JPH09241712A - 高炉操業における安定化操業方法 - Google Patents
高炉操業における安定化操業方法Info
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- JPH09241712A JPH09241712A JP8096196A JP8096196A JPH09241712A JP H09241712 A JPH09241712 A JP H09241712A JP 8096196 A JP8096196 A JP 8096196A JP 8096196 A JP8096196 A JP 8096196A JP H09241712 A JPH09241712 A JP H09241712A
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- furnace
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高炉操業におけるスリップ,吹抜けの発生を
的確に予知し、更にはその発生を的確に防止できる“予
知後の適正な送風流量低減量”を決定して高炉操業の安
定性をより向上し得る手段を確立する。 【構成】 “高炉にチャ−ジ装入された鉱石質量とコ−
クス質量より求めた高炉内装入体積速度”と“炉内吹込
みガスと炉頂排出ガスの各成分流量より求めた高炉内で
の鉱石及びコ−クスの消費体積速度”との差を時間積分
して高炉内空隙体積を求め、この値を基にスリップ,吹
抜けを予知しつつ操業を行うか、更には求めた高炉内空
隙体積値を基に高炉内への送風流量低減量を決定して操
業を行う。
的確に予知し、更にはその発生を的確に防止できる“予
知後の適正な送風流量低減量”を決定して高炉操業の安
定性をより向上し得る手段を確立する。 【構成】 “高炉にチャ−ジ装入された鉱石質量とコ−
クス質量より求めた高炉内装入体積速度”と“炉内吹込
みガスと炉頂排出ガスの各成分流量より求めた高炉内で
の鉱石及びコ−クスの消費体積速度”との差を時間積分
して高炉内空隙体積を求め、この値を基にスリップ,吹
抜けを予知しつつ操業を行うか、更には求めた高炉内空
隙体積値を基に高炉内への送風流量低減量を決定して操
業を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炉操業中の“スリ
ップ”,“吹抜け”を的確に防止することができる高炉
の安定化操業方法に関するものである。
ップ”,“吹抜け”を的確に防止することができる高炉
の安定化操業方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】高炉操業において、炉内の圧力
損失が局所的に増加しこれが装入物荷重と釣り合った状
態になると装入物の局所的な静止、いわゆる「棚吊り」
が発生する。棚吊りが発生すると、その棚吊り部の上方
では装入物の降下が止まってしまうため、“棚吊りの下
方に存在する炉内装入物”の降下に伴って棚吊り部の下
方に空洞が生じる。そして、この空洞がある程度の大き
さになると、棚吊り部の横方向を埋めていた装入物が空
洞に滑り込み、これに伴ってこの局所的な棚吊りが崩れ
ることになる。
損失が局所的に増加しこれが装入物荷重と釣り合った状
態になると装入物の局所的な静止、いわゆる「棚吊り」
が発生する。棚吊りが発生すると、その棚吊り部の上方
では装入物の降下が止まってしまうため、“棚吊りの下
方に存在する炉内装入物”の降下に伴って棚吊り部の下
方に空洞が生じる。そして、この空洞がある程度の大き
さになると、棚吊り部の横方向を埋めていた装入物が空
洞に滑り込み、これに伴ってこの局所的な棚吊りが崩れ
ることになる。
【0003】棚吊りが大きくてその崩れが急激に起こる
と、その部分では比較的速い速度で大量の装入物が局所
的に移動することとなるので、これにより炉内の圧力損
失が局所的に低下してそこから炉内ガスが上方に吹き上
げられる現象が起きる。そして、この時、その崩れが装
入物表面まで達し、装入物表面が急降下することがあ
る。
と、その部分では比較的速い速度で大量の装入物が局所
的に移動することとなるので、これにより炉内の圧力損
