JP5389574B2 - 切削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体ウェーハや各種電子部品の基板といった薄板状のワークを切削ブレードによって切断加工したり溝加工したりする切削装置に係り、特に、切削ブレードの回転軸をエアで支持するエアスピンドルユニットを備えた切削装置に関する。
上記のようなワークを多数のチップに分割する装置として、高速回転させた円板状の切削ブレードをワークに切り込ませていく切削装置が普及している。そしてこの種の切削装置では、切削ブレードをエアスピンドルユニットで支持しているものがある。エアスピンドルユニットは、切削ブレードが装着される回転軸をハウジング内に回転可能に挿入し、ハウジング内に高圧のエアを供給する構成であり、ハウジングのラジアルエアベアリングとスラストエアベアリングにより、回転軸はハウジングとの間に一定の距離が保持された状態で回転可能に支持されるようになっている(特許文献1等参照)。
このような切削装置においては、通常、切削ブレードがワークに接触する加工点付近に切削液を供給しながら切削が行われる。切削液は、切削によって生じる摩擦熱が切削ブレードの摩耗や破損あるいはワークのチッピング(欠け)などを発生させるため、主に冷却を目的として供給されている。また、切削液は、加工点から切削屑を洗い流して除去したり加工点を潤滑したりするといった目的でも供給される。
ところで、加工点に切削液が供給されると、切削により発生した切削屑(コンタミネーション)が切削液に混じった状態で飛散する。したがって、切削屑が切削装置の様々な箇所に付着するといったことが起こる。ここで、特に、上記エアスピンドルユニットの回転軸とハウジングとの間に形成される間隙に切削屑が侵入して例えばハウジング側に付着して固化すると、回転軸とハウジングとの間でいわゆるカジリ現象が生じ、動作に不具合を招く場合があった。そこで、その間隙から、上記エアベアリングを形成するエアをハウジングの外部に向けて噴出させてエアカーテン部を形成し、切削屑を含む切削液を該エアカーテン部によって阻止して間隙周辺への切削屑の付着を防止することが行われている。
特開2000−21822号公報
しかしながら、切削加工が長時間なされると、上記間隙の周辺に切削屑が付着して堆積し、間隙が狭くなってエアカーテン部が正常に機能しなくなる場合があった。また、このような状況になって該間隙の様子を目視で確認しようとした場合には、切削ブレード、あるいは切削ブレードを回転軸に取り付けるためのブレードマウント等を回転軸から取り外すといった煩雑な作業が必要となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な技術的課題は、切削ブレード等を取り外すといった煩雑な作業を行わなくても、上記エアカーテン部を形成する間隙の周辺に切削屑が付着して該間隙が狭くなったことを容易に検知することができる切削装置を提供することを目的としている。
本発明は、回転軸と、該回転軸をエアによって支持するハウジングと、前記回転軸と前記ハウジングとの間に形成される空間にエアを供給するためのエア供給口とを有するエアスピンドルユニットと 前記回転軸の先端に装着されるブレードマウントと、
該ブレードマウントに装着される切削ブレードと、該切削ブレードによって切削されるワークを保持する保持テーブルとを具備する切削装置であって、前記エア供給口から供給されたエアが前記回転軸と前記ハウジングとの間の空間を通り、該ハウジングと該回転軸の先端に装着された前記ブレードマウントとの間に形成される間隙から噴出することによって形成されるエアカーテン部と、前記回転軸と前記ハウジングとの間に形成され、前記エアカーテン部におけるエアの圧力に応じた圧力変化を示すエア圧力室と、該エア圧力室のエア圧力を検出するエア圧力検出部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、ハウジングとブレードマウントとの間の間隙に切削液が侵入して該間隙の周辺のハウジングあるいはブレードマウントに切削屑が付着し、該間隙が狭くなると、エア圧力室の圧力に変化が生じ、この圧力変化がエア圧力検出部で検出される。エア圧力検出部で検出される圧力に閾値を設定しておき、閾値を超えた場合には、エアカーテン部の周辺のブレードマウントとハウジングの少なくとも一方に切削屑が付着することにより両者の間の間隙が狭くなったと検知することができる。
