JP2019065352A - 高炉の炉底レンガ保護方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉の炉底レンガを損耗させずに操業を継続すると共に、高炉の安定稼働と長寿命化を達成することができる高炉の炉底レンガの保護方法を提供する。【解決手段】本発明の高炉1の炉底レンガ5の保護方法は、事前準備工程として、高炉1の炉底レンガの温度を測定し、炉底レンガ5の温度のうち、最も高い温度を求め、最も高い温度と、「コークス比−ソリューションロスカーボン量」であるCR指標値との関係(a)を求めて、その関係(a)からCR指標値の閾値を決定し、高炉1の実操業において、その実操業におけるCR指標値を求めて、CR指標値の閾値と比較して、高炉1の実操業におけるCR指標値がCR指標値の閾値以下となった場合、高炉1の実操業におけるCR指標値がCR指標値の閾値を超えるように、高炉1の操業条件を調整して、高炉1の操業を継続しながら、高炉1の炉底レンガ5を保護する。【選択図】図1

Description

本発明は、高炉の操業を継続しながら、高炉の炉底レンガを保護する方法に関する。
従来より、高炉では、その上部から鉄鉱石、コークス、石灰石などの炉内装入物を層状に装入し、下部に設けられている羽口より熱風を吹込んで、鉄鉱石の還元、溶解等の一連の反応を行わせ、溶銑(銑鉄)を製造している。
この高炉を構成する鉄皮の内側には、鉄皮への熱負荷による設備損傷を防止するため、耐火物(耐火煉瓦)が施工されている。この耐火煉瓦は、高温の溶銑と常に接触するため、実操業上の負荷が大きく、長期間に亘る操業で生じてしまう溶銑の侵食などにより、損耗することとなる。
特に、羽口より下方の炉底部は、出銑後も溶銑が一定量残留することとなる(容易に炉内を空にすることができない)ので、炉底部(炉底側壁も含む)に施工されている耐火煉瓦(炉底煉瓦)は、他の箇所(羽口より上方の耐火煉瓦)より優先的に損耗することとなる。
すなわち、炉底煉瓦の損耗を抑制し、炉底煉瓦を保護することが、高炉の寿命を延ばすために重要となってくる。
このような高炉の炉底を保護する技術としては、例えば、特許文献1〜3に開示されているものがある。
特許文献1は、高炉操業において高炉炉底の溶銑・溶滓流を制御しつつ、炉底周辺部耐火壁の浸食を抑制することを目的としている。具体的には、高炉操業において固体還元材を軸芯部に装入し、炉芯中央部の通液性を向上し、炉底部に滴下した後に出銑口へ向かって流れる溶銑、スラグを主に炉底中央部を経て出銑口に流れるよよう制御することで炉底周辺部の耐火物の浸食を抑制することとしている。
特許文献2は、炉芯コークス粒径を推定し、炉底レンガ温度を制御することを目的としている。具体的には、炉芯コークス粒径を推定し、炉頂中心に装入する鉱石とコークスの比率を調整することで、炉底レンガ温度を制御することとしている。
特許文献3は、多大な設備投資を伴うことなく安価な高結晶水鉱石を使用できるようにすることを目的としている。具体的には、高炉への投入水素量を増やすことで、COよりも反応の早いH2による還元を増加させ、Fe2O3から直接FeOまで還元し、Fe3O4になる際の粉化を防止することとしている。
特開平01−065217号公報 特開平04−099211号公報 特開2006−124769号公報
ところで、特許文献1は、高炉操業における炉底周辺部耐火壁の浸食抑制方法を開示するものであるが、高炉の中心部への固体還元材の装入については、装入物と高炉内のガスとの熱交換や反応効率などの観点から、固体還元材の増大量には限度がある。そのため、操業中において、炉底レンガが直接接触する溶銑の浸食の影響を受けて、厚みが減少して損耗する可能性がある。
すなわち、この特許文献1の方法に従って実施しても、高炉の底面に施工されている炉底レンガの損耗を完全に防ぐことはできない。
また、特許文献2は、高炉炉底温度制御方法を開示するものであるが、高炉の中心部における鉱石/コークスの比については、装入物と高炉内のガスの熱交換や反応効率の観点から、鉱石/コークスの比の減少量には限度がある。そのため、操業中において、炉底レンガが直接接触する溶銑の浸食の影響を受けて、厚みが減少して損耗する可能性がある。
すなわち、この方法に従って実施しても、炉底レンガの温度上昇、炉底レンガの損耗を完全に抑えることはできない。
特許文献3は、高炉操業方法を開示するものであるが、炉底レンガの損耗を防ぐために必要とされる「投入水素量の調整と炉底レンガの温度との関係」が検討されていない。そのため、操業中において、炉底レンガが直接接触する溶銑の浸食の影響を受けて、厚みが減少して損耗する可能性がある。すなわち、この方法に従って実施しても、炉底レンガの温度上昇の抑制、炉底レンガの損耗を防止することはできない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、高炉の炉底レンガを損耗させずに操業を継続すると共に、高炉の安定稼働と長寿命化を達成することができる高炉の炉底レンガ保護方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる高炉の炉底レンガ保護方法は、高炉の操業を継続しながら、以下に示す(i)〜(vi)の手順で、高炉の炉底レンガを保護することを特徴とする。
