JP4893291B2 - 竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 - Google Patents

竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、竪型スクラップ溶解炉を用い、コークスの燃焼熱により鉄系スクラップを溶解して溶銑を製造する方法に関する。
従来、竪型溶解炉を用いて鉄系スクラップを溶解するプロセスが知られており(例えば、特許文献1)、このプロセスでは、竪型溶解炉の炉頂部から鉄系スクラップとコークスを装入し、炉下部に設けられた複数の羽口(送風羽口)から熱風を吹き込み、コークスの燃焼熱で鉄系スクラップを溶解することにより溶銑が得られる。
特開昭56−156709号公報
上記のようなプロセスにおいて鉄系スクラップを溶解し、溶銑を製造する場合、以下のような問題がある。
(1)生産量を高めるには炉径を大きくする必要があるが、炉径を大きくすると羽口から吹き込まれる熱風が炉中心部まで十分に届かないため、炉中心部側の領域でのガス流れが少なくなり、このため同領域でのコークスの燃焼や鉄系スクラップの溶解が不十分となり、場合によっては操業自体に支障を来すおそれもある。
(2)使用するコークスの粒径が小さいと、コークスが早く燃焼してしまうため、燃焼により生じたCOが炉内を上昇する過程でコークスと反応する、所謂ソリューションロス反応(吸熱反応)が生じやすくなり、このため発熱量が下がり、出銑量が低下するという問題がある。これを防止するためには、高価な鋳物用コークスの使用比率を高める必要があり、製造コストの上昇を招いてしまう。
(3)生産量を高めるには送風酸素富化が有効であるが、この酸素富化を行うと炉頂温度が低下し、腐食性ガスが結露して排ガス管の腐食を引き起こしたり、ダストが排出されずに炉内に蓄積し、ガス通気性が低下するなどの問題を生じる。
したがって本発明の目的は、以上のような課題を解決し、竪型スクラップ溶解炉を用いて鉄系スクラップを溶解し、溶銑を製造する方法において、安定した操業を行いつつ、溶銑を高い生産性で且つ低コストに製造することができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、羽口内に配置された酸素噴射ノズルから超音速酸素を噴射することで送風酸素富化を行うとともに、その噴射条件を最適化すること、さらには、炉装入原料(鉄系スクラップ、コークス)を乾燥・予熱し、好ましくはその条件を最適化することにより、上記課題を適切に解決できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]竪型スクラップ溶解炉において、炉頂部から鉄系スクラップとコークスを装入し、炉下部に設けられた複数の羽口から熱風を吹き込み、コークスの燃焼熱で鉄系スクラップを溶解することにより溶銑を製造する方法であって、
少なくとも一部の羽口内に、酸素を超音速で噴射する酸素噴射ノズルを配置し、羽口から熱風を吹き込みつつ、前記酸素噴射ノズルから炉中心位置での酸素流速が20〜70Nm/secとなるように、酸素を噴射することを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、算術平均粒径が120mm以下のコークスを用いることを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
[3]上記[1]又は[2]の製造方法において、炉内に装入する鉄系スクラップ及び/又はコークスを事前に乾燥処理及び/又は予熱することを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
[4]上記[3]の製造方法において、鉄系スクラップ及び/又はコークスを、下記(1)式を満足するように乾燥処理及び/又は予熱することを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
ΔTs+(2×ΔTc×Co)/1000+50×ΔWs+(50×Co×ΔWc)/1000
≧GTt−GTm …(1)
ただし、
ΔTs(℃):予熱による鉄系スクラップ温度の上昇幅
ΔTc(℃):予熱によるコークス温度の上昇幅
