JP5823344B2 - ダストリサイクル方法 - Google Patents
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Description
脱炭炉における脱炭処理で発生するダストを回収する工程、
上記ダストを微粒ダストと粗粒ダストとに分離する工程、及び
上記微粒ダストをリサイクル原料として上記脱炭炉に装入する工程
を有し、
上記脱炭炉に装入する微粒ダスト量X(kg/t)が下記式(1)及び(2)を満たすダストリサイクル方法である。
X≦(172−100B)/A ・・・(1)
X≦(6.34−100b+0.0292c−0.708d)/a ・・・(2)
(上記式(1)中、Aは、微粒ダストにおける亜鉛濃度(質量%)である。Bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる亜鉛の量(kg/t)である。
上記式(2)中、aは、微粒ダストにおける鉛濃度(質量%)である。bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる鉛の量(kg/t)である。cは、脱炭炉で発生するスラグ量(kg/t)である。dは、上記スラグの塩基度である。)
脱炭炉における脱炭処理で発生するダストを回収する工程、
上記ダストを微粒ダストと粗粒ダストとに分離する工程、及び
上記微粒ダストを特定条件下でリサイクル原料として上記脱炭炉に装入する工程
を有する。
この工程では、脱炭炉で発生するダストを回収する。上記脱炭炉とは、転炉のうち主に脱炭処理を目的としたものをいう。なお、この脱炭処理の前処理として、脱リン処理等の溶銑予備処理を行うこともできる。
この工程では、回収された上記ダストを微粒ダストと粗粒ダストとに分離する。この分離方法としては、特に制限されず、分級器等の公知の分離手段により行うことができる。例えば、図1に示すダスト回収分離システム1が、好適に用いられる。
この工程では、分離された上記微粒ダストをリサイクル原料として上記脱炭炉に装入する。この際、上記脱炭炉に装入する微粒ダスト量X(kg/t)は、下記式(1)及び(2)を共に満たす。
X≦(172−100B)/A ・・・(1)
(上記式(1)中、Aは、微粒ダストにおける亜鉛濃度(質量%)である。Bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる亜鉛の量(kg/t)である。)
X≦(6.34−100b+0.0292c−0.708d)/a ・・・(2)
(上記式(2)中、aは、微粒ダストにおける鉛濃度(質量%)である。bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる鉛の量(kg/t)である。cは、脱炭炉で発生するスラグ量(kg/t)である。dは、上記スラグの塩基度である。)
実績値としての脱炭処理後溶鋼のZn(亜鉛)濃度をV(ppm)、及びこの際の投入亜鉛量をZ(kg/t)として、切片0での2次式で回帰することにより下記式(1−i)を得た(図2参照)。
V=6.35Z2+6.58Z ・・・(1−i)
Z≦1.72 ・・・(1−ii)
Z=X×A/100+B ・・・(1−iii)
よって、上記式(1−ii)及び(1−iii)から上記式(1)を導くことができる。
ダストリサイクルにおける鉛(Pb)の弊害は、上述のように脱炭処理の際に揮発しなかったPbがスラグに残存し、脱炭スラグからの鉛溶出の原因となることにある。一般的にこの脱炭スラグは、路盤材や土木工事用の埋め戻し剤等に使用される。この際、このスラグは環境省告示第46号法に記載の土壌溶出試験における鉛溶出濃度0.01ppm以下の基準を満たす必要がある。そこで、この鉛溶出濃度の基準を満たす指標として、式(2)を導いた。
V=0.158Z−4.60×10−5c+1.12×10−3d ・・・(2−i)
Z=X×a/100+b ・・・(2−ii)
V=0.158(X×a/100+b)Z4.60×10−5c+1.12×10−3d ・・・(2−iii)
(1)微粒ダスト中の亜鉛及び鉛濃度
ICP発光分析法により各濃度を測定した。分析下限は、それぞれ0.01質量%である。
ICP−MASSにより各濃度を測定した。分析下限は、それぞれ1ppmである。
スラグ量とは、脱炭処理中に発生するスラグの質量であり、下記式により導出した。
Wi:副原料iの投入量[kg]
Wj:主原料j(溶銑、冷銑及びスクラップ)の投入量[kg]
(%CaO)i:副原料iのCaO濃度[質量%]
(%SiO2)i:副原料iのSiO2濃度[質量%]
[%Si]j:主原料j中のSi濃度[質量%]
