JP2817225B2 - 低硫黄銑の製造方法 - Google Patents
低硫黄銑の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、製鋼用転炉に類する比較的簡単な構造の
筒型炉を使用し、かつ鉄源としてスクラップと鉄鉱石を
併用し、低硫黄の溶銑を製造する方法に関する。
筒型炉を使用し、かつ鉄源としてスクラップと鉄鉱石を
併用し、低硫黄の溶銑を製造する方法に関する。
(従来の技術) 近年、鋼の材質の高級化の一つとして、低硫黄鋼の製
造が増大している。一方においては、鋼材の低価格化の
要望も強く、低硫黄鋼の安価な製造方法の確立が急務で
ある。
造が増大している。一方においては、鋼材の低価格化の
要望も強く、低硫黄鋼の安価な製造方法の確立が急務で
ある。
通常、低硫黄鋼はまず、高炉内で造滓剤として石灰
石、蛇紋岩を装入して溶銑中硫黄()が0.03〜0.02%
程度の溶銑を製造し、この溶銑を転炉まで運搬するトー
ピードカーまたは取鍋内でKR法、インジェクション法な
どにより溶製鋼種に合わせて、≒0.01〜0.002%まで
溶銑脱硫している。
石、蛇紋岩を装入して溶銑中硫黄()が0.03〜0.02%
程度の溶銑を製造し、この溶銑を転炉まで運搬するトー
ピードカーまたは取鍋内でKR法、インジェクション法な
どにより溶製鋼種に合わせて、≒0.01〜0.002%まで
溶銑脱硫している。
しかしながら、上記方法では種々の工程を経るために
溶銑の温度低下が大きく、熱源の供給が必要になった
り、歩留りの低下、必要資材の増量等により製造コスト
が高くなるという欠点がある。
溶銑の温度低下が大きく、熱源の供給が必要になった
り、歩留りの低下、必要資材の増量等により製造コスト
が高くなるという欠点がある。
そこで、高炉法に代わる溶融還元製鉄法において、溶
融還元炉内にて溶銑を脱流する方法が提案された(特開
昭61−199010号公報)。その方法は、溶融還元炉内の溶
銑中に脱硫フラックスを吹き込み、溶銑を脱硫すること
を特徴とするものである。この方法によれば、同一炉内
で脱硫するため、熱的に有利になるが、溶融還元過程に
おいて多量のエネルギーを必要とするため、トータルで
は熱効率が低い。更に、Sも0.02%程度まで下げるのが
限界で、前記のKR法やインジェクション法等の溶銑脱硫
法に匹敵するような極低硫黄の溶銑(<0.005%)は
製造できない。
融還元炉内にて溶銑を脱流する方法が提案された(特開
昭61−199010号公報)。その方法は、溶融還元炉内の溶
銑中に脱硫フラックスを吹き込み、溶銑を脱硫すること
を特徴とするものである。この方法によれば、同一炉内
で脱硫するため、熱的に有利になるが、溶融還元過程に
おいて多量のエネルギーを必要とするため、トータルで
は熱効率が低い。更に、Sも0.02%程度まで下げるのが
限界で、前記のKR法やインジェクション法等の溶銑脱硫
法に匹敵するような極低硫黄の溶銑(<0.005%)は
製造できない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来の高炉製銑法や溶融還元法よりも熱効
率が高く、しかも極低硫黄溶銑が製造できる新しい低硫
黄銑の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
率が高く、しかも極低硫黄溶銑が製造できる新しい低硫
黄銑の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本出願人はさきに転炉型の筒型炉を用い、スクラップ
と鉄鉱石を鉄源として熱効率よく溶銑を製造する方法を
提案した(特願昭63−122292号)。その溶銑の製造方法
では第1図に示すような転炉型式の筒型炉1を用いる。
この筒型炉1は図示のように、炉上部に炉内ガスの排出
と原料装入用の開口部2、炉壁下部に支燃性ガスと必要
