JP5088021B2 - 高剛性高強度冷延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

高剛性高強度冷延鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高剛性高強度冷延鋼及びその製造方法に関するものである。
これまでに、鋼板の集合組織を制御し、圧延方向に対して直角な方向(幅方向という。)のみのヤング率を高めた鋼板に関して多数の提案がなされている(例えば、特許文献1〜4)。これらは圧延方向と直角方向のヤング率を高めた冷延鋼であり、圧延方向のヤング率を高める技術を提案するものではない。
また、圧延方向と幅方向のヤング率を同時に高めた鋼板に関して、一定方向への圧延に加えてそれと直角方向の圧延を施す厚鋼板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献5)。しかし、薄鋼板の連続熱延プロセスにおいては、圧延の方向を途中で変化させると、生産性を著しく阻害することになり、現実的ではない。
薄鋼板の幅は最大でも2m程度であり、これを超えるような長尺の部材に高ヤング率鋼板を適用するには、圧延方向のヤング率を高める必要があった。また、圧延方向と幅方向の双方に高いヤング率が得られることは部材の設計自由度を飛躍的に高める。
本発明者らの一部は、これまで鋼板の表層部に剪断歪みを与え、表層部の圧延方向のヤング率を高める方法を提案している(例えば、特許文献6、7)。これらは、鋼板の表層部に圧延方向のヤング率を高める集合組織を発達させたものであり、振動法によって測定したヤング率は230GPa超という高い数値を示している。これは、表層部のヤング率が高い場合、曲げ変形で測定される振動法では曲げモーメントの大きい表層部の寄与が大きくなるためである。
ヤング率の測定法の一つである振動法は、周波数を変化させながら鋼に曲げ変形を与えて、共振が起こる周波数を求め、それをヤング率に換算する測定方法である。このような方法で測定されたヤング率は動的ヤング率とも呼ばれ、曲げ変形時に得られるヤング率である。
しかし、例えば、長尺の梁や柱などの建材、また自動車用構造部材に作用する応力は曲げではなく、主に引張応力及び圧縮応力である。したがって、このような部材に適用する場合には振動法で得られる動的ヤング率ではなく、引張試験を行った際に得られる応力―歪曲線の弾性変形領域での傾きからヤング率を求める、静的引張法でのヤング率、すなわち静的ヤング率を高めることが極めて重要となる。静的引張法で測定されたヤング率は、板厚方向の部位とは関係なく、ヤング率の高い層と低い層の厚みの比のみで決まる材料全体としてのヤング率である。
しかし、特許文献6及び7に提案されている方法では、板厚中心部の集合組織は必ずしも圧延方向のヤング率向上には寄与しないものであった。そのため、振動法で測定したヤング率は高いものの、静的引張法で測定したヤング率は必ずしも高いものは得られない。更に、冷延鋼板は、熱間圧延後、冷間圧延及び焼鈍を行うため、熱間鋼板の表層に形成された集合組織をそのまま維持することが困難であり、静的引張法で高いヤング率を得ることは非常に難しい。
特開2006−152362公報 特開2006−183130公報 特開2006−183131公報 特開2005−314792公報 特開平4−147917公報 特開2005−273001公報 特願2005−330429公報
本発明は、圧延方向の静的ヤング率が高い冷延鋼及びその製造方法を提供するものである。
本発明は、Nb及び/又はTiの添加により再結晶を抑制し、更に、C、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crの添加量を適正な条件に調整して、板厚方向のより深い部位まで剪断歪みを導入して、熱間圧延後の組織にベイナイトを生成させ、冷間圧延及び焼鈍後に圧延方向の静的ヤング率を高める集合組織を形成させた冷延鋼板及び製造方法であり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 質量%で、C:0.010〜0.200%、Mn:0.10〜2.50%を含有し、Si:2.50%以下、P:0.150%以下、S:0.0150%以下、Al:0.150%以下、N:0.0100%以下に制限し、更に、Nb:0.005〜0.100% 、Ti:0.002〜0.150%の一方又は双方を合計で0.01〜0.25%含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、下記(式1)のBs[℃]が450〜700℃の範囲内であり、板厚3/8位置での{100}<011>、{211}<011>、{111}<011>方位のX線ランダム強度比の平均値(A)が3.0以上、{554}<225>、{110}<001>方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が5.0以下で、かつ、(A)/(B)≧1.5であることを特徴とする高剛性高強度冷延鋼
Bs=830−270C−90Mn−37Ni−70Cr−83Mo ・・・(式1)
ここで、C、Mn、Ni、Cr、Moは各元素の含有量[質量%]である。
(2) 質量%で、Mo:0.005〜0.500%、Cr:0.005〜1.000%、W:0.005〜1.500%、Cu:0.005〜0.350%、Ni:0.005〜0.350%の1種又は2種以上を下記(式2)を満足する範囲で含有することを特徴とする上記(1)に記載の高剛性高強度冷延鋼
3.0≦3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr≦7.5 ・・・(式2)
ここで、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]である。
(3) 質量%で、B:0.0003〜0.0100%を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の高剛性高強度冷延鋼
(4) 質量%で、Ca:0.0005〜0.1000%、Rem:0.0005〜0.1000%、V:0.001〜0.100%の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の高剛性高強度冷延鋼
(5) 板厚1/16位置での{110}<112>方位、{110}<111>方位の一方又は双方のX線ランダム強度比が3以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の高剛性高強度冷延鋼