事前準備工程として、(i)〜(iv)に示す手順を実施する。
(i) 前記高炉の炉底レンガの温度を測定する。
(ii) (i)で測定した前記炉底レンガの温度のうち、最も高い温度を求める。
(iii) (ii)で求めた前記最も高い温度と、「コークス比−ソリューションロスカーボン量」であるCR指標値との関係(a)を求める。
(iv) (iii)で求めた関係(a)から、CR指標値の閾値を決定する。
次に、前記高炉の実操業において、(v)〜(vi)に示す手順を実施する。
(v) 前記高炉の実操業におけるCR指標値を求めて、(iv)で決定したCR指標値の閾値と比較する。
(vi) (v)で求めた前記高炉の実操業におけるCR指標値が、(iv)で決定したCR指標値の閾値以下となった場合、前記高炉の実操業におけるCR指標値が、前記CR指標値の閾値を超えるように、前記高炉の操業条件を調整する。
本発明によれば、高炉の炉底レンガを損耗させずに操業を継続すると共に、高炉の安定稼働と長寿命化を達成することができる。
高炉の概要を模式的に示した断面図である。 高炉の炉底を模式的に示した垂直及び水平の断面図である。 高炉の炉底において、炉底レンガの温度を測定する温度計の設置の概略を模式的に示した図である。 炉底凝固層形成時及びレンガ溶損時の状況を示したイメージ図である。 炉底における溶銑流れの概要を模式的に示した図である。 温度計で測定された炉底レンガの温度と炉底レンガの厚みとの関係を示したグラフである。 炉底レンガの温度の時間推移(6時〜翌6時)の一例(温度計:No.11,No.94)を示したグラフである。 炉底レンガの温度の月ごとの推移の一例(2013年11月〜2014年7月)を示したグラフである。 高炉における物質収支の概要を模式的に示した図である。 羽口前で発生するCOガスの量の計算手順を示した図である。 炉頂ガス中CO+CO2の量の計算手順を示した図である。 ソリューションロスカーボン量の計算手順を示した図である。 (2014年1月〜2014年7月)の期間における(コークス比−ソリューションロスカーボン量)と、炉低レンガの温度の最大値とのデータをまとめたグラフである。 「コークス比−ソリューションロスカーボン量」と、炉低レンガの温度の最大値との関係をまとめたグラフである。 「コークス比−ソリューションロスカーボン量」と、炉低レンガの温度の最大値との関係をまとめたグラフである。 炉底レンガの温度と炉底レンガの残厚との関係を示したグラフである。 本発明にかかる高炉の炉底レンガの保護方法の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明にかかる高炉の炉底レンガ保護方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
高炉1の操業を継続しながら、以下に示す(i)〜(vi)の手順で、高炉1の炉底レンガ5を保護する方法の詳細について、説明する。
まず、事前準備工程として、(i)〜(iv) に示す手順を実施する。
(i) 高炉1の炉底レンガ5の温度を測定する。
図1に、高炉1の模式的な概要を示す。
図1に示すように、高炉1の下部において、一般的に、炉内で生成された溶銑Xが溜まる部分を、湯溜(ゆだまり)3と呼び、溶銑Xが溜まる底面より下側を炉底4と呼んでいる。
また、高炉1を構成する鉄皮2の内側であって、炉内の溶銑Xと直接接触する箇所にはレンガが施工されていて、そのうち湯溜部及び炉底4に施工されているレンガを、炉底レンガ5と呼んでいる。
その炉底レンガ5の内部には、温度計10が設置されていて、この温度計10にて炉底レンガ5の温度を測定する。
図2に、炉底4の垂直断面図及び水平断面図を示す。
図2に示すように、温度計10は、数十cmから数m程度の間隔で、炉底4全体に施工されている炉底レンガ5の内部に設置する。
図3に、炉底レンガ5の温度を測定する温度計10の設置の概略を示す。
図3に示すように、温度計10は、炉底レンガ5の厚み(高炉1の半径方向の厚み)に対して、一定の位置(図例では、50mm)となるように設置する。炉底レンガ5が溶銑Xの浸食の影響を受けて損耗すると、炉底レンガ5の厚みが減少してゆくので溶銑Xと温度計10の距離が近くなり、温度計10の測定値(炉底レンガ5の温度)が上昇することとなる。
そのため、温度計10の測定値から、炉底レンガ5の損耗状況を推定することができる。
