JP2003013122A - 高炉の操業方法 - Google Patents
高炉の操業方法Info
- Publication number
- JP2003013122A JP2003013122A JP2001193471A JP2001193471A JP2003013122A JP 2003013122 A JP2003013122 A JP 2003013122A JP 2001193471 A JP2001193471 A JP 2001193471A JP 2001193471 A JP2001193471 A JP 2001193471A JP 2003013122 A JP2003013122 A JP 2003013122A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slag
- blast furnace
- content
- ratio
- discharged
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Manufacture Of Iron (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 スラグ流動性を悪化させることなく、スラグ
のAl2O3 の含有量の上昇を許容することができる高炉の
操業方法を提供する。 【解決手段】 高炉の出銑口から排出されるスラグ中の
Al2O3 含有量が16.5%以上および、MgO 含有量が5%以
上である高炉の操業において、出銑比当たりの出銑回数
(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加したときに、(a) 排出
されるスラグのMgO 含有量を、出銑比当たりの出銑回数
(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以前のMgO 含有量
よりも上昇させること、および(b) 排出されるスラグの
塩基度(CaO含有量/ SiO2含有量)を、出銑比当たりの出
銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以前のスラ
グの塩基度よりも低下させることにそれぞれ規定された
操作のうちの1つ以上の操作を行う。
のAl2O3 の含有量の上昇を許容することができる高炉の
操業方法を提供する。 【解決手段】 高炉の出銑口から排出されるスラグ中の
Al2O3 含有量が16.5%以上および、MgO 含有量が5%以
上である高炉の操業において、出銑比当たりの出銑回数
(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加したときに、(a) 排出
されるスラグのMgO 含有量を、出銑比当たりの出銑回数
(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以前のMgO 含有量
よりも上昇させること、および(b) 排出されるスラグの
塩基度(CaO含有量/ SiO2含有量)を、出銑比当たりの出
銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以前のスラ
グの塩基度よりも低下させることにそれぞれ規定された
操作のうちの1つ以上の操作を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高炉の操業方法に関
する。より具体的には、本発明は、高炉により銑鉄を製
造する際に、スラグ流動性を確保して出銑孔からのスラ
グ排出作業に支障をきたさずに、例えば、Al2O3 含有量
が16.5〜20.0% (本明細書においては特にことわりがな
い限り「%」は「質量%」を意味するものとする) であ
ってMgO 含有量が5〜10%であるスラグを生成しつつ、
安定かつ合理的に銑鉄を生産することができる高炉の操
業方法に関する。
する。より具体的には、本発明は、高炉により銑鉄を製
造する際に、スラグ流動性を確保して出銑孔からのスラ
グ排出作業に支障をきたさずに、例えば、Al2O3 含有量
が16.5〜20.0% (本明細書においては特にことわりがな
い限り「%」は「質量%」を意味するものとする) であ
ってMgO 含有量が5〜10%であるスラグを生成しつつ、
安定かつ合理的に銑鉄を生産することができる高炉の操
業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の操業において、生成された溶銑お
よび溶滓の排出は、炉下部に複数設けられた出銑孔のそ
れぞれに対する開孔および閉塞を、一日あたり合計5回
〜10回程度を順次繰り返し行うことによって、行われ
る。1回の出銑滓作業は、炉内の液面の高さが出銑孔の
近傍の高さまで低下し、炉内外の圧力差によって炉内ガ
スが出銑孔から流出するタイミング、すなわち出銑孔か
らの銑滓の排出が不能となるタイミングで完了し、この
後に閉塞作業に入る。この際、銑滓の流動状態が悪い
と、出銑滓が完了したにも関わらず、炉内に排出される
べき銑滓が残留し、1日あたりの出銑回数が増加する。
このため、作業効率が低下するだけでなく、炉内の滞留
液面レベルが上昇することによって羽口からの送風圧力
が上昇して高炉全体の圧損が上昇し、荷下がり不順やガ
ス流れ異常が発生し、高炉の安定操業に多大な悪影響を
与えるおそれがある。
よび溶滓の排出は、炉下部に複数設けられた出銑孔のそ
れぞれに対する開孔および閉塞を、一日あたり合計5回
〜10回程度を順次繰り返し行うことによって、行われ
る。1回の出銑滓作業は、炉内の液面の高さが出銑孔の
近傍の高さまで低下し、炉内外の圧力差によって炉内ガ
スが出銑孔から流出するタイミング、すなわち出銑孔か
らの銑滓の排出が不能となるタイミングで完了し、この
後に閉塞作業に入る。この際、銑滓の流動状態が悪い
と、出銑滓が完了したにも関わらず、炉内に排出される
べき銑滓が残留し、1日あたりの出銑回数が増加する。
このため、作業効率が低下するだけでなく、炉内の滞留
液面レベルが上昇することによって羽口からの送風圧力
が上昇して高炉全体の圧損が上昇し、荷下がり不順やガ
ス流れ異常が発生し、高炉の安定操業に多大な悪影響を
与えるおそれがある。
【0003】ここで、炉内の銑滓液の流動状態は、炉内
コークスの充填状態、または銑滓液の流動性によって決
定されるが、特に溶滓の粘度は溶銑の約100 倍程である
ため、銑滓液の流動状態は、溶滓の物性によって決定さ
れるといっても過言ではない。
コークスの充填状態、または銑滓液の流動性によって決
定されるが、特に溶滓の粘度は溶銑の約100 倍程である
ため、銑滓液の流動状態は、溶滓の物性によって決定さ
れるといっても過言ではない。
【0004】また、従来から特にスラグ中のAl2O3 は銑
滓液の流動性を悪化させ、炉内通気性にも悪影響をおよ
