JP2853577B2 - 高炉への原料装入方法 - Google Patents
高炉への原料装入方法Info
- Publication number
- JP2853577B2 JP2853577B2 JP14545394A JP14545394A JP2853577B2 JP 2853577 B2 JP2853577 B2 JP 2853577B2 JP 14545394 A JP14545394 A JP 14545394A JP 14545394 A JP14545394 A JP 14545394A JP 2853577 B2 JP2853577 B2 JP 2853577B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coke
- ore
- bell
- furnace
- blast furnace
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Manufacture Of Iron (AREA)
- Blast Furnaces (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、２ベル式高炉におい
てコークス装入、鉱石装入を交互に装入する場合におけ
る炉中心部のコークス比を高位に保ち、炉況を安定に維
持することのできる高炉への原料装入方法に関する。
てコークス装入、鉱石装入を交互に装入する場合におけ
る炉中心部のコークス比を高位に保ち、炉況を安定に維
持することのできる高炉への原料装入方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】高炉操業においては、鉱石を安定して還
元、溶解するためには、シャフト部におけるガス流分布
を適正な状態に維持し、ガスの保有する顕熱と還元能力
を効率よく利用することが最も重要である。そのため、
高炉操業では、炉内半径方向の鉱石／コークスの重量比
（以下この比をＯ／Ｃという）を高精度に制御し、炉内
のガス流分布、融着帯形状等を目標範囲内に維持管理す
ることが高炉の安定操業を図る上で重要である。従来、
ベル式装入装置を備えた高炉においては、ムーバブルア
ーマの設置位置を鉱石とコークスとで各々独立に制御
し、原料の落下点を炉壁から１０００ｍｍの範囲で調整
することによって、炉内半径方向のＯ／Ｃ分布を制御し
ている。しかしながら、ムーバブルアーマの設置位置制
御のみでは、炉中心のＯ／Ｃ分布を制御を行うには不十
分である。
元、溶解するためには、シャフト部におけるガス流分布
を適正な状態に維持し、ガスの保有する顕熱と還元能力
を効率よく利用することが最も重要である。そのため、
高炉操業では、炉内半径方向の鉱石／コークスの重量比
（以下この比をＯ／Ｃという）を高精度に制御し、炉内
のガス流分布、融着帯形状等を目標範囲内に維持管理す
ることが高炉の安定操業を図る上で重要である。従来、
ベル式装入装置を備えた高炉においては、ムーバブルア
ーマの設置位置を鉱石とコークスとで各々独立に制御
し、原料の落下点を炉壁から１０００ｍｍの範囲で調整
することによって、炉内半径方向のＯ／Ｃ分布を制御し
ている。しかしながら、ムーバブルアーマの設置位置制
御のみでは、炉中心のＯ／Ｃ分布を制御を行うには不十
分である。
【０００３】上記ムーバブルアーマの設置位置制御の欠
点を解消する技術としては、高炉に対して鉱石とコーク
スを交互に装入する場合におけるコークス装入方法であ
って、各チャージにおけるコークスの装入を経時的に少
なくとも２系列に分け、当該チャージの総装入コークス
量の９２〜９８．５％を前装入の鉱石層を全て覆うよう
に装入し、最後の装入系列では当該チャージの総装入コ
ークス量の８〜１．５％を炉中心部へ集中的に装入する
ことにより、炉中心部のＯ／Ｃを炉中心以外の領域のＯ
／Ｃよりも実質的に小さくなるように堆積させる方法
（特開昭６０−５６００３号公報）、高反応性かつ細粒
の炭材をシュート等で直接高炉の中心部に装入し、高炉
の中心部を主としてＣＳＲ指数で５０以下の高反応性か
つ大部分２０〜３０ｍｍの細粒炭材で構成する方法、あ
るいは高炉炉況悪化に際してＣＳＲ指数で６０以上の低
反応性かつ大部分４０ｍｍ以上からなる粗粒の炭材をシ
