をクランプする。このクランプ動作は、クランプ駆動部54の動作と同様であるので、説明を省略する。
次に、制御部31は、クランプ駆動部56のピストン562が後退端まで後退したことを示す信号を受けると、図4(D)及び図12(A)に示すように第1送り機構12及び第2送り機構22を制御してピストン122及びピストン222を後退させる。
次に、制御部31は、ピストン122及びピストン222が後退端まで後退したことを示す信号を受けると、図12(B)に示すように駆動部57を制御してピストン572を前進させる。具体的には、図6(B)に示す状態から駆動部57のピストン572が前進し始めるとき、長尺ろう材10及び短尺ろう材20は、端部同士が当接した状態であり、かつ第1クランプ部53及び第2クランプ部55にクランプされた状態である。したがって、ピストン572が前進し始めると、図6(C)に示すように嵌合部573と筒状体62の嵌合穴63との嵌合が解除され、第2クランプ部55の棒状部553及び筒状体62は、第1クランプ部53の棒状部533側には移動せずに静止した状態を維持する。
次に、制御部31は、ピストン572が予め設定された前進端まで前進したことを示す信号を受けると、図12(C)に示すように押圧部59を制御して起動ボタン58を押す。具体的な動作は次の通りである。
駆動部66のピストン662が図7(A)に示す初期位置から前進すると、図7(B)に示すように回動棒67の他端に当接する。そして、ピストン662がさらに前進すると、回動棒67が軸671を中心に回動して回動棒67の一端の角部が起動ボタン58を押し込む。このように本実施形態では、起動ボタン58を押す動作が自動で行われ、作業者が溶接部51周辺のボタンを押す必要がないので、安全性に優れている。
制御部31は、起動ボタン58が押されたことを示す信号を受けると、図略の電源から例えば第1クランプ部53の上方挟持部532と第2クランプ部55の上方挟持部552との間に予め設定された大きさの電圧が印加される。これにより、長尺ろう材10の端部及び短尺ろう材20の端部に電流が流れる。
このとき、第2支持部557は、図6(C)に示すようにばね63によって第1支持部537側に付勢されているので、短尺ろう材20は、長尺ろう材10側に付勢されている(図14(A))。したがって、電流が流れて長尺ろう材10の端部及び短尺ろう材20の端部の温度が上昇すると前記端部が溶融して付勢力の方向に変形するので、第2支持部557が第1支持部537側に移動し、短尺ろう材20が長尺ろう材10側に移動する(図6(D))。これにより、長尺ろう材10と短尺ろう材20の端部同士が溶接(溶着)される。溶接されて一体化したろう材Bは、前述したように付勢されながら溶着するので、図14(B)に示すように半径方向外側に広がるように変形している。この溶接時に短尺ろう材20が長尺ろう材10側に移動する距離は、前記角度θを調節することによって適宜調整可能である。この距離は、例えば1mm程度に調整することができる。
次に、制御部31は、溶接が完了したことを示す信号を受けると、図13(A)に示すように押圧部59を制御してピストン662を後退させ、図7(D)に示すように回動棒67を初期位置に戻す。
また、制御部31は、図2(D)に示すように駆動部139を制御して第1受部11を後退位置Prに後退させる。図2(E)に示すように第1受部11が後退位置Prに配置されると、上面115に載置されていた長尺ろう材10が載置面111に載置される。また、これとほぼ同時に、制御部31は、回転部133を所定方向(図2(E)における時計回り)に回転させて溝135に1本の長尺ろう材10を収容する。また、制御部31は、図3(D)に示すように駆動部235を制御して第2受部21を後退位置Prに後退させる。
次に、制御部31は、第1受部11及び第2受部21が後退位置Prに後退したことを示す信号を受けると、図5(E)及び図13(B)に示すように、クランプ駆動部54及びクランプ駆動部56を制御して第1クランプ部53及び第2クランプ部55によるクランプを解除する。クランプが解除されると、溶接により一体化されたろう材Bは下方に自然落下する。
