JP2011111631A - 高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉の減産期などの炉口平均ガス流速が小さく維持される操業環境下においても、実操業に有利に適用できる方法によって炉壁の亜鉛付着物の生成、蓄積を効果的に抑制すること。
【解決手段】炉口平均ガス流速Vaが1.0(m/s)以下に維持される高炉操業方法において、前記炉口平均ガス流速Vaと炉口中心ガス温度Tcとが下式(1)を満足するようにして操業を行うことを特徴とする高炉操業方法。
Tc(℃) ≧ -720Va(m/s)+1160 ・・・ (1)
【選択図】図1

Description

本発明は高炉の操業方法に関し、特に亜鉛を含む塊成鉱などの酸化鉄原料を高炉装入原料として用いる操業において、高炉炉壁の亜鉛付着物の生成、蓄積を効果的に抑制する高炉操業方法に関する。
周知の通り、高炉の酸化鉄原料としては塊鉱石と、焼結鉱やペレットなどの塊成鉱が使用される。このうち塊成鉱は主として粉鉱石を焼成して得られるが資源、環境及びコスト削減の観点から、製鉄所から発生する酸化鉄を含有する各種のダスト(あるいはスラジ)もその原料として有効利用されている。この利用ダストとして転炉ダスト、高炉ダストなどがあるがこれらのダストには通常亜鉛が含有されている。転炉に使用されるスクラップには亜鉛めっき製品の廃品が含まれるため精錬時に排出される転炉ダストには亜鉛が混入されることになり、またこの転炉ダストの高炉での使用の結果、高炉から排出される高炉ダストにも亜鉛が含有されることになる。上記含亜鉛ダストの亜鉛含有量は転炉ダストで0.5〜1.5質量%程度、高炉ダストで0.1〜10 質量%程度でり、これらの含亜鉛ダストを製鉄所から発生するほかのダストとともに高炉の酸化鉄原料として有効利用しようとすると、塊成鉱の亜鉛含有量は0.004 〜 0.035質量%程度となる。また、この塊成鉱の他にも石灰石や珪素石などの副原料にも亜鉛が含まれているがその量は極く僅かである。
こうした事情から、塊成鉱を高炉の酸化鉄原料とした場合は炉内にこれに含まれる亜鉛が相当量インプットされることになり、その一部は炉内を上昇する還元ガス流とともに蒸気としてあるいはダストに付着した形態で炉頂より炉外に排出されるものの、その一部は低温部である炉上部の炉壁の内面に付着物となって残存し、炉内に滞留、蓄積することになる。
この亜鉛付着物が多量に生成、蓄積すると、高炉の実稼動容積が減少するとともに、装入物の円滑な荷下りを阻害し、棚刷りやスリップの原因となり炉況を不安定とする。特に、酸化鉄原料として亜鉛を含有しない生鉱石と亜鉛を含有する塊成鉱の併用時に亜鉛を含有する塊成鉱を50質量%以上多配合する場合(全量塊成鉱とする場合も含む)で且つ減産期のように送風量を下げた操業を余儀なくされるようなときは、上記の悪影響が顕著となり、効率的で安定した高炉操業を維持できなくる場合が出てくる。
従来においてもこの亜鉛の高炉内へのインプットによる問題が既に認識されており、これを解消する手段として、高炉の中心部に亜鉛含有量の高い塊成鉱を装入する方法(特許文献1など)や逆に高炉の周辺部に亜鉛含有量の少ない塊成鉱を装入する方法(特許文献2など)が提案されている。
しかし、これらの方法は炉壁の亜鉛付着物の生成を抑制することは可能であるとしても、予め装入する塊成鉱中の亜鉛含有量を正確に把握しておく必要があるとともに、その亜鉛の含有量に応じて炉の中心部や周辺部に振り分けて限定装入しなければならず、また亜鉛含有量の高い塊成鉱の中心部への装入量も自ずと制限されるなど高炉操業上の各種の制約を受けることになり、実操業に適用する方法としてはその煩雑さにおいて難点を有するものであった。
特開平11−217606号公報 特開2008−88538号公報 特開2008−184626号公報
