JP5383463B2 - 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5383463B2
JP5383463B2 JP2009279009A JP2009279009A JP5383463B2 JP 5383463 B2 JP5383463 B2 JP 5383463B2 JP 2009279009 A JP2009279009 A JP 2009279009A JP 2009279009 A JP2009279009 A JP 2009279009A JP 5383463 B2 JP5383463 B2 JP 5383463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
lithium ion
layer
solid
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009279009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011124028A (ja
Inventor
和之 砂山
英丈 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd, Hitachi Zosen Corp filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2009279009A priority Critical patent/JP5383463B2/ja
Publication of JP2011124028A publication Critical patent/JP2011124028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5383463B2 publication Critical patent/JP5383463B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
近年、携帯電話・PDA・ノートパソコンなどの高機能化に伴い、長時間使用が可能であり、且つ小型・軽量で、安全性の高い二次電池が強く要望されている。
しかし、従来から使用されてきた可燃性の有機溶媒を含むリチウム二次電池は過充電時や濫用時に液漏れや発火の危険性がある。そのため、電池の高エネルギー密度化に伴い、安全性の確保が重要な課題とされてきた。
このような課題を解決する電池として、有機電解液に比べて化学的に安定でかつ漏液や発火の問題のない固体電解質を電解質として用いた全固体リチウムイオン二次電池の研究開発が鋭意行われている。
ところで、上記全固体リチウムイオン二次電池の製造方法としては、電池の構成材料の粉末を加圧しペレット状にする方法(例えば、特許文献1)が知られている。
特開2008−257962号公報
ところで、電池の構成材料の粉末を加圧しペレット状にする方法では、粉末を薄く均一に広げることができず、したがってリチウムイオン電池の高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化を実現することができないという問題があった。
さらに、従来の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法によると、正極材層(正極合材)を形成した後、固体電解質層を形成し、その表面に、負極材層(負極合材)を形成しているため、各極材層における材料の混合比率(つまり、活物質と固体電解質との割合)は一定であり、したがって極材層と固体電解質層との境界付近における極材層には、当然ながら活物質が存在しているため、この積層された構成材料をペレット状に加圧する際に、一方の極材層側の活物質が固体電解質層を貫いて他方の極材層に短絡する惧れがあった。
そこで、本発明は、リチウムイオン電池の高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化を実現し得るとともに、両極材層同士の短絡を防止し得る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、それぞれ活物質およびリチウムイオン伝導性固体電解質からなる正極材層と負極材層との間にリチウムイオン伝導性固体電解質層が配置されるとともにこれら各極材層の外面にそれぞれ集電体が配置されてなる全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
集電体の表面に活物質および固体電解質の混合粉末材料を搬送用ガスにて吹き付けることにより、上記各極材層を形成する際に、その混合粉末材料に電荷を帯電させて吹き付け、
さらに上記極材層および固体電解質層の形成後、加圧するとともに帯電した電荷を除電し、
且つ上記正極材層および負極材層の少なくとも一方における極材層を構成する活物質の上記固体電解質に対する混合比率を、集電体からの距離に応じて連続的にまたは段階的に減少させる方法である。
また、請求項2に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、請求項1に記載の製造方法において、搬送用ガスとして不活性ガスを用いる方法である。
また、請求項3に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、請求項2に記載の製造方法において、露点が−80℃以下の不活性ガスを用いる方法である。