(ii) (i)で測定した炉底レンガ5の温度のうち、最も高い炉底レンガ5の温度を求める。
炉底レンガ5は、最も損耗が進んだ位置で破損することとなる。その理由としては、最も損耗が進んでいる位置において、炉底レンガ5の温度が最も高くなる。このように、最も高い炉底レンガ5の温度をコントロールすることができれば、炉底レンガ5の破損を防止することができる。
(iii) (ii)で求めた最も高い炉底レンガ5の温度と、CR指標値との関係(関係(a))を求める。なお、CR指標値とは、「コークス比−ソリューションロスカーボン量」で算出される値であり、高炉1内に供給されるコークスYの量と高炉1内のコークスYの劣化量の関係性を示すものである。なお以降の説明において、CR指標値を、CR-Sol.C[kg/t]と表記することもある。
図4に、炉底凝固層形成時及びレンガ溶損時の状況を示す。
炉底レンガ5の温度は、上昇と下降を繰り返す。その理由としては、高炉1の内部において凝固層Zの生成と剥離を繰り返しているため、炉底4における溶銑Xの流動に起因すると考えられる。
図4に示すように、炉底レンガ5は外周から冷却されているため、溶銑Xに流れが無い場合、凝固層Zが形成されて成長することとなる。一方で、炉底レンガ5近傍に溶銑Xの流れがある場合、凝固層Zは剥離して溶解することとなる。
図5に、炉底4における溶銑Xの流動の概要を示す。
炉底4のコークスYの空隙率は、溶銑Xの流動に大きく影響を与えると考えられる。
図5に示すように、溶銑Xは炉底4全体から出銑口9へと向かって流れてゆき、炉外に排出される。炉底中心部に存在するコークス層の空隙率が低い場合、炉底中心部に溶銑Xは流れにくく、炉底中心部回りの周辺部を流れることとなる。
炉底レンガ5の損耗を防止するためには、炉底中心部に存在するコークス層の空隙率を高く維持しつつ、周辺部の溶銑Xの流れをできる限り抑える必要がある。
そこで、本発明では、コークス層の空隙率に影響を与える操業因子として、コークス比とソリューションロスカーボン量に着目した。
なお、銑鉄Xを1t製造する際に使用するコークスYの量(kg)を、コークス比(kg/t)と呼ぶ。このコークス比は、炉内に供給するコークスYの量の指標である。
また、以下に示す反応を、ソリューションロス反応と呼ぶ。
・C+CO2=2CO
溶銑Xを1t製造するに際して、ソリューションロス反応でガス化するカーボンの量(kg/t)を、ソリューションロスカーボン量と呼ぶ。
炉中心近傍のコークスYは、ソリューションロス反応により、コークス中のカーボンがガス化し、強度の低下や粒径の低下(粒径小)が起こる。ソリューションロスカーボン量は、炉内のコークスYの劣化量の指標である。ソリューションロスカーボン量が増加すると、炉底4のコークスYの粉化が増え、コークス層の空隙率は下がることとなる。
上記の2つの指標を組み合わせて、供給されるコークスYのうち、ソリューションロスカーボン反応により、強度の低下や粒径の低下がないコークスYの量を、下記に示す指標値で表した。
・CR指標値:(CR-Sol.C)
このCR指標値の値が高ければ、劣化していないコークスYの量が多く、コークス層の空隙率が高くなると考えられる。
一定期間毎に、炉底レンガ5の温度の最大値と、CR指標値の値を収集して、関係(a)を求めることとしている。
(iv) (iii)で求めた関係(a)から、CR指標値の閾値を決定する。
CR指標値の値が大きい場合には、CR指標値と炉底温度との間には、相関関係が見られない。
一方で、CR指標値が、CR指標値の閾値以下まで低下した場合には、炉底温度の上昇が見られる。言い換えれば、炉底レンガ5の損耗が進み、炉底レンガ5の温度が上昇した際には、CR指標値が減少する関係性を突き止めた。そこで、CR指標値がある下限値(閾値)より小さくなった場合には、炉底レンガ5の損耗が激しい状態になっていることを示している。
このような観点から、CR指標値の閾値(下限値)を、関係(a)より決定する。
続いて、高炉1の実操業において、(v)〜(vi)に示す手順を実施する。
(v) 高炉1の実操業におけるCR指標値を求めて、(iv)で決定したCR指標値の閾値(下限値)と比較する。
まず、(iv)においてCR指標値の閾値を決定した高炉1において、(iii)に示す手順でCR指標値の期間平均値を求める。
求めた高炉1の実操業におけるCR指標値と、(iv)で決定したCR指標値の閾値と比較する。
高炉1の実操業におけるCR指標値が、CR指標値の閾値よりも低い場合、「劣化していないコークスYの供給が少なく、炉底レンガ5の損耗が進みやすい状況である。」と判断することができる。
(vi) (v)で求めた高炉1の実操業におけるCR指標値が、(iv)で決定したCR指標値の閾値以下となった場合、高炉1の実操業におけるCR指標値が、CR指標値の閾値を超えるように、操業因子であるコークス比の調整、微粉炭比の調整、送風湿度の調整などを、少なくとも1つ以上含む、高炉1の操業条件を調整する。