(6) 圧延方向の静的ヤング率が215GPa以上であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の高剛性高強度冷延鋼
(7) 上記(1)〜(6)の何れかに記載の高剛性高強度冷延鋼に、溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とする高剛性高強度溶融亜鉛めっき冷延鋼板。
(8) 上記(1)〜(6)の何れかに記載の高剛性高強度冷延鋼に、合金化溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とする高剛性高強度合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板。
(9) 上記(1)〜(6)の何れかに記載の冷延鋼の製造方法であって、上記(1)〜(4)の何れかに記載の化学成分を有する鋼片を1100℃以上に加熱し、1000℃以下での圧下率の合計を40%以上、かつ、下記(式3)によって求められる形状比Xの平均値を2.5以上とし、最終パスの温度をAr3変態点以上900℃以下とする熱間圧延を施し、下記(式1)のBs[℃]以下、かつ450〜650℃の温度範囲内で巻き取った後、30〜80%の冷間圧延を施し、更に室温から650℃までの平均加熱速度3〜300℃/sで、650℃以上Ac3変態温度以下に加熱し、1秒以上保持する焼鈍を行うことを特徴とする高剛性高強度冷延鋼の製造方法。
Bs=830−270C−90Mn−37Ni−70Cr−83Mo ・・・(式1)
形状比X=ld/hm ・・・(式3)
ld(熱延ロールと鋼の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)、
hm:(hin+hout)/2、
L:ロール直径、
hin:圧延ロール入側の板厚、
hout:圧延ロール出側の板厚、
ここで、C、Mn、Ni、Cr、Moは各元素の含有量[質量%]である。
(10) 前記熱間圧延を施す際に、異周速率が1%以上の異周速圧延を少なくとも1パス以上施すことを特徴とする上記(9)に記載の高剛性高強度冷延鋼の製造方法。
(11) 上記(7)に記載の溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法であって、上記(9)又は(10)に記載の方法で製造した鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とする高剛性高強度溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
(12) 上記(8)に記載の合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法であって、上記(9)又は(10)に記載の方法で製造した鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施した後、450〜600℃までの温度範囲で10s以上の熱処理を行うことを特徴とする高剛性高強度合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
本発明により、圧延方向の静的ヤング率が向上した、高ヤング率冷延鋼板を得ることができる。
ヤング率は結晶方位に依存し、<111>方向は最もヤング率を高め、これに次いでヤング率を高める効果を有するのは<110>方向である。一方、<100>方向が集積すると、ヤング率が著しく低下する。
したがって、圧延方向に<111>方向が揃った方位(<111>方位群という。)を鋼板中に増やすことがヤング率を上げるために最も効果的である。
本発明者らは熱延板の表層部に発達する剪断層に発達する<111>方位群を活用することで、圧延方向の動的ヤング率を上げる方法を提案している。しかしながら、
1)これらの表層方位は、その後の冷延・焼鈍中にある程度壊れてしまう、
2)冷延・焼鈍中に板厚中心部に圧延方向のヤング率を下げる方位が発達する、
ことから、冷延鋼板において圧延方向の静的ヤング率を高めることは困難であった。
そこで本発明者らは、冷延焼鈍後の板厚中心部の集合組織に着目し、<111>方位群に次いでヤング率を高める効果を有する<110>方位群を板厚中心部にできるだけ増やし、かつ<100>方位を低減する方法について鋭意研究を行った。その結果、次のような知見を新たに得たものである。
(i)Nb及び/又はTiの添加によりオーステナイト相(以下、γ相という。)での再結晶を抑制して熱間圧延すると、圧延方向が<110>方向を向いている{100}<011>〜{111}<011>方位群が発達する。熱間圧延中の再結晶を抑制するために、更に、Bを添加することが好ましい。
(ii)発達した{100}<011>〜{111}<011>方位群を冷延中に更に発達させるためには、熱延板組織をベイナイト化することが重要である。
(iii)ただし、熱間圧延中に{100}<011>〜{111}<011>方位群が発達すると、冷延焼鈍後、圧延方向のヤング率を低下させる{554}<225>〜{110}<001>方位群の元となる、{332}<113>方位も熱延鋼板の板厚中心部に発達する。これを抑制するためには、γ相の積層欠陥エネルギーを考慮し、Mn、Cr、Mo等の成分を最適化することが必要である。
(iv)また、冷延・焼鈍中の{554}<225>〜{110}<001>方位群の発達を抑制するためには、熱延時に剪断力を出来るだけ内層まで作用させることが必要である。剪断力が働くことによって、熱延板の表層に剪断集合組織(<111>方位群)が発達し、圧延方向のヤング率が著しく発達することは前述した。しかし、この剪断力を出来るだけ内層まで作用させると、冷延焼鈍後の板厚中心部の集合組織にも変化が生じることが明らかになった。この原因は明らかではないが、剪断力が内層まで作用することによって、板厚中心近傍の熱延板組織の集合組織やひずみ状態が変化し、冷延・焼鈍中に{554}<225>〜{110}<001>方位が発達するのを抑制する効果があると考えられる。剪断力を内層まで作用させるためには圧延のロール径と板厚の関係で規定される形状比を制御することが非常に効果的である。
上記(i)については、Nb:0.005〜0.100%、Ti:0.002〜0.150%の一方又は双方を合計で0.01〜0.25%含有することが必要である。更に、B:0.0003〜0.001%を含有することが好ましい。
上記(ii)については、C、Mn、Ni、Cr、Moの含有量[質量%]を、下記(式1)で表されるBs[℃]が450〜700℃の範囲内になるように調整することが必要である。
