JPH08120318A - 精錬炉スラグの再利用方法 - Google Patents

精錬炉スラグの再利用方法

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JPH08120318A
JPH08120318A JP25862594A JP25862594A JPH08120318A JP H08120318 A JPH08120318 A JP H08120318A JP 25862594 A JP25862594 A JP 25862594A JP 25862594 A JP25862594 A JP 25862594A JP H08120318 A JPH08120318 A JP H08120318A
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JP
Japan
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slag
concentration
refining
molten
oxide
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JP25862594A
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English (en)
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Masafumi Hanao
方史 花尾
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】精錬炉スラグの再利用方法の提供。 【構成】精錬炉発生の溶融スラグに、Mn酸化物を含有
する物質を添加してスラグ中のMn濃度を上昇させたス
ラグを、精錬工程におけるMn源として再利用する精錬
炉スラグの再利用方法。上記のMn酸化物含有物質は粒
径3mm以下の粉状とするのが望ましい。 【効果】精錬工程のスラグ滓化促進、Mn歩留の向上及
び安定化と共に、溶融スラグの持つ熱の有効活用も可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶銑または溶鋼(以
下、溶鉄という)中Mn濃度の上昇を効果的に行うため
の精錬炉スラグの再利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種鋼材に対して高品質が求めら
れるようになり、それに応じて製鋼工程において様々な
精錬方法が開発導入されている。その中で、溶銑予備処
理が転炉精錬の前工程として定着し、一般鋼のみなら
ず、低りん鋼、低硫鋼の溶製に対して大きな精錬効果が
得られている。また、転炉精錬後においても様々な精錬
工程が二次精錬として定着している。
【0003】しかしその一方で、処理工程の増加に伴っ
て造滓剤使用量が増大し、コスト増大およびスラグ投棄
等が問題となっている。そのため、造滓剤使用量の低減
およびスラグの再利用方法に関する技術開発が行われて
きた。例えば、建材や路盤材およびコンクリート、また
は造滓剤としての再利用方法などが提案され、これらは
スラグの性状により適切な方法で実用に供されている。
【0004】スラグが造滓剤として再利用される場合、
それは主に石灰系造滓剤として用いられている。これ
は、スラグの主成分であるCaOのうち、未反応でなお
精錬能を有している部分を有効に利用しようとするもの
である(例えば、特開昭62 290815号公報参照)。
【0005】また、スラグ中にはFe、Mn、Cr等の
有価金属を含んでいる場合があり、その回収を目的とし
た高炉、転炉および溶銑予備処理炉等での再利用もなさ
れている(例えば、特開昭62 202012号公報参照)。
【0006】しかし、加えてさらに、精錬炉から発生し
た溶融スラグの熱をも有効に活用してMn源となるスラ
グを製造し、これを用いるスラグ再利用精錬技術は、ま
だ提案されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高Mn鋼、例えば1.
