JP5385525B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
また、この燃料電池には、水素排出連通孔、水素供給連通孔、エア供給連通孔、およびエア排出連通孔が設けられており、これらの連通孔は、セルの積層方向に沿って延びている。このうち、水素供給連通孔には、水素供給口を通して水素ガスが供給され、エア供給連通孔には、エア供給口を通して空気が供給される。
カソード電極側のセパレータには、空気流通溝が形成され、この空気流通溝は、上述のエア供給連通孔およびエア排出連通孔に連通している。
エア供給連通孔に空気を供給すると、この供給された空気は、エア供給連通孔から空気流通溝に導入されて、カソード電極に沿って流通する。また、水素供給連通孔に水素ガスを供給すると、この供給された水素ガスは、水素供給連通孔から水素流通溝に導入されて、アノード電極に沿って流通する。
その後、カソード電極で消費された空気は、エア排出連通孔に流入し、排出される。また、アノード電極で消費された水素ガスは、水素排出連通孔に流入し、排出される。
そこで、燃料電池システムを起動させる際、水素供給口を通して水素供給連通孔に水素ガスを供給することで、水素濃度の低いガスを置換して、アノード電極の水素濃度を上昇させる。また、エア供給口を通してエア供給連通孔に空気を供給することで、酸素濃度の低いガスを置換して、カソード電極の酸素濃度を上昇させる。
その結果、燃料電池システムの起動時間が長期化する、という問題があった。
よって、燃料電池システムを起動する際に、燃料ガス導入口を通して燃料ガスを燃料ガス導入路内に供給するとともに、燃料ガス抜き路開閉手段を一時的に開放する。すると、燃料ガス導入路内に残存するガスは、供給された燃料ガスに押し出されて、燃料ガス抜き口から燃料ガス抜き路を通って外部に排出される。よって、燃料ガス導入路内に残存するガスを迅速に置換できるから、システムを短時間で起動できる。
そこで、この発明によれば、燃料ガス抜き口近傍の燃料ガスの濃度に基づいて、燃料ガス抜き路開閉手段の開放時間を決定した。よって、燃料ガス抜き口近傍の燃料ガスの濃度を監視することで、燃料ガス導入路内のガスの置換が完了したことを容易に検知できる。
そこで、この発明によれば、前回停止してから今回起動するまでの停止時間が所定時間以上である場合にのみ、燃料ガス抜き路開閉手段を開放した。よって、燃料ガス導入路内に残存するガスを効率よく置換できる。
よって、燃料電池システムを起動する際に、酸化剤ガス導入口を通して酸化剤ガスを酸化剤ガス導入路内に供給するとともに、酸化剤ガス抜き路開閉手段を一時的に開放する。すると、酸化剤ガス導入路内に残存するガスは、供給された酸化剤ガスに押し出されて、酸化剤ガス抜き口から酸化剤ガス抜き路を通って外部に排出される。よって、酸化剤ガス導入路内に残存するガスを迅速に置換できるから、システムを短時間で起動できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システム1のブロック図である。
燃料電池システム1は、反応ガスを反応させて発電を行う燃料電池10と、この燃料電池10に燃料ガスとしての水素ガスや酸化剤ガスとしてのエア(空気)を供給または排出する供給装置80と、これら燃料電池10および供給装置を制御する制御手段としての制御装置90と、を有する。
なお、燃料電池システム1に設けられた燃料電池10は1つであるが、図1では、理解を容易にするため、燃料電池10をアノード系とカソード系に分けて図示している。
すなわち、燃料電池10は、例えば、数十個から数百個のセル20が積層されたスタック構造の積層体21と、この積層体21の両端面に設けられた一対のエンドプレート22、23と、を備える。これら一対のエンドプレート22、23は、図示しない締め付けボルトにより互いに接近する方向に締め付けられる。
アノード電極32およびカソード電極33は、それぞれ、固体高分子膜31に接して酸化・還元反応を行う触媒層と、この触媒層に接するガス拡散層と、から形成される。
これらセル20の連通孔51〜56は、隣接するセル20の連通孔51〜56に接続される。これにより、連通孔51〜56はセル20の積層方向に沿って延びることになる。