なお、本発明で言うワークは特に限定はされないが、例えばシリコンウェーハ等の上記半導体ウェーハや、チップ実装用としてウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、あるいは半導体製品のパッケージ、セラミックやガラス系あるいはシリコン系の基板、各種電子部品、液晶表示装置を制御駆動するLCDドライバ等の各種ドライバ、さらには、ミクロンオーダーの精度が要求される各種加工材料等が挙げられる。また、これらの中では、切削時に生じる切削屑がセメント状に固化して堆積しやすく、上記エアカーテン部の切削液侵入防止機能が損なわれやすい生セラミックをワークとする場合に、特に効果的である。
本発明によれば、切削ブレード等を取り外すといった煩雑な作業を行わなくても、エアカーテン部の周辺に切削屑が付着して該エアカーテン部が狭くなったことを容易に検知することができるといった効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る切削装置およびワークである半導体ウェーハを示す斜視図である。 同切削装置が具備する切削手段の斜視図である。 図2に示した切削手段の全体断面図である。 切削手段を構成するエアスピンドルユニットの切削ブレードが取り付けられている先端部を拡大した断面図である。 同エアスピンドルユニットに対する切削ブレードの取付構造を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態の切削装置10を示している。該装置10は、同図に示す円板状の半導体ウェーハ(以下、ウェーハと略称)1をワークとするものであって、切削ブレード65による切削加工動作を自動制御してウェーハ1を多数のデバイス(半導体チップ)にダイシングするダイシング装置である。
(1)ウェーハ
まず、ワークであるウェーハ1を説明する。ウェーハ1は、厚さが例えば100〜700μm程度であって、表面には格子状の分割予定ラインにより多数の矩形状のデバイス2が形成されている。これらデバイス2には、図示せぬICやLSI等の電子回路が形成されている。切削装置10による切削加工(ダイシング)は、ウェーハ1の厚さを貫通して完全に切断するフルカットの他に、表面から厚さの途中まで切削して溝を形成する溝加工を含む。溝を形成した場合には、後工程でさらに溝の残り厚さ部分を別の切削ブレードでフルカットするか、あるいは応力を付与して割断することにより、ウェーハ1は多数のデバイス2に分割される。
なお、ウェーハ1は、図1に示すように、環状のフレーム3の内側に粘着テープ4を介して同心状に一体に支持された状態で、切削装置10に供給される。粘着テープ4は片面が粘着面とされたもので、その粘着面にフレーム3とウェーハ1が貼り付けられる。フレーム3は、金属等の板材からなる剛性を有するものであり、このフレーム3を支持することにより、ウェーハ1が搬送される。
(2)切削装置
(2−1)切削装置の構成
続いて、図1に示す切削装置10の構成を説明する。切削装置10は、一対の上記切削ブレード65を互いに対向配置した2軸対向型である。図1の符合11は基台であり、この基台11の中央には、長辺方向がX軸方向に延びる長方形状の凹所12が形成されている。この凹所12には、円板状のチャックテーブル(保持テーブル)20がX軸方向に移動自在に設けられている。また、図1における基台11上の後側(X2方向側)には、凹所12をまたぐ門型コラム30が固定されている。
チャックテーブル20は、テーブルベース25上に、鉛直方向であるZ軸方向を回転軸線として回転自在に支持されており、テーブルベース25に設けられた図示せぬ回転駆動機構によって時計方向あるいは反時計方向に回転させられる。テーブルベース25は、凹所12内に配設された図示せぬ移動機構によってX軸方向に往復移動するようになされており、したがってチャックテーブル20はテーブルベース25とともにX軸方向に往復移動する。
チャックテーブル20は一般周知の真空チャック式であり、水平な上面の周縁部を残した大部分が、ウェーハ1を吸着、保持する円形状の吸着面21となっている。この吸着面21の直径は、ウェーハ1の直径とほぼ同じとされ、ウェーハ1は全体が吸着面21に同心状に載置されて保持される。上記のようにフレーム3に支持されたウェーハ1は、真空運転状態のチャックテーブル20の吸着面21上に載置されて吸着、保持される。チャックテーブル20の周囲には、フレーム3を着脱自在に保持する複数のクランプ26が配設されている。これらクランプ26は、テーブルベース25に取り付けられている。
