JP6455751B2 - Mems圧電センサ - Google Patents

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Description

この発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)圧電センサに関する。MEMS圧電センサには、角速度センサ、圧力センサ、マイクロフォン、超音波センサ、加速度センサ、温度センサなどが含まれる。
MEMS圧電センサの一つの先行技術は、特許文献1に記載されている。特許文献1は、振動ジャイロスコープを開示している。振動ジャイロスコープは、枠形の支持部と、支持部の内側に十文字形に配置された4つの可撓部と、4つの可撓部のそれぞれの自由端に結合している錘部と、4つの可撓部のそれぞれに設けられた励振用圧電素子および検出用圧電素子とを含む。錘部は可撓部の自由端にのみ結合している。励振用圧電素子は、可撓部を振動させることにより、錘部を駆動する。検出用圧電素子は、錘部の運動に応じた可撓部の歪みを検出する。
直線的に並ぶ2つの可撓部に沿ってx軸が定義され、これに直交するように直線的に並ぶ2つの可撓部に沿ってy軸が定義され、x軸およびy軸に直交するz軸が定義される。励振用圧電素子には、可撓部の固有振動数で振動する駆動電圧が印加される。それにより、錘部がz軸方向に振動する。センサダイがy軸まわりに回転すると、錘部にはx軸方向のコリオリ力が作用する。このコリオリ力がx軸方向に並ぶ2つの検出用圧電素子により検出される。センサダイがx軸まわりに回転すると錘部にはy軸方向のコリオリ力が作用する。このコリオリ力がy軸方向に並ぶ2つの検出用圧電素子によって検出される。コリオリ力は角速度に比例するので、検出されたコリオリ力に基づいて、角速度を求めることができる。角速度の3軸の成分を検出する場合には、たとえば、x軸方向とy軸方向とに錘部が振動するように励振用圧電素子に電圧が印加される。
特開2010−122141号公報
この発明の一実施形態は、高感度化に有利な構造のMEMS圧電センサを提供する。
また、この発明の一実施形態は、多軸化に有利な構造のMEMS圧電センサを提供する。
この発明の一実施形態は、中心軸線を有するカップ形状のセンサボディと、前記中心軸線を含む所定の結合領域で前記センサボディに結合され、前記センサボディを支持する支持構造と、前記センサボディの表面に形成された圧電体膜と、前記カップ形状の前記中心軸線を中心とした放射状に配置され、前記圧電体膜の表面に接合された複数個の電極とを含む、MEMS圧電センサを提供する。
この実施形態の構成によれば、センサボディは、カップ形状を有しており、その中心軸線を含む所定の結合領域で支持構造に結合されて支持されている。したがって、センサボディは中心軸線を含む領域で支持された状態でほぼ全体が振動可能である。センサボディの表面に形成された圧電体膜に複数個の電極が接合されている。これらの複数個の電極は、カップ形状の中心軸線を中心とした放射状に配置されている。これらの複数個の電極を用いて、センサボディのほぼ全体に渡る振動を生じさせたり、外力その他の影響で圧電体膜に生じる起電力を検出したりすることができる。センサボディのほぼ全体が振動するので、感度の高い検出が可能である。また、外力、温度、湿度、加速度、角速度、角加速度等の種々の物理量に応じてカップ状のセンサボディには3次元的な変形が生じるので、複数の座標軸方向に関する物理量を検出することができ、いわゆる多軸化を実現できる。物理量には、前述のとおり、温度、湿度等の環境パラメータや、力、加速度、角速度、角加速度等の力学量が含まれる。
前記結合領域は、中心軸線の近傍の領域であり、中心軸線に沿って見たときに、外縁がセンサボディの外縁よりも内側にあり、かつ中心軸線を包囲している領域であることが好ましい。典型的には、支持構造は、中心軸線上でセンサボディに結合されるが、中心軸線を取り囲むように、センサボディと支持構造との結合部が配置されてもよい。
前記結合領域は、具体的には、前記中心軸線に沿ってみたときに、センサボディの外縁を通る円の直径の1/2以下の直径の円内に設定された領域であることが好ましい。
