JP2020176302A - Znを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法 - Google Patents

Znを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Znを含有した金属鉄を含んだ原料を使用する際に、Znに由来する付着物を炉内に形成させずに安定操業を行うことができるZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法を提供する。【解決手段】本発明のZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法は、高炉操業時において、Znを含有した金属鉄を含んだ原料を装入する際、金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位[kg/t]が、0.019kg/t以上であるときに、所定の期間の平均値が、y≦0.0014x+0.5177(ただし、y=熱流比(高炉内の高さ方向の温度分布)、x=羽口前風速(羽口より炉内へ送風する空気の速度))を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、高炉の操業において、Znを含有した金属鉄を含んだ原料を使用する技術に関する。
従来より、高炉では、炉頂部より鉄鉱石とコークスを交互に層状に装入し、且つ炉下部に備えられている羽口より熱風(高温の空気+酸素)を送風することで、鉄鉱石を昇温還元して、溶銑を製造している。炉内への鉄鉱石とコークスの装入は、例えば、炉頂部に備えられているベルレス式の原料装入装置を用いて、実施されている。
このベルレス式の原料装入装置は、ベルレスと呼ばれる原料装入用シュートを旋回・傾動させながら、炉頂ホッパーから送られてきた鉄鉱石とコークスを、交互に層状となるように、高炉内へ装入している。
さて、高炉用原料として、金属鉄を含んだ原料(例えば、地金など)が使用されている。その場合、原料に含有されているZnが凝集して炉壁に付着物として形成される。このような状況を回避して、高炉の安定操業を行う技術としては、例えば、特許文献1、2に、開示されているものがある。
特許文献1は、金属鉄以外に有機成分や無機成分を含む廃車スクラップを高炉用原料として使用する際に、タールの発生に起因するガス処理系への影響や亜鉛の炉壁付着を回避し、安定した連続操業を可能とする廃車スクラップの処理方法を提供することを目的としている。
具体的には、廃車スクラップを高炉に装入して溶解処理を行う方法であって、前記廃車スクラップを高炉の炉頂部から炉中心近傍に装入することを特徴とする廃車スクラップ処理方法を用いることとしている。さらに、廃車スクラップを、炉半径の30%以下の半径を有する炉中心領域に装入すること、廃車スクラップが、廃車を最大長さが1.5m以下になるようにプレス処理したものであること、廃車スクラップが、廃車を金属鉄の充填率が0.4以下となるようにプレス処理したものであることが好ましいとしている。
特許文献2は、Zn等の揮発性元素が炉壁に付着して、装入物の荷下がりに悪影響を及ぼしていた状況において、装入物の荷下がりに悪影響を及ぼすことなく、高濃度の揮発性元素を含有するダスト類を揮発処理することを目的としている。
具体的には、炉頂から鉄鉱石2およびコークス3を装入するとともに、羽口5から熱風等を吹き込んで製銑を行う高炉の操業方法であって、高炉1の半径方向における炉中心部に高濃度の揮発性元素を含有するダスト類を限定装入することとしている。
特開2004−250722号公報 特開平11−217606号公報
しかしながら、特許文献1は、プレス後の長さが1.5mといった大きい廃車スクラップを、高炉の炉頂部から炉中心近傍に装入する必要がある。このことより、炉中心部のガス温度が低下してガス流速が低下してしまい、ダスト比が低下して炉内の通気性が悪化する虞がある。また、中心装入コークスが浸炭により劣化して通気性が悪化する虞がある。そのため、コークス比が上昇する虞がある。
