JP2792382B2 - 高炉の操業方法 - Google Patents

高炉の操業方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は高炉の操業方法に係わ
り、特に、操業中、炉下部を健全な状態に維持すること
により、高炉の安定操業を確保するための炉頂部におけ
る原料の半径方向分布を制御する高炉操業方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高炉操業においては、鉄源原料を円滑に
還元・溶解し、課せられた量の銑鉄を安定に製造するこ
とが基本使命である。
【0003】ところで、高炉内部は、鉄源原料が昇温に
より軟化溶解する領域(以下「融着帯」と称す)を境に
してそれより上部と下部(以下、それぞれ「炉上部」、
「炉下部」と記す)とではその状態が大きく異なってい
る。すなわち、炉上部においては、鉄源原料はコークス
とともに固体状態で存在し、下方に降下しつつその空隙
を通って上昇してくるガスによって還元・昇温される。
一方、炉下部においては、鉄源原料の還元・溶解によっ
て生成した溶銑滓は、コークス充填層内の空隙を通って
下方に滴下し、羽口から吹き込まれたガスは、コークス
充填層内の空隙を通って炉中心方向に広がりつつ上昇し
ている。炉下部コークスは、その大部分が羽口部燃焼帯
に向かって移動し消失するが、その一部は物流の極めて
緩慢な炉中心部に滞留していわゆる「炉芯コークス」と
なる。この炉芯コークスは、高炉内の物流の場において
「死領域(dead zone)」に相当する部分であり、燃焼に
よる熱の供給や還元ガスの生成には関係しないので、銑
鉄の生成過程に直接寄与するものではないが、高炉の安
定操業には重要な意味をもっている。
【0004】すなわち、炉芯コークスは、羽口から炉内
を見たとき羽口前方の燃焼帯(以下「レースウェイ」と
称す)の奥に存在することから、炉芯コークスの通気性
が悪化すればレースウェイで発生したガスの流路が狭ま
り、送風圧力が上昇する。このことは、炉下部のコーク
スの降下不順や、甚だしい場合は吹き抜けを引き起こ
し、安定操業の阻害要因になる。このため、多くの高炉
においては、休風時にコークスサンプリングを行って炉
芯コークスの状態を定期的に監視することが行われてい
る。
【0005】コークスサンプリングの分析で検出される
コークス温度は、炉芯コークスの状態を評価するもっと
も重要な指標であり、これが低下すると炉況不調につな
がることが経験的に知られている。すなわち、炉芯コー
クスの温度がほぼ1400℃以上に保たれていれば、融着帯
から滴下してきた溶銑滓は、炉芯コークスの中を通過で
きるが、温度がこれより著しく低下すると、溶銑滓は、
その流動性が悪化して炉芯コークスの空隙に滞留するの
で、炉芯コークスの通気性が阻害される。このような炉
芯コークス温度の低下要因としては次のようなことが考
えられる。
【0006】 装入コークスの強度低下による粉化や
レースウェイでの粉化で発生した粉が炉芯コークスの周
辺部に蓄積してガスから炉芯コークスへの熱供給が阻害
される。
【0007】 スリップなどにより低温の未還元物が
炉芯コークス内に浸入したり、吸熱反応である直接還元
量が急上昇したりして炉下部を滴下する溶銑滓の温度が
低下する。
【0008】上述のように、高炉操業において炉芯コー
クス温度は重要な管理項目となっており、従来から炉芯
コークス温度の低下を抑止するため種々の方法がとられ
ている。
【0009】例えば、CO2 ガスとの反応によるコークス
強度の劣化を抑止して粉発生量を減らしたり、羽口前温
度や羽口風速を適正値に制御してレースウェイでの粉発
生量を減らすこと等により、炉芯コークスの通気性を確
保してガスとの熱交換を促進する方法がとられている。
【0010】特公昭64−9373号公報の発明では、炉芯に
流入するコークスが主に層頂 (炉内の装入物の最上部の
層) の炉中心軸近傍に装入されたコークスであることに
