JPH10273347A - スラグ中のPb低減方法 - Google Patents
スラグ中のPb低減方法Info
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- JPH10273347A JPH10273347A JP9094627A JP9462797A JPH10273347A JP H10273347 A JPH10273347 A JP H10273347A JP 9094627 A JP9094627 A JP 9094627A JP 9462797 A JP9462797 A JP 9462797A JP H10273347 A JPH10273347 A JP H10273347A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】製鋼ダストを還元スラグとともに混合し、溶融
させることによって路盤材等に適用可能なスラグを得る
に際して、そのスラグ中に含有されているPb分を低減
し、スラグを道路の路盤材等として用いたときにそこか
らのPbの溶出量を一定レベル以下に低減することを目
的とする。 【解決手段】製鋼ダストと還元スラグとを混合して溶融
させたスラグ28に対して、Cを作用させて溶融スラグ
28中のPb分を蒸気として炉10外に排出させ、溶融
スラグ28中のPbを低減する。またこのとき溶融スラ
グ28中に撹拌ガスを吹き込んで反応を促進し、溶融ス
ラグ28中のPbを効果的に減少させる。
させることによって路盤材等に適用可能なスラグを得る
に際して、そのスラグ中に含有されているPb分を低減
し、スラグを道路の路盤材等として用いたときにそこか
らのPbの溶出量を一定レベル以下に低減することを目
的とする。 【解決手段】製鋼ダストと還元スラグとを混合して溶融
させたスラグ28に対して、Cを作用させて溶融スラグ
28中のPb分を蒸気として炉10外に排出させ、溶融
スラグ28中のPbを低減する。またこのとき溶融スラ
グ28中に撹拌ガスを吹き込んで反応を促進し、溶融ス
ラグ28中のPbを効果的に減少させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はスラグ中に不可避
的に含有されてくるPbの低減方法に関する。
的に含有されてくるPbの低減方法に関する。
【0002】[発明の背景]電気炉等を用いた製鋼にお
いては、大気汚染防止のために集塵装置を設けて製鋼炉
からのダストを集塵することが行われている。この製鋼
排出物としてのダストは粒の細かい粉粒状であって、そ
の成分としてFeO,Fe2O3等を含んでいるものの、
再利用が困難で従来そのまま廃却されているのが実情で
ある。
いては、大気汚染防止のために集塵装置を設けて製鋼炉
からのダストを集塵することが行われている。この製鋼
排出物としてのダストは粒の細かい粉粒状であって、そ
の成分としてFeO,Fe2O3等を含んでいるものの、
再利用が困難で従来そのまま廃却されているのが実情で
ある。
【0003】一方電気炉等を用いた製鋼においては、そ
の精錬の時期に応じて酸化スラグ,還元スラグが製鋼排
出物として排出される。このうち酸化スラグは、従来ア
スファルト道路の路盤材等道路用の材料として活用され
ているものの、還元スラグは特別の利用用途がなく、そ
のまま捨てられているのが実情である。
の精錬の時期に応じて酸化スラグ,還元スラグが製鋼排
出物として排出される。このうち酸化スラグは、従来ア
スファルト道路の路盤材等道路用の材料として活用され
ているものの、還元スラグは特別の利用用途がなく、そ
のまま捨てられているのが実情である。
【0004】還元スラグはその成分として遊離のCaO
を多量に含んでおり、このものは水分を吸収してCa
(OH)2に転化し、そのときに体積膨張を起こすため
にこれをそのまま路盤材等として用いることができず、
従って特に利用されないまま廃却されていたのである。
而してこれらダスト及び還元スラグを廃却するに当って
は廃却のためのコストが必要で、製鋼コストを高める要
因となっていた。
を多量に含んでおり、このものは水分を吸収してCa
(OH)2に転化し、そのときに体積膨張を起こすため
にこれをそのまま路盤材等として用いることができず、
従って特に利用されないまま廃却されていたのである。