ュート等で直接高炉の中心部に装入する方法（特開平１
−２６３２０８号公報）、高炉炉内に鉱石およびコーク
スを層状装入するに先立ち、鉱石およびコークスの一部
を所定の重量比で混合した原料を、ベル式またはベルレ
ス式等の主装入装置によらずに別ルートで高炉中心部に
直接装入、堆積させる方法（特開平１−２９０７０８号
公報）、高炉炉底煉瓦温度を測定し、該炉底煉瓦温度が
炉底煉瓦温度と炉下部コークス層の充填状態との関係か
ら求められる適正な充填状態に対応する煉瓦温度範囲に
管理されるよう、高炉中心部に装入するコークスの量、
粒度、熱間性状の少なくともいずれかを制御する方法
（特開平１−２９０７０９号公報）、鉱石中に全装入コ
ークスの一部を混入した混合物と残余のコークスとを交
互に高炉に装入するに当たり、該混合物中に混入するコ
ークスの粒度の粗い方から２０重量％の平均粒度ｄｐ
（ｍｍ）を、鉱石に混入するコークスの装入量Ｗ（重量
％）に応じてｄｐ＞Ｗ＋２０の範囲に保って挿入する方
法（特開平４−６３２１２号公報）等が提案されてい
る。
点を解消する技術としては、高炉に対して鉱石とコーク
スを交互に装入する場合におけるコークス装入方法であ
って、各チャージにおけるコークスの装入を経時的に少
なくとも２系列に分け、当該チャージの総装入コークス
量の９２〜９８．５％を前装入の鉱石層を全て覆うよう
に装入し、最後の装入系列では当該チャージの総装入コ
ークス量の８〜１．５％を炉中心部へ集中的に装入する
ことにより、炉中心部のＯ／Ｃを炉中心以外の領域のＯ
／Ｃよりも実質的に小さくなるように堆積させる方法
（特開昭６０−５６００３号公報）、高反応性かつ細粒
の炭材をシュート等で直接高炉の中心部に装入し、高炉
の中心部を主としてＣＳＲ指数で５０以下の高反応性か
つ大部分２０〜３０ｍｍの細粒炭材で構成する方法、あ
るいは高炉炉況悪化に際してＣＳＲ指数で６０以上の低
反応性かつ大部分４０ｍｍ以上からなる粗粒の炭材をシ
ュート等で直接高炉の中心部に装入する方法（特開平１
−２６３２０８号公報）、高炉炉内に鉱石およびコーク
スを層状装入するに先立ち、鉱石およびコークスの一部
を所定の重量比で混合した原料を、ベル式またはベルレ
ス式等の主装入装置によらずに別ルートで高炉中心部に
直接装入、堆積させる方法（特開平１−２９０７０８号
公報）、高炉炉底煉瓦温度を測定し、該炉底煉瓦温度が
炉底煉瓦温度と炉下部コークス層の充填状態との関係か
ら求められる適正な充填状態に対応する煉瓦温度範囲に
管理されるよう、高炉中心部に装入するコークスの量、
粒度、熱間性状の少なくともいずれかを制御する方法
（特開平１−２９０７０９号公報）、鉱石中に全装入コ
ークスの一部を混入した混合物と残余のコークスとを交
互に高炉に装入するに当たり、該混合物中に混入するコ
ークスの粒度の粗い方から２０重量％の平均粒度ｄｐ
（ｍｍ）を、鉱石に混入するコークスの装入量Ｗ（重量
％）に応じてｄｐ＞Ｗ＋２０の範囲に保って挿入する方
法（特開平４−６３２１２号公報）等が提案されてい
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭６０−５６
００３号公報に開示の方法は、炉中心部へコークスを装
入するためのコークス専用の装入装置を炉頂部に設ける
必要があり、設備の大改造を必要とする。また、炉頂部
の装入物堆積レベルの上部空間特に中心部は、常時高温
の上昇ガスにさらされているため、装置メンテナンスが
困難になる。さらに、高出銑比操業においては、装入回
数が増加するため、装入１回に要する時間に制約が生じ
るので、通常装入に比較して別系統からのコークス装入
回数が付加されるため、円滑な高炉操業に支障をきたす
と考えられる。
００３号公報に開示の方法は、炉中心部へコークスを装
入するためのコークス専用の装入装置を炉頂部に設ける
必要があり、設備の大改造を必要とする。また、炉頂部
の装入物堆積レベルの上部空間特に中心部は、常時高温
の上昇ガスにさらされているため、装置メンテナンスが
困難になる。さらに、高出銑比操業においては、装入回
数が増加するため、装入１回に要する時間に制約が生じ
るので、通常装入に比較して別系統からのコークス装入
回数が付加されるため、円滑な高炉操業に支障をきたす
と考えられる。