この発明の一実施形態では、前記センサボディの表面に下部電極が形成されており、前記下部電極に接するように前記圧電体膜が形成されている。前記複数個の電極は、前記圧電体膜の前記下部電極とは反対側の表面に接合されている。
また、この発明の一実施形態では、前記支持構造が、表面に回路配線が形成された支持基板を含み、前記下部電極および前記複数個の電極が、前記圧電体膜の表面の側に配置されたボンディングワイヤまたはバンプを介して前記回路配線に接続されている。
この発明の一実施形態では、前記複数個の電極が、少なくとも一つの励振電極と、少なくとも一つの検出電極とを含む。
この構成によれば、励振電極に駆動電圧を印加することにより、逆圧電効果によって、圧電体膜を伸縮させ、それによって、センサボディを振動させることができる。一方、検出電極は、圧電効果によって圧電体膜に生じる電圧を導出することができる。これにより、センサボディを振動させ、かつセンサボディの変形を検出することができるから、高感度な振動型センサを提供できる。また、カップ状のセンサボディに生じる3次元的な変形を検出電極によって検出でき、それによって、いわゆる多軸化を実現できる。
この発明の一実施形態では、励振電極が配置された場所には、励振用圧電素子が構成される。検出電極が配置された場所には検出用圧電素子が構成される。励振電極は、励振用圧電素子の上部電極である。検出電極は検出用圧電素子の上部電極である。下部電極は、センサボディ表面に形成される。下部電極に接するように圧電体膜が形成される。下部電極は、励振用圧電素子および検出用圧電素子の共通電極であってもよい。
この発明の一実施形態では、前記複数個の電極が、少なくとも一対の励振電極と、少なくとも一対の検出電極とを含む。
この構成によれば、一対の励振電極に駆動電圧を印加することにより、逆圧電効果によって、圧電体膜を伸縮させ、それによって、センサボディを振動させることができる。一方、一対の検出電極は、圧電効果によって圧電体膜に生じる電圧を導出することができる。これにより、センサボディに安定な振動を確実に生じさせ、かつセンサボディの変形を精度よく検出することができるから、一層高感度な振動型センサを提供できる。
この発明の一実施形態では、前記複数個の電極が、前記中心軸線まわりに2n回対称(ただしnは自然数)の位置に設けられている。
この構成によれば、中心軸線まわりに2n回対称の位置に複数個の電極が設けられているので、中心軸線を挟んで対称な位置に一対の電極を配置できる。これにより、センサボディを効果的に励振でき、かつセンサボディの振動を高感度に検出でき、多軸化に有利な電極配置をとることができる。
なお、2n回対称の位置の全てに電極が設けられる必要はなく、2n回対称の位置の少なくとも一つに電極が配置されていなくてもよい。たとえば、6回対称の6個の位置のうちの一つまたは2つに励振電極を配置し、他の一つまたは2つの位置に検出電極を配置し、残る位置は空位としてもよい。また、6回対称の6個の位置のうちの2つの位置に励振電極を配置し、残る4個の位置に検出電極を配置してもよい。その他、様々な電極配置が可能である。
この発明の一実施形態では、2n個の前記電極(ただしnは自然数)が、前記中心軸線まわりに2n回対称の位置に設けられている。
この構成によれば、2n回対称の全ての位置に電極が配置されている。これにより、センサボディを効果的に励振でき、かつセンサボディの振動を高感度に検出でき、多軸化に有利な電極配置をとることができる。
たとえば、8回対称の8個の位置のうちの4個の位置に励振電極を配置し、残る4個の位置に検出電極を配置してもよい。
この発明の一実施形態では、前記2n個の電極が、前記中心軸線まわりに交互に配置されたn個の励振電極とn個の検出電極とを含む。
この構成によれば、励振電極と検出電極とが2n回対称の位置に交互に配置されているので、センサボディを効果的に励振でき、かつセンサボディの振動を高感度に検出でき、多軸化に有利な構造を提供できる。
