JPH08199213A - 溶銑の製造方法 - Google Patents

溶銑の製造方法

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JPH08199213A
JPH08199213A JP1030095A JP1030095A JPH08199213A JP H08199213 A JPH08199213 A JP H08199213A JP 1030095 A JP1030095 A JP 1030095A JP 1030095 A JP1030095 A JP 1030095A JP H08199213 A JPH08199213 A JP H08199213A
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優 宇治澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スクラップと鉱石を鉄源とする溶銑製造法にお
ける燃料原単位の低減と生産性の向上。 【構成】筒型炉11の下部に装入されたコークス充填層15
の上に、スクラップと鉱石を別々に層状に装入し、一次
羽口13の支燃性ガス吹き込みによる部分燃焼でコークス
充填層15を高温に保持し、COガスを発生させる。そし
て、二次羽口前がスクラップ充填層16のとき二次羽口14
からの支燃性ガス吹き込みを行い、鉱石充填層17のとき
これを中断することにより、スクラップの溶融と鉱石の
ガス還元を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、筒型炉を使用しスク
ラップおよび鉱石を鉄源原料として溶銑を製造する方
法、さらに詳しくは鉄源原料の種別に適応した溶解操作
を行うことにより、燃料原単位を低減し生産性を高める
ことが可能な溶銑の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から銑鉄はその大部分が鉄鉱石を鉄
源として高炉によって製造されてきた。高炉製銑法その
ものは、永年にわたる改良が積み重ねられて銑鉄の大量
生産技術として極めて優れたものとなっている。しか
し、高炉製銑法は鉄源として高品位の焼結鉱やペレット
を、燃料及び還元剤としては高品位のコークスを使用す
るものであり、利用できる原燃料の制約がある。また、
近年の高炉は巨大化し、しかも一旦火入れした後は、吹
き止め、再火入れが簡単にできないため、鋼材需要の変
動に応じる柔軟性に乏しい。さらに高炉を建設する設備
費は年々高騰する状況にある。
【0003】そこで最近では、高炉によらない溶銑製造
方法、あるいは金属溶解法が種々提案されている。本出
願人も製鋼用転炉に類似した筒型炉を使用し、鉱石およ
び/またはスクラップを鉄源として用いる溶銑の製造方
法を特開平1−290711号公報で提案した。
【0004】上記の溶銑製造方法では図2に示すような
転炉形式の筒型炉21を用いる。同図に示すように、この
筒型炉21は、炉上部に炉内ガスの排出と原料装入用の開
口部22、炉壁下部に一次羽口23、その上部炉壁に二次羽
口24、炉底または炉底近傍下部側壁に出銑口27を備えて
いる。出銑口は排滓口を兼ねてもよく、排滓口を別に設
けてもよい。この炉を用いる溶銑製造工程は下記a〜c
からなる。
【0005】a.操業開始に当たって装入するか、また
は前回の操作から引き継いだコークス充填層25の上部
に、二次羽口24を含むレベルまで鉱石および/またはス
クラップの充填層26を形成させる装入工程((a)図)。
【0006】b.一次羽口23から支燃性ガスと、必要に
応じて微粉炭または炭化水素系燃料を吹き込み、二次羽
口24から支燃性ガスを吹き込んで鉱石および/またはス
クラップを加熱・溶融させ、溶融酸化物は直接還元して
溶銑を製造する溶解・還元工程。この工程で生じた炉内
上部空間には、次回の操作で消費が予測される所定量の
コークスと所要の副原料を装入して、鉱石および/また
はスクラップの充填層26の上部にコークス充填層25-2を
形成させる。((b)図)。
【0007】c.コークス充填層25-2の層高が一次羽口
23を含む所定のレベルに到達した時点においてbの溶解
操作を終了し、コークスを含む固形の内容物を炉内に残
存させ、生成した溶銑とスラグ28だけを出銑口27から排
出する出銑工程((c)図)。
【0008】ここでaおよびbの操作を行うのは次のよ
うな作用効果を狙うからである。即ち、一次羽口23から
下部のコークス充填層25内に支燃性ガスと、必要に応じ