一体化したろう材Bは、長い方の長尺ろう材10側に重心があるので、図8(B)に示すように落下する際に姿勢が傾斜しやすい。このように溶接後のろう材Bの姿勢が傾斜すると、図8(D)に示すようにろう材Bが溶接装置の一部にひっかかることがある。そこで、本実施形態では、短尺ろう材20側の部位の上方に規制部材60が設けられているので、図8(B)に示すように短尺ろう材20側の部位が規制部材60に当接すると、この部位がそれ以上上方には移動するのを規制できる。これにより、図8(C)に示すように、一体化されたろう材Bを円滑に下方に落下させて回収することができる。
最後に、制御部31は、第1クランプ部53及び第2クランプ部55によるクランプが解除されたことを示す信号を受けてから所定時間経過後(例えば2秒後)に、クランプ駆動部54及びクランプ駆動部56を制御して第1クランプ部53及び第2クランプ部55を閉じる(図5(F)及び図13(C))。以上で自動溶接装置の1サイクルの動作が完了する。
<実施の形態の概要>
前記実施形態をまとめると、以下の通りである。
前記実施形態では、第1送り機構12と第2送り機構22とが制御部31により制御されることによって、第1受部11に載置された長尺ろう材10を溶接位置Pに送り、第2受部21に載置された短尺ろう材20を溶接位置Pに送って長尺ろう材10の端部と短尺ろう材20の端部とを当接させることができる。このように本実施形態では、従来、作業者の手作業により行われていたろう材の位置合わせ作業をろう材供給機構によって自動で行うことができるので、この作業に要していた作業者の作業時間を削減することができる。これにより、ろう材の端部同士の接合にかかるコストを低減することができる。また、自動化により溶接の効率が向上すれば、燃料(酸素、天然ガスなど)の使用量を低減してコストダウンを図ることができる。
また、前記実施形態では、第1受部11は、長尺ろう材10の長手方向が溶接位置Pに向いた姿勢を維持したまま長尺ろう材10を溶接位置Pに案内可能な側面113を有しており、第2受部21は、短尺ろう材20の長手方向が溶接位置Pに向いた姿勢を維持したまま短尺ろう材20を溶接位置Pに案内可能な側面213を有している。したがって、長尺ろう材10及び短尺ろう材20は、対応する側面213により溶接位置Pに正確に案内される。これにより、長尺ろう材10及び短尺ろう材20の位置合わせの精度をより向上させることができるので、接合品質のばらつき(溶接箇所の位置ずれ、ろう材のたれなど)を低減することができる。また、接合品質が向上すれば、ろう材を用いて実際にろう付けを行う際に、部品(例えば配管など)に異物が混入したり、部品にろう材がたれて付着するなどの不具合が生じるのを抑制できる。また、接合品質が向上すれば、ろう付け作業中にろう材の接合箇所が割れるなどの不具合が生じるのを抑制できる。
また、前記実施形態では、制御部31は、第1補給機構13を制御して、回転部133の溝135に長尺ろう材10が収容された状態で溝135が斜め下方又は下方に向くまで回転部133を回転させることにより、長尺ろう材10を溝135から落下させて長尺ろう材10を第1受部11に補給する。したがって、本実施形態では、保持部131に複数本の長尺ろう材10を保持させておくことにより、長尺ろう材10を1本ずつ第1受部11に補給することができる。
また、この回転部133を用いることにより、ろう材が長尺である場合であっても、第1受部11にろう材を1本ずつ円滑に供給することができる。すなわち、長尺のろう材は必然的に湾曲しやすい。したがって、湾曲の度合いが大きい場合には、第2補給機構23のような補給機構を用いるとガイド部233の内部でろう材がつまってしまうことがある。一方、第1補給機構13では、回転部133の溝135に1本ずつ収容する形態であるので、上記のようなつまりが生じるのを抑制できる。
また、前記実施形態では、回転部133を備えているので、長尺ろう材10は、回転部133の溝135に収容され、回転部133の回転によって溝135から第1受部11側に自然落下する。これにより、長尺ろう材10を1本ずつ第1受部11側に送ることができる。
また、前記実施形態では、回転部133の溝135から第1受部11側に落下した長尺ろう材10がガイド部137に第1受部11の上面115に案内され、第1受部11を後退位置Prに移動させることにより、第1受部11の載置面111に長尺ろう材10を載置することができる。