特許文献2は、鉄鉱石に加え高濃度の揮発性元素を含有するダスト類を、高炉の炉頂部から炉中心近傍に装入する必要がある。このことより、炉中心部のガス温度が低下してガス流速が低下してしまい、ダスト比が低下して炉内の通気性が悪化する虞がある。また、中心装入コークスが浸炭により劣化して通気性が悪化する虞がある。そのため、コークス比が上昇する虞がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、Znを含有した金属鉄を含んだ原料を使用する際に、Znに由来する付着物を炉内に形成させずに、安定操業を行うことができるZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかるZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法は、高炉操業時において、Znを含有した金属鉄を含んだ原料を装入する際、前記金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位[kg/t]が、0.019kg/t以上であるときに、所定の期間の平均値が、式(1)を満たすことを特徴とするZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法。
y≦0.0014x+0.5177 ・・・(1)
ただし、y=熱流比(高炉内の高さ方向の温度分布)
x=羽口前風速(羽口より炉内へ送風する空気の速度)
好ましくは、前記所定の期間は、1週間以上4週間以下とされているとよい。
好ましくは、前記高炉内へ装入する際、前記金属鉄を含んだ原料を鉄鉱石と混合して使用するとよい。
本発明によれば、Znを含有した金属鉄を含んだ原料を使用する際に、Znに由来する付着物を炉内に形成させずに、安定操業を行うことができる。
ベルレス式の高炉の概略を模式的に示した図である。 羽口前風速の高低差による高炉内の状況を模式的に示した図である。 羽口前風速xと、熱流比yとの関係を示したグラフである。 金属鉄を含有した原料からの装入Znと、棚吊りの有無との関係を示したグラフである。
以下、本発明にかかるZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
まず、高炉1の操業について、説明する。
図1に示すように、高炉1では、炉頂部に設置されている炉頂ホッパー2から、原料である鉄鉱石6とコークス7を交互に層状に装入し、且つ炉下部に備えられている羽口4より熱風(高温の空気+酸素)を送風することで、鉄鉱石6を昇温還元して、溶銑を製造している。
本実施形態では、炉頂部に備えられたベルレス3という原料装入用シュートを旋回及び傾動させながら、原料である鉄鉱石6とコークス7を炉内へ装入するベルレス式の原料装入装置を使用した。
すなわち、ベルレス式の原料装入装置は、炉頂部に設置されていて、原料である鉄鉱石6とコークス7を貯留する炉頂ホッパー2と、炉頂ホッパー2の下方に備えられていて、ベルレス3と呼ばれる原料装入用シュートとを有していて、その原料装入用シュートを旋回・傾動させながら、炉頂ホッパー2から送られてきた鉄鉱石6とコークス7を、交互に層状となるように装入している。
本実施形態では、鉱石として、鉄鉱石6及びコークス7の一部、副原料を使用した。なお、鉄鉱石6は、焼結鉱と、ペレットと、塊鉱石とを含むものである。また、本実施形態での鉄鉱石6中の比率は、ペレット62〜80重量%、塊鉱石20〜38重量%である。また、本実施形態では、副原料として、石灰石、珪石、転炉スラグを使用した。
本実施形態では、鉱石層の中心部へコークス7を装入する「中心装入コークス8の装入」を実施している。
以下に、本発明にかかるZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法について、説明する。
なお以降、本実施形態の説明において、本発明の名称を「Zn含有メタルの使用方法」と呼ぶこともある。
本実施形態では、金属鉄を含んだ原料として、高炉メーカーや電気炉メーカーで発生する地金を使用した。
ところで、高炉1の操業においては、定期的に、高炉1に吹き込む熱風を停止する休風を実施し、休風中に炉体の補修、付帯設備の補修などの高炉設備の整備等を行っている。
しかし、金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位が、0.019kg/t以上の場合、休風後、高炉1を通常の操業状態に再び立ち上げる際、まれに棚吊りが発生する可能性がある。その棚吊りが発生してしまうと、高炉1の休風を再び実施することとなる。
なお、棚吊りとは、交互に層状に装入される鉄鉱石6とコークス7の降下が停止することである。具体的には、高炉1内に付着物9が形成されると、炉内径が小さくなった状況(狭窄された状態)となる。このような状況となった場合、原料6,7は互いに密集状態となって降下しにくくなり、詰まった状態となって「荷下がり不良」が発生することとなる。このことより、高炉1内で空洞化が起こってしまうこととなる。