て炭化水素系燃料を吹き込んで下記 (1)式に示す部分酸
化燃焼を生じさせ、その燃焼発熱によってコークス充填
層25を高温に保持する。
【0009】 C+(1/2)02 → CO + 29,400kcal/kmol・C ・・・・ (1) 上記 (1)式で発生したCOは、鉱石および/またはスクラ
ップの充填層26内で二次羽口24から吹き込まれる支燃性
ガスにより下記 (2)式に示す二次燃焼を起こす。
【0010】 CO+(1/2)02 → CO2+ 67,590kcal/kmol・CO ・・・・ (2) このようにすれば、上部で二次燃焼の発熱により鉱石お
よび/またはスクラップを加熱溶融し、溶鉄とともに溶
融酸化鉄(主にFe2O3)を生成させ、重力で下部のコーク
ス充填層25に滴下させることができる。下部のコークス
充填層25は上記(1)式の部分酸化反応により高温に保持
されているため、滴下してきた溶融酸化鉄は、下記 (3)
式により直接還元され溶鉄が生成する。
【0011】 Fe2O3 + 3C → 2Fe+ 3CO−108,090kcal/kmol・Fe2O3 ・・・・(3) さらに、生成した溶鉄を高温のコークスにより浸炭させ
て溶銑とすることができる。生成した溶鉄とスラグ28
は、前記cの操作により炉底部に設けた出銑口27から炉
外に排出される。
【0012】上記溶解操作を繰り返し続ける溶銑の製造
プロセスは、燃料利用効率 (熱効率) が高く、経済性、
生産性に優れたものである。なお、上記の方法におい
て、炉の上部開口部から装入されるスクラップは、通常
の普通鋼スクラップを使用する以外に低合金鋼スクラッ
プや高合金鋼 (例えばステンレス鋼) スクラップを使用
して、その中の有用元素を再利用することが可能であ
る。
【0013】炉の上部開口部から装入される鉱石は通常
の鉄鉱石の外にMn、Cr、Mo、Niなどを多く含む鉱石また
はこれらの酸化物を使用することができ、塊鉱石あるい
は焼結鉱、ペレットなどの塊成化鉱の形で炉内に装入す
るのがよい。なお、これらの鉱石およびコークスととも
に、珪石、石灰石、蛇紋岩、蛍石などの副原料を装入す
ることができる。
【0014】一次羽口および二次羽口から吹き込む支燃
性ガスは、O2含有ガスであるが、一次羽口からは支燃性
ガスとともに、微粉炭や重油、天然ガスなどの炭化水素
系液体または気体燃料を吹き込むのが望ましい。また、
CaOなどの脱硫剤を炉底に設けた羽口から吹き込んで低
硫黄銑を製造することもできる。
【0015】上述した方法の特徴は、炉内の反応帯をコ
ークスの充填層と鉱石および/またはスクラップの充填
層との二つに分け、前者では高温の強還元性雰囲気を保
たせて溶融酸化鉄(主にFe2O3)の直接還元を速やかに起
こさせるとともに可燃性ガスを発生させ、後者では下部
から供給される高温可燃性ガスを二次燃焼させて鉱石お
よび/またはスクラップの加熱・溶融を高い熱効率で行
わせるように、両者の役割を二分したところにある。
【0016】しかし、この方法において、鉱石および/
またはスクラップの溶解が進行し、コークス充填層25-2
が二次羽口前に荷下りしてきたときに、二次羽口からの
支燃性ガス吹き込みを同じように継続すると、コークス
充填層温度が1100℃以上になって下記 (4)式に示すソリ
ューションロス反応 (吸熱反応) が生じ、コークスを無
駄に消費することになり、燃料原単位を悪化させるとい
う問題があった。
【0017】 C+ CO2→ 2CO−38,200 kcal/kmol・C ・・・・ (4) このため、本出願人は、二次羽口前に荷下りしてくる原
料種別 (鉱石および/またはスクラップあるいはコーク
ス)に応じて、二次羽口からの支燃性ガス吹き込み量を
制御し、ソリューションロス反応を抑制する方法を特開
平4−80312 号公報に開示した。この方法により、鉱石
および/またはスクラップ充填層26の上部に装入された
コークス充填層25-2中のコークスの浪費を防止して、燃
料原単位を低減させる効果はある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記本出願人の提案し
た筒型炉を用いる製銑方法では、鉱石は、上部で溶融さ
れてコークス充填層25内に滴下する。そして、前記 (3)
式に示した吸熱反応により溶融酸化鉄 (主にFe2O3)が直
接還元されて溶鉄を生成する。このため、鉱石から溶銑
を製造するまでには、スクラップと比べ、非常に大きな
熱量が必要となる。従って、経済性のさらなる向上に
は、燃料原単位の一層の低減が必要である。
【0019】本発明の目的は、この燃料原単位の一層の
