JPH05239521A - 溶銑の製造方法 - Google Patents

溶銑の製造方法

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JPH05239521A
JPH05239521A JP4419392A JP4419392A JPH05239521A JP H05239521 A JPH05239521 A JP H05239521A JP 4419392 A JP4419392 A JP 4419392A JP 4419392 A JP4419392 A JP 4419392A JP H05239521 A JPH05239521 A JP H05239521A
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furnace
tuyere
scrap
hot metal
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JP4419392A
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Hiroaki Ishida
博章 石田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】筒型炉により鉄鉱石または/およびスクラップ
を主な鉄源として溶銑を製造するに当たり、溶銑とスラ
グの流動性の差を利用して効率のよい銑滓分離を行う。 【構成】図示の筒型炉を用いてスクラップまたは/およ
び鉄鉱石から連続的に溶銑を製造する方法において、溶
解中は低塩基度の低流動性スラグを造滓する。したがっ
て、出銑時には排出口から溶銑だけが排出され、低流動
性スラグは炉内に残留するので良好な銑滓分離が行われ
る。上記の出銑を繰り返し、炉内蓄積スラグ量が限度量
に達すると、スラグの塩基度または/および温度を上げ
てスラグの流動性を高めて排滓を行う。 【効果】炉体傾動を行わず、また、排滓口を別途設ける
ことなく銑滓分離が行われ、連続操業の安定化、鉄歩留
の向上が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄鉱石とスクラップ
を主な鉄源とし筒型炉を用いて溶銑を製造する方法であ
って、炉体傾動を行うことなく、また、排滓口を別途設
置することなく、炉内で生成した溶銑とスラグを容易に
分離することができる溶銑製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄源としてのスクラップは転炉製
鋼時の冷材として一部使用されているが、大部分は電気
炉において溶解精錬されてきた。しかし電気料金の高い
我が国では、その使用量の増加に伴い消費電力が著しく
増大し、スクラップを使用する利点が失われつつある。
【0003】このようなことから、溶解熱源を電力より
安いコークスあるいは石炭などの炭材に求め、転炉でス
クラップを溶解しようとする、下記のような転炉スクラ
ップ溶解法が提案されている。
【0004】製鋼時の熱勘定改善方法(特公昭56−80
85号公報)、 リアクター製鉄方法および装置(特開昭57−198506号
公報)、 スクラップの溶解精錬方法(特開昭61− 47417号公
報)、 溶銑製造方法(特願昭62− 23548公報)。
【0005】これらの方法は、スクラップ配合率を増加
し、あるいはスクラップを 100%使用する転炉製鋼法で
ある。しかしスクラップの需給バランスは極めて不安定
なものであり、需要が拡大すればスクラップの価格が上
がり、これを使用する製銑法および製鋼法はコスト的に
不利になる。
【0006】そこで、本出願人はスクラップと鉄鉱石を
鉄源として使用でき、しかも燃料利用効率が高い筒型炉
による溶銑の製造方法を提案した(特開平1−290711
号)。
【0007】この特開平1−290711号の方法では、図1
に示すような転炉型式の筒型炉1を用いる。この炉は、
図示のように、炉上部に炉内ガスの排出と原料装入用の
開口部2、炉壁下部に支燃性ガスと燃料を吹き込む一次