失が局所的に低下してそこから炉内ガスが上方に吹き上
げられる現象が起きる。そして、この時、その崩れが装
入物表面まで達し、装入物表面が急降下することがあ
る。
【0004】このような吹き上げ現象を「吹抜け」、あ
るいは装入物の挙動に着目して「スリップ」と呼んでい
るが、このスリップ,吹抜けが起きると炉内の温度分布
や装入物分布が乱されて正常な熱交換・還元が行われな
くなり、溶銑温度等に乱れを生じたり、極端な場合には
“冷え込み”に至ることがある。しかも、炉頂の温度が
極端に上昇するので、スリップ,吹抜けは高炉設備の保
全上も大きな問題となる。
るいは装入物の挙動に着目して「スリップ」と呼んでい
るが、このスリップ,吹抜けが起きると炉内の温度分布
や装入物分布が乱されて正常な熱交換・還元が行われな
くなり、溶銑温度等に乱れを生じたり、極端な場合には
“冷え込み”に至ることがある。しかも、炉頂の温度が
極端に上昇するので、スリップ,吹抜けは高炉設備の保
全上も大きな問題となる。
【0005】そこで、特開平4−173908号公報に
は、“高炉における最上位とそれ以外の部位の炉内圧力
が基準値以上となる時間の差”をスリップ,吹抜け予知
の鍵とし、この時間差が所定の短い時間内となることを
スリップ,吹抜け発生の前兆として捕らえると共に、こ
の前兆が現れた際には高炉内への送風量を低減するとい
うスリップ,吹抜けの防止策を講じて高炉操業の安定性
向上を図る方法が提案されている。
は、“高炉における最上位とそれ以外の部位の炉内圧力
が基準値以上となる時間の差”をスリップ,吹抜け予知
の鍵とし、この時間差が所定の短い時間内となることを
スリップ,吹抜け発生の前兆として捕らえると共に、こ
の前兆が現れた際には高炉内への送風量を低減するとい
うスリップ,吹抜けの防止策を講じて高炉操業の安定性
向上を図る方法が提案されている。
【0006】また、上記公報には、吹抜け予知した場合
の送風流量の低減量に関して、高炉の実効内容積,鉱石
/コ−クスの比,コ−クス嵩密度,鉱石嵩密度,送風流
量,炉頂圧力及び炉内平均断面積を基準とする数式を用
い、これにより算出した“吹抜け限界指数”に“吹抜け
緊急防止用の値”を与えて逆算することにより対策時の
送風流量を算出し送風流量の低減量を決定する方法も開
示されている。
の送風流量の低減量に関して、高炉の実効内容積,鉱石
/コ−クスの比,コ−クス嵩密度,鉱石嵩密度,送風流
量,炉頂圧力及び炉内平均断面積を基準とする数式を用
い、これにより算出した“吹抜け限界指数”に“吹抜け
緊急防止用の値”を与えて逆算することにより対策時の
送風流量を算出し送風流量の低減量を決定する方法も開
示されている。
【0007】しかしながら、上記提案方法によっても、
スリップ,吹抜けの発生を予知するために取り込むデ−
タそのものに変動が大きくて異常値を拾いやすいなど、
炉内異常発生可能性の推定精度は必ずしも満足できるも
のではなかった。また、スリップ,吹抜けの発生が予知
された後の送風流量変更(低減)にしても、上記提案方
法ではスリップ,吹抜けという異常な炉内状況の把握に
欠けることもあって、算出される送風流量の低減量は適
正なものとは言えなかった。
スリップ,吹抜けの発生を予知するために取り込むデ−
タそのものに変動が大きくて異常値を拾いやすいなど、
炉内異常発生可能性の推定精度は必ずしも満足できるも
のではなかった。また、スリップ,吹抜けの発生が予知
された後の送風流量変更(低減)にしても、上記提案方
法ではスリップ,吹抜けという異常な炉内状況の把握に
欠けることもあって、算出される送風流量の低減量は適
正なものとは言えなかった。
【0008】このようなことから、本発明が目的とした
のは、高炉操業におけるスリップ,吹抜けの発生を的確
に予知し、更にはその発生を的確に防止できる“予知後
の適正な送風流量低減量”を決定して高炉操業の安定性
をより向上し得る手段を確立することである。
のは、高炉操業におけるスリップ,吹抜けの発生を的確
に予知し、更にはその発生を的確に防止できる“予知後
の適正な送風流量低減量”を決定して高炉操業の安定性
をより向上し得る手段を確立することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく実際操業諸元の詳細な分析を行いながら鋭