低減が可能で、生産性の高い溶銑の製造方法を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
溶銑の製造方法にある。
【0021】上部に炉内ガスの排出と原料装入用の開口
部を、下部側壁に一次羽口を、その上部側壁に二次羽口
を、炉底または炉底近傍下部側壁に溶銑および溶滓の排
出口を有する筒型炉を用い、その炉底から一次羽口を含
むレベルまでコークスの充填層を形成させ、その上層と
して二次羽口を含むレベルまで鉄源原料の充填層を形成
させ、一次羽口からは支燃性ガスと必要に応じて燃料
を、二次羽口からは支燃性ガスを吹き込んで溶銑を製造
する方法であって、 鉄源原料としてスクラップおよび鉱石を用い、炉内に
これらの鉄源原料を別々に層状装入すること、および 二次羽口前の鉄源原料層の種別を検知し、スクラップ
層が検知される時間帯には二次羽口からの支燃性ガス吹
き込みを継続してスクラップの加熱溶解を加速させ、鉱
石が検知される時間帯には二次羽口からの支燃性ガス吹
き込みを中断して鉱石のガス還元を促進すること、を特
徴とする溶銑の製造方法。
【0022】なお、本発明方法におけるスクラップと鉱
石の個別層状装入の順序は、特に限定されるものではな
いが、スクラップの層状装入後、その上に鉱石の層状装
入を行う順序とするのが望ましい。その理由は、スクラ
ップ層に二次酸素を吹き込むと、その上部に装入された
次回用のコークス充填層が高温になりカーボンソリュー
ションロスによるコークスの浪費が生ずることがあるか
らである。
【0023】二次羽口前の鉄源原料層の種別を検知する
手段としては、バッチ操業では、二次羽口送風パイプに
取りつけた覗き窓から青色フィルターを介して二次羽口
前の炉内を肉眼観察する方法を用いてもよい。しかし、
連続操業では、覗き窓からテレビモニターを介して二次
羽口前の原料種別を判別検知するのがよい。また、二次
羽口または二次羽口レベルに設置した光ファイバースコ
ープを介して二次羽口前の原料種別を判別することもで
きる。
【0024】
【作用】以下、本発明方法を図面を用いて説明する。
【0025】図1は、本発明方法を説明するための筒型
炉内の原料装入および荷下り状態と送風状況を示す模式
的な縦断面図である。なお、同図は、スクラップの層状
装入の次に鉱石の層状装入を行うという装入順序を採っ
た場合を例示している。
【0026】同図に示すように、本発明方法では前記図
2に示したものと同様の転炉形式の筒型炉11を用いる。
この筒型炉11は、炉上部に炉内ガスの排出と原料装入用
の開口部12、炉壁下部に一次羽口13、その上部炉壁に二
次羽口14、炉底または炉底近傍下部側壁に出銑口 (排滓
口を兼ねる)18 を備えている。
【0027】本発明方法による溶銑製造工程は下記a〜
cからなる。
【0028】a.操業開始に当たって装入するか、また
は前回の操作から引継いだコークス充填層15の上部に、
二次羽口14を含むレベルまでスクラップと鉱石を別々に
層状装入してスクラップ充填層16と鉱石充填層17を形成
させる装入工程((a)図)。
【0029】b.一次羽口13から支燃性ガスと、必要に
応じて微粉炭または炭化水素系燃料を吹き込み、荷下り
して来て二次羽口14前で検知される鉄源原料層の種別が
スクラップ充填層16となっている時間域では、二次羽口
14からの支燃性ガス吹き込みを継続して、スクラップの
加熱溶解を加速させ((b-1)図)、次いで、二次羽口14
前に鉱石充填層17が検知される時間域では、二次羽口14
からの支燃性ガス吹き込みを中断して鉱石のガス還元を
促進して((b-2)図) 、溶銑を製造する溶解・還元工程。
【0030】この工程で生じた炉内上部空間には、次回
の操作で消費が予測される所定量のコークスと所要の副
原料を装入して、スクラップ充填層16と鉱石充填層17の
上部にコークス充填層15-2を形成させる。
【0031】c.一次羽口13を含む所定のレベルにbで
装入したコークス充填層15-2の層高が到達した時点にお
いてbの溶解操作を終了し、コークスを含む固形の内容
物を炉内に残存させ、生成した溶銑とスラグ19だけを出
銑口18から排出する出銑工程。
【0032】ここでaの操作を行うのは、炉内にスクラ
ップと鉱石を別々に層状に装入すれば、その装入順序に
応じて二次羽口前に荷下りしてくるので ((b-1) 図およ
び(b-2) 図参照) 、原料種別に応じた二次羽口からの支
燃ガスの ON-OFF 制御が可能になるからである。
【0033】また、bの操作を行うのは次のような作用
