JP2001073016A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

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JP2001073016A
JP2001073016A JP25414299A JP25414299A JP2001073016A JP 2001073016 A JP2001073016 A JP 2001073016A JP 25414299 A JP25414299 A JP 25414299A JP 25414299 A JP25414299 A JP 25414299A JP 2001073016 A JP2001073016 A JP 2001073016A
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hearth
coke
furnace bottom
blast furnace
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Satoru Wakabayashi
悟 若林
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在稼働中の高炉に対して、チタンを投入す
ることなく炉底損耗を防いで寿命の延長化を図る。 【解決手段】 高炉の炉底や炉底側壁に設置した温度計
によって、炉底や炉底側壁耐火物の損耗を確認した場合
に、所定の数式により求めた炉芯浮上指数Hが、前記温
度計の検出値から推定する、出銑口から炉床稼働面まで
の平均距離ωより小なる場合には、炉頂から装入する鉄
源原料の一部を金属化率が50%以上である還元鉄に置
き換える。 【効果】 高炉炉底温度の上昇が見られた場合に、装入
鉄源の一部を還元鉄に置き換えることによって、炉床部
に発生したコークフリー層をなくし、炉底煉瓦の損耗を
抑制するので、高炉の操業寿命の延長が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉炉底部や炉底
側壁部の煉瓦損耗が確認された場合に、高炉炉底部にコ
ークス充填層のない溶銑だけの層(以下、「コークフリ
ー層」という)が発生しているか否かを判定し、発生し
ていると判定した場合には、炉内充填物荷重を増加させ
る効果のある還元鉄を炉頂から装入することによってコ
ークフリー層を消失させ、炉底溶銑流による熱負荷を常
時低レベルに抑制して高炉寿命の延長化を図る高炉操業
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、製鉄プロセスにおける大型反応容
器としての高炉は生産効率の向上を追求してきた結果、
次第に大型化の傾向をたどってきたが、それに伴い、
「吹き止め、巻き換え、火入れ」といった一連の改修費
用も大幅に増大している。従って、高炉寿命の延長化を
図ることが、より直接的なコストメリットの向上につな
がることになる。
【0003】ところで、高炉を吹き止めるタイミング
は、そのときの鉄鋼需要あるいは景気等の社会的要因も
考慮して定められるものの、基本的には高炉炉体の老朽
化の度合いによって判断される。この高炉炉体は、常に
高温、高圧下の過酷な状態にさらされているが、特に羽
口より上の炉上部においては、原料装入物による摩耗や
熱応力の発生が主な炉体老朽化の原因となり、一方、羽
口より下の炉下部においては高温の溶銑流による熱負荷
が主な老朽化の原因と考えられる。
【0004】ただ、近年は高炉の補修技術も向上してお
り、一定時間の休風をとることで、羽口部より上の部分
であれば炉体の補修は可能になってきている。しかし、
羽口部分より下に位置する高炉の炉下部では、湯溜まり
部分に溶銑、溶滓が蓄積されているので、その部分の補