ΔWs(mass%):乾燥処理及び/又は予熱による鉄系スクラップ水分含有率の低下幅
ΔWc(mass%):乾燥処理及び/又は予熱によるコークス水分含有率の低下幅
Co(kg/溶銑ton):コークス比
GTt(℃):炉頂部における目標排ガス温度
GTm(℃):炉頂部における実績排ガス温度
本発明によれば、溶銑の生産量確保のために炉径を十分に大きくしても、送風酸素富化を行い且つこの酸素富化の形態として羽口内に配置された酸素噴射ノズルから超音速酸素を噴射するとともに、その噴射条件を最適化することにより、炉内でのガスの流れと酸素の供給が適正化され、これによりコークスの燃焼と鉄系スクラップの溶解が炉全体で適切に生じる。このため溶銑を高い生産性で且つ低コストに製造することができる。また、算術平均粒径が120mm以下の小粒径のコークスを使用しても同様の効果が得られる。
さらに、請求項3,4に係る発明によれば、炉装入原料を事前に乾燥・予熱することにより炉頂温度の低下が抑えられ、このため排ガス管内での腐食性ガスの結露やダストの炉内蓄積が抑えられ、排ガス管の腐食や操業上のトラブルを生じることなく、安定した操業を行うことができる。
図1は、本発明で用いる竪型スクラップ溶解炉(以下、単に「溶解炉」という)とその基本的な操業形態を模式的に示している。図において、1は炉頂に設けられる原料装入部、2は炉下部の周方向において適当な間隔で設けられる複数の羽口(送風羽口)、3はこの羽口2に熱風を供給する熱風管、4は排ガス出口、5は出銑口である。この溶解炉の大きさ等に本質的な制限はないが、実質的に操業可能若しくは操業上有利なサイズとして、通常は、羽口位置での炉内径が2〜4m程度、炉高が6〜10m程度である。
図2は、羽口2の拡大図であり、この例では、羽口2を構成する羽口管20の先端部が炉内壁7から炉内に突き出ている。この羽口数に制限はないが、通常、4〜10本程度である。
このような溶解炉では、炉頂の原料装入部1から鉄系スクラップとコークスを装入するとともに、複数の羽口2から熱風を吹き込み、コークスの燃焼ガスの熱で鉄系スクラップを溶解し、溶銑とする。生成した溶銑は炉底部の出銑口5から炉外に取り出される。
原料である鉄系スクラップとコークスは、炉内に同時に装入してもよいし、交互に装入してもよい。また、主たる炉装入原料は鉄系スクラップとコークスであるが、それ以外に、例えば、銑鉄、還元鉄、ダスト・スラッジ類の塊成物、鉄鉱石等の鉄源、木炭や無煙炭等の炭材などを装入してもよい。
溶銑の生産量を十分に確保するとともに、大サイズの鉄系スクラップを切断することなく装入することにより経済的な操業を行うためには、溶解炉の炉径はなるべく大きいことが好ましく、具体的には羽口高さ位置での炉内径が3m以上であることが望ましい。しかし、炉径を大きくすると羽口から吹き込まれる熱風が炉中心部まで十分に届かないため、炉中心部側の領域でのガス流れが少なくなり、このため同領域でのコークスの燃焼が不十分となって鉄系スクラップが十分に溶解できなくなり、出銑量が低下するだけでなく、最終的に操業自体に支障を来すおそれもある。図3は、炉径が小さい溶解炉と炉径が大きい溶解炉のガス流れの違いを示したものであり、図4は、炉径(羽口高さ位置での炉内径)が異なる溶解炉について、半径方向位置におけるガス流速比を示したものであり、これらによれば、炉径が大きくなると羽口から吹き込まれる熱風が炉中心部まで到達できなくなるため、炉中心部側でのガス流れが小さくなることが判る。
このような問題に対して本発明では、少なくとも一部の羽口内に、酸素を超音速で噴射する酸素噴射ノズルを配置し、羽口から熱風を吹き込みつつ、前記酸素噴射ノズルから炉中心位置での酸素流速が20〜70Nm/secとなるように、酸素を噴射する。このように羽口内に配置された酸素噴射ノズルから超音速酸素を噴射することで送風酸素富化し且つその噴射条件を最適化することにより、炉中心部を含めた炉径方向全般でのガス流れが適正化され、これによりコークスの燃焼と鉄系スクラップの溶解が炉全体で適切に生じることになる。
図5及び図6は、羽口内に配置される酸素噴射ノズルの一実施形態を示すものであり、図5は羽口2内での酸素噴射ノズル6の配置構造を、図6は酸素噴射ノズル6の断面を示している。