注目して、炉中心部にコークスを装入できる専用の装入
ルートを設けて、炉中心部へのコークス堆積量を増やし
て同部の「鉄源/コークス」重量比(以下「O/C比」
と記す)を下げることにより炉芯コークスの空隙率を確
保して、いわゆる中心流を強める方法がとられている。
また、特開昭61−227109号公報では、コークスのみなら
ず鉱石をも専用の装入ルートから炉中心部に供給し炉中
心部のO/C比と堆積物の粒度とを自在に調整する発明
が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】炉中心部の通気性を上
げて、炉芯コークスの温度を高く保つのに、前記特開昭
61−227109号公報に開示される方法等、従来から知られ
る方法はそれぞれ効果がある。しかし、一旦、炉芯コー
クスの温度が低下した場合、炉芯コークスの動きは極め
て緩慢であることから、上述した従来の方法では、炉芯
コークスの望ましい状態を回復するにはかなりの時間が
必要であり、その間、高炉の不安定な操業を余儀なくさ
れる。
【0012】本発明の目的は、上記の問題を解決し、低
下した炉芯コークス温度を速やかに上昇させて、短時間
のうちに炉況を回復させることができる高炉の操業方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、「高炉
に装入する鉄源原料の一部に替えて用いる鉄系スクラッ
プまたは/および還元鉄を残りの鉄源原料の装入に先立
って炉の中心部に装入すること、および、装入すべきコ
ークスの一部を、残りのコークスの装入の前、もしくは
後に炉の中心部に装入すること、または、鉄源原料を複
数回に分けて装入する場合にはその複数回の装入の中間
炉の中心部に装入することを特徴とする高炉の操業方
法」にある。
【0014】通常、高炉操業では、炉頂部に設けたベル
式装入装置またはベルレス式装入装置を用いてコークス
と鉄源原料を交互に装入し、炉内に層状に堆積させる。
鉄源原料としては、鉄鉱石および焼結鉱 (以下、これら
を「一般鉄源」という) が主体であるが、本発明方法で
は、その一部として鉄系スクラップまたは/および還元
鉄 (以下、これらを「スクラップ等」と記す) を使用す
る。そして、このスクラップ等を炉の中心部に重点的に
装入するのである。
【0015】スクラップ等は、一般鉄源の装入に先立っ
て、例えば一般鉄源の装入ルートとは異なる装入ルート
から炉中心部に装入する。鉄源原料の1チャージ分を複
数回、例えば2回に分けて装入することもあるが、その
場合は、スクラップ等の装入を初回の装入の前に行うの
がよい。
【0016】本発明方法では、炉中心部へのスクラップ
等の装入に加えて、炉中心部のO/Cを小さくする対策
を併用する。これは、炉の中心部のコークス層の厚みを
厚くすることによって実施できる。具体的には、コーク
スの1チャージ分の一部を、残りの分に先立って、また
は後から、炉の中心部に装入する。一般鉄源の1チャー
ジ分を複数回にわけて装入する場合には、その中間で炉
中心部へのコークスの装入を行ってもよい。この装入も
通常の装入装置とは別ルートの装入装置を用いるのが望
ましい。
【0017】
【作用】炉芯コークスへの熱供給は、レースウェイにお
けるコークスの燃焼で発生した高温ガスとの熱交換や滴
下する溶銑滓との熱交換によりなされていると考えられ
る。そこで、これらの熱供給要因のどちらがより有効に
炉芯コークスの昇温に作用するかを調べるため、高炉の
縮小模型を用いて実験的検討を行った。
【0018】図1に、炉芯コークスの昇温におよぼす熱
供給要因の影響度を検討する模型実験装置の概略断面図
を示す。この実験装置は、羽口より上部の高炉炉内を模
したもので、炉頂から装入物ホッパー8、ベル1および
ムーバブルアーマー2を介してコークスと擬似鉱石 (通
常「金属石鹸」と呼ばれるもの) を装入し、羽口下の切
り出し口から排出装置4を用いて装入物を排出物溜め6
に排出する。このようにして装入物を順次降下させる。
7は排ガス用配管である。