0重量%程度以上のMnを含有する鋼の溶製は、一般に
次の方法により実施されている。すなわち、脱硫、脱り
んなどの予備処理が施された溶銑の転炉脱炭処理時にお
いて、Mn酸化物、Mn鉱石または鉄Mn鉱石(以下、
単にMn鉱石という)を添加し、溶融還元で所要Mnの
一部を上昇させた後、転炉吹錬終了後に高価なMn合金
鉄を添加することにより、溶鋼中Mn濃度を目標濃度ま
で上昇させる方法である。
【0008】目標のMn濃度が高い場合、その分、大量
のMn合金鉄添加が必要となり、製鋼コストが増大す
る。これを、安価なMn源であるMn鉱石添加に置き換
えることによるコスト低減が望まれる。
【0009】しかし、Mn鉱石をそのまま転炉脱炭処理
時に添加する場合、溶鋼温度低下、異常スロッピング発
生等の操業上の問題から、その添加量は制約を受ける。
また、Mn鉱石を大量添加した場合、スラグ中に残存す
る未反応のMnOが増加し、Mn歩留が低下する上に不
安定となる。このため、Mn歩留の観点からも、転炉脱
炭処理時におけるMn鉱石の添加量には上限がある。
【0010】目標のMn濃度が高い場合には、転炉脱炭
処理に加えて脱りんなどの溶銑予備処理時にも、Mn鉱
石を添加することがある。この場合、Mn鉱石によるM
n上昇量が大きく、Mn合金鉄の添加量を更に節減する
ことが可能となる。しかし、Mn鉱石添加による溶銑温
度低下が懸念される。このような温度低下の理由を次に
詳述する。
【0011】従来の精錬工程においては、Mn鉱石をそ
のままMn源として精錬処理時に直接炉内スラグ中に添
加し、スラグ中MnO濃度を増加させ、主に溶鉄中の
C、Siと下記(1)式あるいは(2)式の反応を起こ
させることにより、溶鉄中のMn濃度を上昇させてい
る。
【0012】 MnO+C=Mn+CO ・・・・・・・(1) MnO+Si=Mn+1/2 SiO2 ・・・(2) Mn鉱石等の一般的なMn酸化物は、MnO、Mn3
4 、Mn2 3 、あるいはMnO2 等で表される酸化M
nの複合から成り立っている。上記のようなMn酸化物
を含有する物質をMn源として直接炉内スラグに添加す
る場合、鉱石中の酸化Mnが熱分解し、溶解した後、M
nOとしてスラグ中に存在するようになる。
【0013】Mn酸化物の熱分解および溶解はいずれも
吸熱反応であり、反応が起こる場合には外部からの熱供
給を必要とする。また、スラグ中へのMnO溶解可能濃
度に限度があるため、多量のMn酸化物がスラグ中へ溶
解し、還元反応が進行するにはそれ相応の時間が必要と
なる。
【0014】そのため、精錬工程においてMn鉱石をそ
のまま添加する場合、その効率的な利用を図るため、添
加量に制約が生じ、多量に添加した場合には反応効率が
悪化するのである。
【0015】溶銑予備処理時にコークス等の炭材を同時
添加し、酸素吹き等により燃焼させ、その燃焼熱により
温度低下を防止した上でMn鉱石をそのまま添加するこ
とがあるが、ここで添加された炭材はスラグ中に浮遊し
て溶銑には溶解し難く、燃焼させても溶銑に対する着熱
が思わしくない場合が多い。さらに、炭材に含有される
S等の不純物が溶銑に溶解し、問題となることもある。
このように、溶銑予備処理時においてもMn鉱石の添加
量は、そのままでは少量に限られている。
【0016】これらの理由により、Mn鉱石添加量の制
約限界を高め、かつ、溶鉄中のMn濃度を上昇させると
ともに、可能な限りMn歩留を向上させ、Mn合金鉄使
用量を低減することができる方法の開発が必要である。
【0017】また別の問題として、製鋼工程における精
錬処理後の溶融スラグの持つ熱が有効に利用されていな
いことが挙げられる。現状では、スラグは排滓後スラグ
ヤードへ運搬され、そのまま放置されているため、転炉
スラグ等のもつ熱は熱源として有効に活用されていな
い。
【0018】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の目的は、Mn合金鉄使用量の
低減と熱の有効活用が可能な、精錬炉スラグの再利用方
法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1) および(2) の精錬炉スラグの再利用方法にある。
【0020】(1)精錬炉において発生した溶融状態のス
ラグに、Mn酸化物を含有する物質を添加してスラグ中