Bs=830−270C−90Mn−37Ni−70Cr−83Mo ・・・(式1)
なお、上記(式1)において、選択元素であるNi、Cr、Moが不純物である場合、即ち、各元素の添加量が好ましい下限未満である場合は0として計算する。
(式1)のBs[℃]は、成分元素が、熱延板組織のベイナイト化に関する温度に及ぼす影響を数値化した経験式である。冷延中に集合組織を発達させるためには熱延板組織がベイナイト相を主相としていることが重要である。フェライト相+マルテンサイト相やフェライト相+パーライト相のように硬度差のある二相が混在している熱延板では、冷延中に硬質相周辺に不均一変形が生じ、集合組織がランダム化してしまう。
(式1)のBs[℃]が700℃を超えると、巻取温度範囲でベイナイト相を生成することが困難となることからこの値を上限とした。また、通常の熱延条件範囲で熱延板組織をベイナイト主相にするためには合金成分がBs[℃]の値が450℃未満になると、熱延板が硬質化し、冷延時に冷延装置への負担が大きくなると共に、集合組織の発達も阻害されることから、この値を下限とする。
更に、熱間圧延後の巻取温度の上限を(式1)で求めたBs[℃]以下、かつ650℃以下とすることが必要である。これは、巻取温度がBs[℃]超又は650℃超になると熱延板組織がベイナイト主相にならず、冷延・焼鈍中に集合組織がランダム化するためである。また、巻取温度の下限については、450℃未満にすると熱延板が硬質化し、冷延時に冷延装置への負担が大きくなる。
上記(iii)については、具体的には、下記(式2)を満足するようにMn、Mo、W、Ni、Cu、Cr添加することが望ましい。
3.0≦3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr
≦7.5 ・・・(式2)
ここで、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]であり、選択元素であるMo、W、Ni、Cu、Crが不純物である場合、即ち、各元素の添加量が好ましい下限未満である場合は0として計算する。
この、上記(式2)の関係式は、γ相を有するオーステナイト系ステンレスの積層欠陥エネルギーに及ぼす各元素の影響を数値化した式を基に、本発明者らが試験を行って更に検討を加え、修正したものである。(式2)の関係式の値が7.5を超えると板厚中心部に冷延焼鈍後に圧延方向のヤング率を低下させる方位の発達の元となる{332}<113>が発達することから、この値を上限とする。この観点からは6.5以下にすることがより望ましい。一方、この関係式の値が3.0未満では材料の強度を確保することが困難になる。また、表層で圧延方向ヤング率を高める{110}<111>方位への集積度が下がり、結果として圧延方向ヤング率が低下することがある。
上記(iv)については、熱間圧延の剪断力を内層まで作用させるために、1100℃以下で行われる熱間圧延のパス毎の形状比の平均値が2.5以上を満足する必要がある。形状比Xは、下記(式3)に示すように、ロールと鋼の接触弧張と平均板厚の比である。この形状比Xの値が大きいほど、熱延板の板厚方向のより深い部分にまで、剪断力が作用し、集合組織やひずみ状態が変化することは、本発明者らが得た知見である。
形状比X=ld/hm ・・・(式3)
ここで、ld(圧延ロールと鋼の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)
hm :(hin+hout)/2
L :圧延ロールの直径
hin:圧延ロール入側の板厚
hout:圧延ロール出側の板厚
上記(式3)によって求められる形状比Xの平均値が2.5未満では冷延焼鈍後に高い圧延方向ヤング率が得られない。高い圧延方向ヤング率を得る為には形状比Xの平均値は大きいほどよく、より好ましい下限値は3.5、更に望ましくは5.0以上とする。上限は特には設けないが、通常の熱延設備で平均形状比を10.0以上にすることは設備負荷が極めて大きい。
以下、本発明の冷延鋼板のX線ランダム強度比とヤング率について説明する。
板厚3/8位置での{100}<011>、{211}<011>、{111}<011>方位のX線ランダム強度比の平均値(A):
これらの方位は何れも圧延方向のヤング率を高めるのに有効な方位である。これらの方位のX線ランダム強度比の平均値(A)が3.0未満であれば、圧延方向のヤング率は向上しない。したがって、(A)の値の下限値は3.0とする。この観点から(A)の値は5.0以上であることが望ましく、10.0以上であることが更に望ましい。この値が大きいほどヤング率は高くなることから上限は特に規定しないが、30.0以上にすることは実質困難である。
(A)の値を3.0以上とするには、上記(i)において述べたように、Nb、Tiの添加が必要であり、Bの添加が更に好ましい。また、上記(ii)において述べたように、熱延板の組織をベイナイト化するため、成分組成及び巻取り温度を適正な条件とすることが必要である。
板厚3/8位置での{554}<225>、{110}<001>方位のX線ランダム強度比の平均値(B):
これらの方位は何れも圧延方向のヤング率を低くする方位である。したがって、これらの値の平均値(B)が5.0以下でなければならない。望ましくは3以下とする。下限は特に設定しないが、原理上この値は0より小さくなることはありえない。
{554}<225>、{110}<001>方位は、{554}<225>〜{110}<001>方位群の代表的な結晶方位であり、(B)の値を5.0以下とするには、上記(iii )及び(iv)において述べたように、成分組成及び形状比の制御が必要である。更に、後述するように冷延率を80%以下とすることが必要であり、65%以下とすることが好ましい。
(A)/(B):
板厚3/8位置での{100}<011>、{211}<011>、{111}<011>方位のX線ランダム強度比の平均値(A){554}<225>、{110}<001>方位のX線ランダム強度比の平均値(B)の比(A)/(B)は1.5以上とする。この範囲が満足できないと圧延方向のヤング率の値が上がらない。この観点から望ましくは、2.0以上、更に望ましくは3.0以上とする。
板厚1/16位置での{110}<112>方位、{110}<111>方位の一方又は双方のX線ランダム強度比:
これらの方位は何れも圧延方向のヤング率、特に動的ヤング率を上げるのに有効な方位である。したがって、X線ランダム強度比で3.0以上であることが望ましい。この観点からは5以上であることが望ましい。更に望ましくは10.0以上である。このようにするには、後述するように冷間圧延の圧下率を55%以下とすることが好ましい。