に応じて燃料を吹き込む一次羽口3、その上部炉壁に支
燃性ガスを吹き込む二次羽口4、炉底に溶銑とスラグを
排出する出銑口5を備えている。
と鉄鉱石を鉄源として熱効率よく溶銑を製造する方法を
提案した(特願昭63−122292号)。その溶銑の製造方法
では第1図に示すような転炉型式の筒型炉1を用いる。
この筒型炉1は図示のように、炉上部に炉内ガスの排出
と原料装入用の開口部2、炉壁下部に支燃性ガスと必要
に応じて燃料を吹き込む一次羽口3、その上部炉壁に支
燃性ガスを吹き込む二次羽口4、炉底に溶銑とスラグを
排出する出銑口5を備えている。
上記筒型炉1を用いて溶銑を製造するには、まず炉内
下部にコークス充填層7を、その上にスクラップと鉄鉱
石の充填層8を形成させる。そして下部のコークス層7
に一次羽口3から支燃性ガスと必要に応じて燃料を吹き
込んで下記(1)式の反応を生じさせ、その反応熱によ
ってコークス層7を高温に保つ。
下部にコークス充填層7を、その上にスクラップと鉄鉱
石の充填層8を形成させる。そして下部のコークス層7
に一次羽口3から支燃性ガスと必要に応じて燃料を吹き
込んで下記(1)式の反応を生じさせ、その反応熱によ
ってコークス層7を高温に保つ。
C+1/202→CO+29,400kcal/kmol・C …(1) 上記(1)式で発生したCOは、スクラップと鉄鉱石の
充填層8で二次羽口4から吹きこまれる支燃性ガスと下
記(2)式の反応(2次燃焼)を起こす。その反応熱は
スクラップと鉄鉱石の加熱および溶融に利用される。
充填層8で二次羽口4から吹きこまれる支燃性ガスと下
記(2)式の反応(2次燃焼)を起こす。その反応熱は
スクラップと鉄鉱石の加熱および溶融に利用される。
CO+1/202→CO2+67,590kcal/kmol・CO …(2) この反応で溶融した鉄鉱石(溶融酸化鉄)は下部のコ
ークス層7に滴下して高温のコークスと下記(3)式に
より反応してすみやかに還元される。
ークス層7に滴下して高温のコークスと下記(3)式に
より反応してすみやかに還元される。
Fe2O3+3C→2Fe+3CO −108,090kcal/kmol・Fe2O3 …(3) 上記(3)式の反応のとき、近くにCO2が存在しない
からCO2で(3)式の反応が阻害されることはない。そ
して(1)式および(2)式で発生したCOはスクラップ
と鉄鉱石の充填層8内で2次燃焼するために、それらの
加熱と溶融に有効に利用されて高い燃料効率が達成され
る。
からCO2で(3)式の反応が阻害されることはない。そ
して(1)式および(2)式で発生したCOはスクラップ
と鉄鉱石の充填層8内で2次燃焼するために、それらの
加熱と溶融に有効に利用されて高い燃料効率が達成され
る。
以上のように本出願人が先に提案した上記溶銑の製造
方法によれば、転炉型式の筒型炉でスクラップと鉄鉱石
から熱効率よく溶銑を製造することができる。
方法によれば、転炉型式の筒型炉でスクラップと鉄鉱石
から熱効率よく溶銑を製造することができる。
本発明者らは、上記筒型炉による溶銑製造法をさらに
発展させて、低硫黄溶銑の新しい製造方法を開発した。
本発明は、下記の低硫黄銑の製造方法をその要旨とす
る。
発展させて、低硫黄溶銑の新しい製造方法を開発した。
本発明は、下記の低硫黄銑の製造方法をその要旨とす
る。
「炉上部にガス排出と原料装入用の開口部を、炉底部
および/または下部炉壁に一次羽口と排滓口および出銑
口を、上部炉壁に二次羽口をそれぞれ有する筒型炉を用
い、その炉底から一次羽口を含むレベルまでコークスの
充填層を形成させ、その上部に二次羽口を含むレベルま
でスクラップおよび鉄鉱石を主体とする充填層を形成さ
せた後、一次羽口と二次羽口から支燃性ガスを吹き込ん
で溶銑を製造し、この溶銑中に溶銑トン当たり0.03Nm3/
分以上の不活性ガスをキャリアガスとしてCaOを主成分
とする粉体を吹き込み、炉内のスラブ塩基度(CaO/Si
