JP5381922B2 - 加工装置による被加工物の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車用エンジンにおけるシリンダのボア内周面などのような、被加工物の筒状部の内周面を加工する加工装置による被加工物の加工方法に関する。
従来から、例えば自動車用エンジンにおけるシリンダのボア内周面などのような、被加工物の筒状部の内周面を、精密に加工する方法として、ボーリング加工が知られている。
前記ボーリング加工は、主にマシニングセンターなどの加工装置によって行われる(例えば、「特許文献1」を参照。)。
即ち、前記加工装置は、被加工物の筒状部の内部に挿入可能なボーリングバー(ホルダー部)や、該ボーリングバーに固設され、前記筒状部の内周面を加工する加工刃(チップ)や、前記ボーリングバーを固定保持するとともに、軸心を中心にして回転駆動される主軸などにより構成される。
そして、主軸により回転駆動されるボーリングバーが、被加工物の筒状部の内部に挿入されることで、前記筒状部の内周面には、加工刃によるボーリング加工が施されるのである。
このような構成からなる加工装置において、例えば、被加工物の加工条件(例えば、狙い値として予め設定される筒状部の内径寸法)が変更された場合や、刃先の摩耗したチップを新たなチップに交換する場合には、複数の被加工物に対して連続的にボーリング加工を行う前に、段取り作業を行う必要がある。
前記段取り作業は、被加工物の「設定内径寸法」(予め設定された、加工目標となるボーリング加工後の前記筒状部の内径寸法。以下同じ。)に基づいて、ホルダー部に固設されるチップの刃先の位置を調整するための作業である。
即ち、前記段取り作業は、被加工物の「設定内径寸法」に基づいて、チップの刃先の位置をツールプリセッターによって測定しつつ調整し、該チップをホルダー部に取付けるセッティング工程と、該セッティング工程の終了後、前記ホルダー部を加工装置の主軸に取付ける取付工程と、該取付工程の終了後、被加工物の筒状部の内周面に対して、実際にボーリング加工を行う加工工程と、該加工工程の終了後、既知の温度補正機能付き電気マイクロメータからなる測定ゲージによって、形成された前記筒状部の内径寸法を測定し、前記内径寸法が被加工物の「設定内径寸法」の寸法公差の範囲内に収まることを確認する測定工程とにより構成される。
そして、このような段取り作業を行うことで、チップの刃先の位置は、被加工物の「設定内径寸法」に基づいて正確に固定保持され、被加工物の筒状部の内周面には高精度なボーリング加工が行われるようになっている。
特開2006−26713号公報
しかし、マイクロメートル(μm)単位の高精度の寸法公差が要求される仕上げボーリング加工を行う場合などにおいては、このような段取り作業を行ったとしても、チップの刃先の位置が「設定内径寸法」に基づいて常に適正な位置に正確に固定保持されるとは限らず、ボーリング加工によって実際に形成された筒状部の内径寸法が、前記寸法公差の範囲より外れることがあった。
このような、チップの刃先の位置が「設定内径寸法」に基づいた適正な位置からずれる理由としては、段取り作業を行う際の様々な温度変化による影響が起因していると考えられる。
即ち、前述のセッティング工程において、ツールプリセッターによってチップの刃先の位置を測定する際、周囲の温度変化(気温の変化)が生じれば、熱膨張の影響によってホルダー部が伸縮するため、前記刃先の位置を示す測定値はバラツキを生じる。
その結果、セッティング工程を行う際の周囲の温度(気温)が異なれば、チップの刃先の位置にバラツキが生じることとなり、チップの刃先の位置を「設定内径寸法」に基づいて正確に固定保持することが困難であった。
また、前述の取付工程や加工工程において、ホルダー部の温度は周囲の温度(気温)になじんで、該温度と同温になっている反面、被加工物は加工装置に搬入される前の工程において、周囲の温度(気温)よりも低温(あるいは、高温)のクーラント液を大量に浴びているため、被加工物の温度は該クーラント液の温度に近い温度となっている。
つまり、取付工程や加工工程における周囲の温度(気温)はクーラント液の温度に比べて高い(あるいは、低い)ため、ホルダー部の温度も被加工物の温度に比べて高い(あるいは、低い)状態となっている。
よって、これらホルダー部と被加工物との間の温度差が大きくなり、熱膨張の影響による互いの伸縮量の差も大きくなる。
従って、チップの刃先の被加工物に対する相対的な位置にズレを生じることとなり、チップの刃先の位置が「設定内径寸法」に基づいた適正な位置からずれる場合があった。
また、前述の測定工程において、前記測定ゲージは、加工工程の終了直後に被加工物の温度を測定し、該測定温度に基づいて、測定された筒状部の内径寸法を補正するようになっている。
ここで、加工後の被加工物の温度は、加工の際に被加工物に付着したクーラント液の影響などにより急激に変化(低下)するため、例えば、被加工物の温度を測定した後に筒状部の内径寸法を測定する場合、温度測定と内径寸法測定との間に時間が空くと、該被加工物の温度変化が大きくなり、熱膨張の影響による伸縮量も大きくなる。
その結果、測定ゲージによる補正の誤差も大きくなり、正確な被加工物の筒状部の内径寸法を把握することができず、チップの刃先の位置が「設定内径寸法」に基づいた適正な位置からずれる場合があった。
本発明は、以上に示した現状の問題点を鑑みてなされたものであり、被加工物の筒状部の内周面を加工する加工装置による被加工物の加工方法であって、様々な温度変化による影響を受けることなく、チップの刃先を予め設定された位置に正確に固定保持する段取り作業を実施可能な、加工装置による被加工物の加工方法を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、被加工物の筒状部の内周面の加工を、加工部をクーラント液で冷却しながら行う加工装置による被加工物の加工方法であって、前記加工装置は、前記筒状部の内部に出入可能な刃具と、該刃具を保持しつつ、該刃具を、前記筒状部の軸心を中心として回転させる主軸と、を備え、前記刃具は、前記主軸に着脱可能に装着されるホルダー部と、該ホルダー部の先端縁部において、前記筒状部の内周面に向かって刃先が突出するようにして取付けられるチップと、を有し、前記加工装置によって前記内周面を加工する際は、前記チップの取付け姿勢を調整する段取り作業が行われ、該段取り作業は、一定温度に保たれた室内空間にて前記チップを前記ホルダー部に取付けるセッティング工程と、該セッティング工程の終了後、前記ホルダー部の温度を前記クーラント液の温度に一致させ、その後、前記ホルダー部を前記主軸に取付ける取付工程と、該取付工程の終了後、前記ホルダー部の温度を前記クーラント液の温度に一致させつつ、前記内周面を加工する加工工程と、該加工工程の終了後、前記被加工物の温度を測定し、その後、予め設定された制限時間内に前記筒状部の内径寸法を測定し、前記測定した内径寸法より前記測定した温度に見合った前記被加工物の熱膨張量分を加減算して前記内径寸法の補正を行う測定工程と、により構成されるものである。
請求項2においては、請求項1に記載の加工装置による被加工物の加工方法であって、前記被加工物と前記ホルダー部とは、互いに異なる部材により形成され、前記チップは、前記ホルダー部の軸心と直交する平面上にて、該軸心と同軸上に配置され、且つ、次の数式1を満たすφX[mm]を直径寸法とする円周上に位置するように、前記ホルダー部に取付けられる、ものである。
(数式1)
φX=φ{Dh−(Dh/100)×αh×(Tc−Ts)+(Dh/100)×αw×(Tc−Ts)}
(但し、φDh[mm]は前記被加工物の筒状部における狙いの内径寸法、αh[mm/(100mm・℃)]は前記ホルダー部の線膨張係数、αw[mm/(100mm・℃)]は前記被加工物の線膨張係数、Tc[℃]は前記クーラント液の設定温度、Ts[℃]は前記室内空間の設定気温である。)
請求項3においては、請求項1、または請求項2に記載の加工装置による被加工物の加工方法であって、前記測定工程においては、前記筒状部の内径寸法の測定誤差のうち、前記被加工物の熱膨張を原因とする誤差の許容値が予め設定され、前記制限時間は、加工工程が終了してからの経過時間と、ボーリング加工によって実際に形成された前記被加工物の筒状部の内径寸法である加工内径寸法との関係より、前記加工工程終了時点からの内径寸法の変化量が前記許容値と等しくなる時点での、前記加工工程終了からの経過時間に設定されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明における加工装置による被加工物の加工方法によれば、被加工物の筒状部の内周面を加工する加工装置による被加工物の加工方法であって、様々な温度変化による影響を受けることなく、チップの刃先を予め設定された位置に正確に固定保持する段取り作業を実施することができる。
本発明の一実施例に係る加工装置の全体的な構成を示した概略断面側面図。 段取り作業における各工程の全体的な流れを示した工程図。 セッティング工程において、ツールプリセッターの状態を示した図であり、(a)はマスターゲージを用いてツールプリセッターの初期設定を行う際の状態を示した概略側面図であり、(b)はツールプリセッターを用いて刃具のチップ位置の調整を行う際の状態を示した概略側面図。 取付工程において、クーラントタンク内のクーラント液に刃具を沈水させた状態を示した概略図。 加工工程において、刃具によって被加工物を加工する際の状態を示した概略断面側面図。 測定工程において、ゲージを用いて被加工物の形成穴寸法を測定する際の状態を示した概略断面側面図。 経過時間に伴う被加工物の温度の変化度合いを示した線図。 経過時間に伴う被加工物の加工内径寸法の変化度合いを示した線図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
[加工装置1]
先ず、本発明の「加工装置による被加工物の加工方法」を具現化する加工装置1の全体的な構成について、図1を用いて説明する。
なお、便宜上、図1における矢印Aの方向は前方を示すものとして、また図面上の上下方向は加工装置1の上下方向を示すものとして各々規定し、以下の説明を行う。
加工装置1は、例えば自動車用エンジンにおけるシリンダのボア内周面などのような、被加工物50に形成される筒状部50aの内周面50bに、ボーリング加工を行うための装置である。
加工装置1は機械室2を有しており、該機械室2の内部には、刃具3や主軸4や送り台5やクーラントノズル6・6・・・などが配設される。
具体的には、機械室2の室内には、主軸4、刃具3、送り台5が後方から前方(図1における矢印Aの方向。以下同じ。)に向かって各々順に配設されている。また、前記刃具3の周囲には、複数のクーラントノズル6・6・・・(図1においては、断面図であるため二個のみ記載)が、正面視において放射状に配設されており、前記クーラントノズル6・6・・・から刃具3による加工部位に対してクーラント液を供給可能に構成している。
そして、刃具3と送り台5との間には被加工物50が配設され、刃具3に対して被加工物50を相対的に前後方向(近接離間方向)に移動させることで、被加工物50にボーリング加工が行われるようになっている。
なお、加工装置1の構成については、本実施例に限定されるものではなく、例えば、機械室2の室内において、これら主軸4、刃具3、送り台5などが、上方から下方に向かって各々順に配設されるような構成であってもよい。
次に、刃具3について説明する。
刃具3は、被加工物50の筒状部50aの内部(以下、「内周部50c」と記す)に直接挿入され、内周面50bにボーリング加工を行うための部位である。
刃具3は、市販の切削刃であるチップ31や、該チップ31を保持するホルダー部32や、該ホルダー部32に連設され主軸4との接続部となる着脱手段33などにより構成される。
ホルダー部32は、例えばブロック状の部材にて構成されており、着脱手段33を介して前記主軸4に着脱可能に装着されている。ホルダー部32は、該主軸4により回転駆動されるものであり、その被加工物50側端部における外周縁部にチップ31が取付けられている。
チップ31は、取付け手段34を介してホルダー部32に取付けられている。前記取付け手段34は、チップ31を固定保持するための、所謂市販のチップホルダーからなり、チップ31の刃先の、ホルダー部32の回転半径方向位置が、前記取付け手段34によって、マイクロメートル(μm)単位にて自由に調節可能となっている。
このような構成からなる刃具3は、機械室2の室内中央部に配設されており、前記チップ31は、ホルダー部32の外周面より外方向へ刃先が突出するようにして、取付け手段34に取付けられている。
なお、本実施例においては、ホルダー部32の一箇所にのみ取付け手段34を設けているが、複数箇所に取付け手段34・34・・・を設けることも可能である。
次に、主軸4について説明する。
主軸4は刃具3を保持するとともに、該刃具3を回転駆動させるための部位であり、機械室2の室内後部において、軸心を前後方向に向けて配設されている。
主軸4の前端部(刃具3側の端部)には挿入穴部4aが形成されており、該挿入穴部4aに刃具3の着脱手段33を着脱可能に挿嵌することで、刃具3と主軸4とが一体的に回転可能に接続されている。
また、主軸4の後端部(刃具3と対向する側の端部)には、減速機などの動力伝達装置を介してモータなどの駆動装置が連結されており、前記駆動装置により主軸4が回転駆動される。
つまり、主軸4が回転駆動されることで、刃具3のチップ31が主軸4を中心として回転駆動されることとなる。
次に、送り台5について説明する。
送り台5は被加工物50の加工姿勢を保持するとともに、加工装置1によってボーリング加工を行う際に、被加工物50を刃具3に対して相対的に前後方向(近接離間方向)へ移動させるための部位である。
送り台5は、鏡面状に仕上げられた平面部5aを有し、該平面部5aを後方側(刃具3側)に向けるとともに、該平面部5aが前後方向に対して直交する姿勢で、機械室2の室内前部に配置されている。
そして、平面部5aには複数の保持具51・51・・・(図1においては、断面図であるため二個のみ記載)が固設され、これらの保持具51・51・・・により、被加工物50が送り台5に固定保持されている。
即ち、被加工物50は、その一面を前記平面部5aに当接させるとともに、筒状部50aの軸心を前後方向に向けた姿勢で送り台5に固定保持されている。
送り台5には、該送り台5を前後方向に移動させる移動機構が備えられており、主軸4により刃具3が回転駆動されている状態で、被加工物50を固定保持した送り台5を、前記移動機構により前方から後方へ向かって移動することで、チップ31の刃先により被加工物50の筒状部50aの内周面50bに対するボーリング加工が施される。
次に、クーラントノズル6について説明する。
クーラントノズル6は、加工装置1によって被加工物50のボーリング加工を行う際に、被加工物50や刃具3に対して、クーラント液を供給するための部位である。
ここで、クーラント液とは、被加工物50の被加工面(即ち、筒状部50aの内周面50b)や刃具3に対して、加工時に発生する摩擦熱を取り除き、該摩擦熱によって上昇した温度を、常温付近にまで冷却するための液体を意味する。
クーラントノズル6・6・・・は、機械室2の室内中央部において複数個備えられ、クーラント液が放出されるノズル口6a・6a・・・を刃具3の前端部(被加工物50側の端部)に向けつつ、刃具3の周囲に正面視放射状に配設される。
以上のような構成からなる加工装置1によって、被加工物50の筒状部50aの内周面50bに、ボーリング加工が行われる。
なお、本実施例における被加工物50は、加工装置1に投入される以前に、既に筒状部50aの内周面50bが形成されており、加工装置1によるボーリング加工は、内周面50bの表面粗さを整える仕上げ加工を行うことを、主な目的としている。
しかし、本発明の「加工装置による被加工物の加工方法」を具現化する加工装置は、本実施例における加工装置1に限定されるものではない。
即ち、被加工物50に対して、内径部を形成するボーリング加工を行う装置であれば、仕上げ加工を目的とするものに限定されず、単に荒削りを目的とするものであってもよい。
[加工方法]
次に、本発明の「加工装置による被加工物の加工方法」を具現化する、加工装置1による被加工物50の加工方法について、図2乃至図8を用いて説明する。
なお、便宜上、図3、図5における矢印Aの方向は前方を示すものとして、また図3上の上下方向はツールプリセッターの上下方向を、図5の上下方向は加工装置1の上下方向を、それぞれ示すものとして規定し、以下の説明を行う。
加工装置1によって、被加工物50の筒状部50aの内周面50bにボーリング加工を行うには、先ず、被加工物50の「設定内径寸法」(予め設定された、加工目標となるボーリング加工後の前記筒状部50aの内径寸法。以下同じ。)に従って、チップ31(図1を参照)の取付け姿勢を調整する段取り作業100(図2を参照)が行われる。
そして、前記段取り作業100の終了後、加工装置1には複数の被加工物50・50・・・が順次投入され、前記加工装置1はこれらの被加工物50・50・・・に対して投入順に、ボーリング加工を行うのである。
前記段取り作業100は、被加工物50の「設定内径寸法」が変更された場合、および刃先の摩耗したチップ31を新たなチップ31に交換する場合や、不測の事態によって加工装置1に障害が加わった場合などの、チップ31の取付け姿勢に変更が生じた場合に、複数の被加工物50・50・・・を加工装置1に連続して投入する前に、常に実施される。
図2において、段取り作業100は、主にセッティング工程(ステップS101)や取付工程(ステップS102)や加工工程(ステップS103)や測定工程(ステップS104)などから構成され、これら各工程(ステップS101・S102・S103・S104)を順次行うことで、チップ31は、被加工物50の「設定内径寸法」に従った取付け姿勢に調整される。
先ず初めに、セッティング工程(ステップS101)について説明する。
セッティング工程(ステップS101)は、ホルダー部32にチップ31を取付けるとともに(図1を参照)、該チップ31の刃先の位置が予め設定された所定の位置となるように、該チップ31の取付け姿勢を調整するための工程である。
セッティング工程(ステップS101)は、マスター合せ工程(ステップS101a)と、該マスター合せ工程(ステップS101a)の終了後に行われる刃具径測定工程(ステップS101b)とにより構成される。
図3(a)に示すように、マスター合せ工程(ステップS101a)は、ツールプリセッター61の初期設定を行うための工程である。
ここで、ツールプリセッター61は、刃具3におけるチップ31の刃先の位置を測定するための刃具径測定装置であり、マイクロメートル(μm)単位での測定を可能とする装置である。
ツールプリセッター61は、略直方体形状の基体62を有し、該基体62の上面部には、後方から前方(図3(a)における矢印Aの方向。以下同じ。)に向かって、移動フレーム63と回転軸部64とが順に配設される。
移動フレーム63は、基体62の上面部に立設されるとともに、前後方向に移動可能に設けられる。
また、移動フレーム63の上部には、前方に向かって延出する支持部材65が固設され、該支持部材65の延出端部には、ダイヤルゲージなどからなる既知の測定手段66が、測定子66aを前方に向けて固定保持される。
一方、回転軸部64は、軸心を上下方向(移動フレーム63の移動方向に対する直交方向)に向けつつ、その上端部が基体62の上面部より突出した状態で、該基体62に軸支される。
また、回転軸部64の上端部には、穴部64aが、該回転軸部64と同軸上に形成されるとともに、該回転軸部64の下端部には、図示せぬ駆動部が備えられ、該駆動部によって、回転軸部64は、軸心を中心にして回転される。
そして、ツールプリセッター61には、図示せぬ制御装置が備えられ、該制御装置によって、これらの移動フレーム63や回転軸部64などが動作され、ツールプリセッター61全体の運転が制御される。
即ち、前記制御装置は、タッチパネルなどからなる入力部や、CPUからなる演算処理部や、RAMやROMなどからなる記憶部などを備えている。
前記記憶部には、これらの移動フレーム63や回転軸部64などの動作に関する実行プログラムなどが格納されるとともに、前記入力手段を介して入力される電気信号が、前記演算処理部の命令によって一時的に保存される。
そして、前記入力手段を介して、ツールプリセッター61の運転に関する指令が入力されると、演算処理部は、前記記憶部より実行プログラムを読み出して演算処理を実行し、演算された演算結果に基づいて、これらの移動フレーム63や回転軸部64に出力信号を送信することで、ツールプリセッター61全体の運転が制御される。
そして、ツールプリセッター61によって測定された測定値は、基体62に設けられるインジケーター62aによって表示される。
このような構成からなるツールプリセッター61の初期設定は、マスターゲージ67を用いて行われる。
即ち、マスターゲージ67は、断面の半径寸法がマイクロメートル(μm)単位の寸法公差の範囲内に収まるように正確に形成された円柱状の本体部67aと、該本体部67aの一方の端部において、該本体部67aと同軸上、且つ軸心方向に延出して設けられる支持部67bとを有して形成される。
なお、前記支持部67bは、刃具3の着脱手段33と同形状に形成される。
そして、マスターゲージ67は、支持部67bを下方に向けつつ、該支持部67bを回転軸部64の穴部64aに挿嵌することで、回転軸部64の上端部において、該回転軸部64と同軸上に立設される。
マスターゲージ67が回転軸部64に立設されると、移動フレーム63は前方へと移動する。すると、測定手段66は、支持部材65を介して移動フレーム63に追従し、前方(マスターゲージ67に対する近接方向)へと移動する。
その後、測定手段66の測定子66aが、マスターゲージ67の外周面に当接され、該測定手段66の測定値が「0」となった位置にて移動フレーム63は停止する。
即ち、測定手段66であるダイヤルゲージは、予め、プラス側の測定値を表示すようになっており、移動フレーム63の前方への移動により、測定子66aがマスターゲージ67の外周面に当接される。
その後さらに、移動フレーム63が前方へと移動し、測定子66aが後方へと押し込まれることで、測定手段66による測定値の表示は徐々に減少し、測定手段66の測定値が「0」となった位置にて移動フレーム63は停止するのである。
そして、このような移動フレーム63の停止位置にて、インジケーター62aが、マスターゲージ67の断面の半径寸法を表示するように、前述した入力手段を介して、制御装置の記憶部に、移動フレーム63の停止位置が記憶されることで、該ツールプリセッター61の初期設定は終了する。
ツールプリセッター61の初期設定が終了すると、移動フレーム63は、後方へと移動する。
その後、回転軸部64よりマスターゲージ67は抜脱され、マスター合せ工程(ステップS101a)が終了する。
マスター合せ工程(ステップS101a)が終了すれば、続いて刃具径測定工程(ステップS101b)が行われる。
図3(b)に示すように、刃具径測定工程(ステップS101b)は、測定手段66によってチップ31の刃先の位置を測定しながら、該チップ31の取付け姿勢を、被加工物50の「設定内径寸法」に従って調整するための工程である。
刃具径測定工程(ステップS101b)では、先ず、チップ31の取付けられていないホルダー部32の着脱手段33が、回転軸部64の穴部64aに挿嵌される。これにより、回転軸部64の上端部において、前記ホルダー部32は、該回転軸部64と同軸上に立設される。
ホルダー部32が回転軸部64に立設されると、チップ31は取付け手段34を介して、ホルダー部32に仮の状態で取付けられる(チップ31が、被加工物50の加工条件を考慮していない取付姿勢で取付けられる。以下同じ。)。
なお、チップ31は、ホルダー部32が回転軸部64の上端部に立設される以前に、該ホルダー部32に予め仮の状態によって取付けておいてもよい。
その後、図示せぬ駆動部によって回転軸部64が回転駆動し、ホルダー部32は、チップ31が後方(移動フレーム63側の方向。以下同じ。)に位置する状態となるまで回転される。
そして、チップ31が後方に位置する状態になるまでホルダー部32が回転されると、回転軸部64は停止する。
回転軸部64が停止すると、移動フレーム63は前方へと移動する。すると、測定手段66は、支持部材65を介して移動フレーム63に追従し、前方(マスターゲージ67に対する近接方向)へと移動する。
その後、測定手段66の測定子66aが、チップ31の刃先に当接され、該測定手段66の測定値が「0」となった位置にて移動フレーム63は停止する。
そして、このような移動フレーム63の停止位置にて、インジケーター62aの表示を確認し、該表示と、被加工物50の「設定内径寸法」に基づき予め設定された「刃具径寸法」の半径寸法(図3(b)における寸法値:φX/2)との寸法誤差を把握する。
なお、「刃具径寸法」とは、着脱手段33の軸心(即ち、主軸4の軸心)を中心にして刃具3を回転させたときに、チップ31の刃先が描く回転軌跡の直径寸法を意味する。
その後、前記寸法誤差に基づいて、チップ31の取付け姿勢は微調整される。
具体的には、チップ31の刃先を測定手段66の測定子66aに当接させつつ、該測定手段66によって該刃先の位置を測定しながら、前記寸法誤差をなくすようにチップ31の取付け姿勢を微調整する。
例えば、前記寸法誤差が+a[μm]である場合には、測定手段66の測定値が−a[μm]となるように、チップ31の刃先を微調整する。また、前記寸法誤差が−a[μm]である場合には、測定手段66の測定値が+a[μm]となるように、チップ31の刃先を微調整するのである。
このようにして、チップ31の刃先の位置に関する微調整が終了すると、移動フレーム63は、一旦後方へと移動する。
その後、移動フレーム63は、再び前方へと移動し、測定手段66の測定子66aが、チップ31の刃先に当接され、該測定手段66の測定値が「0」となった位置にて移動フレーム63は停止する。
そして、このような移動フレーム63の停止位置にて、インジケーター62aの表示を再び確認し、該表示が、前記「刃具径寸法」の半径寸法と同等になれば、チップ31のホルダー部32への取付け作業は終了する。
一方、該表示と、前記「刃具径寸法」の半径寸法との寸法誤差が依然生じるする場合は、前述した手法により、チップ31の取付け姿勢の微調整が繰り返される。
そして、チップ31のホルダー部32への取付け作業が終了すると、移動フレーム63は、後方へと移動する。
その後、回転軸部64よりホルダー部32は抜脱され、刃具径測定工程(ステップS101b)は終了する。
ところで、セッティング工程(ステップS101)を行う際にツールプリセッター61の周囲の温度(気温)が変化すれば、刃具3のホルダー部32は、熱膨張の影響を受けて僅かに形態を変化させる。
即ち、図3(b)において、ホルダー部32の長手方向の寸法(図3(b)における寸法Y)は、周囲の温度(気温)が上昇すると、ホルダー部32の線膨張係数に応じて伸長する一方、周囲の温度(気温)が下降すると、ホルダー部32の線膨張係数に応じて縮小する。
その結果、「刃具径寸法」は、ツールプリセッター61を用いてマイクロメートル(μm)単位の寸法公差によって、厳密に管理されているものの、セッティング工程(ステップS101)を行う際の気温の温度差によって、バラツキを生じることとなる。
このようなことから、本実施例におけるセッティング工程(ステップS101)においては、例えばツールプリセッター61を恒温室内に設置する等して、セッティング工程(ステップS101)を行う作業場の温度が一年を通じて常に一定の温度に保たれるように、厳密に管理することとしている。
その結果、ツールプリセッター61の周囲の温度(気温)は一定に保たれ、ホルダー部32の熱膨張の影響が回避されることから、「刃具径寸法」は、バラツキを生じることなく一年を通じて常に一定の寸法公差の範囲内に収まるように、ツールプリセッター61を用いて厳密に管理されることとなるのである。
一方、刃具3のホルダー部32の材質と、被加工物50の材質とがそれぞれ異なる場合(線膨張係数が異なる材質である場合)には、前述のように、ツールプリセッター61の周囲の温度(気温)を厳密に管理していても、後述する加工工程(ステップS103)によって被加工物50に施される「加工内径寸法」(ボーリング加工によって実際に形成された筒状部50aの内径寸法。以下同じ。)が、被加工物50の「設定内径寸法」の寸法公差の範囲より外れることがある。
即ち、これらホルダー部32および被加工物50において、互いに材質が異なれば各線膨張係数は異なることから、加工工程(ステップS103)にてクーラント液を浴びつつボーリング加工が施されると、該クーラント液の温度によるホルダー部32および被加工物50の熱膨張による影響は互いに異なることとなる。
つまり、クーラント液の温度の影響によるホルダー部32の収縮率と、被加工物50の収縮率とは互いに異なることから、ツールプリセッター61を用いて「刃具径寸法」を厳密に調整しても、被加工物50の「加工内径寸法」が、「設定内径寸法」の寸法公差の範囲より外れることになるのである。
このようなことから、本実施例におけるツールプリセッター61においては、セッティング工程(ステップS101)によってチップ31の刃先の位置を調整する際、これらホルダー部32、および被加工物50の材質が異なる場合は、前記刃先の位置の測定値に「補正」を加えて、インジケーター62aに表示することとしている。
ここで、前記「補正」に関する算出式(以下、「補正算出式」と記す。)は、次の式(数式1)によって与えられる。
φX=φ{Dh−(Dh/100)×αh×(Tc−Ts)+(Dh/100)×αw×(Tc−Ts)}・・・(数式1)
なお、φX[mm]は、刃具3に対して予め設定された「刃具径寸法」(図3(b)を参照)を示し、φDh[mm]は、被加工物50の筒状部50aに対して予め設定された「設定内径寸法」を示し、αh[mm/(100mm・℃)]はホルダー部32の線膨張係数を示し、αw[mm/(100mm・℃)]は被加工物50の線膨張係数を示し、Tc[℃]はクーラント液の設定温度を示し、Ts[℃]はツールプリセッター61の周囲の設定気温を示す。
このような「補正算出式」により補正された寸法値を用いて、チップ31の刃先の位置を調整することで、本実施例におけるセッティング工程(ステップS101)では、刃具3のホルダー部32の材質と、被加工物50の材質とがそれぞれ異なる場合においても、該被加工物50の「加工内径寸法」が、「設定内径寸法」の寸法公差の範囲内に確実に収まるように、前記チップ31の刃先の位置を調整することを可能としているのである。
次に、取付工程(ステップS102)について説明する。
取付工程(ステップS102)は、セッティング工程(ステップS101)の終了後、チップ31が取付けられた刃具3の温度を、クーラント液の温度になじませた後に、該刃具3を加工装置1の主軸4(図1を参照)に取付けるための工程である。
取付工程(ステップS102)は、刃具温調工程(ステップS102a)と、該刃具温調工程(ステップS102a)の終了後に行われる刃具取付工程(ステップS102b)とにより構成される。
図4に示すように、刃具温調工程(ステップS102a)は、クーラント液の温度に比べて高い(あるいは、低い)温度となっている周囲の温度(気温)になじんだ刃具3の温度を、クーラント液52の温度になじませるための工程である。
即ち、本実施例における段取り作業100(図2を参照)においては、クーラント液52が貯溜されるクーラントタンク53が、加工装置1に対して別途用意されている。
そして、セッティング工程(ステップS101)が終了した刃具3は、刃具温調工程(ステップS102a)において、前記クーラントタンク53内に一旦沈水され、予め設定された時間の経過後、前記クーラントタンク53内より取出される。
つまり、刃具3を予め定められた一定時間だけクーラント液52に浸漬することで、刃具3の温度は該クーラント液52の温度にまで降温(あるいは、昇温)される。
そして、クーラント液52によって、十分に降温(あるいは、昇温)された刃具3が、クーラントタンク53内より取出されることで、刃具温調工程(ステップS102a)は終了する。
なお、クーラントタンク53内に貯溜されるクーラント液52の温度は、クーラントノズル6・6・・・から供給されるクーラント液52の温度と同じ温度に調製されている。
刃具温調工程(ステップS102a)が終了すれば、刃具取付工程(ステップS102b)が行われる。
刃具取付工程(ステップS102b)は、加工装置1の主軸4に、刃具3を実際に取付けるための工程である。
なお、主軸4に刃具3を取付ける際は、前述の刃具温調工程(ステップS102a)によって降温(あるいは、昇温)された刃具3の温度が、周囲の温度(気温)になじんで上昇する前に取付作業が終了するように、一定の時間内にて行われる。
そして、主軸4の前端部において、刃具3が所定の姿勢にて取付けられることで、刃具取付工程(ステップS102b)は終了する。
このように、本実施例における取付工程(ステップS102)においては、先ず刃具温調工程(ステップS102a)によって、刃具3の温度をクーラント液の温度にまで降温(あるいは、昇温)し、その後、刃具取付工程(ステップS102b)によって、該刃具3を主軸4に取付けることとしている。
その結果、主軸4に取付けられた刃具3の温度は、加工装置1に投入される以前の工程において、既に大量のクーラント液を浴びせられつつ、該クーラント液の温度にまで降温(あるいは、昇温)された被加工物50の温度と同程度となることから、これら刃具3と被加工物50との温度差による熱膨張の影響が回避される。
従って、主軸4に取付けられた刃具3において、チップ31の刃先の位置は、被加工物50の「加工内径寸法」が、「設定内径寸法」の寸法公差の範囲内に確実に収まるように、保持されるのである。
次に、加工工程(ステップS103)について説明する。
加工工程(ステップS103)は、取付工程(ステップS102)の終了後、刃具3のチップ31によって、被加工物50の筒状部50aの内周面50bに、ボーリング加工を行うための工程である。
図5に示すように、加工工程(ステップS103)は、先ず、主軸4の回転駆動によって、刃具3のチップ31が該主軸4の軸心を中心にして回転され、その後、被加工物50を保持する送り台5が、後方(刃具3側の方向)に向かって移動することによって行われる。
ここで、主軸4の回転駆動が開始すると、クーラントノズル6のノズル口6aより、クーラント液54の放出が開始され、放出されたクーラント液54は、常にチップ31の周囲に降り注ぐようになっている。
つまり、加工工程(ステップS103)においては、ボーリング加工が施される箇所、即ち被加工物50の筒状部50aの内周面50bと、刃具3のチップ31と、該チップ31の周囲とに、常にクーラント液54が浴びせられるようになっている。
よって、前述のとおり、取付工程(ステップS102)によってクーラント液の温度にまで予め降温(あるいは、昇温)された刃具3の温度、および加工装置1に投入される以前の工程において、既にクーラント液の温度にまで降温(あるいは、昇温)された被加工物50の温度は、加工工程(ステップS103)が終了する間、継続して維持されることとなる。
従って、これら刃具3と被加工物50との温度差による熱膨張の影響が回避され、主軸4に取付けられた刃具3において、チップ31の刃先の位置は、被加工物50の「加工内径寸法」が、「設定内径寸法」の寸法公差の範囲内に確実に収まるように、保持されるのである。
次に測定工程(ステップS104)について説明する。
測定工程(ステップS104)は、加工工程(ステップS103)の終了後、被加工物50の「加工内径寸法」が、「設定内径寸法」の寸法公差の範囲内に収まっているかどうかを検査するための工程である。
ここで、図6に示すように、被加工物50の「加工内径寸法」は、測定ゲージ55によって測定される。
測定ゲージ55は、既知の電気マイクロメータであって、主に、被加工物50の「加工内径寸法」を測定する寸法測定器56や、被加工物50の温度を測定する温度測定器57や、これらの両測定器56・57などの動作を制御する制御装置58などにより構成される。
制御装置58には、図示しないが、CPUからなる演算処理部や、RAMやROMなどからなる記憶部などが内装される。
前記記憶部には、これら寸法測定器56や温度測定器57などの動作に関する実行プログラムが格納されるとともに、これら両測定器56・57によって測定された測定値が、前記演算処理部の命令によって一時的に保存される。
一方、前記演算処理部は前記記憶部より必要な情報を読み出して演算処理を実行し、その際の演算結果は再び前記記憶部に保存される。
前記実行プログラムには、予め設定された基準温度(例えば、本実施例においては20℃に設定)と、温度測定器57によって測定された測定値(以下、「測定温度」と記す)との温度差に基づいて、熱膨張の影響による被加工物50の伸縮量を演算し、寸法測定器56によって測定された測定値(以下、「測定寸法」と記す)に、前記演算結果を加減算する「温度補正プログラム」が設けられている。
つまり、寸法測定器56によって測定された測定寸法は、「温度補正プログラム」によって補正され、常に基準温度にて測定された場合の測定寸法に換算されるのである。
測定工程(ステップS104)は、温度測定工程(ステップS104a)と、該温度測定工程(ステップS104a)の終了後に行われる内径測定工程(ステップS104b)とにより構成される。
温度測定工程(ステップS104a)は、被加工物50の温度を測定する工程であり、加工工程(ステップS103)が終了し、機械室2より取出された被加工物50の表面部に、温度測定器57を接触させることで、被加工物50の温度が測定される。
温度測定器57によって測定された測定温度は、電気信号に変換されて制御装置58に送信される。
そして、前記電気信号を受信した制御装置58が、前記電気信号による情報(測定温度)を前記記憶部に一旦格納することで、温度測定工程(ステップS104a)は終了する。
温度測定工程(ステップS104a)が終了すると、内径測定工程(ステップS104b)が行われる。
内径測定工程(ステップS104b)は、被加工物50の「加工内径寸法」を測定する工程であり、被加工物50の筒状部50aの内周部50c内に、寸法測定器56を挿入することで、被加工物50の「加工内径寸法」が測定される。
寸法測定器56によって測定された測定寸法は、電気信号に変換されて制御装置58に送信される。
前記電気信号を受信した制御装置58は、前記記憶部に一旦格納された測定温度を前記演算処理部に読み出すとともに、前記演算処理部によって測定寸法に対する「温度補正プログラム」が実行される。
そして、前記演算処理部による演算結果が、制御装置58に備えられるインジケーター58aに表示されることで、内径測定工程(ステップS104b)は終了するのである。
ところで、このような「温度補正プログラム」を有する測定ゲージ55を用いて、被加工物50の「加工内径寸法」を測定する場合、温度測定工程(ステップS104a)の終了から内径測定工程(ステップS104b)の開始までにかかる時間によっては、「測定寸法」として制御装置58のインジケーター58aに表示される値と、実際の「加工内径寸法」との間に大きな誤差を生じることがある。
そこで、本発明者らは、測定ゲージ55の測定精度を向上させるべく鋭意研究を行った結果、このような誤差を生じる要因の一つとして、加工工程(ステップS103)終了後の被加工物50の温度変化が挙げられることをつきとめた。
即ち、図7に示すように、縦軸に温度(単位[℃])を表し、横軸に経過時間(単位[min])を表すこととして、被加工物50の温度(以下、「ワーク温度」と記す)と、該被加工物50の周囲における気温(以下、「外気温度」と記す)とに関する両者の関係を曲線によってそれぞれ表すと、「外気温度」については、経過時間に伴って多少の温度変化(略1℃の温度差)を生じるものの略一定であるのに対し、「ワーク温度」については、加工工程(ステップS103)の終了直後(図7における経過時間0[min])より急激に下降し、経過時間が約20[min]に到達した後は、上昇に転じることが分かった。
そして、このような温度変化が生じれば、熱膨張の影響を受けて被加工物50の「加工内径寸法」は伸縮する。
即ち、図8に示すように、縦軸に被加工物50の「加工内径寸法」(単位[μm])を表し、横軸に加工工程(ステップS103)が終了してからの経過時間(単位[min])を表すこととして、これら経過時間と「加工内径寸法」とに関する両者の関係を曲線によって表すと、前記「加工内径寸法」は、加工工程(ステップS103)の終了直後(図8における経過時間0[min])より急激に縮小し、経過時間が約20[min]に到達した後は、伸長に転じることが分かった。
なお、前記「ワーク温度」に関して、このような温度変化が生じるのは、次の理由によるものと考えられる。
即ち、加工工程(ステップS103)の終了直後における被加工物50の表面には、未だ蒸発しきれていないクーラント液が多量に付着している。
そして、前記クーラント液は、時間の経過とともに蒸発していくが、この際、蒸発するクーラント液が、被加工物50内に残留する熱を奪い取るため、「ワーク温度」は急激に下降するものと考えられる。
一方、被加工物50の表面に付着するクーラント液において、経過時間が20[min]となる頃には、該クーラント液の蒸発に伴って奪われる熱が、「外気温度」から受ける熱に比べて少なくなるため、その後は、「外気温度」に近付くように、「ワーク温度」は上昇すると考えられる。
このような「ワーク温度」の変化に伴う熱膨張の影響により、被加工物50の実際の「加工内径寸法」は経過時間によって異なる値を示すため、温度測定工程(ステップS104a)の終了から内径測定工程(ステップS104b)の開始までにかかる時間によっては、「測定寸法」として制御装置58のインジケーター58aに表示される値と、実際の「加工内径寸法」との間に大きな誤差が生じることとなる。
即ち、測定工程(ステップS104)においては、加工工程(ステップS103)の終了直後に、温度測定工程(ステップS104a)が行われるところ、内径測定工程(ステップS104b)が開始されるまでにかかる時間が長ければ、それだけ「ワーク温度」が低下する割合も大きくなる。
つまり、温度測定工程(ステップS104a)によって測定された、被加工物50の測定温度に比べて、内径測定工程(ステップS104b)を行う際の被加工物50の温度が大幅に低いと、熱膨張の影響によって、被加工物50は大きく縮小されることとなる。
その結果、制御装置58においては、温度測定工程(ステップS104a)の際の被加工物50ではなく、縮小された被加工物50の「測定寸法」に対して、「温度補正プログラム」による補正がなされるため、インジケーター58aに表示される値は、実際の「加工内径寸法」に比べて、大きな誤差を含むこととなるのである。
そこで、本実施例における測定工程(ステップS104)においては、温度測定工程(ステップS104a)の終了から内径測定工程(ステップS104b)の開始までにかかる時間に制限を設け、予め設定された時間(以下、「制限時間」と記す)内に測定工程(ステップS104)を終了することとしている。
なお、前記「制限時間」を促す具体的手段については、あらゆる手段が考えられるが、例えば、制御装置58にブザーや回転灯などを設け、前記「制限時間」の経過によってこれらブザーや回転灯などを作動させることとしてもよい。
前記「制限時間」は、次に示す方法によって決定される。
先ず、測定工程(ステップS104)において、予め許容(設定)されている測定値の要求精度に基づいて、被加工物50の「設定内径寸法」に対する測定誤差(R1)が設定される。
即ち、被加工物50を測定する際において、各工程には予め固有の要求精度がそれぞれ設定されており、例えば、測定工程(ステップS104)における要求精度がb[%]であって、前記「設定内径寸法」の上の寸法許容差、および下の寸法許容差が、それぞれ+c[μm]、および−c[μm]によって与えられている場合、前記「設定内径寸法」に対する測定誤差(R1)は、次の式(数式2)によって与えられる。
R1=(2×c)×(b/100)・・・(数式2)
つまり、測定工程(ステップS104)において、(2×c)[μm]からなる寸法公差を有する前記「設定内径寸法」を測定する場合には、寸法測定器56によって測定される測定値の誤差範囲が、測定誤差(R1)以内に収められる必要がある。
ここで、前記測定誤差(R1)の内容としては、寸法測定器56の構造上、繰り返し測定する際に発生する測定値のバラツキによるものや、被加工物50の熱膨張量など外気温度の変化によるものが考えられる。
そこで、本実施例においては、前記測定誤差(R1)のうち、前記被加工物50の熱膨張を原因とする誤差の許容値を、前記被加工物50の「加工内径寸法」の測定誤差(R2)として算出し、該測定誤差(R2)に基づいて設定される制限時間(t)によって、前記「加工内径寸法」を測定するタイミングを管理することで、寸法測定器56によって測定される測定値の誤差範囲が、前記測定誤差(R1)以内に収められるようにしている。
即ち、例えば、寸法測定器56の構造上、繰り返し測定する際に発生する測定値のバラツキによる測定誤差範囲がd[μm]である場合、前記「加工内径寸法」に対する測定誤差(R2)は、次の式(数式3)によって与えられる。
R2=R1−d
=[(2×c)×(b/100)]−d・・・(数式3)
そして、前記「加工内径寸法」に対する測定誤差(R2)が算出されれば、加工工程(ステップS103)が終了してからの経過時間と、前記被加工物50の「加工内径寸法」との関係より、前記加工工程(ステップS103)終了時点からの前記「加工内径寸法」の変化量が、前記「加工内径寸法」に対する測定誤差(R2)と等しくなる時点での、前記加工工程(ステップS103)終了からの経過時間をもって、制限時間(t)が設定される。
即ち、図8に示される、これら経過時間と「加工内径寸法」との関係を表した曲線において、前記加工工程(ステップS103)の終了時点である経過時間0[min]の加工内径寸法r1[μm]に対して、前記「加工内径寸法」に対する測定誤差(R2)分だけ変化した内径寸法r2[μm]を求め、該内径寸法r2[μm]に対応する前記曲線上の点における経過時間(t2)をもって、制限時間(t)とするのである。
このような方法により決定される「制限時間(t)」によって、温度測定工程(ステップS104a)の終了から内径測定工程(ステップS104b)の開始までにかかる時間を制限することで、被加工物50に対する熱膨張の影響を低減することが可能となり、測定ゲージ55の測定精度を向上させることができるのである。
以上のように、本実施例における加工装置1の加工方法は、被加工物50の筒状部50aの内周面50bの加工を、加工部をクーラント液54(52)で冷却しながら行う加工装置1による被加工物50の加工方法であって、前記加工装置1は、前記筒状部50aの内部に出入可能な刃具3と、該刃具3を保持しつつ、該刃具3を、前記筒状部50aの軸心を中心として回転させる主軸4と、を備え、前記刃具3は、前記主軸4に着脱可能に装着されるホルダー部32と、該ホルダー部32の先端縁部において、前記筒状部50aの内周面50bに向かって刃先が突出するようにして取付けられるチップ31と、を有し、前記加工装置1によって前記内周面50bを加工する際は、前記チップ31の取付け姿勢を調整する段取り作業100が行われ、該段取り作業100は、一定温度に保たれた室内空間にて前記チップ31を前記ホルダー部32に取付けるセッティング工程(ステップS101)と、該セッティング工程(ステップS101)の終了後、前記ホルダー部32の温度をクーラントタンク53内の前記クーラント液52(54)の温度に一致させ、その後、前記ホルダー部32を前記主軸4に取付ける取付工程(ステップS102)と、該取付工程(ステップS102)の終了後、前記ホルダー部32の温度を前記クーラント液54(52)の温度に一致させつつ、前記内周面50bを加工する加工工程(ステップS103)と、該加工工程(ステップS103)の終了後、前記被加工物50の温度を測定し、その後、予め設定された制限時間(t)内に前記筒状部50aの内径寸法を測定し、前記測定した内径寸法より前記測定した温度に見合った前記被加工物50の熱膨張量分を加減算して前記内径寸法の補正を行う測定工程(ステップS104)と、により構成されるものである。
このような構成を有することで、本実施例における加工装置1の加工方法によれば、被加工物50の筒状部50aの内周面50bを加工する加工装置1による被加工物50の加工方法であって、様々な温度変化による影響を受けることなく、チップ31の刃先を予め設定された位置に正確に固定保持する段取り作業100を実施することが可能となる。
即ち、セッティング工程(ステップS101)においては、ツールプリセッター61によってチップ31の刃先の位置を測定する際、周囲の温度(気温)を一定に保つことができるため、熱膨張の影響によってホルダー部32が伸縮し、前記刃先の位置を示す測定値がバラツキを生じることもない。
従って、チップの刃先の位置にバラツキが生じることもなく、チップ31の刃先の位置を「設定内径寸法」に基づいて正確に固定保持することができるのである。
また、取付工程(ステップS102)や加工工程(ステップS103)においては、ホルダー部32と被加工物50との間における温度差がなくなり、熱膨張の影響による互いの伸縮量の差もなくなる。
従って、チップ31の刃先に関する、被加工物50との相対的な位置にズレが生じることもなく、チップ31の刃先の位置を「設定内径寸法」に基づいて正確に固定保持することができるのである。
また、測定工程(ステップS104)においては、加工工程(ステップS103)の終了直後に被加工物50の温度を測定し、該測定温度に基づいて、測定された筒状部50aの「加工内径寸法」を補正するようになっているところ、前記被加工物50の温度を測定した後、制限時間内に即時に「加工内径寸法」を測定するため、該被加工物50の温度変化はほとんどなく、熱膨張の影響による伸縮量も僅かになる。
従って、前記補正による誤差は小さくなり、被加工物50の筒状部50aの内径寸法を正確に把握することが可能となり、チップ31の刃先の位置を「設定内径寸法」に基づいて正確に固定保持することができるのである。
また、本実施例における加工装置1の加工方法は、前記被加工物50と前記ホルダー部32とが、互いに異なる部材により形成される場合、前記チップ31は、前記ホルダー部32の軸心と直交する平面上にて、該軸心と同軸上に配設され、且つ、次の数式1を満たすφX[mm]を直径寸法とする円周上に位置するように、前記ホルダー部32に取付けられるものである。
(数式1)
φX=φ{Dh−(Dh/100)×αh×(Tc−Ts)+(Dh/100)×αw×(Tc−Ts)}・・・(数式1)
(但し、φDh[mm]は前記被加工物50の筒状部50aにおける狙いの内径寸法(即ち、「刃具径寸法」)、αh[mm/(100mm・℃)]は前記ホルダー部32の線膨張係数、αw[mm/(100mm・℃)]は前記被加工物50の線膨張係数、Tc[℃]は前記クーラント液54(52)の設定温度、Ts[℃]は前記室内空間の設定気温である。)
このような「補正算出式」により補正された寸法値を用いて、チップ31の刃先の位置を調整することで、本実施例におけるセッティング工程(ステップS101)では、刃具3のホルダー部32の材質と、被加工物50の材質とがそれぞれ異なる場合においても、該被加工物50の「加工内径寸法」が、「設定内径寸法」の寸法公差の範囲内に確実に収まるように、前記チップ31の刃先の位置を調整することを可能としている。
従って、セッティング工程(ステップS101)を行う際の周囲の温度(気温)が異なり、且つ刃具3のホルダー部32の材質と、被加工物50の材質とがそれぞれ異なる場合においても、チップ31の刃先の位置にバラツキが生じることなく、チップの刃先の位置を「設定内径寸法」に基づいて正確に固定保持することができるのである。
また、本実施例における加工装置1の加工方法において、前記測定工程(ステップS104)では、前記被加工物50の「設定内径寸法」の測定誤差(R1)のうち、前記被加工物50の熱膨張を原因とする誤差の許容値として、「加工内径寸法」の測定誤差(R2)が予め設定(算出)され、前記制限時間(t)は、加工工程(ステップS103)が終了してからの経過時間と、前記被加工物50の「加工内径寸法」との関係より、前記加工工程(ステップS103)終了時点からの前記「加工内径寸法」の変化量が前記許容値(「加工内径寸法」の測定誤差(R2))と等しくなる時点での、前記加工工程(ステップS103)終了からの経過時間(t2)に設定されるものである。
このような方法により決定される「制限時間(t)」によって、温度測定工程(ステップS104a)の終了から内径測定工程(ステップS104b)の開始までにかかる時間を制限することで、被加工物50に対する熱膨張の影響を低減することが可能となり、測定ゲージ55の測定精度を向上させることができる。
従って、正確な被加工物50の筒状部50aの「加工内径寸法」を把握することが可能となり、チップ31の刃先の位置を「設定内径寸法」に基づいて正確に固定保持することができるのである。
1 加工装置
3 刃具
4 主軸
31 チップ
32 ホルダー部
50 被加工物
50a 筒状部
50b 内周面
52 クーラント液
53 クーラントタンク
54 クーラント液
100 段取り作業
S101 セッティング工程
S102 取付工程
S103 加工工程
S104 測定工程
t 制限時間
t2 経過時間
R1 測定誤差
R2 測定誤差

Claims (3)

  1. 被加工物の筒状部の内周面の加工を、加工部をクーラント液で冷却しながら行う加工装置による被加工物の加工方法であって、
    前記加工装置は、
    前記筒状部の内部に出入可能な刃具と、
    該刃具を保持しつつ、該刃具を、前記筒状部の軸心を中心として回転させる主軸と、
    を備え、
    前記刃具は、
    前記主軸に着脱可能に装着されるホルダー部と、
    該ホルダー部の先端縁部において、前記筒状部の内周面に向かって刃先が突出するようにして取付けられるチップと、
    を有し、
    前記加工装置によって前記内周面を加工する際は、前記チップの取付け姿勢を調整する段取り作業が行われ、
    該段取り作業は、
    一定温度に保たれた室内空間にて前記チップを前記ホルダー部に取付けるセッティング工程と、
    該セッティング工程の終了後、前記ホルダー部の温度を前記クーラント液の温度に一致させ、その後、前記ホルダー部を前記主軸に取付ける取付工程と、
    該取付工程の終了後、前記ホルダー部の温度を前記クーラント液の温度に一致させつつ、前記内周面を加工する加工工程と、
    該加工工程の終了後、前記被加工物の温度を測定し、その後、予め設定された制限時間内に前記筒状部の内径寸法を測定し、前記測定した内径寸法より前記測定した温度に見合った前記被加工物の熱膨張量分を加減算して前記内径寸法の補正を行う測定工程と、
    により構成される、
    ことを特徴とする加工装置による被加工物の加工方法。
  2. 前記被加工物と前記ホルダー部とは、互いに異なる部材により形成され、
    前記チップは、
    前記ホルダー部の軸心と直交する平面上にて、該軸心と同軸上に配置され、且つ、次の数式1を満たすφX[mm]を直径寸法とする円周上に位置するように、前記ホルダー部に取付けられる、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の加工装置による被加工物の加工方法。
    (数式1)
    φX=φ{Dh−(Dh/100)×αh×(Tc−Ts)+(Dh/100)×αw×(Tc−Ts)}
    (但し、φDh[mm]は前記被加工物の筒状部における狙いの内径寸法、αh[mm/(100mm・℃)]は前記ホルダー部の線膨張係数、αw[mm/(100mm・℃)]は前記被加工物の線膨張係数、Tc[℃]は前記クーラント液の設定温度、Ts[℃]は前記室内空間の設定気温である。)
  3. 前記測定工程においては、
    前記筒状部の内径寸法の測定誤差のうち、前記被加工物の熱膨張を原因とする誤差の許容値が予め設定され、
    前記制限時間は、
    加工工程が終了してからの経過時間と、ボーリング加工によって実際に形成された前記被加工物の筒状部の内径寸法である加工内径寸法との関係より、
    前記加工工程終了時点からの内径寸法の変化量が前記許容値と等しくなる時点での、
    前記加工工程終了からの経過時間に設定される、
    ことを特徴とする、請求項1、または請求項2に記載の加工装置による被加工物の加工方法。
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