以上の{100}<011>方位、{211}<011>方位、{111}<011>方位、{554}<225>方位、{110}<001>方位、{110}<112>方位、及び{110}<111>方位のX線ランダム強度比は、X線回折によって測定される{110}、{100}、{211}、{310}極点図のうち複数の極点図を基に級数展開法で計算した、3次元集合組織を表す結晶方位分布関数(Orientation Distribution Function、ODFという。)から求めればよい。 なお、X線ランダム強度比とは、特定の方位への集積を持たない標準試料と供試材のX線強度を同条件でX線回折法等により測定し、得られた供試材のX線強度を標準試料のX線強度で除した数値である。
図1に、本発明の結晶方位が表示されるφ2=45°断面のODFを示す。ここで、結晶の方位は通常、板面に垂直な方位を[hkl]又は{hkl}、圧延方向に平行な方位を(uvw)又は<uvw>で表示する。{hkl}、<uvw>は等価な面の総称であり、[hkl]、(uvw)は個々の結晶面を指す。即ち、本発明においてはb.c.c.構造を対象としているため、例えば(111)、(−111)、(1−11)、(11−1)、(−1−11)、(−11−1)、(1−1−1)、(−1−1−1)面は等価であり区別がつかない。このような場合、これらの方位を総称して{111}と称する。
なお、ODFは、対称性の低い結晶構造の方位表示にも用いられるため、一般的にはφ=0〜360°、Φ=0〜180°、φ=0〜360°で表現され、個々の方位が[hkl](uvw)で表示される。しかし、本発明では、対称性の高い体心立方晶を対象としているため、Φとφについては0〜90°の範囲で表現される。
また、φは計算を行う際に変形による対称性を考慮するか否かによって、その範囲が変わるが、本発明においては、対称性を考慮しφ=0〜90°で表記する、すなわちφ=0〜360°での同一方位の平均値を0〜90°のODF上に表記する方式を選択する。この場合は、[hkl](uvw)と{hkl}<uvw>は同義である。したがって、例えば、図1に示した、φ2=45°断面におけるODFの(110)[1−11]のX線ランダム強度比は{110}<111>方位のX線ランダム強度比である。
X線回折用試料の作製は次のようにして行う。
鋼板を機械研磨や化学研磨などによって板厚方向に所定の位置まで研磨し、バフ研磨によって鏡面に仕上げた後、電解研磨や化学研磨によって歪みを除去すると同時に、3/8又は1/16板厚部が測定面となるように調整する。なお、測定面を正確に所定の板厚位置にすることは困難であるので、目標とする位置を中心として板厚に対して3%の範囲内が測定面となるように試料を作製すればよい。また、X線回折による測定が困難な場合には、EBSP(lectron ack cattering attern)法やECP(lectron hanneling attern)法により統計的に十分な数の測定を行っても良い。
静的ヤング率の測定は、JIS Z 2201に準拠した引張試験片を用いて、鋼板の降伏強度の1/2に相当する引張応力を付与して行う。即ち、降伏強度の1/2に相当する引張応力を加えて、得られた応力−歪み線図の傾きに基づいて、ヤング率を算出する。測定のバラツキを排除するため、同じ試験片を用いて、5回の計測し、得られた結果のうち最大値及び最小値を除いた3つの計測値の平均値として算出した値をヤング率とする。
以下、本発明において鋼組成を限定する理由についてさらに説明する。なお、元素の含有量の%は、質量%を意味する。
Cは、強度を増加させる元素であり、ヤング率の観点からも0.010%以上の添加が必要である。C量が0.010%未満に低下するとAr変態温度が上昇し、低温での熱延が困難となり、冷延焼鈍後のヤング率が低下することがあるためである。更に、溶接部の疲労特性の劣化を抑制するためには、0.020%以上とすることが好ましい。
一方、C量が0.200%を超えると成形性が劣化するため、上限を0.200%以下とする。また、C量が0.100%を超えると溶接性を損うことがあるため、C量の上限を0.100%以下とすることが好ましい。また、C量が0.060%を超えると圧延方向のヤング率が低下することがあるため、上限を0.060%以下とすることが更に好ましい。
Siは脱酸元素であり、下限は規定しないが、0.001%未満とするには製造コストが高くなる。また、Siは、固溶強化により強度を増加させる元素であり、冷延・焼鈍後にマルテンサイトやベイナイトさらには残留オーステナイト等を含む組織を得るためにも有効である。そのため、狙いとする強度レベルに応じて積極的に添加しても良いが、添加量が2.50%超となるとプレス成形性が劣化するため、2.50%以下を上限とする。
また、Si量が多いと化成処理性が低下するので、1.20%以下とすることが好ましい。更に、溶融亜鉛めっきを施す場合には、めっき密着性の低下、合金化反応の遅延による生産性の低下などの問題が生ずることがあるため、Si量の上限を1.00%以下とすることが好ましい。ヤング率の観点からはSi量の上限を0.60%以下とすることがより好ましく、更に好ましくは0.30%以下である。
Mnは、本発明において重要な元素である。Mnは、熱間圧延時に高温に加熱された際、γ相からフェライト相に変態する温度であるAr変態点を低下させる元素であり、Mnの添加によって、γ相が低温まで安定になり、仕上圧延の温度を低下させることができる。この効果を得るには、Mnを0.10%以上添加することが必要である。また、Mnは、後述するように、γ相での積層欠陥エネルギーとの相関があり、γ相での加工集合組織形成及び変態時のバリアント選択に影響を与え、変態後に圧延方向のヤング率を高める結晶方位を発達させる効果がある。この観点からMnを1.00%以上添加することが好ましい。更に好ましくは1.5%以上添加する。一方、Mnの添加量が2.50%を超えると逆に圧延方向のヤング率を下げる方位が発達することから、上限を2.50%以下とする。また、同様の観点と亜鉛めっきの密着性の観点からはで上限を2.00%以下とすることが好ましい。
Pは不純物であるが、強度を増加する必要がある場合には積極的に添加しても良い。また、Pは熱延組織を微細にし、加工性を向上する効果も有する。ただし、添加量が0.150%を超えると、スポット溶接後の疲労強度が劣化し、降伏強度が増加してプレス時に面形状不良を引き起こす。さらに、連続溶融亜鉛めっき時に合金化反応が極めて遅くなり、生産性が低下する。また、2次加工性も劣化する。したがって、その上限値を0.15%とする。この観点からは0.1%以下とすることが望ましい。