O2)を2.0以上として溶銑を撹拌しつつ脱硫することを
特徴とする低硫黄銑の製造方法」(以下、これを本発明
方法という。) 本発明方法において、炉の上部開口部から装入する鉱
石は、通常の鉄鉱石の外にMn、Cr、Mo、Niなどを多く含
む鉱石またはこれらの酸化物を使用することができる。
また、これらの鉱石類およびコークスとともに、珪石、
石灰石、蛇紋岩、蛍石などの副原料を装入することがで
きる。スクラップとしても、ステンレス鋼スクラップの
ような高合金スクラップを使用してその中の有用元素を
再利用することが可能である。
および/または下部炉壁に一次羽口と排滓口および出銑
口を、上部炉壁に二次羽口をそれぞれ有する筒型炉を用
い、その炉底から一次羽口を含むレベルまでコークスの
充填層を形成させ、その上部に二次羽口を含むレベルま
でスクラップおよび鉄鉱石を主体とする充填層を形成さ
せた後、一次羽口と二次羽口から支燃性ガスを吹き込ん
で溶銑を製造し、この溶銑中に溶銑トン当たり0.03Nm3/
分以上の不活性ガスをキャリアガスとしてCaOを主成分
とする粉体を吹き込み、炉内のスラブ塩基度(CaO/Si
O2)を2.0以上として溶銑を撹拌しつつ脱硫することを
特徴とする低硫黄銑の製造方法」(以下、これを本発明
方法という。) 本発明方法において、炉の上部開口部から装入する鉱
石は、通常の鉄鉱石の外にMn、Cr、Mo、Niなどを多く含
む鉱石またはこれらの酸化物を使用することができる。
また、これらの鉱石類およびコークスとともに、珪石、
石灰石、蛇紋岩、蛍石などの副原料を装入することがで
きる。スクラップとしても、ステンレス鋼スクラップの
ような高合金スクラップを使用してその中の有用元素を
再利用することが可能である。
鉄鉱石は、炉の上部開口部からだけでなく、粉状鉱石
を一次羽口および/または二次羽口から吹き込むことも
できる。
を一次羽口および/または二次羽口から吹き込むことも
できる。
一次羽口および二次羽口から吹き込む支燃性ガスは、
O2含有ガスであり、一次羽口からは支燃性ガスととも
に、微粉炭や重油、天然ガスなどの気体または液体の燃
料を吹き込むことができる。
O2含有ガスであり、一次羽口からは支燃性ガスととも
に、微粉炭や重油、天然ガスなどの気体または液体の燃
料を吹き込むことができる。
一次羽口は、炉底または炉壁の最下部にある場合に
は、後述する脱硫剤の吹き込みにも兼用することができ
るが、第1図の3′に示すように、炉底に脱硫剤吹き込
み用の羽口を別途設けてもよい。
は、後述する脱硫剤の吹き込みにも兼用することができ
るが、第1図の3′に示すように、炉底に脱硫剤吹き込
み用の羽口を別途設けてもよい。
脱硫剤はCaOを主成分とする粉体である。CaOの外に、
CaCO3、CaF2、或いはさらに金属Alを混合した粉体であ
ってもよい。吹き込み量は、スラグの塩基度を2.0以上
にするに足りる量とするのが望ましい。
CaCO3、CaF2、或いはさらに金属Alを混合した粉体であ
ってもよい。吹き込み量は、スラグの塩基度を2.0以上
にするに足りる量とするのが望ましい。
脱硫剤は不活性ガス、例えば、窒素、アルゴン等をキ
ャリアーガスとして溶銑中に吹き込む。このキャリアー
ガスが溶銑を撹拌して脱硫反応を促進する作用をもつ。
キャリアーガスの外に、撹拌用ガスとして同じく不活性
ガスを吹き込むが、後述するように、その量は溶銑1ト
ン当たり0.03Nm3/分以上の流量にするのがよい。
ャリアーガスとして溶銑中に吹き込む。このキャリアー
ガスが溶銑を撹拌して脱硫反応を促進する作用をもつ。
キャリアーガスの外に、撹拌用ガスとして同じく不活性
ガスを吹き込むが、後述するように、その量は溶銑1ト
ン当たり0.03Nm3/分以上の流量にするのがよい。
脱硫剤の吹き込みは、鉱石とスクラップの溶解がほぼ
完了してから行うのであるが、同時に生成するスラグを
排滓口から出滓した後、残留した溶銑に対して行うのが