修は困難を極め、現状の補修技術では一時的な休風の間
に補修を行うことは不可能であるといってよい。このこ
とより、高炉の炉体寿命を決定するのは、炉下部の寿命
であるといっても過言ではない。
【0005】高炉の炉下部において、溶銑や溶滓が蓄積
される部分を炉床部とすると、炉床部では炉底あるいは
炉床側壁の耐火煉瓦が浸食される。そして、その浸食を
支配する重要な因子の一つが、前述した炉底溶銑流によ
る熱負荷である。
【0006】ところで、高炉炉床部には、コークスの充
填されている領域(炉芯コークス充填層)と、先に説明
したコークフリー層が存在し得ることが、高炉解体調査
等から明らかになっている。そして、このうちの炉芯コ
ークス充填層は炉上部からの荷重及び溶銑、溶滓からの
浮力によって上下方向に変位することも判っている。
【0007】また、このコークス充填層とコークフリー
層とでは溶銑の通液性が異なるため、炉床部にコークフ
リー層のある場合とない場合、または、その分布状況に
よって炉底溶銑流による熱負荷は大きく異なる。
【0008】例えば、炉床径が14.6m、内容積が4
800m3 の高炉が、出銑比2.0ton/日・m3
条件の時、高炉の溶銑流をシミュレートできる数学モデ
ルによって、コークフリー層の厚さと、炉底熱負荷の関
係を計算すると、図1のように表すことができる。
【0009】これについて説明すると、コークフリー層
が存在しない場合、すなわち、炉芯コークス充填層が炉
底に接触している場合は熱負荷は小さいが、そこから少
し浮上した場合、すなわち、ごく薄いコークフリー層が
炉底に発生した場合には、溶銑流の流速が増加するた
め、熱負荷は非常に高くなり、炉芯コークス充填層が更
に浮上した場合、すなわち、コークフリー層の層厚が更
に厚くなった場合には、溶銑流速が低下して熱負荷は反
対に低下する。
【0010】以上の知見を基に、炉底溶銑流による熱負
荷をできるだけ低減して高炉寿命の延長化を図った技術
がいくつか報告されている。一つ目は、コークフリー層
の存在しない炉底構造を有する高炉の設計に関する技
術、二つ目は、コークフリー層を充分確保するような炉
底溝造を有する高炉の設計に関する技術、三つ目は、羽
口からチタンを吹き込むか、或いは、炉頂装入物にチタ
ン含有量の多い鉱石を混合して炉底部にチタンベアー
(TiNにTiCが固溶した物質であって、炉底或いは
炉底側壁の煉瓦の稼動面を覆う形で存在する)を発生さ
せて、炉底煉瓦を保護する操業に関する技術である。こ
のうち、現在稼動中の高炉について適用可能な技術は、
三つ目のチタンを吹き込む又は装入する技術のみであ
る。
【0011】しかしながら、炉底あるいは炉壁煉瓦の損
耗を防止するためにチタンを炉内に投入することは、チ
タンのコストが多くかかる上に、過剰のチタンベアーが
炉床の溶銑流を阻害し、安定な出銑ができなくなってト
ラブルとなるケースも起こる可能性がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点に鑑みてなされたものであり、現在稼働中の高炉に
対して、炉底温度の上昇が見られたときに、コークフリ
ー層の層厚を、装入物を変更することにより制御して、
チタンを投入することなく炉底損耗を防いで寿命の延長
化を図ることができる高炉操業方法を提供することを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る高炉操業方法は、高炉の炉底や炉
底側壁に設置した温度計によって、炉底や炉底側壁耐火
物の損耗を確認した場合に、所定の数式により求めた炉
芯浮上指数Hが、前記温度計の検出値から推定する、出
銑口から炉床稼働面までの平均距離ωより小なる場合に
は、炉頂から装入する鉄源原料の一部を金属化率が50
%以上である還元鉄に置き換えることとしている。そし
て、このようにすることで、相対的に嵩密度の小さいコ