のMn濃度を上昇させたスラグを、精錬工程におけるM
n源として再利用することを特徴とする精錬炉スラグの
再利用方法。
【0021】(2)Mn酸化物を含有する物質の形状が粒
径3mm以下の粉状であることを特徴とする上記(1) の精
錬炉スラグの再利用方法。
【0022】上記の「精錬炉」とは溶鉄の精錬炉を指
し、転炉、電気炉、溶銑予備処理炉、真空精錬炉、取鍋
精錬炉等である。「Mn酸化物を含有する物質」とは、
Mn酸化物を含有する化合物および/または混合物を意
味する。
【0023】本発明方法は、次のおよびの特徴を有
する。
【0024】高Mn濃度としたスラグを再利用するこ
とにより、Mn鉱石の直接添加時と比較してスラグ滓化
を促進させ、精錬工程におけるMn歩留を向上および安
定させる。
【0025】Mn酸化物を含有する物質の精錬処理後
スラグへの溶解において、その溶融状態のスラグの持つ
熱を有効に活用する。
【0026】
【作用】本発明方法で再利用するスラグは、前記の転
炉、電気炉、溶銑予備処理炉などの精錬炉から排出され
た溶融状態のスラグ(以下、溶融スラグという)に、M
n酸化物を含有する物質を添加してスラグ中のMn濃度
を上昇させたものである(以下、これを高Mn濃度スラ
グという)。
【0027】Mn酸化物を含有する物質は、Mn鉱石な
どの通常使用されるMn含有鉱物であれば問題はない。
Mn鉱石中の一般的なMn酸化物は、前述のように種々
の酸化Mnである。したがって、Mn酸化物を含有する
物質は、Mn酸化物を含有する化合物および/または混
合物であることになる(以下、これをMn酸化物源とい
う)。
【0028】Mn源として一般的に用いられているMn
鉱石中のMn濃度は30〜50重量%程度であるが、本発明
のMn酸化物源中のMn濃度はできるだけ高いことが望
ましい。具体的には、40〜50重量%のMn濃度を有する
Mn鉱石を選択して用いるのがよい。これは、Mn濃度
が高ければ高いほど、溶融スラグへの添加量が少なくて
済むため、熱的、経済的に有利であるからである。
【0029】Mn酸化物源の粒度としては、塊状でも構
わないが、溶融スラグへの溶解速度を考慮した場合、そ
の粒度は小さい方が望ましく、3mm以下の粉状を用いる
のがよい。さらに望ましい粒度は1mm以下である。その
ため、塊状のMn酸化物源を粉砕処理して用いてもよい
し、選鉱の際に生じた粉鉱を用いると経済的に有利であ
る。
【0030】次に、精錬炉において発生した溶融スラグ
を高Mn濃度スラグにするための処理方法の例を説明す
る。
【0031】高Mn濃度スラグは、精錬炉において発生
した溶融スラグに、上記の本発明のMn酸化物源を添加
する処理により製造する。
【0032】Mn酸化物源を溶融スラグに添加する際、
添加および混合場所となる容器として転炉、排滓鍋等が
考えられるが、いずれでも構わない。
【0033】添加方法は、容器により適切な方法を選択
すればよい。例えば、排滓鍋で添加する場合、コスト上
の問題がなければ専用シュートなどを設置して添加する
ことが望ましい。排滓鍋において添加する場合、溶融ス
ラグが上方から落下してくるので、その運動エネルギー
の利用が可能であり、撹拌および混合の観点から有利で
ある。転炉精錬終了後炉内で添加する場合、ホッパー、
シュートなどの既設設備により容易に添加することがで
きる。この場合、添加後の撹拌および混合の面でやや不
利であるが、転炉の炉体傾動により撹拌および混合を行
うことが可能である。
【0034】このような方法による高Mn濃度スラグ中
のMn濃度は、このスラグをMn源として用いることが
できるようにするため、できるだけ高いことが望まし
い。ただし、スラグ組成が均一になることを考慮した場
合には、スラグ中のMn濃度で20〜30重量%(MnO濃
度で30〜40重量%)とするのがよい。
【0035】当然、上記以上のMn濃度になるように、
Mn酸化物源を溶融スラグに添加してもよい。しかし、
本発明のMn酸化物源を添加する際、溶融スラグの塩基
度、添加温度、酸化鉄濃度等により可能なMnO溶解度
は変動し、また上限があるので、各溶融スラグの状態に
より添加量を決定するのが有効である。
【0036】高Mn濃度にされたスラグは、いったん冷
却した後、ハンドリングまたは添加しやすい形状に適宜
破砕して用いてもよいし、溶融または半凝固状態で用い
てもよい。後者の場合、さらなる溶融スラグ熱の熱源と