望ましい。しかし、排滓前に脱硫処理してから、生成し
たスラグを排滓口から出滓することもできる。
完了してから行うのであるが、同時に生成するスラグを
排滓口から出滓した後、残留した溶銑に対して行うのが
望ましい。しかし、排滓前に脱硫処理してから、生成し
たスラグを排滓口から出滓することもできる。
脱硫処理の完了後に製造された低硫黄銑を出銑口から
取り出す。
取り出す。
(作用) 本発明の箇型炉を用いる溶銑の製造方法では高い二次
燃焼率が得られる。また、鉄鉱石に代えて一部スクラッ
プを使用しているため、コークス原単位が低い。即ち、
装入原料からもたらされる硫黄が少ないため、比較的低
硫黄の溶銑が得られる。さらに、二次羽口周辺の炉上部
が鉄鉱石とスクラップの溶融還元と溶解のためのゾーン
に、一方、一次羽口周辺の炉下部が生成された溶銑の還
元(即ち、脱硫)のゾーンに分離されているため、脱硫
反応が進みやすい。特に、CaF2を添加して滓化を促進し
Alを添加して強還元雰囲気にすれば、極低硫黄銑も容易
に得られる。
燃焼率が得られる。また、鉄鉱石に代えて一部スクラッ
プを使用しているため、コークス原単位が低い。即ち、
装入原料からもたらされる硫黄が少ないため、比較的低
硫黄の溶銑が得られる。さらに、二次羽口周辺の炉上部
が鉄鉱石とスクラップの溶融還元と溶解のためのゾーン
に、一方、一次羽口周辺の炉下部が生成された溶銑の還
元(即ち、脱硫)のゾーンに分離されているため、脱硫
反応が進みやすい。特に、CaF2を添加して滓化を促進し
Alを添加して強還元雰囲気にすれば、極低硫黄銑も容易
に得られる。
先に述べたように、脱硫剤の吹き込みを行う前に、ス
ラグを排出しておくのが望ましい。即ち、生成した硫黄
含有量の高いスラグを一旦排出した後、残った溶銑の脱
硫処理を行うほうが効率よく低硫黄銑が製造できる。従
って、使用する筒型炉は、第1図に示すように、炉の下
部に排滓口10を出銑口とは別に(排滓口を上にする)設
けたものとし、傾動自在にして排滓を行うことができる
転炉形式の構造のものが望ましい。
ラグを排出しておくのが望ましい。即ち、生成した硫黄
含有量の高いスラグを一旦排出した後、残った溶銑の脱
硫処理を行うほうが効率よく低硫黄銑が製造できる。従
って、使用する筒型炉は、第1図に示すように、炉の下
部に排滓口10を出銑口とは別に(排滓口を上にする)設
けたものとし、傾動自在にして排滓を行うことができる
転炉形式の構造のものが望ましい。
本発明方法では、先に述べたようにMn、Cr、Mo、Niな
どの含有率の高い鉱石を使用することができる。低合金
鋼または高合金鋼用の溶銑を製造する場合に、高価な合
金鉄ではなく安価なMn、Cr、Mo、Niなどの鉱石または酸
化物を使用することで合金成分含有率の高い低硫黄銑が
低コストで製造できる。
どの含有率の高い鉱石を使用することができる。低合金
鋼または高合金鋼用の溶銑を製造する場合に、高価な合
金鉄ではなく安価なMn、Cr、Mo、Niなどの鉱石または酸
化物を使用することで合金成分含有率の高い低硫黄銑が
低コストで製造できる。
一般に鉱石は塊状の他に粉状の形で多く産出される。
特に鉱石から精製されたNiO、MoO3等の酸化物は粉状の
形で存在することが多い。従って、塊状鉱石を上部開口
部から装入するだけでなく、粉状の鉱石や酸化物をその
ままで羽口から吹込めば、溶銑製造原価を一層下げるこ
とができる。
特に鉱石から精製されたNiO、MoO3等の酸化物は粉状の
形で存在することが多い。従って、塊状鉱石を上部開口
部から装入するだけでなく、粉状の鉱石や酸化物をその
ままで羽口から吹込めば、溶銑製造原価を一層下げるこ
とができる。
本発明の筒型炉を用いる方法の利点は、バッチ式の小
ロット生産が可能なことである。多様な鋼種に対応する
溶銑を迅速に作り分けることができ、しかも転炉のよう
に完全な排滓と出鋼を行うので、前回のチャージの合金
元素による次回チャージへの汚染が軽減される。