効果を狙うからである。即ち、二次羽口14前にスクラッ
プ充填層16が検知される時間域で二次羽口14からの支燃
性ガス吹き込みを継続する((b-1)図) と、炉下部のコー
クス充填層15内での部分酸化燃焼 (前記 (1)式による)
により発生した高温のCOガスは、二次燃焼 (前記 (2)式
による) され、多量の熱がスクラップに供給される。こ
れによりスクラップの加熱、溶解を促進することができ
生産性が向上する。
【0034】次に、スクラップがほとんど溶解され、二
次羽口14前に鉱石充填層17が検知される時間域では、二
次羽口14からの支燃性ガス吹き込みは中断される((b-2)
図)。このようにすると、鉱石充填層17内で高燃焼発熱
量の二次燃焼は起こらないので、鉱石はその昇温が抑制
され、従来法のように直ちに溶融して、炉下部のコーク
ス充填層15内に滴下するようなことはない。従って、未
溶解の固体鉱石中の酸化鉄 (主にFe2O3)と、コークス充
填層15内で発生した高温のCOガスとが反応して、下記
(5)式に示すガス還元により、固体鉄が生成される。そ
して還元された固体鉄が溶融した後、コークス充填層15
内に溶鉄が滴下する。
【0035】 Fe2O3 + 3CO → 2Fe+3CO2+ 6.710 kcal/kmol・Fe2O3 ・・・・(5) 上記 (5)式に示す鉱石のガス還元は発熱反応であり、ま
た、鉱石のガス還元比率の向上により、大きい吸熱を伴
う前記 (3)式に示す溶融酸化鉄の直接還元を少なくする
ことができる。これにより鉱石の還元に必要な熱量が少
なくなり、燃料原単位を低減することができる。なお、
ガス還元されなかった溶融酸化鉄は、溶鉄とともに前記
(1)式の部分酸化燃焼により高温に保持されているコー
クス充填層15内に滴下する。そして、溶融酸化鉄は前記
(3)式により直接還元されて溶鉄を生成し、溶鉄中に浸
炭されて溶銑が製造される。
【0036】さらに、鉱石充填層17内では、二次燃焼が
起こらないので、その上部に装入された次回溶解で消費
が予測されるコークス充填層15-2が過熱されることはな
い。
【0037】従って、前記 (4)式に示すカーボンソリュ
ーションロス反応によるコークスの無駄な消費を抑制す
ることができる。ただし、原料装入順序を鉱石の層状装
入、その上にスクラップの層状装入の順とした場合は、
スクラップ充填層内での二次燃焼により、その上部のコ
ークス充填層が過熱されるのでこの効果は得られない。
【0038】上述したように、本発明の溶銑製造方法に
よれば、これまでの限界を超えて燃料原単位の低減を実
現できる。
【0039】
【実施例1】以下、本発明方法の効果を実施例に基づい
て説明する。
【0040】実施例および比較例の操業では、前記図1
に示したのと同様の構造で、内径が1.5m、炉底から炉口
までの高さが3.6m、内容積が6m3の筒型炉を使用した。
一次羽口は炉底から1.4mの高さ位置の炉側壁に円周方向
に90度間隔で4本、二次羽口は炉底から2.0mの高さ位置
の炉側壁に円周方向に90度間隔で4本設置した。出銑口
(出滓口を兼ねる)18 は炉底近傍側壁に1口設けた。
【0041】鉄源原料としては、最大寸法0.4m、嵩密度
3500kg/m3の普通鋼スクラップ (鉄純度99重量%) およ
び表1に示す組成の塊鉱石を使用した。また、燃料とし
ては表2に示す組成のコークスと微粉炭を使用した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】操業の基本条件は次のとおりである。即
ち、鉄源として鉄スクラップとともに使用する鉱石の使
用比率は、Fe換算で50%に設定した。一次羽口13から吹
き込む支燃性ガスとしては酸素を使用し、送酸量は、10
00Nm3/hrとした。同時に微粉炭を800kg/hrで吹き込ん
だ。また二次羽口14から吹き込む支燃性ガスとしても酸
素を使用し、流量は600Nm3/hr とした。
【0045】操業手順としては、まず炉底から一次羽口
13を含むレベルまでコークス充填層15を形成させ、十分
に予熱した後、溶銑8トン相当の鉄源原料をコークス充
填層15上に装入し、装入順序は実施例1ではスクラップ
の層状装入に次いで鉱石の層状装入、実施例2では、鉱
石の層状装入に次いでスクラップの層状装入の順とし
た。
【0046】スクラップ充填層16と鉱石充填層17を個別
に形成した後所定の送風を開始し、一次羽口13の送風条
件は上記基本条件に従い、二次羽口14前にスクラップ充
填層16が検知される時間域では、二次羽口14から流量 6
00Nm3/h の酸素を吹き込み、二次羽口14前に鉱石充填層
