JP5386094B2 - リン酸カルシウム組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リン酸カルシウム組成物に関する。特に医療用材料に適したリン酸カルシウム組成物及びその製造方法に関する。
リン酸カルシウム組成物を焼結して得られるヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))は、骨や歯などの無機成分に近い組成を有し、骨と直接結合する性質である生体活性を有していることから、骨欠損部や骨空隙部の修復用材料としての利用が報告されている。しかし、このようなヒドロキシアパタイトからなる材料は、生体親和性は優れているが、複雑な形態を有する部位に応用するには、成形性という点で困難な場合があった。
一方、リン酸カルシウム組成物の中でもセメントタイプ、即ち硬化性を有するリン酸カルシウム組成物は、生体内や口腔内において生体吸収性のヒドロキシアパタイトへ徐々に転化し、さらに形態を保ったままで生体硬組織と一体化し得ることが知られている。このようなリン酸カルシウム組成物は、生体親和性が優れているだけではなく、成形性を有することから複雑な形態を有する部位への応用が容易であるとされている。
例えば、特開2007−191318号公報(特許文献1)には、リン酸カルシウム粒子、及びリン酸カルシウム粒子以外の無機粒子からなるリン酸カルシウム粉体であって、リン酸カルシウム粒子の平均粒径が0.1〜25μmであり、無機粒子の平均粒径が0.002〜0.5μmであり、かつリン酸カルシウム粒子100重量部に対して無機粒子を0.1〜10重量部含有することを特徴とするリン酸カルシウム粉体について記載されている。これによれば、流動性が高く、かつ硬化物の機械的強度が低下することのないリン酸カルシウム粉体が提供できるとされている。しかしながら、このようにして得られたリン酸カルシウム粉体の封鎖性については記載されておらず、封鎖性の良好なものが求められていた。
また、WO2007/083601号(特許文献2)には、リン酸四カルシウム粒子、リン酸水素カルシウム粒子、及び、シリカ粒子又はチタニア粒子から選択される少なくとも1種の無機粒子からなるリン酸カルシウム組成物について記載されている。これによれば、骨修復用材料などとして用いた場合に、生成骨の機械的強度が高く、しかも骨置換率が高いとされている。しかしながら、このようにして得られたリン酸カルシウム組成物の封鎖性については記載されておれず、封鎖性の良好なものが求められていた。
特開2007−191318号公報 WO2007/083601号
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、機械的強度が高く、辺縁封鎖性が良好なリン酸カルシウム組成物を提供することを目的とするものである。また、そのようなリン酸カルシウム組成物の製造方法及び用途を提供することを目的とするものである。
上記課題は、リン酸四カルシウム粒子(A1)、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含むリン酸カルシウム組成物の製造方法であって、
(A1)、(A2)及び(G)の合計100重量部に対して無機化合物(G)を1〜25重量部含み、かつ無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を得てから、該無機化合物(G)及び無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)と、リン酸四カルシウム粒子(A1)とを混合することを特徴とするリン酸カルシウム組成物の製造方法を提供することによって解決される。
このとき、リン酸四カルシウム粒子(A1)の平均粒径が5〜30μmであることが好適であり、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)の平均粒径が0.1〜5μmであることが好適である。また、リン酸四カルシウム粒子(A1)と無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)の配合割合(A1/A2)がモル比で40/60〜60/40であることが好適であり、無機化合物(G)及び無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)と、リン酸四カルシウム粒子(A1)とを粉体の状態で混合することも好適な実施態様である。
また、上記リン酸カルシウムの製造方法により得られたリン酸カルシウム組成物の粉体と、水を主成分とする液体とからなる医療用キットを提供することも好適な実施態様である。
このとき、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を得た後に無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)及び無機化合物(G)を複合化することが好適である。また、前記複合化の際にジェットミル、ライカイ機、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ハイブリダイザー、メカノフュージョン及び混練押出し機からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好適であり、中でも振動ボールミルを用いることが好適な実施態様である。
また、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)及び水を主成分とする液体の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を含む分散液を得てから湿式粉砕して乾燥後に、該無機化合物(G)及び無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO ]粒子(A2)と、リン酸四カルシウム粒子(A1)と混合することも好適な実施態様である。このとき、前記湿式粉砕の際にボールミル、ビーズミル及び遊星ミルからなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好適であり、中でもビーズミルを用いることが好適な実施態様である。更に、前記湿式粉砕の際に酸触媒を添加することも好適である。
また、上記リン酸カルシウムの製造方法により得られたリン酸カルシウム組成物の粉体に、水を主成分とする液体を加えて混練することを特徴とするリン酸カルシウム組成物ペーストの製造方法も好適な実施態様である。
本発明のリン酸カルシウム組成物は、機械的強度が高く、辺縁封鎖性が良好である。したがって、医療用材料に適しており、特に骨セメントや歯科用充填材に適している。
本発明のリン酸カルシウム組成物は、リン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含むものである。