而してこれらダスト及び還元スラグを廃却するに当って
は廃却のためのコストが必要で、製鋼コストを高める要
因となっていた。
【0005】そこで本出願人は先の特許願(特願平6−
11208)において、ダストを還元スラグとともに溶
融させ、互いに混合させる方法を提案した。この方法に
よると、還元スラグが酸化スラグに近い物理化学的性質
を有するものとなり、従って路盤材等の用途に供するこ
とが可能となる。
11208)において、ダストを還元スラグとともに溶
融させ、互いに混合させる方法を提案した。この方法に
よると、還元スラグが酸化スラグに近い物理化学的性質
を有するものとなり、従って路盤材等の用途に供するこ
とが可能となる。
【0006】ところで上記還元スラグ及び製鋼ダスト、
特に製鋼ダスト中にはPb分が比較的多く含有されてお
り(これは主として製鋼原料としてのスクラップ中に不
可避的に含まれてくるPb分に由来する)、従って製鋼
ダストと還元スラグとを混合,溶融して反応させたスラ
グを上記道路の路盤材として活用したとき、そこに含有
されているPb分が溶出してきて、害をもたらす恐れが
生ずる。
特に製鋼ダスト中にはPb分が比較的多く含有されてお
り(これは主として製鋼原料としてのスクラップ中に不
可避的に含まれてくるPb分に由来する)、従って製鋼
ダストと還元スラグとを混合,溶融して反応させたスラ
グを上記道路の路盤材として活用したとき、そこに含有
されているPb分が溶出してきて、害をもたらす恐れが
生ずる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の発明はスラグ中の
Pb分を所定レベル以下に低減して、スラグを有効に活
用できるものとすることを目的としてなされたものであ
る。而して請求項1のPb低減方法は、反応炉内で、Z
n,Pb分を含有するスラグに対して該反応炉に供給し
たCを該スラグ溶融状態の下で作用させて該溶融スラグ
中のPb分を蒸気として炉外に排出させ、以て該スラグ
中のPbを低減することを特徴とする。
Pb分を所定レベル以下に低減して、スラグを有効に活
用できるものとすることを目的としてなされたものであ
る。而して請求項1のPb低減方法は、反応炉内で、Z
n,Pb分を含有するスラグに対して該反応炉に供給し
たCを該スラグ溶融状態の下で作用させて該溶融スラグ
中のPb分を蒸気として炉外に排出させ、以て該スラグ
中のPbを低減することを特徴とする。
【0008】請求項2のPb低減方法は、請求項1にお
いて、前記スラグが、製鋼排出物としての製鋼ダストと
製鋼排出物としての還元スラグとを混合して溶融させた
スラグであることを特徴とする。
いて、前記スラグが、製鋼排出物としての製鋼ダストと
製鋼排出物としての還元スラグとを混合して溶融させた
スラグであることを特徴とする。
【0009】請求項3のPb低減方法は、請求項2にお
いて、前記製鋼ダストと前記還元スラグとを粉粒状態で
バーナからの高温火炎中に供給して溶融させることを特
徴とする。
いて、前記製鋼ダストと前記還元スラグとを粉粒状態で
バーナからの高温火炎中に供給して溶融させることを特
徴とする。
【0010】請求項4のPb低減方法は、請求項1,
2,3の何れかにおいて、前記溶融スラグ中に撹拌ガス
を吹き込んでCと該溶融スラグとの反応を促進するとと
もに、該吹き込んだ撹拌ガスとともに前記Pb含有蒸気
を炉外に排出することを特徴とする。
2,3の何れかにおいて、前記溶融スラグ中に撹拌ガス
を吹き込んでCと該溶融スラグとの反応を促進するとと
もに、該吹き込んだ撹拌ガスとともに前記Pb含有蒸気
を炉外に排出することを特徴とする。
【0011】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1の方法
は、反応炉内で溶融スラグにCを作用させてスラグ中の
Pb分を低減するものである。かかる本発明は以下の知
見の下になされたものである。
は、反応炉内で溶融スラグにCを作用させてスラグ中の
Pb分を低減するものである。かかる本発明は以下の知
見の下になされたものである。
【0012】即ち本発明者等は、亜鉛分(ZnO)を含
有する溶融スラグに対してCを作用させるとZnOが還
元され、亜鉛蒸気となって排気とともに炉外に排出され
る知見を得た。
