以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示すACF貼着装置1は、上流側に配置された電極洗浄装置、下流側に配置された仮圧着装置や本圧着装置等とともに液晶パネル製造ラインを構成しており、上流側の電極洗浄装置から液晶パネル基板としての基板2を受け取った後、その基板2の上面の縁部に一列に並んで設けられた複数の電極部3のそれぞれに短冊形状(長尺状)のACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)4を貼着してその基板2を下流側の仮圧着装置に受け渡す。
ACF4は保護テープであるセパレータSp及びセパレータSpに貼り付けられたテープ状のACFテープ4tから成るテープ部材Tpとして供給され(図1中の拡大図参照)、このACFテープ4tが後述するようにセパレータSp上で一定長さに切断されて短冊形状のACF4が生成される。
図1、図2及び図3において、ACF貼着装置1は、基台10と、基台10上に設けられた基板保持部移動機構11によって移動自在な基板保持部12、基台10の上方を水平方向に延びた横フレーム13aを有する門型フレーム13、門型フレーム13の横フレーム13aに沿って移動自在に設けられた2つの貼着ヘッド14及び2つの貼着ヘッド14の下方に設けられたバックアップステージ15を備えている。以下、説明の便宜上、横フレーム13aの延びる方向であって2つの貼着ヘッド14が移動する水平方向をACF貼着装置1のX軸方向(左右方向)とし、X軸方向と直交する水平方向をACF貼着装置1のY軸方向(前後方向)とする。また、上下方向をZ軸方向とする。更に、左右方向(X軸方向)のうち、図1の紙面左側を左方、図1の紙面右側を右方とし、前後方向(Y軸方向)のうち、図1の紙面手前側(図2の紙面左方)を前方、図1の紙面奥側(図2の紙面右方)を後方とする。
図1、図2及び図3において、基板保持部移動機構11はXテーブル11a、Yテーブル11b及びθテーブル11cの相互の相対移動によって基板保持部12を水平面内で移動させる。基板2には、図3に示すように、一の長辺と一の短辺のそれぞれに、一列に並んだ複数の電極部3から成る電極部列3Lが形成されており、基板保持部12は電極部列3LがX軸方向に延びるように(すなわち複数の電極部3がX軸方向に並ぶように)基板2を水平姿勢に保持する。
図2及び図4において、各貼着ヘッド14は門型フレーム13の横フレーム13aに沿った移動自在な平板状の移動ベース20に、テープ搬送部21、ツール昇降シリンダ22によって昇降される押し付けツール23、テープ切断部24及び撮像カメラ25を備えている。
図4において、テープ搬送部21は、捲き掛けられたテープ部材Tpを繰り出して供給するテープ供給リール31、テープ供給リール31より供給されるテープ部材Tpを真空吸引により回収するテープ回収部32及びテープ供給リール31からテープ回収部32までの間のテープ部材Tpを案内する複数の案内ローラ(第1案内ローラ33a、第2案内ローラ33b、第3案内ローラ33c及び一対の第4案内ローラ33d)から成る。
図4において、第1案内ローラ33aは移動ベース20の左方上部に上下方向に延びて形成されたローラ移動溝20a内を移動自在であるとともに、図示しない付勢部材によって上方に付勢されている。第2案内ローラ33bは第1案内ローラ33aの下方の移動ベース20の左側下部に設けられており、第3案内ローラ33cは第2案内ローラ33bの右方の移動ベース20の右側下部に設けられている。一対の第4案内ローラ33dは第3案内ローラ33cの上方の移動ベース20の右側中央部に左右方向に並んで設けられている。
図4において、テープ供給リール31から供給されるテープ部材Tpは、第1案内ローラ33a、第2案内ローラ33b、第3案内ローラ33c及び一対の第4案内ローラ33dによってこの順で案内され(一対の第4案内ローラ33dではテープ部材Tpは両面が左右方向から挟まれた状態となる)、テープ回収部32に送られる。
テープ部材Tpは、第1案内ローラ33aがローラ移動溝20a内で上方に付勢されることによって適度なテンションが与えられ、第1案内ローラ33aと第2案内ローラ33bの間では移動ベース20の左側領域を垂直方向に延びた姿勢に保持され、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cの間では、移動ベース20の下側領域を左右方向(X軸方向)に延びた水平方向に延びた姿勢に保持される。またテープ部材Tpは、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間及び一対の第4案内ローラ33dとテープ回収部32との間では、移動ベース20の右側領域を垂直方向に延びた姿勢に保持される。