リン酸四カルシウム粒子(A1)及び酸性リン酸カルシウム粒子(A2)を含むリン酸カルシウム組成物は、水の存在下で混練すると熱力学的に安定なヒドロキシアパタイトを生成して硬化する。このとき、シリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含むことにより、強い圧縮強度を保持したままリン酸カルシウム組成物ペーストを充填した部位の封鎖性が著しく向上することが明らかになった。この理由については必ずしも明らかではないが、ケイ素のアルコキシドの加水分解及び重縮合により得られた無機化合物(G)、すなわちゾルゲル反応により得られたシリカを例にして、以下のようなメカニズムが推定される。
ケイ素のアルコキシドの加水分解及び重縮合により得られたシリカは、通常の溶融シリカと比べて表面にシラノール基が多く生成されていると考えられている。このようにして得られたシリカの存在下でリン酸カルシウム組成物と水を主成分とする液体とを混合してリン酸カルシウム組成物ペーストを調製する場合、シリカ表面のシラノール基を起点として効率的にヒドロキシアパタイトが生成するようである。このとき、所望の部位に充填されたリン酸カルシウム組成物の硬化物において生じた孔をヒドロキシアパタイトが塞ぐことで辺縁封鎖性が向上すると考えられる。また、本発明では、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の存在下でゾルゲル反応を行うと、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の表面がシリカで覆われ、このことで、より効率的にヒドロキシアパタイトが生成するようである。更に、ボールミル等を用いてメカノケミカル的に粉砕する処理を行うことにより、シリカ表面のシラノール基が増加すると考えられ、更に効率的にヒドロキシアパタイトが生成するようである。
本発明で使用されるリン酸四カルシウム[Ca(POO]粒子(A1)の製造方法は特に限定されない。市販されているリン酸四カルシウム粒子をそのまま用いてもよいし、適宜粉砕して粒径を整えて使用してもよい。粉砕方法としては、後に説明する酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の粉砕方法と同様の方法が採用できる。
リン酸四カルシウム粒子(A1)の平均粒径は5〜30μmであることが好ましい。平均粒径が5μm未満の場合は、リン酸四カルシウム粒子(A1)の溶解が過度になることにより水溶液中のpHが高くなりヒドロキシアパタイトの析出が円滑でなくなることで、硬化物の機械的強度が低下するおそれがある。平均粒径は、より好適には10μm以上である。一方、平均粒径が30μmを超える場合は、液剤との混合により得られるペーストが十分な粘性を示さない、あるいはざらつき感が大きくなるなどペースト性状が好ましくないおそれがある。また、歯科用の根管充填材などとして使用する場合、狭い移植箇所へシリンジを用いて注入する際にノズルの先端が詰まるおそれもある。平均粒径は、より好適には25μm以下である。ここで、本発明で使用するリン酸四カルシウム粒子(A1)の平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、算出したものである。
本発明で使用される酸性リン酸カルシウム粒子(A2)は、無水物である無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子、無水リン酸二水素カルシウム[Ca(HPO]粒子、酸性ピロリン酸カルシウム[CaH]であっても、水和物であるリン酸一水素カルシウム2水和物[CaHPO・2HO]粒子やリン酸二水素カルシウム1水和物[Ca(HPO・HO]粒子であっても良いが、好適には無水物が使用され、中でも無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子がより好適に使用される。なお、本発明では、リン酸根のモル数を酸性リン酸カルシウム粒子(A2)のモル数とした。酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の平均粒径は0.1〜5μmであることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満の場合、液剤との混合により得られるペーストの粘度が高くなり過ぎるおそれがあり、より好適には0.5μm以上である。一方、平均粒径が5μmを超える場合は、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)が液剤へ溶解しにくくなるため、リン酸四カルシウム粒子(A1)の溶解が過度となり、水溶液のpHが高くなることでヒドロキシアパタイトの析出が円滑でなくなり、硬化物の機械的強度が低下するおそれがある。平均粒径は、より好適には2μm以下である。酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の平均粒径は、上記リン酸四カルシウム粒子(A1)の平均粒径と同様にして算出される。
このような平均粒径を有する酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の製造方法は特に限定されず、市販品を入手できるのであればそれを使用してもよいが、市販品を更に粉砕することが好ましい場合が多い。その場合、ボールミル、ライカイ機、ジェットミルなどの粉砕装置を使用することができる。また、酸性リン酸カルシウム原料粉体をアルコールなどの液体の媒体と共にライカイ機、ボールミル等を用いて粉砕してスラリーを調製し、得られたスラリーを乾燥させることにより酸性リン酸カルシウム粒子(A2)を得ることもできる。このときの粉砕装置としては、ボールミルを用いることが好ましく、そのポット及びボールの材質としては、好適にはアルミナやジルコニアが採用される。
以上説明したように、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の平均粒径に比べてリン酸四カルシウム粒子(A1)の平均粒径を大きくすることによって、両者の溶解度のバランスをとり、水溶液のpHを中性付近に維持することで、ヒドロキシアパタイト結晶の生成を円滑とすることが可能であり、硬化物の機械的強度を向上させることができる。具体的には、(A1)の平均粒径を(A2)の平均粒径の2倍以上とすることがより好ましく、4倍以上とすることがさらに好ましく、7倍以上とすることが特に好ましい。一方、(A1)の平均粒径を(A2)の平均粒径の35倍以下とすることがより好ましく、30倍以下とすることが更に好ましく、25倍以下とすることが特に好ましい。
リン酸四カルシウム粒子(A1)と酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の配合割合(A1/A2)は、特に限定されないが、モル比で40/60〜60/40の範囲となるような配合割合で使用されることが好ましい。これによって、硬化物の機械的強度が高いリン酸カルシウム組成物を得ることができる。上記配合割合(A1/A2)は、より好適には45/55〜55/45であり、実質的に50/50であることが最適である。