有する溶融スラグに対してCを作用させるとZnOが還
元され、亜鉛蒸気となって排気とともに炉外に排出され
る知見を得た。
【0013】一方溶融スラグ中のPbOやPb等はスラ
グの溶融温度では蒸気化し難く、従ってただ単にスラグ
に対してCを作用させただけでは良好にPb分が系外
(炉外)に排出されて行かない。
グの溶融温度では蒸気化し難く、従ってただ単にスラグ
に対してCを作用させただけでは良好にPb分が系外
(炉外)に排出されて行かない。
【0014】しかるにZn分を含むスラグに対してCを
作用させると、これによって発生した亜鉛蒸気中にPb
やPbOが溶け込み、同伴して系外に排出され、従って
スラグ中より効果的にPb分が除かれる知見を得た。
作用させると、これによって発生した亜鉛蒸気中にPb
やPbOが溶け込み、同伴して系外に排出され、従って
スラグ中より効果的にPb分が除かれる知見を得た。
【0015】本発明は酸化スラグに対して適用すること
も可能であるが、特に製鋼ダストと還元スラグとの混合
・溶融スラグに対し適用して効果が大きい(請求項
2)。
も可能であるが、特に製鋼ダストと還元スラグとの混合
・溶融スラグに対し適用して効果が大きい(請求項
2)。
【0016】これら製鋼ダスト及び還元スラグは、何れ
もそれ単独では利用価値を特に持たないものであるが、
これらを混合・溶融して反応させることで利用価値のあ
るスラグに改質することができる。
もそれ単独では利用価値を特に持たないものであるが、
これらを混合・溶融して反応させることで利用価値のあ
るスラグに改質することができる。
【0017】而してその反応の際に同時にCを作用させ
ることで、スラグ中からの亜鉛分の除去を行うことがで
きるともに、併せてPb分を除去ないし低減することが
可能となり、製鋼ダストと還元スラグとの反応に際して
同時にそこに含まれているPb分を除去ないし低減する
ことができる。
ることで、スラグ中からの亜鉛分の除去を行うことがで
きるともに、併せてPb分を除去ないし低減することが
可能となり、製鋼ダストと還元スラグとの反応に際して
同時にそこに含まれているPb分を除去ないし低減する
ことができる。
【0018】本発明においては、上記製鋼ダストと還元
スラグとを溶融し反応させるに際して、それら製鋼ダス
ト及び還元スラグを粉粒状態でバーナからの高温火炎中
に供給して溶融させるのが望ましい(請求項3)。この
ようにすることで効果的に製鋼ダスト及び還元スラグを
溶融させ、良好に反応を進行させることができる。
スラグとを溶融し反応させるに際して、それら製鋼ダス
ト及び還元スラグを粉粒状態でバーナからの高温火炎中
に供給して溶融させるのが望ましい(請求項3)。この
ようにすることで効果的に製鋼ダスト及び還元スラグを
溶融させ、良好に反応を進行させることができる。
【0019】またその際のCの供給方法として種々の供
給方法が可能であるが、上記製鋼ダスト及び還元スラグ
の粉粒とともにCの粉粒をバーナからの高温火炎中に供
給するようになすことができ、このようにした場合炉壁
にC粉吹込み用ノズルを付加する必要がなく、設備を簡
略化できる。また炉壁からのC粉の吹込みもできる。こ
のようにした場合、Cとの反応がより促進する。
給方法が可能であるが、上記製鋼ダスト及び還元スラグ
の粉粒とともにCの粉粒をバーナからの高温火炎中に供
給するようになすことができ、このようにした場合炉壁
にC粉吹込み用ノズルを付加する必要がなく、設備を簡
略化できる。また炉壁からのC粉の吹込みもできる。こ
のようにした場合、Cとの反応がより促進する。
【0020】次に請求項4の方法は、上記溶融スラグ中
に撹拌ガスを吹き込むもので、このようにした場合、そ
の撹拌ガスによる撹拌作用によって溶融スラグとCとの
反応を促進することができるとともに、更に進んでその
撹拌ガスが溶融スラグから抜けて行くときにPb分を含
有する蒸気を同伴して炉外に抜けて行くため、より有効
に溶融スラグ中からPb分を除去ないし低減することが
できる。尚、撹拌ガスとしてはArガス等の不活性ガス
の外、窒素ガス等その他のガス等を用いることができ
る。
に撹拌ガスを吹き込むもので、このようにした場合、そ
の撹拌ガスによる撹拌作用によって溶融スラグとCとの
反応を促進することができるとともに、更に進んでその
撹拌ガスが溶融スラグから抜けて行くときにPb分を含
