JP5486225B2 - 切削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体ウェーハや各種電子部品の基板といった薄板状のワークを切削ブレードによって切断加工したり溝加工したりする切削装置に係り、特に、使用した切削液を回収して排出する技術に関する。
この種の切削装置は、高速回転させた円板状の切削ブレードをワークに切り込ませていくものが一般的であり、通常、切削ブレードがワークに接触する加工点付近に切削液を供給しながら切削が行われる。切削液は、切削によって生じる摩擦熱が切削ブレードの摩耗や破損あるいはワークのチッピング(欠け)などを発生させるため、主に冷却を目的として供給されている。また、切削液を供給する目的としては、冷却の他に、加工点から切削屑を洗い流して除去したり加工点を潤滑したりするといった面もある。
切削液の供給方法としては、上記加工点付近において切削ブレードの両側に配設した該切削ブレードの側面に沿って延びる一対の側方ノズルによって、切削ブレードの側方から切削液を噴出したり、切削ブレードの外周縁に対向して配設した外周ノズルによって、切削ブレードの回転方向の前方から切削ブレードの外周部分に切削液を噴出するなどの方法が、従来より採用されている。なお、本明細書で言う“切削ブレードの回転方向”とは、切削ブレードがワークに切り込んでいる加工点での切削ブレードの回転方向のことである。なお、以下の説明では切削ブレードの回転方向の前方/後方を、加工点の前方/後方と言い換える場合がある。
ところで、上記のようにして加工点に供給された切削液は、切削加工によって生じた切削屑が混合した状態で切削ブレードの回転方向後方に飛散し、そのままではワークの表面に付着してワークを汚染することになる。そこで、加工点の後側に、加工点から後方に延びるパイプを設置し、飛散する切削液を該パイプ内に受け入れてワークの外側に導き、ワークの表面に切削液が付着しないようにした切削装置が提案されている(特許文献1)。
特開平8−39429号公報
この種の切削装置にあっては、様々な付帯部品を取り付けて利便性を図ることが行われている。上記パイプもその1つとなるが、切削ブレードの回転方向後方のスペースが最も好適な配設箇所とされる他の部品がある場合、該パイプと干渉してその部品を配設することができないといった問題が生じる。そのような部品としては、例えば自動的に切削ブレードを交換するオートブレードチェンジャーなどが挙げられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な技術的課題は、切削ブレードの回転方向後方に飛散する切削液がワークに付着することを抑えるとともに、切削ブレードの回転方向後方側に部品配設スペースを空けた状態を確保することができ、結果としてワークの汚染抑制と装置の機能拡張性の両立が図られる切削装置を提供することを目的としている。
本発明は、ワークを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたワークを切削する切削ブレードと、切削ブレードを先端部に回転可能に支持し、該切削ブレードの回転軸方向に延びるスピンドルと、該スピンドルを囲み、該スピンドルと同方向に延びる筒状のスピンドルカバーと、切削ブレードを、該切削ブレードの回転軸方向に割り出し送りする割り出し送り手段と、ワークに対する切削ブレードの加工点に切削液を供給する切削液供給手段と、切削ブレードの回転に起因して加工点から飛散する切削液を回収する切削液回収手段とを備える切削装置であって、切削液回収手段は、切削ブレードに近接して開口し、加工点から飛散する切削液を受ける切削液回収口と、スピンドルの、先端部とは反対側の後端側に配設され、切削液回収口に入った切削液を排出する切削液排出口と、スピンドルカバーに設けられ、切削液回収口に入った切削液を切削液排出口に導く切削液回収路と、切削液回収口で受けた切削液の流れの向きを、スピンドルの後端方向に変えて切削液回収路に導くダクトと、を含み、切削液回収口から切削液排出口までの割り出し送り方向に沿った長さが、割り出し送り手段による切削ブレードの割り出し送り量の全長よりも長く設定されていることを特徴としている。
本発明によれば、加工点に供給されて切削ブレードにより飛散する切削液は、切削液回収口に入った後、切削液回収路を通ってスピンドルの後端側に配設された切削液排出口から排出される。このため、切削屑が混合した飛散する切削液がワーク上に落下して付着することが抑えられる。