ぼすことが知られているため、高炉操業におけるAl2O3
源の削減に注力しており、原料中のAl2O3 含有を極力低
下させてきた。このような事情から、スラグ中のAl2O3
含有量を高くする技術は存在しなかった。
滓液の流動性を悪化させ、炉内通気性にも悪影響をおよ
ぼすことが知られているため、高炉操業におけるAl2O3
源の削減に注力しており、原料中のAl2O3 含有を極力低
下させてきた。このような事情から、スラグ中のAl2O3
含有量を高くする技術は存在しなかった。
【0005】そこで、特開平9−287009号公報には、高
炉スラグの温度および粘度実験式を用いてスラグ成分お
よび溶銑温度の変更を行うことによって、スラグ粘度を
適正な範囲に保ちながら高炉を操業する発明が開示され
ている。
炉スラグの温度および粘度実験式を用いてスラグ成分お
よび溶銑温度の変更を行うことによって、スラグ粘度を
適正な範囲に保ちながら高炉を操業する発明が開示され
ている。
【0006】また、特開平11−29803 号公報には、高炉
での高被還元性焼結鉱使用時にスラグ流動性を確保する
ために、スラグ中のAl2O3 含有量の適正範囲を13〜16%
に定めるとともにMgO 含有量の適正範囲を4〜8%に定
めている。
での高被還元性焼結鉱使用時にスラグ流動性を確保する
ために、スラグ中のAl2O3 含有量の適正範囲を13〜16%
に定めるとともにMgO 含有量の適正範囲を4〜8%に定
めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の技術によっては、高炉により銑鉄を製造する際
に、スラグ流動性を確保して出銑孔からのスラグ排出作
業に支障をきたさずに、例えば、Al2O3 含有量が16.5〜
20.0%であってMgO 含有量が5〜10%であるスラグを生
成しつつ、安定かつ合理的に銑鉄を生産することができ
ない。
の従来の技術によっては、高炉により銑鉄を製造する際
に、スラグ流動性を確保して出銑孔からのスラグ排出作
業に支障をきたさずに、例えば、Al2O3 含有量が16.5〜
20.0%であってMgO 含有量が5〜10%であるスラグを生
成しつつ、安定かつ合理的に銑鉄を生産することができ
ない。
【0008】すなわち、特開平9−287009号公報により
提案された発明では、用いるスラグ粘度推定式が、回転
式による粘度測定に基づいているため、特に低温領域で
の粘度測定精度または高炉炉床内のスラグ流動性との対
応関係が不明確である。
提案された発明では、用いるスラグ粘度推定式が、回転
式による粘度測定に基づいているため、特に低温領域で
の粘度測定精度または高炉炉床内のスラグ流動性との対
応関係が不明確である。
【0009】また、従来からスラグ中のAl2O3 含有量が
上昇するとスラグ流動性が悪化し、排滓性に支障をきた
す。このため、高炉毎にAl2O3 含有量の上限を経験的に
設定している。しかしながら、操業の高効率性あるいは
昨今の環境問題から、低スラグ化を指向している現状で
は、低スラグ時のAl2O3 含有量の上限の管理のため、高
炉装入Al2O3 量を低下させる必要がある。このため、特
開平11−29803 号公報により開示された発明を実施する
には、高品位の高価な低Al2O3 鉱石を原料として使用せ
ざるを得ず、結果的に銑鉄コストの上昇につながる。
上昇するとスラグ流動性が悪化し、排滓性に支障をきた
す。このため、高炉毎にAl2O3 含有量の上限を経験的に
設定している。しかしながら、操業の高効率性あるいは
昨今の環境問題から、低スラグ化を指向している現状で
は、低スラグ時のAl2O3 含有量の上限の管理のため、高
炉装入Al2O3 量を低下させる必要がある。このため、特
開平11−29803 号公報により開示された発明を実施する
には、高品位の高価な低Al2O3 鉱石を原料として使用せ
ざるを得ず、結果的に銑鉄コストの上昇につながる。
【0010】このように、高炉により銑鉄を製造する際
には、出銑孔から排出されるスラグのAl2O3 含有量が高
い場合、スラグの流動性が悪化し、銑鉄生産量1トン当
たり、1回の出銑に要する時間が短縮し、炉内への残留
銑滓の増加により、排滓作業に支障をきたしてしまう。
一方、操業の高効率性、あるいは昨今の環境問題から、
現在は低スラグ化が指向されているため、低スラグ時の
Al2O3 含有量の上限管理のため、高炉装入Al2O3 量を低
下させる必要があり、そのためには高品位の高価な低Al
2O3 鉱石を原料として使用せざるを得ず、結果として銑
鉄コストの上昇につながる。
には、出銑孔から排出されるスラグのAl2O3 含有量が高
い場合、スラグの流動性が悪化し、銑鉄生産量1トン当
たり、1回の出銑に要する時間が短縮し、炉内への残留
銑滓の増加により、排滓作業に支障をきたしてしまう。
一方、操業の高効率性、あるいは昨今の環境問題から、
現在は低スラグ化が指向されているため、低スラグ時の
Al2O3 含有量の上限管理のため、高炉装入Al2O3 量を低
下させる必要があり、そのためには高品位の高価な低Al
2O3 鉱石を原料として使用せざるを得ず、結果として銑
鉄コストの上昇につながる。
【0011】本発明の目的は、スラグ流動性を悪化させ
ることなく、スラグのAl2O3 の含有量の上昇を許容する
ことができる高炉の操業方法を提供することである。
ることなく、スラグのAl2O3 の含有量の上昇を許容する
ことができる高炉の操業方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高炉炉床
部の排銑滓時における諸現象を流動現象で定量化できる
ことを知見した。
部の排銑滓時における諸現象を流動現象で定量化できる
ことを知見した。
【0013】すなわち、本発明者らは、スラグの流動性
の悪化により操業阻害要因となる排滓時間の短縮や炉内
残留量の増加が生じることを確認した。また、本発明者
らは、スラグの化学成分がスラグの流動性を支配してお
り、スラグのMg含有量を上昇させること、もしくは塩基
度 (SiO2含有量に対するCaO 含有量の比の値であり、
「CaO 含有量/SiO2含有量」または、「CaO/SiO2」とも
表わす) を低下させることによってスラグの流動性を良
好に保ち得ることを、実験的に実証した。さらに、本発
明者らは、スラグの流動性を支配する因子は粘度または
結晶化温度であり、これらの性状は、スラグの化学成分
によって決定されるため、高炉スラグ成分の変更によ
り、スラグの流動性の変化を介して、排銑滓挙動を安定
化させることができることを知見した。。
の悪化により操業阻害要因となる排滓時間の短縮や炉内
残留量の増加が生じることを確認した。また、本発明者
らは、スラグの化学成分がスラグの流動性を支配してお
り、スラグのMg含有量を上昇させること、もしくは塩基
度 (SiO2含有量に対するCaO 含有量の比の値であり、