17が検知される時間域では、二次羽口14からの送酸を停
止する送風制御を繰り返して行い、出銑量が安定した時
点から8トンごとに溶銑を受銑する操業を10チャージ行
った。なお、二次羽口前の装入物の検知は、二次羽口レ
ベルに設置した光ファイバースコープによって行った。
【0047】比較例では、従来法と同様、スクラップと
鉱石を混合状態で炉内に装入し、スクラップと鉱石の充
填層26 (前記図2参照)を形成させて操業を行った。そ
して、二次羽口14からの送酸は、実施例の平均送酸速度
になるように調節して、操業中に止めることなく連続吹
き込みを行った。それ以外は実施例と同じ条件で操業を
行った。
【0048】実施例と比較例の操業結果 (10チャージの
平均値) を表3にまとめて示す。
【0049】
【表3】
【0050】表3に示すとおり、燃料原単位は比較例の
382kg/溶銑tに対し、実施例1が346kg/溶銑t、実
施例2が 350kg/溶銑tであり、これまでの限界を大き
く超える燃料原単位の低減が達成されている。さらに、
溶銑生産速度は、比較例の 6.5t/hrに対し、実施例1
が 9.9t/hr、実施例2が 9.4t/hrであり、実施例の
生産性は明らかに向上している。
【0051】これは、実施例では、炉内にスクラップと
鉱石を個別に層状装入し、二次羽口前の鉄源原料の種別
に応じて、二次羽口からの支燃性ガス吹き込みが ON-OF
F 制御されているので、スクラップ充填層内の二次燃焼
によりスクラップの加熱溶解が促進され、鉱石充填層内
のガス還元比率が向上して、溶融酸化鉄の直接還元 (吸
熱) が抑制される。その結果、排ガス平均利用率は、比
較例の38.9%に対し、実施例1が48.2%、実施例2が4
5.5%となっており、実施例の燃料利用効率が比較例に
較べて向上したことに起因する。
【0052】なお、実施例1に較べて実施例2の排ガス
平均利用率が若干低く、燃料原単位が若干高くなってい
る。これは、二次燃焼されるスクラップ充填層の直上に
次チャージ用のコークス充填層が装入されているため、
実施例1よりカーボンソリューションロスが若干多くな
ったことによると考えられる。しかし悪化の程度は僅か
であり、本発明方法の効果を損なうものではない。
【0053】
【発明の効果】本発明の溶銑製造方法によれば、転炉形
式の筒型炉を用いスクラップと鉱石を鉄源として燃料利
用効率が高い操業を行うことができる。そして、これま
での限界を超える燃料原単位の低減と生産性の向上が実
現され、その経済効果はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を説明するための筒型炉内の原料装
入とその荷下り状態および送風状況を示す模式的縦断面
図である。
【図2】筒型炉を用いスクラップと鉱石を鉄源として溶
銑を製造する方法を説明するための炉内の原料装入とそ
の荷下り状態および送風状況を示す模式的縦断面図であ
る。
【符号の説明】
11、21: 筒型炉 12、22: 開口部 13、
23: 一次羽口 14、24: 二次羽口 15、25: コークス充填層 15-
2: コークス充填層 16: スクラップ充填層 17: 鉱石充填層 26:
スクラップ、鉱石充填層 18、27: 出銑口 19、28: 溶銑・スラグ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部に炉内ガスの排出と原料装入用の開口
    部を、下部側壁に一次羽口を、その上部側壁に二次羽口
    を、炉底または炉底近傍下部側壁に溶銑および溶滓の排
    出口を有する筒型炉を用い、その炉底から一次羽口を含
    むレベルまでコークスの充填層を形成させ、その上層と
    して二次羽口を含むレベルまで鉄源原料の充填層を形成
    させ、一次羽口からは支燃性ガスと必要に応じて燃料
    を、二次羽口からは支燃性ガスを吹き込んで溶銑を製造
    する方法であって、鉄源原料としてスクラップおよび鉱
    石を用い、炉内にこれらの鉄源原料を別々に層状装入す
    ること、ならびに二次羽口前の鉄源原料層の種別を検知
    し、スクラップ層が検知される時間帯には二次羽口から
    の支燃性ガス吹き込みを継続してスクラップの加熱溶解
    を加速させ、鉱石が検知される時間帯には二次羽口から
    の支燃性ガス吹き込みを中断して鉱石のガス還元を促進
    することを特徴とする溶銑の製造方法。
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