切削液排出口は、切削ブレードの回転軸方向に延びるスピンドルの後端側に配設されているので、切削液回収口から切削液排出口まで設けられる切削液回収路はスピンドルの延びる方向に沿っている。したがって切削液回収口に入った切削液は、ほぼ直角に屈曲する経路で切削液回収路に入り、該切削液回収路内でスピンドルの延びる方向に沿って流動し、切削液排出口に至る。このため、切削ブレードの回転方向後方側はスペースが空いた状態が確保される。
本発明では、切削液回収路の割り出し送り方向に沿った長さが、割り出し送り手段による切削ブレードの割り出し送り量の全長よりも長いため、切削液排出口は常にワーク上には無くワークの外側に位置している。このため、切削液排出口から排出される切削液がワークに落下して付着するといった不具合が確実に防止される。
なお、本発明で言うワークは特に限定はされないが、例えばシリコンウェーハ等の上記半導体ウェーハや、チップ実装用としてウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、あるいは半導体製品のパッケージ、セラミックやガラス系あるいはシリコン系の基板、各種電子部品、液晶表示装置を制御駆動するLCDドライバ等の各種ドライバ、さらには、ミクロンオーダーの精度が要求される各種加工材料等が挙げられる。
本発明によれば、切削ブレードの回転方向後方に飛散する切削液がワークに付着することが抑えられるとともに、切削ブレードの回転方向後方側に部品配設スペースを空けた状態を確保することができ、結果としてワークの汚染抑制と装置の機能拡張性の両立が図られるといった効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る切削装置およびワークであるウェーハを示す斜視図である。 同切削装置が具備する切削手段の斜視図である。 切削手段の可動カバーがブレード着脱位置に位置付けられている状態を示す斜視図である。 同切削装置が具備する切削ブレードでウェーハを切削加工している状態を模式的に示す側面図である。 切削手段を背面側から見た斜視図である。 一実施形態の切削装置の切削手段およびチャックテーブルを示す平面図である。 切削液の回収流路における切削液回収口から切削液排出口までの長さとウェーハとの位置関係を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態の切削装置10を示している。該装置10は、同図に示す半導体ウェーハ(以下、ウェーハと略称)1をワークとするものであって、切削ブレード65による切削加工動作を自動制御してウェーハ1を多数の半導体チップにダイシングするダイシング装置である。
(1)ウェーハ
まず、ワークであるウェーハ1を説明する。ウェーハ1は、厚さが例えば100〜700μm程度であって、表面には格子状の分割予定ラインにより多数の矩形状のチップ2が区画されている。各チップ2の表面には、図示せぬICやLSI等の電子回路が形成されている。切削装置10による切削加工(ダイシング)は、厚さを貫通して完全に切断するフルカットの他に、表面から厚さの途中まで切削して溝を形成する溝加工を含む。溝を形成した場合には、後工程でさらに溝の残り厚さ部分を切削ブレード65でフルカットするか、あるいは応力を付与して割断することにより、ウェーハ1は多数のチップ2に分割される。
なお、ウェーハ1は、環状のフレーム3の内側に粘着テープ4を介して同心状に一体に支持された状態で、切削装置10に供給される。粘着テープ4は片面が粘着面とされたもので、その粘着面にフレーム3とウェーハ1が貼り付けられる。フレーム3は、金属等の板材からなる剛性を有するものであり、このフレーム3を支持することにより、ウェーハ1を損傷させることなく安全に搬送することができる。
(2)切削装置
(2−1)切削装置の構成
続いて、図1に示す切削装置10の構成を説明する。この切削装置10は、一対の上記切削ブレード65を互いに対向配置した2軸対向型である。図1の符合11は基台であり、この基台11の中央には、長辺方向がX方向に延びる長方形状の凹所12が形成されている。この凹所12には、円板状のチャックテーブル(保持手段)20がX方向に移動自在に設けられている。また、図1における基台11上の後側(X2方向側)には、凹所12をまたぐ門型コラム30が固定されている。