高炉1の実操業におけるCR指標値が、CR指標値の閾値を下回っていた場合には、その閾値を超えるように、高炉1の操業条件を調整する。
なお、高炉1の実操業におけるCR指標値を変化させる高炉1の操業条件(操業因子)としては、例えば、コークス比の調整、微粉炭比の調整、送風湿度の調整などが挙げられる。
例えば、コークス比を上昇させた場合、ソリューションロスカーボン量が一定である場合、高炉1の実操業におけるCR指標値の値は、大きくなる。
微粉炭比、送風湿度などを上昇させた場合には、これらには水分が若干含まれているため、炉内で発生する水素の量が増加することとなる。
高炉1に吹き込む水素の量と、ソリューションロスカーボン量との間には、負の相関関係があり、その高炉1に吹き込む水素の量を増加させることで、ソリューションロスカーボン量を低減させることができる。
すなわち、鉄鉱石を還元する際、カーボンを残留させるため、水素をカーボンより優先的に還元に寄与するように、炉内に入れる水素の量を制御(調整)することで、カーボンの使用量を抑えて、ソリューションロスカーボン量を低減させることができる。
上で述べた微粉炭比、送風湿度などを上昇させて、コークス比が一定である場合、高炉1の実操業におけるCR指標値は大きくなる。
なお、上記した本発明にかかる高炉1の炉底レンガ5の保護方法を行う手順としては、図17に示すフローチャートに従って行うとよい。
[実施例]
以下に、本発明の高炉1の炉底レンガ5の保護方法に従って実施した実施例及び、本発明と比較するために実施した比較例について、説明する。
本実施例における実施条件については、以下の通りである。
高炉1の概要について、内容積:4500m3、ベル・アーマー高炉、出銑口数:4個である。
通常操業時の操業条件の概要について、出銑量:8000〜9000t/D、還元材比:500〜530kg/tp、還元材:コークス及び微粉炭、原料:焼結鉱、ペレット、塊鉱石である。
炉底レンガ5について、材質:カーボンレンガである。
高炉1の操業を継続しながら、以下に示す(i)〜(vi)の手順で、高炉1の炉底レンガ5を保護する。
図1に、高炉1の断面図を示す。
図1に示すように、一般的に、高炉1の羽口8より下部であって、炉内で生成された溶銑Xが溜まる部分を湯溜(ゆだまり)3部と呼び、溶銑Xが溜まる底面以下を炉底4と呼んでいる。
また、高炉1を構成する鉄皮2の内側であって、炉内の溶銑Xと直接接触する箇所にはレンガ施工されていて、そのうち湯溜部及び炉底4に施工されているレンガを、炉底レンガ5と呼んでいる。
炉底レンガ5は、溶銑Xを溜めることができるように、底面部6及び側壁部7から構成されている。
ところで、高炉1の操業の継続により、炉底レンガ5の溶損が進んでレンガ残厚が薄くなると、炉底レンガ5が破損して溶銑Xが外部へ流出してしまう可能性がある。この炉底レンガ5が破損してしまうと、予期せぬ状況になってしまう可能性がある。
そのため、炉底レンガ5の厚みについては、一定の値以上に維持しておく必要がある。
その事前準備工程として、(i)〜(iv) に示す手順を実施する。
(i) 高炉1の炉底レンガ5の温度を測定する。
炉底レンガ5の温度を測定するために、各炉底レンガ5の内部に温度計10を設置した。
図2に、温度計10の配置の概略を示す。
図2に示すように、温度計10については、出銑口9の高さより下方の側壁部7に、500mm程度の間隔となるように、炉底レンガ5の内部に設置した。また、高炉1円周方向の温度計10の設置間隔については、周囲約45mあたり20〜30箇所設置し、合計で204箇所設置した。
なお、炉底レンガ5の温度を測定しないと、炉底レンガ5の損耗状況を特定することができないという不具合が生じてしまう。
図3に、温度計10の設置の概要を示す。
図3に示すように、炉底4の側壁部7においては、炉内側から順に、溶銑X、炉底レンガ5、不定形材料11、鉄皮2、散水冷却水12の順に並んでいる。なお、温度計10には熱電対を用いた。また、炉外側から鉄皮2、不定形材料11及び炉底レンガ5の内部に向かって、温度計設置用の穴部13を開けておき、熱電対(温度計10)の先端が、穴部13の先端(穴部13の底面)に接触するまで装入した。
炉底レンガ5の背面(炉外側)から温度計10の先端までの距離については、すべての温度計10において50mmとした。
温度測定位置における炉底レンガ5の材質については、すべて一定である。そのため、炉底レンガ5と接している溶銑Xの温度が一定と考えた場合、温度計10と溶銑Xの距離については、その温度計10の温度との間に相関関係がある。
図6に、温度計10で測定された炉底レンガ5の温度と、炉底レンガ5の厚みとの関係を示す。
