以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示す液晶パネル製造用の部品実装システム1は、長方形の基板(パネル)2の長辺及び短辺それぞれの端部に設けられた複数の電極部3B(各電極部は複数の電極3から成る)のそれぞれに駆動回路等の部品(電子部品)4を装着する部品実装作業を実行するものであり、電極部洗浄装置M1、ACF貼着装置M2、仮圧着装置M3、第1の本圧着装置M4、第2の本圧着装置M5及び検査装置M6がこの順で連結されて成る。これらの装置M1〜M6はホストコンピュータHCによって統合制御されて動作し、ホストコンピュータHCから生産指令が出されているとき、上記装置M1〜M6の各々は部品実装作業の中における各担当分の作業工程を実行する。
部品実装システム1を構成する電極部洗浄装置M1は、外部から投入された液晶パネル基板としての基板2を受け取り、各電極部3Bの洗浄を行ったうえでその基板2を下流工程側のACF貼着装置M2に搬出する。
ACF貼着装置M2は、上流工程側の電極部洗浄装置M1から搬出された基板2を受け取り、基板2の各電極部3BにACFテープ5(図3)を短冊状に切断した切片(以下、ACFテープ切片5sと称する。図2参照)を貼着したうえで、その基板2を下流工程側の仮圧着装置M3に搬出する。ここで、ACFテープ5は片面に保護テープであるセパレータSpが貼り付けられたテープ部材Tpとして供給される(図3中の拡大図参照)。
ここで、基板2上の複数の電極部3Bは、図2に示すように、一の長辺と一の短辺のそれぞれに一列に並んで設けられている。すなわち、基板2の一の長辺と一の短辺のそれぞれには、複数の電極部3Bから成る電極部列3Lが形成された状態となっている。
仮圧着装置M3は、ACF貼着装置M2から搬出された基板2を受け取り、基板2の各電極部3Bに貼着されたACFテープ切片5s上に部品4を装着(仮圧着)したうえで、その基板2を下流工程側の第1の本圧着装置M4に搬出する。
第1の本圧着装置M4は、仮圧着装置M3から搬出された基板2を受け取り、基板2の長辺側の各電極部3Bに仮圧着された部品4を熱圧着(本圧着)したうえで、その基板2を下流工程側の第2の本圧着装置M5に搬出する。
第2の本圧着装置M5は、第1の本圧着装置M4から搬出された基板2を受け取り、基板2の短辺側の各電極部3Bに仮圧着された部品4を熱圧着(本圧着)したうえで、その基板2を下流工程側の検査装置M6に搬出する。
検査装置M6は、第1の本圧着装置M4及び第2の本圧着装置M5から成る部品装着装置によって部品4が装着(圧着)された各電極部3Bにおける部品4の装着状態の検査及び種々の判定処理を行ったうえでその基板2を部品実装システム1の外部に搬出する。
図3、図4及び図5において、ACF貼着装置M2は、基台10、基台10上に設けられた基板保持部移動機構11によって移動自在に設けられて基板2を保持する基板保持部12、基台10の上方を水平方向に延びた横フレーム13aを有する門型フレーム13、門型フレーム13の横フレーム13aに沿って移動自在に設けられた2つの貼着ヘッド14及び2つの貼着ヘッド14の下方に設けられたバックアップステージ15を備えている。以下、説明の便宜上、横フレーム13aの延びる方向であって2つの貼着ヘッド14が移動する水平方向をACF貼着装置M2の左右方向(X軸方向)とし、X軸方向と直交する水平方向をACF貼着装置M2の前後方向(Y軸方向)とする。また、上下方向をZ軸方向とする。更に、左右方向(X軸方向)のうち、図3の紙面左側を左方、図3の紙面右側を右方とし、前後方向(Y軸方向)のうち、図3の紙面手前側(オペレータOPが作業をする側であって、図4の紙面左方)を前方、図3の紙面奥側(図4の紙面右方)を後方とする。
図3、図4及び図5において、基板保持部移動機構11はXテーブル11a、Yテーブル11b及びθテーブル11cの相互の相対移動によって基板保持部12を(すなわち基板2を)水平面内で移動させる。基板保持部12は、基板2上の長辺側若しくは短辺側に設けられた電極部列3LがX軸方向に延びるように(すなわち複数の電極部3BがX軸方向に並ぶように)基板2を水平姿勢に保持する。
図4及び図6において、各貼着ヘッド14は門型フレーム13の横フレーム13aに沿った移動自在な平板状のベース部20に、テープ搬送部21、ツール昇降シリンダ22によって昇降される押し付けツール23、テープ切断部24及び撮像カメラ25を備えている。
図6において、テープ搬送部21は、巻き掛けられたテープ部材Tpを繰り出して供給するテープ供給リール31、テープ供給リール31より供給されるテープ部材Tpを真空吸引して回収するテープ回収部32及びテープ供給リール31からテープ回収部32までの間のテープ部材Tpを案内する複数の案内ローラ(第1案内ローラ33a、第2案内ローラ33b、第3案内ローラ33c及び一対の第4案内ローラ33d)から成る。
図6において、第1案内ローラ33aはベース部20の左方上部に上下方向に延びて形成されたローラ移動溝20a内を移動自在であるとともに、図示しない付勢部材によって上方に付勢されている。第2案内ローラ33bは第1案内ローラ33aの下方のベース部20の左側下部に設けられており、第3案内ローラ33cは第2案内ローラ33bの右方のベース部20の右側下部に設けられている。一対の第4案内ローラ33dは第3案内ローラ33cの上方のベース部20の右側中央部に左右方向に並んで設けられている。
図6において、テープ供給リール31から供給されるテープ部材Tpは、第1案内ローラ33a、第2案内ローラ33b、第3案内ローラ33c及び一対の第4案内ローラ33dによってこの順で案内され(一対の第4案内ローラ33dではテープ部材Tpは両面が左右方向から挟まれた状態となる)、テープ回収部32に送られる。
図6において、テープ部材Tpは、第1案内ローラ33aがローラ移動溝20a内で上方に付勢されることによって適度なテンションが与えられ、第1案内ローラ33aと第2案内ローラ33bの間ではベース部20の左側領域を垂直方向に延びた姿勢に保持され、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cの間では、ベース部20の下側領域を左右方向(X軸方向)に延びた水平方向に延びた姿勢に保持される。またテープ部材Tpは、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間及び一対の第4案内ローラ33dとテープ回収部32との間では、ベース部20の右側領域を垂直方向に延びた姿勢に保持される。
図6において、テープ搬送部21は、テープ回収部32によってテープ部材Tpを吸引するとともに一対の第4案内ローラ33dでテープ部材Tpの流れの下流側へ送りながらテープ供給リール31からテープ部材Tpを繰り出すことによってテープ部材Tpを順方向(第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cとの間の水平搬送領域を左から右に流れる方向。図6中に示す矢印A)に搬送することができ、テープ回収部32によってテープ部材Tpを吸引するとともに一対の第4案内ローラ33dでテープ部材Tpの流れの上流側へ送りながらテープ供給リール31によりテープ部材Tpを巻き取ることによってテープ部材Tpを逆方向(上記水平搬送領域を右から左に流れる方向)に搬送することができる。