チャックテーブル20は、テーブルベース25上に、鉛直方向であるZ方向を回転軸として回転自在に支持されており、テーブルベース25に設けられた図示せぬ回転駆動機構によって時計方向あるいは反時計方向に回転させられる。テーブルベース25は、凹所12内に配設された図示せぬチャックテーブル移動機構によってX方向に往復移動可能に支持されている。したがってチャックテーブル20はテーブルベース25とともにX方向に往復移動する。
チャックテーブル20は一般周知の真空チャック式であり、水平な上面の周縁部を残した大部分が、ウェーハ1を吸着、保持する円形状の吸着面21となっている。この吸着面21の直径は、ウェーハ1の直径とほぼ同じとされ、ウェーハ1は全体が吸着面21に同心状に載置されて保持される。上記のようにフレーム3に支持されたウェーハ1は、真空運転状態のチャックテーブル20の吸着面21上に載置されて吸着、保持される。チャックテーブル20の周囲には、フレーム3を着脱自在に保持する複数のクランプ26が配設されている。これらクランプ26は、テーブルベース25に取り付けられている。
チャックテーブル20の周囲は、長方形状のプレートカバー27によって覆われている。このプレートカバー27はテーブルベース25に支持されており、チャックテーブル20と一体にX方向に移動する。そしてプレートカバー27のX方向の両端部には、凹所12を覆う伸縮自在な蛇腹カバー28が取り付けられている。凹所12は、チャックテーブル20がX方向に移動しても常にプレートカバー27と蛇腹カバー28で覆われており、切削加工時に生じる切削屑や使用される切削液が凹所12内に落下することが防がれるようになっている。
門型コラム30は、凹所12の両側にY方向に並んで立設された一対の脚部31と、これら脚部31の上端部間に水平に架け渡された梁部32とを有している。梁部32の図1で手前側(X1方向側)の面には、Y方向に延びる上下一対のY軸ガイド33が設けられており、これらY軸ガイド33に、第1Y軸スライダ41と第2Y軸スライダ42とがそれぞれ摺動自在に取り付けられている。第1Y軸スライダ41は、図示せぬ第1Y軸送りモータによって作動する第1Y軸ボールねじ送り機構(割り出し送り手段)412によりY軸ガイド33に沿って往復移動させられる。また、第2Y軸スライダ42は、第2Y軸送りモータ421によって作動する第2Y軸ボールねじ送り機構(割り出し送り手段)422によりY軸ガイド33に沿って往復移動させられる。
第1Y軸スライダ41および第2Y軸スライダ42には、Z方向に延びる一対のZ軸ガイド34がそれぞれ設けられており、第1Y軸スライダ41のZ軸ガイド34には第1Z軸スライダ51が、また、第2Y軸スライダ42のZ軸ガイド34には第2Z軸スライダ52が、それぞれ摺動自在に取り付けられている。第1Z軸スライダ51は、第1Z軸送りモータ511によって作動する図示せぬ第1Z軸ボールねじ送り機構により、Z軸ガイド34に沿って昇降させられる。また、第2Z軸スライダ52は、第2Z軸送りモータ512によって作動する図示せぬ第2Z軸ボールねじ送り機構により、Z軸ガイド34に沿って昇降させられる。
第1Z軸スライダ51の下端部には、第1ブラケット611を介して第1切削手段61が固定されており、第2Z軸スライダ52の下端部には、第2ブラケット621を介して第2切削手段62が固定されている。各切削手段61,62は同一構成であって、直方体状のスピンドルカバー63内に、サーボモータ等によって高速回転する円筒状のスピンドル64(図6参照)が収容され、スピンドルカバー63の先端開口から突出するスピンドル64の取付軸641(図2〜図4参照)に、円板状の切削ブレード65が支持されたものである。
これら切削手段61,62はスピンドル64がY方向と平行、かつ互いに同軸的で、切削ブレード65が取り付けられた先端どうしが向かい合う状態に、スピンドルカバー63が各ブラケット611,621の下端部に固定されている。この固定状態で、切削ブレード65の回転軸であるスピンドル64の取付軸641はY方向に延びており、スピンドル64および該スピンドル64を囲むスピンドルカバー63もY方向に延びている。切削手段61,62は、それぞれY軸スライダ41,42と一体にY方向に移動させられ、Y方向に互いに接近したり離間したりする。