テープ搬送部21は、テープ回収部32によってテープ部材Tpを吸引しながらテープ供給リール31からテープ部材Tpを繰り出すことによってテープ部材Tpを順方向(第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cとの間の水平搬送領域を左から右に流れる方向。図4中に示す矢印A)に搬送することができ、テープ回収部32によってテープ部材Tpを吸引するとともに一対の第4案内ローラ33dで上流側へ送りながらテープ供給リール31によりテープ部材Tpを巻き取ることによってテープ部材Tpを逆方向(上記水平搬送領域を右から左に流れる方向)に搬送することができる。
図4において、押し付けツール23はツール昇降シリンダ22により、上昇位置(図4に示す位置)とその下方の下降位置との間で移動され、上昇位置にあるときには第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cによって水平方向に案内されるテープ部材Tpよりも上方の位置に位置し(図1参照)、下降位置にあるときには第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cによって水平方向に案内されるテープ部材Tpよりも下方の位置に位置する。押し付けツール23は内蔵したヒータ23hによって全体が加熱される。
テープ切断部24は第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間の位置に設けられており、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間を垂直に延びるテープ部材Tpの右方領域に設けられたカッター24a及びテープ部材Tpの左方領域においてカッター24aと水平方向に対向する位置(すなわちカッター24aとの間でテープ部材Tpを挟む位置)に設けられた背板部24bを有して成る。
カッター24aは左方の切断位置と右方の待機位置との間で水平方向(すなわち、テープ部材Tpの面に直交する方向)に移動自在であり、切断位置に位置した状態において、セパレータSpを切断することなく、ACFテープ4tのみを切断する。なお、カッター24aがACFテープ4tに押し付けられたとき、背板部24bはテープ部材Tpの左面のセパレータSpを支持してテープ部材Tpに対するカッター24aの押し付け荷重の反力をとる当て板として機能する。
図5において、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間を垂直方向に延びるテープ部材Tpの右面のACFテープ4tは、その先端部がカッター24aによるACFテープ4tの切断位置Mよりも長さLsだけ引き上げられた状態でテープ切断部24によって切断される。この長さLsは、基板2上のACF4を貼着しようとする電極部3のX軸方向の寸法に対応する長さであり、ACFテープ4tがテープ切断部24によって切断されることによって、セパレータSp上に長さLsのACF4が形成される。
図4において、撮像カメラ25は移動ベース20の右側下方に撮像視野を下方に向けて設けられており、移動ベース20の水平方向への移動に応じて移動し、基板保持部12に保持された基板2の左右両端部に設けられた位置決め用のマーク(図示せず)の撮像を行う。
各貼着ヘッド14の門型フレーム13の横フレーム13aに対する左右方向(X軸方向)への移動は、ACF貼着装置1が備える制御装置40(図1及び図6)が図示しないアクチュエータ等から成る移動ベース移動機構41(図6)の作動制御を行うことによってなされる。
基板保持部12に保持された基板2の移動(位置決め)動作は、制御装置40が図示しないアクチュエータ等から成る基板保持部駆動機構42(図6)の作動制御を行うことによってなされる。
テープ搬送部21によるテープ部材Tpの搬送動作は、制御装置40がテープ供給リール31を駆動する供給リール駆動モータ31a(図2及び図6)とテープ回収部32を駆動するテープ回収部駆動機構32a(図2及び図6)及び一対の第4案内ローラ33dの作動制御を行うことによってなされる。