Sは、不純物であり、0.0150%超では熱間割れの原因となったり、加工性を劣化させるので、これを上限とする。
Alは脱酸調製剤であり、下限は特に限定しないが、脱酸の観点からは0.010%以上とすることが好ましい。一方、Alは変態点を著しく高めるので、0.150%超を添加すると、低温でのγ域圧延が困難となるので、上限を0.150%とする。
NbとTiは本発明において重要な元素であり、前述のように、これらの一方又は双方を合計で0.01〜0.25%含有させる。その際、それぞれを次の範囲で含有させるようにする。
Nbは、熱間圧延においてγ相を加工した際の再結晶を著しく抑制し、γ相での加工集合組織の形成を著しく促す。これにより、{100}<011>〜{111}<011>方位群が発達する。この観点からNbは0.005%以上添加することが必要である。また、0.015%以上添加することが好ましい。しかしながらNbの添加量が0.100%を超えると圧延方向のヤング率が低下するため、上限は0.100%とする。Nbの添加によって圧延方向のヤング率が低下する理由は定かではないが、Nbがγ相の積層欠陥エネルギーに影響を及ぼしているものと推測される。この観点からは0.060%以下とすることが好ましい。
Tiも{100}<011>〜{111}<011>方位群を発達させるために重要である。Tiはγ相高温域で窒化物を形成し、Nbと同様に熱間圧延において、γ相を加工した際の再結晶を抑制する。更に、Bを添加した場合にはTiの窒化物の形成によって、BNの析出が抑制されるため、固溶Bを確保することができる。これにより、ヤング率の向上に好ましい集合組織の発達が促進される。この効果を得るためには、Tiを0.002%以上添加することが必要である。一方、Tiを0.150%を超えて添加すると加工性が著しく劣化することからこの値を上限とする。この観点からは0.100%以下にすることが好ましい。更に好ましくは0.060%以下である。
Nは不純物であり、下限は特に設定しないが0.0005%未満とするにはコストが高くなり、それほどの効果が得られないため、0.0005%以上とすることが好ましい。また、Nは、Tiと窒化物を形成し、γ相の再結晶を抑制するため、積極的に添加しても良いが、Bの再結晶抑制効果を低減させることから0.0100%以下に抑える。この観点から好ましくは0.0050%、更に好ましくは0.0020%以下とする。
BはNbと複合添加することによって再結晶を著しく抑制すると共に、固溶状態で焼き入れ性を高める元素であり、オーステナイトからフェライトへの変態時の結晶方位のバリアント選択性に影響を及ぼすと考えられる。したがって、ヤング率を上げる方位である{100}<011>〜{111}<011>方位群の発達を促すと考えられる。この観点から0.0005%以上添加することが好ましい。一方、Bを0.0100%超添加しても更なる効果は得られないため、上限を0.0100%以下とする。また、Bを0.005%超添加すると、加工性が劣化することがあるため、0.0050%以下が好ましい上限である。更に好ましくは0.0030%以下である。
Moは0.005〜0.500%、Crは0.005〜1.000%、Wは0.005〜1.500%、CuおよびNiは0.005〜0.350%の範囲で、かつ、前述のように(式2)を満足する範囲で、1種又は2種以上添加することが望ましい。これらの元素は、Mnと同様にγ相での積層欠陥エネルギーを変えることで熱延の加工集合組織形成及び変態時のバリアント選択に影響を与え、変態後に熱延板の板厚表層部の{110}<111>や{110}<112>、板厚中心部の{100}<011>〜{111}<011>方位群を発達させ、ヤング率を向上させるのに寄与する。この効果を得るには、これらの元素の少なくとも1種を0.005%以上含有させることが好ましい。
一方これらの元素の含有量の上限は、前述のように、ヤング率を低下させる方位の元となる{332}<113>を増加させない範囲として、Moでは0.500%、Crでは1.000%、Wでは1.500%、CuおよびNiでは0.350%とするのが好ましい。
Ca、Rem及びVは機械的強度を高めたり材質を改善したりする効果があるので、必要に応じて、1種又は2種以上を含有することが好ましい。
Ca及びRemの添加量が0.0005%未満、Vの添加量が0.001%未満では十分な効果が得られないことがある。一方、Ca及びRemの添加量が0.1000%超、Vの添加量が0.100%超になるように添加すると、延性を損なうことがある。したがって、Ca、Rem及びVはそれぞれ、0.0005〜0.1000%、0.0005〜0.1000%及び0.001〜0.100%の範囲で添加することが好ましい。
次に、熱延の形状比、巻き取り温度以外の製造条件の限定理由について述べる。
鋼を常法により溶製、鋳造し、熱間圧延に供する鋼片を得る。この鋼片は、鋼塊を鍛造又は圧延したものでも良いが、生産性の観点から、連続鋳造により鋼片を製造することが好ましい。また、薄スラブキャスターなどで製造してもよい。
また、通常、鋼片は鋳造後、冷却し、熱間圧延を行うために、再度、加熱する。この場合、熱間圧延を行う際の鋼片の加熱温度は1100℃以上とすることが好ましい。これは、鋼片の加熱温度が1100℃未満であると、NbやTiが十分に固溶せず、再結晶抑制効果が著しく低減して高ヤング率化に適した集合組織の形成が阻害されたり、熱間圧延の仕上温度をAr変態点以上とすることが難しくなるためである。鋼片を効率良く均一に加熱するためには、加熱温度を1150℃以上とすることが好ましい。加熱温度の上限は規定しないが、1300℃超に加熱すると、鋼板の結晶粒径が粗大になり、加工性を損なうことがある。また、溶製した鋼を鋳造後、直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直接圧延(CC−DR)のようなプロセスを採用しても良い。
本発明の鋼板の製造においては、1100℃以下での熱間圧延の条件は重要であり、形状比の規定については、上述したとおりである。なお、圧延ロールの直径は、室温で測定したものであり、熱延中の扁平を考慮する必要はない。各圧延ロールの入側及び出側板厚は放射線等を用いてその場で測定してもよいし、圧延荷重より、変形抵抗等を考慮して計算で求めても良い。また、1100℃を超える温度における熱間圧延は、特に規定せず、適宜行っても構わない。即ち、鋼片の粗圧延については特に限定せず、常法によって行えば良い。
熱間圧延において、1100℃以下、最終パスまでの圧下率は40%以上とする。これは、1100℃超で熱間圧延しても加工後の組織が再結晶し、熱延板の集合組織を発達させる効果が得られないためである。