意研究を重ね、次のような結論を得た。 a) 高炉シャフト圧力、又は炉内温度,振動あるいは炉
頂ガス温度に基づいてスリップ,吹抜けを予知しようと
する“従来の技術”で炉内異常発生可能性の推定精度が
低い理由は、スリップ,吹抜けの原因となる“炉内装入
物に発生した空隙“の規模が的確に把握されていないこ
とにあり、スリップ,吹抜け発生の予知精度向上には棚
吊りに起因して発生し徐々に拡大する前記空隙の体積を
適正に把握することが欠かせない。
を達成すべく実際操業諸元の詳細な分析を行いながら鋭
意研究を重ね、次のような結論を得た。 a) 高炉シャフト圧力、又は炉内温度,振動あるいは炉
頂ガス温度に基づいてスリップ,吹抜けを予知しようと
する“従来の技術”で炉内異常発生可能性の推定精度が
低い理由は、スリップ,吹抜けの原因となる“炉内装入
物に発生した空隙“の規模が的確に把握されていないこ
とにあり、スリップ,吹抜け発生の予知精度向上には棚
吊りに起因して発生し徐々に拡大する前記空隙の体積を
適正に把握することが欠かせない。
【0010】b) また、スリップ,吹抜けの発生が予知
された後の送風流量変更値(送風流量低減量)にして
も、前記提案方法(特開平4-173908号公報に記載の方
法)で精度の良い結果が得られなかった理由は、スリッ
プ,吹抜けの原因である“空隙の生成”という異常な炉
内状況が送風流量低減量の算出要素として考慮されてい
ないためである。
された後の送風流量変更値(送風流量低減量)にして
も、前記提案方法(特開平4-173908号公報に記載の方
法)で精度の良い結果が得られなかった理由は、スリッ
プ,吹抜けの原因である“空隙の生成”という異常な炉
内状況が送風流量低減量の算出要素として考慮されてい
ないためである。
【0011】c) しかるに、空隙発生の前兆となる微小
な棚吊りが生じ始める傾向は装入物表面の降下速度に敏
感に現れるものであって、この装入物表面の降下速度は
実際上はチャ−ジ装入される鉱石とコ−クスの単位時間
当り体積量によってほぼ把握でき、また炉内の反応状況
を示す炉頂ガス組成のデ−タからは高炉内での鉱石とコ
−クスの単位時間当り消費体積量が把握できるので、
“チャ−ジ装入される鉱石とコ−クスの単位時間当り体
積量”と“高炉内での鉱石とコ−クスの単位時間当り消
費体積量”の差を時間積分すれば炉内装入物に発生した
空隙の体積を精度良く把握することが可能であり、従っ
てその空隙体積の程度からスリップ,吹抜け発生を的確
に予知することができる。
な棚吊りが生じ始める傾向は装入物表面の降下速度に敏
感に現れるものであって、この装入物表面の降下速度は
実際上はチャ−ジ装入される鉱石とコ−クスの単位時間
当り体積量によってほぼ把握でき、また炉内の反応状況
を示す炉頂ガス組成のデ−タからは高炉内での鉱石とコ
−クスの単位時間当り消費体積量が把握できるので、
“チャ−ジ装入される鉱石とコ−クスの単位時間当り体
積量”と“高炉内での鉱石とコ−クスの単位時間当り消
費体積量”の差を時間積分すれば炉内装入物に発生した
空隙の体積を精度良く把握することが可能であり、従っ
てその空隙体積の程度からスリップ,吹抜け発生を的確
に予知することができる。
【0012】d) しかも、炉内異常の原因となる上記空
隙の体積が精度良く検出できれば、これを基にしてスリ
ップ,吹抜け発生が防げる“送風流量の適正な低減量”
を計算することも可能となる。
隙の体積が精度良く検出できれば、これを基にしてスリ
ップ,吹抜け発生が防げる“送風流量の適正な低減量”
を計算することも可能となる。
【0013】本発明は、上記知見事項等を基にしてなさ
れたものであり、「“高炉にチャ−ジ装入された鉱石質
量とコ−クス質量より求めた高炉内装入体積速度”と
“炉内吹込みガスと炉頂排出ガスの各成分流量より求め
た高炉内での鉱石及びコ−クスの消費体積速度”との差
を時間積分して高炉内空隙体積を求め、 この値を基にス
リップ,吹抜けを予知しつつ操業を行うか、 更には求め
た高炉内空隙体積値を基に高炉内への送風流量低減量を
決定して操業を行うことにより、 一段と安定した高炉操
業を可能とした点」に大きな特徴を有している。
れたものであり、「“高炉にチャ−ジ装入された鉱石質
