JPH10219331A - 製鉄ダストの脱亜鉛方法 - Google Patents

製鉄ダストの脱亜鉛方法

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JPH10219331A
JPH10219331A JP3144497A JP3144497A JPH10219331A JP H10219331 A JPH10219331 A JP H10219331A JP 3144497 A JP3144497 A JP 3144497A JP 3144497 A JP3144497 A JP 3144497A JP H10219331 A JPH10219331 A JP H10219331A
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Hiroaki Nishio
浩明 西尾
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製鉄ダストから亜鉛を還元揮発させて分離す
ると共に、その鉄分を回収し、併せて溶銑のSiを低減
させる。 【解決手段】 酸化鉄を主成分とする亜鉛含有製鉄ダス
トを溶銑を収容する容器の底部に配し、その上から溶銑
を供給し、該酸化鉄と溶銑中Siとの反応により脱珪を
行わせるとともに、ダスト中の亜鉛を還元揮発させて分
離する。また、容器の底部に配した亜鉛含有ダストの上
に更に固体鉄源を配し、その上から溶銑を供給すること
は固体鉄源を溶銑として回収できるのでより望ましい。
酸化鉄を主成分とする亜鉛含有ダストは、5〜20wt
%の湿分を含有する湿ダストであることが望ましい

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶銑を利用し、溶銑
のSiを除去すると共に、製鉄ダストから亜鉛を除去す
る脱亜鉛方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄所から発生するダストには、高炉ダ
スト、転炉ダスト、電気炉ダスト等の所謂製鉄ダストが
ある。これらの製鉄ダストは鉄分の含有量が高く貴重な
鉄資源である。従って、これらの製鉄ダストを鉄源とし
て再利用することは重要な課題である。しかし、これら
のダストは0.1〜15wt%の亜鉛を含有する。
【0003】このため、例えば、ダスト中の亜鉛含有量
が2wt%を超えると、ダストを高炉原料として使用す
ることは高炉炉壁を損傷するので使用できない等の問題
が発生する。そこで、亜鉛含有製鉄ダストを鉄源として
回収するために亜鉛の分離除去が必要である。
【0004】ところで、高炉、溶融還元炉等で製造され
る溶銑は、通常、1400〜1600℃の高温の溶融体
で、4.2〜4.8wt%C、0.2〜0.8wt%S
i、0.15〜0.8wt%Mn、0.10〜0.15
wt%P、0.02〜0.06wt%Sの諸成分を含有
する。
【0005】溶銑からこれらの成分を除去する処理を施
して溶鋼が得られる。このうち、溶銑中のSiは製鋼段
階前において極力低減すると、製鋼作業で使用する石灰
量を低減できるので望ましい。そのため、通常高炉等か
ら溶銑鍋まで溶銑を誘導する溶銑樋を流れる溶銑に脱珪
剤を投射し、溶銑が溶銑鍋に到る過程および溶銑鍋に滞
留する間に脱珪を行わせる脱珪方法が広く知られてい
る。
【0006】脱珪剤として、特開平4−341511号
公報ではミルスケール、特開平3−079711号公報
では含油鉄粉スラッジ、特開平3−202413号公報
では塊鉱石、特開平2−104606号公報では焼結
鉱、特開平2−118011号公報では高炉ダスト、或
いは電気炉ダスト(例えば、鉄と鋼、第74年(198
8)第9号、162〜164頁)等をそれぞれ使用して
いる。
【0007】また、脱珪の進行に伴って溶銑鍋内の溶銑
上に蓄積するスラグの泡立ち、吹きこぼれが問題となる
が、泡立ち防止剤として炭素材料の添加が有効であるこ
とが知られている(例えば、特開昭58−052413
号公報)。高炉ダストは10〜20wt%の炭素を含有
するので泡立ち防止剤としても有効である(特開平02
−118011号公報)。
【0008】また、前述の電気炉ダストを溶銑に吹き込
む方法では、脱珪処理と併せて亜鉛、鉛等の重金属を還