そこで、本発明はこのような従来技術の問題を解決し、高炉の減産期などの炉口平均ガス流速が小さく維持される操業環境下においても、実操業に有利に適用できる方法によって炉壁の亜鉛付着物の生成、蓄積を効果的に抑制することをその技術課題としてなされたものである。
本発明は、この課題を解決するための具体的手段として、以下の高炉操業方法を提案するものである。
1.炉口平均ガス流速Vaが1.0(m/s)以下に維持される高炉操業方法において、前記炉口平均ガス流速Vaと炉口中心ガス温度Tcとが下式(1)を満足するようにして操業を行うことを特徴とする高炉操業方法。
Tc(℃) ≧ -720Va(m/s)+1160 ・・・ (1)
2.上記式(1)を満足させるために、炉口中心ガス温度Tcについては酸化鉄原料とコークスの炉内半径方向における層厚比及び羽口面積から選ばれる一種以上の操作因子を調整することにより、炉口平均ガス流速Vaについては微粉炭比、富化酸素率、送風量及び炉頂圧から選ばれる一種以上の操作因子を調整することにより、炉口中心ガス温度Tcまたは/及び炉口平均ガス流速を変更すること特徴とする上記1に記載の高炉操業方法。
本発明によれば、高炉の減産期などの炉口平均ガス流速が1.0(m/s)以下に維持される操業環境下においても、焼結鉱やペレットなどの塊成鉱中の亜鉛の含有量を正確に把握しておく必要がなく、またその亜鉛の含有量に応じて炉の中心部や周辺部に振り分けて限定装入する必要も無く、また転炉ダストや高炉ダストなどの高炉への装入上限値を緩和できるなど、従来のように操業上の各種の制約に伴う煩雑な対策を採ることなく、高炉の実操業に適した比較的容易な方法により高炉の炉壁の亜鉛付着物の生成、蓄積を効果的に抑制することができ、この結果、効率的で安定した炉況の下で高炉操業を実現できるといった優れた効果を奏するものである。
減産期の高炉操業における炉壁付着物中の亜鉛の蓄積、排出状況とそのときの炉口平均ガス流速Va(m/s)(横軸)及び炉口中心ガス温度Tc(℃)(縦軸)との関係を示したグラフである。
前記の亜鉛を含む塊成鉱を原料として多配合(50%以上)し、且つ出銑比を1.8(t/d/m)以下に調整する減産操業を行うに当たっては通常高炉内への投入酸素量を下げるため送風量、富化酸素率を減少させるが、このような操業条件下においては必然的に炉口ガス流量が低下してしまい、この結果、炉頂からのダストの排出が減少し、高炉内の炉壁に亜鉛の付着物が生成、蓄積しやすくなる。とりわけ、炉口平均ガス流速が1.0(m/s)以下となる場合では、減産前の通常操業に比べて亜鉛の付着物の生成が顕著となり、その蓄積量が増加し、前述のごとく高炉操業の効率やの炉況の安定化の維持に支障をきたすことになる。
本発明者らは、こうした亜鉛付着物の生成、蓄積が顕著となる減産期下の操業などにおいてもこれを効果的に抑制し、且つ実操業への適用が容易な方法を見出すべく、実際の減産操業を通じて鋭意、検討及び試行を継続したところ、炉口平均ガス流速が1.0(m/s)以下となる条件の範囲内においてこの炉口平均ガス流速と炉口中心ガス温度とを一定の関係を保つようにバランスさせて選定、制御することによって前記の課題が解決できることを確認し、本発明を完成するに至った。
図1はペレット(亜鉛の含有量:約0.004〜0.035 質量%)を鉱石原料(酸化鉄原料)としてコークス中心装入及び微粉炭吹き込み(MAX 微粉炭比:200kg/tp)を行う容積2112mの高炉を対象とし、出銑比(平均)2.1(t/d/m3)、の通常操業から、出銑比1.2〜1.9(t/d/m3)の減産操業に切り替えておよそ8ヶ月に亘り、減産を継続した際の、炉壁付着物中の亜鉛の蓄積、排出状況とそのときの炉口平均ガス流速Va(m/s)(横軸)及び炉口中心ガス温度Tc(℃)との関係を示したものである。