量とコ−クス質量より求めた高炉内装入体積速度”と
“炉内吹込みガスと炉頂排出ガスの各成分流量より求め
た高炉内での鉱石及びコ−クスの消費体積速度”との差
を時間積分して高炉内空隙体積を求め、 この値を基にス
リップ,吹抜けを予知しつつ操業を行うか、 更には求め
た高炉内空隙体積値を基に高炉内への送風流量低減量を
決定して操業を行うことにより、 一段と安定した高炉操
業を可能とした点」に大きな特徴を有している。
【0014】
【作用】以下、本発明に係る高炉操業法をその作用と共
により詳細に説明する。本発明法を実施するに当り、1
つには所定時間TP (例えば炉頂ガス組成分析にかかる
時間以上の時間)において高炉内での鉱石及びコ−クス
の消費体積速度が計算される。そのためには、まず炉内
の酸素消費速度の算出が行われるが、この炉内酸素消費
速度vO (kmol/min)は下記 (1)式で表される。 vO =vO blast +vO mois−vO top …(1)
により詳細に説明する。本発明法を実施するに当り、1
つには所定時間TP (例えば炉頂ガス組成分析にかかる
時間以上の時間)において高炉内での鉱石及びコ−クス
の消費体積速度が計算される。そのためには、まず炉内
の酸素消費速度の算出が行われるが、この炉内酸素消費
速度vO (kmol/min)は下記 (1)式で表される。 vO =vO blast +vO mois−vO top …(1)
【0015】そして、この炉内酸素消費速度vO より、
炉内銑鉄生成速度vpig (kg/min)は数1となる。
炉内銑鉄生成速度vpig (kg/min)は数1となる。
【数1】 ここで、PFeは直近のト−ピ−ドで計測した値を使用し
ても良いし、また直近のタップ内の荷重平均値を使用し
ても良いし、また定数を使用しても良い。
ても良いし、また直近のタップ内の荷重平均値を使用し
ても良いし、また定数を使用しても良い。
【0016】従って、鉱石比をRore (−)とすると、
鉱石消費速度vore (kg/min)は vore =vpig ×Rore …(3) と表記できる。
鉱石消費速度vore (kg/min)は vore =vpig ×Rore …(3) と表記できる。
【0017】一方、カ−ボン消費速度vC (kmol/min)
は、 vC =vC top +vC pig −vC pc−vC blast …(4) で表される。
は、 vC =vC top +vC pig −vC pc−vC blast …(4) で表される。
【0018】ここで、出銑量を連続的に計測していない
場合には、vC pig は前記 (2)式の銑鉄生成速度vpig
より、 vC pig =vpig ×PC …(5) とする。なお、PC は、前述したPFeと同様の方法で求
めた値を使用する。
場合には、vC pig は前記 (2)式の銑鉄生成速度vpig
より、 vC pig =vpig ×PC …(5) とする。なお、PC は、前述したPFeと同様の方法で求
めた値を使用する。
【0019】従って、炉内コ−クス消費速度vcoke(kg/
min)は vcoke=vC pig ×MC /CC …(6) となる。
min)は vcoke=vC pig ×MC /CC …(6) となる。
【0020】そこで、前記 (3)式で求められる炉内鉱石
消費速度vore と上記 (6)式で求められる炉内コ−クス
消費速度vcokeを各々の嵩密度で割ることで各々の消費
体積速度が求まり、これより炉内全体における炉内消費
体積速度Vc (m3/min)は数2となる。
消費速度vore と上記 (6)式で求められる炉内コ−クス
消費速度vcokeを各々の嵩密度で割ることで各々の消費
体積速度が求まり、これより炉内全体における炉内消費
体積速度Vc (m3/min)は数2となる。
【数2】
【0021】本発明法を実施するに当っては、更に高炉
内への装入体積速度を求める必要があるが、炉内装入体
積速度を求める手順は次の通りである。
内への装入体積速度を求める必要があるが、炉内装入体
積速度を求める手順は次の通りである。
【0022】第1に、チャ−ジ当りの装入体積速度を求
める。このためには、まず、図1に示したような“炉内