元揮発させて分離する方法も開示している。すなわち、
底部にノズルを設けた坩堝を使用して溶銑を1450〜
1500℃に加熱保持しながら、該ノズルより窒素を搬
送ガスとしてダストを溶銑中に吹き込んでいる。
【0009】この結果、脱珪、脱炭の進行が確認され、
ダスト中の還元可能な酸化物成分であるFe2 3 、F
eO、MnO、PbO、ZnO,CdOはほぼ100%
還元されたと報告している。このうち、Fe、Mnは溶
銑に取り込まれ、ZnとCdは2次ダストとして100
%回収されたとしている。溶銑の脱珪と、亜鉛含有ダス
トの脱亜鉛と鉄源回収を同時に行うことができるこの方
法は高い利用可能性を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
技術を実操業で採用するには下記のような問題がある。
問題点は下記の3点である。 (1)ダストをガスで搬送するには、ダストを予め十分
乾燥する必要がある。また、2mmを超える粗粉を含む
場合にはこれを除去するか、粉砕して2mm以下とする
必要もある。このため、前処理に費用がかかる。 (2)搬送ガスによって溶銑が攪拌され熱放散が増え溶
銑温度が低下するので別途熱補償が必要となる。 (3)搬送ガスに伴われて鉄分が飛散し損失となる。 本発明の目的は、上述した問題点を解決することによ
り、溶銑を脱珪し製鋼作業の負担を軽減すると共に、亜
鉛を含有する製鉄ダストを脱亜鉛し、更にこのダストか
ら鉄源回収を安価に効率よく実施する方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、亜鉛含有
ダストの脱珪作用に着目し、下記の発明を完成するに至
った。
【0012】第1の発明は、酸化鉄を主成分とする亜鉛
を含有する製鉄ダストを溶銑を収容する容器の底部に配
し、その上から溶銑を供給し、溶銑中Siと該酸化鉄と
の反応により溶銑の脱珪を行わせるとともに、該ダスト
中の亜鉛を還元揮発させて分離することを特徴とする製
鉄ダストの脱亜鉛方法である。上記発明は、溶銑の脱珪
を行うことができると共に、製鉄ダスト中の亜鉛を還元
揮発させて分離することが容易にできる方法である。
【0013】第2の発明は、前記溶銑を収容する容器の
底部に配した亜鉛含有ダストの上に固体鉄源を配し、そ
の上から溶銑を供給することを特徴とする製鉄ダストの
脱亜鉛方法である。上記発明は、容器の底部に配した亜
鉛含有ダストと溶銑との反応をより十分に行わせて、亜
鉛の回収をより促進することができる。また、固体鉄源
を溶銑として回収できる利点がある。
【0014】第3の発明は、前記酸化鉄を主成分とする
亜鉛含有ダストが、5〜20wt%の湿分を含有する湿
ダストであることを特徴とする製鉄ダストの脱亜鉛方法
である。上記発明は、亜鉛含有ダストが、5〜20wt
%の湿分を含有するため、溶銑とダストは適度に反応す
る。
【0015】
【発明の実施の態様】製鉄所で発生する酸化鉄を主成分
とする亜鉛含有ダストとしては、高炉ダスト、転炉ダス
ト、電気炉ダストが挙げられる。これらのダストは高
炉、転炉等の本体および周辺設備および建屋において発
生するダストを集塵して得られるものである。
【0016】このうち、高炉ダストは、金属あるいは酸
化物として、Znを0.5〜3wt%、Feを30〜5
0wt%含み、また、Cを5〜40wt%含む。Zn含
有量はダストの粒径に依存して変化し、細かいダストほ
どZn含有量が高い。一般に粗粉ダストは乾式集塵で、
微粉のダストは湿式集塵で捕集されるので、乾ダストよ
りも湿ダストにZnが多く含まれる。
【0017】亜鉛含有量の多い湿ダストは高炉原料とし
て不適であり、脱亜鉛が必要となる。転炉ダストは、金
属あるいは酸化物として、Znを0.1〜1wt%、F
eを40〜70wt%含み、また、Cを5〜20wt%
含む。転炉ダストは高炉ダストに比べてはるかに細か
い。これも湿式集塵が適用され湿ダストが発生する。
【0018】本発明では、ダストは溶銑を収容する容器
の底部に配する。この容器は溶銑鍋が適当であるが、溶
銑鍋に限定されない。乾ダストを溶銑鍋に供給すると発
塵のため飛散が避けられない。したがって、本発明は湿
ダストの適用が望ましい。乾ダストは予め湿分を添加す
るか、さらに有機バインダーまたは無機バインダーを添
加して使用する。