「CaO 含有量/SiO2含有量」または、「CaO/SiO2」とも
表わす) を低下させることによってスラグの流動性を良
好に保ち得ることを、実験的に実証した。さらに、本発
明者らは、スラグの流動性を支配する因子は粘度または
結晶化温度であり、これらの性状は、スラグの化学成分
によって決定されるため、高炉スラグ成分の変更によ
り、スラグの流動性の変化を介して、排銑滓挙動を安定
化させることができることを知見した。。
【0014】本発明は、高炉による溶銑製造時に、溶滓
中のAl2O3 を16.5%以上、MgO を5%以上を含む高炉ス
ラグを副産物として生成させる高炉操業方法において、
スラグの流動性の悪化による操業への悪影響を回避する
ため、排滓性の変化に応じたスラグ成分の変更を行うこ
とにより、スラグの流動性を良好に保つことにより、上
述した目的を達成するものである。
中のAl2O3 を16.5%以上、MgO を5%以上を含む高炉ス
ラグを副産物として生成させる高炉操業方法において、
スラグの流動性の悪化による操業への悪影響を回避する
ため、排滓性の変化に応じたスラグ成分の変更を行うこ
とにより、スラグの流動性を良好に保つことにより、上
述した目的を達成するものである。
【0015】本発明は、高炉の出銑口から排出されるス
ラグ中のAl2O3 含有量が16.5%以上および、MgO 含有量
が5%以上である高炉の操業において、出銑比当たりの
出銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加したときに、
(a) 排出されるスラグのMgO含有量を、出銑比当たりの
出銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以前のMg
O 含有量よりも上昇させること、および(b) 排出される
スラグの塩基度(CaO含有量/ SiO2含有量)を、出銑比当
たりの出銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以
前のスラグの塩基度よりも低下させることにそれぞれ規
定された操作のうちの1つ以上の操作を行うことを特徴
とする高炉の操業方法である。
ラグ中のAl2O3 含有量が16.5%以上および、MgO 含有量
が5%以上である高炉の操業において、出銑比当たりの
出銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加したときに、
(a) 排出されるスラグのMgO含有量を、出銑比当たりの
出銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以前のMg
O 含有量よりも上昇させること、および(b) 排出される
スラグの塩基度(CaO含有量/ SiO2含有量)を、出銑比当
たりの出銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以
前のスラグの塩基度よりも低下させることにそれぞれ規
定された操作のうちの1つ以上の操作を行うことを特徴
とする高炉の操業方法である。
【0016】また、本発明は、高炉の出銑口から排出さ
れるスラグ中のAl2O3 含有量が16.5%以上および、MgO
含有量が5%以上である高炉の操業において、高炉の一
つの出銑口から排出される出銑量に対するスラグ量の比
(kg-スラグ/t) が、高炉の全ての出銑口から排出される
スラグ量の比の平均値よりも10%以上低下したときに、
(a) 出銑されるスラグのMgO 含有量を、高炉の一つの出
銑口から排出される出銑量に対するスラグ量の比(kg-ス
ラグ/t) が、高炉の全ての出銑口から排出されるスラグ
量の比の平均値よりも10%以上低下する以前のスラグの
MgO 含有量よりも上昇させること、および(b) 排出され
るスラグの塩基度(CaO含有量/ SiO2含有量)を、高炉の
一つの出銑口から排出される出銑量に対するスラグ量の
比(kg-スラグ/t) が、高炉の全ての出銑口から排出され
るスラグ量の比の平均値よりも10%以上低下する以前の
スラグの塩基度よりも低下させることにそれぞれ規定さ
れた操作のうちの1つ以上の操作を行うことを特徴とす
る高炉の操業方法である。
れるスラグ中のAl2O3 含有量が16.5%以上および、MgO
含有量が5%以上である高炉の操業において、高炉の一
つの出銑口から排出される出銑量に対するスラグ量の比
(kg-スラグ/t) が、高炉の全ての出銑口から排出される
スラグ量の比の平均値よりも10%以上低下したときに、
(a) 出銑されるスラグのMgO 含有量を、高炉の一つの出
銑口から排出される出銑量に対するスラグ量の比(kg-ス
ラグ/t) が、高炉の全ての出銑口から排出されるスラグ
量の比の平均値よりも10%以上低下する以前のスラグの
MgO 含有量よりも上昇させること、および(b) 排出され
るスラグの塩基度(CaO含有量/ SiO2含有量)を、高炉の
一つの出銑口から排出される出銑量に対するスラグ量の
比(kg-スラグ/t) が、高炉の全ての出銑口から排出され
るスラグ量の比の平均値よりも10%以上低下する以前の
スラグの塩基度よりも低下させることにそれぞれ規定さ
れた操作のうちの1つ以上の操作を行うことを特徴とす
る高炉の操業方法である。
【0017】また、本発明は、高炉の出銑口から排出さ
れるスラグ中のAl2O3 含有量が16.5%以上および、MgO
含有量が5%以上である高炉の操業において、出銑時間
に対する出滓時間の割合が6%以上低下したときに、
(a) 出銑されるスラグのMgO 含有量を、前記の割合が6
%以上低下する以前のスラグのMgO 含有量よりも上昇さ
せること、および(b) 排出されるスラグの塩基度(CaO含
有量/SiO2 含有量) を、前記の割合が6%以上低下する
以前のスラグの塩基度よりも低下させることにそれぞれ
規定された操作のうちの1つ以上の操作を行うことを特
徴とする高炉の操業方法である。
れるスラグ中のAl2O3 含有量が16.5%以上および、MgO
含有量が5%以上である高炉の操業において、出銑時間
に対する出滓時間の割合が6%以上低下したときに、
(a) 出銑されるスラグのMgO 含有量を、前記の割合が6
%以上低下する以前のスラグのMgO 含有量よりも上昇さ
せること、および(b) 排出されるスラグの塩基度(CaO含
有量/SiO2 含有量) を、前記の割合が6%以上低下する
以前のスラグの塩基度よりも低下させることにそれぞれ
規定された操作のうちの1つ以上の操作を行うことを特
徴とする高炉の操業方法である。
【0018】これらの本発明にかかる高炉の操業方法で
は、前記の(a) または(b) にそれぞれ規定された操作
が、高炉炉頂部から装入する副原料の装入量を調整する
こと、および/または羽口から吹き込む副原料の吹き込
み量を調整することにより、行われることが、例示され
る。