【0019】一方、羽口3から温風を吹き込んで装入物
を加熱し、擬似鉱石は降下の途中で溶解し液体となって
装置底部に滴下するようになっており、反応を除く高炉
炉内の基本現象をシミュレートできるようになってい
る。また、炉内には多数の熱電対測温点5が設けられて
おり炉内温度の動きがわかるようになっている。
【0020】実験は表1に示す条件で行い、まず、炉内
をコークスで充填し、送風を開始した。そして羽口下か
らコークスを排出する一方、炉頂からコークスだけを装
入し、一定時間この装入・排出を継続した後、炉頂から
の装入をコークスと擬似鉱石との交互装入に切り替え、
さらにこの状態で実験を続け、羽口レベルの炉中心部、
すなわち炉芯コークスの温度の推移を調査した。
【0021】
【表1】
【0022】図2は、炉芯コークスの昇温におよぼす熱
供給要因の影響度を示す図である。
【0023】図中左半分は、コークス単独装入の時期
で、炉芯コークスの昇温は羽口からのガスとの熱交換だ
けで行われている。これに対し図中右半分は、コークス
と擬似鉱石との交互装入の時期に対応し、ここでは羽口
からのガスとの熱交換および溶解し滴下する擬似鉱石と
の熱交換によって炉芯コークスは加熱されている。
【0024】図示のように、装入された擬似鉱石が溶解
を開始した時点から炉芯コークスの昇温速度は急激に上
昇しており、滴下する擬似鉱石の熱により炉芯コークス
の加熱が促進されることが明らかである。即ち、炉芯コ
ークスの昇温には滴下溶銑との熱交換の促進が有効であ
り、高温の溶銑を多量に炉芯部に滴下させることによ
り、速やかに炉芯コークスを加熱することができるので
ある。
【0025】本発明は、上述の模型実験で得られた知見
を基にしてなされたものである。以下、実高炉において
本発明方法を実施する態様を説明する。
【0026】実高炉において上述の効果を出すために
は、層状に装入された原料の炉中心部にある程度の量の
鉄源原料を堆積させこれを溶解・滴下させる必要があ
る。しかし、通常、鉄源原料中のFeは酸化鉄の形で含有
されており、これを還元しかつ溶解するためには多量の
熱が必要となり、高温の溶銑をつくるのは困難である。
さらに、還元により生成する CO2ガスおよび H2Oガスと
の反応によりコークスは劣化するので、炉芯部に到達し
たときの強度が低下する。即ち、炉中心部に堆積させる
鉄源原料が酸化鉄を主体とする鉄鉱石や焼結鉱である場
合は、かえって炉芯コークスの通気性を悪化させること
になる。
【0027】本発明方法では、炉中心部に装入する鉄源
原料として、既に還元されたもの、すなわち鉄系スクラ
ップまたは予備還元を施した還元鉄を用いる。そうすれ
ば、還元に熱を奪われることなく、還元所要熱を溶銑の
加熱に回せるので、溶銑の温度を高めることができる。
また、 CO2、H2O ガスとの反応によるコークスの劣化も
生じないので、炉芯に供給されるコークスの強度を高め
に維持できる。
【0028】さらに、炉中心部に装入するスクラップ等
の粒度をコークスの粒度と同等またはそれ以上にすれ
ば、炉中心部を通過するガス量が増し、炉中心部で生成
する溶銑の温度を一層速やかに上昇させることができ
る。
【0029】炉中心部に装入するスクラップ等の量は、
実用上鉄源原料全部に対し、生成銑鉄量に換算して2〜
10%程度とするのがよい。その理由は次のとおりであ
る。即ち、前述のコークスサンプリングによる計測か
ら、特に炉の中心軸から無次元数(実際の距離を炉の内
径で割って無次元化した量) にして概ね 0.3より内側
(炉中心側) の領域のコークス温度が炉芯状態評価の重
要な指標になること、および同領域での着熱が容易でな
いことが経験的に知られている。そして、炉内断面積に
対する同部の面積比から、炉中心部に装入するスクラッ
プ等の上限量の目安として約10%が得られる。一方、ス
クラップ等の量が約2%よりも少ないと、本発明の目的
である速やかな炉芯コークス温度の上昇が実現できな
い。
【0030】なお、炉中心部へのスクラップ等の装入を