ロット生産が可能なことである。多様な鋼種に対応する
溶銑を迅速に作り分けることができ、しかも転炉のよう
に完全な排滓と出鋼を行うので、前回のチャージの合金
元素による次回チャージへの汚染が軽減される。
さて、次に脱硫処理の好ましい条件について述べる。
第2図は、スラグ中のFeOの重量%に対する硫黄のス
ラグと溶銑への分配比(S分配比)を示す図である。な
お、 であり、S分配比が大きいということは溶銑中の硫黄
()が低い、即ち、脱硫率が高いことを意味する。
ラグと溶銑への分配比(S分配比)を示す図である。な
お、 であり、S分配比が大きいということは溶銑中の硫黄
()が低い、即ち、脱硫率が高いことを意味する。
図示のように、S分配比はスラグ中のFeOおよびスラ
グの塩基度(CaO/SiO2)と関係があり、スラグのFeOを
少なくする、即ち、スラグの酸化ポティシャルを下げれ
ばS分配比が向上し、また、スラグの塩基度を上げれば
S分配比が向上する。
グの塩基度(CaO/SiO2)と関係があり、スラグのFeOを
少なくする、即ち、スラグの酸化ポティシャルを下げれ
ばS分配比が向上し、また、スラグの塩基度を上げれば
S分配比が向上する。
通常の高炉操業では、S分配比は図の の領域にあり、S分配比=20〜50を得ることができる。
これは高炉下部において充分なコークス充填層により強
還元雰囲気が得られるからである。
これは高炉下部において充分なコークス充填層により強
還元雰囲気が得られるからである。
本発明方法でも、炉下部にはコークス充填層があっ
て、高炉下部と類似の条件にあるから、高炉に匹敵する
S分配比が期待できる。しかし、溶銑浸漬位置に配置し
た羽口から不活性ガスをキャリアーガスとしてCaOを主
成分とする脱硫剤を吹き込んでスラグ塩基度を高め、且
つガスによる溶銑の強撹拌を併用することによって、一
層大きなS分配比が得られる。
て、高炉下部と類似の条件にあるから、高炉に匹敵する
S分配比が期待できる。しかし、溶銑浸漬位置に配置し
た羽口から不活性ガスをキャリアーガスとしてCaOを主
成分とする脱硫剤を吹き込んでスラグ塩基度を高め、且
つガスによる溶銑の強撹拌を併用することによって、一
層大きなS分配比が得られる。
第2図中に■で示したのが、スラグ塩基度を2.0とし
た本発明方法の一例である。この時、金属Alを吹込んで
スラグ中のFeOを2.0%以下にすると、高炉法と同等もし
くはそれ以上のS分配比が達成でき、硫黄含有量の極め
て低い溶銑が製造できる。
た本発明方法の一例である。この時、金属Alを吹込んで
スラグ中のFeOを2.0%以下にすると、高炉法と同等もし
くはそれ以上のS分配比が達成でき、硫黄含有量の極め
て低い溶銑が製造できる。
第3図はスラグ塩基度=2.0(Al添加なし)の場合の
撹拌ガス流量によるS配分比の変化を示した図である。
高炉と同等レベルのS配分比(約40)を得るには撹拌ガ
スとして溶銑トン当たり0.03Nm3/分以上の流量を確保す
ればよいことがわかる。
撹拌ガス流量によるS配分比の変化を示した図である。
高炉と同等レベルのS配分比(約40)を得るには撹拌ガ
スとして溶銑トン当たり0.03Nm3/分以上の流量を確保す
ればよいことがわかる。
以上の結果から、溶銑浸漬位置に配置した羽口からCa
Oを主体とする粉体を吹き込むとき、スラグ塩基度が2
以上となる量とすること、金属Alを併用すること、更
に、撹拌ガスの流量を溶銑トン当たり0.03Nm3/分以上と
すること、が望ましいと言える。また、スラグの滓化促
進のため、前記粉体にCaF2を添加することも推奨され
る。
Oを主体とする粉体を吹き込むとき、スラグ塩基度が2
以上となる量とすること、金属Alを併用すること、更
に、撹拌ガスの流量を溶銑トン当たり0.03Nm3/分以上と
すること、が望ましいと言える。また、スラグの滓化促
進のため、前記粉体にCaF2を添加することも推奨され
る。
