JP5381235B2 - Mems構造体、memsデバイス及びその製造方法 - Google Patents

Mems構造体、memsデバイス及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5381235B2
JP5381235B2 JP2009083904A JP2009083904A JP5381235B2 JP 5381235 B2 JP5381235 B2 JP 5381235B2 JP 2009083904 A JP2009083904 A JP 2009083904A JP 2009083904 A JP2009083904 A JP 2009083904A JP 5381235 B2 JP5381235 B2 JP 5381235B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection electrode
vibrating body
detection
electrode
joined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009083904A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010238836A (ja
Inventor
晋 栗原
貴夫 熊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2009083904A priority Critical patent/JP5381235B2/ja
Publication of JP2010238836A publication Critical patent/JP2010238836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5381235B2 publication Critical patent/JP5381235B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Description

本発明は、振動体と、この振動体に対向する検出電極とを備え、振動体と検出電極との間の静電容量の変化を検出するMEMS構造体、さらにはMEMS構造体を用いたMEMSデバイス及びその製造方法に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術は、マイクロマシン技術の一つで、携帯電話などの小型電子機器に用いられる部品の製造技術として注目されている。
MEMS技術により形成されたMEMS構造体の一つとして、片持ち梁状や両持ち梁状の振動体と、この振動体に対向する検出電極とを備え、振動体と検出電極との間の静電容量の変化を検出するMEMS構造体が、角速度センサ、加速度センサなどの力学量センサのためのセンサ素子として用いられており、その構成は例えば特許文献1に示されている。
[従来の構成例]
図12により、従来のMEMS構造体及びその製造方法の構成例を示す。図12(a)は、振動体部1と検出電極部2とを接合する前の状態を示す側方断面図であり、図12(b)および図12(c)は、振動体部1と検出電極部2とを接合した後の状態を示す側方断面図(図12(c)のA−A断面図)および平面図である。
(イ)従来の構成例における振動体部の構成:
図12(a)に示されるように、振動体部1は、支持構造部11(例えば3200μm□)と可動部12(例えば梁長800μm、梁幅200μm、重錘サイズ800μm□)とを備えた構成となっている。そして、振動体部1は、支持構造部11より水平方向(図12(a)の紙面における右方向)に突出した梁12aの先端に、梁12aよりも幅の広い重錘部である振動体12bが形成されているとともに、梁12aと振動体12bとからなる可動部12と支持構造部11との間に空隙13(例えば深さ350μm)が形成され、振動体12bが支持構造部11に対して変位可能に支持されてなる片持ち梁状の構造をなしている。振動体12bは、可動電極として機能するものであり、梁12aおよび支持構造部11とともに、Si(シリコン)などの材料で形成されている。
(ロ)従来の構成例における検出電極部の構成:
図12(a)に示されるように、検出電極部2は、例えば電気絶縁材料からなる基板21(例えば2600μm□)に、検出電極22a(例えばサイズ600μm×550μm)、後段の電子回路と接続するための検出電極用接続パッド22c、検出電極22aと検出電極用接続パッド22cとの間を導通接続する検出電極用配線22b(例えば幅100μm)、および、可動電極用パッド23aを形成した構成となっている。
(ハ)従来の構成例における振動体部と検出電極部との接合:
振動体部1と検出電極部2とを、例えば陽極接合などにより接合して、図12(b)〜(c)に示されるMEMS構造体100を構成する。なお、上記の接合の後、例えばメタライズ処理などにより、可動電極用パッド23aと支持構造部11とが電気的に導通する構造とする。なお、陽極接合は、シリコンとガラスとを重ね合わせ、加熱して数百Vの直流電圧を印加し、Si-Oの共有結合をさせることで接合する技術であり、シリコンとガラスとが接合層を介さずに直接接合されるため、接合強度が強いという特長をもっている。
[MEMS構造体のセンサ素子への適用]
図12に示されるようにして作製されたMEMS構造体100は、振動体12b(可動電極)と検出電極22aとが間隔を空けて対向する構造であって、振動体12b(可動電極)と検出電極22aとの間の静電容量C1の変化を検出するセンサ素子として機能するものであり、この静電容量変化に基づいて検出される振動体の変位を通じて、加速度、角速度などの力学量を測定することができる。
特開2006−46995号公報
振動体(可動電極)と検出電極との間の静電容量C1の変化を検出するMEMS構造体において、振動体部と検出電極部とを接合した状態で振動体と検出電極との位置ずれが生じている場合、例えば下記(a)〜(b)のように、電極対向面積の減少などにより、静電容量変化に基づいて振動体の変位を正確に検出することができなくなり、このMEMS構造体を用いた加速度センサ、角速度センサなど力学量センサの測定精度が低いものとなる。
(a)振動体(可動電極)の検出電極面に対する垂直方向(図12(c)の紙面における奥行き方向)の変位に伴う電極間距離の変化による静電容量C1の変化を検出するMEMS構造体では、検出電極面に対する平行方向(図12(c)の紙面における上下方向または左右方向)に沿って振動体と検出電極との位置ずれが生じている場合、位置ずれの無い場合に比べて電極対向面積が小さい分だけ静電容量C1の大きさが小さくなっているので、例えば静電容量検出回路周辺の浮遊容量の影響をより大きく受けることなどにより、静電容量C1を正確に検出することができなくなり、これにより、振動体の変位を正確に検出することができなくなる。
(b)振動体(可動電極)の検出電極面に対する平行方向(図12(c)の紙面における上下方向)の変位に伴う電極対向面積の変化による静電容量C1の変化を検出するMEMS構造体では、検出電極面に対して平行であって上記変位の方向に直交する方向(図12(c)の紙面における左右方向)に沿って振動体と検出電極との位置ずれが生じている場合、位置ずれの無い場合に比べて電極対向面積が小さい分だけ静電容量C1の大きさが小さくなっているので、例えば静電容量検出回路周辺の浮遊容量の影響をより大きく受けることなどにより、静電容量C1を正確に検出することができなくなり、これにより、振動体の変位を正確に検出することができなくなる。また、上記変位の方向(図12(c)の紙面における上下方向)に沿って振動体と検出電極との位置ずれが生じている場合、振動体が基準位置にある状態での静電容量C1の大きさが位置ずれの無い場合の静電容量値からずれているので、振動体の変位を正確に検出することができなくなる。
そして、振動体部と検出電極部とを接合した状態での振動体(可動電極)と検出電極との位置ずれの要因としては、検出電極部の作製工程において基板上に検出電極を形成する際の位置誤差、および、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差が考えられる。
図13は、図12のMEMS構造体における位置ずれを示す説明図であって、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差が生じた場合における接合後のMEMS構造体を示すものである。図13の(a)および(b)は、振動体部1と検出電極部2とを接合した後の状態を示す側方断面図(図13(b)のA−A断面図)および平面図であって、それぞれ、図12の(b)および(c)に対応している。図13(b)において、支持構造部11に対する基板21の相対位置、すなわち振動体部1に対する検出電極部2の相対位置が、2点鎖線で示される基準位置に対して紙面の左方向および下方向にそれぞれL1aおよびL1bだけずれている。検出電極部2の作製工程において基板21上に検出電極22aを形成する際の位置誤差がない場合には、振動体12b(可動電極)に対する検出電極22aの相対位置も、上記と同じずれ量L1aおよびL1bだけずれている。