たとえば、8回対称の8個の位置のうちの一つおきに励振電極を配置し、他の一つおきの位置に検出電極が配置されてもよい。また、6回対称の6個の位置のうちの4個の位置を用いて、それらの4個の位置に第1の励振電極、第2の検出電極、第2の励振電極および第2の検出電極の順に4個の電極を配置してもよい。この場合、2個の位置は空位となる。
この発明の一実施形態では、前記複数個の電極が、前記カップ形状の前記中心軸線に対して対称に配置され前記圧電体膜の表面に接合された一対の励振電極と、前記カップ形状の中心軸線に対して対称に配置され前記圧電体膜の表面に接合された一対の検出電極とを含む。
この構成によれば、一対の励振電極がカップ形状の中心軸線に対して対称に配置されているので、センサボディを効果的に励振でき、大きな振幅で振動させることができる。また、一対の検出電極がカップ形状の中心軸線に対して対称に配置されているので、センサボディの形状変化を精度良く検出することができる。それにより、高感度な検出が可能になり、多軸化に有利な構造を提供できる。
この発明の一実施形態では、前記励振電極によって圧電体膜を駆動することにより、前記センサボディに定常振動が生じ、前記定常振動の腹に前記励振電極が配置され、前記定常振動の節に前記検出電極が配置されている。
この構成によれば、励振電極によってセンサボディに定常振動を生じさせた状態で、検出電極によって物理量を検出することができる。検出電極は、定常振動の節に配置されているので、励振電極により生じた振動の影響が抑制された状態で、センサボディに生じる変化を検出できる。
たとえば、センサボディに定常振動が生じた状態で、MEMS圧電センサに角速度が働くと、コリオリ力によって定常振動が変化し、この変化を表す信号が検出電極から取り出される。それによって、角速度を検出できる。センサボディには3次元的な振動が生じるので、検出電極から取り出される信号に対して適切な処理を行うことによって、3軸に関する角速度の検出が可能である。
この発明の一実施形態では、前記励振電極によって圧電体膜を駆動することにより前記センサボディに生じる振動がワイングラスモードである。ワイングラスモードでは、振動損失が少ないのでQ値が高く、かつ、外部からの加速度等の影響を受けにくい。これにより、感度の高い検出が可能になり、かつ多軸化に有利な構造を提供できる。
この発明の一実施形態では、前記センサボディが、底部および胴部を含み、前記支持構造が前記底部において前記センサボディに結合されている。この構成により、センサボディがその底部で支持されているので、センサボディの全体に振動を生じさせることができるから、振動損失の少ない振動、たとえばワイングラスモードでの振動が可能になる。それによって、高感度の検出が可能になり、多軸化に有利な構造を提供できる。
この発明の一実施形態では、前記支持構造が、前記底部に結合され、前記中心軸線に沿って延びる柱状部を含む。この構成によれば、底部に結合された柱状部によってセンサボディが支持されている。これにより、センサボディの全体に振動を生じさせることができるから、振動損失の少ない振動、たとえばワイングラスモードでの振動が可能になり、多軸化に有利な構造を提供できる。
この発明の一実施形態では、前記柱状部が前記カップ形状の内側において前記センサボディの底部に結合されており、前記支持構造が、前記センサボディの開口縁側で前記柱状部に結合された支持基板を含む。この構成によれば、カップ形状の内側に柱状部を配置できるので、小型かつ高感度で、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。
支持基板は、シリコン、アルミナ等の任意の基板材料で作製できる。
この発明の一実施形態では、前記支持基板の表面と前記開口縁とが離隔している。この構成によれば、支持基板とセンサボディとが離隔しているので、センサボディの振動が支持基板によって阻害されることがない。それにより、センサボディを効率的に振動させることができるので、高感度で、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。
この発明の一実施形態では、前記支持基板の表面において前記柱状部に対応する位置に支持部が設けられており、前記支持基板の表面において前記センサボディの開口縁に対向する位置に、前記支持部よりも掘り下げた凹所が形成されている。