図6において、押し付けツール23はツール昇降シリンダ22により所定の初期位置(図6に示す位置)とその下方のテープ押し付け位置との間で移動され、押し付けツール23は、初期位置にあるときには第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cによって水平方向に案内されるテープ部材Tpよりも上方の位置に位置し(図3参照)、テープ押し付け位置にあるときには、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cによって水平方向に案内されるテープ部材Tpよりも下方の位置に位置する。
このように本実施の形態において、テープ搬送部21は、ベース部20に設けられ、ACFテープ5の片面にセパレータSpが取り付けられたテープ部材Tpを押し付けツール23の下方において水平方向に搬送するテープ搬送手段として機能する。
図6において、押し付けツール23にはヒータ23hが内蔵されており、このヒータ23hを作動させることによって押し付けツール23の全体を加熱することができる。
図6において、テープ切断部24は第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間の位置に設けられており、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間を垂直に延びるテープ部材Tpの右方領域に設けられたカッター24a及びテープ部材Tpの左方領域においてカッター24aと水平方向に対向する位置(すなわちカッター24aとの間でテープ部材Tpを挟む位置)に設けられた背板部24bを有して成る。
図6において、カッター24aは左方の切断位置と右方の待機位置との間で水平方向(すなわち、テープ部材Tpの面に直交する方向)に移動自在であり、切断位置に位置した状態において、セパレータSpを切断することなく、ACFテープ5のみを切断する。なお、カッター24aがACFテープ5に押し付けられたとき、背板部24bはテープ部材Tpの左面のセパレータSpを支持してテープ部材Tpに対するカッター24aの押し付け荷重の反力をとる当て板として機能する。
図7において、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間を垂直方向に延びるテープ部材Tpの右面のACFテープ5は、その先端部がカッター24aによるACFテープ5の切断位置Mよりも長さLsだけ引き上げられた状態でテープ切断部24によって切断される。この長さLsは、基板2上のACFテープ切片5sを貼着しようとする電極部3BのX軸方向の寸法に対応する長さであり、ACFテープ5がテープ切断部24によって切断されることによって、セパレータSp上に長さLsのACFテープ切片5sが形成される。
図6において、撮像カメラ25はベース部20の右側下方に撮像視野を下方に向けて設けられており、ベース部20の水平方向への移動に応じて移動し、基板保持部12に保持された基板2の左右両端部に設けられた位置決め用のマーク(図示せず)の撮像を行う。
各貼着ヘッド14の門型フレーム13の横フレーム13aに対する左右方向(X軸方向)への移動は、ACF貼着装置M2が備える制御装置40(図3及び図8)が図示しないアクチュエータ等から成るベース部移動機構41(図8)の作動制御を行うことによってなされる。
基板保持部12に保持された基板2の移動(位置決め)動作は、制御装置40が図示しないアクチュエータ等から成る基板保持部駆動機構42(図8)の作動制御を行うことによってなされる。
テープ搬送部21によるテープ部材Tpの搬送動作は、制御装置40がテープ供給リール31を駆動する供給リール駆動モータ43(図4及び図8)とテープ回収部32を駆動するテープ回収部駆動機構44(図4及び図8)及び一対の第4案内ローラ33dを駆動するローラ駆動機構45(図4及び図8)の作動制御を行うことによってなされる。
テープ部材TpにおけるACFテープ5の先頭部の位置は、回転数検出センサ46(図8)によって検出される一対の第4案内ローラ33dのうちの一方の回転数の情報と、この一方の第4案内ローラ33dの半径のデータ等から制御装置40において算出される。
テープ切断部24におけるカッター24aの左右方向への移動動作、すなわちカッター24aによるACFテープ5の切断動作は、制御装置40がカッター24aを左右方向に移動させるカッター駆動シリンダ47(図8)の作動制御を行うことによってなされる。
押し付けツール23の昇降動作は、制御装置40がツール昇降シリンダ22の作動制御を行うことによってなされる(図8)。また、押し付けツール23に内蔵されたヒータ23hによる押し付けツール23の加熱動作は、制御装置40がヒータ作動機構48(図8)の作動制御を行うことによってなされる。
撮像カメラ25による撮像動作制御は制御装置40によってなされる(図8)。撮像カメラ25によって撮像された画像データは制御装置40に送られ、制御装置40の画像認識部40a(図8)において画像認識される。
図8において、制御装置40には入出力装置としてのタッチパネル49が接続されており、オペレータOPはこのタッチパネル49を介してメッセージを受けることができるとともに、タッチパネル49を介して必要な指令入力を行うことができる。
図8において、制御装置40には貼着動作プログラム記憶部40bが設けられている。貼着動作プログラム記憶部40bにはこのACF貼着装置M2が部品実装システム1の部品実装作業の中で担当するACF貼着作業(基板2にACFテープ切片5sを貼着する作業)を実行するための貼着動作プログラムが記憶されており、部品実装システム1のホストコンピュータHCからACF貼着装置M2に生産指令が出されているときは、制御装置40は貼着動作プログラム記憶部40bから読み出した貼着動作プログラムを実行してACF貼着装置M2の各部を作動させる。
ACF貼着装置M2の制御装置40が実行する貼着動作プログラムには、各貼着ヘッド14がACFテープ5からACFテープ切片5sを切り出して基板2上の電極部3Bに貼着する手順のほか、基板2に設けられた電極部列3Lを構成する各電極部3Bに貼着されるACFテープ切片5sがどの(左右のうちのどちらの)貼着ヘッド14によって貼着されるかが規定されている。但し、電極部列3Lを構成する電極部3Bの数が奇数個である場合には、その電極部列3Lの真ん中に位置する電極部3Bにはどの貼着ヘッド14によってACFテープ切片5sが貼着されるかは、その時々の状況によってその都度制御装置40によって決定されるため、貼着動作プログラムには規定されていない。
制御装置40は、基板2上の電極部列3Lを構成する各電極部3BにACFテープ切片5sを貼着する場合には、先ず、電極部列3Lがバックアップステージ15の直上に位置するように基板保持部12を移動させて基板2の位置決めを行った後、ベース部20を左右方向(X軸方向)に移動させて、押し付けツール23の左端がACFテープ切片5sを貼着しようとする電極部3Bの左端の直上に位置するように貼着ヘッド14の位置決めを行う(図9(a))。
制御装置40は、貼着ヘッド14の位置決めと並行して、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを順方向に搬送し(図9(a)中に示す矢印B1)、ACFテープ5の先頭部がテープ切断部24によるACFテープ5の切断位置Mを通り過ぎて電極部3BのX軸方向の長さに相当する長さLsだけ上方の位置に位置した状態になるようにACFテープ5の先頭部の位置決めを行う(図9(a))。そして、カッター駆動シリンダ47の作動制御を行ってカッター24aを待機位置から切断位置に移動させ(図9(a)中に示す矢印C)、ACFテープ5の切断を行って、セパレータSp上に長さLsのACFテープ切片5sを形成させる(図9(a))。