羽口3、その上部炉壁に支燃性ガスを吹き込む二次羽口
4、炉底に溶銑とスラグを排出する排出口6を備えてい
る。
【0008】上記の筒型炉1により溶銑を製造するに
は、まず炉内下部にコークス充填層7を、その上にスク
ラップと鉄鉱石の充填層8を形成させる。そして下部の
コークス充填層7に一次羽口3から支燃性ガスと燃料を
吹き込んで下記 (1)式の反応を起こさせ、その反応熱に
よりコークス充填層7を高温に保つ。
【0009】 C+1/2 02 → CO +29,400 kcal/kmol・C ・・・(1) 上記 (1)式で発生したCOは、スクラップ8-1と鉄鉱石8
-2からなる上部の充填層8で、二次羽口4から吹き込ま
れる支燃性ガスと下記 (2)式の反応(二次燃焼)を起こ
す。その反応熱はスクラップ8-1と鉄鉱石8-2の加熱お
よび溶融に利用される。
【0010】 CO+1/2 02 → CO2+67,590 kcal/kmol・CO ・・・(2) この反応で溶融した鉄鉱石 (溶融酸化鉄) は下部のコー
クス充填層7に滴下して高温のコークスと下記(3) 式に
より反応してすみやかに還元される。
【0011】 Fe2O3 +3C→2Fe+3CO− 108,090 kcal/kmol・Fe2O3 ・・・(3) 上記 (3)式の反応のとき、近傍に C02が存在しないた
め、これによって (3)式の反応が阻害されることはな
い。また (1)式および(3) 式で発生したCOはスクラップ
と鉄鉱石の充填層8内で二次燃焼するのでそれらの加熱
と溶融に有効に利用され、高い燃料利用効率が達成でき
る。
【0012】上記のように本出願人が先に提案した溶銑
製造方法によれば、転炉形式の筒型炉でスクラップと鉄
鉱石から熱効率よく溶銑を製造することができるが、溶
銑とスラグを炉体底部に設けた排出口から同時に排出す
るので、炉外でそれらを分離する必要がある。
【0013】炉外で行う銑滓分離法としては、溶銑とス
ラグを樋に流して重力分離し、スラグをスキンマーで除
去する方法、あるいはそれらを一旦トーピードカーや取
鍋などの受銑滓容器に受けた後、スラグドラッカーまた
は真空スラグ吸引除去装置等により除滓する方法等があ
る。しかし、このような方法では、銑滓分離に余分の時
間が必要である、別の分離手段がいる、作業性が悪い、
溶銑の温度が低下する、などの多くの問題がある。
【0014】これらの問題点に対処するため本出願人
は、筒型炉の炉底または炉壁下部に設けた出銑口より上
の炉壁に排滓口を設け、炉内で溶銑とスラグを比重分離
し、炉体を傾動してスラグを排滓口から排出し、その後
に溶銑を出銑口から排出して銑滓分離を行う方法を開発
して特許出願した(特開平2−200713号公報)。しか
し、この方法でも次のような問題点が生じる。
【0015】炉を傾動するため操業を中断する必要が
あり、連続安定操業に支障を来す。
【0016】炉腹側壁部は炉内部より温度が低いため
排滓途中でスラグが固化し、所定量のスラグを排出でき
ない場合がある。
【0017】スラグは溶銑より流動性が悪く、かつ炉
内はコークスやスクラップ等の固形物が充填されている
ので炉を傾動してもスラグの排出が円滑に行えず、逆に
流動性のよい溶銑が優先的に排出される場合がある。
【0018】このため本出願人は出銑口とは別に炉底部
から炉内に突き出し、その上部端面が一次羽口レベル面
近傍またはそれより下にある排滓口を設け、溶解途中に
おいて炉底蓄銑レベルを検知して排滓口の開孔タイミン
グを判断し、排滓口を開孔して排滓した後、出銑口を開
孔して出銑する溶銑の製造装置および方法を「特願平3
− 30274号」として出願した。これにより炉体を傾動せ
ずに銑滓分離が行われ、安定した連続操業が可能となっ
た。
【0019】しかし、上記の装置、方法では排滓口の上
部は炉内でも最も苛酷な溶損条件下にあり、排滓口寿命
が炉体寿命を左右するという問題があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記先願発
明(特開平1−290711号の発明)の筒型炉による溶銑製
造法を基礎として、炉内で鉄鉱石とスクラップを溶解し