切削ブレード65は、チャックテーブル20上に保持されたウェーハ1に切り込んで切削加工を施す。本装置10では、切削ブレード65の回転軸がY方向に延びているので、切削ブレード65がウェーハ1に切り込んで切削を進行する加工送り方向はX方向である。一方、切削ブレード65を軸方向に移動させる割り出し送り方向はY方向である。したがって、切削ブレード65の加工送りは、チャックテーブル20をX方向に移動させて切削ブレード65に対し相対的にX方向にウェーハ1を移動させることによりなされる。また、割り出し送りは、各Y軸スライダ41,42によって切削ブレード65をY方向に移動させることによりなされる。なお、本装置10では、チャックテーブル20がX2方向に移動して、切削ブレード65が相対的にX1方向にウェーハ1上を進行していく一方向を加工送り方向とされる。
図2に示すように、切削ブレード65は、主に上側の周縁がブレードカバー70で覆われており、ブレードカバー70から露出する下端の刃先でウェーハ1を切削する。切削ブレード65は、図2〜図4の矢印A方向に高速回転し、したがって、図1においては切削ブレード65の回転方向はX1方向側からX2方向側となる。図4に示すように、切削ブレード65の加工送り方向は相対的にX1方向であるから、切削ブレード65は上方から下方に回転しながらウェーハ1に切り込んでいくダウンカットでウェーハ1を切削する。
図2および図3に示すように、ブレードカバー70は、スピンドルカバー63の先端に固定されるベース部71を有しており、このベース部71に、切削ブレード65の回転方向における前方を覆う前部カバー72と、切削ブレード65の上方と後方を覆う可動カバー73とを備えている。可動カバー73は、切削ブレード65の露出する側面の後部を覆う三角形状の側面カバー735を有している。
ブレードカバー70のベース部71の上部には、エアシリンダ74が固定されている。このエアシリンダ74は、X2方向に対して伸縮する上下一対のピストンロッド741を備えている。ピストンロッド741の先端にはブラケット742が固定されており、このブラケット742に可動カバー73が固定されている。すなわち可動カバー73は、ピストンロッド741が伸縮することによりX方向に往復動する。エアシリンダ74の上面には、該エアシリンダ74内に空気を供給/排出してピストンロッド741を伸縮動作させるためのエア配管が接続される一対の接続管743が取り付けられている。
前部カバー72の切削ブレード65への対向面の下端部にはY方向に並ぶ複数の外周ノズル721(切削液供給手段:図2では1つしか見えない)が設けられており、これら外周ノズル721から、切削液が切削ブレード65に向けて噴出される。また、可動カバー73には、先端部がX方向に延びる平行な2本の側方ノズル(切削液供給手段)731が、切削ブレード65の両側に配設される状態に取り付けられている。これら側方ノズル731には複数のスリット731aが形成されており、これらスリット731aから切削液が切削ブレード65に向けて噴出される。前部カバー72および可動カバー73には、切削液の供給配管が接続される接続管722,732が、それぞれ取り付けられている。
可動カバー73は、上述したように、ピストンロッド741が伸縮することによりX方向に往復動するが、ピストンロッド741がX2方向に伸張すると、図3に示すように、側方ノズル731が切削ブレード65の外周方向の外側に退避するブレード着脱位置に位置付けられる。このブレード着脱位置においては、側方ノズル731に干渉することなく切削ブレード65を取付軸641に対して着脱することができるようになっている。また、エアシリンダ74がX1方向に縮小すると、可動カバー73は、図2に示すように、側方ノズル731が切削ブレード65の両側に位置してスリット731aから切削液が切削ブレード65の側面に噴射可能となり、かつ、後述するダクト81の切削液回収口811が切削ブレード65に近接する切削液供給位置に位置付けられる。すなわち可動カバー73は、ピストンロッド741の伸縮により、ブレード脱着位置と切削液供給位置とに選択的に位置付けられるようになっている。
外周ノズル721および側方ノズル731から噴出される切削液は、切削ブレード65がウェーハ1を切削する際に生じる摩擦熱を冷却する他に、切削ブレード65がウェーハ1に切り込む加工点から切削屑を洗い流して除去したり、加工点を潤滑したりするために用いられる。このようにして切削中に供給される切削液は、加工点から跳ね上がって周囲に飛散しようとするが、その飛散はブレードカバー70で抑えられる。飛散する切削液には、切削加工によって生じた切削屑が混合しており、汚水の状態となっている。