1100℃以下、最終パスまでの圧下率は、1100℃における鋼板の板厚と最終パス後の鋼板の板厚との差を、1100℃における鋼板の板厚で除した値を百分率で表した数値である。この圧下率は40%以上とするのは、40%未満では圧延方向のヤング率を高める集合組織が十分発達しないためである。この観点からは50%以上が好ましい。上限は特に設けないが、1100℃以下、最終パスまでの圧下率を95%超にすることは圧延機の負荷を高めるばかりか、集合組織にも変化を及ぼしヤング率が低下し始めることから95%以下にすることが好ましい。この観点からは90%以下が更に好ましい。
熱間圧延の最終パスの温度は、Ar変態点以上とする。これは、Ar変態点未満で圧延すると、ヤング率にとって好ましくない集合組織が発達するためである。また熱間圧延の最終パスの温度が900℃超では、圧延方向のヤング率の向上に好ましい集合組織を発達させることが困難である。圧延方向のヤング率を向上させるには、最終パスの圧延温度を、Ar変態点以上であることを条件として、850℃以下に低下させることが好ましい。
熱間圧延を実施する際には圧延ロールの異周速率が1%以上の異周速圧延を1パス以上施すことが好ましい。上下圧延ロールの周速差のある異周速圧延を実施すると、表層近傍に剪断歪みが導入されて集合組織の形成が促進されるため、異周速圧延を実施しない場合よりもヤング率が向上する。ここで本発明における異周速率とは、上下圧延ロールの周速差を低周速側ロールの周速で除した値を百分率で表示したものである。また、本発明の異周速圧延は、上下ロール周速の何れが大きくてもヤング率を向上させる効果に特段の差はない。
異周速圧延の異周速率は、ヤング率を向上させるには、大きいほど好ましい。したがって、異周速率は、1%以上よりも5%以上とすることが好ましく、更には異周速率10%以上の異周速圧延を施すことが好ましいが、異周速率を50%以上とすることは現状困難である。
また、異周速圧延パス数の上限は特に規定しないが、導入される剪断歪みの累積という観点から、多くした方が大きなヤング率向上効果が得られるため、1100℃以下の圧延の全パスを異周速圧延としても構わない。通常、仕上熱延のパス数は8パス程度までである。
上記のような方法で製造された熱延鋼に酸洗後、30〜80%の圧下率の範囲で冷間圧延を施す。圧下率を30%未満にすることは、板厚精度・形状不良を招くことからこの値を下限とする。一方圧下率が80%超になると冷延機への負荷が高くなると共に、ヤング率を下げる方位である{110}<001>方位の集積度が大きくなるため、この値を上限とする。この観点からは65%以下とすることがより望ましい。鋼板表層に{110}<111>方位又は{110}<112>方位をより強く残存させるという観点では冷間圧延率は55%以下とすることが望ましい。
焼鈍時、室温から650℃までの平均加熱速度は3〜300℃/sとする。加熱速度が3℃/s未満では加熱途中で再結晶が起こり、集合組織が崩れることからこれを下限とする。この観点からは8℃/s以上とすることが望ましく、更に望ましくは15℃/s以上である。加熱速度が高くなるほど集合組織が維持されるが、300℃/s超とすることは特段の効果を生じないことからこれを上限とする。
焼鈍は650℃以上Ac変態温度以下で1秒以上行うこととする。650℃以下では冷延時の加工組織がそのまま残存するために成形性が著しく低下する。したがって、この温度を焼鈍の下限値とする。一方、焼鈍温度がAc3変態温度超となると、集合組織が破壊され、形状凍結性が劣化することからこれを上限とする。
焼鈍後、インライン又はオフラインで圧下率10%以下の調質圧延を施しても良い。また、用途に応じて溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっきを施してもよい。亜鉛めっきの組成は特に限定するものではなく、亜鉛のほか、Fe、Al、Mn、Cr、Mg、Pb、Sn、Niなどを必要に応じて添加しても構わない。なお、調質圧延は、亜鉛めっき、合金化処理の後に行っても良い。
合金化処理は450〜600℃の範囲内で行う。450℃未満では合金化が十分に進行せず、また、600℃以上では過度に合金化が進行し、めっき層が脆化するため、プレス等の加工によってめっきが剥離するなどの問題を誘発する。合金化処理の時間は、10s以上とする。10s未満では合金化が十分に進行しない。合金化処理の時間の上限は特に規定しないが、通常、連続ラインに設置された熱処理設備によって行うため、3000sを超えて行うと生産性を損ない、又は設備投資が必要となるため、製造コストが高くなる。
また、合金化処理に先立ち、製造設備の構成に応じて、Ac変態温度以下の焼鈍を施してもよい。この温度域以下の温度であれば集合組織にはほとんど変化を生じないことからヤング率の低下を抑えることが可能である。
次に本発明を実施例にて説明する。
表1に示す組成を有する鋼を溶製して鋼片を製造し、鋼片を加熱して、熱間で粗圧延に続いて、表2に示す条件で仕上圧延を行った。仕上圧延のスタンドは全7段からなり、ロール径は650〜830mmである。また最終パス後の仕上板厚は2.3mm〜7.2mmとした。更に、表2及び表3において、SRT[℃]は鋼片の加熱温度、FT[℃]は圧延の最終パス後、即ち仕上出側の温度、CT[℃]は巻取温度である。圧下率は、1100℃における板厚と仕上板厚との差を1100℃における板厚で除した値であり、百分率として示した。形状比は、1100℃以下の温度で圧延されたパスでの形状比の平均値を示す。冷延率は、熱延板の板厚と冷延終了後の板厚との差を熱延板の板厚で除した値であり、百分率として示した。加熱速度は室温から650℃までの平均加熱速度を表す。
なお、表1の空欄は、分析値が検出限界未満であったことを意味する。また、表1の式2は、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]によって計算した、下記(式2)の中辺の値、式1は、C、Mn、Mo、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]によって計算した、下記(式1)のBs[℃]の値である。
Bs=830−270C−90Mn−37Ni−70Cr−83Mo ・・・(式1)
3.0≦3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr
≦7.5 ・・・ (式2)
表1の鋼No.Rは式2の値の下限を満足していない比較例であり、No.SとUは上限を満足していない比較例である。