て生成した溶銑とスラグを、出銑口と排滓口を別にした
り炉を傾動させたりせずに、別々に排出できるような方
法の開発を目的としてなされたものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の基本は、溶銑と
スラグの流動性(粘性)差を利用して、先ず排出口(出
銑口)から溶銑を優先排出し、その後炉内蓄積スラグの
流動性を制御して同じ排出口から排滓することにある。
【0022】本発明の要旨は次のとおりである。
【0023】(1) 上部にガスの排出と原料装入用の開口
部を、炉壁下部に一次羽口を、その上部炉壁に二次羽口
を、炉底または炉壁下部に排出口と炉底羽口を有する筒
型炉を用い、その炉底から一次羽口を含むレベルまでコ
ークスの充填層を形成させ、その上に少なくとも二次羽
口を含むレベルまで鉄鉱石または/およびスクラップの
充填層を形成させた後、一次羽口から支燃性ガスと燃料
を、二次羽口から支燃性ガスを吹き込んで鉄鉱石または
/およびスクラップを加熱し、その軟化半溶融層の上部
に、次回溶解用のコークスの充填層と鉄鉱石または/お
よびスクラップの充填層とを交互に形成させて連続的に
溶銑を製造する方法において、低塩基度の低流動性スラ
グを造滓させながら溶銑を製造し、1チャージ分を蓄銑
した後前記排出口から溶銑を排出させ、出銑毎に炉内に
残留させた前記低流動性スラグが所定基準に達したとき
炉内スラグの塩基度または/および温度を上げて前記排
出口からスラグを排出することを特徴とする溶銑の製造
方法。
【0024】(2) 炉底羽口から造滓剤を吹き込むことに
より、炉内スラグの塩基度を上げてその流動性を高める
ことを特徴とする上記(1) の溶銑の製造方法。
【0025】(3) 炉底羽口から支燃性ガスを吹き込むこ
とにより、炉内スラグの温度を上げてその流動性を高め
ることを特徴とする上記(1) の溶銑の製造方法。
【0026】(4) 炉底羽口から造滓剤を吹き込むことに
より炉内スラグの塩基度を上げ、かつ炉底羽口から支燃
性ガスを吹き込むことにより、炉内スラグの温度を上げ
てその流動性を高めることを特徴とする上記(1) の溶銑
の製造方法。
【0027】なお、本発明方法において使用する鉄鉱石
の一部に代えてMn、Cr、Mo、Niなどを多く含む鉱石、ま
たはこれらの酸化物を使用することができる。また、珪
石、石灰石、蛇紋岩、蛍石などの造滓剤を鉄鉱石ととも
に混入することができる。スクラップとしてもステンレ
ス鋼スクラップのような高合金スクラップを使用して、
その中の有用元素を再利用することが可能である。
【0028】鉄鉱石は炉の上部開口部からだけでなく、
粉状鉱石を一次羽口および/または二次羽口から吹き込
むことができる。
【0029】一次羽口および二次羽口から吹き込む支燃
性ガスは、O2含有ガスである。一次羽口からは支燃性ガ
スとともに粉炭燃料および/または炭化水素系の助燃用
燃料を吹き込むこともできる。
【0030】炉底羽口からは支燃性ガスおよび/または
粉状造滓剤(支燃性ガスまたはN2ガス等をキャリヤーガ
スとする)を吹き込むことができる。
【0031】
【作用】以下、図面を用いて本発明の方法を説明する。
【0032】前述の図1に示す筒型炉を用いて本発明の
方法による連続操業を行う場合の溶解操作は下記のとお
りである。
【0033】(a) 開口部2からコークスを装入して、炉
底から一次羽口3を含み、二次羽口4の下までコークス
充填層7を形成し、その上にスクラップ、鉄鉱石の充填
層8を形成する。
【0034】(b) 一次羽口3から支燃性ガスと燃料を吹
き込み、二次羽口4から支燃性ガスを吹き込んでスクラ
ップ8-1と鉄鉱石8-2を溶解する。
【0035】このとき炉内に生成するスラグ中のSiO2
Al2O3 および MgOの含有量はスクラップと鉄鉱石の配合
比率、コークスと微粉炭の消費量に応じて変化する。一
方、1500℃における Al2O3− CaO− MgO−SiO2系スラグ
の粘性については、J.S.Machin等が図2に示す等粘度曲
線を提示している (日本鉄鋼協会発行「溶鉄・溶滓の物
性値便覧」) 。図示のように、例えば MgO含有量を一定