さらに、高炉1の休風立ち上げの場合、立ち上げ初期においては、羽口4から高炉1内へ送風する熱風の風速は低く、径方向の周辺部へとガスが流れやすいため、周辺部へと流れる熱風が上昇する力と周辺部の原料(金属鉄を含んだ原料、鉄鉱石6、コークス7)が落下する力とが釣り合うこととなり、原料6,7が降下しなくなり、棚吊りが発生しやすくなると考えられる。この場合、羽口4から高炉1内への送風を停止して、再休風を行うこととなる。
このような棚吊りの発生を防ぐために、高炉1の操業では、装入した原料6,7の装入面(上面)の降下状況を測定することで監視している。つまり、炉上部から原料6,7の装入面の高さ方向における位置の変化を測定し、その測定の結果、装入面に変化がない、又は、装入面の変化が所定より少ない場合、棚吊りが発生したと判断する。
そこで、高炉1内に付着物9が形成されないように、高炉1の操業を実施する。つまり、羽口4から高炉1内へ送風される熱風が、高炉1内の中心を上方に向かって流れる中心ガス流となるようにする。中心ガス流が強いと、Znが炉外へ排出され、高炉1内に付着物9が形成されにくくなる。
なお、高炉1内に形成される付着物9の原因として、高炉に装入される原料6に含まれるZnが関与していることは、当業者間ではよく知られた事項である。
本実施形態では、金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位を、以下に示す式で求めている。
金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位[kg/t]=金属鉄を含んだ原料の原単位[kg/t]×金属鉄を含んだ原料のZn濃度[%]
なお、原単位[kg/t]とは、溶銑1t当りに使用した原料の使用量[kg]のことである。
具体的には、原単位[kg/t]は、以下の式(A)で求めることができる。
原単位=1ch当りの使用原料の重量[kg]÷1ch当りの装入鉄分[t] ・・・(A)
なお、1ch当りの装入鉄分の求め方については、使用原料の鉄分を、予め分析により求めておき、使用原料装入量[t]×分析鉄分[wt%]にて求めたものである。
ただし、本発明においては、ペレットや塊鉱等の各使用原料ごとに鉄分を予め求めておき、それらの装入鉄分の積算することで、1ch当りの装入鉄分を求めた。
また、原単位[kg/t]については、以下の式(B)で求めることもできる。
原単位=1日または1ヶ月の間に使用した原料の重量[kg]÷1日または1ヶ月の間に出銑口から取り出した溶銑の重量[t] ・・・(B)
なお、1日または1ヶ月の間に使用した原料の重量[kg]や、1日または1ヶ月の間に出銑口から取り出した溶銑の重量[t]については、ロードセルにて求めたものである。
このような原単位の計算について、上記した式(A)、式(B)のいずれかを用いても問題は無いが、本発明では式(A)を用いて計算した。
さて、本発明では、金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位[kg/t]が0.019kg/t以上であっても、式(1)を満たせば、棚吊りよる高炉1の休風を発生させずに、高炉操業を実施することができることを知見した。
y≦0.0014x+0.5177 ・・・(1)
ただし、y=熱流比(高炉内の高さ方向の温度分布)
x=羽口前風速(羽口より炉内へ送風する空気の速度)
熱流比yについては、以下に示す式で求めることができる。
熱流比y=装入物の熱容量÷高炉炉頂ガスの熱容量
なお、熱流比yの具体的な求め方については、表1を参照するとよい。
表1に、本実施形態で用いる熱流比yの定義を示す。
熱流比yは、高炉1内の高さ方向の温度分布の指標である。この熱流比yが低いほど、高温領域が広いことを示している。
また、羽口前風速xは、羽口4より炉内へ送風する熱風(高温の空気+酸素)の流量から計算した風速のことである。
なお、羽口前風速xの具体的な求め方については、表2を参照するとよい。
表2に、本実施形態で用いる羽口前風速xの定義を示す。
羽口前風速xは、高炉1の径方向分布のガス分配比を制御する因子の一つである。この羽口前風速xが高いほど、中心流化しやすいことを示している。つまり、羽口前風速xが高いと、送風された熱風が高炉1内の中心を流れるようになる。
本実施形態において解析した期間を、2週間の平均値とした。
なお、解析期間については、1週間以上4週間以下が好ましい。理由としては、付着物9が一定の大きさに生長する、すなわち判別できる程度に大きくなるには、所定の期間がかかる。少なくとも1週間以上かかる。一方、付着物9が大きくなり過ぎると、棚吊りなどが発生してしまうので、その前に付着物9の状況を解析する。4週間を超えると、付着物9が大きくなり過ぎてしまい、高炉1の操業に影響が出る。