は、前記の(a) または(b) にそれぞれ規定された操作
が、高炉炉頂部から装入する副原料の装入量を調整する
こと、および/または羽口から吹き込む副原料の吹き込
み量を調整することにより、行われることが、例示され
る。
【0019】なお、本発明にかかる高炉の操業方法は、
スラグ中のAl2O3 含有量が20.0%以下である高炉操業
を、またスラグ中のMgO 含有量が10%以下である高炉操
業を対象とすることが好ましい。Al2O3 含有量が20.0%
を、MgO 含有量が10%をそれぞれ超えると、スラグの結
晶化温度が高くなり、円滑な高炉操業を行うことが難し
くなるからである。
スラグ中のAl2O3 含有量が20.0%以下である高炉操業
を、またスラグ中のMgO 含有量が10%以下である高炉操
業を対象とすることが好ましい。Al2O3 含有量が20.0%
を、MgO 含有量が10%をそれぞれ超えると、スラグの結
晶化温度が高くなり、円滑な高炉操業を行うことが難し
くなるからである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる高炉の操業
方法の実施の形態を詳細に説明する。高炉の出銑滓にお
いて、炉床部に比重差により2層に分離して滞留してい
る銑滓は、出銑孔を開孔する直前の滞留液面レベルの出
銑孔からの高さに応じた位置エネルギーと、液面に作用
する炉内圧力とによって、出銑孔を開孔した後、まず、
高炉の下部に滞留している溶銑が排出される。
方法の実施の形態を詳細に説明する。高炉の出銑滓にお
いて、炉床部に比重差により2層に分離して滞留してい
る銑滓は、出銑孔を開孔する直前の滞留液面レベルの出
銑孔からの高さに応じた位置エネルギーと、液面に作用
する炉内圧力とによって、出銑孔を開孔した後、まず、
高炉の下部に滞留している溶銑が排出される。
【0021】溶銑の排出により、銑滓の境界の液面レベ
ルが出銑孔の近傍まで低下すると、出銑孔からは、溶銑
に加えて溶滓が同時に排出を開始する。さらに、溶銑滓
の排出により、溶滓の液面レベルが低下して出銑孔まで
達すると、炉内ガスの出銑孔からの排出、いわゆるガス
吹きの開始と同時に、溶銑滓の排出は停止するため、直
ちに出銑孔の閉塞作業が開始される。
ルが出銑孔の近傍まで低下すると、出銑孔からは、溶銑
に加えて溶滓が同時に排出を開始する。さらに、溶銑滓
の排出により、溶滓の液面レベルが低下して出銑孔まで
達すると、炉内ガスの出銑孔からの排出、いわゆるガス
吹きの開始と同時に、溶銑滓の排出は停止するため、直
ちに出銑孔の閉塞作業が開始される。
【0022】ガス吹き時における溶滓の液面は、高炉の
半径方向の溶滓の流動抵抗の分布により、出銑孔に向か
った曲面を成している。このため、通液抵抗の増加によ
り、溶滓の液面の曲率が増大し、出銑の開始からガス吹
きまでの時間(出銑時間)が短縮され、出銑を終了した
後の炉内残留溶滓量も増加する。このため、結果とし
て、1回の出銑滓におけるスラグ比が装入時の平均スラ
グ比を下回ることになる。また、排出されるべきスラグ
量が低下するため、出銑時間に対する出滓時間の割合
(出滓率)も低下する。
半径方向の溶滓の流動抵抗の分布により、出銑孔に向か
った曲面を成している。このため、通液抵抗の増加によ
り、溶滓の液面の曲率が増大し、出銑の開始からガス吹
きまでの時間(出銑時間)が短縮され、出銑を終了した
後の炉内残留溶滓量も増加する。このため、結果とし
て、1回の出銑滓におけるスラグ比が装入時の平均スラ
グ比を下回ることになる。また、排出されるべきスラグ
量が低下するため、出銑時間に対する出滓時間の割合
(出滓率)も低下する。
【0023】したがって、溶滓の流動性が良好である
程、炉内の残留溶滓量は低下し、出銑時間は長くなる。
これにより、出銑回数は低下し、出滓率を高位に維持
し、安定な出銑滓を行うことができる。
程、炉内の残留溶滓量は低下し、出銑時間は長くなる。
これにより、出銑回数は低下し、出滓率を高位に維持
し、安定な出銑滓を行うことができる。
【0024】そこで、本発明者らは、上記の挙動を正確
に表現するため、コークスによる充填層を含む高炉炉床
部における2種類の液体の流動現象と考え、溶銑および
溶滓について、連続の式である(1) 式と、(3) 式で表さ
れる充填層と液体との相互作用を含む運動方程式(2) 式
を数値シミュレーションにより解いた。
に表現するため、コークスによる充填層を含む高炉炉床
部における2種類の液体の流動現象と考え、溶銑および
溶滓について、連続の式である(1) 式と、(3) 式で表さ
れる充填層と液体との相互作用を含む運動方程式(2) 式
を数値シミュレーションにより解いた。
【0025】
[数1]
dρ/dt+ρ▽・u =0 ・・・・・・(1)
[数2]
ρdu/dt+ρu ・▽u =−▽p+▽2(εu )+C(εu)+ ερg ・・・・・・(2)
[数3]
C =μ(1−ε)/ (ρε2Dp2) ×(150(1−ε)+1.75Re) ・・・・・・(3)
これら(1) 式〜(3) 式における uは銑滓の流速ベクトル
を示し、Dpはコークス粒径を示し、ρは銑滓の密度を示
し、εは炉芯コークス空隙率を示し、μは銑滓の粘度を
示し、C は充填層と銑滓との相互作用力を示し、Reはレ
イノルズ数を示し、g は重力加速度ベクトルを示し、さ
らに▽はベクトルの微分演算子を示す。
を示し、Dpはコークス粒径を示し、ρは銑滓の密度を示
し、εは炉芯コークス空隙率を示し、μは銑滓の粘度を
示し、C は充填層と銑滓との相互作用力を示し、Reはレ
イノルズ数を示し、g は重力加速度ベクトルを示し、さ
らに▽はベクトルの微分演算子を示す。
【0026】ここで、溶滓の粘度は、化学組成と温度と
の関数であって、例えば「材料とプロセス」Vol.12(199
9),710頁に記載されているように、以下の式にしたがっ
て化学組成や温度を調整することによって制御すること
ができる。
の関数であって、例えば「材料とプロセス」Vol.12(199
9),710頁に記載されているように、以下の式にしたがっ
て化学組成や温度を調整することによって制御すること
ができる。
【0027】
[数4]
ηslag={1+0.007(1500-T) }{12.6(CaO/SiO2)2-33.1(CaO/SiO2)-0.52(MgO)
+0.42(Al2O3)-0.29(TiO2)+21.72}×0.1 ・・・・・・(4)
ここで、ηslagは溶滓の粘度 (Pa・s)を示し、T は溶滓
の温度 (℃) を示し、CaO/SiO2は溶滓の塩基度(-) を示
し、さらにAl2O3,MgO,TiO2はいずれも溶滓中の化学組成
(%) を示す。
の温度 (℃) を示し、CaO/SiO2は溶滓の塩基度(-) を示
し、さらにAl2O3,MgO,TiO2はいずれも溶滓中の化学組成
(%) を示す。
【0028】なお、(4) 式を用いた基本的な計算条件と