ここで、炉壁付着物中の亜鉛の蓄積、排出状況の調査、確認は、各炉口平均ガス流速Va及び炉口中心ガス温度Tcにおける装入ペレットや石灰石、珪石などの分析により求めた単位時間当たりのインプット亜鉛の総量と、炉頂から排出されるダストより求めた単位時間当たりアウトプット亜鉛の総量との比較により行った。図中●印はアウトプット亜鉛の量がインプット亜鉛の量より多い又は同じ(バランス)場合すなわち亜鉛が炉壁付着物として蓄積されずに炉外に円滑に排出されている状態を示し、一方図中×印は逆にアウトプット亜鉛の量がインプット亜鉛の量より多い場合ですなわち亜鉛が炉壁付着物として蓄積、増加している状態を示しているものである。ここにおける炉口中心ガス温度Tcは炉口部に掛け渡して配置した水平ゾンデ(クロスゾンデ)により測定した結果である。また、炉口平均ガス流速Vaは次式(2)に基づいて計算で求めた。
炉口平均ガス流速Va(m/s)=(1/60)
*炉頂ガス発生量(Nm/min)/炉口断面積(m
*1033/{炉頂圧(g/cmG)+1033}
*{炉頂温度(℃)+273}/273 ・・・(2)
但し、
炉頂ガス発生量(Nm/min)=ボッシュガス量(Nm/min)
*羽口からの投入ガス中N(容量%)/炉頂ガス中N(容量%)
・・・(3)
また、
ボッシュガス量(Nm/min)=投入窒素量(Nm/min)
+投入水素量(Nm/min)
+2*投入酸素量(Nm/min) ・・・(4)
とする。
なお、(4)式で投入酸素量を2倍しているのは羽口先でその全量がCOガスになると仮定しているためである。
そこで、発明者らはこうした図1に示す炉口平均ガス流速Va及び炉口中心ガス温度Tcの変化に伴う炉壁の亜鉛付着物の蓄積、排出状況の監視、調査結果から、炉口平均ガス流速が1.0(m/s)以下の減産操業下における炉壁の亜鉛付着物の生成、蓄積を抑制するためには、亜鉛が排出される状態の●印と蓄積される状態の×印の境界を示す直線Sの上側の領域に炉口平均ガス流速Vaと炉口中心ガス温度Tを制御すれば良いことを知見した。
この知見に基づき、本発明では、亜鉛を含む塊成鉱を酸化鉄原料とし、炉口平均ガス流速Vaが1.0(m/s)以下に維持される高炉操業方法において、この炉口平均ガス流速Vaと炉口中心ガス温度Tcとが下式(1)を満たすようにして操業を行う方法を提案するものである。
Tc(℃) ≧ -720Va(m/s)+1160 ・・・ (1)
すなわち、図中の直線Sは上記(1)式の等号部分の一次式に相当し、亜鉛が排出される状態の●印のデータは豊富である一方、亜鉛が蓄積される状態の×印のデータは3点しかないため、×印のデータのうちもっとも●印のデータ群に近接した1点のデータとこれに近接した3点の●印のデータの中間を境界として判定し、この境界に直線Sを引き、この直線Sを亜鉛の蓄積有無を左右する境界を示す一次式として近似したものである。×印のデータが少ないのは本データは上述のように実操業のものであるために、亜鉛が蓄積状態となる場合は炉況悪化が認められたことから試験的な操業の継続に無理があると判断し、直ちに正常な炉況に復帰すべく炉口平均ガス流速Vaと炉口中心ガス温度Tcを高い側つまり直線Sの上側の亜鉛の蓄積がない領域に制御したものである。直線Sは亜鉛が排出される状態の●印3点の近傍境界に引いたものであるため、×印のデータがこれら●印のデータのすべての近傍に位置したもがなくとも、直線Sの上側の領域に制御すれば、つまり(1)式を満足する制御を行えば本発明の課題を十分に達成できるものである。
