JP2010014318A - 竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 - Google Patents
竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】操業中に原燃料条件と送風条件を変更する際に、該操業条件の変更を、原燃料条件変更時刻tcと送風条件変更時刻tbが下記(1)式を満足するように実施する。
0.5×a<(tb−tc)<1.3×a …(1)
但し、tb:送風条件変更時刻(hr)、tc:原燃料条件変更時刻(hr)、a=α・V×ρs0.8/B02、ρs:原燃料条件変更時に炉内に存在しているスクラップの炉装入前の平均嵩密度(kg/m3)、V:羽口レベルから上の炉内原燃料充填層の体積(m3)、B02:原燃料条件変更時から送風条件変更時までの平均送風酸素量(Nm3/hr)
【選択図】図2
Description
しかし、単純に操業条件を変更した場合、変更後しばらくは操業状態が不安定で変動しやすく、このため溶銑品質(溶銑成分、溶銑温度)が規格外になったり、原料の棚吊りや吹き抜けなどが生じて操業自体が困難な状況になることもある。
0.5×a<(tb−tc)<1.3×a …(1)
但し、tb:送風条件変更時刻(hr)
tc:原燃料条件変更時刻(hr)
a=α・V×ρs0.8/B02
V:羽口レベルから上の炉内原燃料充填層の体積(m3)
ρs:原燃料条件変更時に炉内に存在しているスクラップの炉装入前の平均嵩密度(kg/m3)
B02:原燃料条件変更時から送風条件変更時までの平均送風酸素量(Nm3/hr)
この溶解炉の大きさ等に本質的な制限はないが、実質的に操業可能若しくは操業上有利なサイズとして、通常は、羽口位置での炉内径が2〜4m程度、炉高が6〜10m程度である。羽口数に制限はないが、通常、4〜12本程度である。
原料である鉄系スクラップとコークスは、炉内に同時に装入してもよいし、交互に装入してもよい。また、主たる炉装入原料は鉄系スクラップとコークスであるが、それ以外に、例えば、銑鉄、還元鉄、ダスト・スラッジ類の塊成化物、鉄鉱石等の鉄源、木炭や無煙炭等の炭材などを装入してもよい。
ここで、操業条件(原燃料条件、送風条件)の変更とこれに伴う炉内状態の変化との関係を考えると、まず、溶解炉内での炉内ガスの滞留時間は1秒程度であり、したがって、送風条件を変えると直ちに炉内に作用し、炉内状態が変化し始める。
一方、燃料であるコークスは、炉頂から装入された後も炉内を降下し、炉内でソリューションロス反応、燃焼、浸炭などで徐々に消費され、おおよそ羽口レベルで消失する。コークスの炉内での滞留時間は、その時々の条件によって変化するが、炉内ガスの滞留時間に比べるとはるかに長く、代表的な例でいうと30分程度、条件によっては1時間ということもある。
以上のように、原燃料条件を変更してからその変更の影響が出るまでには、相当の時間がかかる。
したがって、送風条件と原料条件を同時に変更しても、それぞれの炉内現象への働きかけ方、そのタイミング、影響が持続する時間などが違うことから、操業結果である溶銑品質(温度、成分)が安定するまで長い時間が必要になる。そして、その間に得られる溶銑は温度や成分が変動しやすく、規格外となる場合がある。
0.5×a<(tb−tc)<1.3×a …(1)
但し、tb:送風条件変更時刻(hr)
tc:原燃料条件変更時刻(hr)
a=α・V×ρs0.8/B02 …(2)
V:羽口レベルから上の炉内原燃料充填層の体積(m3)
ρs:原燃料条件変更時に炉内に存在しているスクラップの炉装入前の平均嵩密度(kg/m3)
B02:原燃料条件変更時から送風条件変更時までの平均送風酸素量(Nm3/hr)
上記(1)式が示すとおり、本発明では原燃料条件を送風条件よりも早く変更することを骨子とするものであるが、上記(1)式の意義は、原燃料条件変更から送風条件変更までの時間を特定の範囲に制御し、送風条件変更と原燃料条件変更が炉内現象に働きかけるタイミングをほぼ揃えることにより、操業結果である溶銑品質(温度、成分)を早期に安定化させることにある。
上記(1)式の係数×aは原燃料条件を変更してから実質的に炉内現象に影響するまでの時間である。aは、羽口レベルから上の炉内原燃料充填層の体積Vと、原燃料条件変更時に炉内に存在しているスクラップの炉装入前の平均嵩密度ρsと、原燃料条件変更時から送風条件変更時までの平均送風酸素量B02とから、上記(2)式で求められる。ここで、V、ρs、B02は、以下に述べるように原燃料条件を変更してから実質的に炉内現象に影響するまでの時間を左右する因子である。