また、請求項4に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法において、固体電解質として硫化物系無機固体電解質を用いる方法である。
上記請求項1に記載の製造方法によると、集電体の表面に活物質および固体電解質の混合粉末材料を搬送用ガスにて吹き付けて、極材層を形成する際に、その混合粉末材料に電荷を帯電させるため、均一な厚さで且つ薄い粉体の層を形成することができ、したがってリチウムイオン二次電池の高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化が可能となる。しかも、混合粉末材料に電荷を帯電させて吹き付けるため、飛沫中は、同じ電荷を帯電した粉体同士が反発して分離することで細かくなり、対極に到達する時点では、特に、膜厚の薄い部分が帯電した粒を強く引き付けるため、帯電させずに吹き付けた材料と比較し、粉体の膜厚が一定で且つ引き締まった膜を得ることができる。このため、加圧成形後も、粉体同士の接触状態が良好となり、電池性能の向上が図られる。
また、活物質と固体電解質とからなる各極材層の混合比率を集電体からの距離に応じて連続的にまたは段階的に減少させるようにしたので、固体電解質層に近い方ではリチウムイオンが、また集電体に近い方では電子が、それぞれスムーズに移動するため、電池全体での抵抗を下げることができる。すなわち、固体電解質に近い部位ではイオン伝導を多く、逆に、固体電解質から遠い部位では、電子伝導が行われ易いようにすることができるので、各極材層中のイオン/電子伝導性を向上させることができる。
詳しく説明すれば、各極材層のうち、固体電解質と接する部分の固体電解質の混合比率を増加させると、固体電解質を貫く活物質が相対的に減少するため、短絡が生じる確率が著しく減少し、その結果として、固体電解質層を薄く形成することができる。
勿論、極材層を構成する活物質の固体電解質に対する混合比率が固体電解質層側では減少されているため、加圧成形を行った場合でも、一方の極材層側の活物質が固体電解質層を貫いて他方の極材層と短絡することがない。
また、請求項2〜請求項4に記載の製造方法によると、搬送用ガスに不活性ガスを用いるとともにその露点が−80℃以下となるようにして水分を除去するようにしたので、水分と固体電解質例えば硫化物系無機固体電解質の材料粉末とが反応するのを阻止することができ、したがって電池性能が低下するのを防止することができる。特に、水分による電池性能の劣化が特に顕著な硫化物系無機固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池において、高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化が可能となる。
さらに、請求項5に記載の製造方法によると、加圧後に帯電した電荷を除電するようにしたので、帯電により増加した粉末の電気抵抗が低下するため、電池性能の向上を図ることができる。
本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池の概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池の要部拡大模式図である。 本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池の製造方法に用いられる静電成膜装置の概略構成を示す図である。 同静電成膜装置の要部断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法を説明する要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る全固体リチウムイオン二次電池およびその製造方法について、具体的に示した実施例に基づき説明する。
まず、全固体リチウムイオン二次電池の構成について説明する。
本実施例に係る全固体リチウムイオン二次電池は、概略的には、正負の集電体、正負の極材層および固体電解質層から構成されている。
上記集電体としては、銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、リチウム、錫、またはこれらの合金等からなる板状体や箔状体、または粉体などが用いられる。この他、各種材料を成膜したものを用いることができる。
上記固体電解質としては、リチウムイオン伝導性固体物質が用いられる。つまり、リチウムイオン伝導性固体電解質が用いられる。このリチウムイオン伝導性固体電解質については、特に限定されず、例えば有機化合物、無機化合物または有機・無機両化合物からなる材料を用いることができ、さらにリチウムイオン電池分野で公知のものを使用することができる。特に、硫化物系無機固体電解質はイオン伝導性が他の無機化合物より高いことが知られている。
また、正極材層(正極材)としては、電池分野において正極活物質として使用されているものを使用することができる。例えば、酸化物系ではコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)などである。一方、負極材層(負極材)としては、電池分野において負極活物質として使用されているものを使用することができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素などを用いることができる。