本発明の上記(1)式の技術的意義に関する論理的根拠について説明する。塊成鉱中の亜鉛はその沸点が900℃前後であるため塊成鉱の炉内降下に伴なって半径方向の装入位置によって異なるが炉の中間部辺りからその表面層より少しずつ蒸発を開始し、炉下部において塊成鉱が溶融した時点でその全量が蒸発する。そして蒸発した亜鉛は炉内を上昇する還元ガス流に乗って上昇し、一部は降下してくる原料に付着して炉内を循環、滞留する一方、その残り一部は亜鉛の蒸気状態のままあるいは粉化した原料のダストに酸化亜鉛として付着した状態で還元ガス流により炉頂から炉外に排出され、さらにその残りの一部は還元ガス流から低温部の上部炉壁に酸化亜鉛の状態でトラップされ亜鉛付着物を形成することになる。
従って、前述のように高炉操業において有害となる炉壁の亜鉛付着物を抑制するためには、
(イ)炉内における還元ガス流を高温として亜鉛をできる限り蒸気の状態に維持して炉外に排出させること、及び
(ロ)炉内における還元ガス流の流速を大きくして酸化亜鉛が付着したダストをできる限り炉内に滞留させずに短時間で炉外に排出させること、
が肝要となる。
炉壁の亜鉛付着物を抑制のための制御対象である(1)式における炉口中心ガス温度Tcは上記(イ)の亜鉛の排出挙動を支配し、炉口平均ガス流速Vaは上記(ロ)の亜鉛の排出挙動を支配するものであり、これらの密接な相関は論理的な考察においても矛盾がないとともに、同(1)式は図1のデータ群から裏づけされるように炉内にインプットされた亜鉛と少なくとも同量の亜鉛を円滑に炉外にアウトプットすることを規定したものあり、その技術的意義は明確に理解されるところである。
なお、図1のA〜Cのプロットについては後述の実施例のところで詳述する。
さて、(1)式に基づいて亜鉛付着物を抑制する際の実際の方法について以下に説明することにする。
本高炉操業方法においては、減産期下の操業の如く、炉口平均ガス流速Vaが1.0(m/s)以下の操業条件のもとで、この炉口平均ガス流速Vaと炉口中心ガス温度Tcの関係を(1)式を満足するように制御、調整すればよいわけであるが、そのために先ず、常にあるいは定期的に両者の現状を把握、監視しておく。炉口平均ガス流速Vaについては前記(2)式の計算で求めた結果を把握する。炉口中心ガス温度Tcについては水平ゾンデの実測値により把握する。
次に、把握された炉口平均ガス流速Vaの値が上記の1.0(m/s)以下のときに、炉口中心ガス温度Tcの値を(1)式に代入して、同式を満足するかどうかを確認する。
そして、(1)式を満足しない場合に、制御のアクションをとる。
制御のアクションは炉口中心ガス温度Tc又は/及び炉口平均ガス流速Vのいずれの対象を変更しても良いが、両者の値を見てその乖離の状態から、変更幅の少なく制御の容易な対象の一つ適宜選択する。通常は、炉口中心ガス温度Tcの変更による制御を優先し、次にこの制御が困難である場合には及び炉口平均ガス流速Vを変更し、さらにそれでも制御が困難なときにはこれら二つを合わせて変更するようにする。
次に、炉口中心ガス温度Tc、炉口平均ガス流速Vをそれぞれ変更する場合の具体的な操作因子(条件)について説明する。
炉口中心ガス温度Tcの変更に対しての操作因子として、酸化鉄原料(以下単に鉱石という)とコークスの炉内半径方向における層厚比、羽口面積などが有効である。
鉱石とコークスの層厚比に関しては、鉱石の層厚をL、コークスの層厚をLとすると中心側(例えば中心を0、周端を1としたときの無次元半径0〜0.2の間)のL/(L+L)または周辺側(同無次元半径0.8〜1の間)のL/(L+L)を調整する。すなわち、炉口中心ガス温度Tcを高くする場合は、中心側のL/(L+L)を小さくするか、周辺側のL/(L+L)を大きくする。また逆に炉口中心ガス温度Tcを低くする場合には、中心側のL/(L+L)を大きくするか、周辺側のL/(L+L)を小さくする。
羽口面積については、高炉に設けられた全羽口の有効面積(総面積)を調整する。すなわち、炉口中心ガス温度Tcを高くする場合は、羽口総面積を小さくし、反対に炉口中心ガス温度Tcを低くする場合には、羽口総面積を大きくする。羽口の総面積を変更するには必要とする面積に応じてあらかじめ準備したリングを羽口の内周に取り付けるか、必要とする面積に対応する内径の羽口と交換するようにする。