この構成によれば、支持基板の表面の支持部で柱状部を支持する一方で、センサボディの開口縁に対向する位置には支持基板の表面に凹所が形成されている。これにより、センサボディの効率的な振動を確保した状態でセンサボディを支持できる。
また、柱状部は、中心軸線に沿う方向に関して、センサボディの開口縁よりもセンサボディの外方(底部とは離れる方向)に突出していなくてもよい。より具体的には、柱状部の支持基板に対向する端部が、中心軸線に沿う方向に関して、センサボディの開口縁と同じ位置にあってもよい。このような構造は、たとえば、シリコン基板等の基板をエッチングしてセンサボディと、それと一体化した柱状部とを同時に形成して得られる。したがって、MEMS工程でセンサボディおよび柱状部を同時に形成した構造においても、支持基板に形成した凹所によって、センサボディの効率的な振動を確保できる。
この発明の一実施形態では、前記支持基板の表面において前記柱状部に対応する位置に支持部が設けられており、前記支持部において交差する異なる方向に沿って前記センサボディの内部および外部に跨がってそれぞれ延びた複数の梁部を含み、前記センサボディの開口縁には、前記複数の梁部に対応する位置に凹部が形成されている。
この構成によれば、支持部において交差する方向に沿ってそれぞれ延びる複数の梁部がセンサボディの内部および外部に跨がって延びているので、組立時には、複数の梁部を目印にして、センサボディを支持部に対して位置合わせできる。また、梁部との接触を凹部で回避できるので、センサボディの開口縁を梁部の表面よりも基板表面に近い位置に配置することができる。それによって、センサボディを大きくすることができるので、より感度の高い検出が可能になる。梁部は、支持部に結合されていてもよいし、支持部から離間していてもよい。
この発明の一実施形態では、前記柱状部と前記支持基板とが、樹脂(具体的には樹脂接着剤)、金属(たとえば半田)またはシリコンの直接接合により接続されている。これにより、柱状部と支持基板とを確実に結合できる。
この発明の一実施形態では、前記支持基板の表面に回路配線が形成されており、前記回路配線と前記電極とがボンディングワイヤで接続されている。この構成によれば、支持基板回路基板であり、その回路基板上の回路配線にボンディングワイヤによってセンサボディ上の電極が接続されている。すなわち、ワイヤボンディングによって、電極と回路配線との接続が確保されている。これにより、センサボディの振動に対する影響を抑制しながら、センサボディと回路基板との間の安定な入出力のための電気的接続を達成できる。
この発明の一実施形態では、前記支持構造が、前記カップ形状の外側において前記センサボディの底部に結合されている。この構成では、カップ形状の外部においてセンサボディの底部に支持構造が結合されているので、支持構造とセンサボディとの結合が容易である。したがって、簡単な構造で、感度が高く、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。
この発明の一実施形態では、前記支持構造が、前記センサボディの底部の外表面に対向する支持基板を含む。この構成により、センサボディの底部外表面を支持基板に対向させた状態でセンサボディを支持できるので、支持構造を簡単にしながら、感度が高く、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。
この発明の一実施形態では、前記支持基板の表面に回路配線が形成されており、前記回路配線と前記電極とがワイヤレスボンディングで接続されている。この構成によれば、電極と回路配線とをワイヤレスボンディングで接続できるので、接続構造を簡単にしながら、感度の高く、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。また、電気的接続のための構造をセンサボディの支持構造の一部に利用できるので、全体の構造を簡単にすることができる。