ところで、加工点に供給された切削液のほとんどは、加工点の後方すなわち切削ブレード65の回転方向後方(X2方向)に、切削ブレード65によって跳ね上げられる。ここで、本実施形態では、図6に示すように、可動カバー73における切削ブレード65の後側に当たる箇所に、加工点の後方に飛散する切削液を受ける切削液回収口811が配設されている。
この切削液回収口811は、可動カバー73の後部に固定されたダクト81に形成されている。このダクト81は、上下および側面が閉塞された短い箱状のもので、切削ブレード65のに近接する前部に上記切削液回収口811が形成されている。そして後部には、上記スピンドル64の切削ブレード65が取り付けられた先端部とは反対側の後端方向に向かって空けられた後側開口812が形成されている。ダクト81の、切削液回収口811から後側開口812に至る外側の側壁部813はR状に湾曲形成されている。上記加工点から切削ブレード65により後方に跳ね上げられた切削液は、切削液回収口811からダクト81内に入り、ダクト81内を通過することによりスピンドル64の後端方向にほぼ直角に流れの向きを変えられて後側開口812に流動する。
図5に示すように、スピンドルカバー63の背面側には、切削液回収路821を有する樋状部材82が固定されている。樋状部材82はスピンドルカバー63に沿ってY方向に延びており、その一端はダクト81の後側開口812に連続する状態となっている。ダクト81に入って後側開口812に至った切削液は、後側開口812から切削液回収路821に移り、該切削液回収路821を、スピンドルカバー63の後端にほぼ一致する他端の切削液排出口822まで流れるようになっている。樋状部材82は切削液が切削液排出口822まで円滑に流れるように若干傾斜しているとよい。
切削液回収路821を流れる切削液は、切削液排出口822から落下する。上記基台11には、切削液排出口822から落下した切削液を受ける排出溝111が形成されている。切削液は、最終的には排出溝111を流れて所定の排出設備に導かれる。本実施形態では、切削液回収口811を有するダクト81と、切削液回収路821および切削液排出口822を有する樋状部材82とにより、切削液回収手段80が構成されている。
(2−2)切削装置の動作概要
以上が一実施形態に係る切削装置10の全体構成であり、次に、この切削装置10によってウェーハ1を多数のチップ2にダイシングする動作を説明する。
ウェーハ1は、上記のように粘着テープ4を介してフレーム3に支持された状態で、チャックテーブル20上に吸着、保持され、チャックテーブル20が図1でX2方向に移動することにより、各切削手段61,62の下方位置に当たる加工位置に搬送される。そしてこの加工位置において、チップ2間の交差する多数の分割予定ラインのうち、まず一方向に延びる側が全て切削加工され、次いで、他方向に延びる側の全ての分割予定ラインが切削加工されて、ウェーハ1が多数のチップ2にダイシングされる。切削加工される分割予定ラインは、チャックテーブル20を回転させてウェーハ1を自転させることにより、X方向と平行に定められる。
切削加工は、チャックテーブル20をX2方向に移動させながら、下端の刃先が所定の切り込み高さ(Z方向の位置)に設定された高速回転する切削ブレード65を、分割予定ラインに対しX2方向側の端部からX1方向側の端部に向けて切り込ませる加工送りをすることによってなされる。1回の加工送りが終わったら、切削ブレード65が上方に退避してから、チャックテーブル20がX1方向に移動して切削ブレード65が加工送りの始点に戻されるとともに、切削手段61,62がY方向に移動して次の分割予定ラインに切削ブレード65の刃先を合わせる割り出し送りが行われてから、該次の分割予定ラインに対し切削ブレード65を加工送りさせる。以上の動作を行って、X方向に延びる全ての分割予定ラインに切削加工が施される。なお、分割予定ラインに切削ブレード65を位置決めするには、カメラ等を用いた周知のアライメント手段を利用して行われる。
切削加工の形態としては、1回の加工送りでフルカット、あるいは、1回目の加工送りは溝加工で2回目の加工送りでフルカットする2段階切削などの形態がある。1回の加工送りでフルカットする場合には、各切削ブレード65の切り込み高さを、粘着テープ4の表面に刃先がかかる程度のフルカット可能な同一高さとし、2つの切削ブレード65間の間隔を、適宜に離れた2本の分割予定ラインに対応した距離に設定して加工送りすることによりなされる。また、2段階切削は、一方の切削ブレード65の切り込み高さを溝加工に応じた高さとし、他方の切削ブレード65をフルカットに応じた高さとし、初めに溝加工が行われて次にフルカットされるように割り出し送りすることによりなされる。2段階切削の場合には、溝加工側の切削ブレード65は厚く、フルカット側の切削ブレード65は溝加工側のものよりも薄いものが用いられる。