テープ部材TpにおけるACFテープ4tの先頭部の位置は、回転数検出センサ43(図6)によって検出される第4案内ローラ33dのうちの一方の回転数の情報と、この一方の第4案内ローラ33dの半径のデータ等から算出される。
テープ切断部24におけるカッター24aの左右方向への移動動作、すなわちカッター24aによるACFテープ4tの切断動作は、制御装置40がカッター24aを左右方向に移動させるカッター駆動シリンダ44(図6)の作動制御を行うことによってなされる。
押し付けツール23の昇降動作は、制御装置40がツール昇降シリンダ22の作動制御を行うことによってなされる(図6)。また、押し付けツール23に内蔵されたヒータ23hによる押し付けツール23の加熱動作は、制御装置40がヒータ作動機構45(図6)の作動制御を行うことによってなされる。
撮像カメラ25による撮像動作制御は制御装置40によってなされる(図6)。撮像カメラ25によって撮像された画像データは制御装置40に繋がる画像データ格納部46に送信されて格納され、制御装置40から指示を受けた画像認識部40a(図6)によって画像認識される。
制御装置40は、基板2上の電極部列3Lを構成する各電極部3にACF4を貼着する場合には、先ず、電極部列3Lがバックアップステージ15の直上に位置するように基板保持部12を移動させて基板2の位置決めを行った後、移動ベース20を左右方向(X軸方向)に移動させて、押し付けツール23の左端がACF4を貼着しようとする電極部3の左端の直上に位置するように貼着ヘッド14の位置決めを行う(図7(a))。
制御装置40は、貼着ヘッド14の位置決めと並行して、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを順方向に搬送し(図7(a)中に示す矢印B1)、ACFテープ4tの先頭部がテープ切断部24によるACFテープ4tの切断位置Mを通り過ぎて電極部3のX軸方向の長さに相当する長さLsだけ上方の位置に位置した状態になるようにACFテープ4tの先頭部の位置決めを行う(図7(a))。そして、カッター駆動シリンダ44の作動制御を行ってカッター24aを待機位置から切断位置に移動させ(図7(a)中に示す矢印C)、ACFテープ4tの切断を行って、セパレータSp上に長さLsのACF4を形成させる(図7(a))。
制御装置40は、セパレータSp上に長さLsのACF4を形成させたら、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを逆方向に搬送し(図7(b)中に示す矢印B2)、セパレータSp上に形成させたACF4を押し付けツール23の下方(これからACF4を貼着しようとする電極部3の直上)に位置決めする(図7(b))。
制御装置40は、ACF4の位置決めを行ったら、ツール昇降シリンダ22の作動制御を行って押し付けツール23を下降位置まで下降させ(図7(c)中に示す矢印D1)、ヒータ23hで予め加熱しておいた押し付けツール23によってACF4をセパレータSpごとバックアップステージ15に下面が支持された基板2の縁部に押し付けて、ACF4を基板2上の電極部3に貼着させる(図7(c))。
制御装置40は、押し付けツール23によって基板2上の電極部3にACFテープ4tを貼着させたら押し付けツール23を上昇位置まで上昇させる(図8(a)。図中に示す矢印D2)。図8(a)に示すように、押し付けツール23を上昇位置に上昇させても、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cの間のテープ部材Tpは、ACF4が電極部3に貼着されていることから、下方に引っ張られた状態が維持される。
制御装置40は押し付けツール23を上昇位置まで上昇させたら、貼着ヘッド14を左方に移動させつつ(図8(b)中に示す矢印E)、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを順方向に搬送する(図8(b)中に示す矢印B3)。これにより、基板2上に貼着されたACF4の上面に貼り付いているセパレータSpは上方に引っ張り上げられながら、電極部3に貼着されたACF4から剥離される(図8(c))。
このように各貼着ヘッド14は、ACF4の供給媒体であるテープ部材Tpの搬送動作を行ってACF4を基板2上の電極部3の上方に位置させたうえでACF4を基板2に押し付けてACF4を電極部3に貼着するが、ACF4の貼着動作を繰り返し行うことによってテープ部材Tp上のACFテープ4tがなくなってテープ部材Tpが終端(もしくは終端付近)に達した状態となると、ACF貼着装置1のオペレータOP(図3)は移動ベース20上からテープ供給リール31を取り外して新しいテープ供給リール31と交換する。