セパレータ40Aのアノード電極32側には、水素流通溝41が形成され、この水素流通溝41は、上述の水素供給連通孔54および水素排出連通孔53に連通している。
セパレータ40Bのカソード電極33側には、エア流通溝42が形成され、このエア流通溝42は、上述のエア供給連通孔51およびエア排出連通孔56に連通している。
また、互いに隣り合うセパレータ40Aとセパレータ40Bとの間には、冷媒流通溝43が形成され、この冷媒流通溝43は、冷媒供給連通孔52および冷媒排出連通孔55に連通している。
配管マニホールド60Aには、セル20のエア供給連通孔51、冷媒供給連通孔52、および水素排出連通孔53に連通する、酸化剤ガス導入口としてのエア供給口61、冷媒供給口62、および水素排出口63が形成されている。
配管マニホールド60Bには、セル20の水素供給連通孔54、冷媒排出連通孔55、およびエア排出連通孔56に連通する、燃料ガス導入口としての水素供給口64、冷媒排出口65、およびエア排出口66が形成されている。
配管マニホールド70Aには、エア供給連通孔51に連通する酸化剤ガス抜き口としてのエアガス抜き口71が形成されている。このエアガス抜き口71は、エア供給連通孔51において、エア供給口61とは反対側に位置することになる。
エア供給口61を介して、エア供給連通孔51にエアが供給される。すると、この供給されたエアは、図2に示すように、エア供給連通孔51からエア流通溝42に導入されて、カソード電極33に沿って流通する。
また、水素供給口64を介して、水素供給連通孔54に水素ガスが供給される。すると、この供給された水素ガスは、図2に示すように、水素供給連通孔54から水素流通溝41に導入されて、アノード電極32に沿って流通する。
また、このエアガス抜き路82には、酸化剤ガス抜き路開閉手段としてのエアガス抜き弁821が設けられている。
また、この水素ガス抜き路83には、燃料ガス抜き路開閉手段としての水素ガス抜き弁831が設けられている。
図3に示すように、ガス流量が増大するに従って、ガス抜き口71、74の圧力損失およびセル20の圧力損失は増大する。ここで、セル20の圧力損失の増加率は、ガス抜き口71、74の圧力損失の増加率よりも常に大きくなっている。
よって、セル20の圧力損失は、ガス抜き口71、74の圧力損失よりも常に大きく、ガス流量が大きくなるに従って、セル20の圧力損失とガス抜き口71、74の圧力損失との差分が大きくなることが判る。
具体的には、制御装置90は、燃料電池システム1を起動する場合、燃料電池10が前回停止してから今回起動するまでの時間を測定する。この測定した時間が所定時間以上であるか否かを判定し、この判定がYESの場合には、ガス抜き弁821、831を一時的に開放し、NOの場合には、ガス抜き弁821、831を開放しない。
開放時間が決定した後、水素ガス抜き弁831を開放し、その後、エアガス抜き弁821を開放する。
時刻t0では、イグニッションをオンすると同時に、水素排出連通孔53に対する水素ガスの供給およびエア供給連通孔51に対するエアの供給を開始する。
次に、時刻t1から時刻t2までの期間、ガス抜き弁821、831を開放し、水素ガスの供給量をf1とし、エアの供給量をf2とする。これにより、水素排出連通孔53内のガスおよびエア供給連通孔51内のガスが置換される。
時刻t2では、ガスの置換が完了したので、ガス抜き弁821、831を閉鎖し、時刻t3以降、燃料電池10の発電を開始し、電力を供給する。
(1)水素ガス抜き口74から燃料電池10の外部に延びる水素ガス抜き路83と、この水素ガス抜き路83を開閉する水素ガス抜き弁831と、を設けた。
よって、燃料電池システム1を起動する際に、水素供給口64を通して水素ガスを水素供給連通孔54内に供給するとともに、水素ガス抜き弁831を一時的に開放する。すると、水素供給連通孔54内に残存するガスは、供給された水素ガスに押し出されて、水素ガス抜き口74から水素ガス抜き路83を通って外部に排出される。よって、水素供給連通孔54内に残存するガスを迅速に置換できるから、燃料電池システム1を短時間で起動できる。