して、高炉の炉床径:11m、高炉の内容積:2700m3 、
出銑比:1.8t/d/m3 、スラグ比:300kg/銑鉄tの操業と
した。また、1回の出銑に要する平均出銑時間は126 分
間とした。
して、高炉の炉床径:11m、高炉の内容積:2700m3 、
出銑比:1.8t/d/m3 、スラグ比:300kg/銑鉄tの操業と
した。また、1回の出銑に要する平均出銑時間は126 分
間とした。
【0029】図1は、上記の解であり、スラグ流動性と
出銑時間との関係を示すグラフである。図1に示すグラ
フの横軸は、(4) 式に基づき、スラグ流動性を化学成分
で表現してある。すなわち、横軸の第1軸は、スラグAl
2O3 =16%、およびCaO/SiO2=1.25一定下での MgO上昇
幅を示す。また、第2軸は、スラグAl2O3 =16%、およ
びMgO =6%でCaO/SiO2を変化させた場合である。な
お、いずれの計算も溶滓温度=1550℃で一定条件であ
る。
出銑時間との関係を示すグラフである。図1に示すグラ
フの横軸は、(4) 式に基づき、スラグ流動性を化学成分
で表現してある。すなわち、横軸の第1軸は、スラグAl
2O3 =16%、およびCaO/SiO2=1.25一定下での MgO上昇
幅を示す。また、第2軸は、スラグAl2O3 =16%、およ
びMgO =6%でCaO/SiO2を変化させた場合である。な
お、いずれの計算も溶滓温度=1550℃で一定条件であ
る。
【0030】図1のグラフによれば、MgO の上昇、また
はCaO/SiO2の低下により、出銑滓時間を長く確保するこ
とができる。図2は、上記に述べたスラグ流動性の悪化
を引き起こす出銑滓時間の短縮による出銑滓挙動の変化
の状況を示すグラフである。すなわち、炉内残留スラグ
量の増加を意味する排出スラグ比の装入スラグ比に対す
る低下率で定義される炉内スラグ残留率、および、出銑
時間に対する排滓時間の割合の低下率で定義される出滓
率を、いずれも同数値シミュレーションにより算出した
ものである。
はCaO/SiO2の低下により、出銑滓時間を長く確保するこ
とができる。図2は、上記に述べたスラグ流動性の悪化
を引き起こす出銑滓時間の短縮による出銑滓挙動の変化
の状況を示すグラフである。すなわち、炉内残留スラグ
量の増加を意味する排出スラグ比の装入スラグ比に対す
る低下率で定義される炉内スラグ残留率、および、出銑
時間に対する排滓時間の割合の低下率で定義される出滓
率を、いずれも同数値シミュレーションにより算出した
ものである。
【0031】炉内スラグの残留率の風圧上限に対する許
容値は、操業を維持できる風圧上限に達する炉床部のス
ラグ液面高さの最大値により決まり、高炉および操業に
より設定されるが、経験的に、生成スラグ量の概ね10〜
15%とされている。そこで、炉内残留溶滓の増加率の上
限を10%とすると、図2に示すグラフより、出銑滓時間
の低下幅で7.3 %相当となり、また、出滓率の低下幅で
6%相当となる。また、シミュレーションの結果および
経験的な関係から、出銑比当たりの出銑回数が0.5(回/
(t/day/m3))以上増加すると、操業を維持できる風圧上
限に達することがわかる。
容値は、操業を維持できる風圧上限に達する炉床部のス
ラグ液面高さの最大値により決まり、高炉および操業に
より設定されるが、経験的に、生成スラグ量の概ね10〜
15%とされている。そこで、炉内残留溶滓の増加率の上
限を10%とすると、図2に示すグラフより、出銑滓時間
の低下幅で7.3 %相当となり、また、出滓率の低下幅で
6%相当となる。また、シミュレーションの結果および
経験的な関係から、出銑比当たりの出銑回数が0.5(回/
(t/day/m3))以上増加すると、操業を維持できる風圧上
限に達することがわかる。
【0032】この計算では、平均出銑時間が126 分間で
あるから、炉内残留溶滓の増加率が10%となるとき、7.
3 %低下し、117 分間となる。これは、1日当たりの出
銑回数では、1440/126=11.4回/日から1440/117=12.3
回/日に増加することになり、出銑比当たりでは、0.5
回増加することに相当する。
あるから、炉内残留溶滓の増加率が10%となるとき、7.
3 %低下し、117 分間となる。これは、1日当たりの出
銑回数では、1440/126=11.4回/日から1440/117=12.3
回/日に増加することになり、出銑比当たりでは、0.5
回増加することに相当する。
【0033】したがって、炉内スラグ残留量が10%以上
低下し、または出銑時間に対する出滓時間の割合の6%
以上低下し、また出銑滓時間の7.3 %以上の短縮が生
じ、出銑比当たりの出銑回数に換算して、0.5 以上増加
したとき、排滓挙動変化が操業に影響を及ぼし始めるた
め、スラグ流動性の改善操作を行うことによって操業変
動を最小限に抑制することができる。
低下し、または出銑時間に対する出滓時間の割合の6%
以上低下し、また出銑滓時間の7.3 %以上の短縮が生
じ、出銑比当たりの出銑回数に換算して、0.5 以上増加
したとき、排滓挙動変化が操業に影響を及ぼし始めるた
め、スラグ流動性の改善操作を行うことによって操業変
動を最小限に抑制することができる。
【0034】以上のシミュレーション計算によると、出
銑滓時間、炉内残留量さらには出滓率等の出銑滓挙動
は、出銑滓時間の変化に応じて一意的に決まることにな
るにもかかわらず、出銑比当たりの出銑回数、任意の出
銑口のスラグ比、また出滓率のしきい値を個々に設定し
ている理由は、以下の通りである。
銑滓時間、炉内残留量さらには出滓率等の出銑滓挙動
は、出銑滓時間の変化に応じて一意的に決まることにな
るにもかかわらず、出銑比当たりの出銑回数、任意の出
銑口のスラグ比、また出滓率のしきい値を個々に設定し
ている理由は、以下の通りである。
【0035】すなわち、このシミュレーション計算で
は、出銑滓時の諸条件、すなわち出銑孔径、出銑終了か
ら出銑開始までの時間、炉内滞留量の初期条件等は、全
て理想的に一定であるのに対し、実際の操業では、非定
常的な個々の諸条件、あるいは、操業者の判断により変
更されることが頻繁に生じるために個々の出銑滓の挙
動、すなわち、出銑滓時間、炉内残留量さらには出滓率
等の変化は、それぞれ独立にも起こり得ることになる。
は、出銑滓時の諸条件、すなわち出銑孔径、出銑終了か
ら出銑開始までの時間、炉内滞留量の初期条件等は、全
て理想的に一定であるのに対し、実際の操業では、非定
常的な個々の諸条件、あるいは、操業者の判断により変
更されることが頻繁に生じるために個々の出銑滓の挙
動、すなわち、出銑滓時間、炉内残留量さらには出滓率
等の変化は、それぞれ独立にも起こり得ることになる。
【0036】前記したように、溶滓中のAl2O3 含有量お
よびMgO 含有量に好ましい上限が存在する理由は以下の
通りである。(4) 式より、Al2O3 含有量の上昇に応じて