そして、図13では、振動体12b(可動電極)に対する検出電極22aの相対位置ずれ(L1a、L1b)により、上記(a)〜(b)項で述べたように、静電容量変化に基づいて振動体12bの変位を正確に検出することができなくなっている。
このため、本発明は、上記の問題点を解決し、振動部と検出電極との位置ずれを抑えることで静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度をより高くすることのできるMEMS構造体、MEMSデバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、MEMS構造体を、支持構造部と前記支持構造部に対して変位可能に支持された振動体とからなる振動体部と、基板と前記基板上に形成された検出電極とからなる検出電極部とを備えるとともに、振動体と検出電極とが間隔を空けて対向するようにして前記振動体部と前記検出電極部とが接合され、振動体と検出電極との間の静電容量の変化を検出するように構成されたMEMS構造体において、前記検出電極が互いに分離された複数の小電極から構成されていることにより、振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、1つ以上の小電極を選択することができるようにされている構成とする(請求項1の発明)。
上記請求項1の発明によれば、検出電極部の作製工程において基板上に検出電極を形成する際の位置誤差、および、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差の両方への対策として、振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、1つ以上の小電極を例えば後段に接続されるスイッチ回路などによって選択することにより、検出電極部の作製時や振動体部と検出電極部との接合時に生じる電極位置ずれに合わせて、静電容量変化の検出に適合した位置にある小電極を検出電極として用いることができ、これにより、静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度をより高くすることができるようになる。
そして、上記請求項1に記載のMEMS構造体においては、前記基板が透明な板状部材で構成されていることにより、振動体部と検出電極部との接合時に、検出電極部における各小電極の位置を反振動体部側の外部から光学的に確認することができるようにされている構成とするとよい(請求項2の発明)。
上記請求項2の発明によれば、検出電極部の作製工程において基板上に検出電極を形成する際の位置誤差、および、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差の両方への更なる対策として、振動体部と検出電極部との接合時に、検出電極部における各小電極の位置を反振動体部側の外部から透明な基板を介して例えば光学顕微鏡などの光学的手段によって確認しながら位置合わせを行うことができるので、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを小さく抑えることができる。これにより、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれが大きくなり過ぎて、検出電極を構成する全ての小電極の位置が静電容量変化の検出には適合しない位置となるような不具合を防止することができる。したがって、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極を選択して静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度を高くすることが確実にできるようになる。
また、上記請求項1に記載のMEMS構造体においては、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを抑えるための嵌合部を設けた構成としてもよい(請求項3の発明)。
上記請求項3の発明によれば、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差への更なる対策として、振動体部と検出電極部との接合時に、上記嵌合部が嵌合するようにして位置合わせすることにより、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを小さく抑えることができる。これにより、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれが大きくなり過ぎて、検出電極を構成する全ての小電極の位置が静電容量変化の検出には適合しない位置となるような不具合を防止することができる。したがって、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極を選択して静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度を高くすることが確実にできるようになる。
そして、上記請求項3に記載のMEMS構造体においては、前記嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に、検出電極部の外周形状に嵌合する内周形状を持つ振動体部側の凹部を形成した構成とするとよい(請求項4の発明)。
また、上記請求項3に記載のMEMS構造体においては、前記嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に振動体部側の凸部(または凹部)を形成するとともに、検出電極部における振動体部との対向面に前記振動体部側の凸部(または凹部)と嵌合する検出電極部側の凹部(または凸部)を形成した構成としてもよい(請求項5の発明)。
また、本発明によれば、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のMEMS構造体を用いたMEMSデバイスを、前記各小電極が接続されたスイッチ回路を設けていることにより、振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、1つ以上の小電極を前記スイッチ回路によって選択することができるようにされている構成とする(請求項6の発明)。
上記請求項6の発明によれば、振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、1つ以上の小電極をスイッチ回路によって選択することにより、検出電極部の作製時や振動体部と検出電極部との接合時に生じる電極位置ずれに合わせて、静電容量変化の検出に適合した位置にある小電極を検出電極として用いることができ、これにより、静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度をより高くすることができるようになる。
さらに、本発明によれば、MEMSデバイスの製造方法を、支持構造部と前記支持構造部に対して変位可能に支持された振動体とからなる振動体部と、基板と前記基板上に形成された検出電極とからなる検出電極部とを備えるとともに、振動体と検出電極とが間隔を空けて対向するようにして前記振動体部と前記検出電極部とが接合され、振動体と検出電極との間の静電容量の変化を検出するように構成されたMEMS構造体を用いたMEMSデバイスの製造方法において、前記検出電極を互いに分離された複数の小電極から構成するとともに、前記各小電極が接続されたスイッチ回路を設けておき、振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、1つ以上の小電極を前記スイッチ回路によって選択するようにした構成とする(請求項7の発明)。
上記請求項7の発明によれば、検出電極部の作製工程において基板上に検出電極を形成する際の位置誤差、および、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差の両方への対策として、振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、1つ以上の小電極をスイッチ回路によって選択することにより、検出電極部の作製時や振動体部と検出電極部との接合時に生じる電極位置ずれに合わせて、静電容量変化の検出に適合した位置にある小電極を検出電極として用いることができ、これにより、静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度をより高くすることができるようになる。
そして、請求項7に記載のMEMSデバイスの製造方法においては、前記基板を透明な板状部材で構成しておき、振動体部と検出電極部との接合時に、検出電極部における各小電極の位置を反振動体部側の外部から光学的に確認するようにする構成とするよい(請求項8の発明)。