図6に示すように、炉底レンガ5が溶銑Xによる浸食を受けていない高炉1稼働初期においては、初期レンガ厚みの薄い箇所の温度が最も高くなる。ところが、炉底レンガ5が溶銑Xによる浸食を受けて損耗すると、炉底レンガ5の厚みが最も薄い位置に設置されている温度計10が一番高い温度を示すこととなる。
図7に、炉底レンガ5の温度の時間推移(6時〜翌6時)の一例(温度計:No.11,No.94)を示す。
図7に示すように、炉底レンガ5の温度については、連続して測定した。すべての位置に設置されている温度計10において、6時〜翌6時までの24時間の測定値の平均値を、各温度計10の温度測定値とした。
(ii) (i)で測定した炉底レンガ5の温度のうち、最も高い炉底レンガ5の温度を求める。
表1に、各温度計10(温度計No.1〜No.204)の指示値の例を示す。なお、この指示値は、ある日の測定値の平均値データである。また、斜線の箇所は、測定値異常となった箇所である。
なお、温度計10の温度については、温度計10の位置によって差異がある。
このように、炉底レンガ5の破損を防止するという観点から、炉底レンガ5が最も損耗している位置の溶損が進行しないようにする必要があり、最も高い温度を炉底レンガ5の温度の代表値とした。
表1においては、温度計:No.94(太枠箇所)での156℃が、炉底レンガ5の温度が最も高い。すなわち、156℃が、炉底レンガ5の温度の代表値となる。
(iii) (ii)で求めた最も高い炉底レンガ5の温度と、CR指標値との関係(a)を求める。
図8に、炉底レンガ5の温度の月ごとの推移(炉底レンガ5の温度の推移)の一例(2013年11月〜2014年7月)を示す。
図8に示すように、炉底レンガ5の温度は、上昇・下降を繰り返している。その理由としては、炉底レンガ5の溶銑Xによる浸食や、炉内の凝固層Zの生成(図4参照)が原因と考えられる。この原因については、高炉1の操業状態により変化すると考えられる。
そこで、炉底レンガ5の損耗に大きく関わる操業因子として、CR指標値(コークス比及びソリューションロスカーボン量)に着目した。CR指標値の計算方法を以下に示す。
まず、高炉1内に装入するコークス量からコークス比を求める。
コークス比については、溶銑X、1t製造するために使用したコークス量を表す値であり、以下に計算方法を述べる。
表2に、1日に高炉1に装入した鉱石の量と、それぞれの鉱石中のFeの重量パーセント濃度を示す。
表2に示すように、焼結鉱、ペレットについては、製造工程において、製品を2時間に1度サンプリングして成分分析し、塊鉱石については、原料ヤードへの荷揚げ時にサンプリングして成分分析し、Feの濃度を測定した。装入した鉱石中のFeの重量を求めて合計すると、7713tとなった。
ところで、高炉1で作られた溶銑Xには、Feの他に、4.5%程度の炭素、0.4%程度のケイ素、その他Mn,S,P,Ti等の元素が含まれている。例示した溶銑のFe以外の成分分析を実施した結果、Feの濃度が94.8%であったため、1日に装入した鉱石中のFe量7713tから、7713÷94.8%=8136tの溶銑Xが生成されたと計算することができる。これを計算出銑量と呼ぶ。
同じ日に、1日に高炉1に装入したコークスYの量は2479tであり、この値を計算出銑量で割ると、2479t÷8136t×1000kg/t=305kg/tpとなった。この算出された値をコークス比と呼ぶ。
上記のコークス比の計算式を、以下にまとめる。
・計算出銑量(t)={焼結鉱使用量(t)×焼結鉱中鉄分(%)+ペレット使用量(t)×ペレット中鉄分(%)+塊鉱石使用量(t)×塊鉱石中鉄分(%)+その他鉄分}÷100÷溶銑中Fe(%)
・コークス比(kg/t)=コークス使用量(t)÷計算出銑量(t)×1000
次いで、CR指標値を求めるために、炉内に装入したコークスYの劣化量の指標として、ソリューションロスカーボン量を求める。
ソリューションロス反応とは、以下の化学式で表される反応である。
・C+CO2→2CO
さて、高炉1内部のコークスYがガス化する原因としては、羽口8から吹き込んだ酸素による燃焼反応、乃至は、ソリューションロス反応に分けられる。そのうち、ソリューションロス反応については、炉内のコークスYをガス化させ、コークスYの粒径や強度を低下させる。
図9に、高炉1における物質収支の概要を模式的に示す。
ソリューションロスカーボン量とは、銑鉄X、1t生成する際に、高炉1内で起こるソリューションロス反応でガス化するカーボンの量のことである。このソリューションロスカーボン量は、実測することができないため、図9に示すように、元素のinputとoutputのバランスから、炉内でガス化したカーボンの量を計算した。
以下に、ソリューションロスカーボン量の計算方法を述べる。
図10に、羽口8前で発生するCOガスの量の計算手順を示す。
図10に示すように、羽口8から吹き込む酸素の量より、羽口8前で発生するCOガスの量を計算する。
