JP5391997B2 - 張り剛性に優れた複合パネル - Google Patents

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本発明は、2枚の鋼板を貼着した複合パネルに関し、例えば自動車用のルーフやドアパネルのように広い面積を有し、かつ緩やかな曲面で構成されるパネル部材に好適な、張り剛性に優れた複合パネルに関する。
近年、環境負荷低減を目的として、自動車の車両の軽量化を実現し得る車体構造の開発が急務の課題になっている。軽量化の有効な一手段として、材料強度を高めて薄肉化を図る方法があり、ハイテンと呼ばれる高張力鋼板の適用が進められている。一方、ハイテン化による鋼板の薄肉化は、部材の剛性は強度には依存せず、板厚とヤング率に依存することから限界がある。
特にパネル部材の場合には張り剛性の低下がネックとなり、更なる薄肉化は困難である。これまで、パネル部材の剛性を高めるために、成形方法の改良(例えば、特許文献1)や、鋼板と鋼板の間、または構造体の間に樹脂を接着する方法(例えば、特許文献2〜4)が提案されている。
しかし、これらは、鋼板自体の剛性を高めるものではない。鋼板の剛性は、ヤング率と相関があり、鋼板の結晶方位の制御により、特定の方向のヤング率を向上させる技術が、本発明者らによる提案を始め、数多く提案されている(例えば、特許文献5〜7)。
特開平4−357261号公報 特開昭58−177745号公報 特開平2−182448号公報 特開平6−171001号公報 特開平9−53118号公報 特開平4−147917号公報 特開2005−273001号公報
しかし、従来技術では、面内のあらゆる方向のヤング率を同様に向上させることは困難であった。そのため、単一の鋼板を用いて三次元的な形状を有するパネルの張り剛性を向上させることは極めて困難である。本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、2枚の鋼板を貼着した、張り剛性に優れた複合パネルを提供するものである。
本発明者らは、同種の2枚の鋼板を貼合する場合に比べ、弾性主軸の向きが異なる2種類の鋼板、即ち、幅方向のヤング率が高い第1の鋼板と、圧延方向に対して55°方向のヤング率が高い第2の鋼板とを、圧延方向同士の角度が90°になるように貼合すると、張り剛性が更に向上することを見出した。本発明において弾性主軸とは、鋼板面内でヤング率が最大になる軸を意味する。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 2枚の鋼板を貼着した複合パネルであって、第1の鋼板の成分が、質量%で、
C:0.0005%以上、0.150%以下、
Mn:0.05%以上、2.50%以下、
を含有し、
P:0.200%以下、
S:0.0200%以下、
N:0.0100%以下、
Si:2.00%以下、
Al:0.15%以下、
に制限し、更に、
Ti:0.005〜0.150%、
Nb:0.001〜0.100%、
V:0.005〜0.100%、
B:0.0001〜0.0100%
の1種又は2種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなり、該第1の鋼板の1/2板厚部での{211}<011>方位のX線ランダム強度比が5以上であり、該第1の鋼板の幅方向のヤング率が最大で、かつ225〜290GPaであり、第2の鋼板の成分が、質量%で、
C:0.0003〜0.250%、
Mn:0.20%〜4.00%、
Al:1.50%超〜10.00%
を含有し、
Si:2.20%以下、
P:0.200%以下、
S:0.0500%以下、
N:0.0150%以下
に制限し、更に、
Bi:0.001〜0.300%、
Pb:0.001〜0.300%、
Sb:0.001〜0.300%、
Sn:0.0005〜0.300%
の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、該第2の鋼板の1/2板厚部における{110}<001>方位のX線ランダム強度比が6以上であり、該第2の鋼板の圧延方向に対して55°方向のヤング率が最大で、かつ225〜290GPaであり、前記第1の鋼板の圧延方向と該第2の鋼板の圧延方向とが直角であることを特徴とする張り剛性に優れた複合パネル。
(2) 第1の鋼板の成分が、更に質量%で、
Cr:3.00%以下、
Cu:0.35%以下、
Ni:1.00%以下、
Mo:1.00%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)に記載の張り剛性に優れた複合パネル。
(3) 第2の鋼板の成分が、更に質量%で、
Ti:0.150%以下、
Nb:0.150%以下、
V:0.150%以下、
Cr:3.00%以下、
Ni:3.00%以下、
Mo:3.00%以下、
Cu:3.00%以下、
B:0.0060%以下
の1種又は2種を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の張り剛性に優れた複合パネル。
(4) 貼着する第1の鋼板の板厚a[mm]と、第2の鋼板の板厚b[mm]とが、
0≦|a−b|/(a+b)≦0.6、
0.5mm≦a+b≦2.0mm
を満足することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の張り剛性に優れた複合パネル。
(5) 第1の鋼板及び第2の鋼板が冷延鋼板であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の張り剛性に優れた複合パネル。
(6) 第1の鋼板及び第2の鋼板の一方又は双方が溶融亜鉛めっき冷延鋼板であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の張り剛性に優れた複合パネル。
本発明は、弾性主軸方向が異なる2種類の鋼板、即ち、幅方向のヤング率が高い第1の鋼板と、圧延方向に対して55°方向のヤング率が高い第2の鋼板とを、圧延方向を直角にして貼り合わせた複合パネルである。