上記請求項8の発明によれば、検出電極部の作製工程において基板上に検出電極を形成する際の位置誤差、および、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差の両方への更なる対策として、振動体部と検出電極部との接合時に、検出電極部における各小電極の位置を反振動体部側の外部から透明な基板を介して例えば光学顕微鏡などの光学的手段によって確認しながら位置合わせを行うことにより、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを小さく抑えることができる。これにより、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれが大きくなり過ぎて、検出電極を構成する全ての小電極の位置が静電容量変化の検出には適合しない位置となるような不具合を防止することができる。したがって、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極を選択して静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度を高くすることが確実にできるようになる。
また、請求項7に記載のMEMSデバイスの製造方法においては、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを抑えるための嵌合部を設けておき、振動体部と検出電極部との接合時に、前記嵌合部が嵌合するようにして位置合わせする構成としてもよい(請求項9の発明)。
上記請求項9の発明によれば、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差への更なる対策として、振動体部と検出電極部との接合時に、上記嵌合部が嵌合するようにして位置合わせすることにより、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを小さく抑えることができる。これにより、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれが大きくなり過ぎて、検出電極を構成する全ての小電極の位置が静電容量変化の検出には適合しない位置となるような不具合を防止することができる。したがって、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極を選択して静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度を高くすることが確実にできるようになる。
そして、請求項9に記載のMEMSデバイスの製造方法においては、前記嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に、検出電極部の外周形状に嵌合する内周形状を持つ振動体部側の凹部を形成しておき、振動体部と検出電極部との接合時に、検出電極部と、振動体部側の凹部とが嵌合するようにして位置合わせする構成とするよい(請求項10の発明)。
また、請求項9に記載のMEMSデバイスの製造方法においては、前記嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に振動体部側の凸部(または凹部)を形成するとともに、検出電極部における振動体部との対向面に前記振動体部側の凸部(または凹部)と嵌合する検出電極部側の凹部(または凸部)を形成しておき、振動体部と検出電極部との接合時に、振動体部側の凸部(または凹部)と、検出電極部側の凹部(または凸部)とが嵌合するようにして位置合わせする構成としてもよい(請求項11の発明)。
本発明によれば、上述のように、検出電極部の作製時や振動体部と検出電極部との接合時に生じる電極位置ずれに合わせて、静電容量変化の検出に適合した位置にある小電極を検出電極として用いることができ、これにより、静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度をより高くすることができるようになる。
本発明の実施例1によるMEMS構造体の製造方法の概略工程図 図1のMEMS構造体における振動体部の構造図 図1のMEMS構造体における検出電極部の構造図 図1のMEMS構造体における位置ずれを示す説明図 図1のMEMS構造体を用いたMEMSデバイスの回路構成例を示す回路図 本発明の実施例2によるMEMS構造体の製造方法の概略工程図 本発明の実施例3によるMEMS構造体の製造方法の概略工程図 図7のMEMS構造体における振動体部の構造図 本発明の実施例4によるMEMS構造体の製造方法の概略工程図 図9のMEMS構造体における振動体部の構造図 図9のMEMS構造体における検出電極部の構造図 従来のMEMS構造体の製造方法の概略工程図 図12のMEMS構造体における位置ずれを示す説明図
以下、本発明の実施形態を図1〜図11に示す実施例に基づいて説明する。同一の構成要素については、同一の符号を付け、重複する説明は省略する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。
[本発明の実施形態]
本発明の実施例1は、検出電極部の作製工程において基板上に検出電極を形成する際の位置誤差、および、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差の両方への対策として、検出電極を互いに分離された複数の小電極から構成しておき、振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、1つ以上の小電極を例えば後段に接続されるスイッチ回路などによって選択するものである。これにより、実施例1では、検出電極部の作製時や振動体部と検出電極部との接合時に生じる電極位置ずれに合わせて、静電容量変化の検出に適合した位置にある小電極を検出電極として用いることができる。
図1〜図5により、本発明の実施例1によるMEMS構造体、MEMSデバイス及びその製造方法の構成を示す。図1は、本発明の実施例1によるMEMS構造体100Aの製造方法の概略工程図であり、図1(b)〜(c)には振動体部1Aと検出電極部2Aとが接合されてなるMEMS構造体100Aの構造が示されている。また、図2は振動体部1Aの構造図であり、図3は検出電極部2Aの構造図である。また、図4は図12のMEMS構造体100Aにおける位置ずれを示す説明図である。さらに、図5は図1のMEMS構造体100Aを用いたMEMSデバイスの回路構成例を示す回路図である。図1〜図5において、図12に示す従来の構成例と機能の同じ要素は、同一の符号を付して示し、従来の構成例(図12)と異なっている部分のみを説明する。
(イ)実施例1における振動体部の構成:
図2(a)および図2(b)は、それぞれ、振動体部1Aの側方断面図(図2(b)のA−A断面図)および平面図である。図2に示されるように、振動体部1Aは、図12で述べた振動体部1と同様に、支持構造部11(例えば3200μm□)と可動部12(例えば梁長800μm、梁幅200μm、重錘サイズ800μm□)とを備えた構成となっている。
そして、振動体部1Aは、支持構造部11より水平方向(図2(a)の紙面における右方向)に突出した梁12aの先端に、梁12aよりも幅の広い重錘部である振動体12bが形成されているとともに、梁12aと振動体12bとからなる可動部12と支持構造部11との間に空隙13(例えば深さ350μm)が形成され、振動体12bが支持構造部11に対して変位可能に支持されてなる片持ち梁状の構造をなしている。振動体12bは、可動電極として機能するものであり、梁12aおよび支持構造部11とともに、Si(シリコン)などの材料で形成されている。
また、振動体部1Aと検出電極部2Aとが接合された状態で振動体部1AのSi(シリコン)などからなる支持構造部11と検出電極部2Aの検出電極22aおよび検出電極用配線22bとが接触しないようにするために、振動体部1Aの上面側(図2(a)における上側)には、上面からの深さd1の凹部14が形成されている。
なお、振動体部1Aの作製には、例えば、上部Si層と下部Si層とをSiO2からなる絶縁層で挟み込んだSOI(Silicon on Insulator)ウェハを用いることができる。SOIウェハとしては、下部Si層の厚さが200〜525μm、絶縁層の厚さが0.2〜1.0μm、上部Si層の厚さが2〜30μmのものが一例として挙げられる。このSOIウェハを用いて、フォトリソグラフィなどにより、振動体12と支持構造部11との間の空隙13、および凹部14などを形成して、振動体部1Aを作製する。
(ロ)実施例1における検出電極部の構成:
図3(a)および図3(b)は、それぞれ、検出電極部2Aの側方断面図(図3(b)のA−A断面図)および平面図である。図3に示されるように、検出電極部2Aは、例えば電気絶縁材料からなる基板21(例えば2600μm□)に、検出電極、後段の電子回路と接続するための検出電極用接続パッド、検出電極と検出電極用接続パッドとの間を導通接続する検出電極用配線、および、可動電極用パッドを形成した構成であって、図12に示される従来の検出電極部2と基本的な構成は同様であるが、次の点で異なっている。
すなわち、この実施例1による検出電極部2Aでは、図3(b)のように、検出電極を複数の小電極22a1〜22an(例えばサイズ250μm×225μm)(nは2以上の整数であって、図3(b)ではn=5)で構成するとともに、検出電極用配線として、各小電極22a1〜22anにそれぞれ接続された複数の小電極用配線22b1〜22bn(例えば幅100μm)を形成しておく。また、検出電極用接続パッドとして、小電極用配線22b1〜22bnの各端部にはそれぞれ小電極用接続パッド22c1〜22cnを設け、図示されない後段のスイッチ回路に接続可能としておく。
そして、基板21における小電極用接続パッド22c1〜22cnの部分には貫通孔22d1〜22dnを形成するとともに貫通孔22d1〜22dnの内周面に金属層22e1〜22enを形成しており、この金属層22e1〜22enを介して小電極用接続パッド22c1〜22cnと小電極用配線22b1〜22bnとを電気的に接続するようにしている。また、基板21における可動電極用パッド23aの部分には貫通孔23bを形成するとともに貫通孔23bの内周面に可動電極用パッド23aと電気的に接続された金属層23cを形成している。
なお、検出電極部2Aにおける小電極22a1〜22an、小電極用配線22b1〜22bn、小電極用接続パッド22c1〜22cnおよび可動電極用パッド23aは、例えば、ガラス板からなる基板21上に銅などの金属膜を蒸着,スパッタなどの方法で薄膜状に成膜し、この金属膜表面に、所望の小電極、小電極用配線、小電極用接続パッドおよび可動電極用パッドの形状となるようにレジストパターニングを行った後、ドライエッチングやウェットエッチングにより金属膜のうちの不要な部分を除去して、小電極22a1〜22an、小電極用配線22b1〜22bn、小電極用接続パッド22c1〜22cnおよび可動電極用パッド23aの金属膜部分だけを残すことにより形成することができる。
また、上記の貫通孔22d1〜22dn,貫通孔23bは、例えばガラス板からなる基板21に対してサンドブラストなどの方法で加工することができ、貫通孔22d1〜22dn,貫通孔23bの内周面の金属層22e1〜22en,23cは無電解メッキなどの方法で形成することができる。
また、検出電極部2Aにおける基板21として、ガラス板の代わりにSi基板を用いてもよい。基板21としてSi基板を用いる場合には、基板21上に例えばSiO2などの絶縁層を形成した上で、この絶縁層上に小電極22a1〜22an、小電極用配線22b1〜22bnおよび小電極用接続パッド22c1〜22cnを形成することにより検出電極部2Aを作製することができる。
なお、本発明における小電極の個数nは、図3(b)に示される5個に限定されるものでない。
(ハ)実施例1における振動体部と検出電極部との接合:
図1(a)は、振動体部1Aと検出電極部2Aとを接合する前の状態を示す側方断面図であり、図1(b)および図1(c)は、振動体部1Aと検出電極部2Aとを接合した後の状態を示す側方断面図(図1(c)のA−A断面図)および平面図である。図1に示されるように、振動体部1Aと検出電極部2Aとを、例えば陽極接合などにより接合して、図1(b)〜(c)に示されるMEMS構造体を構成する。
なお、上記の接合の後、検出電極部2Aにおける貫通孔23bの内周面および支持構造部11の上面部領域23dをメタライズ処理して、可動電極用パッド23aと支持構造部11とが電気的に導通する構造とする。なお、図1(a)には、上述のように、接合前の検出電極部2Aにおける貫通孔23bの内周面に、可動電極用パッド23aに接続された金属層23cが既に形成されている構成を示しているが、貫通孔23bの内周面の金属層23cは、接合の後におけるメタライズ処理によって初めて形成される構成としてもよい。
(ニ)小電極の選択方式:
振動体部1Aと検出電極部2Aとの接合時に生じる振動体12bと検出電極(複数の小電極22a1〜22an)との位置ずれの量に合わせて上記複数の小電極22a1〜22anの内の1つ以上の小電極を検出電極として選択して利用する。小電極の選択にはスイッチ回路を用いる。すなわち、各小電極22a1〜22anを後段の電子回路部におけるスイッチ回路に接続し、スイッチ回路のON・OFFによって利用する小電極を1つ以上選択する。
複数の小電極22a1〜22anを用意しておくことで、振動体部1Aと検出電極部2Aとが接合された状態での振動体12bと検出電極(複数の小電極22a1〜22an)との位置ずれの態様によって、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極を検出電極として選択することができ、これにより、静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度をより高くすることができるようになる。
この実施例1を適用することは、電極位置ずれ対策として次の2つの点で有効である。
(a)検出電極部2Aの作製工程において基板21上に形成される検出電極の位置ずれに対応した位置補正を行なうことができる。
(b)振動体部1Aと検出電極部2Aとの接合工程において位置合わせ(アライメント)する際に生じる位置ずれに対応した位置補正を行なうことができる。
なお、小電極の選択方式としては、例えば、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極として、振動体12bの中心位置に最も近い1つの小電極を選択するようにしてもよく、振動体12bの中心位置に近い2つ以上の小電極を選択するようにしてもよい。
また、検出電極として用いる小電極を選択する前に,いずれの小電極が振動体12bの中心位置に近いかを判定する方法としては、例えば、後段の電子回路部におけるスイッチ回路による切り替え操作によって各小電極22a1〜22anと振動体12bとの間の各静電容量Ca1〜Canをそれぞれ個別に測定し、より大きな静電容量値が測定された小電極を、振動体12bの中心位置により近い小電極であると判定する方法を適用することもできる。なお、上記の静電容量測定は、例えば後述の図5に示されるような、後段の電子回路部におけるスイッチ回路に接続された静電容量測定回路で行うことができる。
(ホ)MEMS構造体における位置ずれへの対応例:
図4は、図1のMEMS構造体100Aにおける位置ずれの例を示す説明図であって、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差が生じた場合における接合後のMEMS構造体を示すものである。
図4の(a)および(b)は、振動体部1と検出電極部2とを接合した後の状態を示す側方断面図(図4(b)のA−A断面図)および平面図であって、それぞれ、図1の(b)および(c)に対応している。図4(b)において、支持構造部11に対する基板21の相対位置、すなわち振動体部1Aに対する検出電極部2Aの相対位置が、2点鎖線で示される基準位置に対して紙面の左方向および下方向にそれぞれL1aおよびL1bだけずれている。検出電極部2Aの作製工程において基板21上に検出電極(複数の小電極22a1〜22an)を形成する際の位置誤差がない場合には、振動体12b(可動電極)に対する検出電極(複数の小電極22a1〜22an)の相対位置も、上記と同じずれ量L1aおよびL1bだけずれている。
そして、実施例1では、このような振動体部1Aと検出電極部2Aとが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、静電容量変化の検出に適合した位置にある小電極として、振動体12bの中心位置に最も近い1つの小電極(図4(b)では小電極22a4)を選択するようにしてもよく、また、振動体12bの中心位置に2つ以上の小電極(図4(b)では、例えば、最も近い小電極22a4と、2番目に近い小電極22a3との2つ)を選択するようにしてもよく、これにより、静電容量変化の検出に適合した位置にある小電極を検出電極として用いることができ、静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度をより高くすることができるようになる。
(ヘ)スイッチ回路の構成例:
上述のMEMS構造体100Aを用いてMEMSデバイスを構成する場合、例えば図5に示されるようなスイッチ回路を含む電子回路部200を後段に設ける。
図5において、MEMS構造体100Aに電子回路部200が接続されており、電子回路部200には、MEMS構造体100Aの小電極22a1〜22a5にそれぞれ接続されるスイッチSW1〜SW5からなるスイッチ回路231が設けられている。スイッチSW1〜SW5は、スイッチ制御回路232からの制御指令信号S1〜S5によって、それぞれa側あるいはb側いずれかの接続状態に制御される。そして、スイッチSW1〜SW5のa側は、演算増幅器233の反転入力端子に接続されているとともに、スイッチSW1〜SW5のb側は、演算増幅器233の非反転入力端子に接続されている。なお、スイッチSW1〜SW5は、図5では接点の記号で図示されているが、半導体スイッチ素子で構成することもできる。