チャックテーブル20の周囲は、長方形状のプレートカバー27によって覆われている。このプレートカバー27はテーブルベース25に支持されており、チャックテーブル20と一体にX軸方向に移動する。そしてプレートカバー27のX軸方向の両端部には、凹所12を覆う伸縮自在な蛇腹状のカバー28が取り付けられている。凹所12は、チャックテーブル20がX軸方向に移動しても常にプレートカバー27とカバー28で覆われる。これにより、切削加工時に使用される切削液や切削屑(コンタミネーション)が、テーブルベース25をX軸方向に移動させる上記移動機構に落下することが防がれるようになっている。
門型コラム30は、凹所12の両側にY軸方向に並んで立設された一対の脚部31と、これら脚部31の上端部間に水平に架け渡された梁部32とを有している。梁部32の図1で手前側(X1方向側)の面には、Y軸方向に延びる上下一対のY軸ガイド33が設けられており、これらY軸ガイド33に、第1Y軸スライダ41と第2Y軸スライダ42とがそれぞれ摺動自在に取り付けられている。第1Y軸スライダ41は、図示せぬ第1Y軸送りモータによって作動する第1Y軸ボールねじ送り機構412によりY軸ガイド33に沿って往復移動させられる。また、第2Y軸スライダ42は、第2Y軸送りモータ421によって作動する第2Y軸ボールねじ送り機構422によりY軸ガイド33に沿って往復移動させられる。
第1Y軸スライダ41および第2Y軸スライダ42には、Z軸方向に延びる一対のZ軸ガイド34がそれぞれ設けられており、第1Y軸スライダ41のZ軸ガイド34には第1Z軸スライダ51が、また、第2Y軸スライダ42のZ軸ガイド34には第2Z軸スライダ52が、それぞれ摺動自在に取り付けられている。第1Z軸スライダ51は、第1Z軸送りモータ511によって作動する図示せぬ第1Z軸ボールねじ送り機構により、Z軸ガイド34に沿って昇降させられる。また、第2Z軸スライダ52は、第2Z軸送りモータ512によって作動する図示せぬ第2Z軸ボールねじ送り機構により、Z軸ガイド34に沿って昇降させられる。
第1Z軸スライダ51の下端部には、第1ブラケット611を介して第1切削手段61が固定されており、第2Z軸スライダ52の下端部には、第2ブラケット621を介して第2切削手段62が固定されている。各切削手段61,62は同一構成であって、エアスピンドルユニット70の先端に上記切削ブレード65が装着されたものである。
エアスピンドルユニット70は、図2〜図4に示すように(図2は切削手段61を示している)、円筒状の内周面を有するハウジング80と、このハウジング80内に回転自在に挿入された回転軸90とを備えている。ハウジング80は、後端側(図3および図4で右側)に底部811を有し回転軸90の大部分が挿入されるハウジング本体81と、このハウジング本体81の開口した先端側(図3および図4で左側)に固着されるリング82と、このリング82に固着されるキャップ83とから構成されている。
図3に示すように、ハウジング本体81には、底部811側に開口して先端側に延びるエア供給路812が形成されており、このエア供給路812の底部811側の開口がエア供給口813とされている。また、ハウジング本体81の底部811には、エア排出口814が形成されている。図4に示すように、リング82にはエア供給路812とハウジング80内を連通するエア吐出路821が形成されており、エア供給口813から供給されたエアは、エア供給路812を通ってエア吐出路821からハウジング80内に吐出されて供給されるようになっている。
回転軸90は、ハウジング本体81に挿入される胴部91を主体としており、この胴部91の先端部であってハウジング80のリング82に対応する部位には、鍔部92が形成されている。そしてリング82の鍔部92に対応する内周面には、鍔部92が空間を空けて嵌合される溝822が全周にわたって形成されている。また、回転軸90においては、鍔部92の先端側に、切削ブレード65の取付軸93が形成されている。取付軸93および鍔部92は、胴部91と同心状に形成されている。
図3に示すように、エアスピンドルユニット70の後端部には、回転軸90を回転させるモータ71が設けられている。このモータ71は、回転軸90の胴部91の後端部に形成されたロータ711と、ハウジング本体81の内周面にロータ711に対向して配設されたステータ712とから構成されている。このモータ71が作動すると回転軸90は軸回りに回転駆動される。