【0019】溶銑鍋は予め内表面の温度が200℃以上
に加熱されていることが望ましい。溶銑鍋が繰り返し使
用されている場合はこの条件は満足されるが新鍋を使用
する場合はこの点配慮が必要である。これは、受銑の前
に湿ダストを十分乾燥し、溶銑供給開始時の溶銑の飛散
事故を回避することが必要なためである。
【0020】この観点から湿気ダストの含有水分は乾量
基準(乾燥したダスト当たり)で5〜20wt%とする
ことが望ましい。これは、5wt%未満では投入時の発
塵が避けられず、また、20wt%を超えると大量の蒸
発の急激な発生によりダスト塊の飛散が発生することが
あるからである。
【0021】このようにして溶銑鍋の底部に配した亜鉛
含有ダスト層に直接溶銑を注ぐとダストと溶銑が反応
し、ダスト中の鉄分が還元され、また亜鉛の還元も行わ
れる。しかし、時には溶銑の衝突の衝撃によりダスト層
が崩れてダストが未反応のまま溶銑上に浮上することも
ある。そこで、ダスト層の上に固体鉄源を配してから溶
銑を供給することが好ましい。固体鉄源が水分を含む場
合には、固体鉄源投入後、必要に応じてバーナーを挿入
して乾燥してもよい。
【0022】この固体鉄源は落下して衝突する溶銑の衝
撃を緩和してダスト層の崩壊を防止するのである。固体
鉄源層は溶銑との接触部位から溶融を開始し、次第に溶
銑と一体化する。溶融が終了すると溶銑は直接、ダスト
層と接触するようになる。固体鉄源としては、製鉄所内
で発生するスクラップ、市中発生スクラップ、冷銑等が
適用される。
【0023】溶銑がダストと直接接触すると、主として
溶銑中のSi、副次的にCよりダスト中の酸化物(Fe
2 3 、FeO、MnO、ZnO、PbO、CdO)が
還元されて金属(Fe、Mn、Zn、Pb、Cd)とな
る。反応式は次の通りである。
【0024】 2FeO+Si→2Fe+SiO2 (1) 2MnO+Si→2Mn+SiO2 (2) 2ZnO+Si→2Zn+SiO2 (3) 2PbO+Si→2Pb+SiO2 (4) 2CdO+Si→2Cd+SiO2 (5)
【0025】 FeO+C→Fe+CO (6) MnO+C→Mn+CO (7) ZnO+C→Zn+CO (8) PbO+C→Pb+CO (9) CdO+C→Cd+CO (10)
【0026】Fe、Mnは溶銑に溶けて溶銑の一部とな
る。Zn、Pb、Cdは蒸発して溶銑中を通過して溶銑
鍋上部へ抜ける。そして、ただちに酸化され気相から酸
化物が析出して酸化物微粒子となり、後続の集塵機で脱
珪ダストとして捕集される。原料の亜鉛含有ダストが炭
素を含む場合は原料ダスト中で(6)〜(10)の反応
が起こり金属が生成する。この金属も同様に溶銑と脱珪
ダストへ移行する。このようにして鉄分を主成分とする
亜鉛含有ダストの脱亜鉛と鉄源回収、溶銑の脱珪が並行
して起きる。
【0027】この発明の実施態様を、図面を参照しなが
ら説明する。図1に示すように、台車1に搭載された溶
銑鍋2に、乾量基準で水分5から20wt%を含む高炉
湿ダスト等を底部全体に行き渡るように投入してダスト
層3を形成する。湿ダストからの水蒸気発生がおさまっ
たところで、好ましくはその上に市中発生鉄スクラップ
を全面に覆うように投入し、固体鉄源層4を形成する。
【0028】そして、コースク炉ガスを空気で燃焼する
バーナー5を溶銑鍋上部より挿入して固体鉄源層4およ
び湿ダスト3の乾燥を行う。次に図2に示すように、こ
の台車を高炉の受銑位置に配する。溶銑鍋2をフード6
で覆い、発生ガスをバグフィルター7、排風機8、煙突
9を経由して大気へ放散するようになっている。
【0029】傾注樋10で溶銑11を溶銑鍋2へ導き受
銑を開始する。溶銑は固体鉄源層4に衝突して横に広が
る。外部からの観察は困難であるが、図3に示すよう
に、固体鉄源層4の溶融が終了し、溶銑11はダスト層
3と直接接触し、還元反応が進行する。
【0030】生成するFe、Mnは溶銑に吸収される。
SiO2 は溶銑中を浮上して溶銑浴面に蓄積されスラグ
層12を形成する。Zn、Pb、Cdの蒸気は溶銑中を
浮上して溶銑鍋上部空間へ吹き出し、ただちに酸化され
ZnO、PbO、CdOとなり、バグフィルター7で捕
集される。この補集されたダストは特に亜鉛(酸化亜
鉛)が多く、亜鉛原料として使用できる。COガスも溶
銑鍋上部空間で酸化されCO2 となる。最終的には、図