ークスの装入量を低減することが可能となり、平均嵩密
度の上昇が期待できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記課題を解決する
ために鋭意研究を行なった結果、弾塑性理論を用いて高
炉内充填物の応力場を解析することにより、炉芯コーク
ス充填層の溶銑への沈降量を定量的に算出する方法を確
立した。
【0015】すなわち、この方法は、炉内圧力分布や操
業条件、或いは、炉体プロフィール等の条件から、高炉
炉床部で炉芯コークス充填層の溶銑中への沈降量を、定
量的に算出するものである。一方、出銑口から炉床稼動
面までの距離は、炉底や炉底側壁に設置した温度計の出
力値から煉瓦の熱伝導率より伝熱計算を行なうことで炉
底煉瓦厚みが算出できるので、炉芯コークス充填層の沈
降量とから炉底にコークフリー層が存在するか否かを判
定することができる。また、コークフリー層が存在する
ならばその層厚を定量的に算出することも可能である。
【0016】一方、通常、高炉炉頂より装入される原料
は、主燃料としてのコークス、鉄源としての焼結鉱又は
ペレット、焼結鉱やスラグ性状調整のための副原料であ
る。これに対して、鉄源の一部を金属化率の高い還元鉄
に置き換えて炉頂より装入すると、還元鉄自身の嵩密度
が焼結鉱や鉱石と比較して大きいことと、鉄源を還元す
るために必要なエネルギーが低下するため、相対的に嵩
密度の小さいコークスの装入量を減らすことができるの
で、装入物の平均嵩密度を飛躍的に増加させることが可
能となる。従って、炉頂から装入する還元鉄の量によっ
て炉芯コークス充填層の溶銑への沈降量ならびにコーク
フリー層の厚さを制御することができる。
【0017】炉芯コークス層の沈降量は、前述したよう
に炉内充填層の応力場解析から求めるのであるが、これ
を簡易的に表すため、前述したようにして求めた沈降量
を、炉内圧力損失、装入物平均嵩密度、炉床径について
一次回帰式をとって表したものが、下記に示す数式1の
右辺である。ここで、数式1による沈降量の値と応力場
解析による沈降量の値とは、高炉が通常操業する範囲内
においてほぼ一致することを、本発明者は確認してい
る。
【0018】また、高炉炉底や炉底側壁に設置した温度
計の出力値から、伝熱計算により炉底煉瓦の残存量並び
に凝固層厚を算出することができる。そして、それらの
算出値から求めた、出銑口から炉底稼動面までの距離ω
が炉芯浮上指数Hよりも大であればコークフリー層が存
在し、逆に前記距離ωが炉芯浮上指数H以下であればコ
ークフリー層が存在しないことになる。
【0019】本発明に係る高炉操業方法は、上記した知
見を基にしてなされたものであり、高炉の炉底、或い
は、炉底及び炉底側壁に温度計を設置し、この温度計の
出力値が所定の温度を超えることで、炉底や炉底側壁耐
火物の損耗を確認した場合に、下記の数式1で求める炉
芯浮上指数Hが、前記温度計の検出値から推定する、出
銑口から炉床稼働面までの平均距離ω(m)より小なる
場合には、炉床部にコークフリー層が存在していると考
えられるので、炉頂から装入する鉄源原料の一部を金属
化率が50%以上である還元鉄に置き換えるものであ
る。
【0020】
【数1】 H=−3.75α+4.95β+0.55γ−5.06 但し、α:炉内圧力損失(kgf/cm2 )(送風圧−
炉頂圧) β:装入物平均嵩密度(g/cm3 ) γ:炉床径(m)
【0021】高炉炉頂より装入する鉄源原料は、通常、
焼結鉱と塊鉱石であり、それぞれの嵩密度は1 .8 〜2
.0 g/cm3 程度である。また、炉頂から装入され
るコークスに関しては、それぞれの高炉の事情(補助燃
料としての微粉炭比や炉容積など)によって装入量は異
なるものの、コークスの嵩密度は0 .5 程度である。従
って、微粉炭を多量吹き込みしている高炉では(鉱石
(焼結鉱+塊鉱石)とコークスの重量比で5 .5 〜5 .