MgO含有量を増加すると、溶滓の粘度を一定に保つこと
ができる。しかし、「材料とプロセス」Vol.12(1999),7
10頁に記載されているように、Al2O3 含有量およびMgO
含有量の増加とともに(5) 式により表されるスラグ結晶
化温度が上昇し、Al2O 3 含有量が20.0%超えるか、また
はMgO 含有量が10%を超えると、1400℃程度となり、通
常操業における溶銑滓の温度範囲 (1450〜1550℃) より
も低くなって、流動性に支障をきたす恐れがあるためで
ある。
よびMgO 含有量に好ましい上限が存在する理由は以下の
通りである。(4) 式より、Al2O3 含有量の上昇に応じて
MgO含有量を増加すると、溶滓の粘度を一定に保つこと
ができる。しかし、「材料とプロセス」Vol.12(1999),7
10頁に記載されているように、Al2O3 含有量およびMgO
含有量の増加とともに(5) 式により表されるスラグ結晶
化温度が上昇し、Al2O 3 含有量が20.0%超えるか、また
はMgO 含有量が10%を超えると、1400℃程度となり、通
常操業における溶銑滓の温度範囲 (1450〜1550℃) より
も低くなって、流動性に支障をきたす恐れがあるためで
ある。
【0037】
[数5]
スラグ結晶化温度 (℃)
=195(CaO/SiO2)+7.1(MgO)+11.5(Al2O3)+0.9(TiO2)+870.1 ・・・ (5)
(5)式におけるCaO/SiO2は溶滓の塩基度(-) を示し、Al2
O3,MgO,TiO2はいずれも溶滓中の化学組成を示す。
O3,MgO,TiO2はいずれも溶滓中の化学組成を示す。
【0038】また、図1のグラフに示すように、炉床径
が大きいほど半径方向の流速差が大きく、出銑孔への流
動距離が大きくなる結果、スラグの流動性が一定である
条件下でも銑鉄当たり1回の出銑滓時間が増加する傾向
にあることが判明した。
が大きいほど半径方向の流速差が大きく、出銑孔への流
動距離が大きくなる結果、スラグの流動性が一定である
条件下でも銑鉄当たり1回の出銑滓時間が増加する傾向
にあることが判明した。
【0039】
【実施例】本発明者らは、内容積3m3 、炉床径0.9 m
の試験高炉による操業を行い、微粉炭吹き込み量200kg/
銑鉄t相当の操業をベースとして、装入鉱石、装入副原
料および粉状副原料の吹き込みによってスラグ性状を変
更し、スラグ粘度が排滓性に及ぼす影響を調査した。
の試験高炉による操業を行い、微粉炭吹き込み量200kg/
銑鉄t相当の操業をベースとして、装入鉱石、装入副原
料および粉状副原料の吹き込みによってスラグ性状を変
更し、スラグ粘度が排滓性に及ぼす影響を調査した。
【0040】なお、試験高炉の出銑孔は炉底にあり、さ
らに炉床径が0.9 mと小さいために出銑終了時の炉内に
は銑滓残留量が存在しないことから、スラグ流動性の悪
化は、単位時間あたりの排滓量、すなわち排滓速度の低
下として現れる。
らに炉床径が0.9 mと小さいために出銑終了時の炉内に
は銑滓残留量が存在しないことから、スラグ流動性の悪
化は、単位時間あたりの排滓量、すなわち排滓速度の低
下として現れる。
【0041】試験条件および試験結果を表1にまとめて
示す。
示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1における試験番号Aは、スラグ中のAl
2O3 含有量が低い場合の例である。スラグの流動性が良
好であるため、排滓速度は4.9kg/s と大きいのに対し、
試験番号Bのようにスラグ中のAl2O3 含有量が5%上昇
するとスラグの流動性の低下により排滓速度は3.2kg/s
と低下した。
2O3 含有量が低い場合の例である。スラグの流動性が良
好であるため、排滓速度は4.9kg/s と大きいのに対し、
試験番号Bのようにスラグ中のAl2O3 含有量が5%上昇
するとスラグの流動性の低下により排滓速度は3.2kg/s
と低下した。
【0044】そこで、試験番号Eでは、MgO 系の副原料
(蛇紋岩等)を鉱石と同時に炉頂から装入し、スラグの
MgO 含有量を上昇させると、排滓速度はAl2O3 含有量が
低位であった試験番号Aのレベルである5.1kg/s まで回
復した。また、試験番号Fでは、MgO 系粉状副原料を羽
口から吹き込むことによってスラグ中のMgO 含有量を上
昇させたが、試験番号Eと同様に排滓速度は回復した。
(蛇紋岩等)を鉱石と同時に炉頂から装入し、スラグの
MgO 含有量を上昇させると、排滓速度はAl2O3 含有量が
低位であった試験番号Aのレベルである5.1kg/s まで回
復した。また、試験番号Fでは、MgO 系粉状副原料を羽
口から吹き込むことによってスラグ中のMgO 含有量を上
昇させたが、試験番号Eと同様に排滓速度は回復した。
【0045】また、表1には、数値的な流動シミュレー
ションによって試験高炉を対象として計算した結果を示
した。表1から、計算値と実測値とに精度のよい一致性
が認められるため、前述した高炉対象の排滓シミュレー
ション結果が妥当であることがわかる。
ションによって試験高炉を対象として計算した結果を示
した。表1から、計算値と実測値とに精度のよい一致性
が認められるため、前述した高炉対象の排滓シミュレー
ション結果が妥当であることがわかる。
【0046】また、試験番号Cは、試験番号Bに対して
微粉炭比を150kg/銑鉄tに低下させた。排滓速度は殆ど
変化しないものの、試験番号Dのように微粉炭比を100k
g/銑鉄tまで低下させると、排滓速度は計算値よりもや
や増加することがわかる。これは、炉下部に滞留する粉
状物質の存在率の低下のため、コークス充填層の通液抵
抗が低下したためであると考えられる。すなわち、微粉
炭吹込量が低下すると、スラグの流動性低下による排滓
性への悪影響が低減されることがわかる。
微粉炭比を150kg/銑鉄tに低下させた。排滓速度は殆ど
変化しないものの、試験番号Dのように微粉炭比を100k
g/銑鉄tまで低下させると、排滓速度は計算値よりもや
や増加することがわかる。これは、炉下部に滞留する粉
状物質の存在率の低下のため、コークス充填層の通液抵
抗が低下したためであると考えられる。すなわち、微粉
炭吹込量が低下すると、スラグの流動性低下による排滓
性への悪影響が低減されることがわかる。
【0047】また、表2および表3は、内容積が1850m3
であるA高炉において、スラグ中のAl2O3 含有量が16.5
%以上、かつMgO 含有量が5%以上の操業条件下でのス
ラグ流動性の変更例を示す。
であるA高炉において、スラグ中のAl2O3 含有量が16.5
%以上、かつMgO 含有量が5%以上の操業条件下でのス
ラグ流動性の変更例を示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表2および表3におけるケース番号1は基
準操業例を示す。Al2O3 の上昇により、ケース番号2に