4に示すように、ダスト層4は消失し、溶銑11とスラ
グ層12になる。
【0031】こうして、酸化鉄を主成分とする亜鉛含有
ダストは、溶銑中に鉄源として回収され、亜鉛を代表と
する重金属は溶銑から分離され高濃度の重金属を含む脱
珪ダストとして回収される。これと並行して溶銑の脱珪
が進行し、SiはSiO2 を主成分とするスラグにな
る。スラグは後工程でスラッグドラッガーにより溶銑か
ら分離される。
【0032】
【実施例】
(実施例1)実施例1は、高炉集塵機から得られたスラ
リーを液体サイクロンで分級して得られた微粉部分を脱
水してフィルターケーキ状の高炉湿ダストを得、これを
脱珪剤として使用した実施例である。
【0033】図5として示す表1に記載のとおり、この
ダストはH2 O:15.0wt%(乾燥重量に対する水
分の百分率)、全Fe:48.1wt%、C:14.2
wt%、全Zn:1.34wt%を含む。このダスト
を、内表面温度が300℃以上に加熱された溶銑鍋に底
面を均一に覆うように投入してダスト層を形成した。
【0034】投入量は5050kgである。投入後水蒸
気が激しく発生したが、これがおさまったところで、コ
ークス炉ガス燃焼バーナーでその先端がダスト層の表面
から約50cmにくるように配設し、1時間加熱して乾
燥した。
【0035】次にこの溶銑鍋を高炉の受銑位置に配設し
て受銑した。受銑量は250tである。実施の形態の項
で述べたように、受銑中に溶銑脱珪と、高炉ダストから
の鉄源回収と脱亜鉛が進行した。受銑初期の溶銑温度は
1480℃であった。受銑時間は31分であり、受銑前
後の銑中Siはそれぞれ0.32wt%、0.09wt
%であり、脱珪率は72%であった。
【0036】受銑の間に発生した2次ダストに含有され
る全Znは43.5wt%であり、出発原料の高炉湿ダ
ストに含有される全Znは32.5倍の濃度に濃縮され
た。2次ダストに移行したFe量は投入した高炉湿ダス
トに含有されるFe量に比べて微量であり、ほぼ全量が
溶銑へ移行した。生成したスラグにはZnはほとんど含
まれていなかった。以上述べたように、72%の高い脱
珪率、ほぼ100%の鉄源回収、高濃度の亜鉛の分離回
収が同時に達成された。
【0037】(実施例2)実施例2も、高炉集塵機から
のスラリーを液体サイクロンで分級して得られた微粉部
分を脱水してフィルターケーキ状の高炉湿ダストを得、
これを脱珪剤として使用した実施例である。表1に示す
ように、このダストはH2 O:10.6wt%(乾燥重
量に対する水分の百分率)、全Fe:35.5wt%、
C:32.6wt%、全Zn:1.80wt%を含む。
【0038】このダストを、内表面温度が300℃以上
に加熱された溶銑鍋に底面を均一に覆うように投入して
ダスト層を形成した。投入量は6500kgである。投
入後水蒸気が激しく発生するが、これがおさまったとこ
ろで、つぎに、その上に市中発生スクラップを投入して
固体鉄源層を形成した。投入量は3750kgである。
ここで、コークス炉ガス燃焼バーナーをその先端が固体
鉄源層の表面から約50cmにくるように配設し、1時
間加熱して乾燥した。
【0039】次にこの溶銑鍋を高炉の受銑位置に配設し
て受銑した。受銑量は250tである。実施の形態の項
で述べたように、受銑中に溶銑脱珪と、高炉ダストの鉄
源回収と脱亜鉛が進行する。受銑初期の溶銑温度は14
60℃であった。受銑時間は26分であり、受銑前後の
銑中Siはそれぞれ0.28wt%、0.05wt%で
あり、脱珪率は82%であった。
【0040】受銑の間に発生したダストに含有される全
Znは37.0wt%であり、出発原料の高炉湿ダスト
に含有される全Znの20.5倍の濃度に濃縮され
た、。脱珪ダストに移行したFe量は投入した高炉湿ダ
ストに含有されるFe量に比べ微量であり、ほぼ全量が
溶銑へ移行したとみなせる。生成したスラグにはZnは
ほとんど含まれていなかった。以上述べたように、82
%の高い脱珪率、ほぼ100%の鉄源回収、高濃度の亜
鉛の分離回収が同時に達成された。
【0041】(実施例3)実施例3は、転炉集塵スラリ
ーを脱水してフィルターケーキ状の転炉湿ダストを得、
これを脱珪剤として使用した実施例である。表1に示す
ように、このダストはH2 O:12.0wt%(乾燥重
量に対する水分の百分率)、全Fe:56.1wt%、