回転軸90が回転駆動される時には、エア供給口813から高圧のエアがエア供給路812に導入され、上記のようにエア吐出路821からハウジング80内にエアが供給される。ハウジング80内に供給されたエアは、エア排出口814からハウジング80の外部に排出していく。このようにしてエアがハウジング80内に供給されることにより、回転軸90の周面とハウジング80の内周面との間にラジアルエアベアリング72が形成され、かつ、鍔部92の側面とリング82との間にスラストエアベアリング73が形成される。これらエアベアリング72,73が形成されることにより、回転中の回転軸90はハウジング80との間に一定の距離が保持された状態で支持される。
回転軸90の取付軸93は、ハウジング80のキャップ83を貫通してハウジング80の先端側に突出している。この取付軸93は、図4および図5に示すように、先端に向かうにしたがって外径が小さくなる円錐状に形成されており、先端面にはねじ孔931が形成されている。取付軸93に取り付けられる切削ブレード65は、リング状の基台651の片側(ハウジング80側)の外周面に刃部652が固着されてなるもので、ブレードマウント66を介して取付軸93に着脱可能に取り付けられる。ブレードマウント66は、取付軸93が嵌入するテーパ状の取付孔661が軸心に形成された円筒部662と、この円筒部662の軸方向中間の外周面に形成されたフランジ663とを有するもので、フランジ663より先端側の円筒部662に雄ねじ部664が形成されている。
切削ブレード65を取付軸93に取り付けるには、まず、ブレードマウント66の取付孔661を取付軸93に嵌入させ、ワッシャ67に通したボルト68をねじ孔931にねじ込む。ブレードマウント66はワッシャ67によってハウジング80側に押され、これにより取付軸93が取付孔661に圧入された状態となってブレードマウント66が取付軸93に締結される。次いで、切削ブレード65における基台651の中心の孔653をブレードマウント66の雄ねじ部664に嵌め入れ、ナット69を雄ねじ部664にねじ込んで締結する。これにより、切削ブレード65はブレードマウント66を介して取付軸93に取り付けられる。
図4に示すように、ブレードマウント66における円筒部662の後端部(図4で右側の端部)は、ハウジング80のキャップ83の開口内周面831と僅かな間隙74を空けて対向している。エアスピンドルユニット70が作動して切削ブレード65が回転している時には、この間隙74も全周にわたり一定の距離に保持される。そしてこの間隙74から、上記エア供給口813よりハウジング80内に供給されて回転軸90とハウジング80との間の空間を通ったエアがハウジング80の外部に噴出するようになっている。間隙74から噴出するエア(図4で間隙74から左方に延びる矢印で示す)により、間隙74に流体が侵入することを防ぐエアカーテン部75が形成される。ここでのエアカーテン部75は、間隙74を通過するエア、および間隙74から噴出した直後のエアによって形成されるとする。
図4に示すように、キャップ83における上記開口内周面831の奥側の内周面には溝832が全周にわたって形成されており、この溝832により、キャップ83の内部にはブレードマウント66の端面に塞がれた状態のエア圧力室833が形成される。このエア圧力室833は、エアカーテン部75を形成する上記間隙74に連通しており、間隙74から噴出してエアカーテン部75を形成する直前のエアの圧力に応じた圧力変化を示す空間となっている。そしてこのエア圧力室833には、エア圧力室833のエア圧力を検出する圧力センサ(エア圧力検出部)85が配設されている。この圧力センサ85で検出される圧力は、該装置10のオペレータが常に認識可能に表示されるようになっている。
図1に示すように、上記構成の切削手段61,62は、エアスピンドルユニット70がY軸方向と平行、かつ互いに同軸的で、切削ブレード65が取り付けられた先端どうしが向かい合う状態に、ハウジング80が各ブラケット611,621の下端部に固定されている。切削手段61,62は、それぞれY軸スライダ41,42と一体にY軸方向に移動させられ、Y軸方向に互いに接近したり離間したりする。
切削ブレード65は、チャックテーブル20上に保持されたウェーハ1に刃部652が切り込んで切削加工を施す。本装置10では、切削ブレード65を支持する回転軸90がY軸方向に延びているので、切削ブレード65がウェーハ1に切り込んで切削を進行する加工送り方向はX軸方向である。一方、切削ブレード65を軸方向に移動させる割り出し送り方向はY軸方向である。したがって、切削ブレード65の加工送りは、チャックテーブル20をX軸方向に移動させて切削ブレード65に対し相対的にX軸方向にウェーハ1を移動させることによりなされる。また、割り出し送りは、各Y軸スライダ41,42によって切削ブレード65をY軸方向に移動させることによりなされる。