また、前記実施形態では、第2補給機構23を備えているので、ガイド部233に複数本の短尺ろう材20を保持させておくことにより、短尺ろう材20を1本ずつ第2受部21の前記段差に補給することができる。
また、前記実施形態では、ろう材供給機構41により供給される長尺ろう材10と短尺ろう材20を、これらの端部同士が当接した状態でクランプ部53によってクランプすることができ、このようにクランプされた状態で長尺ろう材10の端部及び短尺ろう材20の端部に電流を供給することができる。これにより、長尺ろう材10の端部と短尺ろう材20の端部が溶接される。
また、前記実施形態では、ろう材の落下時に姿勢が傾斜するのを規制する規制部材60を備えているので、たとえ長尺ろう材10と短尺ろう材20の長さが異なる場合であっても、溶接後のろう材を円滑に回収することができる。
また、前記実施形態では、制御部31は、まず、規定長さを有する長尺ろう材10を溶接位置Pに向かって予め定められた距離だけ送ってクランプし、その後、短尺ろう材20の端部が長尺ろう材10の端部に当接するまで短尺ろう材20を溶接位置Pに向かって送ってクランプする。したがって、たとえ短尺ろう材20の長さが一定ではなくても、長尺ろう材10及び短尺ろう材20を正確に位置決めすることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば、前記実施形態では、第1ろう材が規定の長さを有する長尺のろう材であり、第2ろう材がある程度の範囲内でばらつきのある長さを有する短尺ろう材である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、第2ろう材が規定の長さを有するものであってもよい。また、第1ろう材がばらつきのある長さを有するものであってもよい。また、第1ろう材と第2ろう材が同程度の長さであってもよい。また、第2ろう材の方が第1ろう材よりも長くてもよい。また、第1ろう材及び第2ろう材は、円柱形状に限定されず、例えば角柱形状であってもよい。さらに、第1ろう材と第2ろう材の太さは異なっていてもよい。
また、前記実施形態では、第1送り機構及び第2送り機構としてシリンダを用いた場合を例示したが、これに限定されない。
また、シリンダのピストンの先端には、樹脂製のカバーが取り付けられていてもよい。また、第1受部11の載置面111、第2受部21の載置面211、溶接後のろう材Bが落下して着地する図略の着地面などには、樹脂製のカバーを取り付けてろう材の滑りをよくすることもできる。
10 長尺ろう材
11 第1受部
111 載置面
113 側面
115 上面
12 第1送り機構
13 第1補給機構
131 保持部
132 傾斜面
133 回転部
135 溝
137 ガイド部
20 短尺ろう材
21 第2受部
211 載置面
213 側面
215 上面
22 第2送り機構
23 第2補給機構
231 保持部
232 傾斜面
233 ガイド部
235 駆動部
31 制御部
41 ろう材供給機構
51 溶接部
53 第1クランプ部
55 第2クランプ部
60 規制部材
71 自動溶接装置

Claims (9)

  1. 規定の長さを有する棒状の第1ろう材(10)と前記第1ろう材(10)よりも短くてばらつきのある長さを有する棒状の第2ろう材(20)の端部同士を溶接する溶接装置に用いられ、前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)を供給するためのろう材供給機構であって、
    前記第1ろう材(10)が載置される載置面(111)を有する第1受部(11)と、
    前記溶接装置において前記端部同士が溶接される溶接位置(P)を挟んで前記第1受部(11)に対向する位置に設けられ、前記第2ろう材(20)が載置される載置面(211)を有する第2受部(21)と、
    シリンダ本体と、このシリンダ本体に対して前進後退可能なピストンとを有し、このピストンが前進移動することによって前記第1受部(11)に載置された前記第1ろう材(10)の他端部を押して前記第1ろう材(10)を前記溶接位置(P)に送る第1送り機構(12)と、