この酸素噴射ノズル6は、スロート部60を有する所謂ラバーノズルであり、通常、スロート径d:4〜20mm、出口径d:4〜20mm程度、背圧:0.2〜1.0Mpa程度の条件において、音速超〜500Nm/sec程度の出口流速(初期流速)で酸素ジェットを噴射することができる。このような酸素噴射ノズル6は、羽口管20内のほぼ中央に同心状に配置される。この酸素噴射ノズル6は、複数ある羽口2の全部に配置してもよいし、一部の羽口2にのみ配置してもよい。
酸素噴射ノズル6が配置された羽口2では、羽口2のほぼ中央に位置する酸素噴射ノズル6から酸素ジェットが超音速で噴射され、その外側の羽口先端から熱風が吹き込まれる。このような酸素噴射ノズル6による超音速酸素ジェットの噴射により、送風酸素富化がなされる。
酸素富化率(=送風中の酸素濃度の増加分)に特に制限はないが、送風酸素富化の効果を得るためには、一般には2vol%以上の酸素富化率とすることが好ましい。一方、酸素富化率が過剰であると、羽口前温度の上昇によって羽口抜熱量が徒に増大するとともに、羽口耐火物の溶損頻度が増大するおそれがある。また、炉径方向での温度分布が大きくなってガス流れの制御が困難になる等の問題を生じやすい。このため酸素富化率は50vol%程度を上限とするのが好ましい。
図7は、炉内径Dが2.5m、3.0m、3.5mの各溶解炉を用いた操業において、酸素噴射ノズル6から噴射された酸素(ジェット)の炉中心位置での流速とコークス原単位との関係を示したものである。使用した各溶解炉は羽口本数が8本であり、うち4本の羽口(炉周方向で1本おきの羽口)に酸素噴射ノズルを設置した。コークスとしては算術平均粒径が160mmのものを用いた。ここで、炉中心位置での酸素流速Vは、羽口の前にコークスが充填されていない自由工程での計算値であり、下式により求めたものである。
Figure 0004893291
図7によれば、溶解炉の炉内径Dに関わりなく、炉中心位置での酸素流速V
が20〜70Nm/secにおいてコークス原単位が顕著に低減している。ここで、コークス原単位が低いということは、炉中心部側の領域を含めた炉径方向全般でのガス流れが適正化し、これによりコークスの燃焼と鉄系スクラップの溶解が炉全体で適切に生じていることを意味する。炉中心位置での酸素流速Vが20Nm/sec未満では、酸素噴射ノズル6から供給された酸素が炉中心部に十分に届かないため、炉中心部側のガス流れが少なく、熱不足となるためコークス原単位が高くなる。一方、炉中心位置での酸素流速Vが70Nm/secを超えると、複数の羽口の酸素噴射ノズル6から噴射された酸素ジェットが干渉し合い、ガスの流れが不安定となるため、コークスの燃焼と鉄系スクラップの溶解が不十分となるものと考えられる。
鉄系スクラップの溶解を低コストに行うためには、製鉄用コークスのような粒径の小さい安価なコークスの使用比率を高める必要がある。このような観点からは、本発明でも算術平均粒径が120mm以下のコークスを用いるのが好ましい。しかし、使用するコークスの径が小さいとコークスが早く燃焼してしまうために、コークスの燃焼で生じたCOが炉内を上昇する過程でコークス(C)と反応する、所謂ソリューションロス反応(CO+C→2CO:吸熱反応)が生じやすくなり、このソリューションロス反応により発熱量が下がり、出銑量が低下するという問題がある。図8は、算術平均粒径がそれぞれ160mmと65mmのコークスを用いて操業を行った場合の炉高方向でのガス組成分布の一例を示したものであり、これによれば、大粒径のコークスを用いると、コークスの燃焼速度が遅いため、羽口から炉中段にかけて徐々にO濃度が低下し、一方、CO濃度は上昇する。O濃度が相当分低下した炉中段より上方ではソリューションロス反応が起こり得るが、コークス粒径が大きいため反応速度が遅く、このため炉中段より上方ではCO濃度がピークを維持し、CO濃度は低レベルを維持する。これに対して小径のコークスを用いると、CO濃度は炉下部でピークとなり、そこから炉中段にかけてソリューションロス反応によって急激に低下(したがって、CO濃度が急増)している。
このようなコークスの小径化に伴う問題に対して、本発明のように酸素噴射ノズルからの超音速酸素噴射による送風酸素富化を行うことが有効である。このような送風酸素富化を行うことにより、単位時間当たりの発熱量が増加し、コークス小径化に伴う発熱量の低下を補うことができるとともに、酸素供給条件が最適化されることにより、炉内でのガスの流れと酸素の供給が適正化され、これによりコークスの燃焼と鉄系スクラップの溶解が炉全体で適切に生じることになる。