本発明で使用される無機化合物(G)は、シリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である。金属酸化物の具体例としては、チタニア、アルミナ、ジルコニア、酸化セリウム(セリア)、酸化ハフニウム(ハフニア)、酸化イットリウム(イットリア)、酸化ベリリウム(ベリリア)、酸化ニオビウム(ニオビア)、酸化ランタン、酸化ビスマス、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化イッテリビウム、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、酸化プラセオジウム、酸化マグネシウム、酸化ネオジウムなどを挙げることができる。本発明で使用される無機化合物(G)は、シリカ、チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、シリカ、チタニア及びジルコニアからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、シリカであることが更に好ましい。
ここで、本発明で使用されるシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)は、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより得られるものである。すなわち、ゾルゲル反応を行うことによりシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)が得られる。本発明では、このような方法で得られた無機化合物(G)を1〜25重量部配合することにより、辺縁封鎖性の良好な本発明のリン酸カルシウム組成物が得られることになる。
本発明で使用されるケイ素のアルコキシドとしては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトライソアミロキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラ−n−ヘキソシキシラン、テトラ−n−オクトキシシラン等が挙げられ、中でも、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランが好適に用いられる。
また、本発明で使用される金属のアルコキシドとしては、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、鉄、スズ、鉛、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、インジウム、バナジウム、タンタル、タングステン、ランタン、ネオジム、ニッケル、セリウム、ベリリウム、ビスマス、モリブデン、イッテルビウム、サマリウム、ユーロピウム、プラセオジウム等の金属のアルコキシドが挙げられ、中でも、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種のアルコキシドが好適に用いられる。
チタンのアルコキシドの具体例としては、トリメトキシチタン、トリエトキシチタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン等が挙げられ、中でもテトラエトキシチタン又はテトライソプロポキシチタンが好適に用いられる。
ジルコニウムのアルコキシドの具体例としては、トリメトキシジルコニウム、トリエトキシジルコニウム、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトライソブトキシジルコニウム等が挙げられ、中でもテトラメトキシジルコニウム又はテトラエトキシジルコニウムが好適に用いられる。
また、アルミニウムのアルコキシドの具体例としては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、テトラメトキシアルミニウム、テトラエトキシアルミニウム、テトラ−n−プロポキシアルミニウム、テトライソプロポキシアルミニウム、テトラ−n−ブトキシアルミニウム、テトライソブトキシアルミニウム等が挙げられ、中でもトリメトキシアルミニウム又はトリイソプロポキシアルミニウムが好適に用いられる。
ここで、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合するにあたっては、水を主成分とする液体、或いは親水性アルコールを主成分とし水を含む液体が好ましく用いられる。水を主成分とする液体としては、純水であってもよいし、他の成分を含有する水溶液又は水分散液であってもよい。親水性アルコールとしては、水と随意の割合で混合できる低分子のアルコールが好ましく、例えば、エタノール、メタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどが挙げられる。水或いは含水の親水性アルコールに対して配合される成分としては、リン酸、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム等のリン酸ナトリウム塩類ならびにこれらの混合物、リン酸カリウム塩類、リン酸アンモニウム塩類、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸などのpH緩衝剤、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウムなどのフッ化物塩、グリセリン、プロピレングリコールなどの水溶性多価アルコールなどが例示される。中でも、安全性の面からはリン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム等のリン酸ナトリウム塩類ならびにこれらの混合物を配合することが好ましい。また、水を主成分とする液体或いは親水性アルコールを主成分とし水を含む液体のケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドに対する量比は、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合するのに十分な量があれば特に限定されない。
本発明では、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合する際に、酸触媒又は塩基触媒が添加されていてもよいが、安全性、反応速度制御の容易さの観点から酸触媒が添加されていることが好ましい。このことにより、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合する際の反応性を向上させることができる。用いられる酸触媒としては、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、蟻酸、リン酸、クエン酸、過塩素酸等が例示される。