(実施例) 以下、実施例により本発明の低硫黄溶銑の製造方法を
より具体的に説明する。
より具体的に説明する。
この実施例では第1図に示す転炉様構造の試験用小型
筒型炉を用いた。この炉は、直径1.5m、炉底から炉口ま
での高さ3.6m、内容積6.0m3である。炉壁には一次羽口
3および二次羽口4がそれぞれ炉底から0.8m、1.2mの位
置に90度間隔で4本づつ設置され、炉底中央部に出銑口
5、炉底から0.6m上の炉壁に排滓口10が設けられてい
る。また、脱硫剤吹き込み用として、炉底に羽口3′を
設けた。
筒型炉を用いた。この炉は、直径1.5m、炉底から炉口ま
での高さ3.6m、内容積6.0m3である。炉壁には一次羽口
3および二次羽口4がそれぞれ炉底から0.8m、1.2mの位
置に90度間隔で4本づつ設置され、炉底中央部に出銑口
5、炉底から0.6m上の炉壁に排滓口10が設けられてい
る。また、脱硫剤吹き込み用として、炉底に羽口3′を
設けた。
原料のスクラップは第1表に示す組成を有し、嵩比重
3.5トン/m3、最大寸法400mm角にプレスしたものを用い
た。原料の鉄鉱石、合金元素含有鉱石、及び合金元素含
有酸化物の組成とサイズを第2表に示す。燃料コークス
の組成およびサイズは第3表に示す。
3.5トン/m3、最大寸法400mm角にプレスしたものを用い
た。原料の鉄鉱石、合金元素含有鉱石、及び合金元素含
有酸化物の組成とサイズを第2表に示す。燃料コークス
の組成およびサイズは第3表に示す。
支燃性ガスとしては純酸素を使用し2,500Nm3/h吹き込
んだ。羽口冷却ガスとしてN2ガスを用い、1,000Nm3/分
吹き込んだ。装入したスクラップおよび鉱石の溶解が完
了した後、炉底に設けた羽口3′からCaOを主成分とす
る粉体または前記粉体にCaF2および/または金属Alを混
合した粉体を1.5kg/分(但し、不活性ガスキャリアとし
てのN2ガスを、0.1Nm3/分=0.01Nm3/分・溶銑トン)の
速度で溶銑中に吹き込んだ。
んだ。羽口冷却ガスとしてN2ガスを用い、1,000Nm3/分
吹き込んだ。装入したスクラップおよび鉱石の溶解が完
了した後、炉底に設けた羽口3′からCaOを主成分とす
る粉体または前記粉体にCaF2および/または金属Alを混
合した粉体を1.5kg/分(但し、不活性ガスキャリアとし
てのN2ガスを、0.1Nm3/分=0.01Nm3/分・溶銑トン)の
速度で溶銑中に吹き込んだ。
吹き込んだ粉体の組成を第4表に示す。第5表中の脱
硫剤イ〜ニは第4表のイ〜ニである。
硫剤イ〜ニは第4表のイ〜ニである。
以上のような装置及び原燃料を使用して操業を行い、
第5表に示す低硫黄溶銑を製造した。なお第5表の鉱石
及び酸化物の欄の( )内英記号は第2表に記載する鉱
石と酸化物を示している。
第5表に示す低硫黄溶銑を製造した。なお第5表の鉱石
及び酸化物の欄の( )内英記号は第2表に記載する鉱
石と酸化物を示している。
第5表において、本発明例1はスクラップと鉄鉱石
(第2表のA)を用いて低炭素低Mn鋼用低硫黄溶銑を製
造した場合である。この溶銑の硫黄濃度は0.003重量%
と低い。従来例として示す高炉法によって製造した溶銑
の硫黄濃度0.008重量%と比べてみれば、本発明法によ
り製造した溶銑の硫黄濃度がいかに低いかがわかる。
(第2表のA)を用いて低炭素低Mn鋼用低硫黄溶銑を製
造した場合である。この溶銑の硫黄濃度は0.003重量%
と低い。従来例として示す高炉法によって製造した溶銑
の硫黄濃度0.008重量%と比べてみれば、本発明法によ
り製造した溶銑の硫黄濃度がいかに低いかがわかる。
本発明例2は高Mn鋼用溶銑、本発明例3は高張力鋼用
溶銑、本発明例4は3%Ni鋼用溶銑を製造した場合であ
る。そのいずれの場合にも溶銑中硫黄濃度は極めて低く
なっている。
溶銑、本発明例4は3%Ni鋼用溶銑を製造した場合であ
る。そのいずれの場合にも溶銑中硫黄濃度は極めて低く
なっている。