Mo、W、Ni、Cu、Crの含有量が不純物程度である場合、例えば、表1のMo、W、Ni、Cu、Crが空欄である場合は0として上記(式1)、(式2)を計算する。
また、表1,2に示したArとAcはそれぞれ下記(式4)、(式5)より計算されたAr変態温度及びAc変態温度である。
Ar=901−325×C+33×Si+287×P+40×Al
−92×(Mn+Mo+Cu)−46×(Cr+Ni) ・・・(式4)
Ac=910−203×√C−15.2×Ni+44.7×Si+104×V+
31.5×Mo+13.1×W−30×Mn−11×Cr−20×Cu+
700×P+400×Al+400×Ti ・・・(式5)
ここで、C、Si、P、Al、Mn、Mo、Cu、Cr、Ni、W,Tiは、各元素の含有量[質量%]であり、含有量が不純物程度である場合は0とする。
得られた鋼板からJIS Z 2201に準拠した引張試験片を採取し、引張試験をJIS Z 2241に準拠して行い、引張強度を測定した。ヤング率の測定は静的引張法と振動法の両法により測定した。
静的引張法によるヤング率の測定は、JIS Z 2201に準拠した引張試験片を用いて、鋼板の降伏強度の1/2に相当する引張応力を付与して行った。測定は5回行い、応力−歪み線図の傾きに基づいて算出したヤング率のうち、最大値及び最小値を除いた3つの計測値の平均値を静的引張法によるヤング率とし、引張ヤング率として表3に示した。
また、鋼板の板厚3/8位置での{100}<011>、{211}<011>、{111}<011>、{554}<225>、{110}<001>方位のX線ランダム強度比及び板厚1/16位置での{110}<112>方位、{110}<111>方位のX線ランダム強度は、以下のようにして測定した。
まず、鋼板を機械研磨及びバフ研磨後、更に電解研磨して歪みを除去し、3/8板厚部及び1/16板厚部が測定面となるように調整した試料を用いて、X線回折を行った。なお、特定の方位への集積を持たない標準試料のX線回折も同条件で行った。次に、X線回折によって得られた{110}、{100}、{211}、{310}極点図を基に級数展開法でODFを得た。このODFから、上記の方位のX線ランダム強度比を決定した。
また、これらの鋼板のうち、冷延焼鈍後に溶融亜鉛めっきを施した場合は、「溶融」、更に、溶融亜鉛めっき後、520℃で15秒保持する合金化処理を行い、合金化溶融亜鉛めっきを施した場合は、「合金」と表記した。
結果を表3に示す。なお、ヤング率の欄のRDは圧延方向(ollinng irection)、TDは圧延方向と直角の方向である幅方向(ransverse irection)をそれぞれ意味する。
表3から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で製造した場合には、圧延方向、圧延直角方向の何れも静的引張法、動的振動法によるヤング率が215GPa超とすることができた。
一方、製造No.44〜47は、化学成分が本発明の範囲外である鋼No.T〜Wを用いた比較例である。製造No.44はMnの添加量が低く、Ar3変態温度が高くなった場合の例である。この場合、γ域で熱延を行うためには900℃超の高温で熱延を行わなければならず、熱延板の段階で集合組織形成が十分行われないことから、ヤング率が低下する。製造No.45は逆にMnの添加量が高すぎる場合の例で、この場合、結晶方位群(B)が強く発達するために圧延方向のヤング率が低下してしまう。製造No.46と47は何れもNb,Tiがまったく添加されていないか、又は量が少なすぎて、Nb,Ti量の総和が不足している例である。この場合、熱延・焼鈍の何れの段階でも再結晶により集合組織が崩れてしまうことから、高いヤング率を得ることができない。
鋼No.Eの比較例である製造No.12のように、熱延において1100℃以下での圧下率が低い場合や、鋼No.Iの比較例である製造No.22のように1100℃以下での形状比が低い場合には、熱延中に圧延方向のヤング率に有意な方位の発達が十分でなく、No.12ではA/Bの比が満足できない。その結果、冷延焼鈍後のヤング率も向上しない。鋼No.Gの比較例である製造No.17は熱延の加熱温度が低い例を示す。この場合もNbやTiが十分に固溶できずに熱延時の再結晶が抑制できないことから冷延焼鈍後の集合組織の発達が不十分である。
鋼Jの比較例である製造No.24は冷延率が高すぎるために圧延方向のヤング率を低下させる方位が発達してしまい、A/Bの比も満足できない。鋼No.Lの比較例である製造No.28は焼鈍時の加熱速度が低い場合を示す。この場合、焼鈍途中に再結晶が始まってしまい、集合組織がくずれてしまう。鋼No.Pの比較例である製造No.39は焼鈍温度がAc3変態温度よりも高い場合を示す。この場合も焼鈍途中に集合組織がくずれてしまい、高いヤング率を得ることは出来ない。
Figure 0005088021
Figure 0005088021
Figure 0005088021
表1に示した鋼DとNを用いて、表4に示す条件で鋼板を製造した。表に示した製造No.49、51及び52は、全7段からなる仕上げ圧延スタンドの最終の3段、即ち、5パス、6パス及び7パスでの異周速率を変化させた異周速圧延を行った例である。なお、表4で表示されていない熱延条件は全て実施例1と同様である。また、実施例1と同様に、引張特性、3/8板厚部及び1/16板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定を行った。溶融めっき、合金化溶融めっき等は行っていない。結果を表5に示す。
これから明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延する際に1%以上の異周速圧延を1パス以上加えると、集合組織形成が促進され、更にヤング率が向上する。
Figure 0005088021
Figure 0005088021
本発明の高ヤング率鋼板は、自動車、家庭電気製品、建物などに使用される。また、本発明の高ヤング率鋼板は、表面処理をしない狭義の熱延鋼板と、防錆のために溶融Znめっき、合金化溶融Znめっき、電気めっきなどの表面処理を施した広義の熱延鋼板を含む。表面処理にはアルミ系のめっき、熱延鋼板、各種めっき鋼板の表面への有機皮膜、無機皮膜の形成、塗装、それらを組み合わせた処理も含まれる。
本発明の鋼板は高いヤング率を有するため、従来の鋼板よりも板厚を減少させること、即ち軽量化が可能になり、地球環境保全に寄与できる。また、本発明の鋼板は、形状凍結性も改善されるため、自動車用部材などのプレス部品への高強度鋼板の適用が容易になる。更に、本発明の鋼板を成形、加工して得られた部材は、衝突エネルギー吸収特性にも優れるので、自動車の安全性の向上にも寄与する。