ところで、固体の極材においては、電子伝導性に加えてイオン伝導性(イオン伝導度でもある)を向上させるために、極材の粒子同士を密着させて粒子間の接合点や面を多く存在させることにより、イオン伝導パスをより多く確保することが重要となる。そのため、電解質等のイオン伝導活物質を混合させてなる極合材(正極合材、負極合材である)が用いられる。したがって、各極材層としては、活物質にリチウムイオン伝導性固体電解質を混合したものが用いられる。
そして、さらに上記各極材層を構成する活物質A(A:質量)の固体電解質B(B:質量)に対する混合比率(A/B)が、集電体からの距離に応じて連続的にまたは段階的に減少するようにされている。
図1に、本実施例に係る全固体リチウムイオン二次電池の模式図を示す。
この全固体リチウムイオン二次電池(以下、単に、二次電池ともいう)は、負極材層1と正極材層2との間にリチウムイオン伝導性固体電解質層(以下、単に、固体電解質層ともいう)3が配置(積層)され、また負極材層1の固体電解質層3とは反対側の表面に負極集電体4が、および正極材層2の固体電解質層3とは反対側の表面に正極集電体5が配置(積層)されたものである。
そして、上述したように、負極材層1および正極材層2は、それぞれ負極活物質1aおよび正極活物質2aとリチウムイオン伝導性固体電解質(以下、単に、固体電解質ともいう)1b,2bとにより形成されており、しかも、図2に示すように、活物質1a,2aと固体電解質1b,2bとの混合比率が、集電体4,5からの距離(言い換えれば、積層された構成材料の厚み方向)に応じて連続的にまたは段階的に減少(小さく)されている。すなわち、図2の模式図に示すように、固体電解質層3に近い部分ほど固体電解質1b,2bが多くされるとともに集電体4,5に近い部分ほど活物質1a,2aが多くなるように混合比率が傾斜(グラディエーション化)するようにされている(言い換えれば、傾斜配分されている)。なお、混合比率を徐々に変化させる方法としては、連続的に混合比率を変化させる方法と、極材層を複数回に分けて層状に形成するとともにこの薄い層毎に混合比率を変化させる(つまり、段階的に変化させる)方法がある。
以下、上記全固体リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
この製造方法を簡単に説明すると、含有水分が露点−80℃以下となるように管理された不活性ガス[搬送用ガス(キャリアガスともいう)であり、具体的には窒素ガスやアルゴンガスなどが用いられる](不活性ガスを用いない場合もあり、この場合には、露点−80℃以下となるように管理されたガス、つまり露点管理ガスと呼ぶこともできる)を混合粉末材料の搬送用および吹付用(噴出用)として使用し、負極集電体(または正極集電体)の一方の表面に、静電気を帯びた、つまり電荷を帯電させた極材用粉末材料および固体電解質用粉末材料を順次付着させて成膜する製造方法、簡単に説明すれば、静電法を用い且つ各極材層における活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質との混合比率を、集電体からの距離に応じて連続的にまたは段階的に減少させるようにした電池の製造方法である。
ここで、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法を図面に基づき説明する。
この製造方法は、上述したように、静電法を用いて成膜を行うものであり、まず静電法を行うための、つまり静電成膜工程で用いられる静電成膜装置について説明する。
図3および図4に示すように、この静電成膜装置11は、内部に粉末材料を供給し得る材料供給通路12aを有するとともに先端部が絞られてなる材料の噴出用ノズル(スプレーノズルともいう)12と、この噴出用ノズル12に材料供給配管13を介して接続された材料混合部14と、この材料混合部14に材料供給配管15を介して接続された活物質供給部16と、同じく上記材料混合部14に材料供給配管17を介して接続された固体電解質供給部18と、上記材料供給配管15,17の途中に設けられた供給量制御弁19,20と、これら両供給量制御弁19,20に材料の供給量を調整するために弁開度指令を指示する混合比率制御部21と、上記材料混合部14および材料供給配管13途中にガス供給配管22を介してキャリアガスである不活性ガスGを吹き込み材料混合部14から供給された混合粉末材料Fを噴出用ノズル12に供給するためのガス供給装置(例えば、ガスホルダーである)23と、上記噴出用ノズル12内に挿入された針状電極24と、上記噴出用ノズル12の先端開口部12bに対向する位置で且つ所定距離はなれた位置に設けられた板状の対向電極25と、これら両電極24,25間に高電圧、例えば、20〜100kV(範囲内)の直流電気を印加するための直流電源26とから構成されている。勿論、上記混合比率制御部21は、噴出用ノズル12に供給される活物質と固体電解質との混合比率(割合)を任意に変化させるためのものである。なお、混合粉末材料の供給を確実に行い得るように、不活性ガスGの供給箇所は、材料混合部14の入口側と出口側の2箇所にされている。
次に、全固体リチウムイオン二次電池のより具体的な製造方法を、図5に基づき説明する。
まず、図5(a)に示すように、いずれかの電極集電体、例えば負極集電体4を対向電極25の上面に配置するとともに、その上面に負極材層1を形成するためのマスク材31を配置する。