1つの切削ブレード65による上記割り出し送り量の全長は、ウェーハ1の表面全面にチップ2が形成されている場合には、チャックテーブル20に保持されて加工送りされる状態でのウェーハ1のY方向長さ、すなわち直径よりもやや短い長さとなる。ここで、上記切削液回収口811から切削液回収路821の切削液排出口822に至るY方向に沿った長さは、切削ブレード65の割り出し送り量の全長よりも長く設定されることを必須とする。本実施形態では、ウェーハ1の表面全面にチップ2が形成されている場合を考慮して、切削液回収口811から切削液回収路821の切削液排出口822に至るY方向に沿った長さは、ウェーハ1の直径、言い換えると吸着面21の直径より十分に長く設定されている。
上記のようにダイシングされたウェーハ1は多数のチップ2の集合体となって粘着テープ4に貼り付いたままとなっており、この後、ピックアップ工程に移されて個々のチップ2が取り出される。
(2−3)切削液の回収作用
次に、本発明に係る切削液の回収作用ならびにそれに伴う効果について説明する。
切削加工中においては、ブレードカバー70の可動カバー73は上記切削液供給位置に位置付けられる。そして、ブレードカバー70の外周ノズル721および側方ノズル731から切削液が切削ブレード65に噴出され、その切削液は切削ブレード65がウェーハ1に切り込む加工点に供給されて、切削ブレード65およびウェーハ1が冷却される。加工点に供給された切削液は、切削屑が混合して汚水の状態となり、図4に示すように回転する切削ブレード65によって該切削ブレード65の回転方向後方に跳ね上がる(図4でLが跳ね上がった切削液を示す)。この跳ね上がった切削液は、切削液回収口811からダクト81内に入り込む。このため、切削ブレード65で跳ね上げられた切削液が後方へ飛散することが抑えられ、ウェーハ1の上に落下して付着するといった不具合が生じにくくなる。
切削ブレード65で跳ね上げられた切削液は霧状となるものもあるが、ダクト81内に入って該ダクト81の内壁に衝突することにより、ほとんどが液化する。ダクト81内に入った切削液は、ダクト81内を通過することによりスピンドル64の後端方向にほぼ直角に流れの向きを変えられ、後側開口812から切削液回収路821に移る。次いで、切削液は切削液回収路821をスピンドル64の後端方向に向かって流れ、切削液排出口822から排出溝111に落下する。そして、排出溝111に落下した切削液は排出溝111を流れて所定の排出設備に導かれる。図6の一点鎖線矢印は、切削液回収口811から排出溝111までの切削液の回収経路を示している。
以上のようにして切削液は飛散が抑えられ、また、ダクト81から切削液回収路821を流れることにより排出されていく。上記のように、切削ブレード65で跳ね上げられた切削液は、切削ブレード65のすぐ後方に配設された切削液回収口811に入ってから、そのまま後方に排出されるのではなく、流動方向をダクト81によってほぼ直角に曲げられ、スピンドル64の軸方向(Y方向)に延びる切削液回収路821を流れて排出される。よって切削ブレード65の回転方向後方側はスペースが空いた状態が確保される。そのスペースは、本装置10の付帯部品を配設するスペースとして有効に活用することができる。付帯部品としては、例えば前述したオートブレードチェンジャーなどが挙げられる。
また、ダクト81の切削液回収口811から切削液排出口822に至るY方向に沿った長さは、ウェーハ1の直径よりも十分に長いものであるため、切削液排出口822は常にウェーハ1上には無くウェーハ1の外側(上から見た場合に置いてウェーハ1の外周縁よりも外側)に位置している。すなわち、切削液排出口822は、図7に示すように切削ブレード65がスピンドル64の先端方向(同図でB方向)に前進して切削ブレード65がウェーハ1の外周縁の直上に位置した時に、最もウェーハ1に近付く。しかしながらこの状況においても、切削液回収口811から切削液回収路821の切削液排出口822に至るY方向に沿った長さがウェーハ1の直径よりも長いため、切削液排出口822はウェーハ1の外側に位置している。したがって、切削液排出口822から排出される切削液がウェーハ1に落下して付着するといったことが確実に防止される。なお、図7では第1切削手段61を示しているが、第2切削手段62も同様である。