MSiO2:SiO2の分子量[kg/mol]
MSi:Siの分子量[kg/mol]
(%SiO2+%CaO)max:スラグ中CaO濃度とSiO2濃度の最大値
である。なお、(%SiO2+%CaO)maxは、当業者定法による脱炭スラグの分析値より61質量%を用いた。これにより、スラグ量は実操業範囲における最小値となるため、ダストリサイクル可能量は安全サイドに見積もられることになる。
スラグ塩基度とは、スラグ中の(CaO)/(SiO2)のことであり、以下の式によって導出した。
Wi:副原料iの投入量[kg]
Wj:主原料j(溶銑、冷銑及びスクラップ)の投入量[kg]
(%CaO)i:副原料iのCaO濃度[質量%]
(%SiO2)i:副原料iのSiO2濃度[質量%]
[%Si]j:主原料j中のSi濃度[質量%]
MSiO2:SiO2の分子量[kg/mol]
MSi:Siの分子量[kg/mol]
である。
環境省告示46号で定められた土壌溶出試験に準じて測定した。
脱炭炉(転炉)は、容量250t(粗鋼ton)の上底吹転炉(上吹ノズル:6孔、スロート径:42mm、孔角度:15°)を用いた。また、底吹きのガスはN2及びCOガスを使用した。底吹きの羽口型式は一層環状管であり、個数は4個である。
(1)溶銑
事前脱リン処理を施していない溶銑を用いた。また、溶銑中の各成分は以下のとおりである。
[C]:4.2〜4.6質量%
[Si]:0.3〜0.5質量%
[Mn]:0.1〜0.4質量%
[P]:0.10〜0.130質量%
HMR=80〜90質量%(各実施例毎のHMRは表1及び2に示す)
主原料の一つとしてのスクラップは、Zn及びPbを実質上含有しない工場内発生のものを用いた。
Zn含有副原料としては、Zn含有量0.01質量%の焼結鉱を用いた。その他の用いた副原料はZnを実質上含有しない。
Pb含有副原料としては、Pb含有量0.002質量%の上記焼結鉱を用いた。その他の用いた副原料はPbを実質上含有しない。
図1に示した装置で脱炭炉から回収及び分離して得られた微粒ダスト(粒径50μm未満の粒子が80体積%以上)を5質量%の澱粉をバインダーとして用いてブリケット状(40mm×40mm×25mm)にしたものを用いた。
上記脱炭炉に主原料としての溶銑及びスクラップを装入した。次いで、炉上ホッパーから石炭、焼結鉱等の副原料と共にブリケット状にした微粒ダストを装入し、吹錬を行った。
B=HMR×[ppm Zn]×1/1000+Wsin×(0.01/100)
b=HMR×[ppm Pb]×1/1000+Wsin×(0.002/100)
2 脱炭炉
3a、3b、3c 集塵フード
4 散水機
5 分級器
6 シックナー
7 換気集塵機
X 排ガス
Y ダスト
Y1 粗粒ダスト
Y2 微粒ダスト
Claims (1)
- 脱炭炉における脱炭処理で発生するダストを回収する工程、
上記ダストを粒径50μm未満の粒子が80体積%以上の微粒ダストと粒径50μm以上の粒子が80体積%以上の粗粒ダストとに分離する工程、及び
上記微粒ダストをリサイクル原料として上記脱炭炉に装入する工程
を有し、
上記脱炭炉に装入する微粒ダスト量X(kg/t)が下記式(1)及び(2)を満たし、
上記脱炭炉で発生するスラグの塩基度が3.9以上であるダストリサイクル方法。
X≦(172−100B)/A ・・・(1)
X≦(6.34−100b+0.0292c−0.708d)/a ・・・(2)
(上記式(1)中、Aは、微粒ダストにおける亜鉛濃度(質量%)である。Bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる亜鉛の量(kg/t)である。
上記式(2)中、aは、微粒ダストにおける鉛濃度(質量%)である。bは、脱炭炉に装入する微粒ダスト以外の原料に含まれる鉛の量(kg/t)である。cは、脱炭炉で発生するスラグ量(kg/t)である。dは、上記スラグの塩基度である。)
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JP2012111898A JP5823344B2 (ja) | 2012-05-15 | 2012-05-15 | ダストリサイクル方法 |
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JP2013237902A JP2013237902A (ja) | 2013-11-28 |
JP5823344B2 true JP5823344B2 (ja) | 2015-11-25 |
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