本発明によれば、板面内のいずれの方向においても高いヤング率が得られ、高い張り剛性を有するパネルを、より容易に得ることが可能となる。特に、同種の2枚の鋼板の弾性主軸を傾斜させて貼合した複合パネルと比較すると、2枚の鋼板の板厚の合計が同等の場合は張り剛性が向上し、張り剛性が同等の場合は板厚を減少させることができる。また、鋼板の切断方向を圧延方向に対して傾斜させる必要がないため、生産性も向上し、かつ歩留まりも向上する。
したがって、本発明によれば、自動車などのパネル部材の張り剛性を高めることができ、または薄肉化が可能となり、自動車の軽量化および燃費向上に寄与するなど、産業上の貢献が極めて顕著である。
第1の鋼板のヤング率の面内異方性を説明するためのグラフである。 第2の鋼板のヤング率の面内異方性を説明するためのグラフである。 弾性主軸間角度が曲げ剛性に及ぼす影響を示したグラフである。 複合パネルの荷重と押し込み量との関係を示したグラフである。 結晶方位分布関数(ODF)の表示である。 板厚の合計と張り剛性との関係を示したグラフである。
パネルの張り剛性は、次式(式1)に示したように、板厚及びヤング率との相関があることが知られている。
S∝E.t ・・・(式1)
ここで、Sは張り剛性、Eはヤング率、tは板厚、mはパネル形状による定数で1〜3の値を持つ。
このとき、Eは面内及び板厚方向で均一とし、鋼の場合は、205GPa程度の値を固定値として与えるのが一般的である。しかし、実際の鋼板では、鋼板のヤング率は結晶方位によって変化するため、通常、面内に弾性異方性を有している。以下では、鋼板面内でヤング率が最大になる軸を、弾性主軸という。
図1に、第1の鋼板に相当する、Nb、Ti添加冷延鋼板(鋼板A)の圧延方向を基点(0°)とした回転角度(配向角という)とヤング率との関係を示す。図1に示したように、鋼板Aでは、ヤング率が最大となる軸、すなわち弾性主軸が圧延方向と垂直な方向(幅方向)に存在している。また、鋼板Aでは、圧延方向から45°回転した方向では、ヤング率が205GPaよりも低下している。
次に、第2の鋼板に相当する、Al含有量が高く、Sn等のインヒビターを添加した冷延鋼板(鋼板B)のヤング率の異方性を図2に示す。図2に示したように、鋼板Bのヤング率の異方性は、図1に示した鋼板Aの異方性とは異なっている。鋼板Bでは、圧延方向から55°回転した方向のヤング率が最も高く250GPaを超えている。一方、鋼板Bでは、圧延方向のヤング率は約180GPaである。
したがって、鋼板Aと鋼板Bとでは、ヤング率が高い方向と、ヤング率が著しく低下する方向とが異なる。このような鋼板A、Bを、圧延方向が直角になるように貼合すると、一方の鋼板の最もヤング率の低い方向と、他方の最もヤング率の高い方向とがほぼ重なる。その結果、最も効率的にヤング率の異方性が解消され、かつ平均的に高いヤング率を得ることが出来る。
次に、本発明者らは、このような弾性主軸の方向が異なる2枚の鋼板を、圧延方向が平行(ずれ角0°)及び直角(ずれ角90°)になるように貼着した複合パネルの曲げ剛性を検討した。
鋼板Aの圧延方向を基点とし、5°間隔で、各方向の曲げ剛性EIを下記の関係より求めた。
Figure 0005391997
上記(式2)において、
:基準となる板のヤング率(GPa)
:貼着する板のヤング率(GPa)
:基準となる板の板厚(mm)
:貼着する板の板厚(mm)
:中立軸の高さ(mm)
である。
上記(式2)における中立軸の高さyは次式(式3)に示した断面の軸方向の応力の釣り合いより求める。なお、この式の左辺は圧縮側の応力、右辺は引張り側の応力を示す。
Figure 0005391997
上記(式3)において、
σ1:基準となる板の最表層位置でかかる応力(N/mm)
σ2:貼着する板の最表層位置でかかる応力(N/mm)
である。
複合パネルの曲げ剛性と、ヤング率が205GPaである一般材の曲げ剛性との比(曲げ剛性比という)を、鋼板Aの圧延方向からの角度に対してプロットすると、図3のようになる。図3に示したように、2種類の鋼板を圧延方向が直角(ずれ角90°)になるように貼り合せた場合、平均的にいずれの方向においても比較材に比べて高い曲げ剛性が得られることがわかる。一方、2種類の鋼板を圧延方向が平行(ずれ角0°)になるように貼り合せた場合は、圧延方向の曲げ剛性が最大になり、幅方向の曲げ剛性が低下している。
なお、鋼板における通常のヤング率は、非特許文献(日本建築学会、鋼構造設計規準 −許容応力度設計法−、2005)にも示されるように、一般的には205GPaと定められている。本発明では、この205GPaという値を鋼板のヤング率の「基準値」として扱っている。この基準値は、異方性のある鉄の結晶粒の方位が偏ることなく配列したときの安定的な状態に基づき定められたものであるが、実際にはこの値に対して±5%程度の偏りが存在することになる。そのため、通常の鋼板のヤング率は195GPa以上215GPa以下の範囲の値にあると一般に考えられている。すなわち、通常の鋼材のヤング率は、基準値の205GPaを超えることはあっても、215GPaを超えることはないといえる。
次に、実際のルーフパネルを模擬した複合パネルを製造し、図4に示すように、張り剛性を評価した。板厚が0.5mmであり、図1と同様の弾性異方性を有する鋼板X(第1の鋼板)と、図2と同様の弾性異方性を有する鋼板Y(第2の鋼板)を用意した。これらの鋼板を圧延方向が直角になるように樹脂で貼着して本発明の複合パネルとした。
本発明の複合パネルを、最大曲率8000R、700mm角、成形高さ30mmのルーフパネルを模した形状にプレス成形した。成形後の複合パネルの中心部を直径が100mm、曲率半径が300mmの圧子で10mm/minの速度で押し込む試験を行い、荷重及び押し込み量(圧子の変位)を測定した。
また、比較として集合組織がほぼランダムな鋼板Z(板厚0.5mm)を2枚用意し、本発明の複合パネルと同様の方法で圧延方向が直角になるように貼着して比較の複合パネル(比較パネル)とし、本発明の複合パネルと同様にしてプレス成形して荷重及び押し込み量を測定し、評価を行った。
図4に、本発明の複合パネル及び比較パネルの押し込み量と荷重との関係を示す。同一荷重での押し込み量は、比較パネルに比べて本発明の複合パネルの方が著しく小さく、張り剛性が向上していることがわかる。