また、演算増幅器233の非反転入力端子には交流信号発生器234が接続されているとともに、演算増幅器233の反転入力端子と出力端子との間には帰還抵抗235(Rf)が接続されている。
小電極22a1〜22a5のうち例えば小電極22a4を検出電極として選択した場合、スイッチSW1〜SW5のうち、スイッチSW4だけがa側の接続状態となり、他のスイッチSW1〜SW3,SW5はb側の接続状態となる。このため、小電極22a4だけが検出電極として演算増幅器233の反転入力端子に接続されるとともに、小電極22a1〜22a3,22a5は接地電位(GND)から浮いた状態で演算増幅器233の非反転入力端子に接続されることになる。なお、振動子12b(可動電極)は接地電位(GND)に接続されている。
このような接続状態において、演算増幅器233には帰還抵抗235を介した負帰還がかかっているとともに演算増幅器233の開ループ利得が極めて大きいことから、演算増幅器233の入力側はイマジナリー・ショートの状態であって、反転入力端子・非反転入力端子間の電位差がほぼ零となっている。
そして、交流信号発生器234から演算増幅器233の非反転入力端子に交流信号が印加されているので、演算増幅器233の出力電圧Voは、Vo=Vi(1+jωRf*Cx)となる。ここで、Cxは振動体12bと(検出電極として選択されている)小電極22a4との間の静電容量値であり、Rfは帰還抵抗235の抵抗値であり、さらに、Vi及びωは、交流信号発生器234からの交流信号の電圧及び角周波数である。
従って、演算増幅器233の出力電圧Voを測定することにより、振動体12bと(検出電極として選択されている)小電極22a4との間の静電容量を検出することができる。
ここで、図5の構成において、検出電極として選択されている小電極22a4から演算増幅器233の入力側までの小電極用配線22b4などの導体ラインと、検出電極として選択されていない小電極22a1〜22a3,22a5から演算増幅器233の入力側までの小電極用配線22b1〜22b3,22b5などの導体ラインとの間には浮遊容量が形成されており、導体ラインのレイアウトによっては、上記の導体ライン間の浮遊容量が、振動体12bと(検出電極として選択されている)小電極22a4との間の静電容量に対して無視できない大きさとなる可能性が有る。
しかしながら、図5の構成では、上述のように、演算増幅器233の入力側がイマジナリー・ショートの状態にあることにより、上記の導体ライン間の浮遊容量がキャンセルされるので、小電極22a4を検出電極とした静電容量検出の精度への影響を抑えることができる。
なお、図5では、5個の小電極(22a1〜22a5)及び対応する5個のスイッチ(SW1〜SW5)を備えた回路構成例が示されているが、小電極の個数及び対応するスイッチの個数は5個に限定されるものでない。
また、本発明によるMEMSデバイスにおける電子回路部の構成は、図5の回路構成に限定されるものではなく、複数の小電極22a1〜22anから1つ以上の小電極を検出電極として選択することができるとともに上記のような導体ライン間などの浮遊容量の影響を抑える対策が図られた構成であればよい。
本発明の実施例2は、実施例1の構成に加えて、検出電極部の作製工程において基板上に検出電極を形成する際の位置誤差、および、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差の両方への更なる対策を施すものであって、前記基板を透明な板状部材で構成しておき、振動体部と検出電極部との接合時に、検出電極部における各小電極の位置を反振動体部側の外部から透明な基板を介して例えば光学顕微鏡などの光学的手段によって確認しながら位置合わせするものである。これにより、実施例2では、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを小さく抑えることができるので、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれが大きくなり過ぎて、検出電極を構成する全ての小電極の位置が静電容量変化の検出には適合しない位置となるような不具合を防止することができ、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極を選択して静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度を高くすることが確実にできるようになる。
図6により、本発明の実施例2によるMEMS構造体及びその製造方法の構成を示す。図6は、本発明の実施例2によるMEMS構造体の製造方法の概略工程図であり、図6(b)〜(c)には振動体部1Bと検出電極部2Bとが接合されてなるMEMS構造体100Bの構造が示されている。図6において、図12に示す従来の構成例、あるいは、図1〜5で説明した実施例1と機能の同じ要素は、同一の符号を付して示し、異なっている部分のみを説明する。
(イ)実施例2における振動体部の構成:
実施例2における振動体部1Bは、実施例1における振動体部1A(図2)と同様な構成のものを用いることができる。
(ロ)実施例2における検出電極部の構成:
実施例2における検出電極部2Bは、実施例1における検出電極部2A(図3)と同様な構造のものを用いることができるが、特に、基板21として透明なガラス板を用いている点に特徴がある。これにより、実施例2では、振動体部1Bと検出電極部2Bとを接合する際に、検出電極部2Bにおける小電極22a1〜22anの位置を透明な基板21を介して光学的手段によって確認することができる。
なお、検出電極部2Bにおける基板21は、上記のガラス板に限定されるものではなく、光学的に透明な板状部材であればよい。
(ハ)実施例2における振動体部と検出電極部との接合:
図6(a)は、振動体部1Bと検出電極部2Bとを接合する前の状態を示す側方断面図であり、図6(b)および図6(c)は、振動体部1Bと検出電極部2Bとを接合した後の状態を示す側方断面図(図6(c)のA−A断面図)および平面図である。図6に示されるように、振動体部1Bと検出電極部2Bとを、例えば陽極接合などにより接合して、図6(b)〜(c)に示されるMEMS構造体100Bを構成する。
そして、実施例2では、上記のように、検出電極部4Bにおける基板21として透明なガラス板を用いているので、振動体部1Bと検出電極部2Bとを接合する際に、検出電極部2Bにおける小電極22a1〜22anの振動体部1Bに対する相対的な位置を透明な基板21を介して例えば光学顕微鏡などの光学的手段により確認しながら、例えば次のような基準に基づいて位置合わせを行なうことができる。
(a)小電極22a1〜22anのうち、1つの小電極(例えば22a3)の位置が、振動体12bの中心位置と一致するように位置合わせする。
(b)小電極22a1〜22anのうち、極力多数の小電極の位置が、振動体12bに対向する領域内に入るように位置合わせする。
なお、図6は、検出電極部2Bの作製工程において基板上11に検出電極(小電極22a1〜22an)を形成する際の位置誤差に対応するため、透明な基板21を介して光学的手段により確認しながら、小電極22a1〜22anのうち中央部の小電極である小電極22a3の位置が振動体12bの中心位置に最も近くなるように位置合わせした場合の接合状態を示している。このような基板上における検出電極形成位置の誤差に対応するための位置合わせを行う場合、支持構造部11に対する基板21の相対位置は基準位置(図6(c)の2点鎖線)に対して(例えば図6(c)では紙面の左方向および下方向にそれぞれL2aおよびL2bだけ)ずれることになるが、振動体12bと検出電極との位置関係はより適正なものとなる。
また、実施例2では、検出電極部2Bにおける基板21として透明なガラス板を用いていることにより、振動体部1Bと検出電極部2Bとを接合した後も、振動体12bと検出電極部2Bの小電極22a1〜22anとの位置関係を透明な基板21を介して光学的手段によって確認することができるので、静電容量変化の検出に適合した位置にある小電極を検出電極として選択する作業を確実に行なうことができる。
したがって、位置合わせ(アライメント)する際の電極位置ずれ対策として、この実施例2の構成を用いることで、実施例1よりも更に正確に静電容量変化を検出することが可能となる。