よって、燃料電池システム1を起動する際に、エア供給口61を通してエアをエア供給連通孔51内に供給するとともに、エアガス抜き弁821を一時的に開放する。すると、エア供給連通孔51内に残存するガスは、供給されたエアに押し出されて、エアガス抜き口71からエアガス抜き路82を通って外部に排出される。よって、エア供給連通孔51内に残存するガスを迅速に置換できるから、燃料電池システム1を短時間で起動できる。
例えば、本実施形態では、水素ガス抜き口74近傍の水素濃度およびエアガス抜き口71近傍の酸素濃度に基づいて、開放時間を決定したが、これに限らず、希釈器81内の水素濃度に基づいて開放時間を決定してもよい。
10 燃料電池
20 セル
32 アノード電極
33 カソード電極
51 エア供給連通孔(酸化剤ガス導入路)
53 水素排出連通孔(燃料排ガス導出路)
54 水素供給連通孔(燃料ガス導入路)
56 エア排出連通孔(酸化剤ガス導出路)
61 エア供給口(酸化剤ガス導入口)
64 水素供給口(燃料ガス導入口)
71 エアガス抜き口(酸化剤ガス抜き口)
74 水素ガス抜き口(燃料ガス抜き口)
82 エアガス抜き路(酸化剤ガス抜き路)
83 水素ガス抜き路(燃料ガス抜き路)
90 制御装置(制御手段)
821 エアガス抜き弁(酸化剤ガス抜き路開閉手段)
831 水素ガス抜き弁(燃料ガス抜き路開閉手段)
Claims (6)
- 燃料ガスおよび酸化剤ガスの反応により発電するセルが複数積層された燃料電池と、
該燃料電池内に設けられて前記セルの積層方向に延びており、該積層されたセルのそれぞれのアノード電極に燃料ガスを導入する燃料ガス導入路と、
該燃料電池内に設けられて前記セルの積層方向に延びており、前記積層されたセルのそれぞれから排出された燃料ガスが流通する燃料排ガス導出路と、を備える燃料電池システムであって、
前記燃料ガス導入路には、該燃料ガス導入路の一端部に前記セルの積層方向に開口するように形成された燃料ガス導入口、および該燃料ガス導入路の前記セルの積層方向の反対側の一端部に前記セルの積層方向に開口するように形成された燃料ガス抜き口が設けられるとともに、前記燃料ガス導入口を通して燃料ガスが供給され、
前記燃料ガス導入路の前記燃料ガス抜き口から前記燃料電池の外部に延びる燃料ガス抜き路と、
該燃料ガス抜き路を開閉可能な燃料ガス抜き路開閉手段と、
該燃料ガス抜き路開閉手段を制御する制御手段と、をさらに備え、
該燃料ガス抜き口の圧力損失は、燃料ガスが前記燃料ガス導入路から前記積層されたセルのアノード電極側を通って前記燃料排ガス導出路に至る圧力損失よりも小さく、
前記制御手段は、システムを起動する場合、前記燃料ガス抜き口近傍の燃料ガスの濃度に基づいて前記燃料ガス抜き路開閉手段の開放時間を決定した後に、前記燃料ガス抜き路開閉手段を前記開放時間だけ開放することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御手段は、前記燃料電池が前回停止してから今回起動するまでの停止時間が所定時間以上である場合にのみ、前記燃料ガス抜き路開閉手段を開放することを特徴とする燃料電池システム。 - 燃料ガスおよび酸化剤ガスの反応により発電するセルが複数積層された燃料電池と、
該燃料電池に設けられて前記セルの積層方向に延びており、該積層されたセルのそれぞれのカソード電極に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス導入路と、
該燃料電池内に設けられて前記セルの積層方向に延びており、前記積層されたセルのそれぞれから排出された酸化剤ガスが流通する酸化剤排ガス導出路と、を備える燃料電池システムであって、
前記酸化剤ガス導入路には、該酸化剤ガス導入路の一端部に前記セルの積層方向に開口するように形成された酸化剤ガス導入口、および該酸化剤ガス導入路の前記セルの積層方向の反対側の一端部に前記セルの積層方向に開口するように形成された酸化剤ガス抜き口が設けられるとともに、前記酸化剤ガス導入口を通して酸化剤ガスが供給され、
前記酸化剤ガス導入路の前記酸化剤ガス抜き口から前記燃料電池の外部に延びる酸化剤ガス抜き路と、
該酸化剤ガス抜き路を開閉可能な酸化剤ガス抜き路開閉手段と、