【０００５】また、特開平１−２６３２０８号公報に開
示の方法は、銑鉄コスト中に占める割合が大きい炭材コ
ストを低減させる方法であって、炉内のガス流分布、融
着帯形状等を目標範囲内に維持管理するものではない。
さらに、特開平１−２９０７０８号公報に開示の方法
は、Ｏ／Ｃが予め決定された完全混合原料を高炉中心部
に別ルートで独立的に装入するため、特開昭６０−５６
００３号公報に開示の方法と同様の欠点がある。さらに
また、特開平１−２９０７０９号公報に開示の方法は、
高炉中心部にコークスのみを装入するもので、従来のよ
うに鉱石層とコークス層を交互に装入するものではな
い。
示の方法は、銑鉄コスト中に占める割合が大きい炭材コ
ストを低減させる方法であって、炉内のガス流分布、融
着帯形状等を目標範囲内に維持管理するものではない。
さらに、特開平１−２９０７０８号公報に開示の方法
は、Ｏ／Ｃが予め決定された完全混合原料を高炉中心部
に別ルートで独立的に装入するため、特開昭６０−５６
００３号公報に開示の方法と同様の欠点がある。さらに
また、特開平１−２９０７０９号公報に開示の方法は、
高炉中心部にコークスのみを装入するもので、従来のよ
うに鉱石層とコークス層を交互に装入するものではな
い。
【０００６】さらに、特開平４−６３２１２号公報に開
示の方法は、コークスが混合された鉱石層の炉内堆積過
程における偏析現象を利用し、半径方向のコークスと鉱
石の存在比率を制御するもので、コークスが混合された
鉱石層が排出されるとき、コークスの一部が鉱石よりも
後に排出されるため、コークスの偏析が不十分となる。
したがって、特開平４−６３２１２号公報に開示の方法
では、高炉上昇ガス流分布制御および高炉中心部のコー
クスの通気、通液性の確保が困難であり、送風圧の上
昇、荷下がり不安定によるスリップおよび溶銑温度や溶
銑中Ｓｉ濃度の変動等によって確認され得る高炉操業の
悪化と不安定性が懸念される。
示の方法は、コークスが混合された鉱石層の炉内堆積過
程における偏析現象を利用し、半径方向のコークスと鉱
石の存在比率を制御するもので、コークスが混合された
鉱石層が排出されるとき、コークスの一部が鉱石よりも
後に排出されるため、コークスの偏析が不十分となる。
したがって、特開平４−６３２１２号公報に開示の方法
では、高炉上昇ガス流分布制御および高炉中心部のコー
クスの通気、通液性の確保が困難であり、送風圧の上
昇、荷下がり不安定によるスリップおよび溶銑温度や溶
銑中Ｓｉ濃度の変動等によって確認され得る高炉操業の
悪化と不安定性が懸念される。
【０００７】この発明の目的は、装入装置を新たに設け
る必要がなく、高炉内に装入された原料の堆積過程を把
握し、高炉中心部の鉱石存在率を低位に制御し、高炉中
心部の上昇ガス量確保および高炉中心部に供給されるコ
ークスの反応量を低減させることによって、高炉中心部
のコークスの粒径、強度を確保し、通気性ならびに通液
性を良好に保持できる高炉への原料装入方法を提供する
ことにある。
る必要がなく、高炉内に装入された原料の堆積過程を把
握し、高炉中心部の鉱石存在率を低位に制御し、高炉中
心部の上昇ガス量確保および高炉中心部に供給されるコ
ークスの反応量を低減させることによって、高炉中心部
のコークスの粒径、強度を確保し、通気性ならびに通液
性を良好に保持できる高炉への原料装入方法を提供する
ことにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、大ベル
上から鉱石と全装入コークスの一部との混合物を排出さ
せるよりも、大ベル上にコークスが、小ベル上に鉱石が
ある状態で大ベルを開放したのち、大ベル上にコークス
が残存する間に小ベルを開放して鉱石と全装入コークス
の一部とを装入する方が、炉壁近傍でのコークス居残り
に伴う相対Ｏ／Ｃの低下が改善され、炉内で堆積後の半
径方向での鉱石とコークスの偏析効果が顕著となり、高
炉中心部のコークス反応劣化量が低減し、炉心の通気性
ならびに通液性が確保されると共に、炉中心部のガス流
速が高位に保持され、炉況を安定維持できることを究明
し、この発明に到達した。
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、大ベル
上から鉱石と全装入コークスの一部との混合物を排出さ