また、本発明では、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドの加水分解及び重縮合の反応率を任意に制御することにより得られる無機化合物(G)を用いることが可能である。反応率を低く留めたゾル状の溶液を用いても良いし、反応率を高くすることで生成した分散液を使用しても良い。また、反応率を高めて生成したゲルを破砕したものを用いても良い。
本発明のリン酸カルシウム組成物は、上述のようにして得られたシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を、リン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)及び無機化合物(G)の合計100重量部に対して1〜25重量部含むものである。このように、無機化合物(G)を一定量含むことにより、機械的強度が高く、かつ封鎖性が良好なリン酸カルシウム組成物を提供できることが本発明者により見出された。無機化合物(G)の含有量が1重量部未満の場合、封鎖性が低下するおそれがあり、2重量部以上であることが好ましく、5重量部以上であることがより好ましい。一方、無機化合物(G)の含有量が25重量部を超える場合、機械的強度並びに封鎖性が低下するおそれがあり、20重量部以下であることが好ましい。
本発明のリン酸カルシウム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲でリン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)以外の成分を含有しても構わない。例えば必要に応じて増粘剤を配合することができる。これはリン酸カルシウム組成物ペーストの成形性又は均一な充填性を向上させるためである。増粘剤としては例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸、ポリアスパラギン酸塩、セルロース以外のデンプン、アルギン酸、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、ペクチン、キチン、キトサン等の多糖類、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の酸性多糖類エステル、またコラーゲン、ゼラチン及びこれらの誘導体などのタンパク質類等の高分子などから選択される1つ又は2つ以上が挙げられるが、水への溶解性及び粘性の面からはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリグルタミン酸及びポリグルタミン酸塩からなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。増粘剤は、リン酸カルシウム粉体に配合したり、液剤に配合したり、又は混練中のペーストに配合することができる。
必要に応じてX線造影剤を含んでも良い。これはリン酸カルシウム組成物ペーストの充填操作のモニタリングや充填後の変化を追跡することができるからである。X線造影剤としては、例えば、硫酸バリウム、次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、酸化ビスマス、フッ化イッテルビウム、ヨードホルム、バリウムアパタイト、チタン酸バリウム等から選択される1つ又は2つ以上が挙げられる。X線造影剤は、リン酸カルシウム粉体に配合したり、液剤に配合したり、又は混練中のペーストに配合することができる。
また、薬理学的に許容できるあらゆる薬剤等を配合することができ、消毒剤、抗癌剤、抗生物質、抗菌剤、アクトシン、PEG1などの血行改善薬、bFGF、PDGF、BMPなどの増殖因子、骨芽細胞、象牙芽細胞、未分化な骨髄由来幹細胞など硬組織形成を促進させる細胞などを配合させることができる。
本発明のリン酸カルシウム組成物は、リン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含むものであるが、本発明のリン酸カルシウム組成物が粉体であることが好ましい。このとき、リン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)、及び無機化合物(G)を粉体の状態で混合することによってリン酸カルシウム組成物が製造される。
以下、リン酸カルシウム組成物の製造方法について説明する。本発明のリン酸カルシウム組成物は、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を得てからリン酸四カルシウム粒子(A1)及び酸性リン酸カルシウム粒子(A2)と混合することにより得られる。混合する方法としては特に限定されず、例えば、ジェットミル、ライカイ機、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ハイブリダイザー、メカノフュージョン、混練押出し機、高速回転ミルなどを使用することができ、好適にはライカイ機、ボールミル、遊星ミル、高速回転ミルが使用され、より好適には高速回転ミルが使用される。このとき、アルコールなど水を含まない液体の媒体を存在させて混合することも可能である。また、リン酸四カルシウム粒子(A1)と酸性リン酸カルシウム粒子(A2)に対して別々に無機化合物(G)を混合した後、更にこれらを混合することも好ましい態様として実施できる。
また、本発明のリン酸カルシウム組成物は、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を得てからリン酸四カルシウム粒子(A1)と混合することによっても得られる。このことにより、より辺縁封鎖性の良好なリン酸カルシウム組成物が得られることとなる。この理由は必ずしも明らかではないが、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の存在下で無機化合物(G)を得ることにより、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の表面を無機化合物(G)が覆い、このことで、より効率的にヒドロキシアパタイトが生成するようである。その後、リン酸四カルシウム粒子(A1)と混合することにより、圧縮強度が高く、辺縁封鎖性の良好なリン酸カルシウム組成物が得られることとなる。
また、本発明では、無機化合物(G)を得た後に酸性リン酸カルシウム粒子(A2)及び無機化合物(G)を複合化することが好ましい。このことにより、更に辺縁封鎖性の良好なリン酸カルシウム組成物が得られる。複合化する方法については特に限定されず、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)と無機化合物(G)とをメカノケミカル的に粉砕する方法が例示される。具体的にはジェットミル、ライカイ機、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ハイブリダイザー、メカノフュージョン及び混練押出し機からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、振動ボールミルを用いることがより好ましい。複合化に使用する具体的な装置については限定されないが、ハイブリダイザーとしては奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム、メカノフュージョンとしてはホソカワミクロン製の循環型メカノフュージョンシステムAMS、混練押出し機としては栗本鐵工所製のKEXエクストルーダーなどが例示される。