複合パネルの全周方向の張り剛性を高めるには、第1の鋼板及び第2の鋼板の最大ヤング率を、225GPa以上にすることが必要である。複合パネルの張り剛性を高めるには、ヤング率が高いほど好ましい。しかし、純鉄の最大ヤング率は285GPa程度である。本発明の第1の鋼板及び第2の鋼板のヤング率は、添加元素等の効果、測定誤差により多少の変化はあるものの、290GPaを超えることはない。したがって、本発明では、第1の鋼板及び第2の鋼板の、弾性主軸方向におけるヤング率を225〜290MPaとする。
ヤング率は結晶方位との相関が非常に強く、ヤング率を高めたい方向に、鉄の<111>方向を揃えると理想的には280GPaを超える高いヤング率が得られる。一方、<100>方向は130GPaと極めて低いヤング率を有している。その他、<110>方向は約220GPa、<113>方向は約205GPaである。通常の多結晶鉄で、特定の方位への配向を有さない場合、すなわち集合組織を持たない鋼板ではあらゆる方位のヤング率の平均値として約205GPaのヤング率を示す。
したがって、ヤング率を高めるためには各結晶粒の方位を特定の方位にそろえる必要がある。第1の鋼板のように板面方位が{211}、圧延方向方位が<011>の結晶粒が増えると、圧延方向垂直方位(幅方向)が<111>となる。第1の鋼板の1/2板厚部での{211}<011>方位のX線ランダム強度比を5以上にすると、幅方向が弾性主軸となり、かつ225GPa以上のヤング率が得られる。なお、全ての結晶方位が{211}<011>に揃えば理想的には290GPa程度のヤング率が得られる。
ただし、実際には全ての結晶方位を{211}<011>に揃えることは極めて難しい。したがって、第1の鋼板の、幅方向におけるヤング率を、好ましくは、230〜250GPaとする。また、第1の鋼板では、比較的、ヤング率の面内異方性が小さい方位であり、ヤング率が最小となる45°方向のヤング率も190GPaを下回ることはない。
一方、第2の鋼板のように板面方位が{110}、圧延方向方位が{001}の結晶粒が増えると、圧延方向に対して55°方向が<111>となる。第2の鋼板の1/2板厚部における{110}<001>方位のX線ランダム強度比を6以上にすると、圧延方向に対して55°方向が弾性主軸になり、かつ、ヤング率が225GPa以上になる。{110}<001>方位は、比較的、容易に集積度を高めることができるため、第2の鋼板の圧延方向に対して55°方向のヤング率の上限は、290GPaである。一方、{110}<001>方位は面内異方性が大きいため、ヤング率が最小となる圧延方向のヤング率が130GPa程度まで低下する可能性も有する。
次に、上記のような効果を実現するための、面内弾性異方性を有する板材について以下に述べる。
まず、本発明において第1の鋼板の鋼組成を限定する理由について述べる。
Cは、強度を増加させる元素であり、0.0005%以上の添加が必要である。強度を確保するためには、0.005%以上のCを添加することが好ましい。また、ヤング率の観点からは、C量の下限を0.01%以上とすることが、より好ましい。これは、C量が0.01%未満に低下するとAr変態温度が上昇し、低温での熱延が困難となり、ヤング率が低下することがあるためである。更に、溶接部の疲労特性の劣化を抑制するためには、0.020%以上とすることが好ましい。一方、C量が0.150%を超えると成形性が劣化し、溶接性も低下することがあるため、上限を0.150%以下とする。より好ましいC量の上限は、0.10%以下である。
Siは脱酸元素であり、下限は特に規定しないが、0.001%未満とするには製造コストが高くなる。また、Siは、固溶強化により強度を増加させる元素であり、マルテンサイトやベイナイトさらには残留オーステナイト等を含む組織を得るためにも有効である。そのため、狙いとする強度レベルに応じて積極的に添加しても良いが、添加量が2.00%超となるとプレス成形性が劣化し、化成処理性の低下を招いたりするので、2.00%以下を上限とする。また、Si量が多いと化成処理性が低下するので、1.20%以下とすることが好ましい。更に、溶融亜鉛めっきを施す場合には、めっき密着性の低下、合金化反応の遅延による生産性の低下などの問題が生ずることがあるため、この点からSi量の上限を1.00%以下とすることが好ましい。ヤング率の観点からはSi添加量の上限は0.60%以下とすることがより好ましい。この観点からは0.30%以下とすることがより好ましい。
Mnは、熱間圧延時に、γ相からフェライト相に変態する温度であるAr変態点を低下させる。Mnの添加によって、γ相が低温まで安定になり、仕上圧延の温度を低下させることができる。仕上圧延の温度を低下させると、鋼板の幅方向のヤング率を高める結晶方位が集積することから、Mnはヤング率向上のためには重要な元素である。この効果を得るには、Mnを0.05%以上添加することが必要であり、1.0%以上添加することがより望ましい。また、Mnは有効な固溶強化元素でありこの観点からも所望する強度レベルに応じて積極的に添加することが望ましい。一方、Mnの添加量が2.50%を超えても、著しいヤング率向上効果が得られなくなるため、上限を2.5%以下とする。また、Mnを過剰に添加すると、強度が高くなりすぎて延性が低下したり、めっきの密着性が低下することがあるため、上限を2.0%以下とすることが好ましい。
Pは不純物であるが、強度を増加する必要がある場合には積極的に添加しても良い。また、Pは熱延組織を微細にし、加工性を向上する効果も有する。ただし、添加量が0.200%を超えると、スポット溶接後の疲労強度が劣化するため、上限値を0.200%以下とする。また、Pを過剰に含有すると、降伏強度が高くなり過ぎて、プレス時に面形状不良を引き起こすことがあり、P量の上限を0.05%以下にすることが好ましい。さらに、P量が多すぎると、連続溶融亜鉛めっき時の合金化反応が遅くなり、生産性が低下し、また、ニ次加工性も劣化することがあるため、上限値を0.02%以下とすることが好ましい。
Sは、不純物であり、0.0200%超を含有すると熱間割れの原因となるため、上限を0.0200%以下に制限する。また、Sを過剰に含有すると、加工性を損なうことがあるため、上限を0.01%以下とすることが好ましい。
Alは脱酸調製剤であり、脱酸性の観点から下限を0.01%以上とすることが好ましい。一方、Alは変態点を著しく高めるので、0.15%超を添加すると、低温でのγ域圧延が困難となるので、上限を0.15%以下とする。