一般鉄源の装入に先立って行うのは、炉中心部の鉄源を
できるだけスクラップ等だけにするためである。一般鉄
源を先に装入すると、これが炉中心部を含めて全体に層
状に堆積し、その上にスクラップ等が堆積することにな
り、中心部のスクラップ等の比率が低下するだけでな
く、O/C比も高くなってしまう。
【0031】本発明方法においては、炉中心部にコーク
スを多めに装入して炉中心部のO/C比を下げる技術を
併用する。即ち、コークスの1チャージ分の一部 (その
量は5〜16%程度が望ましい) を、炉中心部に装入する
ことにより、炉中心部のO/C比を精度良く制御するこ
とができ、炉芯の通気性を高めて炉中心部の溶銑滴下量
およびその温度を的確に制御することができる。
【0032】上述のように、本発明方法によれば、操業
中に炉芯コークスの温度が下がっても、これを速やかに
昇温させることができ、迅速に炉況を回復させて安定操
業を維持することできる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例で
は、炉容 2700m3 でベル式装入装置を備えた高炉を用い
た。
【0034】図3は、その高炉の上部の装入装置を説明
する断面図である。図示のように、通常のベル式装入装
置の外に、炉中心部に装入を行うための別ルートの装入
装置14が設けられている。原料は、バケットコンベアー
15で上部ホッパー16に一旦貯蔵され、下部ホッパー19内
の排圧が完了した後、上部シール弁18、続いて上部ゲー
ト17を開操作して下部ホッパー19に移される。次に、上
部ゲート17、上部シール弁18を閉操作した後、下部ホッ
パー19内を炉内圧に均圧して炉内装入準備が完了する。
【0035】炉中心部への装入タイミングが来たところ
で下部シール弁21、続いて下部ゲート20を開操作して原
料を装入シュート23を介して炉中心部に落下させ、24の
ように堆積させる。25は通常の装入ルートから装入され
た原料で、図示のように中央部が窪んだ層状に堆積させ
るのが普通である。
【0036】表2に実施例の主な操業諸元を示す。ここ
で原料装入は次のように実施した。
【0037】(a) コークスの装入 1チャージ分 (16トン) の中、14トンを2等分し、2回
に分けて通常ルートで炉頂から装入し、残り2トンを別
ルート装入装置14から炉中心部へ装入。
【0038】(b) 鉄源原料の装入 一般鉄源 (鉄鉱石および焼結鉱) の1チャージ分 (63ト
ン) を2等分して、2回に分けて通常ルートで炉頂から
装入し、スクラップ等 (その量は表3に示すように変化
させた) を別ルート装入装置14から炉中心部へ装入。
【0039】(c) 装入の順序 1. コークス(1回目) 2. コークス(2回目) 3. 別ルートからのスクラップ等の中心装入 4. 一般鉄源(1回目) 5. 別ルートからのコークスの中心装入 6. 一般鉄源(2回目) とし、これを1サイクルとして繰り返した。
【0040】表3に別ルート装入装置14からの原料装入
条件を示す。別ルートからの中心装入原料に鉄系スクラ
ップを用いた場合は、装入量および粒径を変化させ、還
元鉄を用いた場合は、その還元率を変化させて操業を行
った。
【0041】実施例の操業は、本発明を適用しない通常
装入操業(比較例)の間にはさんで実施し、各操業期間
を約3週間とした。そして、各操業期間終了後の休風時
に羽口からコークスのサンプリングを行った。
【0042】操業中における炉芯コークスの粉化状態お
よび昇温状態を評価するため、羽口レベルの炉中心近傍
で採取された炉芯コークスの平均粒径と黒鉛化度の測定
データから推定される炉芯コークスの履歴温度(最高到
達温度)を調査した。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】図4は実施例と比較例の炉芯コークスの粉
化、昇温状態を対比して示す図で、(a)図は炉芯コー
クス平均粒径、(b)図は炉芯コークス履歴温度を示
す。
【0046】図示のように、実施例では、いずれも炉芯