    シリンダ本体と、このシリンダ本体に対して前進後退可能なピストンとを有し、このピストンが前進移動することによって前記第2受部(21)に載置された前記第2ろう材(20)の他端部を押して前記第2ろう材(20)を前記溶接位置(P)に送る第2送り機構(22)と、
    前記第1送り機構(12)の前記ピストンを制御して、前記規定の長さに基づいて予め定められた距離だけ前記第1ろう材を送った後、前記第1ろう材をクランプし、その後、前記第2送り機構の前記ピストンを制御して、ばらつきのある長さを有する前記第2ろう材の何れもが前記第1ろう材の一端部に当接するように予め定められた時間の間、第2ろう材を押圧しつづけることにより、前記第1ろう材(10)の端部と前記第2ろう材(20)の端部とを前記溶接位置(P)において当接させた後、前記第2ろう材をクランプする制御部(31)と、を備えているろう材供給機構。
  2. 前記第1受部(11)の前記載置面(111)は、前記溶接位置(P)に向かって延び、前記第1ろう材(10)の長手方向が前記溶接位置(P)に向いた姿勢で前記第1ろう材(10)を載置可能であり、
    前記第1受部(11)は、その載置面(111)から上方又は斜め上方に起立する側面(113)をさらに有し、この側面(113)は、前記第1ろう材(10)の長手方向が前記溶接位置(P)に向いた姿勢を維持したまま前記第1ろう材(10)を前記溶接位置(P)に案内可能であり、
    前記第2受部(21)の前記載置面(211)は、前記溶接位置(P)に向かって延び、前記第2ろう材(20)の長手方向が前記溶接位置(P)に向いた姿勢で前記第2ろう材(20)を載置可能であり、前記溶接位置(P)を挟んで前記第1受部(11)の前記載置面(111)とほぼ直線状に並び、
    前記第2受部(21)は、その載置面(211)から上方又は斜め上方に起立する側面(213)をさらに有し、この側面(213)は、前記第2ろう材(20)の長手方向が前記溶接位置(P)に向いた姿勢を維持したまま前記第2ろう材(20)を前記溶接位置(P)に案内可能である、請求項1に記載のろう材供給機構。
  3. 前記第1ろう材(10)を複数本保持可能であり、前記第1受部(11)に前記第1ろう材(10)を順次補給する第1補給機構(13)をさらに備え、
    前記第1補給機構(13)は、
    下方に傾斜する傾斜面(132)を有し、この傾斜面(132)の傾斜方向に各第1ろう材(10)の長手方向に直交する方向が向くように複数本の前記第1ろう材(10)を前記傾斜面(132)上に載置可能な保持部(131)と、
    前記傾斜面(132)の下端部に隣接した位置に配置され、その軸方向が前記保持部(131)に載置される前記第1ろう材(10)の長手方向とほぼ平行な方向に向く円柱形状を有し、その側面(113)に1本の前記第1ろう材(10)を収容可能な溝(135)が形成され、軸回りに回転可能な回転部(133)と、を有している請求項1又は2に記載のろう材供給機構。
  4. 前記制御部(31)は、前記第1補給機構(13)を制御して前記回転部(133)を回転させ、前記溝(135)を前記傾斜面(132)の下端部側に向けて前記溝(135)に前記第1ろう材(10)を収容した後、前記溝(135)が斜め下方又は下方に向くまで前記回転部(133)を回転させ、前記第1ろう材(10)を前記溝(135)から前記第1受部(11)側に落下させる、請求項3に記載のろう材供給機構。
  5. 前記第1補給機構(13)は、前記第1受部(11)に向かって下方又は斜め下方に延設されるとともに、前記回転部(133)の前記溝(135)から前記第1受部(11)側に落下した前記第1ろう材(10)を前記第1受部(11)に補給するガイド部(137)をさらに有し、
    前記第1受部(11)は、前記ガイド部(137)の延設方向に交わる方向に前進後退可能であり、その前端部に前記載置面(111)が形成されており、この載置面(111)よりも後端側には前記載置面(111)よりも上方に上がる段差を介して上面(115)がさらに形成されており、
    前記上面(115)と前記ガイド部(137)の下端との隙間は、前記第1ろう材(10)の直径よりも小さく、
    前記第1補給機構(13)は、前記第1受部(11)を前進位置と後退位置との間において前進後退させる駆動部(139)をさらに有し、