せるよりも、大ベル上にコークスが、小ベル上に鉱石が
ある状態で大ベルを開放したのち、大ベル上にコークス
が残存する間に小ベルを開放して鉱石と全装入コークス
の一部とを装入する方が、炉壁近傍でのコークス居残り
に伴う相対Ｏ／Ｃの低下が改善され、炉内で堆積後の半
径方向での鉱石とコークスの偏析効果が顕著となり、高
炉中心部のコークス反応劣化量が低減し、炉心の通気性
ならびに通液性が確保されると共に、炉中心部のガス流
速が高位に保持され、炉況を安定維持できることを究明
し、この発明に到達した。
【０００９】すなわちこの発明、鉱石とコークスとを少
なくとも大ベルと小ベルを有するベル式高炉に交互に装
入する方法において、鉱石と全装入コークスの一部と
を、大ベル上にコークスが、小ベル上に鉱石がある状態
で大ベルを開放したのち、大ベル上にコークスが残存す
る間に小ベルを開放して装入することを特徴とする高炉
への原料装入方法である。
なくとも大ベルと小ベルを有するベル式高炉に交互に装
入する方法において、鉱石と全装入コークスの一部と
を、大ベル上にコークスが、小ベル上に鉱石がある状態
で大ベルを開放したのち、大ベル上にコークスが残存す
る間に小ベルを開放して装入することを特徴とする高炉
への原料装入方法である。
【００１０】
【作用】この発明においては、鉱石と全装入コークスの
一部を、大ベル上にコークスが、小ベル上に鉱石がある
状態で大ベルを開放したのち、大ベル上にコークスが残
存する間に小ベルを開放して装入することによって、炉
内堆積後の炉中心部にコークスが偏析して鉱石に対する
コークス存在率が増加し、炉中心部のコークス反応劣化
量が低減し、炉心の通気性、通液性が確保できると共
に、炉中心部のガス流速が高位に保持され、炉況を安定
に維持することができる。
一部を、大ベル上にコークスが、小ベル上に鉱石がある
状態で大ベルを開放したのち、大ベル上にコークスが残
存する間に小ベルを開放して装入することによって、炉
内堆積後の炉中心部にコークスが偏析して鉱石に対する
コークス存在率が増加し、炉中心部のコークス反応劣化
量が低減し、炉心の通気性、通液性が確保できると共
に、炉中心部のガス流速が高位に保持され、炉況を安定
に維持することができる。
【００１１】この発明において、鉱石装入時に装入する
コークスの鉱石に対する割合は、特に限定されないが、
２％未満では鉱石と全装入コークスの一部を同時装入の
メリットが得られず、また、２０％を超えると炉内圧損
が逆に増加し、炉内の通気性、通液性が悪化し、溶銑中
Ｓｉの変動が大きくなる。この発明におけるＣＯガス利
用率とは、ＣＯ2／（ＣＯ＋ＣＯ2）により求めた値をい
う
コークスの鉱石に対する割合は、特に限定されないが、
２％未満では鉱石と全装入コークスの一部を同時装入の
メリットが得られず、また、２０％を超えると炉内圧損
が逆に増加し、炉内の通気性、通液性が悪化し、溶銑中
Ｓｉの変動が大きくなる。この発明におけるＣＯガス利
用率とは、ＣＯ2／（ＣＯ＋ＣＯ2）により求めた値をい
う
【００１２】
実施例１ 内容積１８５０ｍ3の２ベル式実高炉の１／７スケール
の図１に示す内径１０００ｍｍ、高さ５００ｍｍの円筒
を２段積み重ねた堆積円筒１と、該堆積円筒１上に装入
装置部２としてムーバブルアーマ３および大ベル４およ
び小ベル５からなる２ベル式高炉炉頂部半裁模型を用
い、鉱石、コークスの装入物が堆積円筒１内で堆積する
際の偏析機構を定量化するための装入実験を行った。実
験は、図２（ａ）に示すとおり、大ベル４上に鉱石とコ
ークスとの混合物６を装入したのち、図２（ｂ）に示す
とおり、大ベル４を開放して混合物６を堆積円筒１内に
排出した場合（この際用いる混合物６中のコークスを通
常コークスと区別して混合コークスという）と、図３
（ａ）に示すとおり、大ベル４上にコークス７を、小ベ
ル５上に鉱石８を装入したのち、図３（ｂ）に示すとお
り、大ベル４を開放したのち、図３（ｃ）に示すとお
り、大ベル４上にコークス７が残存する間に小ベル５を
開放してコークス７と鉱石８を堆積円筒１内に排出した
場合（この際用いるコークス７を通常コークスと区別し
て別コークスという）について、堆積円筒１内に堆積後
の半径方向の鉱石とコークスの存在比率分布を測定し
た。その結果を図４および図５に示す。