本発明の実施例3は、実施例1の構成に加えて、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差への更なる対策を施すものであって、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを抑えるための嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に、検出電極部の外周形状に嵌合する内周形状を持つ振動体部側の凹部を形成しておき、振動体部と検出電極部との接合時に、検出電極部が振動体部の凹部内に嵌合するようにして位置合わせするものである。これにより、実施例3では、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを小さく抑えることができるので、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれが大きくなり過ぎて、検出電極を構成する全ての小電極の位置が静電容量変化の検出には適合しない位置となるような不具合を防止することができ、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極を選択して静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度を高くすることが確実にできるようになる。
図7〜図8により、本発明の実施例3によるMEMS構造体及びその製造方法の構成を示す。図7は、本発明の実施例3によるMEMS構造体の製造方法の概略工程図であり、図7(b)および図7(c)には振動体部1Cと検出電極部2Cとが接合されてなるMEMS構造体100Cの構造が示されている。また、図8は振動体部1Cの構造図である。図7〜図8において、図12に示す従来の構成例、あるいは、図1〜5で説明した実施例1と機能の同じ要素は、同一の符号を付して示し、異なっている部分のみを説明する。
(イ)実施例3における振動体部の構成:
図8(a)および図8(b)は、それぞれ、振動体部1Cの側方断面図(図8(b)のA−A断面図)および平面図である。
実施例3における振動体部1C(図8)は、実施例1における振動体部1A(図2)に対して、振動体部1Cにおける検出電極部2Cとの対向面に、検出電極部2Cの外周形状に嵌合する内周形状を持つ凹部15を形成しておく点に特徴があり、それ以外の点では、振動体部1A(図2)と同様である。
すなわち、実施例3では、振動体12bと検出電極(複数の小電極22a1〜22an)との位置ずれを抑制するため、振動体部1Cと検出電極部2Cとの接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差への対策として、振動体部1Cに深さd2(例えば1μm)の凹部15をエッチングにより形成しておく。ここで、この凹部15の内周形状は、検出電極部2Cの外周形状(例えば2600μm□)に合わせておき、振動体部1Cの凹部15と検出電極部2Cとが嵌合できるようにしておく。
(ロ)実施例3における検出電極部の構成:
実施例3における検出電極部2Cとしては、図3に示される実施例1の検出電極部2Aと同様な構成のものを用いることができる。
(ハ)実施例3における振動体部と検出電極部との接合
図7(a)は、振動体部1Cと検出電極部2Cとを接合する前の状態を示す側方断面図であり、図7(b)および図7(c)は、振動体部1Cと検出電極部2Cとを接合した後の状態を示す側方断面図(図7(c)のA−A断面図)および平面図である。図7に示されるように、振動体部1Cと検出電極部2Cとを、例えば陽極接合などにより接合して、図7(b)〜(c)に示されるMEMS構造体100Cを構成する。
そして、実施例3では、振動体部1Cと検出電極部2Cとの接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差への対策として、ボンダーにて振動体部1Cと検出電極部2Cとを陽極接合などにより接合する前に、図7に示されるように、検出電極部2Cが振動体部1Cの凹部15内に嵌合するようにして位置合わせすることにより、接合工程における位置あわせ(アライメント)の際に生じる振動体12bと検出電極(複数の小電極22a1〜22an)との位置ずれを抑えることができる。
本発明の実施例4は、実施例1の構成に加えて、振動体部と検出電極部との接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差への更なる対策を施すものであって、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを抑えるための嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に振動体部側の凸部(または凹部)を形成するとともに、検出電極部における振動体部との対向面に前記振動体部側の(凸部または凹部)と嵌合する検出電極部側の(凹部または凸部)を形成しておき、振動体部と検出電極部との接合時に、振動体部側の(凸部または凹部)と、検出電極部側の(凹部または凸部)とが嵌合するようにして位置合わせするものである。これにより、実施例4では、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを小さく抑えることができるので、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれが大きくなり過ぎて、検出電極を構成する全ての小電極の位置が静電容量変化の検出には適合しない位置となるような不具合を防止することができ、静電容量変化の検出に適合した位置にある1つ以上の小電極を選択して静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度を高くすることが確実にできるようになる。
図9〜図11により、本発明の実施例4によるMEMS構造体及びその製造方法の構成を示す。図9は、本発明の実施例4によるMEMS構造体の製造方法の概略工程図であり、図9(b)〜(c)には振動体部1Dと検出電極部2Dとが接合されてなるMEMS構造体100Dの構造が示されている。また、図10は振動体部1Dの構造図であり、図11は検出電極部2Dの構造図である。図9〜図11において、図12に示す従来の構成例、あるいは、図1〜5で説明した実施例1と機能の同じ要素は、同一の符号を付して示し、異なっている部分のみを説明する。
(イ)実施例4における振動体部の構成:
図10(a)および図10(b)は、それぞれ、振動体部1Dの側方断面図(図10(b)のA−A断面図)および平面図である。
実施例4における振動体部1D(図10)は、実施例1における振動体部1A(図2)に対して、検出電極部2Dの凸部26と対応する位置に、凸部26の外周形状に嵌合する内周形状を持つ振動体部側の凹部16をエッチング等により形成しておく点に特徴があり、それ以外の点では、振動体部1A(図2)と同様である。
(ロ)実施例4における検出電極部の構成:
図11(a)および図11(b)は、それぞれ、検出電極部2Dの側方断面図(図11(b)のA−A断面図)および平面図である。
実施例4における検出電極部2D(図11)は、実施例1における検出電極部2A(図3)に対して、振動体部1Dの凹部16と対応する位置に、凹部16の内周形状に嵌合する外周形状を持つ凸部26を成膜等により形成しておく点に特徴があり、それ以外の点では、検出電極部2A(図3)と同様である。
(ハ)実施例4における振動体部と検出電極部との接合
図9(a)は、振動体部1Dと検出電極部2Dとを接合する前の状態を示す側方断面図であり、図9(b)および図9(c)は、振動体部1Dと検出電極部2Dとを接合した後の状態を示す側方断面図(図9(c)のA−A断面図)および平面図である。図9に示されるように、振動体部1Dと検出電極部2Dとを、例えば陽極接合などにより接合して、図9(b)〜(c)に示されるMEMS構造体100Dを構成する。
そして、実施例4では、振動体部1Dと検出電極部2Dとの接合工程において両者を位置合わせ(アライメント)する際の位置誤差への対策として、ボンダーにて振動体部1Dと検出電極部2Dとを陽極接合などにより接合する前に、図9に示されるように、振動体部1D側の凹部16と検出電極部2D側の凸部26とが嵌合するようにして位置合わせすることにより、接合工程における位置合わせ(アライメント)の際に生じる振動体12bと検出電極(複数の小電極22a1〜22an)との位置ずれを抑えることができる。
(ニ)実施例4における位置合わせ用の凸部および凹部:
実施例4における位置合わせ用の凸部26及び凹部16のそれぞれの平面形状は、図9〜図11に示されるように矩形であってもよく、その他の形状であってもよい。
凸部26及び凹部16のそれぞれの個数は、図9〜図11に示される2個に限定されるものではなく、それ以上の個数であってもよく、凸部26と凹部16とが嵌合した状態で振動体部1Dと検出電極部2Dとの接合面上での相対的位置関係が確実に規定されるものであればよい。そして、凸部26及び凹部16のそれぞれの平面形状が、円形以外の形状、例えば図9〜図11に示される矩形である場合には、凸部26及び凹部16のそれぞれの個数が1個であっても、凸部26と凹部16とが嵌合した状態で振動体部1Dと検出電極部2Dとの接合面上での相対的位置関係が規定されるので、適用可能である。