炉口平均ガス流速Vの変更に対しての操作因子としては、微粉炭比、富化酸素率、送風量及び炉頂圧などが有効である。これら操作因子による同ガス流速Vの変更の上限は当然ながら1.0(m/s)となる。
微粉炭比に関しては、炉口平均ガス流速Vを高くする場合は、微粉炭比を上げてコークス比を下げ、炉口平均ガス流速Vを低くする場合には、微粉炭比を下げてコークス比を上げて調整する。
富化酸素率に関しては、炉口平均ガス流速Vを高くする場合は、投入酸素率一定の条件下において富化酸素率を減少させ、反対に炉口平均ガス流速Vを低くする場合は、富化酸素率を増加させて調整を行う。なお、ここでいう富化酸素率とは下式により定義される。
富化酸素率(%)
=〔{(VHB*0.21+VO)-(VHB+VO)*0.21}/(VHB+VO)〕*100・・・(5)
但し、 VHB:送風量(Nm/min)、 VO:添加(富化)酸素量(Nm/min)
また、送風量については、炉口平均ガス流速Vを高くする場合は、送風量を増加させ、反対に炉口平均ガス流速Vを低くする場合は、送風量を減少させて調整する。
さらに、炉頂圧に関しては、炉口平均ガス流速Vを高くする場合は、炉頂圧を低下させ、反対に炉口平均ガス流速Vを低くする場合は、炉頂圧を増加させて調整する。
このように、本発明では通常の高炉操業においてその操業条件の変更や炉況の安定化などのために一般に使用されている操作因子を調整することにより、炉口平均ガス流速Vaと炉口中心ガス温度Tcの値を前記(1)式を満足する範囲に変更、制御し、この結果、炉壁の亜鉛付着物を確実に抑制できるが、(1)式を満足する範囲でさらに、炉口平均ガス流速Vaについては0.75(m/s)以上に、また炉口中心ガス温度Tcについては600(℃)以下に保持されるように制御することが好ましい。
これは、炉口平均ガス流速Vaについては上記の値よりも低くなるときは装入原料の堆積角が過大となり炉内装入分布が不安定となる恐れがあり、また、炉口中心ガス温度Tc が上記の値より高温となると炉頂設備に対する熱負荷が過大となり設備寿命が短くなってしまうからである。
なお、本発明について 減産期下の高炉操業への適用を中心に述べてきたが、これに限られず、還元剤比低減時や投入酸素量一定下での送風量の低減及び添加酸素流量の増加の実施など炉口平均ガス流速Vaが1.0(m/s)以下に維持される操業であればいずれも適用可能である。
(実施例)
前述したペレット(ペレット中の亜鉛の含有量:0.004〜0.035質量%)を鉱石原料としてで中心コークス装入及び微粉炭吹き込み(MAX 微粉炭比:200kg/tp)を行う容積2112mの高炉(羽口設置総数:25個)を対象とした減産期下の操業のうち、図1のA、B及びC示したプロットに相当するそれぞれ約一か月の実績をここに実施例として挙げる。
表1は上記減産期下のA、B及びCの操業実績における、本発明の操作因子(条件)の値(平均値)を示したものであり、表2はこのときの炉口平均ガス流速Vの計算値、炉口中心ガス温度Tcの実測値、ペレットの装入、及び石灰石や珪石などの装入によるインプット亜鉛の総量と炉外に排出されたダスト及び溶銑中に含まれるアウトプット亜鉛総量の実測値を比較して亜鉛の炉壁付着への蓄積状況を評価した結果、並びに観測された炉況の状態を示したものである。
Figure 2011111631