示すように、出銑比当たりの出銑回数が0.5 以上増加
し、出銑滓の状況が悪化する。そこで、副原料の装入に
よる調整によりMgO 含有量を上昇させる場合、ケース番
号4のように増加量が0.43%のときには変化はなかった
ものの、ケース番号3のように1.48%増加させることに
よって出銑回数を低下させることができた。
準操業例を示す。Al2O3 の上昇により、ケース番号2に
示すように、出銑比当たりの出銑回数が0.5 以上増加
し、出銑滓の状況が悪化する。そこで、副原料の装入に
よる調整によりMgO 含有量を上昇させる場合、ケース番
号4のように増加量が0.43%のときには変化はなかった
ものの、ケース番号3のように1.48%増加させることに
よって出銑回数を低下させることができた。
【0051】しかしながら、ケース番号5のようにMgO
含有量の増加を過度に行うと、逆に出銑回数が増加し、
炉の通気性も悪化した。これは、高Al2O3 含有量および
高MgO 含有量により、スラグ結晶化温度が上昇し、炉下
部におけるスラグの滴下、または、炉内の低温部分の流
動性を損なったためである。
含有量の増加を過度に行うと、逆に出銑回数が増加し、
炉の通気性も悪化した。これは、高Al2O3 含有量および
高MgO 含有量により、スラグ結晶化温度が上昇し、炉下
部におけるスラグの滴下、または、炉内の低温部分の流
動性を損なったためである。
【0052】また、ケース番号6のようにスラグ塩基度
を低下させることによっても出銑回数を低下させること
が可能であるが、ケース番号7のように塩基度の低下量
が小さい場合には出銑回数を低下させることはできな
い。また、ケース番号8のように大幅に塩基度を低下さ
せると溶銑の脱硫率が極端に低下するために溶銑中のS
含有量が上昇する。これにより、塩基度の低下量には適
正な範囲が存在することがわかる。
を低下させることによっても出銑回数を低下させること
が可能であるが、ケース番号7のように塩基度の低下量
が小さい場合には出銑回数を低下させることはできな
い。また、ケース番号8のように大幅に塩基度を低下さ
せると溶銑の脱硫率が極端に低下するために溶銑中のS
含有量が上昇する。これにより、塩基度の低下量には適
正な範囲が存在することがわかる。
【0053】これに対して、MgO 含有量を増加させる
と、溶銑の脱硫能が向上することから、ケース3ならび
に、以下に示すケース9、11および14においては、スラ
グの流動性の向上とともに、脱硫率の向上という相乗効
果が得られる。
と、溶銑の脱硫能が向上することから、ケース3ならび
に、以下に示すケース9、11および14においては、スラ
グの流動性の向上とともに、脱硫率の向上という相乗効
果が得られる。
【0054】ケース番号9に示すように、適度なMgO の
増加と塩基度の低下とを同時に行うと出銑回数を低下さ
せることができ、良好な操業に復帰することができる。
ケース番号10は、スラグのAl2O3 含有量の増加により、
任意の出銑口からのスラグ比が平均スラグ比よりも10%
以上低下し、各出銑口間の偏差を伴った出銑滓状況の悪
化により操業に支障を来した例である。この場合も、副
原料の装入または吹き込みによる調整により、ケース番
号11のようにMgO 含有量を増加させるか、ケース番号
12のようにスラグ塩基度を低下させることによって、各
出銑口間の偏差を解消し、各出銑口からのスラグ比を平
均スラグ比と同等までに上昇させて操業を回復させるこ
とができた。
増加と塩基度の低下とを同時に行うと出銑回数を低下さ
せることができ、良好な操業に復帰することができる。
ケース番号10は、スラグのAl2O3 含有量の増加により、
任意の出銑口からのスラグ比が平均スラグ比よりも10%
以上低下し、各出銑口間の偏差を伴った出銑滓状況の悪
化により操業に支障を来した例である。この場合も、副
原料の装入または吹き込みによる調整により、ケース番
号11のようにMgO 含有量を増加させるか、ケース番号
12のようにスラグ塩基度を低下させることによって、各
出銑口間の偏差を解消し、各出銑口からのスラグ比を平
均スラグ比と同等までに上昇させて操業を回復させるこ
とができた。
【0055】また、ケース番号13は、スラグのAl2O3 含
有量の増加により、出銑時間に対する出滓時間の割合が
6%以上低下することで、出銑滓状況が悪化し、操業に
支障をきたした例である。この場合も、副原料の装入ま
たは、吹き込みによる調整により良好な操業に復帰させ
ることができた。ケース番号14ではスラグ塩基度を低下
させることにより、また、ケース番号15ではスラグ中の
MgO 含有量を増加させ、さらに、スラグ塩基度を低下さ
せることにより出銑時間に対する出滓時間の割合を増加
させることができ、スラグのAl2O3 含有量が16.5%以上
を含む高炉操業において、安定操業を遂行することがで
きた。
有量の増加により、出銑時間に対する出滓時間の割合が
6%以上低下することで、出銑滓状況が悪化し、操業に
支障をきたした例である。この場合も、副原料の装入ま
たは、吹き込みによる調整により良好な操業に復帰させ
ることができた。ケース番号14ではスラグ塩基度を低下
させることにより、また、ケース番号15ではスラグ中の
MgO 含有量を増加させ、さらに、スラグ塩基度を低下さ
せることにより出銑時間に対する出滓時間の割合を増加
させることができ、スラグのAl2O3 含有量が16.5%以上
を含む高炉操業において、安定操業を遂行することがで
きた。
【0056】なお、MgO 含有量および塩基度の操作量の
好ましい範囲は、Al2O3 含有量が16.5%以上の場合に、
Al2O3 含有量の1%の増加に対して、MgO 含有量で0.6
〜2.0 %の増加、塩基度で0.015 〜0.035 の低下であ
る。
好ましい範囲は、Al2O3 含有量が16.5%以上の場合に、
Al2O3 含有量の1%の増加に対して、MgO 含有量で0.6
〜2.0 %の増加、塩基度で0.015 〜0.035 の低下であ
る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、ス
ラグ中のAl2O3 含有量が16.6〜20.0%、MgO 含有量が5.
0 〜10.0%を含む操業において、出銑比あたりの出銑回
数が0.5 以上増加したとき、または、任意の出銑孔から
排出された銑鉄量に対するスラグ量の比が平均スラグ比
よりも10%以上低下した場合、または、出銑時間に対す
る出滓時間の割合が6%以上低下した場合、スラグのMg
O 含有量を上昇、またはスラグの{(CaO含有量)/(SiO2
含有量) }の値を低下させるように、炉頂からの装入原
料または羽口からの吹き込み原料を変更することによっ
て、排滓性の悪化による操業変動を抑制した安定した高
炉操業を実現することができる。
ラグ中のAl2O3 含有量が16.6〜20.0%、MgO 含有量が5.