(ニ)別の構成例:
実施例4では、上述のように、振動体部1Dにおける検出電極部2Dとの対向面に振動体部側の凹部16を形成するとともに、検出電極部2Dにおける振動体部1Dとの対向面に振動体部側の凹部16と嵌合する検出電極部側の凸部26を形成しておき、振動体部1Dと検出電極部2Dとの接合時に、振動体部側の凹部16と検出電極部側の凸部26とが嵌合するようにして位置合わせする構成としている。本発明においては、上記構成に代えて、振動体部側と検出電極部側とで凹部と凸部とを逆にした構成、すなわち、振動体部における検出電極部との対向面に振動体部側の凸部を形成するとともに、検出電極部における振動体部との対向面に前記振動体部側の凸部と嵌合する検出電極部側の凹部を形成しておき、振動体部と検出電極部との接合時に、振動体部側の凹部と検出電極部側の凸部とが嵌合するようにして位置合わせする構成としてもよい。
[MEMS構造体の適用例]
本発明によるMEMS構造体は、振動体(可動電極)と検出電極とが間隔を空けて対向する構造であって、振動体(可動電極)と検出電極との間の静電容量C1の変化を検出するセンサ素子として機能するものであり、この静電容量変化に基づいて検出される振動体の変位を通じて、加速度、角速度などの力学量を測定することができる。
(イ)加速度センサへの適用
例えば図1(b)〜(c)に示される構成のMEMS構造体100Aをセンサ素子として用いるとともに、振動体12b(可動電極)と検出電極(複数の小電極22a1〜22anから選択された小電極)との間の静電容量C1を検出する容量検出回路を後段の電子回路として設けることにより、MEMSデバイスである加速度センサを構成することができる。
この加速度センサでは、垂直方向(図1(b)の紙面における上下方向)の加速度を受けて、振動体12b(可動電極)が垂直方向(図1(b)の紙面における上下方向)に変位し、この変位に伴う振動体12b(可動電極)と検出電極との電極間距離の変化による静電容量C1の変化を容量検出回路で検出して、この静電容量変化に基づいて検出される振動体12bの変位を通じて、垂直方向の加速度を測定するようにすることができる。
また、この加速度センサでは、水平方向(図1(c)の紙面における上下方向)の加速度を受けて、振動体12b(可動電極)が水平方向(図1(c)の紙面における上下方向)に変位し、この変位に伴う振動体12b(可動電極)と検出電極との電極対向面積の変化による静電容量C1の変化を容量検出回路で検出して、この静電容量変化に基づいて検出される振動体の変位を通じて、水平方向の加速度を測定するようにすることもできる。ただし、図1(c)に示されているように各小電極22a1〜22anの個別の面積は振動体12bの面積に比べて小さいため、水平方向の加速度測定の場合、極力多くの小電極を検出電極として選択しておき、振動体12bの水平方向の変位に伴う振動体12b(可動電極)と検出電極との電極対向面積の変化率が十分大きなものとなるようにすることが好ましい。
なお、後者の水平方向の加速度測定において加速度の方向も検出する場合には、検出電極部2Aに複数の小電極22a1〜22anからなる検出電極を1対設け、振動体12b(可動電極)の変位方向(図1(c)の紙面における上下方向)に沿って振動体12b(可動電極)の基準位置の両側に振り分けるようにして前記1対の検出電極を配置し、各検出電極と振動体12b(可動電極)との間の静電容量の変化をそれぞれ検出する構成とする。
(ロ)角速度センサへの適用
また、例えば図1(b)〜(c)に示される構成のMEMS構造体100Aをセンサ素子として用い、振動体12b(可動電極)と検出電極(複数の小電極22a1〜22anから選択された小電極)との間の静電容量C1を検出する容量検出回路を後段の電子回路として設けるとともに、振動体12bあるいは梁12aの側面と間隔を空けて対向する電極面を備えた、図示されない一対の駆動電極を振動体12bあるいは梁12aの両側(図1(c)の紙面における上側及び下側)に配置することにより、MEMSデバイスである角速度センサを構成することができる。
この角速度センサでは、上記駆動電極に交流電圧の駆動信号を印加すると、振動体12b(可動電極)が固定周波数で水平方向(図1(c)の紙面における上下方向)に強制振動する。このとき、振動体12b(可動電極)および梁12aを軸とした角速度が加わると、振動体12b(可動電極)が強制振動方向に対して直行する方向(図1(c)の紙面における奥行き方向、すなわち、図1(b)の紙面における上下方向)に角速度に比例したコリオリ振動を始め、振動体12b(可動電極)と検出電極(複数の小電極22a1〜22anから選択された小電極)との電極間距離の変化により静電容量C1が変化する。静電容量C1の変化を容量検出回路で検出して、この静電容量変化に基づいて検出される振動体の変位を通じて、角速度を測定するようにすることができる。
(ハ)そして、本発明のMEMS構造体は、上述のように、振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを小さく抑えることができ、これにより、静電容量変化に基づく振動体の変位の検出精度をより高くすることができるので、このような本発明のMEMS構造体を例えば加速度センサ、角速度センサなどの力学量センサのセンサ素子として用いることにより、力学量センサの測定精度をより向上させることができるようになる。
1,1A,1B,1C,1D・・・振動体部
11・・・支持構造部、12・・・可動部、12a・・・梁、12b・・・振動体、13・・・空隙、14・・・凹部、15・・・凹部、16・・・凹部
2,2A,2B,2C,2D・・・検出電極部
21・・・基板、22a・・・検出電極、22a1〜22a5・・・小電極、22b・・・検出電極用配線、22b1〜22b5・・・小電極用配線、22c・・・検出電極用接続パッド、22c1〜22c5・・・小電極用接続パッド、23a・・・可動電極用接続パッド、26・・・凸部
L1a,L1b,L2a,L2b・・・位置ずれ量
100,100A,100B,100C,100D・・・MEMS構造体
200・・・電子回路部
231・・・スイッチ回路、232・・・スイッチ制御回路、233・・・演算増幅器、234・・・交流信号発生器、235・・・帰還抵抗、SW1〜SW5・・・スイッチ

Claims (11)

  1. 支持構造部と前記支持構造部に対して変位可能に支持された振動体とからなる振動体部と、
    基板と前記基板上に形成された検出電極部を備えるとともに、
    振動体と検出電極とが間隔を空けて対向するようにして前記振動体部と前記検出電極部とが接合され、振動体と検出電極との間の静電容量の変化を検出するように構成されたMEMS構造体において、
    前記検出電極が互いに分離された複数の小電極から構成され、
    振動体部と検出電極部とが接合された状態での、各小電極と振動体との間の各静電容量を個別に測定する手段と、
    より大きな静電容量が測定された1つ以上の小電極を振動体の中心位置により近い小電極として判定する手段と、
    この1つ以上の小電極を前記検出を行う検出電極として選択する手段と、を備えた
    ことを特徴とするMEMS構造体。
  2. 前記基板が透明な板状部材で構成されていることにより、
    振動体部と検出電極部との接合時に、各小電極の振動体に対する相対的位置を反振動体部側の外部から光学的に確認することができるようにされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のMEMS構造体。
  3. 振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを抑えるための嵌合部を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のMEMS構造体。
  4. 前記嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に、検出電極部の外周形状に嵌合する内周形状を持つ振動体部側の凹部を形成した
    ことを特徴とする請求項3に記載のMEMS構造体。
  5. 前記嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に振動体部側の凸部(または凹部)を形成するとともに、検出電極部における振動体部との対向面に前記振動体部側の凸部(または凹部)と嵌合する検出電極部側の凹部(または凸部)を形成した
    ことを特徴とする請求項3に記載のMEMS構造体。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のMEMS構造体を用いたMEMSデバイスであって、
    前記各小電極が接続されたスイッチ回路を設けていることにより、
    振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と検出電極との位置ずれに対応させて、1つ以上の小電極を前記スイッチ回路によって選択することができるようにされている