Aは比較例で減産初期の実績を示しており、出銑比1.88(t/d/m)の操業を行ったところ、この間における炉口平均ガス流速Vは0.84(m/s)、炉口中心ガス温度Tcは377(℃)となり、図1からも明らかなように(1)式の範囲を大きく外れ、これを満足していないことが判明した。また、このために、炉内にインプットされた亜鉛が十分にアウトプットされず蓄積、増加している事実が確認された。しかも、この間の操業では、棚吊、スリップが頻繁に発生し、炉況が不安定となり、炉壁の亜鉛付着物による炉況への悪影響が現れていることも観測された。
Bは本発明例であり、減産中期の実績を示したものである。本操業では、出銑比1.80(t/d/m)と上記Aと同等の減産を維持するとともにAの状況を鑑み、前記(1)式満足させるべく、表1の操作因子の値が示すように、鉱石とコークスの装入分布を制御し、炉内半径方向における中心側(無次元半径0〜0.2の間)のコークスの装入量を増やし、鉱石とコークスの層厚比L/(L+L)を減少させる調整を行い、炉口中心ガス温度Tcを増加させた。また、比微粉炭比を増加する調整も合わせて行い、炉口平均ガス流速Vaも増加させた。この結果、炉口中心ガス温度Tc及び炉口平均ガス流速Vaは表2の通りとなり、この結果(1)式を満足する操業を行うことができた。
Figure 2011111631
そして、これによって炉内にインプットされた亜鉛よりも炉外にアウトプットされた亜鉛が多くなっている事実が判明し、インプット亜鉛が確実にアウトプットされているばかりでなく、前記Aの操業で炉内に蓄積された亜鉛も炉外に排出されていることも確認できた。また、この間の操業では棚吊、スリップもほとんどなく安定した炉況が維持されていることが観測され、炉壁の亜鉛付着物が効果的に抑制されていることが分かった。
Cはその後さらに出銑比を1.43(t/d/m)に大幅に下げて操業を行った際の実績で、この減産強化に伴って送風量、富化酸素率及び微粉炭比を下げたため、炉口中心ガス温度Tc及び炉口平均ガス流速Vaともに減少する影響を受けたが、鉱石とコークスの層厚比をさらに下げ、羽口面積を減少させる調整を行い、最終的に表2の通り、炉口中心ガス温度Tcと炉口平均ガス流速Vaが(1)式を満足する範囲で操業することができた。これにより、炉内にインプットされた亜鉛と炉外にアウトプットされた亜鉛は同量であったことが分かり、インプット亜鉛が確実にアウトプットされてことが確認できた。この期間においても、Bと同様に棚吊、スリップもほとんどなく安定した炉況が観測された。
なお、本実施例のA,B及びCの各操業期間とも上記以外の操作因子である炉頂圧については調整を行わず、いずれも160KPaで変化がなかった。
以上の本実施例の結果からも、高炉の実操業に適した比較的容易な方法により高炉の炉壁の亜鉛付着物の生成、蓄積を効果的に抑制できることが明白であり、本発明の優れた効果が承知されるところである。

Claims (2)

  1. 炉口平均ガス流速Vaが1.0(m/s)以下に維持される高炉操業方法において、前記炉口平均ガス流速Vaと炉口中心ガス温度Tcとが下式(1)を満足するようにして操業を行うことを特徴とする高炉操業方法。
    Tc(℃) ≧ -720Va(m/s)+1160 ・・・ (1)
  2. 前記式(1)を満足させるために、炉口中心ガス温度Tcについては酸化鉄原料とコークスの炉内半径方向における層厚比及び羽口面積から選ばれる一種以上の操作因子を調整することにより、炉口平均ガス流速Vaについては微粉炭比、富化酸素率、送風量及び炉頂圧から選ばれる一種以上の操作因子を調整することにより、炉口中心ガス温度Tcまたは/及び炉口平均ガス流速Vaを変更すること特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114540562A (zh) * 2022-01-18 2022-05-27 红河钢铁有限公司 一种基于高有害元素矿石低耗冶炼合格生铁的方法

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