0 〜10.0%を含む操業において、出銑比あたりの出銑回
数が0.5 以上増加したとき、または、任意の出銑孔から
排出された銑鉄量に対するスラグ量の比が平均スラグ比
よりも10%以上低下した場合、または、出銑時間に対す
る出滓時間の割合が6%以上低下した場合、スラグのMg
O 含有量を上昇、またはスラグの{(CaO含有量)/(SiO2
含有量) }の値を低下させるように、炉頂からの装入原
料または羽口からの吹き込み原料を変更することによっ
て、排滓性の悪化による操業変動を抑制した安定した高
炉操業を実現することができる。
【0058】また、微粉炭は150kg/pt以上の操業で上記
の操作は効果的であり、また炉床径が12m以上である高
炉での効果は絶大である。かかる効果を有する本発明の
意義は、極めて著しい。
の操作は効果的であり、また炉床径が12m以上である高
炉での効果は絶大である。かかる効果を有する本発明の
意義は、極めて著しい。
【図1】スラグ流動性と出銑時間との関係を示すグラフ
である。
である。
【図2】スラグ流動性の悪化を引き起こす出銑滓時間の
短縮による出銑滓挙動の変化の状況を示すグラフであ
る。
短縮による出銑滓挙動の変化の状況を示すグラフであ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 高炉の出銑口から排出されるスラグ中の
Al2O3 含有量が16.5質量%以上および、MgO 含有量が5
質量%以上である高炉の操業において、 出銑比当たりの出銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増
加したときに、下記(a) および(b) にそれぞれ規定され
た操作のうちの1つ以上の操作を行うことを特徴とする
高炉の操業方法。 (a) 排出されるスラグのMgO 含有量を、前記出銑比当た
りの出銑回数(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以前
のMgO 含有量よりも上昇させること。 (b) 排出されるスラグの塩基度(SiO2 含有量に対するCa
O 含有量の比の値)を、前記出銑比当たりの出銑回数
(回/(t/day/m3))が0.5 以上増加する以前のスラグの塩
基度よりも低下させること。 - 【請求項2】 高炉の出銑口から排出されるスラグ中の
Al2O3 含有量が16.5質量%以上および、MgO 含有量が5
質量%以上である高炉の操業において、高炉の一つの出
銑口から排出される出銑量に対するスラグ量の比(kg-ス
ラグ/t) が、高炉の全ての出銑口から排出されるスラグ
量の比の平均値よりも10%以上低下したときに、下記
(a) および(b) にそれぞれ規定された操作のうちの1つ
以上の操作を行うことを特徴とする高炉の操業方法。 (a) 排出されるスラグのMgO 含有量を、前記高炉の一つ
の出銑口から排出される出銑量に対するスラグ量の比(k
g-スラグ/t) が、高炉の全ての出銑口から排出されるス
ラグ量の比の平均値よりも10%以上低下する以前のスラ
グのMgO 含有量よりも上昇させること。 (b) 排出されるスラグの塩基度(SiO2 含有量に対するCa
O 含有量の比の値)を、前記高炉の一つの出銑口から排
出される出銑量に対するスラグ量の比(kg-スラグ/t)
が、高炉の全ての出銑口から排出されるスラグ量の比の
平均値よりも10%以上低下する以前のスラグの塩基度よ
りも低下させること。 - 【請求項3】 高炉の出銑口から排出されるスラグ中の
Al2O3 含有量が16.5質量%以上および、MgO 含有量が5
質量%以上である高炉の操業において、出銑時間に対す
る出滓時間の割合が6%以上低下したときに、下記(a)
および(b) にそれぞれ規定された操作のうちの1つ以上
の操作を行うことを特徴とする高炉の操業方法。 (a) 排出されるスラグのMgO 含有量を、前記割合が6%
以上低下する以前のスラグのMgO 含有量よりも上昇させ
ること。 (b) 排出されるスラグの塩基度(SiO2 含有量に対するCa
O 含有量の比の値)を、前記割合が6%以上低下する以
前のスラグの塩基度よりも低下させること。 - 【請求項4】 前記(a) または(b) にそれぞれ規定され
た操作は、高炉炉頂部から装入する副原料の装入量を調
整すること、および/または羽口から吹き込む副原料の
吹き込み量を調整することにより、行われる請求項1か
ら請求項3までのいずれか1項に記載された高炉の操業
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001193471A JP2003013122A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 高炉の操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001193471A JP2003013122A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 高炉の操業方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003013122A true JP2003013122A (ja) | 2003-01-15 |
Family
ID=19031753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001193471A Withdrawn JP2003013122A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 高炉の操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003013122A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112553388A (zh) * | 2020-11-23 | 2021-03-26 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种高品位钒钛磁铁矿的炉料及冶炼方法 |
-
2001
- 2001-06-26 JP JP2001193471A patent/JP2003013122A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112553388A (zh) * | 2020-11-23 | 2021-03-26 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种高品位钒钛磁铁矿的炉料及冶炼方法 |
CN112553388B (zh) * | 2020-11-23 | 2022-07-29 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种高品位钒钛磁铁矿的炉料及冶炼方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5696814B2 (ja) | ベルレス高炉への原料装入方法 | |
JP2008184626A (ja) | 高炉操業方法 | |
WO1996015277A1 (fr) | Procede d'utilisation d'un haut fourneau | |
JP4792797B2 (ja) | ベルレス高炉への高結晶水含有鉱石の装入方法 | |
JP2003013122A (ja) | 高炉の操業方法 | |
JP4765723B2 (ja) | 高炉への鉱石装入方法 | |
JP5029085B2 (ja) | 高炉炉底部耐火物の保護方法 | |
JP6198649B2 (ja) | 高炉の原料装入方法 | |
JP3171066B2 (ja) | 高炉の操業方法 | |
JP4759985B2 (ja) | 高炉操業方法 | |
JP2921392B2 (ja) | 高炉の操業方法 | |
JP4111055B2 (ja) | 高炉の操業方法 | |
JP7107050B2 (ja) | 高炉操業方法 | |
JP2019065352A (ja) | 高炉の炉底レンガ保護方法 | |
JP2020176302A (ja) | Znを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法 | |
JP3705243B2 (ja) | 高炉操業方法 | |
JP2864574B2 (ja) | 溶銑の製造装置および製造方法 | |
JP3879539B2 (ja) | 高炉の操業方法 | |
JPH05239521A (ja) | 溶銑の製造方法 | |
JP2024020713A (ja) | 高炉の操業方法 | |
JP2006131979A (ja) | ベルレス高炉へのコークス装入方法 | |
JP2003096511A (ja) | 高炉操業方法 | |
KR101557136B1 (ko) | 용철 제조 설비의 분체 이송 장치 | |
US2810634A (en) | Method of removing salamander from blast-furnace hearth | |
JP2000178615A (ja) | 高炉炉床部の湯流れ制御方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080902 |