この羽口8から吹き込まれる酸素の量については、羽口8に送風する空気及び酸素の流量と、空気に含まれる水分、羽口8から吹き込んでいる微粉炭に含まれる酸素分から算出した。
ここでは、送風流量が5700Nm3/min、富化酸素流量が280Nm3/minであるため、送風空気及び富化酸素由来のO2は、5700Nm3/min×21%+280Nm3/min=1478Nm3/minとなった。
羽口8から吹き込む酸素の量は、算出された1478Nm3/minに、送風空気中の水分量(32Nm3/min)、微粉炭中のO量(85Nm3/min)を足し合わせて、1594Nm3/minとなった。
ところで、羽口8前の燃焼反応では、C+1/2O2=COとなるため、羽口8前で発生したCOガスの量は、1594Nm3/min×2=3188Nm3/minとなる。
図11に、炉頂ガス中CO+CO2の量の計算手順を示す。
図11に示すように、羽口8から吹き込む窒素の量と、炉頂ガス成分の分析結果の窒素濃度より、炉頂ガスの発生量を計算する。
ここでは、送風流量は5700Nm3/min、空気中のN2は79%であるため、羽口8から吹き込むN2量は、5700Nm3/min×79%=4505Nm3/minと、設備保護のため炉体から封入しているN2量72.5Nm3/minと合わせて、4578Nm3/minとなった。
炉頂ガスの発生量は、炉頂ガス中のN2の分析値が49.5%であるため、4578Nm3/min÷49.5%=9244Nm3/minとなった。
算出された炉頂ガスの発生量と、炉頂ガス成分の分析結果のCO及びCO2量より、炉頂から排出されるCO及びCO2の合計量を計算する。
炉頂ガス中のCO+CO2量は、炉頂ガス中のCO濃度が23.1%、CO2濃度が22.8%であるため、9244Nm3/min×(23.1%+22.8%)=4241Nm3/minとなった。
図12に、ソリューションロスカーボン量の計算手順を示す。
図12に示すように、(1)羽口8前で発生したCOガスの量、(2)ソリューションロスカーボン量、(3)Si,Mn,Pの還元反応で発生するCOの量、(4)石灰石、ドロマイトの分解により発生するCO2量の合計が、(5)炉頂から排出されるCO及びCO2の合計量である。
(3)Si,Mn,Pの還元反応で発生するCOの量に関しては、例えば、Siについての計算式を以下に示す。
SiO2の還元反応は、以下の通りである。
・SiO2+2C=Si+2CO
Si 1molに対して発生するCOは2molであることより、この反応で発生するCO量は以下の通りである。
・計算出銑量8136t/日÷1440分/日×1000kg/t×溶銑中の[Si]0.4%/100÷28g/mol×2×22.4l/mol=36.2Nm3/min
このように、サンプリングした溶銑中のSi,Mn,Pの濃度を測定し、Mn,Pについても同様に計算した。その結果、(3)の合計は53Nm3/minとなった。
(4)石灰石、ドロマイトの分解により発生するCO2量に関しては、例えば、石灰石についての計算式を以下に示す。
石灰石の還元反応は、以下の通りである。
・CaCO3=CaO+CO2
石灰石1molに対して発生するCO2は1molであることより、この反応で発生するCO2量は以下の通りである。
・石灰石使用量233.64t/日÷1440分/日×1000kg/t÷(40.08+16×3+12)g/mol×22.4l/mol=36Nm3/min
このように、ドロマイト1kgについても同様に計算した。その結果、(4)の合計は47Nm3/minとなった。
なお、前述したように、(1)は3188Nm3/minであり、(5)は4241Nm3/minである。
これにより、(2)ソリューションロスカーボン量は、(5)4241Nm3/min−(1)3188Nm3/min−(3)53Nm3/min−(4)47Nm3/min=960Nm3/minとなった。
上記したガス化したカーボン量(2)を計算出銑量で割り、ソリューションロスカーボン量を求める。
・960Nm3/min÷22.4l/mol×12g/mol÷8136t/日×1440分/日=91kg/tp
以上得られたコークス比及びソリューションロスカーボン量より、CR指標値を計算する。CR指標値は、305kg/tp−91kg/tp=214kg/tpとなる。
6時から翌6時の間における炉底レンガ5の最大の温度と、同じ6時から翌6時の間におけるCR指標値の値を収集し、関係を求めた。上記の計算例では、炉底レンガ5の最大の温度は156℃、CR指標値は214kg/tpである。
図13及び図14に、2014年1月1日から2014年7月31日までのデータ(炉底レンガ5の最大の温度、CR指標値をまとめたものを示す。ただし、非定常操業の期間は除外している。
なお、最も高い炉底レンガ5の温度と、CR指標値との関係(a)を求めないと、CR指標値の管理値(閾値)を決めることができないという不具合が生じてしまう。