本実施形態では、切削液の排出経路はダクト81と樋状部材82によって形成されているが、ダクト81は小さく、ほとんどが樋状部材82に形成されている。樋状部材82はスピンドルカバー63に固定されているが、スピンドルカバー63は固定的な部材であるため、比較的大きな樋状部材82であってもスピンドルカバー63に確実に固定される。一方、ダクト81は、切削ブレード65の交換時においてエアシリンダ74によりスライドさせられる可動カバー73に固定されているが、小型軽量であるため、エアシリンダ74への負担はほとんどなく、このため、側方ノズル731からの切削液の噴出位置の精度に影響が及ぶことがない。
本実施形態の切削装置10では、ウェーハが大型化するに伴い、チャックテーブル20の直径もそれに応じて大きくなるとともに、切削液回収路821を構成する樋状部材82も、切削液排出口822から排出される切削液がウェーハに落下しないように長いものとなる。ここで、従来のように切削液を切削ブレード65の回転方向後方に導く構成を採ると、切削液をその方向に導くための本実施形態の樋状部材82のような部材は可動カバー73に固定することになる。すると、切削ブレード65の回転方向後方のデッドスペースが一層大きくなるとともに、エアシリンダ74にかかる負荷が増大し、ピストンロッド741の伸縮動作や側方ノズル731の位置精度に悪影響を及ぼすおそれが高くなる。しかしながら本実施形態では、切削液回収路821を切削ブレード65の回転方向後方からすぐに横方向に曲げており、かつ、その切削液回収路821をスピンドルカバー63に固定した樋状部材82で構成しているので、大型のウェーハを扱う場合でも、従来生じていた問題を回避することができる。
また、本装置10では、切削液が前方(図1でX1方向)には飛散しないので、前方からチャックテーブル20上に対するウェーハ1の着脱を行う方が好ましい。したがって切削ブレード65の交換などのメンテナンスは、主に加工位置の後方側(図1でX2方向側)から行う場合が多くなる。該後方側は切削ブレード65の回転方向後方側であって上記のようにスペースが空いた状態が確保されているため、上記付帯部品を配設しない場合には、メンテナンスを行いやすく、また、切削加工の状態を観察しやすくなるといった利点がある。
1…ウェーハ(ワーク)
20…チャックテーブル(保持手段)
412…第1Y軸ボールねじ送り機構(割り出し送り手段)
422…第2Y軸ボールねじ送り機構(割り出し送り手段)
63…スピンドルカバー
64…スピンドル
65…切削ブレード
721…外周ノズル(切削液供給手段)
731…側方ノズル(切削液供給手段)
80…切削液回収手段
811…切削液回収口
821…切削液回収路
822…切削液排出口
L…切削液

Claims (1)

  1. ワークを保持する保持手段と、
    該保持手段に保持されたワークを切削する切削ブレードと、
    前記切削ブレードを先端部に回転可能に支持し、該切削ブレードの回転軸方向に延びるスピンドルと、
    該スピンドルを囲み、該スピンドルと同方向に延びる筒状のスピンドルカバーと、
    前記切削ブレードを、該切削ブレードの回転軸方向に割り出し送りする割り出し送り手段と、
    前記ワークに対する前記切削ブレードの加工点に切削液を供給する切削液供給手段と、
    前記切削ブレードの回転に起因して前記加工点から飛散する前記切削液を回収する切削液回収手段と
    を備える切削装置であって、
    前記切削液回収手段は、
    前記切削ブレードに近接して開口し、前記加工点から飛散する前記切削液を受ける切削液回収口と、
    前記スピンドルの、前記先端部とは反対側の後端側に配設され、前記切削液回収口に入った前記切削液を排出する切削液排出口と、
    前記スピンドルカバーに設けられ、前記切削液回収口に入った前記切削液を前記切削液排出口に導く切削液回収路と、
    前記切削液回収口で受けた前記切削液の流れの向きを、前記スピンドルの後端方向に変えて前記切削液回収路に導くダクトと、
    を含み、
    前記切削液回収口から前記切削液排出口までの前記割り出し送り方向に沿った長さが、前記割り出し送り手段による前記切削ブレードの割り出し送り量の全長よりも長く設定されていることを特徴とする切削装置。
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