としたとき、 Al2O3含有量が高く、塩基度(CaO/SiO2)が
低い場合にスラグ粘度は高くなる。したがって本発明で
は、炉内で生成するスラグのSiO2、Al2O3 および MgOの
含有量に応じて炉底羽口5から吹き込む CaOおよび MgO
を含有する造滓剤の吹き込み量を調整して、低塩基度の
低流動性スラグを造滓する。なお、あまり塩基度が低い
と塩基性の炉壁耐火物が溶損するため、CaO/SiO2は 0.4
以上とするのが望ましい。
【0036】(c) 上記溶解中に、次回溶解操作で消費す
るコークスを装入し、溶解の進行とともに次回溶解用の
スクラップと鉄鉱石を、コークスの上に装入する。
【0037】(d) 1チャージ分の溶解が完了すると、排
出口6を開孔して出銑する。このとき炉内で造滓された
スラグは、比重の差によって溶銑の上に溜まった状態に
あり、しかも低塩基度スラグの粘度は20〜40ポアズと推
定され、溶銑の粘度2〜8×10-2ポアズに比べて著しく
高く、出銑しても容易に炉外に排出されることなく、炉
内に残留して蓄積される。これにより、炉体を傾動した
り、炉内に突出させた排滓口を設けたりしなくても、良
好な銑滓分離を行うことができる。
【0038】(e) 上述した操業を連続的に繰り返して実
施し、出銑毎に炉内に残留して蓄積されたスラグが所定
の基準、例えば、スラグ上端が炉口と二次羽口の中間レ
ベルに達し、フォーミングして炉口から溢れ出るおそれ
が生じる時点で、炉内蓄積スラグを炉外に排出する。
【0039】炉内蓄積スラグ量の算定は装入鉄源の鉱石
比率〔=(鉄鉱石中全Fe量)/(スクラップ、鉄鉱石中
全Fe量)× 100%〕から推定することができる。図3に
本発明方法により溶銑を製造した場合の鉱石比率とスラ
グ重量との関係を示す。この図に示すように、鉱石比率
によってスラグ量が変化するので、操業時の装入鉱石比
率からスラグ重量を求め、累計出銑量を乗じて炉内蓄積
スラグ量を算定する。
【0040】(f) 炉内蓄積スラグの排出は、下記〜
の方法でスラグの流動性を高めることによって実施でき
る。
【0041】 炉底羽口5から CaOと MgOを含有する
造滓剤を吹き込み、前述の図2に示す等粘度曲線にした
がってスラグ塩基度を上げるように調整する、 炉底羽口5からO2ガスを吹き込んでスラグ温度を高
めるように調整する、 造滓剤と同時に支燃性ガス(O2)を吹き込み、スラ
グ塩基度を上げ、かつ温度を高める。
【0042】上述のように本発明方法を実施することに
より、効率的に溶銑とスラグの分離を達成することがで
き、安定して連続操業が行える。
【0043】
【実施例】使用した炉は、直径 1.5m、炉底から炉口ま
での高さ 3.6m、内容積 6.0m3の前記図1に示すよう
な筒型炉1である。炉壁には一次羽口3および二次羽口
4がそれぞれ炉底から 0.8m、 1.2mの位置に90度間隔
で4本ずつ設置され、炉底中央部に排出口6が設けられ
ている。また、造滓剤、O2ガス吹き込み用の炉底羽口5
を炉底に設けた。
【0044】鉄源としては、最大寸法 400mm角、嵩比重
3.5トン/m3 の表1に示す組成を有するスクラップと、
表2に示す組成を有するサイズ約10mmの鉄鉱石とを用い
た。
【0045】燃料としては表3に示す組成を有するサイ
ズ約20mmのコークスと 200メッシュ篩下の微粉炭とを用
いた。炉底羽口から吹き込んだ造滓剤の組成と粒度は表
4に示すとおりである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】送風条件としては、一次羽口から 1000Nm3
/hの酸素、400Nm3/hの羽口冷却用N2ガスと1400kg/hの微
粉炭を吹き込み、二次羽口から700Nm3/hの酸素と250Nm3
/hの羽口冷却用N2ガスを吹き込んだ。
【0051】溶解操業中の造滓条件としては、炉底羽口
5からN2ガスをキャリヤーとして、造滓剤を炉内に吹き
込み、炉内スラグ塩基度(CaO/SiO2)を約0.4 の低塩基度
に調整した。
【0052】1チャージ分のスクラップおよび鉄鉱石の
溶解が完了した後、炉底に設けた排出口6から 7.5±0.