の図１に示す内径１０００ｍｍ、高さ５００ｍｍの円筒
を２段積み重ねた堆積円筒１と、該堆積円筒１上に装入
装置部２としてムーバブルアーマ３および大ベル４およ
び小ベル５からなる２ベル式高炉炉頂部半裁模型を用
い、鉱石、コークスの装入物が堆積円筒１内で堆積する
際の偏析機構を定量化するための装入実験を行った。実
験は、図２（ａ）に示すとおり、大ベル４上に鉱石とコ
ークスとの混合物６を装入したのち、図２（ｂ）に示す
とおり、大ベル４を開放して混合物６を堆積円筒１内に
排出した場合（この際用いる混合物６中のコークスを通
常コークスと区別して混合コークスという）と、図３
（ａ）に示すとおり、大ベル４上にコークス７を、小ベ
ル５上に鉱石８を装入したのち、図３（ｂ）に示すとお
り、大ベル４を開放したのち、図３（ｃ）に示すとお
り、大ベル４上にコークス７が残存する間に小ベル５を
開放してコークス７と鉱石８を堆積円筒１内に排出した
場合（この際用いるコークス７を通常コークスと区別し
て別コークスという）について、堆積円筒１内に堆積後
の半径方向の鉱石とコークスの存在比率分布を測定し
た。その結果を図４および図５に示す。
【００１３】図４、図５に示すとおり、大ベル４上に鉱
石とコークスとの混合物６を装入したのち、大ベル４を
開放して混合物６を堆積円筒１内に排出したＡの場合
は、炉壁近傍（無次元半径０．６〜１．０）でのコーク
ス居残りが大きく、相対Ｏ／Ｃが低くなっている。これ
に対し、大ベル４上にコークス７を、小ベル５上に鉱石
８を装入し、大ベル４を開放したのち、大ベル４上にコ
ークス７が残存する間に小ベル５を開放してコークス７
と鉱石８を堆積円筒１内に排出したＢの場合は、炉壁近
傍（無次元半径０．６〜１．０）でのコークス居残りが
減少し、相対Ｏ／Ｃの低下が改善され、堆積円筒１内で
堆積後の半径方向の鉱石とコークスの偏析効果が顕著と
なっている。
石とコークスとの混合物６を装入したのち、大ベル４を
開放して混合物６を堆積円筒１内に排出したＡの場合
は、炉壁近傍（無次元半径０．６〜１．０）でのコーク
ス居残りが大きく、相対Ｏ／Ｃが低くなっている。これ
に対し、大ベル４上にコークス７を、小ベル５上に鉱石
８を装入し、大ベル４を開放したのち、大ベル４上にコ
ークス７が残存する間に小ベル５を開放してコークス７
と鉱石８を堆積円筒１内に排出したＢの場合は、炉壁近
傍（無次元半径０．６〜１．０）でのコークス居残りが
減少し、相対Ｏ／Ｃの低下が改善され、堆積円筒１内で
堆積後の半径方向の鉱石とコークスの偏析効果が顕著と
なっている。
【００１４】実施例２ 内容積２７００ｍ3の実操業中の２ベル式高炉を用い、
表１に示す試験条件で、鉱石とコークスとを交互に装入
した場合（ケース１）、鉱石と全装入コークスの一部で
ある混合コークスとの混合物と残部コークスとを交互に
装入した場合（ケース２）、大ベル上に別コークスが、
小ベル上に鉱石がある状態で、大ベルを開放したのち、
大ベル上に別コークスが残存する間に小ベルを開放して
鉱石と全装入コークスの一部である別コークスとの混合
物の装入と、残部コークスの装入を交互に行った場合
（ケース３）のそれぞれについて、炉内状況、すなわ
ち、送風圧、スリップ回数、炉壁近傍ガス抜け回数、溶
銑中Ｓｉ濃度の変化、溶銑温度の変化を測定した。その
結果を表２に示す。また、各ケースについて、炉頂部で
半径方向の温度分布とＣＯガス利用率分布を測定した。
その結果を図６および図７に示す。なお、ケース１の場
合の１チャージ当たりのコークス装入量は、表１中の１
チャージ当たりのコークス装入量に１．４３Ｔｏｎのを
加えた量である。また、ケース２およびケース３におい
ては、１チャージ当たりの鉱石装入量に対して、１チャ
ージ当たりの装入コークスの１０％、すなわち１．４３
Ｔｏｎの混合コークスあるいは別コークスを装入した。
表１に示す試験条件で、鉱石とコークスとを交互に装入
した場合（ケース１）、鉱石と全装入コークスの一部で
ある混合コークスとの混合物と残部コークスとを交互に
装入した場合（ケース２）、大ベル上に別コークスが、
小ベル上に鉱石がある状態で、大ベルを開放したのち、
大ベル上に別コークスが残存する間に小ベルを開放して
鉱石と全装入コークスの一部である別コークスとの混合
物の装入と、残部コークスの装入を交互に行った場合