0 )、装入物の平均嵩密度は1.33〜1.36g/c
3 程度、一般的(鉱石とコークスの重量比で3 .5 〜
4 .5 )には1.25〜1.30g/cm3 である。
【0022】高炉操業時、焼結鉱或いは塊鉱石の一部を
置き換えて還元鉄を装入した場合、装入物の平均嵩密度
が上昇するのは自明である。また、それ以外の効果とし
て、還元エネルギーが不要であるため、燃料比を低減す
ることが期待できる。そこで、本発明者は、内容積27
00m3 、炉床径11.1mの高炉において、嵩密度が
5.0g/cm3 、金属化率が70%の還元鉄を装入す
る試験を実施したところ、図2に示したように、装入鉄
源の20%を還元鉄とすることで、約15%のコークス
比を低減できることが判明した。
【0023】従って、還元鉄を装入することにより、相
対的に嵩密度の小さいコークスの装入量を低減すること
が可能となり、例えば装入鉄源の20%を金属化率が7
0%の還元鉄で置き換えた場合の平均嵩密度は、下記表
1に示すように約10%の上昇が期待できる。なお、下
記表1は高炉(炉床径14.6m、炉容積4800m
3 、出銑比2.0ton/日・m3 )の炉内現象を総合
的にシミュレートできる数値計算モデルを用いて、装入
還元鉄の金属化率と置換割合が燃料費低下におよぼす影
響を調査した結果を示したものである。
【0024】
【表1】
【0025】上記した表1より、金属化率が50%を下
回ると、還元鉄の置換割合を20%としても、燃料比の
低減量が10%を下回り、コークス低減から期待できる
装入嵩密度の上昇効果が低くなることが判る。従って、
還元鉄の嵩密度上昇効果を最大限生かすためには、金属
化率が50%以上必要であり、このことから、本発明に
係る高炉の操業方法においては、還元鉄の金属化率を5
0%以上と限定した。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係る高炉の操業方法の効果を
確認するために行なった実施結果について説明する。 (実施例1)炉容積4800m3 (炉床径14.6
m)、出銑口を4本有する高炉において、出銑比2.0
ton/日・m3 にて操業中に、炉底側壁部に設置した
温度計の指示値が急激に上昇した(24時間に12℃上
昇)。このときの装入物平均嵩密度、炉内圧力損失はそ
れぞれ1.35g/cm3 、1.75kgf/cm2
あり、炉底に設置した温度計の出力値より、伝熱計算に
よって算出した出銑口高さから炉底稼働面までの垂直距
離ωは3.8mであった。
【0027】以上の値を上記した数式1に代入すると、
炉芯浮上指数Hは、 H=−3.75α+4.95β+0.55γ−5.06 =−3.75×1.75+4.95×1.35+0.55×14.6 −5.06 =3.09 で、炉芯浮上指数H(=3.09)は前記垂直距離ω
(=3.8)よりも小さくなって、コークフリー層が存
在すると判定された。
【0028】そこで、炉頂からの装入鉄源の一部を還元
鉄とし、装入物平均嵩密度を1.65g/cm3 とした
操業を24時間継続したところ、炉底温度は上昇する前
のレベルにまで低下した。そこで、再度、数式1に基づ
いて判定すると、他の条件に変化はないので、数式1の
左辺は、 左辺=−3.75×1.75+4.95×1.65+0.55×14.6 −5.06 =4.58 となって、炉芯浮上指数H(=4.58)は前記垂直距
離ω(=3.8)よりも大きくなり、コークフリー層は
存在しないと判定された。以上から、炉底煉瓦損耗の危
機は去ったと判定した。このときの炉底温度の推移と、
還元鉄装入のアクションを図3に示す。
【0029】(実施例2)炉容積2700m3 (炉床径
11.0m)、出銑口を3本有する高炉において、出銑
比1.9ton/日・m3 にて操業中に、炉底部及び炉
底側壁部に設置した温度計の指示値がそれぞれ14℃及
び22℃上昇した。このときの装入物平均嵩密度、炉内
圧力損失はそれぞれ1.40g/cm3 、1.30kg
f/cm2であり、炉底に設置した温度計の出力値よ
り、伝熱計算によって算出した出銑口高さから炉底稼動
面までの垂直距離ωは3.2mである。
【0030】以上の値を上記した数式1に代入すると、
炉芯浮上指数Hは、 H=−3.75α+4.95β+0.55γ−5.06 =−3.75×1.30+4.95×1.40+0.55×11.0 −5.06 =3.05 で、炉芯浮上指数H(=3.05)は前記垂直距離ω