5tの溶銑を排出し、炉内に残留して蓄積されたスラグ
が、フォーミングして炉口から溢れでるおそれが生じる
限度量である約3.6tに到達するまで、上述の溶銑排出を
数回繰り返した。
【0053】炉内蓄積スラグ量が限度量に到達した後、
炉底羽口から造滓剤および/またはO2ガスを吹き込ん
で、スラグ塩基度および/またはスラグ温度を上げてス
ラグ排出を行った。
【0054】
【比較例】実施例と同一の炉を用いて1回の溶解操作中
に、炉底羽口5から造滓剤を吹き込んで炉内スラグ塩基
度(CaO/SiO2)を約1.35に調整した以外は、実施例と同一
の条件でスクラップと鉄鉱石を溶解し、数回の溶銑排出
を繰り返した後、炉内蓄積スラグの排出を行った。
【0055】表5に溶解繰り返し中およびスラグ排出時
の造滓条件、炉内蓄積スラグと排出スラグの組成、温度
および平均鉄歩留りを実施例と比較例とを対比して示
す。
【0056】なお、実施例1と比較例1は鉱石比率が50
%、実施例2、実施例3および比較例2は鉱石比率が0
%の場合である。また実施例1はスラグ排出時にスラグ
塩基度および温度を上げた場合、実施例2はスラグ塩基
度だけ、実施例3はスラグ温度だけを上げた場合であ
る。
【0057】表5に示すように、実施例ではいずれも溶
解中の炉内スラグ塩基度が約 0.4の低塩基度に調整され
ているので、スラグ粘度は20〜40ポアズ(推定)とな
り、非常に流動性の悪いスラグが形成される。このため
出銑時には溶銑が優先的に排出され、スラグ流出は認め
られなかった。
【0058】一方、比較例ではいずれも溶解中の炉内ス
ラグ塩基度を実施例より高い約1.35に調整した結果、ス
ラグ粘度は2〜4ポアズ(推定)となり、比較的流動性
のよいスラグが形成されたので、溶銑排出とともに出銑
流の中にスラグが巻き込まれスラグ流出が認められた。
【0059】銑滓分離が不良となり、出銑時にスラグが
流出すると、スラグ中に懸濁した溶銑粒は回収されない
ので、鉄歩留、即ち〔(出銑全Fe量)/(装入スクラッ
プ、鉱石全Fe量)〕× 100%が低下する。表に示すよう
に、実施例1は比較例1より2.8 %、実施例2および3
は比較例2より 1.2%および 0.5%高い鉄歩留が得られ
ており、本発明を実施することにより、良好な銑滓分離
が行えることが明らかである。
【0060】本発明方法を実施すると、炉内にスラグが
残留して蓄積されるのでスラグ蓄積量が限度量に到達し
たときに蓄積スラグを排出する必要がある。
【0061】表5に示すように、実施例1では炉底羽口
から造滓剤およびO2ガスを吹き込み、炉内蓄積スラグの
塩基度0.41を1.34に、温度約1520℃を1610℃に高めたの
で、スラグ粘度は20〜40ポアズから2〜4ポアズに低下
し、炉内蓄積スラグを良好に排出することができた。実
施例2では造滓剤の吹き込みで炉内蓄積スラグの塩基度
0.40を1.38に高めてスラグ粘度を2〜4ポアズに低下さ
せ、実施例3ではO2ガスの吹き込みで炉内蓄積スラグ温
度約1500℃を1700℃に高めて、スラグ粘度を5〜10ポア
ズに低下させた。この結果、炉内蓄積スラグを円滑に排
滓することができた。
【0062】
【表5】
【0063】
【発明の効果】本発明の方法によれば、筒型炉を用いス
クラップまたは/および鉄鉱石を主な鉄源として、効率
よく連続的に溶銑を製造することができる。しかも、炉