該酸化剤ガス抜き路開閉手段を制御する制御手段と、をさらに備え、
該酸化剤ガス抜き口の圧力損失は、酸化剤ガスが前記酸化剤ガス導入路から前記積層されたセルのカソード電極側を通って前記酸化剤排ガス導出路に至る圧力損失よりも小さく、
前記制御手段は、システムを起動する場合、前記酸化剤ガス抜き口近傍の燃料ガスの濃度に基づいて前記酸化剤ガス抜き路開閉手段の開放時間を決定した後に、前記酸化剤ガス抜き路開閉手段を前記開放時間だけ開放することを特徴とする燃料電池システム。 - 燃料ガスおよび酸化剤ガスの反応により発電するセルが複数積層された燃料電池と、
該燃料電池内に設けられて前記セルの積層方向に延びており、該積層されたセルのそれぞれのアノード電極に燃料ガスを導入する燃料ガス導入路と、
該燃料電池内に設けられて前記セルの積層方向に延びており、前記積層されたセルのそれぞれから排出された燃料ガスが流通する燃料排ガス導出路と、
該燃料電池に設けられて前記セルの積層方向に延びており、該積層されたセルのそれぞれのカソード電極に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス導入路と、
該燃料電池内に設けられて前記セルの積層方向に延びており、前記積層されたセルのそれぞれから排出された酸化剤ガスが流通する酸化剤排ガス導出路と、を備える燃料電池システムであって、
前記燃料ガス導入路には、該燃料ガス導入路の一端部に前記セルの積層方向に開口するように形成された燃料ガス導入口、および該燃料ガス導入路の前記セルの積層方向の反対側の一端部に前記セルの積層方向に開口するように形成された燃料ガス抜き口が設けられるとともに、前記燃料ガス導入口を通して燃料ガスが供給され、
前記酸化剤ガス導入路には、該酸化剤ガス導入路の一端部に前記セルの積層方向に開口するように形成された酸化剤ガス導入口、および該酸化剤ガス導入路の前記セルの積層方向の反対側の一端部に前記セルの積層方向に開口するように形成された酸化剤ガス抜き口が設けられるとともに、前記酸化剤ガス導入口を通して酸化剤ガスが供給され、
前記燃料ガス導入路の前記燃料ガス抜き口から前記燃料電池の外部に延びる燃料ガス抜き路と、
前記酸化剤ガス導入路の前記酸化剤ガス抜き口から前記燃料電池の外部に延びる酸化剤ガス抜き路と、
該燃料ガス抜き路および該酸化剤ガス抜き路を開閉可能な燃料ガス抜き路開閉手段および酸化剤ガス抜き路開閉手段と、
該燃料ガス抜き路開閉手段および酸化剤ガス抜き路開閉手段を制御する制御手段と、をさらに備え、
該燃料ガス抜き口の圧力損失は、燃料ガスが前記燃料ガス導入路から前記積層されたセルのアノード電極側を通って前記燃料排ガス導出路に至る圧力損失よりも小さく、
該酸化剤ガス抜き口の圧力損失は、酸化剤ガスが前記酸化剤ガス導入路から前記積層されたセルのカソード電極側を通って前記酸化剤排ガス導出路に至る圧力損失よりも小さく、
前記制御手段は、システムを起動する場合、前記燃料ガス抜き口近傍の燃料ガスの濃度および前記酸化剤ガス抜き口近傍の酸化剤ガスの濃度に基づいて、前記燃料ガス抜き路開閉手段および酸化剤ガス抜き路開閉手段の開放時間を決定した後に、前記燃料ガス抜き路開閉手段および酸化剤ガス抜き路開閉手段を前記開放時間だけ開放することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項4に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御手段は、前記燃料電池が前回停止してから今回起動するまでの停止時間が所定時間以上である場合にのみ、前記燃料ガス抜き路開閉手段および酸化剤ガス抜き路開閉手段を開放することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項4または5に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御手段は、前記燃料ガス抜き路開閉手段を開放した後に、前記酸化剤ガス抜き路開閉手段を開放することを特徴とする燃料電池システム。
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