制御装置40は、セパレータSp上に長さLsのACFテープ切片5sを形成させたら、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを逆方向に搬送し(図9(b)中に示す矢印B2)、セパレータSp上に形成させたACFテープ切片5sを押し付けツール23の下方(これからACFテープ切片5sを貼着しようとする電極部3Bの直上)に位置決めする(図9(b))。
制御装置40は、ACFテープ切片5sの位置決めを行ったら、ツール昇降シリンダ22の作動制御を行って押し付けツール23をテープ押し付け位置まで下降させ(図9(c)中に示す矢印D1)、ヒータ23hで予め加熱しておいた押し付けツール23によってACFテープ切片5sをセパレータSpごとバックアップステージ15に下面が支持された基板2の縁部に押し付けて、ACFテープ切片5sを基板2上の電極部3Bに貼着させる(図9(c))。
制御装置40は、押し付けツール23によって基板2上の電極部3BにACFテープ5を貼着させた押し付けツール23を初期位置まで上昇させる(図10(a)。図中に示す矢印D2)。図10(a)に示すように、押し付けツール23を初期位置に上昇させても、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cの間のテープ部材Tpは、ACFテープ切片5sが電極部3Bに貼着されていることから、下方に引っ張られた状態が維持される。
制御装置40は押し付けツール23を初期位置まで上昇させたら、貼着ヘッド14を左方に移動させつつ(図10(b)中に示す矢印E)、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを順方向に搬送する(図10(b)中に示す矢印B3)。これにより、基板2上に貼着されたACFテープ切片5sの上面に貼り付いているセパレータSpは上方に引っ張り上げられながら、電極部3Bに貼着されたACFテープ切片5sから剥離される(図10(c))。
このように各貼着ヘッド14は、ACFテープ切片5sの供給媒体であるテープ部材Tpの搬送動作を行ってACFテープ切片5sを基板2上の電極部3Bの上方に位置させたうえでACFテープ切片5sを基板2に押し付けてACFテープ切片5sを電極部3Bに貼着する。
ACF貼着装置M2により基板2上に形成された電極部列3Lを構成する各電極部3BにACFテープ切片5sを貼着する作業(ACF貼着方法及びこれを含む部品実装方法)を実行する場合、制御装置40は、図11のメインルーチンのフローチャートに示すように、先ず、上流側の電極部洗浄装置M1から送られてきた基板2を図示しない基板搬入機構によって搬入し、基板保持部12の上面に保持させる(図11に示すステップST1)。
制御装置40は、基板2の搬入及び保持を行ったら、基板2上に形成された電極部列3Lがバックアップステージ15の直上に位置するように(図4中に一点鎖線で示す基板2参照)、基板保持部移動機構11を作動させて基板保持部12を移動させ、基板2の位置決めを行う(図11に示すステップST2)。この基板2の位置決めの際、制御装置40は2つの貼着ヘッド14をそれぞれX軸方向に移動させ、各貼着ヘッド14に備えられた撮像カメラ25によって、基板2の左右両端部に設けられた位置決め用のマークをひとつずつ撮像する。そして、得られた位置決め用のマークの画像データを画像認識部40aにおいて画像認識することによって、基板2のバックアップステージ15に対する位置ずれを求め、位置ずれが起きている場合には基板2の位置決めを改めて行う。
制御装置40は基板2の位置決めを行ったら、2つの貼着ヘッド14の作動制御を行って、バックアップステージ15の直上に位置させた電極部列3Lを構成する各電極部3Bを対象とするACFテープ切片5sの貼着作業を行う(図11に示すステップST3)。
このステップST3のACFテープ切片5sの貼着作業では、制御装置40は、図12のサブルーチンのフローチャートに示すように、はじめに、2つの電極部3Bに対して2つのACFテープ切片5sを同時に貼着するペア貼着動作(第1の貼着動作)が1回又は複数回実行されるように2つの貼着ヘッド14を作動させる(図12に示すステップST11)。これにより電極部列3Lが偶数個の電極部3Bから成る場合には電極部列3Lを構成する全ての電極部3BにACFテープ切片5sが貼着され、電極部列3Lを構成する電極部3Bの数が奇数個である場合には電極部列3Lを構成する複数の電極部3Bの中からひとつを除いた全ての電極部3BにACFテープ切片5sが貼着される。
制御装置40は、次に電極部列3Lを構成する電極部3Bの数が偶数個であるか否かの判断を行い(図12に示すステップST12)、その結果、電極部3Bの数が奇数個であった場合には、1つの貼着ヘッド14により残りの1つの電極部3Bに対して1つのACFテープ切片5sを貼着する単独貼着動作(第2の貼着動作)が1回実行されるようにするが、その前に、前回単独貼着動作を行った貼着ヘッド14のフラグFの読み出しを行う(図12に示すステップST13)。ここで、フラグは単独貼着動作を行った貼着ヘッド14を識別するための符号であり、本実施の形態では、2つの貼着ヘッド14の一方を第1の貼着ヘッド14、他方を第2の貼着ヘッド14とする場合に、第1の貼着ヘッド14のフラグを「0」、第2の貼着ヘッド14のフラグを「1」と定めている。
制御装置40は、ステップST13で貼着ヘッド14のフラグFを読み出したら、次いで、その読み出したフラグFが「0」であるかどうかの判断を行う(図12に示すステップST14)。その結果、フラグFが「0」でなかった(すなわち前回単独貼着動作を行ったのは第2の貼着ヘッド14であった)場合は、制御装置40は、前回単独貼着動作を実行した貼着ヘッド14とは反対側の貼着ヘッド14である第1の貼着ヘッド14により単独貼着動作を実行する(図12に示すステップST15)。これにより電極部列3Lを構成する複数の電極部3Bの中の残りのひとつの電極部3BにもACFテープ切片5sの貼着がなされ、電極部列3Lを構成する全ての電極部3BにACFテープ切片5sが貼着される。第1の貼着ヘッド14によるACFテープ切片5sの貼着を行ったら、フラグFに「0」を代入して処理を終了する(図12に示すステップST16)。
一方、ステップST14でフラグFが「0」であった(すなわち前回単独貼着動作を行ったのは第1の貼着ヘッド14であった)場合には、制御装置40は、前回単独貼着動作を実行した貼着ヘッド14とは反対側の貼着ヘッド14である第2の貼着ヘッド14により単独貼着動作を実行する(図12に示すステップST17)。これにより電極部列3Lを構成する複数の電極部3Bの中の残りのひとつの電極部3BにもACFテープ切片5sの貼着がなされ、電極部列3Lを構成する全ての電極部3BにACFテープ切片5sが貼着される。第2の貼着ヘッド14によるACFテープ切片5sの貼着を行ったら、フラグFに「1」を代入して処理を終了する(図12に示すステップST18)。
このように、電極部列3Lを構成する電極部3Bの数が奇数個であり、2つの貼着ヘッド14により、2つの電極部3Bに対して2つのACFテープ切片5sを同時に貼着するペア貼着動作(第1の貼着動作)を1回又は複数回実行した後、1つの貼着ヘッド14により、残りの1つの電極部3Bに対して1つのACFテープ切片5sを貼着する単独貼着動作(第2の貼着動作)を1回実行するようにするようになっている場合には、単独貼着動作を2つの貼着ヘッド14に交互に行わせるようにすることにより、2つのテープ供給リール31の交換時期を一致させることができ、これによりテープ供給リール31の交換作業をやり易くすることができる。