消費体積速度Vc をTP 毎に計算する時刻t”におい
て、装入が完全に終了した直近のチャ−ジ当りの装入体
積速度を該チャ−ジの鉱石質量及びコ−クス装入質量と
該チャ−ジ装入にかかった時間から求める。このチャ−
ジ装入にかかった時間とは、当該チャ−ジ装入開始時刻
と次回のチャ−ジ装入開始時刻との差の時間である。
める。このためには、まず、図1に示したような“炉内
消費体積速度Vc をTP 毎に計算する時刻t”におい
て、装入が完全に終了した直近のチャ−ジ当りの装入体
積速度を該チャ−ジの鉱石質量及びコ−クス装入質量と
該チャ−ジ装入にかかった時間から求める。このチャ−
ジ装入にかかった時間とは、当該チャ−ジ装入開始時刻
と次回のチャ−ジ装入開始時刻との差の時間である。
【0023】即ち、1チャ−ジ当りの装入体積速度Vr1
(m3/min)は数3と表すことができる。
(m3/min)は数3と表すことができる。
【数3】
【0024】同様に、各チャ−ジについてチャ−ジ当り
の装入体積速度Vr2,Vr3, … を求める。そして、こ
れらの値より、時刻 t-TP から時刻t-2TP の間における
時間TP 毎の炉内装入体積速度Vr (t-Tp)(m3/min)を
下記式にて求める。 Vr (t-Tp)=ΣVr i × ti / TP …(9)
の装入体積速度Vr2,Vr3, … を求める。そして、こ
れらの値より、時刻 t-TP から時刻t-2TP の間における
時間TP 毎の炉内装入体積速度Vr (t-Tp)(m3/min)を
下記式にて求める。 Vr (t-Tp)=ΣVr i × ti / TP …(9)
【0025】さて、“炉内の反応による消費体積”が
“装入体積”より大きいときには炉内に空隙が生じる筈
なので、前記 (9)式で求められる炉内装入体積速度Vr
と前記(7) 式で求められる炉内消費体積速度Vc の差を
示す下記(10)式により、炉内空隙生成体積速度Vd
(t-Tp) (m3/min)を計算する。 Vd (t-Tp)=Vc (t-Tp)−α×Vr (t-Tp) …(10)
“装入体積”より大きいときには炉内に空隙が生じる筈
なので、前記 (9)式で求められる炉内装入体積速度Vr
と前記(7) 式で求められる炉内消費体積速度Vc の差を
示す下記(10)式により、炉内空隙生成体積速度Vd
(t-Tp) (m3/min)を計算する。 Vd (t-Tp)=Vc (t-Tp)−α×Vr (t-Tp) …(10)
【0026】次に、下記(11)式の通り、このVd を計算
開始時刻t0 より時間積分することによって空隙体積V
(m3)を計算する。
開始時刻t0 より時間積分することによって空隙体積V
(m3)を計算する。
【数4】 ここで、空隙が負になることはないので、ある定常期間
において空隙体積Vを計算した上で、該Vの最小値を0
とするようにβを決定する。
において空隙体積Vを計算した上で、該Vの最小値を0
とするようにβを決定する。
【0027】さて、スリップ,吹抜け発生の原因が空隙
であるので、空隙体積はスリップ,吹抜け発生と密接な
関係がある。空隙が大きければ、当然、スリップ,吹抜
け発生の可能性は大きくなる。そこで、実績デ−タから
空隙体積とスリップ,吹抜け発生との関係を把握してお
けば、上記空隙体積の予測値を基にスリップ,吹抜けの
発生可能性を早期かつ的確に精度良く予知することがで
き、スリップ,吹抜け発生の予知率は著しく上昇する。
そして、この予知に従って減風(送風流量低減)を行い
空隙生成の原因となっている棚吊りを人為的に取り除く
(棚落としをする)ように図れば、早期の比較的小さい
空隙に見合うだけの微小な減風を行うだけで適切な人為
的棚落としをすることができ、従って安定な高炉操業を
続け得ることになる。
であるので、空隙体積はスリップ,吹抜け発生と密接な
関係がある。空隙が大きければ、当然、スリップ,吹抜
け発生の可能性は大きくなる。そこで、実績デ−タから
空隙体積とスリップ,吹抜け発生との関係を把握してお
けば、上記空隙体積の予測値を基にスリップ,吹抜けの
発生可能性を早期かつ的確に精度良く予知することがで
き、スリップ,吹抜け発生の予知率は著しく上昇する。
そして、この予知に従って減風(送風流量低減)を行い