Nは不純物であり、下限は特に設定しないが0.0005%未満とするにはコストが高くなる。したがって、N量を0.0005%以上とすることが好ましい。また、Nは、Tiと窒化物を形成し、γ相の再結晶を抑制するため、積極的に添加しても良いが、Bの再結晶抑制効果を低減させることから0.0100%以下に抑える。この観点から好ましくは0.0050%以下とする。
Ti,Nb,V,Bは本発明において重要な元素であり、選択的に1種又は2種以上を添加する。Ti,Nb,V,Bはいずれも再結晶を著しく抑制する元素であり、熱間圧延または冷間圧延中に形成された集合組織が再結晶中に破壊されるのを抑制する効果を有する。Tiは0.005%以上,Nbは0.001%以上,Vは0.005%以上,Bは0.0001%以上を1種又は2種以上添加することが必要である。一方、Tiを0.150%、Nb,Vを0.100%、Bを0.0100%を超えて添加しても更なるヤング率向上効果が得られないばかりでなく、加工性が著しく低下することからこれらの値を上限とする。この観点からは更に望ましい上限値はそれぞれTi,Nb,Vが0.05%以下、Bを0.005%以下である。
Cr、Cu、Ni、Moはそれぞれ質量%で0.01〜3.00%、0.01〜0.35%、0.01〜1.00%、0.01〜1.00%の範囲で1種2種以上添加することが好ましい。これらの元素は、Mnと複合添加することによってγ相での加工集合組織の発達を促す効果を有する。しかし、上限値以上添加しても、集合組織の発達という観点では特段の効果が得ることができず、かつ、加工性が劣化することから各々上限値を設ける。
次に、第2の鋼板の鋼組成を限定する理由について述べる。
Alは、本発明において{110}<001>方位のX線ランダム強度比を高めるために極めて重要な元素である。鋼板の圧延方向に対して35〜75°方向のヤング率を高めるためには、1.50%超のAlを添加することが必要である。Alは、鋼材の比重を低下させるためにも有効な元素であり、2.00%以上を添加することが好ましい。一方、Al量が10.00%を超えると金属間化合物の析出が顕著となり、熱間加工性及び冷間加工性が劣化するので、10.00%以下を上限とする。延性の低下を抑制するには、Al量を6.00%以下にすることが好ましい。Al添加量のさらに好ましい範囲は、2.50〜4.50%である。また、Al量が2.50%未満である場合には、{110}<001>方位のX線ランダム強度比を高めるために、(Al+Si)≧2.50%を満足するようにSiを同時に添加することが好ましい。
Bi、Pb、Sb、Snは、Alと同時に添加することにより、{110}<001>方位のX線ランダム強度比を高める効果が顕著になり、本発明において重要である。鋼板の圧延方向に対して35〜75°方向のヤング率を高めるためには、Bi、Pb、Sbは、それぞれ、0.001%以上、Snは0.0005%以上の添加が必要である。また、いずれも、0.300%超を添加してもその効果が飽和する。したがって、本発明では、Bi:0.001〜0.300%、Pb:0.001〜0.300%、Sb:0.001〜0.300%、Sn:0.0005〜0.300%の1種又は2種以上を添加することが必要である。Bi、Pb、Sb、Snの添加量の好ましい範囲は、それぞれ、Bi:0.010〜0.150%、Pb:0.010〜0.150%、Sb:0.020〜0.150%、Sn:0.050〜0.150%である。
Cは、強度を向上させるために有効な元素であるが、含有量が0.0003%未満では効果が小さいため、0.0003%以上を下限とする。一方、0.250%を超えるCの添加は加工性を劣化させるため、0.250%以下をC量の上限とする。なお、冷間圧延性や鋼板の成形性の観点からは、C量が少ない方が良く、0.100%以下とすることが好ましい。0.050%以下であればより好ましく、0.020%以下であれば一層好ましい。
Siは、脱酸元素であるが、2.20%を超える過剰の添加は熱間加工性を低下させるとともに熱間圧延で生じるスケールの剥離性や化成処理性を著しく劣化させる。一方、Siは、固溶強化により鋼板の強度を増大させるのに有用な元素であり、0.003%以上の添加が好ましい。また、Alと同時に含有させると、{110}<001>方位のX線ランダム強度比を高める効果を発現するので、特にAl量が少ない場合には、AlとSiの合計量が2.50%以上になるように添加することが好ましい。Siの含有量の好ましい範囲は、0.005〜2.00%であり、0.005%〜0.80%がより好ましい範囲である。
Mnは、MnSを形成して固溶Sによる粒界脆化を抑制するので、0.20%以上を添加する。また、Mnは、鋼板の強度を高めるのに有効な元素であり、0.50%以上の添加が好ましい。一方、4.00%を超えるMnを添加すると、{110}<001>方位のX線ランダム強度比が低下する。鋼板の圧延方向に対して35〜75°方向のヤング率を高めるためには、Mnの添加量を3.00%以下にすることが好ましい。Mnの添加量のさらに好ましい範囲は、0.55〜2.60%である。
Pは、不純物であり、結晶粒界に偏析して粒界強度を低下させるため、上限を0.200%以下とする。しかし、Pを0.001%未満に低減すると、製造コストが上昇する。また、Pは強化に有効な元素であるので、強度を高めるには、0.005%以上のPを含有させることが好ましい。Pの偏析による耐2次加工脆性や靱性の劣化を抑制するには、上限を0.080%以下にすることが好ましい。さらに加工性の低下を抑制するためには、0.040%以下にすることが好ましい。
Sは、熱間加工性を劣化させる不純物元素であり、0.0500%以下を上限とする。しかし、Sを0、0005%未満に低減すると、製造コストが上昇する。また、靭性の低下を抑制し、冷間加工性を向上させるためには、S量を0.0150%以下にすることが好ましい。
Nは、不純物元素であり、0.0150%を超えて含有させると靭性が劣化する。特に、第2の鋼板は、Alの含有量が多く、Al系窒化物が粗大化しやすいため、好ましい上限は、0.0040%以下である。一方、{110}<001>方位のX線ランダム強度比を高めるには、微細なAl系の窒化物は有効であり、0.0005%以上のNを含有させることが好ましい。鋼板の圧延方向に対して35〜75°方向のヤング率を高めるために、Al系窒化物を活用する場合は、N量の特に好ましい範囲は0.0010〜0.0030%である。