上記のように、本実施の形態において、ACF貼着装置M2の制御装置40は、2つの貼着ヘッド14を作動させて電極部列3Lを構成する各電極部3BにACFテープ切片5sを貼着するACFテープ切片貼着制御手段として機能する。また、上記のステップST12〜ステップST18は、2つの貼着ヘッド14を作動させて電極部列3Lを構成する各電極部3BにACFテープ切片5sを貼着するACFテープ切片貼着工程となっている。
制御装置40は、ステップST16又はステップST18の工程が終了したら、貼着動作プログラムの内容(ペア貼着動作における電極部3Bとその電極部3BにACFテープ切片5sを貼着する貼着ヘッド14の左右の別の識別符号(L,R)の対応関係が記録されたデータ)と、ステップST15又はステップST17の工程においてどちらの貼着ヘッド14によって単独貼着動作を実行したかの情報(単独貼着動作における電極部3Bとその電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14の左右の別の識別符号(L,R)の対応関係が記録されたデータ)に基づいて、各電極部3Bとその電極部3BにACFテープ切片5s貼着した貼着ヘッド14との対応関係データを作成し(図12に示すステップST19)、サブルーチンによる処理を終了してメインルーチンに戻る。また、前述のステップST12の判断工程で、電極部3Bの数が偶数個であった場合においても、サブルーチンによる処理を終了してメインルーチンへ戻る。
上記対応関係データは、例えば、図13に示すように、各基板2に付される基板ID(000001,000002,・・・)、基板2上の電極部列3Lの横(S)と縦(G)の別及び基板2上の各電極部3Bに個別に付される電極部位置番号(001,002、・・・)から特定される電極部3Bの位置と、ACFテープ切片5sの貼着を行った貼着ヘッド14の左右の別の識別符号(L,R)との組み合わせから成る。なお、この対応関係データは、制御装置40が備えるデータ記憶部40c(図8)に記憶されるとともに、ホストコンピュータHCを介して下流工程側の仮圧着装置M3に送られる。
このように、本実施の形態において、ACF貼着装置M2の制御装置40は、ACFテープ切片貼着制御手段としての自身(制御装置40)に制御された2つの貼着ヘッド14がACFテープ切片5sを基板2上の各電極部3Bに貼着するのに応じ、各電極部3Bとその電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14との対応関係データを作成する対応関係データ作成手段として機能する。
また、本実施の形態において、上記ステップST19は、ステップST12〜ステップST18のACFテープ切片貼着工程において2つの貼着ヘッド14がACFテープ切片5sを基板2上の各電極部3Bに貼着するのに応じ、各電極部3Bとその電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14との対応関係データを作成する対応関係データ作成工程となっている。
ここで、図14(a),(b),(c)及び図15(a),(b),(c)を用いて、5個(すなわち奇数個)の電極部3Bが設けられている電極部列3Lに対するACFテープ切片5sの貼着作業を連続して行う場合の2つの貼着ヘッド14の動作手順の一例を説明する。ここでは説明の便宜上、電極部列3Lには左方(図14及び図15の紙面左方)から第1電極部3Ba、第2電極部3Bb、第3電極部3Bc、第4電極部3Bd及び第5電極部3Beがこの順で並んで設けられているものとし、2つの貼着ヘッド14のうち、相対的に左方に位置する貼着ヘッド14を左側貼着ヘッド14L、相対的に右方に位置する貼着ヘッド14を右側貼着ヘッド14Rと称する。
制御装置40は、先ず、左側貼着ヘッド14Lによる第2電極部3BbへのACFテープ切片5sの貼着と右側貼着ヘッド14Rによる第5電極部3BeへのACFテープ切片5sの貼着とを同時に行い(図14(a))、次いで左側貼着ヘッド14Lによる第1電極部3BaへのACFテープ切片5sの貼着と右側貼着ヘッド14Rによる第4電極部3BdへのACFテープ切片5sの貼着とを同時に行う(図14(b)。前述のサブルーチンのステップST11に相当する工程)。これによりペア貼着動作が終了し、電極部列3Lを構成する5つの電極部3Bのうち、第3電極部3Bcを除く4個の電極部3BにACFテープ切片5sが貼着された状態となる。
制御装置40は、電極部列3Lを構成する電極部3Bの数が偶数個であるかどうかの判断を行い(前述のステップST12に相当する工程)、ここでは電極部3Bの数は5個すなわち奇数個であることから、前回単独貼着動作を行った貼着ヘッド14のフラグFの読み出しを行う(前述のステップST13に相当する工程)。ここで、前回単独貼着動作を行った貼着ヘッド14が右側貼着ヘッド14RであってフラグFが「0」でなかったとすると、前回とは反対側の左側貼着ヘッド14Lによる第3電極部3BcへのACFテープ切片5sの貼着を行ったうえで(図14(c)。前述のステップST15に相当する工程)、貼着ヘッド14のフラグFに「0」を代入する(前述のステップST16に相当する工程)。これにより電極部列3Lを構成する各電極部3BへのACFテープ切片5sの貼着作業が終了する。
制御装置40は、電極部列3Lを構成する各電極部3BへのACFテープ切片5sの貼着作業が終了し、次の電極部列3L(奇数個の電極部3Bを有する電極部列3L。この「次の電極部列3L」は同一基板2におけるもう一方の電極部列3Lである場合もあるし、次の基板2が備える電極部列3Lである場合もある)を構成する各電極部3BへのACFテープ切片5sの貼着作業を実行するときは、前回行った奇数個の電極部3Bを有する電極部列3Lを対象としたACFテープ切片5sの貼着作業の場合と同様に、左側貼着ヘッド14Lによる第2電極部3BbへのACFテープ切片5sの貼着と右側貼着ヘッド14Rによる第5電極部3BeへのACFテープ切片5sの貼着とを同時に行い(図15(a))、次いで左側貼着ヘッド14Lによる第1電極部3BaへのACFテープ切片5sの貼着と右側貼着ヘッド14Rによる第4電極部3BdへのACFテープ切片5sの貼着とを同時に行う(図15(b)。前述のステップST11に相当する工程)。これによりペア貼着動作が終了し、電極部列3Lを構成する5つの電極部3Bのうち、第3電極部3Bcを除く4個の電極部3BにACFテープ切片5sが貼着された状態となる。
制御装置40は、電極部列3Lを構成する電極部3Bの数が偶数個であるかどうかの判断を行い(前述のステップST12に相当する工程)、ここでは電極部3Bの数は5個すなわち奇数個であることから、前回、ひとつ目の電極部列3Lについて単独貼着動作を行った貼着ヘッド14のフラグFの読み出しを行う(前述のステップST13に相当する工程)。ここで、前回単独貼着動作を行った貼着ヘッド14は左側貼着ヘッド14LであってフラグFは「0」であるので、前回とは反対側の右側貼着ヘッド14Rによる第3電極部3BcへのACFテープ切片5sの貼着を行ったうえで(図15(c)。前述のステップST17に相当する工程)、貼着ヘッド14のフラグFに「1」を代入する(前述のステップST18に相当する工程)。これによりふたつ目の電極部列3Lを構成する各電極部3BへのACFテープ切片5sの貼着作業が終了する。