本発明において算術平均粒径が120mm以下の安価なコークスを用いる場合、コークスの粒径があまりに小さいと、送風酸素富化を行って出銑量の低下が避けられないため、使用するコークスの算術平均粒径は40mm以上であることが好ましい。算術平均粒径が120mm以下のコークスとしては、通常、製鉄用コークス(通常、算術平均粒径:25〜80mm程度)と鋳物用コークス(通常、算術平均粒径:150〜250mm程度)を適宜混合して用いる。
なお、算術平均粒径とは、平均粒径=(Σai×Xi)/(Σai)(但し、Xi:代表粒径、ai:割合)で求められる粒径である。
図9は、炉内径Dが2.5m、3.0m、3.5mの各溶解炉を用い、算術平均粒径が120mm以下のコークスを使用して行った操業において、酸素噴射ノズル6から噴射された酸素(ジェット)の炉中心位置での流速とコークス原単位との関係を示したものである。使用した各溶解炉は羽口本数が8本であり、うち4本の羽口(炉周方向で1本おきの羽口)に酸素噴射ノズルを設置した。コークスとしては算術平均粒径が100mmのものを用いた。ここで、炉中心位置での酸素流速Vは、さきに挙げた式により求めたものである。
図9によれば、算術平均粒径が120mm以下のコークスを用いた場合でも、溶解炉の炉内径Dに関わりなく、炉中心位置での酸素流速Vが20〜70Nm/secにおいてコークス原単位が顕著に低減している。先に述べたように、コークス原単位が低いということは、炉中心部側の領域を含めた炉径方向全般でのガス流れが適正化し、これによりコークスの燃焼と鉄系スクラップの溶解が炉全体で適切に生じていることを意味する。酸素流速Vが20〜70Nm/secにおいてコークス原単位が顕著に低減する理由は、さきに図7に関して述べたとおりである。
送風酸素富化を行うと熱風中のNの割合が少なくなるため着熱効率が上昇し、炉頂温度が低下する。炉頂温度が低下すると、腐食性ガスが結露して排ガス管の腐食が引き起こされたり、ダストが排出されずに炉内に蓄積し、ガス通気性が低下するなどの問題を生じる。ここで、炉頂温度が130℃を下回ると腐食性ガス(NOx,SOx)の結露などが生じやすくなるため、炉頂温度は130℃以上に維持されることが好ましい。ここで、炉頂温度とは炉頂出口における排ガス温度のことである。
本発明では、送風酸素富化によって炉頂温度の低下が問題となる場合には、炉頂温度を確保するために、鉄系スクラップ及び/又はコークスを事前に乾燥処理及び/又は予熱することが好ましく、その場合、例えば、炉頂温度が130℃以上に維持されるよう、鉄系スクラップ及び/又はコークスを乾燥処理及び/又は予熱する。炉装入時における原料(鉄系スクラップ及び/又はコークス)の水分含有率が低いほど、また原料温度が高いほど炉頂温度を高くすることができる。
また、鉄系スクラップ及び/又はコークスを事前に乾燥処理及び/又は予熱する際、下記(1)式を満足するように乾燥処理又は予熱することが好ましい。
ΔTs+(2×ΔTc×Co)/1000+50×ΔWs+(50×Co×ΔWc)/1000
≧GTt−GTm …(1)
ただし、
ΔTs(℃):予熱による鉄系スクラップ温度の上昇幅
ΔTc(℃):予熱によるコークス温度の上昇幅
ΔWs(mass%):乾燥処理及び/又は予熱による鉄系スクラップ水分含有率の低下幅
ΔWc(mass%):乾燥処理及び/又は予熱によるコークス水分含有率の低下幅
Co(kg/溶銑ton):コークス比
GTt(℃):炉頂部における目標排ガス温度
GTm(℃):炉頂部における実績排ガス温度(測定排ガス温度)
鉄系スクラップ及び/又はコークスを事前に乾燥処理及び/又は予熱するに当たり、炉頂温度を測定し、この実績炉頂温度に基づいて上記(1)式にしたがい乾燥処理及び/又は予熱することにより、炉頂温度を目標温度、すなわち腐食性ガスが結露しない温度或いはダストの排出が円滑になされる温度とすることができる。