この発明の一実施形態では、前記センサボディが、平板状の底部と、前記底部に結合された筒状の胴部とを含み、前記底部(外表面もしくは内表面)または前記胴部(外表面もしくは内表面)に前記圧電体膜が配置されている。
このように、センサボディが平板状の底部と筒状の胴部とを有する構造は、シリコン基板等の基板をエッチングする工程で製造できる。カップ状のセンサボディの全体が振動および変形するので、圧電体膜は底部および胴部のいずれに配置してもよく、その圧電体膜の配置に応じて電極を配置すればよい。つまり、圧電体膜は、底部および胴部の一方または両方に配置することができる。圧電体膜が底部に配置される場合に、圧電体膜は、底部の外表面および内表面の一方に配置してもよいし、それらの両方に配置してもよい。同様に、圧電体膜が胴部に配置される場合に、圧電体膜は、胴部の外表面および内表面の一方に配置してもよいし、それらの両方に配置してもよい。
電極は、圧電体膜の配置に応じて、前記平板状の底部および前記筒状の胴部の一方または両方に配置することができる。たとえば、励振電極を底部および胴部のうちの一方に配置し、検出電極をそれらのうちの他方に配置してもよい。
この発明の一実施形態では、前記センサボディの外表面に前記圧電体膜が配置されている。この構成によれば、圧電体膜の配置に対応するように、電極がセンサボディの外側に配置されるので、電極の外部接続が容易になる。
この発明の一実施形態では、前記センサボディの内表面に前記圧電体膜が配置されている。この構成によれば、圧電体膜の配置に対応するように、電極がセンサボディの内側に配置されるので、電極の外部接続をセンサボディの内側で行うことができる。それにより、構造を小型にできる。
この発明の一実施形態では、前記センサボディが、シリコンを主成分とする材料からなる。この構成によれば、MEMSプロセスによるシリコンの加工によってセンサボディを作製できる。
この発明の一実施形態では、前記センサボディが、SOI(Silicon-On-Insulator)基板に対して半導体プロセスによる加工を施して作製されており、前記SOI基板のシリコン層上に前記下部電極が形成されている。
また、この発明の一実施形態では、前記圧電体膜、前記下部電極および前記SOI基板の前記シリコン層が除去されて前記SOI基板の絶縁膜を露出させる凹部が形成されており、前記凹部内に前記下部電極への接続のための前記ボンディングワイヤのボールが配置されている。
この発明の一実施形態では、前記センサボディは直径が0.2mm以上5mm以下、かつ肉厚が前記直径の1/20以下の円筒形状の胴部を含み、前記円筒形状の中心軸線方向の長さが100μm以上1mm以下である。この構成により、センサボディを効率的に励振でき、かつ感度の高い検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。
センサボディの直径を0.2mm以上5mm以下とすることにより、加工および配線が容易で、かつ共振周波数を高感度検出が可能な高周波数域にできる。すなわち、センサボディの直径が0.2mm未満では、円筒形状の加工および配線が困難になる。また、センサボディの直径が5mmを超えると、共振周波数が低くなり、感度低下の懸念がある。
胴部の肉厚は、薄いほど感度が向上するので、円筒形状の直径の1/20以下とすることが好ましい。ただし、肉厚が薄すぎると加工形状が不安定になって、センサ特性のバラツキの原因となるので、肉厚は10μm以上が好ましい。
胴部の長さは、短すぎるとQ値が下がり、感度が低下する懸念があるので、100μm以上とすることが好ましい。一方、胴部の長さが長すぎると、加工時間がかかりすぎて実用的でないので、1mm以下が好ましい。
この発明の一実施形態では、前記センサボディは、前記胴部に結合された底部を含み、前記支持構造は、前記底部に結合され、前記胴部の円筒形状の直径の1/20以上1/2以下の直径を有する円形断面を有する柱状部を含む。この構成により、センサボディを効率的に励振でき、かつ感度の高い検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。とくに、円筒形状の胴部を円形断面の柱状部により支持する構造は、センサボディ全体を効率良く振動させることができる。なお、柱状部の円形断面は、中心軸線に垂直な切断面の形状である。