制御装置40はプログラム格納部47(図6)に格納された実行プログラムに従ってACF貼着装置1の各部の動作制御を行う。制御装置40が2つの貼着ヘッド14による電極部列3Lを構成する各電極部3へのACF4の貼着作業を行う場合には、図9のフローチャートに示すように、先ず、上流側の電極洗浄装置から搬入された基板2を図示しない基板搬入機構によって搬入し、基板保持部12の上面に保持させる(図9に示すステップST1の基板搬入保持工程)。
制御装置40は、基板2の搬入及び保持を行ったら、基板2上で一列に並んだ電極部3から成る電極部列3Lが、バックアップステージ15の直上に位置するように(図2中に一点鎖線で示す基板2参照)、基板保持部移動機構11を作動させて基板保持部12を移動させ、基板2の位置決めを行う(図9に示すステップST2の基板位置決め工程)。この基板2の位置決めの際、制御装置40は2つの貼着ヘッド14をそれぞれX軸方向に移動させ、各貼着ヘッド14に備えられた撮像カメラ25によって、基板2の左右両端部に設けられた位置決め用のマークをひとつずつ撮像する。そして、得られた位置決め用のマークの画像データを画像認識部40aにおいて画像認識することによって、基板2のバックアップステージ15に対する位置ずれが起きていないかどうかの確認を行う。
制御装置40は基板2の位置決めを行ったら、2つの貼着ヘッド14の作動制御を行って、バックアップステージ15の直上に位置させた電極部列3Lを構成する各電極部3を対象とするACF4の貼着作業を行う(図9に示すステップST3のACF貼着工程)。
このACF4の貼着作業では、制御装置40は、これからACF4の貼着作業を行おうとする電極部列3Lが偶数個の電極部3から成るものである場合には、2つの電極部3に同時に2つのACF4が貼着されるように2つの貼着ヘッド14によるACF4の貼着動作を同時に行わせる第1の貼着動作を1回又は複数回実行する(以下、第1の貼着動作を1回又は複数回実行する動作を「ペア貼着」と称する)。一方、これからACF4の貼着をしようとする電極部列3Lが奇数個の電極部3から成るものである場合には、ペア貼着を実行した後、残りのひとつの電極部3にひとつのACF4が貼着されるようにひとつの貼着ヘッド14によるACF4の貼着動作を行わせる第2の貼着動作を1回実行する(以下、第2の貼着動作を1回実行する動作を「単独貼着」と称する)。
ACF4の貼着作業では、制御装置40は、図10のサブルーチンのフローチャートに示すように、はじめにペア貼着を実行する(図10に示すステップST11のペア貼着実行工程)。これにより電極部列3Lを構成する電極部3の数が偶数個である場合には電極部列3Lを構成する全ての電極部3にACF4が貼着され、電極部列3Lを構成する電極部3の数が奇数個である場合には電極部列3Lを構成する複数の電極部3の中からひとつを除いた全ての電極部3にACF4が貼着される。
制御装置40は、電極部列3Lを構成する電極部3の数が偶数個であるか否かの判断を行い(図10に示すステップST12の偶数奇数判断工程)、その結果、電極部3の数が偶数個であった場合にはサブルーチンによる処理を終了してメインルーチン戻る。一方、ステップST12で電極部列3Lを構成する電極部3の数が奇数個であった場合には、前回行った単独貼着を行った貼着ヘッド14のフラグFの読み出しを行う(図10に示すステップST13のフラグ読み出し工程)。ここで、貼着ヘッド14のフラグは、単独貼着を行った貼着ヘッド14を識別するための符号であり、本実施の形態では、2つの貼着ヘッド14の一方を第1の貼着ヘッド14、他方を第2の貼着ヘッド14とする場合に、第1の貼着ヘッド14のフラグを「0」、第2の貼着ヘッド14のフラグを「1」と定めている。
制御装置40は、ステップST13で貼着ヘッド14のフラグFを読み出したら、次いで、その読み出したフラグFが「0」であるかどうかの判断を行う(図10に示すステップST14のフラグ判定工程)。その結果、フラグFが「0」でなかった(すなわち前回単独貼着を行ったのは第2の貼着ヘッド14であった)場合は、制御装置40は、前回単独貼着を実行した貼着ヘッド14とは反対側の貼着ヘッド14である第1の貼着ヘッド14により単独貼着を実行する(図10に示すステップST15の第1の貼着ヘッド14による単独貼着実行工程)。これにより電極部列3Lを構成する複数の電極部3の中の残りのひとつの電極部3にもACF4の貼着がなされ、電極部列3Lを構成する全ての電極部3にACF4が貼着される。第1の貼着ヘッド14によるACF4の貼着を行ったら、フラグFに「0」を代入して処理を終了する。