（ケース３）のそれぞれについて、炉内状況、すなわ
ち、送風圧、スリップ回数、炉壁近傍ガス抜け回数、溶
銑中Ｓｉ濃度の変化、溶銑温度の変化を測定した。その
結果を表２に示す。また、各ケースについて、炉頂部で
半径方向の温度分布とＣＯガス利用率分布を測定した。
その結果を図６および図７に示す。なお、ケース１の場
合の１チャージ当たりのコークス装入量は、表１中の１
チャージ当たりのコークス装入量に１．４３Ｔｏｎのを
加えた量である。また、ケース２およびケース３におい
ては、１チャージ当たりの鉱石装入量に対して、１チャ
ージ当たりの装入コークスの１０％、すなわち１．４３
Ｔｏｎの混合コークスあるいは別コークスを装入した。
【００１５】
【表１】
【００１６】
【表２】
【００１７】表２に示すとおり、鉱石と全装入コークス
の一部である混合コークスとの混合物と残部コークスと
を交互に装入したケース２は、鉱石とコークスとを交互
に装入したケース１に比較し、炉中心部の温度上昇とＣ
Ｏガス利用率の低下が認められたが、炉中心部の鉱石偏
析によるものと推察できる溶銑中Ｓｉ濃度、溶銑温度の
変動が見られ、また、炉壁近傍へのコークス居残りによ
る相対Ｏ／Ｃの低下による局所的炉壁近傍ガス抜け発生
により、安定した高炉操業の維持が困難であった。それ
に比較して大ベル上に別コークスが、小ベル上に鉱石が
ある状態で、大ベルを開放したのち、大ベル上に別コー
クスが残存する間に小ベルを開放して鉱石と全装入コー
クスの一部である別コークスとの混合物の装入と、残部
コークスの装入を交互に行ったケース３は、スリップ回
数および局所的炉壁近傍ガス抜け発生が減少し、溶銑中
Ｓｉ濃度、溶銑温度の変動が低下した。これは、図６と
図７に示される高炉中心部の温度上昇、ＣＯガス利用率
の低下による高炉中心部のガス流れの安定化と炉心コー
クスの活性化、およびコークスの炉壁近傍での居残り抑
制による炉壁ガス流の安定化（炉壁近傍ガス抜け減少）
によるものと推定できる。すなわち、別コークスは、偏
析効果によって高炉中心部に偏在し、反応による中心部
近傍のコークス劣化が低減され、通気性、通液性の良好
な炉心コークスが形成され、安定な炉中心部のガス流れ
と送風圧の低下、ならびに溶銑中Ｓｉ濃度と溶銑温度の
変動が減少すると共に、コークスの炉壁近傍での居残り
抑制による炉壁ガス流の安定化（炉壁近傍ガス抜け減
少）が図られ、安定した高炉操業を維持することができ
た。
の一部である混合コークスとの混合物と残部コークスと
を交互に装入したケース２は、鉱石とコークスとを交互
に装入したケース１に比較し、炉中心部の温度上昇とＣ
Ｏガス利用率の低下が認められたが、炉中心部の鉱石偏
析によるものと推察できる溶銑中Ｓｉ濃度、溶銑温度の
変動が見られ、また、炉壁近傍へのコークス居残りによ
る相対Ｏ／Ｃの低下による局所的炉壁近傍ガス抜け発生
により、安定した高炉操業の維持が困難であった。それ
に比較して大ベル上に別コークスが、小ベル上に鉱石が
ある状態で、大ベルを開放したのち、大ベル上に別コー
クスが残存する間に小ベルを開放して鉱石と全装入コー
クスの一部である別コークスとの混合物の装入と、残部
コークスの装入を交互に行ったケース３は、スリップ回
数および局所的炉壁近傍ガス抜け発生が減少し、溶銑中
Ｓｉ濃度、溶銑温度の変動が低下した。これは、図６と
図７に示される高炉中心部の温度上昇、ＣＯガス利用率
の低下による高炉中心部のガス流れの安定化と炉心コー
クスの活性化、およびコークスの炉壁近傍での居残り抑
制による炉壁ガス流の安定化（炉壁近傍ガス抜け減少）
によるものと推定できる。すなわち、別コークスは、偏
析効果によって高炉中心部に偏在し、反応による中心部
近傍のコークス劣化が低減され、通気性、通液性の良好
な炉心コークスが形成され、安定な炉中心部のガス流れ
と送風圧の低下、ならびに溶銑中Ｓｉ濃度と溶銑温度の
変動が減少すると共に、コークスの炉壁近傍での居残り
抑制による炉壁ガス流の安定化（炉壁近傍ガス抜け減
少）が図られ、安定した高炉操業を維持することができ
た。
【００１８】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、装入装置を新たに設けることなく、鉱石装入時に大
ベル上にコークスを、小ベル上に鉱石がある状態で大ベ