柱状部の直径を胴部の円筒形状の直径の1/20以上としておくことにより、柱状部と底部との結合が充分な強度を有する。また、柱状部と底部との結合領域に電極の接続部を設けることができ、柱状部によって確実に支持された状態で、電極の接続部に対する配線接続を安定に行うことができる。また、柱状部の直径を胴部の円筒形状の直径の1/2以下としておくことにより、柱状部による振動の拘束を抑制できるから、センサボディ全体を効率的に振動させることができる。
この発明の一実施形態では、前記圧電体膜の膜厚が0.2μm以上5μm以下である。この構成により、圧電体膜は、センサボディの振動および変形をほとんど拘束することなく、かつ必要な逆圧電効果および圧電効果を生じるので、感度の高い検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。膜厚が0.2μm未満では、リーク発生の懸念があり、励振できないおそれがある。また、膜厚が5μmを超えると、微細加工が困難になるおそれがある。
この発明の一実施形態では、前記圧電体膜が、Pb,ZrおよびTiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、Pb,Mg,NbおよびTiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、K,NaおよびNbを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、またはBa,CaおよびTiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物からなる。この構成により、高い圧電特性を有する圧電薄膜材料からなる圧電体膜が、大きな逆圧電効果および圧電効果を生じるので、感度の高い検出が可能となる。
この発明の一実施形態では、前記圧電体膜が、ゾルゲル法またはスパッタ法により形成された圧電材料膜である。この構成により、必要な膜厚の圧電体膜を形成できるので、感度の高い検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサを提供できる。
図1は、この発明の一実施形態に係るMEMS圧電センサの斜視図である。 図2は、前記MEMS圧電センサの主要部の縦断面図である。 図3は、前記MEMS圧電センサのセンサボディの構造を一部切り欠いて示す斜視図である。 図4は、前記センサボディを支持する支持基板の斜視図である。 図5は、前記センサボディ上の電極の配置を説明するための平面図である。 図6は、前記センサボディの底部の中央付近の拡大断面図である 図7Aは前記センサボディの平面図であり、図7Bは図7AのB−B線断面図であり、図7Cは図7AのC−C線断面図である。 図8は、前記センサボディに生じる三次元的な変形を示す図解的な斜視図である。 図9は、前記センサボディが中心軸線まわりに角速度を伴って運動する運動系に置かれたときにセンサボディの底部に生じる力および変位を表す図である。 図10Aは前記センサボディの平面図であり、図10Bは図10AのB−B線断面図であり、図10Cは図10AのC−C線断面図であって、角速度が生じているときの状態を示す。 図11A〜図11Cは、前記センサボディの製造工程を説明するための断面図である。 図11D〜図11Fは、前記センサボディの製造工程を説明するための断面図である。 図11G〜図11Iは、前記センサボディの製造工程を説明するための断面図である。 図11J〜図11Lは、前記センサボディの製造工程を説明するための断面図である。 図12A〜図12Dは、前記支持基板の製造工程を説明するための断面図である。 図12E〜図12Gは、前記支持基板の製造工程を説明するための断面図である。 図13は、前記センサボディの振動を確認した実験結果を示す。 図14は、前記センサボディのワイングラスモードによる定常振動を確認した実験結果を示す。 図15は、検出動作を確認するための実験結果を示す。 