有する蒸気を同伴して炉外に抜けて行くため、より有効
に溶融スラグ中からPb分を除去ないし低減することが
できる。尚、撹拌ガスとしてはArガス等の不活性ガス
の外、窒素ガス等その他のガス等を用いることができ
る。
【0021】[実験例]路盤材として用いたときの溶出
Pbの規格0.01mg/リットル(環告46号)以下
を満たすために、スラグ中において含有Pbがどれだけ
以下に規制されていなければならないかを求めるため、
先ずスラグ中のPb量と溶出Pb量との関係を求めた。
図1はその結果を表わしている。
Pbの規格0.01mg/リットル(環告46号)以下
を満たすために、スラグ中において含有Pbがどれだけ
以下に規制されていなければならないかを求めるため、
先ずスラグ中のPb量と溶出Pb量との関係を求めた。
図1はその結果を表わしている。
【0022】この結果は、スラグ中のPb量と溶出Pb
量との間に良好な相関のあることを示している。またこ
の結果は、溶出Pb量を0.01%以下にするためには
スラグ中のPbを0.03%以下、安全を見込んで望ま
しくは0.02%以下とする必要のあることを示してい
る。
量との間に良好な相関のあることを示している。またこ
の結果は、溶出Pb量を0.01%以下にするためには
スラグ中のPbを0.03%以下、安全を見込んで望ま
しくは0.02%以下とする必要のあることを示してい
る。
【0023】次に図2は、スラグを反応炉で溶融させた
状態で炉底部の羽口から撹拌ガス(N2ガス)を溶融ス
ラグ中に吹き込みつつ溶融スラグにCを投入し、且つそ
の投入量を変化させたときのCの投入量とスラグ中のP
b量との関係を求めてこれを表わしたものである。
状態で炉底部の羽口から撹拌ガス(N2ガス)を溶融ス
ラグ中に吹き込みつつ溶融スラグにCを投入し、且つそ
の投入量を変化させたときのCの投入量とスラグ中のP
b量との関係を求めてこれを表わしたものである。
【0024】尚、図中△印は1本羽口から30Nm3/
hの量で撹拌ガスを吹き込んだ場合を、また○印は5本
羽口から60Nm3/hの量で撹拌ガスを吹き込んだ場
合を、更に●印は5本羽口から100〜150Nm3/
hの量で撹拌ガスを吹き込んだ場合をそれぞれ示してい
る。
hの量で撹拌ガスを吹き込んだ場合を、また○印は5本
羽口から60Nm3/hの量で撹拌ガスを吹き込んだ場
合を、更に●印は5本羽口から100〜150Nm3/
hの量で撹拌ガスを吹き込んだ場合をそれぞれ示してい
る。
【0025】尚この結果は、製鋼ダストと還元スラグと
を混合・溶融させたときの結果を示しており、図2中横
軸のC原単位はダストt(トン)当りのCの投入量(k
g)で示している。
を混合・溶融させたときの結果を示しており、図2中横
軸のC原単位はダストt(トン)当りのCの投入量(k
g)で示している。
【0026】この結果は、スラグ中のPbの減少量に対
して撹拌ガスの吹込量が影響していること、具体的には
この例の場合、撹拌ガスの吹込み量が30Nm3/hと
少ないときにはスラグ中の含有Pb量が0.035%程
度で安定してしまい、目標値としての0.02%以下ま
で落すことが難しいこと、撹拌ガスの吹込量を60Nm
3/h又は100〜150Nm3/hと多くし、撹拌を強
くしたときにはスラグ中のPb量を目標値0.02%以
下に落すことが可能であることを示している。
して撹拌ガスの吹込量が影響していること、具体的には
この例の場合、撹拌ガスの吹込み量が30Nm3/hと
少ないときにはスラグ中の含有Pb量が0.035%程
度で安定してしまい、目標値としての0.02%以下ま
で落すことが難しいこと、撹拌ガスの吹込量を60Nm
3/h又は100〜150Nm3/hと多くし、撹拌を強
くしたときにはスラグ中のPb量を目標値0.02%以
下に落すことが可能であることを示している。
【0027】次に図3,図4はスラグの溶融温度の下で
はPbないしPbOが蒸気化してスラグから抜けて行く
のが難しいにも拘らず、溶融スラグへのCの投入によっ
てPbが低下することに関し、スラグ中のZnが関係し
ていることを示している。
はPbないしPbOが蒸気化してスラグから抜けて行く
のが難しいにも拘らず、溶融スラグへのCの投入によっ
てPbが低下することに関し、スラグ中のZnが関係し
ていることを示している。
【0028】このうち図3は、スラグへのCの投入量と