ここで、上記(1)式は、炉装入物の潜顕熱の差(炉装入物温度、水分蒸発熱)が排ガス温度の差になって現れることを関連づけたものである。上記(1)式において、左辺第一項は予熱による鉄系スクラップ顕熱上昇分であり、1℃の上昇で排ガス温度は1℃の上昇が見込まれる。左辺第二項は予熱によるコークス顕熱上昇分であり、これも1℃の上昇で排ガス温度は1℃の上昇が見込まれる。但し、このコークス顕熱上昇分はコークス比により変化するため、コークス比を考慮するとともに、排ガス温度への影響も考慮して係数を掛けている。左辺第三項は乾燥処理又は予熱による鉄系スクラップの水分蒸発熱分であり、排ガス温度への影響を考慮して係数を掛けている。左辺第四項は乾燥処理又は予熱によるコークスの水分蒸発熱分であり、コークス比により変化するためコークス比を考慮するとともに、排ガス温度への影響も考慮して係数を掛けている。
鉄系スクラップやコークスを事前に乾燥処理又は予熱する方法に特別な制限はなく、例えば、乾燥処理は、適当な熱源を用いて乾燥してもよいし、屋根付きヤードで長期間保管して自然乾燥を行ってもよい。また、予熱はロータリーキルン等の加熱設備を用いて行ってもよい。
本発明で使用する竪型スクラップ溶解炉とその基本的な操業形態を模式的に示す説明図 図1の竪型スクラップ溶解炉の羽口の拡大図 炉径が小さい竪型スクラップ溶解炉と炉径が大きい竪型スクラップ溶解炉のガス流れの違いを示す説明図 炉内径が異なる竪型スクラップ溶解炉の半径方向位置におけるガス流速比を示す説明図 羽口内での酸素噴射ノズルの配置構造の一実施形態を示す説明図 図5の酸素噴射ノズルの断面を示す説明図 炉内径が異なる竪型スクラップ溶解炉を用い、算術平均粒径が160mmのコークスを使用して行った操業において、酸素噴射ノズルから噴射された酸素ジェットの炉中心位置での流速とコークス原単位との関係を示すグラフ 算術平均粒径がそれぞれ160mmと65mmのコークスを用いて操業を行った場合の炉高方向でのガス組成分布の一例を示す説明図 炉内径が異なる竪型スクラップ溶解炉を用い、算術平均粒径が100mmのコークスを使用して行った操業において、酸素噴射ノズルから噴射された酸素ジェットの炉中心位置での流速とコークス原単位との関係を示すグラフ
符号の説明
1 原料装入部
2 羽口
3 熱風管
4 排ガス出口
5 出銑口
6 酸素噴射ノズル
7 炉内壁
20 羽口管
60 スロート部

Claims (4)

  1. 竪型スクラップ溶解炉において、炉頂部から鉄系スクラップとコークスを装入し、炉下部に設けられた複数の羽口から熱風を吹き込み、コークスの燃焼熱で鉄系スクラップを溶解することにより溶銑を製造する方法であって、
    少なくとも一部の羽口内に、酸素を超音速で噴射する酸素噴射ノズルを配置し、羽口から熱風を吹き込みつつ、前記酸素噴射ノズルから炉中心位置での酸素流速が20〜70Nm/secとなるように、酸素を噴射することを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
  2. 算術平均粒径が120mm以下のコークスを用いることを特徴とする請求項1に記載の竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
  3. 炉内に装入する鉄系スクラップ及び/又はコークスを事前に乾燥処理及び/又は予熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
  4. 鉄系スクラップ及び/又はコークスを、下記(1)式を満足するように乾燥処理及び/又は予熱することを特徴とする請求項3に記載の竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
    ΔTs+(2×ΔTc×Co)/1000+50×ΔWs+(50×Co×ΔWc)/1000
    ≧GTt−GTm …(1)
    ただし、
    ΔTs(℃):予熱による鉄系スクラップ温度の上昇幅
    ΔTc(℃):予熱によるコークス温度の上昇幅
    ΔWs(mass%):乾燥処理及び/又は予熱による鉄系スクラップ水分含有率の低下幅
    ΔWc(mass%):乾燥処理及び/又は予熱によるコークス水分含有率の低下幅
    Co(kg/溶銑ton):コークス比
    GTt(℃):炉頂部における目標排ガス温度
    GTm(℃):炉頂部における実績排ガス温度
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