さらに、強度、延性、靭性や製造性を高めるために、必要特性に応じて、Ti、Nb、Cr、Ni、Mo、Cu、B、V、Ca、Mg、Zr、REMの1種又は2種以上を添加しても良い。
Ti、Nb、Vは、析出物を生じて強化に寄与する元素であり、1種又は2種以上を、それぞれ、0.003%以上添加することが好ましい。また、鋳造性を改善する効果も有するので、添加量の好ましい下限は、それぞれ、0.012%以上である。一方、それぞれ、0.150%超を添加すると結晶粒が微細化し、加工性が低下することがある。また、鋼板の圧延方向に対して35〜75°方向のヤング率の低下を防止するには、それぞれの上限を0.050%以下にすることがより好ましい。
Cr、Ni、Mo、Cuは、延性及び靭性の向上に有効な元素であり、1種又は2種以上を、それぞれ、0.01%以上添加することが好ましい。一方、Cr、Ni、Mo、Cuを、それぞれ、3.00%超添加すると、延性と靭性が劣化することがあるため、各元素の含有量の上限を3.00%以下とすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、0.10%〜1.40%である。
Bは、粒界に偏析し、粒界結合力を向上させる元素である。また、Bは、P及びSの粒界偏析の抑制にも有効である。Bの偏析を利用して粒界強度を高めるためには、0.0001%以上のBの添加が好ましい。さらに延性、靭性、及び熱間加工性を向上させるためには、0.0003%以上のBの添加が好ましい。一方、Bを過剰に添加しても効果が飽和するため、B量の上限は、0.0060%以下が好ましい。また、粒界に粗大な析出物が生成し熱間加工性が劣化する場合があるため、Bの含有量の上限は、0.0025%以下とすることが好ましい。
Ca、Mg、Zr、REMは、いずれも硫化物の形態を制御し、熱間加工性や靭性の劣化の抑制に有効な元素であり、1種又は2種以上を添加することが好ましい。この効果を得るには、Caは0.001%以上、Mgは0.0005%以上、Zrは0.001%以上、REMは0.001%以上を添加することが好ましい。一方、Caは0.010%、Mgは0.050%、Zrは0.200%、REMは0.050%を超えて過剰に添加すると靭性が劣化することがある。
続いて、本発明に使用する鋼板のX線ランダム強度比とヤング率について説明する。
第1の鋼板については1/2板厚部における{211}<011>方位のX線ランダム強度比は5以上とする。{211}<011>方位は、冷延鋼板の圧延方向垂直方向のヤング率を高める結晶方位であり、X線ランダム強度比を5以上にすると、鋼板の最大ヤング率を225GPa以上にすることができる。ヤング率を更に高めるには、{211}<011>方位のX線ランダム強度比は8以上であることが好ましい。更に好ましくは10以上である。ヤング率を高めるには、{211}<011>方位の集積度が高いほど好ましい。{211}<011>方位のX線ランダム強度比の上限は設けないが、20超にするためには結晶粒径の粗大化が必要になる。したがって、強度や加工性など、機械的特性の劣化を防止するには、{211}<011>方位のX線ランダム強度比の上限は20以下が好ましい。
第2の鋼板については1/2板厚部における{110}<001>方位のX線ランダム強度比を6以上とする。{110}<001>方位は、冷延鋼板の圧延方向に対して55°方向のヤング率を高める結晶方位である。鋼板の最大ヤング率を225GPa以上に高めるには、{110}<001>方位のX線ランダム強度比を6以上にすることが必要である。55°方向のヤング率を更に高めるには、{110}<001>方位のX線ランダム強度比は8以上であることが好ましい。更に好ましくは10以上である。ヤング率を高めるには、{110}<001>方位の集積度が高いほど好ましい。{110}<001>方位のX線ランダム強度比の上限は設けないが、20超にするためには結晶粒径の粗大化が必要である。したがって、強度や加工性など、機械的特性の劣化を防止するには、{110}<001>方位のX線ランダム強度比の上限は20以下が好ましい。
{211}<011>方位及び{110}<001>方位のX線ランダム強度比は、X線回折によって測定される{110}、{100}、{211}、{310}極点図のうち複数の極点図を基に級数展開法で計算した、3次元集合組織を表す結晶方位分布関数(Orientation Distribution Function、ODFという。)から求めればよい。
なお、X線ランダム強度比とは、特定の方位への集積を持たない標準試料と供試材のX線強度を同条件でX線回折法等により測定し、得られた供試材のX線強度を標準試料のX線強度で除した数値である。
図5に、本発明の結晶方位が表示されるφ2=45°断面のODFを示す。図5は、3次元集合組織を結晶方位分布関数によって示すBungeの表示であり、オイラー角φ2を45°とし、特定の結晶方位である(hkl)[uvw]を、結晶方位分布関数のオイラー角φ1、Φで示している。図5のφ1=0°の軸上の点で示したように、{211}<011>方位は、厳密にはφ1=0°、Φ=35.26を指すものである。しかし、試験片加工や試料のセッティングに起因する測定誤差を生じることがあるため、φ1=0〜5°、Φ=30〜40°の範囲での最大値を{211}<011>方位の強度比として代表させる。同様に、{110}<001>方位は厳密にはφ1=90°、Φ=90°を挿すものであるが、φ1、Φ共に80〜90°の範囲での最大値を{110}<001>方位の強度比として代表させる。
ここで、結晶の方位は通常、板面に垂直な方位を[hkl]又は{hkl}、圧延方向に平行な方位を(uvw)又は<uvw>で表示する。{hkl}、<uvw>は等価な面の総称であり、[hkl]、(uvw)は個々の結晶面を指す。即ち、本発明においては体心立方構造(body−centered cubic、b.c.c.構造という。)を対象としているため、例えば(111)、(−111)、(1−11)、(11−1)、(−1−11)、(−11−1)、(1−1−1)、(−1−1−1)面は等価であり区別がつかない。このような場合、これらの方位を総称して{111}と称する。