一方、ステップST14でフラグFが「0」であった(すなわち前回単独貼着を行ったのは第1の貼着ヘッド14であった)場合には、制御装置40は、前回単独貼着を実行した貼着ヘッド14とは反対側の貼着ヘッド14である第2の貼着ヘッド14により単独貼着を実行する(図10に示すステップST17の第2の貼着ヘッドによる単独貼着実行工程)。これにより電極部列3Lを構成する複数の電極部3の中の残りのひとつの電極部3にもACF4の貼着がなされ、電極部列3Lを構成する全ての電極部3にACF4が貼着される。第2の貼着ヘッド14によるACF4の貼着を行ったら、フラグFに「1」を代入して処理を終了する。
ここで、図11及び図12を用いて、5つの電極部3(第1電極部3a、第2電極部3b、第3電極部3c、第4電極部3d及び第5電極部3e)が設けられている電極部列3Lに対するACF4の貼着作業を連続して行う場合の2つの貼着ヘッド14の動作手順の一例を説明する。ここでは説明の便宜上、電極部列3Lには左方(図11及び図12の紙面左方)から第1電極部3a、第2電極部3b、第3電極部3c、第4電極部3d及び第5電極部3eがこの順で並んで設けられているものとし、2つの貼着ヘッド14のうち、相対的に左方に位置する貼着ヘッド14を第1の貼着ヘッド14a、相対的に右方に位置する貼着ヘッド14を第2の貼着ヘッド14bと称する。
制御装置40は、先ず第1の貼着ヘッド14aによる第2電極部3bへのACF4の貼着と第2の貼着ヘッド14bによる第5電極部3eへのACF4の貼着とを同時に行い(図11(a))、次いで第1の貼着ヘッド14aによる第1電極部3aへのACF4の貼着と第2の貼着ヘッド14bによる第4電極部3dへのACF4の貼着とを同時に行う(図11(b)。前述のサブルーチンのステップST11に相当する工程)。これによりペア貼着が終了し、電極部列3Lを構成する5つの電極部3のうち、第3電極部3cを除く4個の電極部3にはACF4が貼着された状態となる。
制御装置40は、電極部列3Lを構成する電極部3の数が偶数個であるかどうかの判断を行い(前述のステップST12に相当する工程)、電極部3の数は5個すなわち奇数個であることから、前回単独貼着を行った貼着ヘッド14のフラグFの読み出しを行う(前述のステップST13に相当する工程)。ここで、前回単独貼着を行った貼着ヘッド14が第2の貼着ヘッド14bであってフラグFが「0」でなかったとすると、前回とは反対側の第1の貼着ヘッド14aによる第3電極部3cへのACF4の貼着を行ったうえで(図11(c)。前述のステップST15に相当する工程)、貼着ヘッド14のフラグFに「0」を代入する(前述のステップST16に相当する工程)。これにより電極部列3Lを構成する各電極部3へのACF4の貼着作業が終了する。
制御装置40は、電極部列3Lを構成する各電極部3へのACF4の貼着作業が終了し、次の電極部列3L(奇数個の電極部3を有する電極部列3L。この「次の電極部列3L」は同一基板2におけるもう一方の電極部列3Lである場合もあるし、次の基板2が備える電極部列3Lである場合もある)を構成する各電極部3へのACF4の貼着作業を実行するときは、前回行った奇数個の電極部3を有する電極部列3Lを対象としたACF4の貼着作業の場合と同様に、第1の貼着ヘッド14aによる第2電極部3bへのACF4の貼着と第2の貼着ヘッド14bによる第5電極部3eへのACF4の貼着とを同時に行い(図12(a))、次いで第1の貼着ヘッド14aによる第1電極部3aへのACF4の貼着と第2の貼着ヘッド14bによる第4電極部3dへのACF4の貼着とを同時に行う(図12(b)。前述のステップST11に相当する工程)。これによりペア貼着が終了し、電極部列3Lを構成する5つの電極部3のうち、第3電極部3cを除く4個の電極部3にはACF4が貼着された状態となる。