    ことを特徴とするMEMSデバイス。
  7. 支持構造部と前記支持構造部に対し変位可能に支持された振動体とからなる振動体部と、
    基板と前記基板上に形成された検出電極とからなる検出電極部を備えるとともに、
    振動体と検出電極とが間隔を空けて対向するようにして前記振動体部と前記検出電極部とが接合され、振動体と検出電極との間の静電容量の変化を検出するように構成されたMEMSデバイスの製造方法において、
    前記検出電極を互いに分離された複数の小電極から構成するとともに、前記各小電極が接続されたスイッチ回路を設けておき、
    振動体部と検出電極部とが接合された状態での振動体と各小電極との静電容量を個別に測定し、
    より大きな静電容量が測定された1つ以上の小電極を、振動体の中心位置により近い小電極と判定し、
    この1つ以上の小電極を前記スイッチ回路によって選択し、前記検出を行う
    ことを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
  8. 前記基板を透明な板状部材で構成しておき、
    振動体部と検出電極部との接合時に、各小電極の振動体に対する相対的位置を反振動体部側の外部から光学的に確認するようにした
    ことを特徴とする請求項7に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  9. 振動体部と検出電極部との接合時に生じる振動体と検出電極との位置ずれを抑えるための嵌合部を設けておき、
    振動体部と検出電極部との接合時に、前記嵌合部が嵌合するようにして位置合わせする
    ことを特徴とする請求項7に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  10. 前記嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に、検出電極部の外周形状に嵌合する内周形状を持つ振動体部側の凹部を形成しておき、
    振動体部と検出電極部との接合時に、検出電極部と、振動体部側の凹部とが嵌合するようにして位置合わせする
    ことを特徴とする請求項9に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  11. 前記嵌合部として、振動体部における検出電極部との対向面に振動体部側の凸部(または凹部)を形成するとともに、検出電極部における振動体部との対向面に前記振動体部側の凸部(または凹部)と嵌合する検出電極部側の凹部(または凸部)を形成しておき、
    振動体部と検出電極部との接合時に、振動体部側の凸部(または凹部)と、検出電極部側の凹部(または凸部)とが嵌合するようにして位置合わせする
    ことを特徴とする請求項9に記載のMEMSデバイスの製造方法。
JP2009083904A 2009-03-31 2009-03-31 Mems構造体、memsデバイス及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5381235B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009083904A JP5381235B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 Mems構造体、memsデバイス及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009083904A JP5381235B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 Mems構造体、memsデバイス及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010238836A JP2010238836A (ja) 2010-10-21
JP5381235B2 true JP5381235B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=43092923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009083904A Expired - Fee Related JP5381235B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 Mems構造体、memsデバイス及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5381235B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286738A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Omron Corp 速度センサ
JP4405189B2 (ja) * 2003-06-27 2010-01-27 株式会社エーシーティー・エルエスアイ 3軸加速度センサ
JP4445340B2 (ja) * 2004-08-02 2010-04-07 セイコーインスツル株式会社 封止型mems及び封止型memsの製造方法
JP2006349613A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Micro Precision Kk 容量検出型加速度センサ
JP2007303922A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Alps Electric Co Ltd 静電容量型圧力センサ
JP2008008672A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 加速度センサ
JP2008128879A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Seiko Instruments Inc 角速度センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010238836A (ja) 2010-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5432440B2 (ja) 揺動体装置
US8115367B2 (en) Piezoelectric actuator provided with a displacement meter, piezoelectric element, and positioning device
JP5105968B2 (ja) 角速度検出装置
JP5450451B2 (ja) 垂直方向に集積した電子回路およびウェハスケール密封包装を含むx−y軸二重質量音叉ジャイロスコープ
WO2016038794A1 (ja) 静電型デバイス
JP2001194153A (ja) 角速度センサ、加速度センサおよび製造方法
JP2010036280A (ja) Mems構造体の製造方法
CN112285383B (zh) 一种非对称梁谐振式微机械加速度传感器、加速度测量方法
US9804233B2 (en) MEMS magnetic field sensor
JP5381235B2 (ja) Mems構造体、memsデバイス及びその製造方法
JP2001349732A (ja) マイクロマシンデバイスおよび角加速度センサおよび加速度センサ
CN106461393A (zh) 陀螺仪传感器和电子装置
JP6455751B2 (ja) Mems圧電センサ
WO2013132830A1 (ja) 慣性力センサ
JP2011196966A (ja) 慣性センサ
JP5816707B2 (ja) 角速度検出装置
JP2008224229A (ja) 慣性センサおよびその製造方法および電気・電子機器
JP4466283B2 (ja) ジャイロセンサ
JP2001349731A (ja) マイクロマシンデバイスおよび角加速度センサおよび加速度センサ
JP5481545B2 (ja) 角速度検出装置
JP2020118603A (ja) 角速度センサ
JP4478046B2 (ja) 変位センサとその製造方法
JP2010236957A (ja) Mems構造体及びその製造方法
JP4611005B2 (ja) センサ素子
JPWO2013089079A1 (ja) 加速度センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20110214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5381235

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees