JP5381899B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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本発明は、低出銑比の操業であっても長期に亘って安定操業を達成するための高炉操業方法に関する。
高炉の操業では、炉頂からコークスと鉄鉱石を原料として装入し、炉下部の羽口からは高温高圧の空気または酸素濃度を富化した空気を吹き込み、コークスを燃焼させて発生した高温の還元ガス(COガス)により鉄鉱石を還元し、溶解して銑鉄を生成させ、炉下部の出銑口から排出する。
近年、コークスの代替として、安価で発熱量が高い微粉炭を羽口より吹込み、溶銑製造のコスト低減および生産性向上を図ってきている。溶銑を1トン製造するために使用した微粉炭量は微粉炭比(kg/pt)と呼ばれ、通常の操業での微粉炭比は80〜200kg/pt程度の範囲である。この範囲より上の微粉炭比では技術的困難を伴い、この範囲より下の微粉炭比は、技術的困難性は無いものの、コスト低減等のために粉砕設備や搬送設備を導入した目的に沿わないことが多いために、選択されないことが多い。
高炉で生産される出銑量は、羽口から送風された高温高圧の空気量(送風量)と酸素濃度を高めるために富化した酸素の量(酸素富化量)によって定まる。すなわち、羽口からの送酸量(送風中の酸素量と酸素富化量)を高めれば、単位時間当たりのコークスの燃焼量が増加し、これにより鉱石の還元および溶融が促進される。高炉における1日当たりの出銑量をこの高炉の炉内容積で除した値は出銑比(単位、t/dm)と呼ばれ、高炉の増産や減産等の操業度の指標となる。出銑比の値は、通常の操業で1.6〜2.4t/dm程度の範囲であり、この範囲の上下の出銑比では、いずれも技術的困難性を伴う。
例えば経済的事情により溶銑の需要量が低下する場合には、低出銑比を維持しながら操業を継続することが要求される。この場合、出銑比を低減するには、通常、上述で説明したとは逆の手段、すなわち送酸量を低下させて単位時間当たりに燃焼するコークス量を低下させ、鉱石の溶融量を低下させる手段が採られる。
送風量等を減少させると、羽口からの風速が低下するとともに、還元ガスの生成量も低下する。羽口前には、熱風によりコークスが旋回しながら燃焼しているレースウェイと呼ばれる部位が存在する。このレースウェイには、塊コークスの旋回時に互いに衝突することにより発生するコークス粉が存在する。このため、羽口前の風速が低下すると、レースウェイが小さくなるとともに、コークス粉がレースウェイの奥にある炉芯に蓄積される。さらに、送風量等の減少に伴う炉内通過ガス量の低下により、炉下部炉壁部が低温となり、ガス流速の低い領域に付着物が生成する。これらは総称して炉下部不活性現象とよばれ、高炉内の通気性、通液性の悪化や炉内装入物の荷下がり不良等を招き、円滑な操業を阻害する要因となる。
このため、通常、低出銑比操業を行う場合には、羽口前の風速や炉内通過ガス量の低下を極力抑制するために減産率に応じて送風に富化する酸素量を減らす手段や、コークス比を増加させて送風原単位を増加させて生産効率を悪化させる手段が採られてきた。この手段は、出銑比の低下には効果があるものの、これらの炉内通過ガス量の低下を極力抑制して出銑比を低減する操作は、炉頂から装入される装入物の熱容量の減少率に対してガスの熱容量の減少率が小さくなり、(装入物の熱容量)/(ガスの熱容量)で表される熱流比の低下に繋がってしまう。
ここで、炉頂に装入された鉱石は炉内を降下する間に炉内を上昇するガスにより昇温、還元されるが、このとき鉱石の溶融温度の近辺で鉱石は軟化し、さらに昇温されて完全に溶融する。この軟化から完全に溶融する間の半溶融の部分を融着帯と呼んでいる。熱流比が低下すると、すなわち降下する装入物の量が少なく、炉内を上昇するガスの流量が多いことになり、炉内の原料の昇温が早く進み、炉内の高いレベルで鉱石の軟化が開始されるため、融着帯の高さが上昇する。
一般に低出銑比操業では、前記の炉下部炉壁部における付着物の生成を防止するため、炉内通過ガスが周辺部に流れる比率を高めている。このような状況下で融着帯の高さが上昇すると、融着帯の根部が先行して上昇し、融着帯の形状がフラット型になる。融着帯の形状は高炉の通気性の良否に大きく影響し、融着帯の頂部が高くなるいわゆる中心流型融着帯(逆V型)においては、通気性が良好となり、安定した高炉操業状況が保たれる。一方、フラット型融着帯においては、通気性の悪化や炉内装入物の荷下がり不良を招き、操業状況が不安定になってくる。
また、融着帯の高さが上昇すると、羽口前で発生してガス流に同伴して炉内を上昇するSiOガスと溶銑との接触時間が長くなり、溶銑中のSi量が上昇することになる。溶銑中のSi量が上昇すると、溶銑を精錬する製鋼工程において、脱珪のための造滓材の使用量が増加するといった悪影響を生じるので、好ましくない。
低出銑比操業において溶銑中のSi量の上昇を抑制する手段として、特許文献1には、送風量を維持して、送風の酸素量を減産率に応じて低下させることによって、レースウェイ深度の低下を防止し、溶銑の滴下速度を保持することで溶銑中のSi量の上昇を抑制する発明が開示されている。
また、特許文献2には、シャフト部における熱流比を0.7以下とし、かつ送風温度を500℃以下とすることによって、溶銑中のSi量の上昇を抑制する発明が開示されている。
特開平9−143518号公報 特開2001−123208号公報
しかし、特許文献1、2により開示された発明は、低出銑比操業において溶銑中のSi量の上昇を抑制する点では、確かに効果があるものの、明らかに熱流比が低下し、前述したように熱流比の低下による融着帯の高さの上昇および形状の変化による通気性の悪化、それに起因した操業状況の不安定化は回避できない。
前記したように、低出銑比操業において安定した操業を行う場合、炉内ガス量低下による炉下部不活性現象を懸念し、減産に伴う炉内ガス量の低下を極力抑制するのが好ましい。しかし、一方、炉内通過ガス量の低下を極力抑制して出銑比を低減する操作は、炉頂から装入される装入物の熱容量の減少率に対してガスの熱容量の減少率が小さくなり、(装入物の熱容量)/(ガスの熱容量)で表される熱流比の低下に繋がり、融着帯の高さの上昇および形状の変化による操業状況の不安定化および溶銑中Si量の上昇という悪影響を生じる。
このため、低出銑比操業において安定した操業を行う場合、炉下部不活性現象を防止する炉内ガス量と、融着帯の高さや形状を支配する熱流比との兼ね合いが重要となる。しかし、上記のように低出銑比操業において炉下部不活性現象を防止する炉内ガス量と融着帯の高さや形状を支配する熱流比との兼ね合いを考慮して高炉操業に反映させる手段は、これまで全く知られていない。
本発明は、低出銑比操業におけるこの課題に鑑みてなされたものであり、低出銑比操業時において懸念される炉下部不活性現象を防止しながら、炉内通気性を良好に保ち、安定した操業を可能とする高炉操業方法を提供することである。
本発明者は、高炉の低出銑比操業、特に出銑比1.4t/dm以下の操業において上述した課題を解決するために検討を重ねた結果、
(a)羽口前部断面積、ボッシュガス量、羽口前温度、送風圧力を用いて算出した高炉炉下部におけるボッシュガスエネルギーEと、炉内通気性との間には、明確な相関関係があること、
(b)ボッシュガスエネルギーEを所定のレベル以上の範囲に制御することにより炉下部不活性現象の防止が可能であること、および
(c)(装入物の熱容量)/(ガスの熱容量)で表される熱流比を所定のレベル以上の範囲に制御することにより、炉内通気性を良好に保ち、炉下部不活性現象を防止した上で、微粉炭比80kg/pt以上において安定した低出銑比操業を行い得ること
という知見(a)〜(c)に基づいてなされたものである。
本発明は、出銑比1.4t/dm以下の高炉の操業において、羽口前部断面積、ボッシュガス量、羽口前温度、送風圧力を用いて算出した高炉炉下部におけるボッシュガスエネルギーEを0.70以上とし、かつ、(装入物の熱容量)/(ガスの熱容量)で表される熱流比を0.73以上とした条件で操業することを特徴とする高炉操業方法である。
本発明は、微粉炭比80kg/pt以上の高炉操業に適用されることが効果的である。
Figure 0005381899
Figure 0005381899
図1は、高炉の炉体の半分を示す説明図である。図1に示すように、高炉の本体は口の大きなトックリ形をしており、上から炉口部、シャフト部、ベリー部、ボッシュ部と呼ばれる。ボッシュガス量とは、ボッシュ部を上昇するガス量を意味し、下記(3)式により定義される。
Figure 0005381899
酸素以外の添加ガス量VNCARは、高炉羽口に入るガスの内、送風量、酸素富化量以外の非酸素ガスの量であり、例えば微粉炭キャリアガスなどのうち酸素以外のガスの量である。
羽口前部断面積とは、図1の羽口レベルの炉内半径rを用いて算出される断面積である。
羽口前温度とは、羽口先温度、理論燃焼温度などともいわれる。補助燃料の分解熱など詳細部分の考え方に依って多くの定義式が有るが、基本的には、羽口前に断熱部分を想定して燃焼による昇温を理論的に算出するものである。本発明では、羽口前温度は下記(4)式で算出される数値を羽口前温度とする。
Figure 0005381899
図1は、高炉の炉体の半分を示す説明図である。 図2は、ボッシュガスエネルギーと通気抵抗指数KRとの関係を示すグラフである。 図3は、熱流比と荷下り指数との関係を示すグラフである。 図4は、実施例の操業推移を示すグラフである。 図5は、推定炉内温度プロフィールを示すグラフである。
以下、本発明を説明する。
本発明は、出銑比1.4t/dm以下で炉内に微粉炭を80kg/pt以上吹き込んで操業する高炉の操業において、ボッシュ部断面積、ボッシュガス量、羽口前温度、送風圧力を用いて算出した高炉炉下部におけるボッシュガスエネルギーEが0.70以上であって、かつ、(装入物の熱容量)/(ガスの熱容量)で表される熱流比が0.73以上の条件を満足するように送風空気量と送風空気中の酸素富化量を制御する。
本発明において、ボッシュガスエネルギーEを0.70以上に制御する理由は、低出銑比操業において懸念される炉下部不活性現象を防止するためである。低出銑比操業では、通常送風量を減少させるため、羽口からの風速が低下するとともに、還元ガスの生成量も低下する。
上述したように、羽口前には、熱風によりコークスが旋回しながら燃焼しているレースウェイと呼ばれる部位が存在する。このレースウェイには、塊コークスが旋回時に互いに衝突することにより発生するコークス粉が存在する。したがって、羽口前の風速が低下すると、レースウェイが小さくなるとともに、コークス粉がレースウェイの奥にある炉芯に蓄積される。さらに、送風量の減少に伴う炉内通過ガス量の低下により、炉下部炉壁部が低温となり、ガス流速が低い領域には付着物が生成する。これらは総称して炉下部不活性現象とよばれ、高炉内の通気性や通液性の悪化や、炉内装入物の荷下がり不良を招き、円滑な操業を阻害する要因となる。
したがって、炉芯に蓄積される粉を排出するためにガスエネルギーを、また炉下部炉壁部の低温化を防止するためにガス流速を所定のレベル範囲以上に確保すれば、上記のような炉下部不活性現象を防止することが可能になる。
図2は、ガスエネルギーとガス流速を包括した指標であるボッシュガスエネルギーEと、炉内の通気性を示す通気抵抗指数KRとの関係を示すグラフである。
ここで、通気抵抗指数KRは、層流域および乱流域のいずれのガス流れ領域においても圧損を精度良く表現できるS.Ergunの圧損式の記述形式に基き、摩擦係数を高炉内のガス流れに関するレイノルズ数の関数として記述し、下記の(12)〜(21)式により算出した値である。
Figure 0005381899
図2のグラフによれば、ボッシュガスエネルギーEが0.7未満になると、通気抵抗指数KRが増加することがわかる。これは、ボッシュガスエネルギーEが過度に低下すると、ガスエネルギーの低下により炉芯に蓄積する粉の排出が困難になることや、炉内通過ガス量の低下により炉下部炉壁部が低温となり、ガス流速の低い領域に付着物が生成することに起因して高炉内の通気性の悪化が生じることが原因であると推察される。
したがって、ボッシュガスエネルギーEを0.70以上に制御すれば、炉下部不活性現象を防止することができることがわかる。
一方、本発明において、熱流比を0.73以上に制御するのは、熱流比が0.73未満に低下すると炉内の原料の昇温が早く進み、融着帯の高さが上昇し、融着帯の高さの上昇および形状の変化による操業状況の不安定化および溶銑中Si量の上昇という悪影響を防止するためである。
上述したように、一般に低出銑比操業では、炉下部炉壁部における付着物の生成を防止するため、炉内通過ガスが周辺部に流れる比率を高める。このような状況下で融着帯の高さが上昇すると、融着帯の根部が先行して上昇し、融着帯の形状がフラット型になる。融着帯の形状は高炉の通気性の良否に大きく影響し、融着帯の頂部が高くなるいわゆる中心流型融着帯(逆V型)においては、通気性が良好となり、安定した高炉操業状況が保たれる。これに対し、フラット型融着帯においては、通気性の悪化や炉内装入物の荷下がり不良を招き、操業状況が不安定になる。
また、融着帯の高さが上昇すると、羽口前で発生してガス流に同伴して炉内を上昇するSiOガスと溶銑との接触時間が長くなり、溶銑中のSi量が上昇することになる。溶銑中のSi量が上昇すると、溶銑を精錬する製鋼工程において、脱硫のための造滓材の使用量が増加するといった悪影響が生じるので好ましくない。
図3は、熱流比と炉内装入物の荷下がりの安定性を示す指標である荷下り指数との関係を示すグラフである。
一般の高炉では、炉頂に具備されたサウンジング装置により装入物の荷下り状況を検出している。炉頂からサウンジングロッドを装入物上面に降下させて装入物深さを測定し、さらに装入物とともに荷下り速度を測定した後に捲上げて原料装入等を行って再び降下させる。また、この一連の操作をバッチと呼んでおり、高炉操業ではこの繰り返しを行っている。
ここで荷下り指数とは上記サウンジング測定によるデータから、下記の式により算出した値である。
Figure 0005381899
図3のグラフによれば、熱流比が0.73未満の場合、荷下り指数が悪化することがわかる。これは、熱流比の低下により、融着帯の高さの上昇および形状の変化で装入物の荷下がり不良を招き、操業状況が不安定になったことが原因であると推察される。したがって、熱流比を0.73以上に制御すれば、融着帯の高さの上昇および形状の変化による操業状況の不安定化を防止できることがわかる。
本発明において、ボッシュガスエネルギーEおよび熱流比を、いずれも上述した範囲に制御する手段としては、送風量、酸素富化量、またコークス比を調整することにより行うことができる。コークス比は、高炉炉内の熱バランスによって概ね決定されるため調整の自由度が低いため、本発明では、送風量および/または酸素富化量を調整することによって、ボッシュガスエネルギーEおよび熱流比の調整を行うことが好ましい。
また、仮に出銑量を一定とした場合には、送風量と酸素富化量との兼ね合い、すなわち送風空気中への酸素富化率によってボッシュガスエネルギーEおよび熱流比を制御することが可能である。
具体的には、出銑量を一定とした場合、酸素富化率が低いほどボッシュガス量の値が大きくなるため、ボッシュガスエネルギーEの値は大きくなる。また、酸素富化率が高いほどボッシュガス量の値が小さくなるため、熱流比の値は大きくなる。
また、酸素富化率を変化させることにより、酸素過剰率(送酸量と微粉炭を完全燃焼させるために必要な理論酸素量との比)が変化するため微粉炭の燃焼率(微粉炭中の可燃分の消費率)が変化する。
通常、低出銑比操業を行う場合には、羽口前の風速や炉内通過ガス量の低下を極力抑制するために減産率に応じて送風に富化する酸素量を減らす(酸素富化率低下)方法が採られる。その際、酸素富化率低下により微粉炭の燃焼率が低下し、レースウェイ内で燃焼しきれない未燃チャーが炉内に多量に排出され蓄積し、高炉内で通気性を阻害する問題があった。
そのような理由で低出銑比操業時には微粉炭吹込み操業が難しいとされてきた。特に本発明で既定した出銑比1.4t/d/m以下の操業においては、酸素富化を実施しないのが通常であり、前述した理由により、微粉炭吹込み操業は行われていなかった。
また、高炉において微粉炭比を低下させると炉内へ投入される微粉炭由来の水素が低下する。炉内への投入水素量が低下すると、装入物の荷下がり不良を招くことが一般的に知られる。
本発明により、ボッシュガスエネルギーEを0.70以上とし、かつ熱流比を0.73以上とした条件で酸素富化率を増加させることにより、微粉炭の燃焼率が確保され、微粉炭吹込み操業が可能となる。微粉炭の吹込みにより炉内への投入水素が増加し、装入物の荷下がりの不良も抑制することが可能となる。なお、微粉炭比に関しては、通常の高炉操業の範囲で80〜200kg/ptの範囲が好ましい。
したがって、低出銑比操業において安定操業を達成するためには、炉下部不活性現象を防止するためにボッシュガスエネルギーEを0.70以上とし、かつ融着帯の高さの上昇および形状の変化による操業状況の不安定化を防止するために熱流比が0.73以上になるように送風量と富化酸素量を調整することが好ましい。
なお、ボッシュガスエネルギーEが過大になると炉内装入物の荷重による力に対してガスによる下方からの押上げ力が過大となり、炉内装入物の降下異常を招くことが一般的に言われおり、出銑比1.4t/dm以下の操業では、ボッシュガスエネルギーEは1.0以下であることが好ましい。
また、熱流比のも、過大になると鉄鉱石の還元反応を円滑に進めることが困難になると一般的に言われおり、熱流比は0.90以下であることが好ましい。
出銑比の下限は、一般的な1.0t/d/mであることが好ましい。
炉容積が2150mの高炉を対象として、本発明の高炉操業方法により操業を行った。図4は、この高炉の低出銑比操業の推移を示すグラフである。また、表1には、出銑比1.4t/d/m以下の操業において本発明法の操業方法で実施した操業条件と操業実績をまとめて、従来の場合と比較して示す。
Figure 0005381899
この高炉は、経済的理由による溶銑需要の低下に伴い、出銑比を約2.0t/d/mから1.4t/d/m以下まで低下していった。
初めは、従来の低出銑比操業の考え方に基づき、炉下部不活性現象を防止すべくボッシュガスエネルギーEを出来る限り維持するため、酸素富化率を0%まで下げた状態で操業していたが、熱流比が大きく低下し、通気抵抗指数KRの悪化および荷下り指数の悪化を招き、操業状況が不安定になっていた。
そこで、本発明に基づき、ボッシュガスエネルギーEを、0.7kg/m/sec以上に維持しつつ、微粉炭比を約130kg/ptとした状態で酸素富化率を約1%まで増加し、熱流比を0.73以上に上げる操業へ移行した。
図5は、高炉シミュレーションモデルを用いて操業データを解析し、高炉炉内の温度プロフィールを推定して得られた、推定炉内温度プロフィールを示すグラフであり、図5内の斜線部分が融着帯に相当する。
従来法では、融着帯の高さが上昇し、形状がフラット型になっていたが、本発明の操業方法を行うことで熱流比が増加したことにより融着帯の高さが低下し、形状が逆V型に変化した。
また、微粉炭比が増加したことにより投入水素が7.30kg/ptから8.79kg/ptまで増加した。その結果、通気抵抗指数KR、荷下り指数も低下し、操業が安定化した。

Claims (2)

  1. 出銑比1.4t/dm以下の高炉において、羽口前部断面積、ボッシュガス量、羽口前温度、送風圧力を用いて算出した高炉炉下部におけるボッシュガスエネルギーEを0.70以上とし、かつ、(装入物の熱容量)/(ガスの熱容量)で表される熱流比を0.73以上とした条件で操業することを特徴とする高炉操業方法。
    ここで、ボッシュガスエネルギーEは、下記(24)式で定義される、高炉ボッシュ部におけるガスエネルギーであり、熱流比は、下記(25)式で定義される、(装入物の熱容量)/(ガスの熱容量)の比である。
    Figure 0005381899
  2. 炉内に微粉炭を80kg/pt以上吹き込んで操業する請求項1に記載された高炉操業方法。
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