そして、この対向電極25と針状電極24との間に直流電源26により、20〜100kVの高電圧の直流電気を印加するとともに、材料混合部14およびガス供給装置23により、負極活物質と固体電解質との混合粉末材料Fを不活性ガスGにより噴出用ノズル12に導きその先端開口部12bから負極集電体4の表面に噴出させれば(吹き付ければ)、針状電極24の周囲で発生するコロナ放電により混合粉末材料Fに電荷が帯電するとともに、その帯電した電荷に作用するクーロン力により、混合粉末材料Fが負極集電体4の表面に付着し、図5(b)に示すように、負極集電体4の表面に所定膜厚の負極材層1が形成される。このとき、負極活物質と固体電解質との混合比率が、混合比率制御部21により、負極集電体4寄り部分に負極活物質が多くなるように供給量制御弁19,20が制御されて、静電法つまり静電塗装の原理により、負極活物質と固体電解質との混合比率が傾斜された負極材層1が成膜される。
この静電法によれば、噴出用ノズル12内の針状電極24の尖端部と対向電極25とが十分離されていることにより針状電極24の周囲で発生するコロナ放電により、噴出用ノズル12内に供給された混合粉末材料Fに電荷が帯電され、この帯電された混合粉末材料Fは対向電極25にクーロン力によって引き寄せられるため、対向電極25側に混合粉末材料Fが成膜されることになる。なお、対向電極25そのものを負極集電体(または正極集電体)とすることもできる。
次に、負極集電体4に負極材層1が成膜されてなる積層体を次工程に移動させて、上述したものと同様の静電成膜装置により、負極材層1の表面に固定電解質層3を形成する。
すなわち、図5(c)に示すように、負極材層1の上面に固体電解質層3を形成するためのマスク材32を配置した後、その静電成膜装置の材料混合部14を介して供給された固体電解質の粉末材料を噴出用ノズル12から噴出させて、所定膜厚の固体電解質層3を静電法により形成する。
次に、図5(d)に示すように、負極集電体4および負極材層1の上面に固体電解質層3が形成されてなる積層体を次工程に移動させて、やはり、上述したものと同様の静電成膜装置により、固体電解質層3の表面に正極材層2を形成する。
すなわち、図5(e)に示すように、固体電解質層3の上面に他方の電極である正極材層2を形成するためのマスク材33を配置した後、静電成膜装置の材料混合部14から不活性ガスGにより供給された正極活物質と固体電解質の混合粉末材料Fを噴出用ノズル12から噴出させて、所定膜厚の正極材層2を静電法により形成する。
勿論、この正極材層2の形成に際しても、正極活物質と固体電解質との混合比率が、混合比率制御部21により、正極集電体5に近い部分ほど正極活物質が多くなるように供給量制御弁19,20が制御されて、静電法により、正極活物質と固体電解質との混合比率が傾斜された正極材層2が成膜される。
次に、負極集電体4の上面に、負極材層1、固体電解質層3および正極材層2が順次形成されてなる積層体(図5(f)に示す)を次のプレス成形工程に移動させて、例えば単動式プレス(ロールプレスでもよい)により、所定圧力でもってその表面を押圧する。このプレス成形により、粉末同士(粒子同士)の接触性が高められて電子・イオン伝導性の向上が図られる。
さらに、上記得られた積層体の正極材層2の上面に、正極集電体5が載置されて略完成状態の電池が得られる。
そして、最後に、略完成状態の二次電池を熱圧着式のラミネートフィルム中に挿入するとともに、内部のガスを吸引しながら封止を行うことにより、二次電池の完成品が得られる。この封止により、充放電時の圧密性が高められるとともに、水分と反応して変質する固体電解質例えば硫化物系固体電解質が大気から保護される。なお、構成材料中の微量なガスが加圧力により外部に排出されるため、ラミネートフィルム中のガスを吸引する際にラミネートフィルムと垂直方向に加圧することが望ましい。
また、マスク材の開口については、順次、下層部の上面に、所定の上層部が形成し得るような大きさにされている。例えば、負極材層1を形成するマスク材31の開口部は負極集電体4よりも小さくされ、またリチウムイオン伝導を行うとともに正極と負極を電気的に分かつための固体電解質層3を形成するマスク材32の開口部は負極材層1よりも少し大きくされ、さらに正極材層2を形成するマスク材33の開口部は固体電解質層3よりも小さくされている。
ところで、上記製造工程においては、正極材層2を成膜した後にプレス成形を行う加圧成形工程を配置したが、つまり、負極材層1、固体電解質層3および正極材層2の三層を合わせた状態でプレス成形を行うように説明したが、一層毎の成膜後に、すなわち負極集電体4に負極材層1を成膜させた後、および負極材層1に固体電解質層3を成膜させた後において、それぞれ加圧成形工程を配置してもよい。
上述したように、混合粉末材料を供給するためのキャリアガスとしては、成膜材料の変質を防止するために、窒素ガスなどの不活性ガスが用いられるとともに、固体電解質として硫化物系固体電解質を用いる場合には、含有する硫黄成分が水分と非常に反応し易く、特にキャリアガスとは接触が大きいためにキャリアガス中に含まれる水分はできる限り微量に制限することが必要となるので、露点が−80℃以下となるようにされている。
さらに、2種類以上の材料、例えば材料の粒径、形状、比重などが異なる材料が混合されてなる混合粉末材料(合材)を、キャリアガスによって搬送する際に、材料混合部と噴出用ノズルとの間の距離が長いと、所定の混合比率が得られない場合や、成膜層の上部と下部で混合比が異なる場合が生じる。このため、材料混合部と噴出用ノズルとの間はできるだけ近づけるようにするとともに静電塗装で用いられるような屈曲性を有する材料供給チューブの替わりに、四フッ化エチレン樹脂テフロン(登録商標)などの流動性が良い硬質のチューブまたは配管を使用する必要がある。