また、解析期間を1週間以上4週間以下の平均値とした理由は、高炉1の操業においては、操業条件の範囲に一定の幅を持たせているので、若干の変動がある。この変動による解析値の幅をカバーするため、一定期間の平均値とした。
さらに、好ましくは、高炉1内へ装入する際、金属鉄を含んだ原料を鉄鉱石6と混合して使用するとよい。
本実施形態では、金属鉄を含んだ原料と鉄鉱石6をスキップカー5で混合して使用した(図1参照)。
なお、炉頂部に設置されたベルトコンベアや炉頂ホッパー2の内部に、金属鉄を含んだ原料と鉄鉱石6を同時に装入することにより、金属鉄を含んだ原料を鉄鉱石6と混合しても良い。
ここで、本発明において、金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位[kg/t]を、0.019kg/t以上としたことについて、詳説する。
鉄鉱石6中のZnは、(Zn,Fe)SまたはZnSの硫化物、(Zn,Fe)O・Fe2O3またはZnO・Fe2O3のフェライトおよび2ZnO・SiOの珪酸塩などの形態で高炉1内に装入される。これらの亜鉛の化合物は、900℃以上の温度において、炭素によってZnに還元されると考えられる。
そして、Znは揮発し(沸点:約900℃)、高炉ガスにより上方へと吹き上げられ、高炉1外へと排出されることとなる。
しかしながら、高炉ガス中のZnの一部は、上側の炉壁近傍で冷却されて、液体または固体(融点:約400℃)の状態で酸化され、融点の高いZincite(ZnO)を形成しながら、付着物9として、炉壁上側に形成すると考えられる。
一方で、金属鉄中のZnは、単体Znを含有していると考えられ、900℃以上の温度にならなくても融点の高いZincite(ZnO)を形成するため、付着物9を形成しやすいと考えられる。
高炉1では、操業を安定化させるために、炉内の径方向中心部でのガス流を促進させており、炉内の径方向中心部においては、温度は高く且つ、流速が早い。
そのため、従来技術では、金属鉄を含んだ原料を炉内の中心近傍に装入することが行われている。
しかし、本発明のZn含有メタルの使用方法では、熱流比yと羽口前風速xについて、金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位が0.019kg/t以上のとき、所定の期間(1週間以上4週間以下)の平均値が、式(1)を満たすことで、金属鉄を含んだ原料を炉内の中心近傍に装入しなくても、炉内の側壁に付着物9を形成させずに、高炉1の操業を実施することができる。
その本発明において、金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位が0.019kg/t以上のとき、所定の期間(1週間以上4週間以下)の平均値が、式(1)を満たすようにしたことについて、詳説する。
本実施形態で使用した金属鉄を含んだ原料は、高炉メーカーや電気炉メーカーで発生した地金である。その地金は、金属鉄と酸化鉄、不純物から成り、高炉1で使用すると鉄鉱石6と比較して、還元に要する熱を低減させることができる。
そのため、高炉1で金属鉄を含んだ原料を使用すると、還元材比やコークス比を低減させることができる。
ただし、金属鉄を含んだ原料については、Znなどの不純物を含んでいる。
Znは、融点:約400℃、沸点:約900℃である。高炉1内に装入されたZnは、高炉1内で溶融・蒸発し、その多くは炉内ガス流とともに上昇し、炉外に排出される。しかし、一部のZnは、炉内で循環し、炉壁に凝集して付着物9を形成することとなる。
高炉1内で付着物9が形成されると、荷下りの悪化やガス流の変動が大きくなってしまい、棚吊りが発生してしまう可能性がある。そのため、高炉操業における生産性が悪化したり、コークス比増によるコストアップが発生する虞がある。
ところで、図2に示すように、羽口前風速xが高ければ、炉内の中心ガス流が促進されるので、Znは炉壁に付着することなく、炉外へ排出されやすくなる。一方、羽口前風速xが低いと、ガスが炉壁側に流れて、炉内温度が低くなり、Znが炉壁上側に付着して付着物が形成される可能性がある。
また、熱流比yが低ければ、炉内の高温領域が広くなるため、Znが気液である領域が拡大(すなわち、Znが固体である領域が縮小)することとなり、Znが炉外に排出されやすくなる。
金属鉄を含んだ原料は、鉄鉱石6に比べて、低温でZnの気液が生成させると考えられ、付着物9を形成しやすいと考えられる。
このように、本発明では、金属鉄を含んだ原料からの装入Znを0.019kg/t以上使用した時に、所定の期間(1週間以上4週間以下)の平均値が式(1)を満足することで、休風立ち上げで発生する棚吊りによる高炉1の再休風に至るほどの付着物9を炉壁に形成させずに、安定した操業を行うことができることを特徴としている。