しての有効利用となる。
【0037】次に、溶融スラグの望ましい性状について
説明する。
【0038】Mn酸化物源添加の対象となる溶融スラグ
では、できるだけ温度の高い状態が望ましい。具体的に
は1600℃以上である。温度の高い方が添加物をより多量
に溶解することができるからである。また、操業上必要
であり、なおかつ経済的に許容できれば、温度の低い溶
融スラグを加熱してもよい。現状の精錬工程において発
生する溶融スラグの中では、転炉スラグが高温であり、
用いるのに望ましい溶融スラグである。
【0039】溶融スラグの融点はできるだけ低いことが
望ましい。同じ温度において比較した場合、融点が低い
スラグほど流動性が良く、添加したMn酸化物源が効果
的に混合するからである。例えば脱りんスラグは、塩基
度が2.0 程度でCaF2 も10〜15%含有している等の組
成的理由で融点が低い場合があり、Mn酸化物源中のM
n酸化物の溶解が比較的容易である。
【0040】溶融スラグ中のS、りん(P)等の不純物
濃度は、できるだけ低いことが望ましい。具体的には、
いずれも1重量%以下である。不純物濃度が高ければ、
それだけ再利用の可能な精錬工程が制限されるためであ
る。現状の精錬工程においては、溶銑予備処理が定着
し、転炉精錬では脱炭処理が主機能となっているため、
転炉スラグは、P、Sなどの不純物含有量が少なく、用
いるの好適な溶融スラグである。
【0041】溶融スラグ中のCaO濃度は高いことが望
ましい。CaO濃度が高ければ、それだけ脱硫、脱りん
等の精錬能を有しているからである。ただし、CaOは
非常に高融点の酸化物であるため、CaO濃度が余りに
高い場合には溶融スラグの滓化性が悪く、Mn酸化物源
中のMn酸化物の溶解量が少なくなり、また組成も均一
になりにくいので多少不利となる。両者間の兼ね合いか
ら、溶融スラグ中CaOの望ましい濃度は40〜50重量%
である。転炉スラグ中のCaO濃度は40〜50重量%であ
り、脱りん、脱硫などの精錬能を有しているので、溶融
スラグとして好適である。脱硫スラグ中のCaO濃度は
転炉スラグと同程度であり、再利用時、溶鉄への復硫が
問題とならない範囲で用いることができる。
【0042】溶融スラグ中のMnO濃度は高い方が望ま
しい。MnO濃度が高ければ、それだけ少量のMn源添
加とすることができるからである。また、Fe酸化物、
Cr酸化物の濃度についても同様である。転炉スラグ
は、これらの有価金属およびその酸化物の濃度が20〜40
重量%と大きく、このような観点からも有利な溶融スラ
グである。
【0043】以上の方法と望ましい条件で製造された高
Mn濃度スラグは、次のような性状を有するものとなっ
ている。
【0044】必要なMn源となるMn酸化物をそれ自
身が既に溶解している。
【0045】Mn含有量は20〜30重量%程度である。
【0046】このため、高Mn濃度スラグを別の精錬工
程において、単独でMn源として再利用する場合、高M
n濃度スラグ中のMn濃度に見合うだけの溶鉄中のMn
濃度の上昇が可能である。さらに適切な塩基度を有して
いるため、例えば別の鋼精錬工程においてMn源に加え
て石灰系造滓剤ともなる。
【0047】さらに、このMn酸化物源が一度溶融した
高Mn濃度スラグを精錬処理時に再利用した場合、Mn
鉱石などをそのまま炉内に直接添加したときの分解吸熱
の熱的消費による溶鉄の温度低下が解消される。これに
より、精錬処理時にスラグがより高い温度に維持され、
滓化がより速く進行する。また、高Mn濃度スラグは一
度溶融したものであるから、その組成は比較的均一であ
り、溶解反応、溶鉄との反応がより速く進行する。その
結果、添加量の制約も緩められることになり、Mn合金
鉄の添加量の削減による鋼コストの低減が可能となる。
【0048】このように、高Mn濃度スラグを再利用す
る場合、熱的、時間的およびコスト的に精錬効果が向上
する。なお、熱バランス上問題がなく、溶鉄中Mn濃度
を高Mn濃度スラグ中のMn濃度以上に上昇させたい場
合には、さらにMn鉱石の添加を併用してもよい。
【0049】
【実施例】
(試験1:本発明例)1690℃で転炉吹錬終了後、表1に
示す成分の溶融スラグ5.50ton を排滓鍋に排滓する際、
表1に示す成分の3mm以下の粉状Mn鉱石(Mn濃度:
48重量%)3.50ton を排滓鍋内に添加し、転炉溶融スラ