体を傾動したり、炉内に突出した排滓口を設けたりする
ことなく、溶銑とスラグの流動性の差を利用して出銑時
の銑滓分離を良好に行うことができる。したがって安定
した連続操業を実現することができるだけでなく、鉄歩
留も向上させることができ、溶銑製造のトータルコスト
が削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる筒型炉の概略縦断面図で
ある。
【図2】Al2O3 −CaO −MgO −SiO2系スラグの等粘度曲
線の一例を示す図であり、 (a)図はSiO2: 35wt%、 (b)
図はSiO2: 45wt%の場合である。
【図3】本発明方法により溶銑を製造した場合の鉱石比
率とスラグ重量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1: 筒型炉、 2: 開口部、 3: 一次羽口、 4: 二次羽
口、 5: 炉底羽口、6: 排出口、 7: コークス充填層、
8 : スクラップ、鉄鉱石充填層、9: 溶銑、 10: ス
ラグ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部にガスの排出と原料装入用の開口部
    を、炉壁下部に一次羽口を、その上部炉壁に二次羽口
    を、炉底または炉壁下部に排出口と炉底羽口を有する筒
    型炉を用い、その炉底から一次羽口を含むレベルまでコ
    ークスの充填層を形成させ、その上に少なくとも二次羽
    口を含むレベルまで鉄鉱石または/およびスクラップの
    充填層を形成させた後、一次羽口から支燃性ガスと燃料
    を、二次羽口から支燃性ガスを吹き込んで鉄鉱石または
    /およびスクラップを加熱し、その軟化半溶融層の上部
    に、次回溶解用のコークスの充填層と鉄鉱石または/お
    よびスクラップの充填層とを交互に形成させて連続的に
    溶銑を製造する方法において、低塩基度の低流動性スラ
    グを造滓させながら溶銑を製造し、1チャージ分を蓄銑
    した後前記排出口から溶銑を排出させ、出銑毎に炉内に
    残留させた前記低流動性スラグが所定基準に達したとき
    炉内スラグの塩基度または/および温度を上げて前記排
    出口からスラグを排出することを特徴とする溶銑の製造
    方法。
  2. 【請求項2】炉底羽口から造滓剤を吹き込むことによ
    り、炉内スラグの塩基度を上げてその流動性を高めるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の溶銑の製造方法。
  3. 【請求項3】炉底羽口から支燃性ガスを吹き込むことに
    より、炉内スラグの温度を上げてその流動性を高めるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の溶銑の製造方法。
  4. 【請求項4】炉底羽口から造滓剤を吹き込むことにより
    炉内スラグの塩基度を上げ、かつ炉底羽口から支燃性ガ
    スを吹き込むことにより、炉内スラグの温度を上げてそ
    の流動性を高めることを特徴とする請求項1に記載の溶
    銑の製造方法。
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