図2に示すように、切削ブレード65は、主に上側の周縁がブレードカバー100で覆われており、ブレードカバー100から露出する下端の刃部652でウェーハ1を切削する。切削ブレード65は、例えば図2の矢印A方向に高速回転した状態で、ウェーハ1に切り込んで切削する。ブレードカバー100は、エアスピンドルユニット70のハウジング80の先端に固定されるベース部101を有しており、このベース部101に、切削ブレード65の回転方向における前方を覆う前部カバー102と、切削ブレード65の上方と後方を覆う可動カバー103とを備えている。可動カバー103は、切削ブレード65の露出する側面の後部を覆う三角形状の側面カバー103aを有している。
前部カバー102の切削ブレード65への対向面の下端部にはY軸方向に並ぶ複数の外周ノズル111(図2では1つしか見えない)が設けられており、これら外周ノズル111から、切削液が切削ブレード65に向けて噴出される。また、可動カバー103には、先端部がX軸方向に延びる平行な2本の側方ノズル112が、切削ブレード65の両側に配設される状態に取り付けられている。これら側方ノズル112には複数のスリット112aが形成されており、これらスリット112aから切削液が切削ブレード65に向けて噴出される。前部カバー102および可動カバー103には、切削液の供給配管が接続される接続管121,122が、それぞれ取り付けられている。
可動カバー103は、ベース部101の上部に固定されたエアシリンダ104によってX2方向に移動するようになされており、X2方向に移動した状態で、側方ノズル112に干渉することなく切削ブレード65およびブレードマウント66を取付軸93に対して着脱することができるようになっている。エアシリンダ104の上面には、該エアシリンダ104内に対して空気を供給/排出するエア配管が接続される一対の接続管131が取り付けられている。
(2−2)切削装置の動作概要
以上が一実施形態に係る切削装置10の全体構成であり、次に、この切削装置10によってウェーハ1を多数のデバイス2にダイシングする動作を説明する。
ウェーハ1は、上記のように粘着テープ4を介してフレーム3に支持された状態で、チャックテーブル20上に吸着、保持され、チャックテーブル20が図1でX2方向に移動することにより、各切削手段61,62の下方位置に当たる加工位置に搬送される。そしてこの加工位置において、デバイス2間の交差する多数の分割予定ラインのうち、まず一方向に延びる側が全て切削加工され、次いで、他方向に延びる側の全ての分割予定ラインが切削加工されて、ウェーハ1が多数のデバイス2にダイシングされる。切削加工される分割予定ラインは、チャックテーブル20を回転させてウェーハ1を自転させることにより、X軸方向と平行に定められる。
切削加工は、チャックテーブル20をX2方向に移動させながら、下端の刃先が所定の切り込み高さ(Z軸方向の位置)に設定された高速回転する切削ブレード65を、分割予定ラインに対しX2方向側の端部からX1方向側の端部に向けて切り込ませる加工送りをすることによってなされる。1回の加工送りが終わったら、切削ブレード65が上方に退避し、チャックテーブル20がX1方向に移動して切削ブレード65が加工送りの始点に戻されるとともに、切削手段61,62がY軸方向に移動して次の分割予定ラインに切削ブレード65の刃先を合わせる割り出し送りが行われてから、該次の分割予定ラインに対し切削ブレード65を加工送りさせる。以上の動作を行って、X軸方向に延びる全ての分割予定ラインに切削加工が施される。なお、分割予定ラインに切削ブレード65を位置決めするには、カメラ等を用いた周知のアライメント手段を利用して行われる。
(2−3)エアカーテン部および圧力センサの作用
上記のようにしてウェーハ1を切削加工している間にあっては、切削ブレード65やウェーハ1に対し、ブレードカバー100に設けられた外周ノズル111と側方ノズル112から切削液が噴出され、切削ブレード65がウェーハ1に切り込んでいる加工点に切削液が供給される。この切削液により、切削ブレード65がウェーハ1を切削する際に生じる摩擦熱が冷却される他に、切削ブレード65がウェーハ1に切り込む加工点から切削屑が洗い流されたり、加工点が潤滑されたりする。