スラグ中のZn量との関係を、また図4は、C投入によ
るスラグ中のZnの減少に伴ってPbがともに減少し且
つそれらZnの減少量とPbの減少量との間に良好な相
関のあることを示している。
スラグ中のZn量との関係を、また図4は、C投入によ
るスラグ中のZnの減少に伴ってPbがともに減少し且
つそれらZnの減少量とPbの減少量との間に良好な相
関のあることを示している。
【0029】即ち図4は、Znが蒸気となって溶融スラ
グから抜けて行くときに、これに伴われる形でPbない
しPbOがスラグから抜けて行くことを示している。
グから抜けて行くときに、これに伴われる形でPbない
しPbOがスラグから抜けて行くことを示している。
【0030】
【実施例】次に本発明の実施例を以下に詳述する。先ず
実施設備の概略を図5及び図6に基づいて説明する。図
5において、10は炉蓋移動式の反応炉で、その炉蓋に
酸素バーナ12が先端を炉内に突入させる状態で装着さ
れている。
実施設備の概略を図5及び図6に基づいて説明する。図
5において、10は炉蓋移動式の反応炉で、その炉蓋に
酸素バーナ12が先端を炉内に突入させる状態で装着さ
れている。
【0031】図6はその酸素バーナ12の先端部形状を
示したもので、図中14はその酸素バーナ12の先端面
の中心部に形成された燃料の噴射孔である。この燃料の
噴射孔14の外側には、一次酸素の噴射孔16が同心状
に形成され、更にその外側には、後述の製鋼ダスト及び
還元スラグ、更にはC粉粒を噴出する粉粒の噴射孔18
が形成され、更にその外側、つまり最外周位置に二次酸
素の噴射孔20がそれぞれ同心状に配置・形成されてい
る。
示したもので、図中14はその酸素バーナ12の先端面
の中心部に形成された燃料の噴射孔である。この燃料の
噴射孔14の外側には、一次酸素の噴射孔16が同心状
に形成され、更にその外側には、後述の製鋼ダスト及び
還元スラグ、更にはC粉粒を噴出する粉粒の噴射孔18
が形成され、更にその外側、つまり最外周位置に二次酸
素の噴射孔20がそれぞれ同心状に配置・形成されてい
る。
【0032】図5において、22及び24はダストサイ
ロ及び還元スラグサイロで、それぞれの内部に粉粒状の
製鋼ダスト及び還元スラグが収容されいる。これら製鋼
ダスト及び還元スラグは空気をキャリアガスとして上記
の酸素バーナ12に送られ、そしてその先端の噴射孔1
8から、酸素バーナ12からの高温火炎中に噴射され、
反応炉10内で溶融される。
ロ及び還元スラグサイロで、それぞれの内部に粉粒状の
製鋼ダスト及び還元スラグが収容されいる。これら製鋼
ダスト及び還元スラグは空気をキャリアガスとして上記
の酸素バーナ12に送られ、そしてその先端の噴射孔1
8から、酸素バーナ12からの高温火炎中に噴射され、
反応炉10内で溶融される。
【0033】尚26はC粉の容器で、内部のC粉が同じ
く空気をキャリアガスとして酸素バーナ12に供給さ
れ、製鋼ダスト及び還元スラグの粉粒とともに酸素バー
ナ12の先端の噴射孔18から反応炉10内部且つ高温
火炎中に噴射される。尚、炉壁に吹込ノズル27を設け
てC粉を炉壁から吹き込むようにすることもできる。
く空気をキャリアガスとして酸素バーナ12に供給さ
れ、製鋼ダスト及び還元スラグの粉粒とともに酸素バー
ナ12の先端の噴射孔18から反応炉10内部且つ高温
火炎中に噴射される。尚、炉壁に吹込ノズル27を設け
てC粉を炉壁から吹き込むようにすることもできる。
【0034】本例において、溶融スラグ28からの亜鉛
蒸気は反応炉10からの出口で空気酸化され、そして下
流工程のバグ集塵機32で集塵されて回収される。尚3
0のサイクロンセパレータは、ここで粗粒ダストを捕集
し、微粒であるZnOをバグ集塵機32で濃縮するため
のものである。
蒸気は反応炉10からの出口で空気酸化され、そして下
流工程のバグ集塵機32で集塵されて回収される。尚3
0のサイクロンセパレータは、ここで粗粒ダストを捕集
し、微粒であるZnOをバグ集塵機32で濃縮するため
のものである。
【0035】この実施設備を用い、表1に示す組成の製
鋼ダスト及び還元スラグをそれぞれ1:1の比率で空気
をキャリアガスとして酸素バーナ12に供給し、その酸
素バーナ12の先端の噴射孔18から反応炉10内に且
つ酸素バーナ12の高温火炎中に噴射し、それらを溶融
させた。また併せてこのときC粉を同じく空気をキャリ
アガスとして酸素バーナ12に供給し、その噴射孔18
から反応炉10内部に供給した。
鋼ダスト及び還元スラグをそれぞれ1:1の比率で空気
をキャリアガスとして酸素バーナ12に供給し、その酸
素バーナ12の先端の噴射孔18から反応炉10内に且
つ酸素バーナ12の高温火炎中に噴射し、それらを溶融
させた。また併せてこのときC粉を同じく空気をキャリ
アガスとして酸素バーナ12に供給し、その噴射孔18
から反応炉10内部に供給した。
【0036】
【表1】
【0037】尚、C粉としてはコークス粉,石炭粉その
他のものを用いることができるが、ここではコークス粉
を用いた。またその供給量は50kg/ダストtとし
た。また炉底の羽口(5本羽口)から窒素ガスを撹拌ガ
スとして150Nm3/hの量で吹き込み、溶融スラグ
28の撹拌を行った。
他のものを用いることができるが、ここではコークス粉
を用いた。またその供給量は50kg/ダストtとし
た。また炉底の羽口(5本羽口)から窒素ガスを撹拌ガ
スとして150Nm3/hの量で吹き込み、溶融スラグ
28の撹拌を行った。
【0038】このとき得られた溶融スラグの組成は表2
の通りであった。表2の結果から分かるように、Pbの
含有量はZnの含有量とともに当初より少なくなってい
る。但しこれは未だ目標値には到達していない。
の通りであった。表2の結果から分かるように、Pbの
含有量はZnの含有量とともに当初より少なくなってい
る。但しこれは未だ目標値には到達していない。
【0039】
【表2】
【0040】そこで次に5本羽口からの撹拌ガス(窒素
ガス)の吹込みを強化して同様の操作を行った。このと
きに得られた溶融スラグの組成が表3に示してある。
ガス)の吹込みを強化して同様の操作を行った。このと
きに得られた溶融スラグの組成が表3に示してある。
【0041】
【表3】
【0042】この表3の結果においては、Pbの含有量
がZnの含有量とともに表2のそれよりも更に少なくな
っており、Pbの含有量は目標値0.02%に到達して
いた。またこのときの溶出Pb量は0.005%であっ
た。
がZnの含有量とともに表2のそれよりも更に少なくな
っており、Pbの含有量は目標値0.02%に到達して
いた。またこのときの溶出Pb量は0.005%であっ
た。
【0043】以上のように溶融スラグ28に対して撹拌
ガスによる撹拌の下にCを供給することによって、その
溶融スラグ中に含有されているPbを効果的に低減する
ことができる。
ガスによる撹拌の下にCを供給することによって、その
溶融スラグ中に含有されているPbを効果的に低減する
ことができる。
【0044】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様において実施可能であ
る。
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様において実施可能であ
る。
【図1】本発明者の実験により得られたスラグ中のPb
含有量と溶出Pb量との関係を表わす図である。
含有量と溶出Pb量との関係を表わす図である。
【図2】本発明者の実験において得られたCの投入量と
スラグ中の含有Pb量との関係を表わす図である。
スラグ中の含有Pb量との関係を表わす図である。
【図3】同じく実験において得られたCの投入量とスラ
グ中のZn含有量との関係を表わす図である。
グ中のZn含有量との関係を表わす図である。
【図4】同じく実験において得られたスラグ中のZn含
有量とPb含有量との関係を表わす図である。
有量とPb含有量との関係を表わす図である。
【図5】本発明の実施例において用いた実施設備の概要
を表わす図である。
を表わす図である。
【図6】図5における酸素バーナの先端部形状を示す図
である。
である。
10 反応炉 12 酸素バーナ 22 ダストサイロ 24 還元スラグサイロ 26 (C粉の)容器 28 溶融スラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21C 5/52 B09B 3/00 ZAB C22B 7/04 303D
Claims (4)
- 【請求項1】 反応炉内で、Zn,Pb分を含有するス
ラグに対して該反応炉に供給したCを該スラグ溶融状態