制御装置40は、電極部列3Lを構成する電極部3の数が偶数個であるかどうかの判断を行い(前述のステップST12に相当する工程)、電極部3の数は5個すなわち奇数個であることから、前回、ひとつ目の電極部列3Lについて単独貼着を行った貼着ヘッド14のフラグFの読み出しを行う(前述のステップST13に相当する工程)。ここで、前回単独貼着を行った貼着ヘッド14は第1の貼着ヘッド14aであってフラグFは「0」であるので、前回とは反対側の第2の貼着ヘッド14bによる第3電極部3cへのACF4の貼着を行ったうえで(図12(c)。前述のステップST17に相当する工程)、貼着ヘッド14のフラグFに「1」を代入する(前述のステップST18に相当する工程)。これによりふたつ目の電極部列3Lを構成する各電極部3へのACF4の貼着作業が終了する。
このように、ひとつ目の電極部列3L(奇数個の電極部3を有する電極部列3L)についてACF4の貼着作業を行った直後では、第1の貼着ヘッド14aが消費したACFの数と第2の貼着ヘッド14bが消費したACF4の数の差は「1」であるが、ふたつ目の電極部列3LについてACF4の貼着作業を行った直後では、第1の貼着ヘッド14aが消費したACF4の数と第2の貼着ヘッド14bが消費したACF4の差は「0」であり、以後、奇数個の電極部3を有する電極部列3Lに対するACF4の貼着作業を実行しても、2つの貼着ヘッド14が消費するACF4の数の差は最大で「1」であり、2つの貼着ヘッド14のACF4の消費速度は常に同等となる。このため、2つの貼着ヘッド14の一方の貼着ヘッド14についてACF4がなくなってテープ部材Tpの交換が必要な時期になった場合には、他方の貼着ヘッド14についてもACF4がなくなってテープ部材Tpの交換が必要な時期になっていることから、一方の貼着ヘッド14についてのテープ部材Tpの交換を行うためにACF貼着装置1の作動停止を行った場合には、併せて他方の貼着ヘッド14についてもACF4の無駄なく、テープ部材Tpの交換を行うことができる。
なお、奇数個の電極部3を有する電極部列3Lに対するACF4の貼着作業を2つ行う間に偶数個の電極部3を有する電極部列3Lに対するACF4の貼着作業がいくつ入ってもこれは2つの貼着ヘッド14の間のACF4の消費個数(消費速度)の差には影響しない。
このような手順により、ステップST3のACF貼着工程が終了したら、図示しない基板搬出機構によって、基板保持部12に保持された基板2(各電極部3へのACF4の貼着が終了した基板2)を下流側に設置された仮圧着装置に搬出する(図9に示すステップST5の基板搬出工程)。そして、まだACF4の貼着を行う基板2があるかどうかの判断を行い(図9に示すステップST6の基板有無判断工程)、その結果、まだACF4の貼着を行う基板2があった場合にはステップST1に戻って新たな基板2の搬入及び保持を行い、もうACF4の貼着を行う基板2がなかった場合には、一連の作業を終了する。
このように、本実施の形態におけるACF貼着装置1により、奇数個の電極部3から成る電極部列3Lが形成された基板2の各電極部3に対するACF4の貼着作業を繰り返し行うACF貼着方法では、2つの電極部3に2つのACF4が貼着されるように2つの貼着ヘッド14を作動させる第1の貼着動作を1回又は複数回実行する工程(ステップST11)と、ひとつの電極部3にひとつのACF4が貼着されるようにひとつの貼着ヘッド14を作動させる第2の貼着動作を1回実行する工程(ステップST15又はステップST17)を含み、第2の貼着動作を実行する貼着ヘッド14を、奇数個の電極部3から成る電極部列3Lに対するACF4の貼着作業を行うごとに2つの貼着ヘッドの間で交替させるものとなっている。
以上説明したように、本実施の形態におけるACF貼着装置1では、2つの貼着ヘッド14の作動制御を行って、基板保持部12に保持された基板2の各電極部3にACF4を貼着させる制御装置40が、奇数個の電極部3から成る電極部列3Lが形成された基板2の各電極部3に対するACF4の貼着作業を繰り返し行う場合に、2つの電極部3に2つのACF4が貼着されるように2つの貼着ヘッド14を作動させる第1の貼着動作を1回又は複数回実行するとともに、ひとつの電極部3にひとつのACF4が貼着されるようにひとつの貼着ヘッド14を作動させる第2の貼着動作を1回実行し、第2の貼着動作を実行する貼着ヘッド14を、奇数個の電極部3から成る電極部列3Lに対するACF4の貼着作業を行うごとに2つの貼着ヘッド14の間で交替させるようになっているので、2つの貼着ヘッド14のACF4の消費速度は同等となり、2つの貼着ヘッド14のテープ部材Tpの交換を同時期に行うことができる。このためテープ部材Tpの交換のためのACF貼着装置1の作動停止回数を減らすことができ、実装基板の生産性の低下を防止することができる。