(=3.2)よりも小さくなって、コークフリー層が存
在すると判定された。
【0031】そこで、炉頂からの装入鉄源の一部を還元
鉄とし、装入物平均嵩密度を1.70g/cm3 とした
操業を8時間継続したところ、炉底温度は上昇する前の
レベルにまで低下した。そこで、再度、数式1に基づい
て判定すると、他の条件に変化はないので、数式1の左
辺は、 左辺=−3.75×1.30+4.95×1.70+0.55×11.0 −5.06 =4.53 となって、炉芯浮上指数H(=4.53)は前記垂直距
離ω(=3.2)よりも大きくなり、コークフリー層は
存在しないと判定された。以上から、炉底煉瓦損耗の危
機は去ったと判定した。このときの炉底温度の推移と、
還元鉄装入のアクションを図4に示す。
【0032】(実施例3)炉容積4800m3 (炉床径
14.6m)、出銑口を4本有する高炉において、出銑
比2.0ton/日・m3 にて操業中に、炉底部及び炉
底側壁部に設置した温度計の指示値が、それぞれ12
℃、24℃上昇した。このときの装入物平均嵩密度、炉
内圧力損失はそれぞれ1.30g/cm3 、1.80k
gf/cm2であり、炉底に設置した温度計の出力値か
ら伝熱計算により算出された出銑口高さから炉底稼働面
までの垂直距離ωは3.9mであった。
【0033】以上の値を上記した数式1に代入すると、
炉芯浮上指数Hは、 H=−3.75α+4.95β+0.55γ−5.06 =−3.75×1.80+4.95×1.30+0.55×14.6 −5.06 =2.66 で、炉芯浮上指数H(=2.66)は前記垂直距離ω
(=3.9)よりも小さくなって、コークフリー層が存
在すると判定された。
【0034】そこで、炉頂からの装入鉄源の一部を還元
鉄とし、装入物平均嵩密度を1.45g/cm3 とした
操業を24時間継続したところ、炉底温度はさらに上昇
し、炉底部及び炉底側壁部でそれぞれ6℃、8℃上昇し
た。そこで、再度、数式1に基づいて判定すると、他の
条件に変化はないので、数式1の左辺は、 左辺=−3.75×1.80+4.95×1.45+0.55×14.6 −5.06 =3.40 となって、やはり炉芯浮上指数H(=3.40)は前記
垂直距離ω(=3.9)よりも小さくなって、コークフ
リー層が存在すると判定された。
【0035】従って、さらに還元鉄の割合を増加させ、
装入物平均嵩密度を1.65g/cm3 として30時間
継続したところ、炉底温度は上昇する前のレベルにまで
低下した。そこで、再度、数式1に基づいて判定する
と、他の条件に変化はないので、数式1の左辺は、 左辺=−3.75×1.80+4.95×1.65+0.55×14.6 −5.06 =4.39 となって、炉芯浮上指数H(=4.39)は前記垂直距
離ω(=3.9)よりも大きくなり、コークフリー層は
存在しないと判定された。以上から、炉底煉瓦損耗の危
機は去ったと判定した。このときの炉底温度の推移と、
還元鉄装入のアクションを図5に示す。
【0036】(実施例4)炉容積4800m3 (炉床径
14.6m)、出銑口を4本有する高炉において、出銑
比2.0ton/日・m3 にて操業中に、炉底部及び炉
底側壁部に設置した温度計の指示値が、それぞれ18
℃、30℃上昇した。このときの装入物平均嵩密度、炉
内圧力損失はそれぞれ1.33g/cm3 、1.85k
gf/cm2であり、炉底に設置した温度計の出力値か
ら伝熱計算により算出された出銑口高さから炉底稼働面
までの垂直距離ωは3.7mであった。
【0037】以上の値を上記した数式1に代入すると、
炉芯浮上指数Hは、 H=−3.75α+4.95β+0.55γ−5.06 =−3.75×1.85+4.95×1.33+0.55×14.6 −5.06 =2.62 で、炉芯浮上指数H(=2.62)は前記垂直距離ω
(=3.7)よりも小さくなって、コークフリー層が存
在すると判定された。
【0038】そこで、炉頂からの装入鉄源の一部を還元
鉄とし、装入物平均嵩密度を1.50g/cm3 とした
操業を24時間継続したところ、炉底温度はさらに上昇
し、炉底部及び炉底側壁部でそれぞれ6℃、8℃上昇し
た。そこで、再度、数式1に基づいて判定すると、他の
条件に変化はないので、数式1の左辺は、 左辺=−3.75×1.85+4.95×1.50+0.55×14.6 −5.06 =3.46 となって、やはり炉芯浮上指数H(=3.46)は前記