空隙生成の原因となっている棚吊りを人為的に取り除く
(棚落としをする)ように図れば、早期の比較的小さい
空隙に見合うだけの微小な減風を行うだけで適切な人為
的棚落としをすることができ、従って安定な高炉操業を
続け得ることになる。
【0028】なお、減風量(送風流量低減量)は“空隙
体積に相応した過不足のない量とすること”が高炉操業
の安定性にとって重要なことであるが、本発明に係る前
記手法によると空隙体積の高精度な予測ができるので、
この予測値に基づいて減風量を決定するようにすれば一
層安定した高炉操業を行うことができる。
体積に相応した過不足のない量とすること”が高炉操業
の安定性にとって重要なことであるが、本発明に係る前
記手法によると空隙体積の高精度な予測ができるので、
この予測値に基づいて減風量を決定するようにすれば一
層安定した高炉操業を行うことができる。
【0029】ところで、上記空隙体積の規模(大きさ)
は“空隙平均高さ”でもって的確に捕らえることがで
き、空隙平均高さを求めることは、スリップ,吹抜け発
生の予知率のより一層の上昇につながり、かつ送風流量
の低減量を決定するのにより良い方法である。この空隙
平均高さH(m)は、下記(12)式で示される通り、空隙
体積Vを炉口断面積S(m3)で割ったもので表される。 H=V/S …(12)
は“空隙平均高さ”でもって的確に捕らえることがで
き、空隙平均高さを求めることは、スリップ,吹抜け発
生の予知率のより一層の上昇につながり、かつ送風流量
の低減量を決定するのにより良い方法である。この空隙
平均高さH(m)は、下記(12)式で示される通り、空隙
体積Vを炉口断面積S(m3)で割ったもので表される。 H=V/S …(12)
【0030】そこで、上記空隙平均高さHがある値以上
になったことをもってスリップ,吹抜けが生じることを
予知することができる。そして、スリップ,吹抜けの発
生が予知された場合には、空隙平均高さHに比例した量
で送風流量を低減すれば、穏やかで適切な棚落としを行
うことができる。なお、空隙平均高さHは、空隙が全て
崩壊したと考えた場合には最大スリップ発生平均高さと
見なすことができるものである。
になったことをもってスリップ,吹抜けが生じることを
予知することができる。そして、スリップ,吹抜けの発
生が予知された場合には、空隙平均高さHに比例した量
で送風流量を低減すれば、穏やかで適切な棚落としを行
うことができる。なお、空隙平均高さHは、空隙が全て
崩壊したと考えた場合には最大スリップ発生平均高さと
見なすことができるものである。
【0031】続いて、本発明を実施例によって説明す
る。
る。
【実施例】図2は、本発明に係る高炉操業法を実施する
ために用いる装置の構成例を示している。この装置は、
所定時間TP (炉頂ガス組成分析に要する時間以上の時
間に設定する)にてデ−タを取り込むデ−タ検出手段1
と、デ−タ検出手段1から得られた情報より空隙の大き
さを算出する空隙体積計算処理手段2と、異常判定時に
警報を出力する警報出力手段3と、異常判定時に送風流
量を適正な量に抑制する制御手段4を有して構成されて
いる。
ために用いる装置の構成例を示している。この装置は、
所定時間TP (炉頂ガス組成分析に要する時間以上の時
間に設定する)にてデ−タを取り込むデ−タ検出手段1
と、デ−タ検出手段1から得られた情報より空隙の大き
さを算出する空隙体積計算処理手段2と、異常判定時に
警報を出力する警報出力手段3と、異常判定時に送風流
量を適正な量に抑制する制御手段4を有して構成されて
いる。
【0032】デ−タ検出手段1において、所定の時間T
P で取り込む情報の検知手段(センサ−)は、高炉内に
流入する物質と高炉外に流出する物質の計測装置であ
る。この計測装置として、送風流量,微粉炭吹込み量,
重油吹込み量,送風湿分量,送風付加酸素量,タ−ル吹
込み量,炉頂ガス組成,1チャ−ジ鉄鉱石装入量及び1
チャ−ジコ−クス装入量を計測する装置は少なくとも必
要なものである。
P で取り込む情報の検知手段(センサ−)は、高炉内に
流入する物質と高炉外に流出する物質の計測装置であ
る。この計測装置として、送風流量,微粉炭吹込み量,
重油吹込み量,送風湿分量,送風付加酸素量,タ−ル吹
込み量,炉頂ガス組成,1チャ−ジ鉄鉱石装入量及び1