・平均送風酸素量B02: 送風(空気または酸素富化した空気)中の酸素はコークスを燃やす。コークスは燃えれば固体としての体積が減少し、同時に装入しているスクラップも炉内を降下させることになる。すなわち、B02を増加させると装入原料の炉内での滞留時間が減少し、原燃料条件を変更してから実質的に炉内現象に影響するまでの時間が短くなる。したがって、B02が大きいほど、原燃料条件変更から送風条件変更までの時間を短くすることが求められる。
スクラップの嵩密度は、適当な容器(例えば、数百L以上の容量の容器)にスクラップを入れるなどして、事前に測定しておくことができる。例えば、シュレッダーをかけたスクラップ(最大長0.5m)の嵩密度は、以下のように測定できる。まず、直径2m、高さ2.5mの容器の質量を測定する。次に、リフマグにてスクラップを装入、目視にて装入高さを測定し、これによりスクラップの容積を算出する。また、スクラップの入った容器の質量を測定し、先に測定した容器重量を差し引くことにより、スクラップの質量を測定する。その結果、スクラップの質量とスクラップの体積から嵩密度を算出できる。なお、スクラップを装入する際のリフマグの位置は、一例として容器上面から約2mの位置である。なお、H2の嵩密度は0.6t/m3程度であり、これをシュレッダーにかけると0.8t/m3程度になる。
また、上記(1)式の左辺、右辺の係数0.5および1.3は試験により求めたものであり、この範囲であれば、溶銑品質の変動が大きな問題にならない程度に収まる。
以上のような本発明条件に従い操業を行うことにより、操業中に原燃料条件と送風条件を変更した際の操業変動を最小限に抑えることができ、このため目標とする溶銑品質(溶銑温度、溶銑成分)を維持することができ、操業トラブル(棚吊り、吹き抜けなど)の発生も防止することができる。
なお、原燃料条件と送風条件の変更幅は、例えば、過去の操業結果などに基づいて原燃料条件と送風条件との関係(例えば、「コークス比を6kg/溶銑ton低減させる場合、送風温度を100℃上昇させれば、溶銑品質はほぼ一定に保たれる」)を予め求めておき、この関係に従って決めればよい。
この操業試験では、原燃料条件(コークス比)変更後に送風条件(送風温度)変更を行うか若しくは両条件の変更を同時に行った。原燃料条件(コークス比)変更時刻tcから送風条件(送風温度)変更時刻tbまで時間(tb−tc)を、(1)式のa、0.5×a、1.3×aの値とともに表2に示す。また、操業条件変更前の出銑温度および溶銑C濃度、操業条件変更後2時間以内の出銑温度および溶銑C濃度を表2に併せて示す。なお、上記(2)式は係数α=0.39としてaを求めた。
2 原料装入部
3 羽口
4 熱風管
5 排気ダクト
6 集塵装置
Claims (1)
- 竪型スクラップ溶解炉において、炉頂部から鉄系スクラップとコークスを装入し、炉下部に設けられた複数の羽口から熱風を吹き込み、コークスの燃焼熱で鉄系スクラップを溶解することにより溶銑を製造する方法であって、
操業中に原燃料条件と送風条件を変更する際に、該原燃料条件と送風条件の変更を、原燃料条件変更時刻tcと送風条件変更時刻tbが下記(1)式を満足するように実施することを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
0.5×a<(tb−tc)<1.3×a …(1)
但し、tb:送風条件変更時刻(hr)
tc:原燃料条件変更時刻(hr)
a=α・V×ρs0.8/B02
V:羽口レベルから上の炉内原燃料充填層の体積(m3)
ρs:原燃料条件変更時に炉内に存在しているスクラップの炉装入前の平均嵩密度(kg/m3)
B02:原燃料条件変更時から送風条件変更時までの平均送風酸素量(Nm3/hr)
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JP2011068987A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-04-07 | Jfe Steel Corp | 竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 |
CN102692124A (zh) * | 2012-05-24 | 2012-09-26 | 北京首钢自动化信息技术有限公司 | 一种提高套筒窑温度均匀性的自动控制方法 |
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JPH02243708A (ja) * | 1989-03-17 | 1990-09-27 | Nkk Corp | 高炉炉内装入物の分布制御方法 |
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2008
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