さらに、静電成膜時に印加する電圧は一般的に20〜100kVであり、電圧が高い方が混合粉末に印加される電荷は大きくなり付着力が大きい。また、電圧が低いと逆に付着力が小さくなるために、同時に吐出されるキャリアガスによって付着した材料が一定膜厚以上のものは除去されてしまう。このため、キャリアガスや対向距離を共通とした同一材料の成膜においては、印加電圧の大きさにより、成膜できる膜厚の制御が可能となる。
上述した全固体リチウムイオン二次電池の製造方法によると、集電体の表面に活物質および固体電解質の混合粉末材料を搬送用ガスにて吹き付けて、極材層を形成する際に、その混合粉末材料に電荷を帯電させるため、均一な厚さで且つ薄い粉体の層を形成することができ、したがってリチウムイオン二次電池の高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化が可能となる。詳しく説明すれば、混合粉末材料に電荷を帯電させて吹き付けることにより、飛沫中は、同じ電荷を帯電した粉体同士が反発して分離することで細かくなり、対極に到達する時点では、特に、膜厚の薄い部分が帯電した粒を強く引き付けるため、帯電させずに吹き付けた材料と比較して、粉体の膜厚が一定で且つ引き締まった膜を得ることができる。このため、加圧成形後も、粉体同士の接触状態が良好となり、電池性能の向上が図られる。
また、活物質と固体電解質とからなる各極材層の混合比率を集電体からの距離に応じて連続的にまたは段階的に減少させるようにしたので、固体電解質層に近い方ではリチウムイオンが、また集電体に近い方では電子が、それぞれスムーズに移動するため、電池全体での抵抗を下げることができる。すなわち、固体電解質に近い部位ではイオン伝導を多く、逆に、固体電解質から遠い部位では、電子伝導が行われ易いようにすることができるので、各極材層中のイオン/電子伝導性を向上させることができる。
さらに、詳しく説明すれば、各極材層のうち、固体電解質と接する部分の固体電解質の混合比率を増加させると、固体電解質を貫く活物質が相対的に減少するため、短絡が生じる確率が著しく減少し、その結果として、固体電解質層を薄く形成することができる。
勿論、製造時において、固体電解質層側では活物質の混合比率が小さく量が少ないため、プレスにより加圧成形を行った場合でも、一方の極材層の活物質が固体電解質層を貫いて、他方の極材層と短絡するのを防止することができる。
また、請求項2〜請求項4に記載の製造方法によると、搬送用ガスに不活性ガスを用いるとともにその露点が−80℃以下となるようにして水分を除去するようにしたので、水分と固体電解質例えば硫化物系無機固体電解質の粉末とが反応するのを阻止することができ、したがって電池性能が低下するのを防止することができる。特に、水分による電池性能の劣化が特に顕著な硫化物系無機固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池において、高性能化/高容量化に必要な薄膜化/大型化が可能となる。
さらに、請求項5に記載の製造方法によると、加圧後に帯電した電荷を除電するようにしたので、帯電により増加した粉末の電気抵抗が低下するため、電池性能の向上を図ることができる。
ところで、上記実施の形態においては、負極集電体上に負極材層、固体電解質層、正極材層の順に成膜するように説明したが、これとは逆に、正極集電体上に正極材層、固体電解質層、負極材層の順で成膜を行ってもよく、また製造時に、混合粉末に印加する直流電源の極性を逆にしてもよい(図面では、針状電極側を電源の正極に接続したが、負極に接続してもよい)。
また、上記実施の形態においては、負極材層および正極材層の両方ともに、極材層を構成する活物質の固体電解質に対する混合比率を、集電体からの距離に応じて連続的にまたは段階的に減少させるように説明したが、いずれか一方の極材層だけについて、その混合比率を変化させるようにしてもよい。
1 負極材層
2 正極材層
3 リチウムイオン伝導性固体電解質層
4 負極集電体
5 正極集電体
11 静電成膜装置
12 噴出用ノズル
13 材料供給配管
14 材料混合部
16 活物質供給部
18 固体電解質供給部
19 供給量制御弁
20 供給量制御弁
21 混合比率制御部
22 ガス供給配管
23 ガス供給装置
24 針状電極
25 対向電極
26 直流電源

Claims (4)

  1. それぞれ活物質およびリチウムイオン伝導性固体電解質からなる正極材層と負極材層との間にリチウムイオン伝導性固体電解質層が配置されるとともにこれら各極材層の外面にそれぞれ集電体が配置されてなる全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    集電体の表面に活物質および固体電解質の混合粉末材料を搬送用ガスにて吹き付けることにより、上記各極材層を形成する際に、その混合粉末材料に電荷を帯電させて吹き付け、
    さらに上記極材層および固体電解質層の形成後、加圧するとともに帯電した電荷を除電し、
    且つ上記正極材層および負極材層の少なくとも一方における極材層を構成する活物質の上記固体電解質に対する混合比率を、集電体からの距離に応じて連続的にまたは段階的に減少させることを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 搬送用ガスとして不活性ガスを用いることを特徴とする請求項1記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 露点が−80℃以下の不活性ガスを用いることを特徴とする請求項2に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  4. 固体電解質として硫化物系無機固体電解質を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