C:13.0wt%、全Zn:0.50wt%を含む。
【0042】このダストを、繰り返し再使用して内表面
温度が300℃以上に加熱された溶銑鍋に底面を均一に
覆うように投入してダスト層を形成した。投入量は42
00kgである。投入後水蒸気が激しく発生するが、こ
れがおさまったところで、つぎに、その上に市中発生ス
クラップを投入して固体鉄源層を形成した。投入量は3
750kgである。ここで、コークス炉ガス燃焼バーナ
ーをその先端が固体鉄源層の表面から約50cmにくる
ように配設し、1時間加熱して乾燥した。
【0043】次にこの溶銑鍋を高炉の受銑位置に配設し
て受銑した。受銑量は250tである。実施の形態の項
で述べたように、受銑中に溶銑脱珪と、高炉ダストの鉄
源回収と脱亜鉛が進行する。受銑初期の溶銑温度は14
80℃であった。受銑時間は30分であり、受銑前後の
銑中Siはそれぞれ0.35wt%、0.12wt%で
あり、脱珪率は66%であった。
【0044】受銑の間に発生した2次ダストに含有され
る全Znは40.3wt%であり、出発原料の高炉湿ダ
ストに含有される全Znの80.6倍の濃度に濃縮され
た。脱珪ダストに移行したFe量は投入した転炉湿ダス
トに含有されるFe量に比べて微量であり、ほぼ全量が
溶銑へ移行したとみなせる。生成したスラグにはZnは
ほとんど含まれていない。以上述べたように、66%の
高い脱珪率、ほぼ100%の鉄源回収、高濃度の亜鉛の
分離回収が同時に達成された。
【0045】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、亜鉛含
有湿ダストを費用のかかる乾燥、粉砕等の前処理を施す
ことなく脱珪剤として直接、溶銑鍋の底部に敷き、上部
に溶銑を配し、また、溶銑温度の低下と発塵を引き起こ
す搬送ガスを使用することなく、溶銑と容易に接触でき
るようにしたので、ダスト中の酸化鉄、酸化亜鉛を溶銑
中のSiおよびCで還元する反応が首尾良く進行する。
【0046】また、鉄分の発塵損失も少ないので、湿ダ
ストの前処理が不要となり、溶銑の高い脱珪率、ほぼ1
00%の鉄源回収、高濃度の亜鉛の分離回収を同時に達
成できる。また、高濃度の亜鉛を含む回収物は亜鉛製錬
原料として再利用できる。さらに、亜鉛含有ダスト層の
上に固体鉄源を配する場合には固体鉄源を溶銑として回
収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶銑鍋に配したダストと固体鉄層を加熱する状
態を示す図である。
【図2】本発明を実施する態様と設備の概要を示す図で
ある。
【図3】溶銑鍋内における脱珪脱亜鉛の反応状況を示す
図である。
【図4】溶銑鍋内における脱珪脱亜鉛の反応が終了した
状態を示す図である。
【図5】本発明に実施例における物質バランスを示す図
である。
【符号の説明】
1 台車 2 溶銑鍋 3 製鉄ダスト 4 固体鉄源層 5 加熱バーナー 6 フード 7 バグフィルター 8 排風機 9 煙突 10 傾注樋 11 溶銑 12 スラグ層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化鉄を主成分とする亜鉛を含有する製
    鉄ダストを溶銑を収容する容器の底部に配し、その上か
    ら溶銑を供給し、溶銑中Siと該酸化鉄との反応により
    溶銑を脱珪し、該ダスト中の亜鉛を還元揮発させて分離
    することを特徴とする製鉄ダストの脱亜鉛方法。
  2. 【請求項2】 前記溶銑を収容する容器の底部に配した
    亜鉛含有ダストの上に更に固体鉄源を配し、その上から
    溶銑を供給することを特徴とする請求項1に記載の製鉄
    ダストの脱亜鉛方法。
  3. 【請求項3】 前記酸化鉄を主成分とする亜鉛含有ダス
    トが、5〜20wt%の湿分を含有する湿ダストである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の製鉄ダスト
    の脱亜鉛方法。
JP3144497A 1997-01-31 1997-01-31 製鉄ダストの脱亜鉛方法 Pending JPH10219331A (ja)

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