垂直距離ω(=3.7)よりも小さくなって、コークフ
リー層が存在すると判定された。
【0039】しかし、還元鉄の装入割合を変化させず、
そのままの条件で操業を継続したところ、炉底温度はさ
らに上昇を続け、炉底温度及び炉底側壁温度がそれぞれ
16℃、20℃上昇した。以上より、炉底煉瓦損耗の危
険な状態にあると判定された。このときの炉底温度の推
移と、還元鉄装入のアクションを図6に示す。
【0040】(実施例5)炉容積4800m3 (炉床径
14.6m)、出銑口を4本有する高炉において、出銑
比2.0ton/日・m3 にて操業中に、炉底部及び炉
底側壁部に設置した温度計の指示値が、それぞれ9℃、
15℃上昇した。このときの装入物平均嵩密度、炉内圧
力損失はそれぞれ1.30g/cm3 、1.80kgf
/cm2 であり、炉底に設置した温度計の出力値から伝
熱計算により算出された出銑口高さから炉底稼働面まで
の垂直距離ωは3.9mであった。
【0041】以上の値を上記した数式1に代入すると、
炉芯浮上指数Hは、 H=−3.75α+4.95β+0.55γ−5.06 =−3.75×1.80+4.95×1.30+0.55×14.6 −5.06 =2.66 で、炉芯浮上指数H(=2.66)は前記垂直距離ω
(=3.9)よりも小さくなって、コークフリー層が存
在すると判定された。
【0042】そこで、炉頂からの装入鉄源の一部を還元
鉄とし、装入物平均嵩密度を1.65g/cm3 とした
操業を18時間継続したところ、炉底温度は引き続き高
いレベルを維持した。そこで、再度、数式1に基づいて
判定すると、他の条件に変化はないので、数式1の左辺
は、 左辺=−3.75×1.80+4.95×1.65+0.55×14.6 −5.06 =4.39 となって、炉芯浮上指数H(=4.39)は前記垂直距
離ω(=3.9)よりも大きくなり、コークフリー層は
存在しないと判定された。従って、操業条件を変更せず
に継続したところ、24時間後、炉底温度は上昇する前
のレベルにまで低下した。以上から、炉底煉瓦損耗の危
機は去ったと判定した。このときの炉底温度の推移と、
還元鉄装入のアクションを図7に示す。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高炉
の操業方法は、高炉炉底温度の上昇が見られた場合に、
装入鉄源の一部を還元鉄に置き換えることによって、炉
床部に発生したコークフリー層をなくし、炉底煉瓦の損
耗を抑制するので、高炉の操業寿命の延長が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】数学モデルにより計算された、コークフリー層
厚さと炉底熱負荷との関係を示した図である。
【図2】炉容積2700m3 、炉床径11.1mの高炉
において、装入鉄源の一部を還元鉄とした場合のコーク
ス装入量の低減効果を示した図である。
【図3】実施例1における炉底温度の推移と還元鉄装入
アクションのタイミングを示した図である。
【図4】実施例2における炉底温度の推移と還元鉄装入
アクションのタイミングを示した図である。
【図5】実施例3における炉底温度の推移と還元鉄装入
アクションのタイミングを示した図である。
【図6】実施例4における炉底温度の推移と還元鉄装入
アクションのタイミングを示した図である。
【図7】実施例5における炉底温度の推移と還元鉄装入
アクションのタイミングを示した図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 寿命延長化を図る高炉操業方法であっ
    て、高炉の炉底、或いは、炉底及び炉底側壁に温度計を
    設置し、この温度計の出力値が所定の温度を超えること
    で、炉底や炉底側壁耐火物の損耗を確認した場合に、下
    記の数式で求めた炉芯浮上指数Hが、前記温度計の検出
    値から推定する、出銑口から炉床稼働面までの平均距離
    ω(m)より小なる場合には、炉頂から装入する鉄源原
    料の一部を金属化率が50%以上である還元鉄に置き換
    えることを特徴とする高炉操業方法。 H=−3.75α+4.95β+0.55γ−5.06 但し、α:炉内圧力損失(kgf/cm2 )(送風圧−
    炉頂圧) β:装入物平均嵩密度(g/cm3 ) γ:炉床径(m)
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