ルを開放したのち、大ベル上にコークスが残存する間に
小ベルを開放して鉱石と全装入コークスの一部とを装入
することによって、炉内堆積後の中心部のコークス存在
率が高位に保持でき、炉中心部のコークス反応劣化量が
低減し、炉心の通気性、通液性が確保されて中心ガス流
が安定強化され、従来の鉱石と全装入コークスの一部と
の混合物装入の際に見られた炉壁近傍でのコークス居残
りが抑制され、炉壁ガス流の安定化により炉況を安定維
持することができる。
ば、装入装置を新たに設けることなく、鉱石装入時に大
ベル上にコークスを、小ベル上に鉱石がある状態で大ベ
ルを開放したのち、大ベル上にコークスが残存する間に
小ベルを開放して鉱石と全装入コークスの一部とを装入
することによって、炉内堆積後の中心部のコークス存在
率が高位に保持でき、炉中心部のコークス反応劣化量が
低減し、炉心の通気性、通液性が確保されて中心ガス流
が安定強化され、従来の鉱石と全装入コークスの一部と
の混合物装入の際に見られた炉壁近傍でのコークス居残
りが抑制され、炉壁ガス流の安定化により炉況を安定維
持することができる。
【図１】実施例１の粒子の偏析試験に用いた２ベル式実
高炉の１／７スケールの実験装置の断面説明図である。
高炉の１／７スケールの実験装置の断面説明図である。
【図２】大ベル上から鉱石とコークスとの混合物を排出
する場合の説明図で、（ａ）図は鉱石とコークスとの混
合物を大ベル上に装入した状態図、（ｂ）図は大ベルを
開放して鉱石とコークスとの混合物を排出している状態
図である。
する場合の説明図で、（ａ）図は鉱石とコークスとの混
合物を大ベル上に装入した状態図、（ｂ）図は大ベルを
開放して鉱石とコークスとの混合物を排出している状態
図である。
【図３】大ベル上にコークス、小ベル上に鉱石がある状
態において、大ベルを開放したのち、大ベル上にコーク
スが残存している間に小ベルを開放し、鉱石と全装入コ
ークスの一部とを排出する場合の説明図で、（ａ）図は
大ベル上にコークス、小ベル上に鉱石がある状態図、
（ｂ）図は大ベルを開放した状態図、（ｃ）図は大ベル
を開放したのち、大ベル上にコークスが残存している間
に小ベルを開放した状態図である。
態において、大ベルを開放したのち、大ベル上にコーク
スが残存している間に小ベルを開放し、鉱石と全装入コ
ークスの一部とを排出する場合の説明図で、（ａ）図は
大ベル上にコークス、小ベル上に鉱石がある状態図、
（ｂ）図は大ベルを開放した状態図、（ｃ）図は大ベル
を開放したのち、大ベル上にコークスが残存している間
に小ベルを開放した状態図である。
【図４】実施例１の実験による装入後のコークスと鉱石
の混合状況の一例を示す説明図である。
の混合状況の一例を示す説明図である。
【図５】実施例１の実験による装入後の半径方向の相対
Ｏ／Ｃ分布を示すグラフである。
Ｏ／Ｃ分布を示すグラフである。
【図６】実施例２における実高炉の半径方向の温度分布
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図７】実施例２における実高炉の半径方向のＣＯガス
利用率分布を示すグラフである。
利用率分布を示すグラフである。
１ 堆積円筒 ２ 装入装置部 ３ ムーバブルアーマ ４ 大ベル ５ 小ベル ６ 混合物 ７ コークス ８ 鉱石
Claims (1)
- 【請求項１】 鉱石とコークスとを少なくとも大ベルと
小ベルを有するベル式高炉に交互に装入する方法におい
て、鉱石と全装入コークスの一部とを、大ベル上にコー
クスが、小ベル上に鉱石がある状態で大ベルを開放した
のち、大ベル上にコークスが残存する間に小ベルを開放
して装入することを特徴とする高炉への原料装入方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14545394A JP2853577B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 高炉への原料装入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14545394A JP2853577B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 高炉への原料装入方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07331311A JPH07331311A (ja) | 1995-12-19 |