    前記後退位置は、前記第1受部(11)の前記載置面(111)が前記ガイド部(137)の下端と上下方向に対向する位置であり、
    前記前進位置は、前記第1受部(11)の前記上面(115)が前記ガイド部(137)の下端と上下方向に対向する位置であるとともに、前記第1受部(11)に載置された前記第1ろう材(10)が前記溶接位置(P)に送られる位置である、請求項4に記載のろう材供給機構。
  6. 前記第2ろう材(20)を複数本保持可能であり、前記第2受部(21)に前記第2ろう材(20)を順次補給する第2補給機構(23)をさらに備え、
    前記第2補給機構(23)は、前記第2受部(21)に向かって下方又は斜め下方に延設されるとともに、各第2ろう材(20)の長手方向に直交する方向に複数本の前記第2ろう材(20)が1列に並ぶように保持されるガイド部(233)を有し、
    前記第2受部(21)は、前記ガイド部(233)の延設方向に交わる方向に前進後退可能であり、その前端部に前記載置面(211)が形成されており、この載置面(211)よりも後端側には前記載置面(211)よりも上方に上がる段差を介して上面(215)がさらに形成されており、
    前記上面(215)と前記ガイド部(233)の下端との隙間は、前記第2ろう材(20)の直径よりも小さく、
    前記第2補給機構(23)は、前記第2受部(21)を前進位置と後退位置との間において前進後退させる駆動部(235)をさらに有し、
    前記後退位置は、前記第2受部(21)の前記載置面(211)が前記ガイド部(233)の下端と上下方向に対向する位置であり、
    前記前進位置は、前記第2受部(21)の前記上面(215)が前記ガイド部(233)の下端と上下方向に対向する位置であるとともに、前記第2受部(21)に載置された前記第2ろう材(20)が前記溶接位置(P)に送られる位置である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のろう材供給機構。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のろう材供給機構(41)と、
    前記溶接位置(P)において前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)を溶接する溶接部(51)と、を備えた自動溶接装置であって、
    前記溶接部(51)は、前記ろう材供給機構(41)により供給される前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)を、これらの端部同士が当接した状態でクランプするクランプ部(53)を有し、前記クランプ部(53)によりクランプされた前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)の端部に電流を供給可能なように構成されている自動溶接装置。
  8. 前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)が前記溶接位置(P)において溶接され、前記クランプ部(53)によるクランプが解除された後、前記第1ろう材(10)と前記第2ろう材(20)が一体化したろう材が落下する際に、このろう材の姿勢が傾斜するのを規制する規制部材(60)をさらに備えている、請求項7に記載の自動溶接装置。
  9. 前記制御部(31)は、
    前記第1送り機構(12)を制御して前記第1ろう材(10)を前記溶接位置(P)に向かって、前記第1ろう材(10)の規定長さに基づいて予め定められた距離だけ送った後、前記クランプ部(53)を制御して前記第1ろう材(10)をクランプし、
    その後、前記第2送り機構(22)を制御して前記第2ろう材(20)の端部が前記第1ろう材(10)の端部に当接するまで前記第2ろう材(20)を前記溶接位置(P)に向かって送った後、前記クランプ部(53)を制御して前記第2ろう材(20)をクランプし、
    その後、前記第1ろう材(10)の端部及び前記第2ろう材(20)の端部に電流を供給する、請求項7又は8に記載の自動溶接装置。
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