(発明の効果) 本発明法によれば、スクラップと鉱石を鉄源として効
率良く溶銑を製造することができるだけでなく、従来の
方法に比較してはるかに簡単に、硫黄含有量の少ない溶
銑を製造することができる。この方法を従来の製鋼プロ
セスと組合わせて使用すれば、低硫黄鋼の製造コストを
大幅に低減でき、その実用上の効果は極めて大きい。
率良く溶銑を製造することができるだけでなく、従来の
方法に比較してはるかに簡単に、硫黄含有量の少ない溶
銑を製造することができる。この方法を従来の製鋼プロ
セスと組合わせて使用すれば、低硫黄鋼の製造コストを
大幅に低減でき、その実用上の効果は極めて大きい。
第1図は、本発明方法で低硫黄銑を製造するための装置
の概略断面図、 第2図は、スラグの(FeO)および塩基度とS分配比と
の関係を示す図、 第3図は、撹拌用ガスの流量とS分配比との関係を示す
図、である。
の概略断面図、 第2図は、スラグの(FeO)および塩基度とS分配比と
の関係を示す図、 第3図は、撹拌用ガスの流量とS分配比との関係を示す
図、である。
Claims (1)
- 【請求項1】炉上部にガス排出と原料装入用の開口部
を、炉底部および/または下部炉壁に一次羽口と排滓口
および出銑口を、上部炉壁に二次羽口をそれぞれ有する
筒型炉を用い、その炉底から一次羽口を含むレベルまで
コークスの充填層を形成させ、その上部に二次羽口を含
むレベルまでスクラップおよび鉄鉱石を主体とする充填
層を形成させた後、一次羽口と二次羽口から支燃性ガス
を吹き込んで溶銑を製造し、この溶銑中に溶銑トン当た
り0.03Nm3/分以上の不活性ガスをキャリアガスとしてCa
Oを主成分とする粉体を吹き込み、炉内のスラグ塩基度
(CaO/SiO2)を2.0以上として溶銑を撹拌しつつ脱硫す
ることを特徴とする低硫黄銑の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18139789A JP2817225B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | 低硫黄銑の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18139789A JP2817225B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | 低硫黄銑の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0347906A JPH0347906A (ja) | 1991-02-28 |
JP2817225B2 true JP2817225B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=16100030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18139789A Expired - Lifetime JP2817225B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | 低硫黄銑の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2817225B2 (ja) |
-
1989
- 1989-07-13 JP JP18139789A patent/JP2817225B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0347906A (ja) | 1991-02-28 |
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Legal Events
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