グと混合させた。その結果、転炉スラグはMn鉱石を溶
解し、未溶解のまま残存するMn酸化物はほとんどな
く、組成はほぼ均一となった。スラグ中のトータルMn
濃度は、7.4 %から23.2%まで上昇した。得られた高M
n濃度スラグの成分を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】上記の高Mn濃度スラグをいったん冷却し
た後破砕し、その大きさを2〜5cmの範囲に調整したも
のを、転炉の脱炭精錬工程においてMn源として再利用
する試験を実施した。すなわち、250tonの溶銑を表2に
示す造滓剤とともに上底吹き転炉に装入して脱炭精錬す
る際、上記の高Mn濃度スラグを同時に添加し、脱炭精
錬前後のMn濃度を比較した。このときの条件と結果を
表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2に示すように、Mn濃度を0.21%から
0.52%まで上昇させることが可能であり、溶鋼温度も所
望のとおり上昇した。
【0054】(試験2:本発明例および比較例)試験1
で得られた高Mn濃度スラグを上底吹き転炉における多
数の脱炭精錬に適用し、Mn歩留と吹錬終点Cとの関係
を調査した。このときの条件は次のとおりとした。
【0055】 高Mn濃度スラグの添加量:10〜25kg/ton 造滓剤量:表3に示すとおり。
【0056】代表的な成分および温度の範囲: 比較例として、2〜5cm程度の塊状Mn鉱石(Mn濃
度:48%、添加量:5〜15kg/ton )をそのまま添加す
る試験も実施した。添加条件を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】図1に、転炉脱炭精錬時におけるMn歩留
(吹錬終点の溶鋼中Mn量/全装入Mn量)と終点Cと
の関係を示す。図示するように、高Mn濃度スラグを添
加した場合、塊状Mn鉱石添加時と比較してMn歩留が
上昇および安定化した。
【0059】(試験3:比較例)1640℃で転炉吹錬終了
後、表1に示す成分の溶融スラグ5.50ton を排滓鍋に排
滓する際、2〜3cm程度の塊状Mn鉱石(Mn濃度:48
%)3.50ton を排滓鍋内に添加し、転炉溶融スラグと混
合させた。
【0060】混合後、スラグ中Mn濃度は上昇し、試験
1と同程度になったが、スラグ中には一部のMn酸化物
が未溶解のまま点在していた。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、精錬工程におけるスラ
グ滓化促進、Mn歩留の向上および安定化を得ることが
でき、かつ溶融スラグの持つ熱の有効活用も可能であ
る。その結果、高Mn鋼をより効率よく、安価に溶製す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高Mn濃度スラグ再利用におけるMn歩留の向
上効果を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精錬炉において発生した溶融状態のスラグ
    に、Mn酸化物を含有する物質を添加してスラグ中のM
    n濃度を上昇させたスラグを、精錬工程におけるMn源
    として再利用することを特徴とする精錬炉スラグの再利
    用方法。
  2. 【請求項2】Mn酸化物を含有する物質の形状が粒径3
    mm以下の粉状であることを特徴とする請求項1に記載の
    精錬炉スラグの再利用方法。
JP25862594A 1994-10-25 1994-10-25 精錬炉スラグの再利用方法 Pending JPH08120318A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015096640A (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 新日鐵住金株式会社 脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法
JP2017088919A (ja) * 2015-11-04 2017-05-25 新日鐵住金株式会社 コールドリサイクル方法

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