図16Aは、Q値を一定とし、共振状態の振幅が静荷重印加時の変位に比例すると仮定して、センサボディの胴部の厚みに対するスケールファクタの関係を求めた結果を示す図である。 図16Bは、センサボディの胴部の厚みと振動状態でのスケールファクタとの関係を示す図である。 図17は、この発明の他の実施形態に係るMEMS圧電センサの構成を説明するための図解的な断面図である。 図18は、この発明のさらに他の実施形態に係るMEMS圧電センサの構成を説明するための図解的な断面図である 図19Aは、この発明のさらに他の実施形態に係るMEMS圧電センサの構成を説明するための斜視図である 図19Bは、この発明のさらに他の実施形態に係るMEMS圧電センサの構成を説明するための斜視図である 図20は、この発明のさらに他の実施形態に係るMEMS圧電センサの構成を説明するための図解的な断面図である。 図21Aは、センサボディの形状に関する変形例を示す。 図21Bは、センサボディの形状に関する変形例を示す。 図21Cは、センサボディの形状に関する変形例を示す。 図22は、センサボディの形状に関する変形例を示す。 図23は、ワイングラス形のセンサボディの内側に圧電素子を配置した構成例を示す。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るMEMS圧電センサ1の斜視図である。図2は、中心軸線20を含む切断面におけるMEMS圧電センサ1の断面図である。図3は、MEMS圧電センサ1のセンサボディ2の構造を一部切り欠いて示す斜視図である。図4は、センサボディ2を支持する支持基板31の斜視図である。
MEMS圧電センサ1は、センサボディ2と、センサボディ2を支持する支持構造3とを含む。支持構造3は、支持基板31を含む。
センサボディ2は、この実施形態では、シリコンからなる。より具体的には、センサボディ2は、シリコン基板(より具体的にはSOI(Silicon-On-Insulator)基板)に対して半導体プロセスによる加工を施して作製されている。
センサボディ2は、カップ形状を有している。具体的には、センサボディ2は、底部21および胴部22を有している。底部21は、この実施形態では、平板状である。より具体的には、底部21は、一様な厚みの円板形状(ディスク形状)を有するディスク部である。胴部22は、この実施形態では、筒状である。より具体的には、胴部22は、底部21の周縁に連なり、一様な厚みの円筒形状を有するシリンダ部(サイドウォール部)である。したがって、センサボディ2は、この実施形態では、中心軸線20まわりに回転対称な形状を有しており、より具体的には、中心軸線20まわりの回転体である。センサボディ2は、底部21を支持基板31とは反対側に配置した状態で、支持基板31に支持されている。
センサボディ2の底部21の外表面21aには、下部電極5および圧電体膜6が積層されて形成されている。圧電体膜6上に、複数の電極Ed1〜Ed4,Es1〜Es4が配置されている。複数の電極Ed1〜Ed4,Es1〜Es4は、中心軸線20を中心とした放射状に配置されている。この実施形態では、8個の電極Ed1〜Ed4,Es1〜Es4が設けられている。それらの8個の電極Ed1〜Ed4,Es1〜Es4が、中心軸線20を中心とした8回対称の位置にそれぞれ配置されている。
8個の電極は、この実施形態では、4個の励振電極Ed1〜Ed4(総称する場合には「励振電極Ed」という場合がある。)と、4個の検出電極Es1〜Es4(以下総称するときには「検出電極Es」という場合がある。)とを含む。各電極Ed1〜Ed4,Es1〜Es4は、底部21の半径に沿って直線状に配置され、幅が一定の帯状電極である。底部21の中心に、下部電極5への接続部8が配置されている。各電極Ed1〜Ed4,Es1〜Es4の中心軸線20に近い側の内側端部は、ワイヤボンディングのためのボンディングパッド9である。