制御装置40は、上記手順により、サブルーチンによる処理を終了してメインルーチンに戻った(ステップST3の工程が終了した)ら、現在作業対象としている基板2上に、まだACFテープ切片5sの貼着を行っていない電極部列3Lがあるかどうかの判断を行う(図11に示すステップST4)。そして、その結果、現在作業対象としている基板2上にまだACFテープ切片5sの貼着を行っていない電極部列3Lがあった場合にはステップST2に戻ってその電極部列3Lがバックアップステージ15の直上に位置するように基板2の位置決めを行い、現在作業対象としている基板2上にまだACFテープ切片5sの貼着を行っていない電極部列3Lがなかった場合には、図示しない基板搬出機構によって、基板保持部12に保持された基板2(各電極部3BへのACFテープ切片5sの貼着が終了した基板2)を下流側に設置された仮圧着装置に搬出し(図11に示すステップST5)、基板2の1枚当たりのACF貼着作業を終了する。
次に、部品実装システム1を構成する仮圧着装置M3について説明する。図16、図17及び図18において仮圧着装置M3は、基台51上に、基板2の位置決めを行う基板位置決め部52、部品4の供給を行う部品供給部53、部品供給部53より供給される複数の部品4をそれぞれ異なる部品受け取り手段(後述する受け取りノズル87)によって受け取ってその受け取った各部品4を所定のピックアップ位置に移送する部品移送部54及び部品移送部54によってピックアップ位置に移送された部品4をピックアップして基板位置決め部52により位置決めされた基板2に装着(仮圧着)する部品装着部55を備えている。以下、説明の便宜上、オペレータOPから見て基台51の左右方向を仮圧着装置M3のX軸方向、オペレータOPから見て基台51の前後方向を仮圧着装置M3のY軸方向、基台51の上下方向を仮圧着装置M3のZ軸方向とする。また、オペレータOPから見て基台51の右側を右方、左側を左方とし、オペレータOPから見て基台51の手前側を前方、奥側を後方とする。
図17及び図18において、基板位置決め部52は、基台51に対してX軸方向に相対移動自在に設けられたXテーブル61、Xテーブル61に対してY軸方向に移動自在に設けられたYテーブル62、Yテーブル62に対してZ軸回りに回転自在に設けられたθテーブル63及びθテーブル63の上面に設けられた基板支持テーブル64を備えて成る。
図16及び図19において、部品供給部53は、部品4を載せた部品供給テープBTを搬送する左右2つのテープ搬送部71と、左右のテープ搬送部71それぞれが搬送する部品供給テープBTから部品4を打ち抜く左右2つの部品打ち抜き部72を備えて成る。
図16及び図19において、左右のテープ搬送部71はそれぞれ、部品供給テープBTの供給(繰出し)を行うテープ供給リール71aと、テープ供給リール71aより供給される部品供給テープBTを巻き取るテープ巻取りリール71bと、テープ供給リール71aより供給される部品供給テープBTよりカバーテープCTを剥がして巻き取るカバーテープ巻取りリール71cから成る。各テープ搬送部71では、テープ供給リール71a、テープ巻き取りリール71b及びカバーテープ巻取りリール71cが同期して回転することにより、テープ供給リール71aからの部品供給テープBTの供給、テープ巻き取りリール71bによる部品供給テープBTの巻き取り及びカバーテープ巻き取りリール71cによる部品供給テープBTからのカバーテープCTの巻き取りが行われ、カバーテープCTが剥がされた部品供給テープBTの一部が水平面内方向(X軸方向)に搬送される。
図18及び図19において、左右の部品打ち抜き部72は、基台51に対して固定された下側金型72aと、下側金型72aの上方を上下動される上側金型72bから成る。下側金型72aと上側金型72bの間には、テープ搬送部71によって水平面内方向に搬送される部品供給テープBTが通っており、上側金型72bを下側金型72aに対して下降させることにより、部品供給テープBTから部品4を打ち抜くことができる。
図16及び図19において、部品移送部54は、基台51上をX軸方向に延びて設けられたX軸ガイド81、X軸ガイド81に対してY軸方向に相対移動自在に設けられた左右のY軸テーブル82、各Y軸テーブル82に対してX軸方向に移動自在に設けられた左右のX軸テーブル83及び各X軸テーブル83上に設けられた左右2つの移送ヘッド84を備えている。
図18及び図19において、各移送ヘッド84はX軸テーブル83に対してZ軸回りに回転自在に設けられており、テーブル駆動モータ85によって駆動されて水平面内で回転されるインデックス型のターンテーブル86と、ターンテーブル86から上方に延びて設けられた複数(ここでは7つ)の受け取りノズル87(前述の部品受け取り手段)を備えている。なお、これら複数の受け取りノズル87は、図示しないアクチュエータによって、ターンテーブル86に対して個別に昇降させることができる。
各移送ヘッド84は、ターンテーブル86を一定角度回転させることによって、複数の受け取りノズル87のうちのいずれかひとつを部品打ち抜き部72の下側金型72aの下方の位置(この位置を以下、「部品供給位置」と称する)に位置させる動作、部品供給位置に位置させた受け取りノズル87を上昇させる動作(図18中に破線で示す受け取りノズル87参照)、部品供給位置で上昇させた受け取りノズル87により、部品打ち抜き部72によって打ち抜かれた部品4を下方から支持して受け取った後、その受け取りノズル87を下降させる動作から成る一連の動きを繰り返す。このようにして移送ヘッド84は、部品供給テープBTから連続的に打ち抜かれる複数の部品4をそれぞれ異なる受け取りノズル87によって次々と受け取る。
各移送ヘッド84は、複数の受け取りノズル87によって部品打ち抜き部72によって打ち抜かれた複数の部品4を受け取ったら部品装着部55の側の所定の位置へ移動し、部品4を受け取った複数の受け取りノズル87のうちのひとつを所定の位置(この位置を以下、「ノズル移動位置」と称する)に位置させることによって、部品装着部55による部品4のピックアップ位置(このピックアップ位置は後述する左右の装着ヘッド93に対応して左右2つある)に部品4を移送する。
左右の移送ヘッド84はそれぞれ、対応するピックアップ位置(左側の移送ヘッド84には左側のピックアップ位置が対応し、右側の移送ヘッド84には右側のピックアップ位置が対応する)に移送した部品4が部品装着部55によってピックアップされたら、ターンテーブル86を一定角度回転させて、部品4がピックアップされた受け取りノズル87の隣に位置する受け取りノズル87によってピックアップ位置に部品4が新たに移送されるようにする。
図16、図17及び図18において、部品装着部55は、基台51に立設された左右一対の支柱91a及びこれら一対の支柱91aに掛け渡されて基台51の横方向(X軸方向)に延びた横部材91bから成る門型フレーム91と、門型フレーム91の横部材91bに沿ってX軸方向に移動自在に設けられた左右のX軸移動体92と、各X軸移動体92に対してY軸方向に移動自在に設けられた左右2つの装着ヘッド93と、基台51に設けられて装着ヘッド93の下方に位置するバックアップ部94と、バックアップ部94に設けられたカメラ95を有して成る。
図16及び図18において、装着ヘッド93は下方に延びたひとつの吸着ノズル93aを備えている。左右2つの装着ヘッド93が備える各吸着ノズル93aは、図示しないエア供給源からの真空圧の供給を受けて部品4の真空吸着及びその解除動作を行う。
図18においてバックアップ部94は、基板位置決め部52と部品供給部53の間をX軸方向に延びて設けられたX軸部材94aと、X軸部材94aに沿って水平移動自在に設けられたスライダ94bと、スライダ94bの上部からY軸方向前方に張り出して設けられたバックアップステージ94c(図18も参照)から成る。
左右の装着ヘッド93はそれぞれ、部品移送部54の対応する移送ヘッド84によって対応するピックアップ位置(左側の装着ヘッド93には左側の移送ヘッド84及び左側のピックアップ位置が対応し、右側の装着ヘッド93には右側の移送ヘッド84及び右側のピックアップ位置が対応する)に移送された部品4を吸着ノズル93aによって真空吸着し、基板位置決め部52により位置決めされた基板2の各電極部3Bに部品4を装着する。このとき基板2の電極部3Bの下方にはバックアップ部94のバックアップステージ94cが位置され、装着ヘッド93は部品4を電極部3Bごとバックアップステージ94cに押し付けるようにする(図18)。なお、この仮圧着装置M3が位置決めする基板2の長辺側の各電極部3Bと短辺側の各電極部3Bには、仮圧着装置M3の上流工程側に設置されたACF貼着装置M2によってACFテープ切片5sが貼着された状態となっている(図17参照)。
図18において、カメラ95はバックアップ部94が備えるスライダ94bの下部(バックアップステージ94cの下方)に取り付けられたカメラ支持部94dによって撮像視野を上方に向けた状態で支持されている。図18に示すように、バックアップステージ94cにはカメラ95の光軸に沿って上下方向に延びた貫通孔94eが設けられており、カメラ95は基板位置決め部52により位置決めされた基板2の各電極部3Bに設けられた電極部側マーク(図示せず)と装着ヘッド93の吸着ノズル93aに吸着された各部品4に設けられた部品側マーク(図示せず)を、貫通孔94eを介して下方から同時に視認することができるようになっている。
基板位置決め部52による基板2の位置決め動作(基板位置決め部52を構成するXテーブル61の基台51に対するX軸方向への移動動作、Yテーブル62のXテーブル61に対するY軸方向への移動動作及びθテーブル63のYテーブル62に対するZ軸回りの回転動作)は、仮圧着装置M3が備える制御装置100(図20)が図示しないアクチュエータ等から成る基板位置決め部駆動機構101(図20)の作動制御を行うことによってなされる。
部品供給部53を構成する左右のテープ搬送部71による部品供給テープBTの搬送動作は、制御装置100が図示しないアクチュエータ等から成るテープ搬送機構102(図20)の作動制御を行うことによってなされる。部品供給部53を構成する左右の部品打ち抜き部72による部品供給テープBTからの部品4の打ち抜き動作は、制御装置100が図示しないアクチュエータ等から成る部品打ち抜き部駆動機構103(図20)の作動制御を行うことによってなされる。
部品移送部54を構成する左右の移送ヘッド84による部品4の移送動作(X軸ガイド81に対する各Y軸テーブル82のY軸方向への移動動作、各Y軸テーブル82に対するX軸テーブル83のX軸方向への移動動作、各X軸テーブル83に対するターンテーブル86のZ軸回りの回転動作及びターンテーブル86に対する各受け取りノズル87の昇降動作)は、制御装置100が前述のテーブル駆動モータ85を含むアクチュエータ等から成る部品移送部駆動機構104(図20)の作動制御を行うことによってなされる。
部品装着部55における左右の装着ヘッド93の移動動作(門型フレーム91の横部材91bに対する各X軸移動体92のX軸方向への移動動作及び各X軸移動体92に対する装着ヘッド93のY軸方向への移動動作)は、制御装置100が図示しないアクチュエータ等から成る装着ヘッド移動機構105(図20)の作動制御を行うことによってなされる。
各装着ヘッド93による部品4の吸着及びその解除動作は、制御装置100が前述の図示しないエア供給源と繋がるアクチュエータ等から成る真空吸着動作制御機構106(図20)の作動制御を行って吸着ノズル93a内に真空圧を供給し、或いは吸着ノズル93a内に正圧を供給して吸着ノズル93a内の真空破壊を行うことによってなされる。
カメラ95による撮像動作は制御装置100によって制御され(図20)、カメラ95の撮像動作によって得られた画像データは制御装置100の画像認識部100a(図20)に送られて画像認識がなされる。
図20において、制御装置100には入出力装置としてのタッチパネル107が接続されており、オペレータOPはこのタッチパネル107を介してメッセージを受けることができるとともに、タッチパネル107を介して必要な指令入力を行うことができる。
図20において、制御装置100には仮圧着動作プログラム記憶部100bが設けられている。仮圧着動作プログラム記憶部100bにはこの仮圧着装置M3が部品実装システム1の部品実装作業の中で担当する仮圧着作業(基板2に部品4を仮圧着する作業)を実行するための仮圧着動作プログラムが記憶されており、部品実装システム1のホストコンピュータHCから仮圧着装置M3に生産指令が出されているときは、制御装置100は仮圧着動作プログラム記憶部100bから読み出した仮圧着動作プログラムを実行して仮圧着装置M3の各部を作動させる。
仮圧着装置M3の制御装置100が実行する仮圧着動作プログラムには、基板2上の各電極部3Bに装着される部品4がどの(左右のうちのどちらの)装着ヘッド93によって装着されるかが規定されている。これに対し、部品移送部54を構成する左右の移送ヘッド84が部品供給部53から受け取った部品4をピックアップ位置に移送する際にどの受け取りノズル87を用いるかはそのときどきの状況によってその都度制御装置100によって決定されるため、部品移送部54が備える左右の移送ヘッド84のどの受け取りノズル87によって部品4をピックアップ位置に移送させるかは仮圧着動作プログラムには規定されていない。
仮圧着装置M3の制御装置100は、仮圧着動作プログラム記憶部100bに記憶された仮圧着動作プログラムに従って基板2に部品4を装着させる場合には、先ず、上流工程側の装置であるACF貼着装置M2より送られてきた基板2(この基板2が備える各電極部3BにはACFテープ切片5sが貼着されている)を図示しない基板搬入装置によって仮圧着装置M3内に搬入した後、基板位置決め部52の基板支持テーブル64上に載置させ、基板位置決め部駆動機構101の作動制御を行って基板2を所定の位置に位置決めする(図21に示すステップST21)。
制御装置100は、基板2の位置決めを行ったら左右の移送ヘッド84をそれぞれ部品供給部53の側に移動させ、各移送ヘッド84が備える複数の受け取りノズル87のうち、まだ部品4の受け取りを行っていないもののひとつをその移送ヘッド84に対応する部品供給位置(左側の移送ヘッド84であれば左側の部品供給位置、右側の移送ヘッド84であれば右側の部品供給位置)に位置させる(図21に示すステップST22)。
このステップST22では、制御装置100は、各移送ヘッド84が備える複数の受け取りノズル87のうちのいずれを部品供給位置に位置させて部品4の受け取りを行うかをそのときどきの状況に応じてその都度決定する。
制御装置100は、左右の移送ヘッド84それぞれが備える複数の受け取りノズル87のひとつを対応する部品供給位置に位置させたら、左右のテープ搬送部71を作動させて部品供給テープBTの搬送を行いつつ、対応する部品打ち抜き部72(左側のテープ搬送部71に対しては左側の部品打ち抜き部72、右側のテープ搬送部71に対しては左側の部品打ち抜き部72)を作動させて部品供給テープBTから部品4を打ち抜くことによって部品供給部53による左右2箇所の部品供給位置への部品4の供給を行い、部品供給部53の左右2箇所の部品供給位置に供給された(部品打ち抜き部72によって打ち抜かれた)部品4が各部品供給位置に位置させた左右の移送ヘッド84それぞれの受け取りノズル87によって受け取られるようにする(図21に示すステップST23)。
制御装置100は、上記の受け取りノズル87による部品4の受け取りを、各移送ヘッド84が受け取ることができる全部の部品4の受け取りが終了したかどうかの判断を行い(図21に示すステップST24)、その結果、各移送ヘッド84が受け取ることができる全部の部品4の受け取りが終了していなかった場合にはステップST22に戻って各移送ヘッド84が備える複数の受け取りノズル87のうち、まだ部品4を受け取っていない受け取りノズル87を部品供給位置に位置させて部品4の受け取りを行い、各移送ヘッド84が受け取ることができる全部の部品4の受け取りが終了していた場合には、次のステップST25に進む。
ここで、移送ヘッド84が受け取ることができる全部の部品4の受け取りが終了している状態とは、通常はその移送ヘッド84が備える全ての受け取りノズル87が部品4を受け取った状態をいうが、何らかの要因によって部品4の受け取りができない、或いは部品4の受け取りをさせないと定めている受け取りノズル87がある場合には、その受け取りノズル87以外の受け取りノズル87が部品4を受け取った状態をいう。
制御装置100は、左右の移送ヘッド84がそれぞれ受け取ることができる全部の部品4の受け取りが終了したことを検知したら、左右の移送ヘッド84をそれぞれ部品装着部55の側へ移動させて、部品4を受け取った状態の複数の受け取りノズル87のひとつを前述のノズル移動位置に位置させる。これにより部品供給部53から供給された部品4がピックアップ位置に移送された状態となる(図21に示すステップST25)。
制御装置100は、部品移送部54を構成する左右の移送ヘッド84により部品4を左右のピックアップ位置に移送したら、左右の装着ヘッド93をそれぞれ対応するピックアップ位置の直上に移動させ、吸着ノズル93aによって、ピックアップ位置に移送された部品4を吸着させてピックアップする(図21に示すステップST26)。なお、各移送ヘッド84による部品4の受け取りから左右の装着ヘッド93による部品4のピックアップに至る一連の工程は基板2の搬入と並行して行ってもよい。
制御装置100は、各装着ヘッド93に部品4をピックアップさせたら、その部品4の基板2への装着(仮圧着)を行う(図21に示すステップST27)。
装着ヘッド93による部品4の基板2への装着では、制御装置100は先ず、部品4を吸着させた装着ヘッド93を基板位置決め部52によって位置決めされた基板2の側に移動させ、基板2の電極部3Bの直上に部品4が位置するようにしたうえで、カメラ95により基板2に設けられた電極部側マークと部品4に設けられた部品側マークを下方から同時に視認(撮像)する。そして、画像認識部100aにより両マークの画像認識を行って、これら両マークが上下に合致するように装着ヘッド93を移動させ、これにより部品4と基板2の電極部3Bとの位置合わせを行ってから(この位置合わせ時においては、前述のように、電極部3Bの下方にバックアップステージ94cが位置した状態となっている。図18参照)、吸着ノズル93aを下降させる。これにより部品4が電極部3Bに押し付けられて部品4が電極部3Bに装着(仮圧着)される。
制御装置100は、装着ヘッド93により部品4を基板2の電極部3B上に装着したら、装着動作プログラムの内容(電極部3Bとその電極部3Bに装着する部品4のピックアップ位置への移送を行ったターンテーブル86の左右の別の識別符号(L,R)との対応関係及び電極部3Bとその電極部3Bへの部品4の装着を行った装着ヘッド93の左右の別の識別符号(L,R)との対応関係が記録されたデータ)と、制御装置100がステップST22において、移送ヘッド84が備える複数の受け取りノズル87のうちのひとつを部品供給位置に位置させる際に決定した情報(電極部3Bとその電極部3Bに装着する部品4のピックアップ位置への移送を行った受け取りノズル87の識別番号(01,02,・・・,07)との対応関係が記録されたデータ)に基づいて、各電極部3Bとその電極部3Bへの部品4の装着に関与した装着関連ツール(ターンテーブル86、受け取りノズル87及び装着ヘッド93)との対応関係を、ACF貼着装置M2の制御装置40が作成し、ホストコンピュータHCを介して送られてきた対応関係データに追記する(図21に示すステップST28。図22)。
なお、この各電極部3Bと、その電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14及びその電極部3Bへの部品4の装着に関与したツールとの対応関係が記録された新たな対応関係データ(図22)は、制御装置100が備えるデータ記憶部100c(図20)に記憶されるとともに、ホストコンピュータHCを介して下流工程側の検査装置M6にも送られる。
制御装置100は、ステップST28が終了したら、現在、部品4の装着対象となっている基板2に対する全部の部品4の装着が終了しているか否かの判断を行う(図21に示すステップST29)。仮圧着装置M3は、基板2の長辺側の各電極部3Bに部品4を仮圧着した後、次いで基板位置決め部52によって基板2を90度回転させて基板2の短辺側の各電極部3Bに部品4を仮圧着するので、現在、部品4の装着対象となっている基板2に対する全部の部品4の装着が終了したか否かは、基板2の長辺側及び短辺側の電極部3Bの全てに部品4が装着されたかどうかによって判断する。
制御装置100は、ステップST29において、現在、部品4の装着対象となっている基板2に対する全部の部品4の装着が終了していないと判断した場合には、左右の移送ヘッド84により受け取った全部の部品4の基板2への装着が終了したか否かの判断を行う(図21に示すステップST30)。そして、その結果、左右の移送ヘッド84により受け取った全部の部品4の基板2への装着が終了していないと判断した場合にはステップST25に戻り、まだ基板2に装着されていない部品4を有している側の移送ヘッド84のターンテーブル86を一定角度回転させることによって、部品4をピックアップ位置に移送する。
一方、制御装置100は、ステップST30において、左右の移送ヘッド84により受け取った全部の部品4の基板2への装着が終了していると判断した場合にはステップST22に戻り、移送ヘッド84を部品供給部53側に移動させて受け取りノズル87を部品供給位置に位置させて部品4の受け取りを行う。そして、制御装置100は、ステップST29において、現在、部品4の装着対象となっている基板2に対する全部の部品4の装着が終了していると判断した場合には、仮圧着装置M3から基板2を搬出して(図21に示すステップST31)、基板2の1枚当たりの仮圧着作業を終了する。
このように仮圧着装置M3は、装着ヘッド93により、ACF貼着装置M2によってACFテープ切片5sが貼着された各電極部3Bへの部品4の装着を行う部品装着装置として機能する。
また、ステップST21〜ステップST31の仮圧着作業は、ステップST12〜ステップST18のACFテープ切片貼着工程においてACFテープ切片5sが貼着された各電極部3Bに装着ヘッド93によって部品4の装着を行う部品装着工程となっている。
上記のようにして仮圧着装置M3から搬出された基板2は第1の本圧着装置M4に搬入され、基板2の長辺側の電極部3Bに仮圧着された部品4が本圧着された後、第1の本圧着装置M4から搬出されて、第2の本圧着装置M5に搬入される。そして、第2の本圧着装置M5において基板2の短辺側の電極部3Bに仮圧着された部品4が本圧着された後、第2の本圧着装置M5から搬出されて検査装置M6に搬入される。
検査装置M6は、その制御装置120(図23)によって撮像動作の制御がなされる検査カメラ121を備えており(図23)、検査カメラ121の撮像動作によって得られた画像データは制御装置120の画像認識部120a(図23)において画像認識される。
検査装置M6が行う検査工程は、図24のフローチャートに示すように、先ず、検査カメラ121を基板2の上方で走査させながら検査カメラ121に撮像動作を行わせ、得られた画像データの画像認識を行うことによって、基板2に装着された部品4の電極部3B上の目標装着位置からの位置ずれ量(ΔX:X軸方向へのずれ量、ΔY:Y軸方向へのずれ量:Δθ:θ方向、すなわちZ軸回りのずれ量)の計測を行う(図24に示すステップST41)。そして、計測した各部品4についての位置ずれ量を、ホストコンピュータHCを介して仮圧着装置M3から送られてきた対応関係データに追記したうえで(図25)、その対応関係データをデータ記憶部120b(図23)に記憶する(図24に示すステップST42)。
検査装置M6の制御装置120は、仮圧着装置M3から送られてきた対応関係データに各部品4の位置ずれ量を追記して新たな対応関係データを作成したら、その新たな対応関係データに基づいて、基板2に装着された各部品4のうち、電極部3B上の目標装着位置からの位置ずれ量が予め定めた閾値を超えるなど、部品4の装着状態が不良な電極部があるかどうかの判定を行う(図24に示すステップST43)。
このように検査装置M6の制御装置120は、仮圧着装置M3によって部品4が装着(仮圧着)された各電極部3Bにおける部品4の装着状態に基づいて、部品4の装着状態が不良な電極部3Bがあるかどうかの判定を行う判定手段として機能する。
また、上記ステップST41〜ステップST43は、仮圧着工程(部品装着工程)において部品4が装着(仮圧着)された各電極部3Bにおける部品4の装着状態に基づいて、部品4の装着状態が不良な電極部3Bがあるかどうかの判定を行う判定工程となっている。
検査装置M6の制御装置120は、ステップST43において、部品4の装着状態が不良な電極部3Bがないと判定した場合には検査工程を終了し、部品4の装着状態が不良な電極部3Bがあると判定した場合には、その電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14と、その電極部3Bへの部品4の装着に関与したツールとしてのターンテーブル86、受け取りノズル87及び装着ヘッド93とを対応関係データに基づいて特定し(図24に示すステップST44)、その特定した貼着ヘッド14、ターンテーブル86、受け取りノズル87及び装着ヘッド93を注意対象として、検査装置M6が備えるタッチパネル122(図23)を介してオペレータOPに報知したうえで(図24に示すステップST45)、検査工程を終了する。
ここで、検査装置M6の制御装置120は、貼着ヘッド14については左右の別の識別符号(L,R)、ターンテーブル86については左右の別の識別符号(L,R)、受け取りノズル87については各ターンテーブル86上での識別番号(01,02,・・・,07)、装着ヘッド93については左右の別の識別符号(L,R)を特定してタッチパネル122に表示する。
このように、検査装置M6の制御装置120は、判定手段としての自身(検査装置M6の制御装置120)により部品4の装着状態が不良な電極部3Bがあると判定された場合に、その電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14を対応データ作成手段(ACF貼着装置M2が備える制御装置40)によって作成された対応関係データに基づいて特定する貼着ヘッド特定手段として機能し、検査装置M6のタッチパネル122は、貼着ヘッド特定手段としての検査装置M6の制御装置120によって特定された貼着ヘッド14を注意対象としてオペレータOPに報知する報知手段として機能する。
また、上記ステップST44は、ステップST43の判定工程において部品4の装着状態が不良な電極部3Bがあると判定された場合に、その電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14をステップST19の対応関係データ作成工程において作成した対応関係データに基づいて特定する貼着ヘッド特定工程となっており、ステップST45は、その特定した貼着ヘッド14を注意対象として報知する報知工程となっている。
なお、検査装置M6の制御装置120は、ホストコンピュータHC経由でACF貼着装置M2の制御装置40と仮圧着装置M3の制御装置100に報知内容を送信し、ACF貼着装置M2のタッチパネル49及び仮圧着装置M3のタッチパネル107を介して報知内容をオペレータOPに報知するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態におけるACF貼着装置M2及びこれを含む部品実装システム1(ACF貼着方法及びこれを含む部品実装方法)では、2つの貼着ヘッド14がACFテープ切片5sを基板2上の各電極部3Bに貼着するのに応じ、各電極部3Bとその電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14との対応関係データを作成するようになっており、基板2上における部品4の装着不良が生じたときには、対応関係データを参照することで、各電極部3Bに貼着されたACFテープ切片5sが2つの貼着ヘッド14のうちのどちらによって貼着されたかを特定(追跡)することができるので、部品4が装着不良となった十分な原因追究を行うことができる。
なお、上述の実施の形態では、基板2に設けられた電極部列3Lが奇数個の電極部3Bから成る場合であって、2つの電極部3Bに対して2つのACFテープ切片5sを同時に貼着するペア貼着動作(第1の貼着動作)を1回又は複数回実行した後、1つの貼着ヘッド14により残りの1つの電極部3Bに対して1つのACFテープ切片5sを貼着する第2の貼着動作を1回実行する場合を説明し、このような場合に即して本発明の効果(2つの貼着ヘッド14がACFテープ切片5sを基板2上の各電極部3Bに貼着するのに応じ、各電極部3Bとその電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14との対応関係データを作成することによる効果)を述べたが、本発明の効果はこのようなケースにだけ現れるものではない。
例えば、ACF貼着装置M2が備える2つのテープ供給リール31それぞれが段取り替え等の理由により使用途中で一旦取り外されていた場合等、テープ部材Tpの残量に差があり、そのまま同数ずつACFテープ切片5sを電極部3Bに貼着していくと、2つのテープ供給リール31のテープ部材Tpの交換のタイミングがずれてしまうような場合には、上記第1の貼着動作と第2の貼着動作の組み合わせによってACFテープ切片5sを電極部3Bに装着する手順ではなく、2つのテープ供給リール31の使用割合を任意に設定可能とすること、或いは各テープ供給リール31の使用状況をテープ供給リール31の識別子と関連付けて管理している場合はACFテープ切片5sの貼り付け回数、すなわち残りのテープ部材Tpの長さを管理することができるので、残りの貼り付け可能回数を計算することで、テープ部材Tpの残量が多い方のテープ供給リール31からのテープ部材Tpの使用が優先される手順に変更することが好ましい。
このような場合においても、2つの貼着ヘッド14がACFテープ切片5sを基板2上の各電極部3Bに貼着するのに応じ、各電極部3Bとその電極部3BにACFテープ切片5sを貼着した貼着ヘッド14との対応関係データを作成することによって、各電極部3Bに貼着されたACFテープ切片5sが2つの貼着ヘッド14のうちのどちらによって貼着されたかを特定(追跡)することができるので、部品4が装着不良となった場合はその十分な原因追究を行うことができるようになる。