また、本発明のリン酸カルシウム組成物は、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)及び水を主成分とする液体の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を含む分散液を得て、その後湿式粉砕して乾燥、複合化した後にリン酸四カルシウム粒子(A1)と混合することによっても得られる。このことにより、より辺縁封鎖性の良好なリン酸カルシウム組成物が得られることとなる。具体的には、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)及び水又は含水の親水性アルコールを主成分とする液体の存在下で、テトラエトキシシラン等に代表されるケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合して無機化合物(G)を含む分散液を得る。次いで、湿式粉砕を行って得られたスラリーを乾燥、複合化した後、リン酸四カルシウム粒子(A1)と混合することによって、リン酸カルシウム組成物が得られる。ここで用いられる、水を主成分とする液体としては、純水であってもよいし、他の成分を含有する水溶液又は水分散液であってもよく、上述で説明したものと同様のものを用いることができる。また、複合化する方法としては、上述に挙げられた方法が好適に用いられる。
上記湿式粉砕する方法としては特に限定されず、ボールミル、ビーズミル及び遊星ミルからなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、中でもビーズミルを用いることがより好ましい。また、上記湿式粉砕する際に酸触媒又は塩基触媒が添加されていてもよいが、安全性、反応速度制御の容易さの観点から酸触媒が添加されていることが好ましい。このことにより、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合する際の反応性を向上させることができる。用いられる酸触媒としては、上述で説明したものと同様のものを用いることができる。
本発明のリン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含むリン酸カルシウム組成物が粉体組成物である場合、医療現場で使用するに際しては、水を主成分とする液体、すなわち液剤と混練してリン酸カルシウム組成物ペーストとし、所望の部位に充填あるいは塗布して使用することができる。水を主成分とする液体としては、純水であってもよいし、他の成分を含有する水溶液又は水分散液であってもよく、上述で説明したものと同様のものを用いることができる。
また、本発明は、リン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含むリン酸カルシウム組成物に対してではなく、リン酸四カルシウム粒子(A1)及び酸性リン酸カルシウム粒子(A2)を含む粉体に、無機化合物(G)を含む水溶液又は水分散液を混合することによってもリン酸カルシウム組成物ペーストが得られる。すなわち、無機化合物(G)をリン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)及び無機化合物(G)の合計100重量部に対して1〜25重量部含む水溶液又は水分散液を、リン酸四カルシウム粒子(A1)及び酸性リン酸カルシウム粒子(A2)を含む粉体に加えて混練することによりリン酸カルシウム組成物ペーストが製造される。
ここで、より辺縁封鎖性の良好なリン酸カルシウム組成物ペーストを得る観点からは、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を含む水溶液又は水分散液を得てから、リン酸四カルシウム粒子(A1)を含む粉体と混合することによりリン酸カルシウム組成物ペーストを得ることが好ましい。
リン酸カルシウム組成物ペーストを調製する際の、リン酸カルシウム組成物と液剤との質量比(リン酸カルシウム組成物/液剤)は特に限定されないが、好適には1〜6であり、より好適には3〜5である。リン酸カルシウム組成物と液剤とが均一に混じるように、十分に混練してから速やかに所望の部位に充填あるいは塗布する。
本発明のリン酸カルシウム組成物は、上述したようにリン酸カルシウム組成物ペーストとして所望の部位に充填あるいは塗布して使用することができる。このとき、リン酸カルシウム組成物ペーストは、通常、医療現場で調製される。したがって、リン酸四カルシウム粒子(A1)、酸性リン酸カルシウム粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含む粉体と水を主成分とする液体とからなる医療用キットであることが本発明の実施態様の一つである。また、リン酸四カルシウム粒子(A1)及び酸性リン酸カルシウム粒子(A2)を含む粉体とシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含む水溶液又は水分散液とからなる医療用キットであることも本発明の実施態様の一つである。更に、リン酸四カルシウム粒子(A1)を含む粉体と酸性リン酸カルシウム粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含む水分散液とからなる医療用キットであることも本発明の実施態様の一つである。
本発明のリン酸カルシウム組成物は、医療用の各種用途に好適に使用される。例えば、接着又は固着用の骨セメントとして好適に使用される。本発明のリン酸カルシウム組成物を上記用途に使用した場合、ペーストの充填性に優れており、複雑な形態をした部位の隅々にまで充填することができ、歯牙、骨などの硬組織修復材に好適である。また、歯科用充填材として、切削根管など表面に象牙細管が存在する患部にリン酸カルシウム組成物を充填する際などには、孔の内部でヒドロキシアパタイト結晶が効率的に析出することにより封鎖性が良好であり、特に根管充填材や根管修復材として好ましく用いられる。また、ペースト自体が生体内又は口腔内で短期間のうちにヒドロキシアパタイトに転化し、生体硬組織との一体化が起こることから生体親和性に優れている。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。本実施例においてリン酸四カルシウム粒子(A1)及び酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製「SALD−2100型」)を用いて測定し、測定の結果から算出されるメディアン径を平均粒径とした。