(iv) (iii)で求めた関係(a)から、CR指標値の閾値(下限値)を決定する。
図15に、CR指標値と、炉低レンガの温度の最大値との関係をまとめたものを示す。図16に、炉底レンガ5の温度と炉底レンガ5の残厚との関係を示す。
図15を参照すると、CR指標値が220kg/tp以上となれば、炉底温度が160℃まで上がる実績が無い。そこで、図16より、炉内レンガ残厚が1000mmを下回る160℃を基準とした。
上記の実績より、炉内温度が160℃を超えないようにするために、CR指標値の閾値(下限値)を、220kg/tpと決定した。
なお、CR指標値の閾値を決定しないと、操業因子の調整をすることができないという不具合が生じてしまう。
続いて、高炉1の実操業において、(v)〜(vi)に示す手順を実施する。
(v) 高炉1の実操業におけるCR指標値を求めて、(iv)で決定したCR指標値の閾値(下限値)と比較する。
表3は、ある連続した期間(1〜13日)における炉底レンガ5の温度の最大値と、CR指標値の値を示している。なお、高炉休止日前後などの非定常操業日は除外している。
また、表3は、それぞれ一続きのものであり、見やすくするため、分割して上下に配置している。
なお、炉底レンガ5の温度の最大値、及び、ソリューションロスカーボン量については、(iii)で求めた方法と同様の方法で、求めた。
表3の実施例を参照すると、CR指標値が下限値の220kg/tpを下回らず炉底レンガ5の温度の最大値も160℃を超えることが無かった。
つまり、CR指標値の下限値(閾値)を満たすと、炉底レンガ5の温度の最大値が160℃以下となり、良好な結果を得ることができる。
(vi) (v)で求めた高炉1の実操業におけるCR指標値が、(iv)で決定したCR指標値の閾値(下限値)以下となった場合、高炉1の実操業におけるCR指標値が、CR指標値の閾値(下限値)を超えるように、操業因子であるコークス比の調整、微粉炭比の調整、送風湿度の調整などを、少なくとも1つ以上含む、高炉1の操業条件を調整する。
表4に、ある連続した期間(1〜21日)において、CR指標値が下限値(閾値)を下回った場合の例を示す。また、表4は、それぞれ一続きのものであり、見やすくするため、分割して上下に配置している。
表4に示した例を参照すると、(1〜21日)の期間中、CR指標値は下限値(220kg/tp)を下回り、炉底レンガ5の温度の最大値が160℃以上に上昇してしまっていることがわかる。
そこで、炉底レンガ5の温度の最大値を閾値(160℃)以下とするため、CR指標値が下限値(220kg/tp)を超えるように調整した。
このCR指標値の調整方法としては、様々な方法が挙げられるが、本実施例においては以下に示す1〜3の方法を実施した。
1.コークス比の増大
2.微粉炭比の増大
3.送風湿度の増大
「コークス比の増大」については、ソリューションロスカーボン量が一定であると、CR指標値を増大させることができる。
「微粉炭比の増大」及び「送風湿度の増大」は、ソリューションロス反応を低減させる手段である。なお、ソリューションロス反応は、羽口8から吹き込んだ水素量との間に負の相関関係があることが知られている。また、羽口8から吹き込んだ水素量とは、送風空気中の湿分(送風湿度)の水に含まれる水素と、微粉炭に含まれる水素の合計量のことである。
このような「送風湿度の増大」及び「微粉炭比の増大」により、羽口8から吹き込む水素量を増加させることで、ソリューションロスカーボン量を低減させることができるようになる。
さて、表4に戻って例を参照すると、CR指標値が下限値の220kg/tpを下回っていることがわかる。
詳しくは、コークス比を、11日目に前日の305kg/tpから307kg/tpに、2kg/tp増大させて、CR指標値を、前日の216kg/tpから222kg/tpに増大させている。つまり、11日目に、下限値の220kg/tp以上を満たすように調整した。これにより、炉内レンガの温度の最大値が154℃となった。
なお、微粉炭比、送風湿度、ソリューションロスカーボン量に関しては、一定程度のバラつきが存在するため、アクション前後の5日間平均を比較した。CR指標値については、6日目〜10日目の平均値217kg/tpに対し、11日目〜15日目の平均値220kg/tpとなった。
このように、平均値においては、CR指標値の閾値を満たしたものの、各日でみると閾値を下回る日が多かったため、追加のアクションを実施した。
16日目より微粉炭比及び送風湿度を増加させることで、ソリューションロスカーボン量を低減させている。
詳しくは、微粉炭比については、11日目〜15日目の平均値218kg/tpに対し、16日目〜20日目の平均値222kg/tpとした。また、送風湿度については、11日目〜15日目の平均値18g/m3に対し、16日目〜20日目の平均値21g/m3とした。