なお、ODFは、対称性の低い結晶構造の方位表示にも用いられるため、一般的にはφ1=0〜360°、Φ=0〜180°、φ2=0〜360°で表現され、個々の方位が[hkl](uvw)で表示される。しかし、本発明では、対称性の高いb.c.c.構造を対象としているため、Φとφ2については0〜90°の範囲で表現される。また、φ1は計算を行う際に変形による対称性を考慮するか否かによって、その範囲が変化するが、本発明においては、対称性を考慮しφ1=0〜90°で表記する、すなわちφ1=0〜360°での同一方位の平均値を0〜90°のODF上に表記する方式を選択する。この場合、[hkl](uvw)と{hkl}<uvw>は同義である。したがって、例えば、図5に示した、φ2=45°断面におけるODFの(112)[1−10]のX線ランダム強度比は{211}<011>方位のX線ランダム強度比である。
X線回折用試料の作製は次のようにして行う。鋼板を機械研磨や化学研磨などによって板厚方向に所定の位置まで研磨し、バフ研磨によって鏡面に仕上げた後、電解研磨や化学研磨によって歪みを除去すると同時に、1/2板厚部が測定面となるように調整する。なお、測定面を正確に1/2板厚部とすることは困難であるので、目標とする位置を中心として板厚に対して3%の範囲内が測定面となるように試料を作製すればよい。なお、板厚中心部で偏析等の異常が認められる場合には板厚の7/16〜9/16の範囲内で、偏析部分を避けて試料を作製すれば良い。また、X線回折による測定が困難な場合には、EBSP(Electron Back Scattering Pattern)法やECP(Electron Channeling Pattern)法により統計的に十分な数の測定を行っても良い。
これら鋼板のヤング率の測定はJIS Z 2280に準拠した常温での横共振法、あるいは静的引張試験法に基づき実施してよい。
横共振法では、試料を固定せずに振動を加え、発振機の振動数を徐々に変化させて一次共振振動数を測定して下記の式よりヤング率を算出する。
=0.946×(l/h) ×m/w×f
ここで、E:動的ヤング率(N/m)、l:試験片の長さ(m)、h:試験片の厚さ(m)、m:質量(kg)、w:試験片の幅(m)、f:横共振法の一次共振振動数(s−1)、である。
また、静的引張ヤング率試験法では、JIS Z 2201に準拠した引張試験片を用いて、素材降伏強度の1/2に相当する引張応力レベルまで5回繰り返し引張力を加え測定した応力−ひずみ線図の傾きに基づき算出する。測定のバラツキを排除するため、5回の計測結果のうちの最大値及び最小値を除いた3つの計測値の平均値として算出した値を鋼板のヤング率とするのが一般的である。
次に、各鋼板の板厚について説明する。第1の鋼板の板厚a(mm)と第2の鋼板の板厚b(mm)とが
0≦|a−b|/(a+b)≦0.6、
0.5mm≦a+b≦2.0mm
を満足することとする。
最初の式の|a−b|/(a+b)は、2枚の鋼板の板厚比に関するものであり、0.6を超えると、2枚の鋼板の板厚差が大きくなる。その結果、板厚の厚い鋼板側の特性が支配的になり、複層板としての効果が得られない。この観点からは、|a−b|/(a+b)の上限を0.5以下にすることがより望ましい。一方、|a−b|/(a+b)の下限は、2枚の板厚が同一の場合であり、定義上、負の値にはならないため、下限値は0である。
次式の(a+b)は、2枚の鋼板の板厚の合計である。(a+b)を0.5未満にするためには0.1〜0.4mm未満の鋼板を定常的に製造する必要がある。しかし、通常の冷間圧延−焼鈍工程でこのような極薄鋼板を広幅で製造することは困難でコストもかかる。したがって、(a+b)の下限値を0.5mm以上にする。(a+b)の上限値は、軽量化の観点から、2mm以下とする。軽量化の観点からは(a+b)の上限を1.6mm以下にすることが好ましい。更なる軽量化を図るためには、(a+b)の上限を1.2mm以下にすることが好ましい。
また、鋼板の板厚が厚くなると、重量が増加するだけでなく、複合パネルの剛性が高くなるため、形状によってはヤング率を向上させる効果が少なくなる。図6に、板厚(a+b)を変化させた際の、複合パネルの張り剛性を示す。図6に記載の本発明例は、上述の鋼板X(第1の鋼板)及び鋼板Y(第2の鋼板)の板厚を変化させ、これらの鋼板を圧延方向が直角になるように樹脂で貼着した複合パネルである。比較例は、集合組織がほぼランダムな鋼板Zを使用し、板厚を変化させて製造したパネルである。
張り剛性は、最大曲率8000R、700mm角、成形高さ30mmのルーフパネルを模した複合パネルの中心部を、直径が100mm、曲率半径が300mmの圧子で10mm/minの速度で押し込み、荷重20Nでの押し込み量(圧子の変位)として評価した。合計の板厚が2mmを超えると、本発明と比較例との張り剛性の差が小さくなる。
本発明において使用される冷延鋼板の特性は例えば以下のような条件で製造することによって実現される。
まず、鋼を常法により溶製、鋳造し、熱間圧延に供するスラブを得る。このスラブは、鋼塊を鍛造又は圧延したものでも良いが、生産性の観点から、連続鋳造によりスラブを製造することが好ましい。また、薄スラブキャスターなどで製造してもよい。また、通常、スラブは鋳造後、冷却し、熱間圧延を行うために、再度、加熱する。
第1の鋼板については、熱間圧延を行う際のスラブの加熱温度は1100℃以上とする。これは、熱間圧延の仕上温度をAr変態点以上とするために必要な温度である。熱間圧延の仕上温度は、Ar変態点以上とする。これは、Ar変態点未満で圧延すると、幅方向のヤング率にとって好ましくない集合組織が発達するためである。また熱間圧延の仕上温度が950℃超では、熱間圧延中に再結晶が進行し、集合組織の形成が不十分となり、{211}<011>方位のX線ランダム強度比が低下する。熱間圧延の終了後、700℃以下で巻き取ることが必要である。これは、700℃超で巻き取ると巻取中に集合組織が壊れ、幅方向のヤング率が低下する可能性があるためである。
また、第1の鋼板については、冷間圧延は圧下率40〜85%で行う。圧下率が40%未満では、十分な加工集合組織の発達が得にくいため、{211}<011>方位のX線ランダム強度比が低下する。一方、圧下率を85%超とすると、圧延機への負荷が高まるだけでなく、幅方向のヤング率も低下する傾向にあるため85%以下で冷間圧延を行う。
更に、第1の鋼板については、焼鈍の加熱速度は、再結晶を抑制するため、1〜100℃/sが好ましい。また、焼鈍温度が700℃未満では、焼鈍後に未再結晶粒が残存し、加工性が劣化する。一方、焼鈍温度を900℃超にすると、γ粒が粗大化し、集合組織の劣化の原因となる。したがって、焼鈍の加熱温度は、700〜900℃とする。
続いて第2の鋼板については、熱間圧延の加熱温度は、1000℃未満であると、圧延荷重が過大となり、生産性を損なうことがあるため、1000℃以上とする。熱間圧延での仕上げ温度は過剰に歪が導入されないように、800℃以上とし、890℃以下での総圧下量を50%未満とする。
また、第2の鋼板については、冷間圧延は圧下率20〜80%で行う。圧下率が20%未満であると歪の導入が不十分であり、焼鈍後、{110}<001>方位のX線ランダム強度比が低下する。一方、冷間圧延の圧下率が80%を超えると、歪の導入が過剰になり、再結晶が促進されて、最終焼鈍後、{110}<001>方位のX線ランダム強度比が低下する。
更に、第2の鋼板については、冷間圧延に続いて850℃以上の温度で最終焼鈍を行う。この焼鈍は、粒成長を促して、{110}<001>方位を発達させるためのものであるが、生産性の観点から1100℃以下が好ましい。なお、冷間圧延の途中には、一回又は複数回の中間焼鈍を行っても構わない。
また、第2の鋼板については、冷間圧延の前に、最高温度を700〜1200℃以下とする冷延前焼鈍を行っても構わない。これによって冷間圧延の荷重を低下したり、冷間圧延時の割れなどのトラブルを回避したりする効果のほか、{110}<001>方位の発達を促すことができる。冷延前焼鈍の最高温度の好ましい範囲は、800〜1000℃である。中間焼鈍、冷延前焼鈍を施す場合は、最終焼鈍の直前の冷間圧延の圧下率を上述の範囲内、すなわち20〜80%、好ましくは30〜70%とする。
第1の鋼板及び第2の鋼板には、組織制御や固溶C量の低減などの目的に応じて、150℃以上で過時効熱処理を行ってもよい。また、溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっきを施してもよい。
合金化溶融亜鉛めっきを施す場合、合金化処理は450〜600℃の範囲内で行う。450℃未満では合金化が十分に進行せず、また、600℃以上では過度に合金化が進行し、めっき層が脆化するため、プレス等の加工によってめっきが剥離するなどの問題を誘発する。合金化処理の時間は、10s以上とする。10s未満では合金化が十分に進行しない。
更に、形状矯正の観点から調質圧延を施してもよい。調質圧延は、圧下率が10%以下であれば、ヤング率には影響を及ぼさない。
本願発明において2枚の鋼板を貼り付ける方法については特に限定はしない。プレス成形前後で剥離しない強度を有する接着材であればよい。例えばエポキシ系やウレタン系樹脂を鋼板同士の間に塗布すればよい。張り剛性を更に向上させるために発泡硬化型の樹脂を使用しても良い。ただし、いずれの方法においても鋼板全体がAc変態点を越える温度にて接着作業を行うと集合組織が破壊されヤング率が低下し、所望の張り剛性が得られなくなる可能性がある。
次に本発明を実施例にて説明する。
まず、張り剛性に及ぼす最大ヤング率の効果を示す。表1に第1の鋼板の化学成分、表2に集合組織及びヤング率を示す。同様に、表3に第2の鋼板の化学成分、表4に集合組織及びヤング率を示す。表2及び4の「めっき」の欄の「○」は、溶融亜鉛めっき鋼板を意味する。
表1に示した組成(残部はFe及び不可避的不純物)を有する鋼板は、第1の鋼板であり、表3に示した組成(残部はFe及び不可避的不純物)を有する鋼は、第2の鋼板である。第1の鋼板及び第2の鋼板は、常法で溶製し、鋳造して得られた鋼片を、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍を施して、冷延鋼板とした。一部の鋼板には、溶融亜鉛めっきを施した。
Figure 0005391997
Figure 0005391997
Figure 0005391997
Figure 0005391997
第1の鋼板は、鋼片を1150℃に再加熱し、仕上温度を800〜890℃として熱間圧延を施し、500〜580℃で巻き取った。得られた熱延鋼板の板厚は3mmであり、圧下率80%の冷間圧延を行って板厚が0.6mmの冷延鋼板とし、780〜820℃の焼鈍を行った。
第2の鋼板は、鋼片を1200℃に再加熱し、仕上温度を880〜930℃として熱間圧延を施し、680〜700℃で巻き取った。得られた熱延板の板厚は3mmであり、一次冷延後、800℃で中間焼鈍し、二次冷延を行い、板厚が0.6mmの冷延鋼板とした。最終焼鈍の直前の冷間圧延の合計の圧下率は80%であり、冷間圧延後の最終焼鈍は、890℃で行った。
これらの鋼板の板厚1/2厚での集合組織を測定(第1の鋼板については、1/2板厚部における{211}<011>方位のX線ランダム強度比、第2の鋼板については、1/2板厚部における{110}<001>方位のX線ランダム強度比)した結果及び圧延方向、45°方向、55°方向、圧延垂直方向(幅方向)のヤング率を横振動法で測定した結果を、表2及び4に示した。なお、集合組織はX線回折法によって測定した。
表1及び2のA1〜A7は、本発明のうち、第1の鋼板に相当するものであるが、いずれも{211}<011>方位が発達し、幅方向のヤング率が225GPaを超えている。一方、Nb、Ti、V、Bが添加されていない、又は添加量の少ないC1、C2では熱間圧延中の再結晶が抑制されないために{211}<011>方位が発達せず、高いヤング率が得られない。
表3及び4のB1〜B7は、本発明のうち、第2の鋼板に相当するもので、いずれも{110}<001>方位が発達し、圧延方向から55°方向のヤング率が225GPaを超えている。しかし、Mn量が高すぎるC3、Bi、Pb、Sb、Snが添加されていないC4では{110}<001>方位が発達せず、高いヤング率が得られない。
表1〜4に示した鋼板同士を、圧延方向が直角になるようにエポキシ系樹脂で貼り付け、複合パネルを製造した。得られた複合パネルを、最大曲率6500R、700mm角、成形高さ30mmに成形し、パネル中心部を直径100mm、曲率半径300mmの圧子で10mm/minの速度で押し込み、張り剛性を評価した。張り剛性は荷重20Nの場合の押し込み量で評価した。鋼板の組み合わせと張り剛性の評価結果を表5に示す。