JP2009279009A 2009-12-09 2009-12-09 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 Active JP5383463B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009279009A JP5383463B2 (ja) 2009-12-09 2009-12-09 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009279009A JP5383463B2 (ja) 2009-12-09 2009-12-09 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011124028A JP2011124028A (ja) 2011-06-23
JP5383463B2 true JP5383463B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=44287734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009279009A Active JP5383463B2 (ja) 2009-12-09 2009-12-09 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5383463B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5413355B2 (ja) * 2010-11-08 2014-02-12 トヨタ自動車株式会社 全固体電池
US8927068B2 (en) * 2011-07-12 2015-01-06 Applied Materials, Inc. Methods to fabricate variations in porosity of lithium ion battery electrode films
JP2013020881A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Toyota Motor Corp 電池
EP2800172A4 (en) * 2011-12-27 2015-08-19 Toshiba Kk METHOD FOR PRODUCING AN ELECTRODE AND METHOD FOR PRODUCING A BATTERY WITH NON-ACID ELECTROLYTE
JP6154469B2 (ja) * 2013-08-09 2017-06-28 日産自動車株式会社 電極積層体の製造方法
CN103472401B (zh) * 2013-09-09 2016-02-10 东莞新能源科技有限公司 循环后锂离子电池负极活性材料比容量检测方法
KR101558775B1 (ko) * 2014-05-26 2015-10-07 현대자동차주식회사 고체전해질의 농도 구배를 가지는 전고체 전극 제조방법
CN104157911B (zh) * 2014-07-14 2016-06-08 宁波大学 一种LiMn2O4/Al3+掺杂Li7La3Zr2O12/Li4Ti5O12全固态薄膜电池及制备方法
CN104157905B (zh) * 2014-07-14 2016-06-08 宁波大学 一种LiMn2O4/掺杂NASICON/Li4Ti5O12全固态薄膜电池及制备方法
CN105789556A (zh) * 2016-04-26 2016-07-20 中国科学院长春应用化学研究所 一种电极片和锂离子电池
JP6696692B2 (ja) 2016-09-20 2020-05-20 株式会社東芝 電極、非水電解質電池、電池パック及び車両
JP6734791B2 (ja) * 2017-01-25 2020-08-05 富士フイルム株式会社 固体電解質含有シートの製造方法、全固体二次電池用電極シートの製造方法、及び全固体二次電池の製造方法
KR102204304B1 (ko) 2017-12-27 2021-01-18 주식회사 엘지화학 리튬 메탈 이차전지 및 그 제조 방법
CN110581253A (zh) * 2018-06-08 2019-12-17 郑州宇通集团有限公司 一种电极极片及其制备方法和固态电池
CN110611119B (zh) * 2018-06-14 2021-06-22 新奥科技发展有限公司 一种复合固体电解质及其制备方法和应用
JP6973310B2 (ja) * 2018-07-02 2021-11-24 トヨタ自動車株式会社 全固体電池
DE102018121275A1 (de) * 2018-08-31 2020-03-05 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren und System zur Abscheidung eines Festelektrolyten auf Elektrodenaktivmaterial
JP7003879B2 (ja) 2018-09-03 2022-01-21 トヨタ自動車株式会社 粉体搬送システム
JP7304578B2 (ja) * 2018-12-28 2023-07-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 全固体電池