すなわち、本発明においては、高炉操業時において、Znを含有した金属鉄を含んだ原料を装入する際、その金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位[kg/t]が0.019kg/t以上であるときに、所定の期間の平均値が、式(1)を満たすようにしている。
y≦0.0014x+0.5177 ・・・(1)
ただし、y=熱流比(高炉内の高さ方向の温度分布)
x=羽口前風速(羽口より炉内へ送風する空気の速度)
所定の期間については、1週間以上4週間以下とされていることが好ましい。
また、高炉内へ装入する際、金属鉄を含んだ原料を鉄鉱石と混合して使用するとよい。
本発明のZn含有メタルの使用方法よれば、高炉操業において、熱流比yと羽口前風速xを制御することで、Znを含有した金属鉄を含んだ原料を安定して使用することができる。
[実施例]
以下に、本発明のZn含有メタルの使用方法に従って実施した実施例について、説明する。
本実施例における実施条件については、以下の通りである。
高炉1については、内容積:2112m3、羽口数:25個、出銑口数:2本、原料装入装置:ベルレス式、炉体冷却装置:(冷却板+散水)である。
主原料については、コークス=286〜373kg/t、塊鉱石=0〜549kg/t、ペレット鉱=874〜1334kg/t、金属鉄を含んだ原料=0〜130kg/tである。
表3、表4に、本発明のZn含有メタルの使用方法に従って、実施した実施例を示す。
ただし、期間:2011年7月〜2017年9月、データ:予定休風2週間前から休風日までの日データ平均値、休風日及び減風日控除、メタル装入Zn≧0.019kg/tである。
図3に、羽口前風速xと熱流比yとの関係を示す。
なお、図3中の■印は、棚吊りが発生したことを示し、2013年12月から2014月2月までとなっている。
図4に、金属鉄を含有した原料からの装入Znと、棚吊りの有無との関係を示す。
図3、図4に示すように、高炉操業時において、金属鉄を含んだ原料からの装入Znを0.019kg/t以上使用した時に、式(1)を満足するように、熱流比yと羽口前風速xを制御すると、休風立ち上げで棚吊りが発生しなくなる。
すなわち、本発明に従って実施すると、炉壁に付着物9が形成されにくくなり、休風立ち上げでの棚吊りによる高炉1の再休風の発生がなくなる。
棚吊り抑制の効果をまとめると、以下のようになる。
羽口前風速xが高ければ、炉内の中心ガス流が促進されるので、Znは炉壁に付着することなく炉外へ排出されやすくなる。
熱流比yが低ければ、炉内の高温領域が広くなるため、Znが気液である領域が拡大(すなわち、Znが固体である領域が縮小)することとなり、Znが炉外に排出されやすくなる。
本発明の条件(式(1)に関する条件)を満足することで、休風立ち上げで発生する棚吊りによる高炉1の再休風に至るほどの付着物9を形成させず、安定した操業を行うことができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
なお、本発明においては、ベルレス方式の高炉を例示して説明したが、ベル・アーマー方式の高炉にも適用可能である。
1 高炉
2 炉頂ホッパー
3 ベルレス(原料装入用シュート)
4 羽口
5 スキップカー
6 鉄鉱石
7 コークス
8 中心装入コークス
9 付着物

Claims (3)

  1. 高炉操業時において、Znを含有した金属鉄を含んだ原料を装入する際、
    前記金属鉄を含んだ原料からのZn装入原単位[kg/t]が、0.019kg/t以上であるときに、所定の期間の平均値が、式(1)を満たすことを特徴とするZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法。
    y≦0.0014x+0.5177 ・・・(1)
    ただし、y=熱流比(高炉内の高さ方向の温度分布)
    x=羽口前風速(羽口より炉内へ送風する空気の速度)
  2. 前記所定の期間は、1週間以上4週間以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法。
  3. 前記高炉内へ装入する際、前記金属鉄を含んだ原料を鉄鉱石と混合して使用することを特徴とする請求項1又は2に記載のZnを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法。
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