| JP2853577B2 true JP2853577B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=15385584
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14545394A Expired - Lifetime JP2853577B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 高炉への原料装入方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2853577B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6206368B2 (ja) * | 2014-09-24 | 2017-10-04 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 高炉内状態推定装置および高炉内状態推定方法 |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP14545394A patent/JP2853577B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07331311A (ja) | 1995-12-19 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2853577B2 (ja) | 高炉への原料装入方法 | |
| JPH08134516A (ja) | 高炉操業方法 | |
| US11680748B2 (en) | Method for charging raw materials into blast furnace | |
| JP3039354B2 (ja) | 高炉の操業方法 | |
| JP2792382B2 (ja) | 高炉の操業方法 | |
| JPH08239705A (ja) | 高炉付着物生成の抑制方法 | |
| JP2782786B2 (ja) | ベルレス高炉の原料装入装置及び装入方法 | |
| JP2797917B2 (ja) | 高炉の操業方法 | |
| JPH08120311A (ja) | 高炉の原料装入方法 | |
| US20240052439A1 (en) | Method for charging raw materials into blast furnace | |
| EP3751010B1 (en) | Method for charging raw materials into blast furnace | |
| JP5012576B2 (ja) | ベル式高炉の原料装入方法 | |
| RU2722846C1 (ru) | Способ загрузки доменной печи | |
| JP7180045B2 (ja) | Ｚｎを含有した金属鉄を含んだ原料の使用方法 | |
| JP6558519B1 (ja) | 高炉の原料装入方法 | |
| JP2921392B2 (ja) | 高炉の操業方法 | |
| JPS63317605A (ja) | 高炉内への原料装入方法 | |
| JP3284908B2 (ja) | 高炉操業方法 | |
| JPH07278634A (ja) | スクラップ溶融炉の操業方法 | |
| JPH11229008A (ja) | 高炉用原料の装入方法 | |
| JP2600803B2 (ja) | 高炉原料装入方法 | |
| KR20000074539A (ko) | 고로내의 중심가스류 확보를 위한 장입물분포 제어방법 | |
| KR101510546B1 (ko) | 고로 장입물 장입방법 | |
| JP2001271104A (ja) | 高炉への原料の装入方法 | |
| JPH02259005A (ja) | 高炉における原料装入方法 |