その結果、ソリューションロスカーボン量は、87kg/tpから85kg/tpに低下し、CR指標値は、220kg/tpから222kg/tpに増加した。つまり、「コークス比の増大」、「微粉炭比の増大」、「送風湿度の増大」により、CR指標値が下限値(220kg/tp)を超えることとなり、炉底レンガ5の温度の最大値が閾値(160℃)を下回ることとなった。
表5に、ある連続した期間(1〜14日)において、CR指標値が下限値を下回った場合の別の例を示す。なお、表5は、それぞれ一続きのものであり、見やすくするため、分割して上下に配置している。
表5に示した別例を参照すると、4〜8日目の平均値において、CR指標値が220kg/tpとなり、下限値(220kg/tp)を下回っていることがわかる。この(1〜14日)の期間中、CR指標値が下限値(220kg/tp)を下回ることとなった。
そこで、「微粉炭比の増大」、「送風湿度の増大」のアクションを実施した。
詳しくは、9日目に、「微粉炭比の増大」、「送風湿度の増大」のアクションを実施した。微粉炭比については、4日目〜8日目の平均値190kg/tpに対し、9日目〜13日目の平均値209kg/tpとした。また、送風湿度については、4日目〜8日目の平均値18g/m3に対し、9日目〜13日目の平均値20g/m3とした。
その結果、ソリューションロスカーボン量は、92kg/tpから87kg/tpに低下し、CR指標値は、220kg/tpから225kg/tpに増加した。つまり、「微粉炭比の増大」、「送風湿度の増大」により、CR指標値が下限値(220kg/tp)を超えることとなり、炉底レンガ5の温度は低下傾向となった。
以上述べた本発明にかかる高炉1の炉底レンガ5の保護方法は、以下に示す(i)〜(vi)の手順で、高炉1の炉底レンガ5の保護を実施する。
事前準備工程として、(i)〜(iv)の手順を実施する。
(i) 炉底レンガ5の温度を測定する。
(ii) (i)で測定した炉底レンガ5の温度のうち、最も高い温度を求める。
(iii) (ii)で求めた最も高い温度と、高炉1内に供給されるコークスYの量と高炉1内のコークスYの劣化量の関係を示す「コークス比−ソリューションロスカーボン量」であるCR指標値との関係(a)を求める。
(iv) (iii)で求めた関係(a)から、CR指標値の閾値(下限値)を決定する。
次に、高炉1の実操業において、(v)〜(vi)の手順を実施する。
(v) 高炉1の実操業におけるCR指標値を求めて、(iv)で決定したCR指標値の閾値(下限値)と比較する。
(vi) (v)で求めた前記高炉の実操業におけるCR指標値が、(iv)で決定したCR指標値の閾値以下となった場合、前記高炉の実操業におけるCR指標値が、前記CR指標値の閾値を超えるように、前記高炉の操業条件を調整する。
以上述べたように、本発明を用いることで、炉底レンガ5の損耗を防止することできると共に、高炉1の長寿命化を期待することができる。また、本発明によれば、炉底レンガ5の破損防止のための設備停止(休風)や減産を回避することができると共に、稼働率を向上させることができる。
さらに、副次的効果として、高炉1内全体のコークスYの劣化、粉化が抑制されることで、高炉1の通気性が改善し、高炉1の安定操業を実施することができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 高炉
2 鉄皮
3 湯溜(ゆだまり)
4 炉底
5 炉底レンガ
6 底面部
7 側壁部
8 羽口
9 出銑口
10 温度計
11 不定形材料
12 散水冷却水
13 穴部
X 溶銑(銑鉄)
Y コークス
Z 凝固層

Claims (1)

  1. 高炉の操業を継続しながら、以下に示す(i)〜(vi)の手順で、高炉の炉底レンガを保護することを特徴とする高炉の炉底レンガ保護方法。
    事前準備工程として、(i)〜(iv)に示す手順を実施する。
    (i) 前記高炉の炉底レンガの温度を測定する。
    (ii) (i)で測定した前記炉底レンガの温度のうち、最も高い温度を求める。
    (iii) (ii)で求めた前記最も高い温度と、「コークス比−ソリューションロスカーボン量」であるCR指標値との関係(a)を求める。
    (iv) (iii)で求めた関係(a)から、CR指標値の閾値を決定する。
    次に、前記高炉の実操業において、(v)〜(vi)に示す手順を実施する。
    (v) 前記高炉の実操業におけるCR指標値を求めて、(iv)で決定したCR指標値の閾値と比較する。
    (vi) (v)で求めた前記高炉の実操業におけるCR指標値が、(iv)で決定したCR指標値の閾値以下となった場合、前記高炉の実操業におけるCR指標値が、前記CR指標値の閾値を超えるように、前記高炉の操業条件を調整する。
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