実施例1
(1)リン酸カルシウム組成物の調製
本実験に使用するリン酸四カルシウム粒子(A1)は、以下の様にして調製した。市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No. 1430, J.T.Baker Chemical Co.社製)及び炭酸カルシウム粒子(Product No. 1288, J.T.Baker Chemical Co.社製)を等モルとなる様に水中に加え、1時間撹拌した後、ろ過・乾燥することで得られたケーキ状の等モル混合物を焼成器(Model 51333, Lindberg, Watertown, WI)中で1500℃、24時間加熱し、その後デシケータ中で室温まで冷却することでTTCP(リン酸四カルシウム)塊を調製した。次に得られたTTCP塊を乳鉢で荒く砕き、その後篩がけを行うことで微粉ならびにTTCP塊を除き、0.5〜3mmの範囲に粒度を整え、粗リン酸四カルシウム粒子を得た。更に、本実施例で使用するリン酸四カルシウム粒子(A1)(平均粒径21.2μm)は、粗リン酸四カルシウム粒子100g、及び直径が20mmのジルコニアボール300gを400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え、200rpmの回転速度で2時間30分粉砕を行うことで得た。
酸性リン酸カルシウム粒子(A2)の一例として、本実験に使用する無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)(平均粒径1.1μm)は、市販の無水リン酸一水素カルシウム粒子(Product No. 1430, J.T.Baker Chemical Co.社製、平均粒径10.3μm)を50g、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製「Ethanol(95)」)を120g、及び直径が10mmのジルコニアボール240gを400mlのアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type A−3 HDポットミル」)中に加え120rpmの回転速度で24時間湿式粉砕を行うことで得られたスラリーをロータリーエバポレーターでエタノールを留去した後、60℃で6時間乾燥させ、さらに60℃で24時間真空乾燥することで得た。
次に500mlの三口フラスコ中に無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)50g、無水エタノール(和光純薬工業株式会社製)38.5g、テトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製、Si(OEt))104.1gを加え撹拌することでスラリーを作製した。この中に無水エタノール(和光純薬工業株式会社製)38.5g、水10.2g、1N塩酸36gを均一に溶解した溶液を約30分かけて滴下した。滴下終了後2時間室温(25℃)で保持することでテトラアルコキシシランの加水分解及び重縮合を行い、シリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)のスラリーを得た。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、更に60℃で24時間真空乾燥を行った。得られたシリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)50g、ならびに直径10mmのジルコニア製ポール1000gをアルミナ製粉砕ポット(株式会社ニッカトー製「Type HD−B−104ポットミル」)に入れ、振動ボールミル(中央化工機商事株式会社製「NLM」)を用いて2時間乾式粉砕した。得られたシリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)中のシリカ含有量を化学的吸光光度法(モリブデンブルー比色法)を用いて測定を行った結果、シリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)100重量部中に31.1重量部のシリカが観察された。このことから、相当するシリカ量(24.5g)を加えたシリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)78.7gと上記リン酸四カルシウム粒子(A1)145.8gを混合することによりリン酸カルシウム組成物を得た。このとき、上記と同様の方法で定量したリン酸カルシウム組成物中のシリカの含有量は、リン酸四カルシウム粒子(A1)及びシリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)の合計100重量部に対し10.9重量部であった。また、混合前と混合後でのリン酸四カルシウム粒子(A1)、無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)の平均粒径は実質的に変化していない。
(2)圧縮強度の測定
上記で得たリン酸カルシウム組成物1.0gを精秤し、この上に0.2MのNaHPO水溶液0.25gを加えて混練することでリン酸カルシウム組成物ペーストを調製した(このときの混合重量比(粉/液)は4である)。直径が6mm、深さが3mmの分割可能なステンレス製のモールドを平滑なガラス板状に乗せ、気体を含ませないように注意しながらペーストを充填し、上部より平滑なガラス版で圧縮することでリン酸カルシウム組成物ペーストを成型した(n=9)。その後、37℃、相対湿度100%の環境で4時間インキュベートした後、上記モールドよりリン酸カルシウム組成物の円柱状硬化物を取り出し、同じく37℃の蒸留水150ml中に浸漬し、更に20時間保持した。その後、リン酸カルシウム組成物の硬化物の圧縮強度は、Chowら(L. C. Chow, S. Hirayama, S. Takagi, E. Parry, J. Biomed. Mater. Res. (Appl. Biomater.) 53: 511-517, 2000.)の方法に準じて、力学的強度測定装置(株式会社島津製作所製「AG−I 100kN」)を使用し、円柱状の硬化物の上底面の方向に1mm/minの速度で荷重をかけて圧縮強度を測定した(n=9)。実施例1により得たリン酸カルシウム組成物の硬化物の圧縮強度は60.1±2.3MPaであった。
(3)辺縁漏洩距離の測定