また、切削加工中においては、上記圧力センサ85が作動状態とされる。圧力センサ85が配設されたエア圧力室833には、上記間隙74を通ってエアカーテン部75を形成する直前のエアが一旦貯留されるような状態となる。そしてこのエア圧力室833の圧力は、エアカーテン部75での圧力に大きな変化が生じない状態では一定範囲の値を示す。
切削中に供給される切削液は、回転する切削ブレード65によって加工点から跳ね上げられて周囲に飛散するが、切削液の飛散はブレードカバー100により短い距離に抑えられる。回転する切削ブレード65によって飛散する使用後の切削液には、切削加工によって生じた切削屑が混合しており、汚水の状態となっている。
回転する切削ブレード65によって跳ね上げられた汚水状態の切削液はエアスピンドルユニット70の方向にも飛散する。一方、エアスピンドルユニット70においては、エア供給口813から高圧のエアがハウジング80内に常に供給されながらモータ71が作動し、回転軸90の外周面とハウジング80の内周面との間にラジアルエアベアリング72が形成され、かつ、鍔部92の側面とリング82との間にスラストエアベアリング73が形成される。これにより回転軸90は、回転中においてハウジング80との間に一定の距離が保持された状態で支持される。
そして、上記各ベアリング72,73を形成するために回転軸90とハウジング80との間の空間を通ったエアの一部は、エアスピンドルユニット70の先端側の開口、すなわちブレードマウント66とハウジング80のキャップ83との間隙74から噴出し、これによりエアカーテン部75が形成されている。このエアカーテン部75が形成されることにより、エアスピンドルユニット70の先端部に向けて飛散する切削液はエアカーテン部75でそれ以上の飛散が阻止され、間隙74に侵入することが防止される。このため、間隙74の両側のブレードマウント66やハウジング80のキャップ83に切削屑が付着して固化するといったことが起こりにくいものとなっている。
しかしながら切削加工が長時間なされると、エアカーテン部75の切削液侵入防止機能が不十分になり、ブレードマウント66あるいはハウジング80のキャップ83における間隙74の周辺部分に切削屑が付着して堆積し、間隙74が狭くなる場合がある。そして切削屑による堆積物が固化した状態でエアスピンドルユニット70が運転されると、間隙74が狭くなっていることからエア圧力室833の圧力が上昇するといった圧力変化が生じ、圧力上昇が圧力センサ85によって検知される。
ここで、圧力センサ85で検出される圧力に、間隙74が狭くなったと判断するための閾値を予め設定しておき、圧力センサ85に示される圧力が該閾値を超えた場合には、エアカーテン部75の周辺のブレードマウント66とハウジング80の少なくとも一方に切削屑が付着してエアカーテン部75が狭くなったと判断するようにするとよい。
このようにエア圧力室833の圧力を閾値と比較しながら作業を進めることにより、切削ブレード65やブレードマウント66を取り外すといった煩雑な作業を行わなくても、ブレードマウント66やキャップ83に切削屑が付着して間隙74が狭くなったこと、そしてひいてはエアカーテン部75の機能が低下することを、容易に検知することができる。
1…ウェーハ(ワーク)
10…切削装置
20…チャックテーブル(保持テーブル)
65…切削ブレード
66…ブレードマウント
70…エアスピンドルユニット
75…エアカーテン部
80…ハウジング
813…エア供給口
833…エア圧力室
85…圧力センサ(エア圧力検出部)
90…回転軸

Claims (1)

  1. 回転軸と、該回転軸をエアによって支持するハウジングと、前記回転軸と前記ハウジングとの間に形成される空間にエアを供給するためのエア供給口と、を有するエアスピンドルユニットと、
    前記回転軸の先端に装着されるブレードマウントと、
    該ブレードマウントに装着される切削ブレードと、
    該切削ブレードによって切削されるワークを保持する保持テーブルと、
    を具備する切削装置であって、
    前記エア供給口から供給されたエアが前記回転軸と前記ハウジングとの間の空間を通り、該ハウジングと該回転軸の先端に装着された前記ブレードマウントとの間に形成される間隙から噴出することによって形成されるエアカーテン部と、
    前記回転軸と前記ハウジングとの間に形成され、前記エアカーテン部におけるエアの圧力に応じた圧力変化を示すエア圧力室と、
    該エア圧力室のエア圧力を検出するエア圧力検出部と、
    を有することを特徴とする切削装置。
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