Figure 0005391997
異なる異方性を有する2枚の鋼板を貼り付けた本発明例の場合は比較例に比べて荷重20Nでの押し込み量が少なく、高い張り剛性が得られていることが分かる。
次に、板厚比の効果を示す。表1〜4のA1とB2、A2とB7を用いて種々の板厚の鋼板を作製した。熱間圧延の再加熱温度、仕上温度、巻き取り温度は実施例1と同様であるが、熱延鋼板の板厚は1.5〜4mmとした。冷延率は板厚に応じて60〜80%の範囲で変化させた。冷延鋼板の焼鈍の条件は実施例1と同様とした。
実施例1と同様に、エポキシ系樹脂を用いて圧延方向同士が直角になるように貼り付け、複合パネルを製造した。成形した複合パネルは最大曲率7500R、900mm角、成形高さ40mmである。これらの複合パネルの張り剛性を、実施例1と同様にして評価した。結果を表6に示した。
Figure 0005391997
表6より、鋼板Aの板厚a(mm)と、鋼板Bの板厚b(mm)が0≦|a−b|/(a+b)≦0.6を満足しているパネルNo.16〜19、22〜25は、|a−b|/(a+b)>0.6のパネルNo.14、15、20、21と比較して、高い張り剛性が得られる。
次に、板厚の効果を示す。表1〜4のA3とB5、C2とC4を用いて、種々の板厚の鋼板を作製し、板厚が同一である2枚の鋼板を、圧延方向同士が直角になるようにエポキシ系樹脂を用いて貼り合わせ、複合パネルを製造した。鋼板の製造条件は実施例2と同様である。
これらの複合パネルを、最大曲率7800R、900mm角、成形高さ30mmに成形し、パネル中心部を直径100mm、曲率半径300mmの圧子で10mm/minの速度で押し込み、張り剛性評価した。結果を表7に示す。
Figure 0005391997
表7に示したように、本発明例は、全て同じ合計の板厚(a+b)の比較例と比べて張り剛性が優れているが、合計の板厚が2mmを超えると、優位性が少なくなる。
本発明の鋼板パネルは、主に自動車用パネル部材に用いられるが、その他に家庭電気製品、建物などに使用される。本発明の鋼板パネルは高い張り剛性を有するため、従来の鋼板パネルよりも板厚を減少させること、即ち軽量化が可能になり、地球環境保全に寄与できる。

Claims (6)

  1. 2枚の鋼板を貼着した複合パネルであって、第1の鋼板の成分が、質量%で、
    C:0.0005%以上、0.150%以下、
    Mn:0.05%以上、2.50%以下、
    を含有し、
    P:0.200%以下、
    S:0.0200%以下、
    N:0.0100%以下、
    Si:2.00%以下、
    Al:0.15%以下、
    に制限し、更に、
    Ti:0.005〜0.150%、
    Nb:0.001〜0.100%、
    V:0.005〜0.100%、
    B:0.0001〜0.0100%
    の1種又は2種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなり、該第1の鋼板の1/2板厚部での{211}<011>方位のX線ランダム強度比が5以上であり、該第1の鋼板の幅方向のヤング率が最大で、かつ225〜290GPaであり、第2の鋼板の成分が、質量%で、
    C:0.0003〜0.250%、
    Mn:0.20%〜4.00%、
    Al:1.50%超〜10.00%
    を含有し、
    Si:2.20%以下、
    P:0.200%以下、
    S:0.0500%以下、
    N:0.0150%以下
    に制限し、更に、
    Bi:0.001〜0.300%、
    Pb:0.001〜0.300%、
    Sb:0.001〜0.300%、
    Sn:0.0005〜0.300%
    の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、該第2の鋼板の1/2板厚部における{110}<001>方位のX線ランダム強度比が6以上であり、該第2の鋼板の圧延方向に対して55°方向のヤング率が最大で、かつ225〜290GPaであり、前記第1の鋼板の圧延方向と該第2の鋼板の圧延方向とが直角であることを特徴とする張り剛性に優れた複合パネル。
  2. 第1の鋼板の成分が、更に質量%で、
    Cr:3.00%以下、
    Cu:0.35%以下、
    Ni:1.00%以下、
    Mo:1.00%以下
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の張り剛性に優れた複合パネル。
  3. 第2の鋼板の成分が、更に質量%で、
    Ti:0.150%以下、
    Nb:0.150%以下、
    V:0.150%以下、
    Cr:3.00%以下、
    Ni:3.00%以下、
    Mo:3.00%以下、
    Cu:3.00%以下、
    B:0.0060%以下
    の1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の張り剛性に優れた複合パネル。
  4. 貼着する第1の鋼板の板厚a[mm]と、第2の鋼板の板厚b[mm]とが、
    0≦|a−b|/(a+b)≦0.6、
    0.5mm≦a+b≦2.0mm
    を満足することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の張り剛性に優れた複合パネル。
  5. 第1の鋼板及び第2の鋼板が冷延鋼板であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の張り剛性に優れた複合パネル。
  6. 第1の鋼板及び第2の鋼板の一方又は双方が溶融亜鉛めっき冷延鋼板であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の張り剛性に優れた複合パネル。
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