上記で得たリン酸カルシウム組成物1.0gを精秤し、これに0.2MのNaHPO水溶液0.25gを加え混練することでリン酸カルシウム組成物ペーストを調製し(このときの混合重量比(粉/液)は4である)、辺縁漏洩距離の測定に用いた。辺縁漏洩距離の測定はISO/TS11405(第2版、歯科材料−歯質への接着試験)の微小漏洩試験方法に準じて実施した。抜去した単根管の牛歯の歯根ならびに歯髄を除去した後、歯根部分を歯科用コンポジットレジン(クラレメディカル製「AP−X」)で塞いだ。次に、頬側面の中央を#80次いで#2000の研磨紙で研磨しエナメル質の平坦な面を作製した。このエナメル質の面に対して歯科用高速ハンドピースを用いて直径約3mm、深さ約2.5mmの窩洞を作製し、この窩洞中に上記ペーストを充填し、37℃、相対湿度98%の条件で4時間保存することで硬化させた。次に、この試料を37℃の蒸留水中で24時間保存した後にpH7.2に調整した0.2%塩基性フクシン溶液中に浸漬し25℃で24時間保存した。次に、Water−Cooled Diamond Blade(Buehler Ltd製「Isomet」)を用いて窩洞の中央部を切断し、断面をマイクロスコープ(キーエンス製)を用いて拡大像を観察し、歯質と材料の界面において最も深く色素が浸入した距離を辺縁漏洩距離とした(n=5)。実施例1により得たリン酸カルシウム組成物の辺縁漏洩距離は0.36±0.21mmであった。得られた結果を表1にまとめて示す。
実施例2及び3
実施例1において、ゾルゲル反応により得られるシリカの含有量を、それぞれリン酸四カルシウム粒子(A1)とシリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)の合計100重量部に対して1.2重量部(実施例2)及び24.3重量部(実施例3)とした以外は実施例1と同様にして、リン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
実施例4及び5
実施例1において、振動ボールミルを用いて粉砕する代わりに、それぞれボールミル(実施例4)及びジェットミル(実施例5)を用いた以外は実施例1と同様にして、リン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
実施例6
1Lの三口フラスコ中に無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)(平均粒径10.3μm)50g、無水エタノール(和光純薬工業株式会社製)38.5g、テトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製、Si(OEt))104.1gをそれぞれ加え撹拌することでスラリーを作製した。この中に無水エタノール(和光純薬工業株式会社製)38.5g、水10.2g、1N塩酸36.0gを均一に溶解した溶液を約30分かけて滴下した。滴下終了後2時間室温(25℃)で保持することでテトラエトキシシランの加水分解及び重縮合を行い、シリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)のスラリーを得た。次いで、得られたスラリーを1Lの粉砕ポットに移し変え、直径が10mmのジルコニア製粉砕ボール1000gと共に振動ボールミル(中央化工機商事株式会社製「NLM」)を用いて5時間湿式粉砕した。得られた粉砕後のスラリーをロータリーエバポレーターでエタノールを留去した後、60℃で6時間乾燥させ、さらに60℃で24時間真空乾燥することによりシリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)を得た。シリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)100重量部中に31.1重量部のシリカ(G)が観察された。なお、上記の湿式粉砕で得られた無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)の平均粒径は実施例1と同程度であった。次いで、シリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)78.7gと上記リン酸四カルシウム粒子(A1)145.8gとを混合することによりリン酸カルシウム組成物を得た。得られたリン酸カルシウム組成物を用いて、実施例1と同様にしてリン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
実施例7
実施例6において、振動ボールミルを用いて湿式粉砕する代わりに、ビーズミルを用いて湿式粉砕した以外は実施例6と同様にしてリン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。なお、上記の湿式粉砕で得られた無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)の平均粒径は実施例1と同程度であった。
実施例8、9及び10
実施例1において、テトラエトキシシランの代わりに、下記の金属のアルコキシドを用い、リン酸カルシウム組成物中の金属酸化物の含有量が表1に記載の値となるようにした以外は、実施例1と同様にしてリン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
・実施例8:テトライソプロポキシチタン(Aldrich製、Ti(OiPr)
・実施例9:トリイソプロポキシアルミニウム(Aldrich製、Al(OiPr)
・実施例10:テトラエトキシジルコニウム(Aldrich製、Zr(OEt)
比較例4
実施例1において、無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)を存在させずにシリカ(G)を含む水分散液を得て、それを乾燥した後に得られたシリカ(G)50gを1Lの粉砕ポットに移し変え、直径が10mmのジルコニア製粉砕ボール1000gと共に振動ボールミル(中央化工機商事株式会社製「NLM」)を用いて5時間乾式粉砕した。このようにして得られた粉砕後のシリカ(G)24.5gを上記リン酸四カルシウム粒子(A1)145.8g及び無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)(平均粒径1.1μm)54.2gと混合した以外は実施例1と同様にしてリン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
実施例11
実施例1において、リン酸四カルシウム粒子(A1)と無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)のモル比(A1/A2)を0.7とした以外は、実施例1と同様にしてリン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
比較例1
実施例1において、テトラエトキシシランを用いずに、上記リン酸四カルシウム粒子(A1)145.8g及び無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)(平均粒径1.1μm)を54.2を用いて混合した以外は実施例1と同様にしてリン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
比較例2及び3