の下で作用させて該溶融スラグ中のPb分を蒸気として
炉外に排出させ、以て該スラグ中のPbを低減すること
を特徴とするスラグ中のPb低減方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記スラグが、製鋼
排出物としての製鋼ダストと製鋼排出物としての還元ス
ラグとを混合して溶融させたスラグであることを特徴と
するスラグ中のPb低減方法。 - 【請求項3】 請求項2において、前記製鋼ダストと前
記還元スラグとを粉粒状態でバーナからの高温火炎中に
供給して溶融させることを特徴とするスラグ中のPb低
減方法。 - 【請求項4】 請求項1,2,3の何れかにおいて、前
記溶融スラグ中に撹拌ガスを吹き込んでCと該溶融スラ
グとの反応を促進するとともに、該吹き込んだ撹拌ガス
とともに前記Pb含有蒸気を炉外に排出することを特徴
とするスラグ中のPb低減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9094627A JPH10273347A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | スラグ中のPb低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9094627A JPH10273347A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | スラグ中のPb低減方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10273347A true JPH10273347A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=14115507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9094627A Pending JPH10273347A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | スラグ中のPb低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10273347A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013237902A (ja) * | 2012-05-15 | 2013-11-28 | Kobe Steel Ltd | ダストリサイクル方法 |
JP2013253274A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Kobe Steel Ltd | ダストリサイクル方法 |
JP2014159617A (ja) * | 2013-02-20 | 2014-09-04 | Kobe Steel Ltd | 路盤材用スラグの製造方法 |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP9094627A patent/JPH10273347A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013237902A (ja) * | 2012-05-15 | 2013-11-28 | Kobe Steel Ltd | ダストリサイクル方法 |
JP2013253274A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Kobe Steel Ltd | ダストリサイクル方法 |
JP2014159617A (ja) * | 2013-02-20 | 2014-09-04 | Kobe Steel Ltd | 路盤材用スラグの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060619 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060627 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061024 |