JP7278090B2 (ja) * 2019-02-06 2023-05-19 マクセル株式会社 全固体リチウム二次電池およびその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4145647B2 (ja) * 2002-12-27 2008-09-03 東芝電池株式会社 リチウム二次電池およびその製造方法
JP4525323B2 (ja) * 2004-12-08 2010-08-18 日産自動車株式会社 電極、電池、およびその製造方法
JP5017834B2 (ja) * 2005-09-27 2012-09-05 パナソニック株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2008103291A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Idemitsu Kosan Co Ltd 蓄電用全固体電池
JP2008152925A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Sumitomo Electric Ind Ltd 電池構造体およびそれを用いたリチウム二次電池
JP5131686B2 (ja) * 2007-12-12 2013-01-30 アオイ電子株式会社 固体電解質リチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011124028A (ja) 2011-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5383463B2 (ja) 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法
JP5414371B2 (ja) 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法
CN108390066B (zh) 全固体电池
KR102063034B1 (ko) 복합 고체 전해질을 갖는 리튬/금속 배터리
JP6066574B2 (ja) 全固体二次電池の製造方法
US8968934B2 (en) Electrode for secondary battery, fabrication method thereof, and secondary battery comprising same
US20180048040A1 (en) Capacitor-battery hybrid formed by plasma powder electrode coating
US20110168550A1 (en) Graded electrode technologies for high energy lithium-ion batteries
CN111564620B (zh) 一种利用碳纳米管连续体快速制备柔性电池的方法
JP2002373643A (ja) リチウム二次電池
JP3198828B2 (ja) 全固体リチウム二次電池の製造法
KR20180101729A (ko) 코팅된 전해질을 갖는 리튬-이온 배터리
US8375568B2 (en) Method for manufacturing lithium secondary battery and apparatus for manufacturing the same
WO2003073535A1 (en) Negative electrode for secondary cell, secondary cell, and method for producing negative electrode for secondary cell
KR20180001518A (ko) 리튬이차전지 음극용 조성물, 이를 이용한 리튬이차전지 음극 제조 방법, 이로부터 제조된 리튬이차전지 음극 및 리튬이차전지
KR102593601B1 (ko) 황화물계 고체전해질이 포함된 슬러리의 정전슬러리분무를 이용한 리튬 이차전지 후막 제조방법 및 리튬 이차전지 제조방법
JP2018186074A (ja) バイポーラ全固体電池
CN101630728A (zh) 一种高能量密度锂二次电池电极及其制备方法
CN111430675A (zh) 锂金属负极片的制备方法及其应用
CN115249809A (zh) 电极层和全固体电池
US11476503B2 (en) All-solid-state battery
US11444319B2 (en) All-solid battery and method of manufacturing the same
CN107968219A (zh) 无机固态电解质薄膜及其制备方法及无机全固态电池
CN207624803U (zh) 一种锂离子电池正极结构和锂离子电池
CN108110213A (zh) 一种锂离子电池正极结构和锂离子电池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130813

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131001

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5383463

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250