φ=45°断面でのODFと主な方位を示す図である。

Claims (12)

  1. 質量%で、
    C :0.010〜0.200%、
    Mn:0.10〜2.50%
    を含有し、
    Si:2.50%以下、
    P :0.150%以下、
    S :0.0150%以下、
    Al:0.150%以下、
    N :0.0100%以下
    に制限し、更に、
    Nb:0.005〜0.100% 、
    Ti:0.002〜0.150%
    の一方又は双方を合計で0.01〜0.25%含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、下記(式1)のBs[℃]が450〜700℃の範囲内であり、板厚3/8位置での{100}<011>、{211}<011>、{111}<011>方位のX線ランダム強度比の平均値(A)が3.0以上、{554}<225>、{110}<001>方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が5.0以下で、かつ、(A)/(B)≧1.5であることを特徴とする高剛性高強度冷延鋼
    Bs=830−270C−90Mn−37Ni−70Cr−83Mo ・・・(式1)
    ここで、C、Mn、Ni、Cr、Moは各元素の含有量[質量%]である。
  2. 質量%で、
    Mo:0.005〜0.500%、
    Cr:0.005〜1.000%、
    W :0.005〜1.500%、
    Cu:0.005〜0.350%、
    Ni:0.005〜0.350%
    の1種又は2種以上を下記(式2)を満足する範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の高剛性高強度冷延鋼
    3.0≦3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr
    ≦7.5 ・・・(式2)
    ここで、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]である。
  3. 質量%で、
    B :0.0003〜0.0100%
    を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高剛性高強度冷延鋼
  4. 質量%で、
    Ca:0.0005〜0.1000%、
    Rem:0.0005〜0.1000%、
    V :0.001〜0.100%
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の高剛性高強度冷延鋼
  5. 板厚1/16位置での{110}<112>方位、{110}<111>方位の一方又は双方のX線ランダム強度比が3以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の高剛性高強度冷延鋼
  6. 圧延方向の静的ヤング率が215GPa以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の高剛性高強度冷延鋼
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の高剛性高強度冷延鋼に、溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とする高剛性高強度溶融亜鉛めっき冷延鋼板。
  8. 請求項1〜6の何れか1項に記載の高剛性高強度冷延鋼に、合金化溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とする高剛性高強度合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板。
  9. 請求項1〜6の何れか1項に記載の高剛性高強度冷延鋼の製造方法であって、請求項1〜4の何れか1項に記載の化学成分を有する鋼片を1100℃以上に加熱し、1000℃以下での圧下率の合計を40%以上、かつ、下記(式3)によって求められる形状比Xの平均値を2.5以上とし、最終パスの温度をAr3変態点以上900℃以下とする熱間圧延を施し、下記(式1)のBs[℃]以下、かつ450〜650℃の温度範囲内で巻き取った後、30〜80%の冷間圧延を施し、更に室温から650℃までの平均加熱速度3〜300℃/sで、650℃以上Ac3変態温度以下に加熱し、1秒以上保持する焼鈍を行うことを特徴とする高剛性高強度冷延鋼の製造方法。
    Bs=830−270C−90Mn−37Ni−70Cr−83Mo ・・・(式1)
    形状比X=ld/hm ・・・(式3)
    ld(熱延ロールと鋼の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)、
    hm:(hin+hout)/2、
    L :ロール直径、
    hin:圧延ロール入側の板厚、
    hout:圧延ロール出側の板厚、
    ここで、C、Mn、Ni、Cr、Moは各元素の含有量[質量%]である。
  10. 前記熱間圧延を施す際に、異周速率が1%以上の異周速圧延を少なくとも1パス以上施すことを特徴とする請求項9に記載の高剛性高強度冷延鋼の製造方法。
  11. 請求項7に記載の溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法であって、請求項9又は10に記載の方法で製造した鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とする高剛性高強度溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
  12. 請求項8に記載の合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法であって、請求項9又は10に記載の方法で製造した鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施した後、450〜600℃までの温度範囲で10s以上の熱処理を行うことを特徴とする高剛性高強度合金化溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
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