実施例1において、ゾルゲル反応により得られるシリカの含有量を、それぞれリン酸四カルシウム粒子(A1)とシリカ(G)を含む無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)の合計100重量部に対して0.5重量部(比較例2)及び26.7重量部(比較例3)とした以外は、実施例1と同様にしてリン酸カルシウム組成物ペーストを調製して評価を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005386094
表1から分かるように、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドの加水分解及び重縮合により得られたシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)をリン酸四カルシウム粒子(A1)、無水リン酸一水素カルシウム粒子(A2)及び(G)の合計100重量部に対して1〜25重量部含む実施例1〜11及び比較例4では、何も加えなかった比較例1と比べて、辺縁漏洩距離が短いことから充填部位の封鎖性が良好である。ゾルゲル反応により得られたシリカの含有量が0.5重量部である比較例2では、何も加えなかった比較例1と比べて圧縮強度及び辺縁封鎖性がわずかに向上するだけであった。また、ゾルゲル反応により得られるシリカの含有量が26.7重量部である比較例3では、何も加えなかった比較例1と比べて圧縮強度が低下するとともに、窩洞底まで色素が浸入してしまい辺縁封鎖性が悪かった。このことから分かるように、ケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドの加水分解及び重縮合により得られたシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を一定量含むことによる効果は明らかである。

Claims (14)

  1. リン酸四カルシウム粒子(A1)、無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)、並びにシリカ及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機化合物(G)を含むリン酸カルシウム組成物の製造方法であって、
    (A1)、(A2)及び(G)の合計100重量部に対して無機化合物(G)を1〜25重量部含み、かつ無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を得てから、該無機化合物(G)及び無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)と、リン酸四カルシウム粒子(A1)とを混合することを特徴とするリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  2. リン酸四カルシウム粒子(A1)の平均粒径が5〜30μmである請求項1記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  3. 無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)の平均粒径が0.1〜5μmである請求項1又は2記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  4. リン酸四カルシウム粒子(A1)と無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)の配合割合(A1/A2)がモル比で40/60〜60/40である請求項1〜3のいずれか記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  5. 無機化合物(G)及び無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)と、リン酸四カルシウム粒子(A1)とを粉体の状態で混合する請求項1〜4のいずれか記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  6. 無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を得た後に無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)及び無機化合物(G)を複合化する請求項1〜5のいずれか記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  7. 前記複合化の際にジェットミル、ライカイ機、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ハイブリダイザー、メカノフュージョン及び混練押出し機からなる群から選択される少なくとも1種を用いる請求項6記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  8. 前記複合化の際に振動ボールミルを用いる請求項7記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  9. 無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)及び水を主成分とする液体の存在下でケイ素のアルコキシド及び/又は金属のアルコキシドを加水分解及び重縮合することにより無機化合物(G)を含む分散液を得てから湿式粉砕して乾燥後に、該無機化合物(G)及び無水リン酸一水素カルシウム[CaHPO]粒子(A2)と、リン酸四カルシウム粒子(A1)とを混合する請求項1〜5のいずれか記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  10. 前記湿式粉砕の際にボールミル、ビーズミル及び遊星ミルからなる群から選択される少なくとも1種を用いる請求項9記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  11. 前記湿式粉砕の際にビーズミルを用いる請求項10記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  12. 前記湿式粉砕の際に酸触媒を添加する請求項9〜11のいずれか記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法により得られたリン酸カルシウム組成物の粉体に、水を主成分とする液体を加えて混練することを特徴とするリン酸カルシウム組成物ペーストの製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか記載のリン酸カルシウム組成物の製造方法により得られたリン酸カルシウム組成物の粉体と、水を主成分とする液体とからなる医療用キット。
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