チャ−ジコ−クス装入量を計測する装置は少なくとも必
要なものである。
【0033】警報出力手段3は、空隙平均高さHが危険
値以上になると警報音を発すると同時に、画面に“スリ
ップ,吹抜け発生が予知されたこと”と“空隙体積”を
表示する警報装置である。これは、音声によってオペレ
−タに同様内容を知らせることができる警報装置であっ
ても良い。なお、空隙平均高さHは、空隙が全て崩壊し
たと考えた場合には最大スリップ発生平均高さと見なす
ことができるので、警報としてスリップ発生平均高さを
出力することも考えられる。
値以上になると警報音を発すると同時に、画面に“スリ
ップ,吹抜け発生が予知されたこと”と“空隙体積”を
表示する警報装置である。これは、音声によってオペレ
−タに同様内容を知らせることができる警報装置であっ
ても良い。なお、空隙平均高さHは、空隙が全て崩壊し
たと考えた場合には最大スリップ発生平均高さと見なす
ことができるので、警報としてスリップ発生平均高さを
出力することも考えられる。
【0034】送風流量制御手段4は、下記(13)式に従っ
て空隙平均高さHに比例した適切な送風流量低減量(減
風量)を算出し、送風流量を制御する装置である。な
お、この送風流量制御手段4は単にオペレ−タにその適
切な送風流量を知らせる装置であっても良い。
て空隙平均高さHに比例した適切な送風流量低減量(減
風量)を算出し、送風流量を制御する装置である。な
お、この送風流量制御手段4は単にオペレ−タにその適
切な送風流量を知らせる装置であっても良い。
【数5】
【0035】実炉に連結した上述のような装置を用い、
本発明法に従って{前記 (1)式から(11)式により}求め
た高炉内空隙体積から更に前記(12)式により空隙平均高
さを算出すると共に、実績のスリップ発生平均高さも測
定し、この空隙平均高さと実績のスリップ発生平均高さ
との関係を整理したところ、図3に示したような結果が
得られた。
本発明法に従って{前記 (1)式から(11)式により}求め
た高炉内空隙体積から更に前記(12)式により空隙平均高
さを算出すると共に、実績のスリップ発生平均高さも測
定し、この空隙平均高さと実績のスリップ発生平均高さ
との関係を整理したところ、図3に示したような結果が
得られた。
【0036】ここで、実際にはスリップ発生時に空隙が
全て崩壊するとは限らず、従って空隙平均高さはスリッ
プ発生平均高さよりも小さい筈である。従って、図3に
示される結果は、本発明法によって空隙体積の予測が的
確になされ得ることを明示するものである。
全て崩壊するとは限らず、従って空隙平均高さはスリッ
プ発生平均高さよりも小さい筈である。従って、図3に
示される結果は、本発明法によって空隙体積の予測が的
確になされ得ることを明示するものである。
【0037】そして、上述の手法によって算出された空
隙平均高さが操業実績から把握された基準値を超えたこ
とでスリップ,吹抜けが予知された際、算出された空隙
平均高さを基に前記(13)式にて求められた送風流量低減
量(減風量)でもって送風流量を制御したところ、穏や
かな棚落としがなされ、スリップ,吹抜けを生じること
なく安定な高炉操業を続けることができた。
隙平均高さが操業実績から把握された基準値を超えたこ
とでスリップ,吹抜けが予知された際、算出された空隙
平均高さを基に前記(13)式にて求められた送風流量低減
量(減風量)でもって送風流量を制御したところ、穏や
かな棚落としがなされ、スリップ,吹抜けを生じること
なく安定な高炉操業を続けることができた。
【0038】
【効果の総括】以上に説明した如く、本発明によれば、
スリップ,吹抜け発生の予知精度が大幅に向上し、また
予知後にスリップ,吹抜け発生防止のための適切な送風
流量を決定することができるので、スリップ,吹抜けが
発生しそうな時のみに確実で適切なスリップ,吹抜け防
止アクションを採ることが可能となって高炉の安定操業
に大きく寄与できるなど、産業上有用な効果がもたらさ
れる。
スリップ,吹抜け発生の予知精度が大幅に向上し、また
予知後にスリップ,吹抜け発生防止のための適切な送風
流量を決定することができるので、スリップ,吹抜けが
発生しそうな時のみに確実で適切なスリップ,吹抜け防
止アクションを採ることが可能となって高炉の安定操業
に大きく寄与できるなど、産業上有用な効果がもたらさ
れる。
【図1】装入体積速度を求める上での変数説明のための
タイムフロ−図である。
タイムフロ−図である。
【図2】本発明に係る高炉操業法を実施するために用い
る装置の構成例である。
る装置の構成例である。
【図3】実績のスリップ発生平均高さと空隙平均高さ
(予測値)との関係図である。
(予測値)との関係図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 “高炉にチャ−ジ装入された鉱石質量と
コ−クス質量より求めた高炉内装入体積速度”と“炉内
吹込みガスと炉頂排出ガスの各成分流量より求めた高炉
内での鉱石及びコ−クスの消費体積速度”との差を時間
積分して高炉内空隙体積を求め、この値を基にスリッ
プ,吹抜けを予知しつつ操業を行うことを特徴とする、
高炉操業における安定化操業方法。 - 【請求項2】 “高炉にチャ−ジ装入された鉱石質量と
コ−クス質量より求めた高炉内装入体積速度”と“炉内
吹込みガスと炉頂排出ガスの各成分流量より求めた高炉
内での鉱石及びコ−クスの消費体積速度”との差を時間
積分して高炉内空隙体積を求め、この値を基に高炉内へ
の送風流量低減量を決定して操業を行うことを特徴とす
る、高炉操業における安定化操業方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8096196A JPH09241712A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 高炉操業における安定化操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8096196A JPH09241712A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 高炉操業における安定化操業方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241712A true JPH09241712A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=13733118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8096196A Pending JPH09241712A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 高炉操業における安定化操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09241712A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010014318A (ja) * | 2008-07-02 | 2010-01-21 | Jfe Steel Corp | 竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 |
CN106932349A (zh) * | 2017-03-10 | 2017-07-07 | 河钢股份有限公司邯郸分公司 | 一种检测焦炉炭化室炉墙窜漏的方法 |
-
1996
- 1996-03-08 JP JP8096196A patent/JPH09241712A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010014318A (ja) * | 2008-07-02 | 2010-01-21 | Jfe Steel Corp | 竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 |
CN106932349A (zh) * | 2017-03-10 | 2017-07-07 | 河钢股份有限公司邯郸分公司 | 一种检测焦炉炭化室炉墙窜漏的方法 |
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