コークスの平均粒径および履歴温度が通常装入を行った
比較例より高くなっており、炉芯コークスの通気性の改
善と炉芯コークス温度の上昇が見られる。これは、炉中
心部に鉄系スクラップまたは還元鉄が堆積されているた
め還元熱が少なくてすみ、その分高温の溶銑が生成し、
滴下中に炉芯コークスとの熱交換が促進されたからであ
る。また、鉄酸化物の還元時に生成する CO2、H2O との
反応によるコークス劣化がないので炉芯コークスの粉化
が抑制され、炉芯コークスの通気性が改善されて、レー
スウェイ発生ガスとの熱交換が促進されていると考えら
れる。このため、実施例では比較例より高い炉芯コーク
ス温度が維持され、安定操業が行われた。
【0047】別ルート装入装置から炉中心部に鉄系スク
ラップを装入した実施例1、2、3を比較すると、装入
量が少ない実施例2では、炉芯コークスの昇温におよぼ
す効果が実施例1より弱まり、粒径を粗くした実施例3
では、炉中心部のガス流量が増加してガスによる熱交換
が促進されるので溶銑の昇温がさらに進み、炉芯コーク
スの昇温におよぼす効果が実施例1より高まっている。
【0048】一方、還元鉄を炉中心部に装入した実施例
4、5では、還元鉄の還元率が低い実施例5が、実施例
4より炉芯コークスの粉化の程度は高まり、炉芯コーク
スの昇温におよぼす効果が弱まっている。
【0049】
【発明の効果】本発明方法によれば、炉芯コークスと高
温溶銑及びレースウェイ発生ガスとの熱交換を促進する
ことができ、操業中の炉芯コークス温度を高めに維持で
きる。
【0050】また、炉芯コークスの冷え込みが発生した
時にも炉芯コークスの昇温が速やかに行われ、炉況をす
ばやく正常に回復させることができる。したがって高炉
の安定操業維持が容易になり、大きな経済的効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炉芯コークスの昇温におよぼす熱供給要因の影
響度を検討する模型実験装置の概略断面図である。
【図2】炉芯コークスの昇温におよぼす熱供給要因の影
響度を示す図である。
【図3】本発明の実施に用いた炉中心部への別ルート装
入装置を有する高炉上部の概略断面図である。
【図4】実施例と比較例の炉芯コークスの粉化・昇温状
態を対比して示す図で、(a)図は炉芯コークス平均粒
径、(b)図は炉芯コークス履歴温度を示す図である。
【符号の説明】
1:ベル、 2:ムーバブルアーマ、3:羽
口、4:装入物排出装置、 5:熱電対測温点、
6:排出物溜め、7:排ガス配管、 8:装入物ホ
ッパー、9:ベル式装入装置、 10:小ベル、
11:大ベル、12:ムーバブルアーマ、13:高炉炉内、
14:別ルート装入装置、15:バケットコンベア
ー、16:上部ホッパー、 17:上部ゲート、18:上部シ
ール弁、 19:下部ホッパー、 20:下部ゲート、
21:下部シール弁、 22:均圧管、 23:装
入シュート、24:別ルート装入原料 25:通常ルート装
入原料。
フロントページの続き (72)発明者 上城 親司 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−256819(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21B 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉に装入する鉄源原料の一部に替えて用
    いる鉄系スクラップまたは/および還元鉄を残りの鉄源
    原料の装入に先立って炉の中心部に装入すること、およ
    び、装入すべきコークスの一部を、残りのコークスの装
    入の前、もしくは後に炉の中心部に装入すること、また
    は、鉄源原料を複数回に分けて装入する場合にはその複
    数回の装入の中間で炉の中心部に装入することを特徴と
    する高炉の操業方法。
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