支持基板31は、この実施形態では、シリコンからなる。支持基板31は、より具体的には、シリコン基板に対して半導体プロセスによる加工を施して作製されている。支持基板31の表面31aには、堀込み部15が形成されている。堀込み部15は、支持基板31の表面31aから掘り下げられた凹所であり、支持基板31の表面31aよりも低い底面15aを有している。堀込み部15の周縁15bは、この実施形態では、円形をなしている。堀込み部15内にセンサボディ2が配置されている。センサボディ2は、堀込み部15内で支持基板31に支持されている。センサボディ2は、開口縁23を堀込み部15の底面15aに対向させた姿勢で支持されている。開口縁23と堀込み部15の底面15aとの間には、隙間16が形成されている。
支持基板31の表面には、配線が形成されている。配線は、励振電極Ed1〜Ed4に対応した励振配線Wd1〜Wd4(総称するときには「励振配線Wd」という。)と、検出電極Es1〜Es4に対応した検出配線Ws1〜Ws4(総称するときには「検出配線Ws」という。)と、下部電極5に対応した共通配線Wcとを含む。この実施形態では、4個の励振電極Ed1〜Ed4にそれぞれ対応した4本の励振配線Wd1〜Wd4と、4個の検出電極Es1〜Es4にそれぞれ対応した4本の検出配線Ws1〜Ws4が設けられている。共通配線は、堀込み部15の周縁15bに沿って、その外側に環状(この実施形態では円環状)に形成された環状部32と、その環状部32から引き出された複数の引き出し部33とを有している。複数の引き出し部33は、隣り合う励振配線Wd1〜Wd4および検出配線Ws1〜Ws4の間を分けるように支持基板31の表面31aで引き回されている。
一つの引き出し部33の途中部にボンディングパッド34が配置され、その引き出し部33の端部に外部接続パッド35が配置されている。ボンディングパッド34とセンサボディ2の下部電極接続部8との間はボンディングワイヤBcで接続されている。各励振配線Wd1〜Wd4には、センサボディ2に近い端部にボンディングパッド36が設けられ、反対の端部に外部接続パッド37が設けられている。励振電極Ed1〜Ed4のボンディングパッド9と対応する励振配線Wd1〜Wd4のボンディングパッド36との間はボンディングワイヤBd1〜Bd4(総称するときには「ボンディングワイヤBd」という。)で接続されている。同様に、各検出配線Ws1〜Ws4には、センサボディ2に近い端部にボンディングパッド38が配置され、反対の端部に外部接続パッド39が設けられている。検出電極Es1〜Es4のボンディングパッド9と対応する検出配線Ws1〜Ws4のボンディングパッド38との間はボンディングワイヤBs1〜Bs4(総称するときには「ボンディングワイヤBs」という。)で接続されている。
励振配線Wd1〜Wd4の外部接続パッド37には、駆動回路51が接続されている。駆動回路51は、共通配線Wcと励振配線Wd1〜Wd4との間に駆動信号を印加する。これにより、下部電極5と励振電極Ed1〜Ed4との間に駆動電圧が印加される。駆動信号は、正弦波信号であってもよい。駆動信号の周波数は、センサボディ2を共振させることができる固有周波数であることが好ましい。検出配線Ws1〜Ws4の外部接続パッド39には、検出回路52が接続されている。検出回路52は、共通配線Wcと検出配線Ws1〜Ws4との間の電圧を検出信号として検出し、増幅して出力する。これにより、下部電極5と検出電極Es1〜Es4との間に生じた検出信号が取り出される。
堀込み部15の中央には、支持部14が設けられている。支持部14はこの実施形態では、円柱状である。したがって、堀込み部15は、この実施形態では、支持部14を中心とした円環状に形成されている。支持基板31に円環状の堀込み部15を形成することにより、支持基板31に一体化した支持部14を堀込み部15の中央に設けることができる。
一方、センサボディ2の内部には、底部21に結合され、中心軸線20に沿って延びた柱状部25が設けられている。柱状部25は、この実施形態では、円柱状であり、その一端が底部21と一体化している。より具体的には、センサボディ2を作製するためのSOI基板10から有底円筒カップ状のセンサボディ2がエッチングによって切り出される。このエッチングの際に、センサボディ2の内側に断面円環状の凹部26を同時に形成することによって、底部21と一体化した柱状部25を設けることができる。したがって、柱状部25の先端面25aは、中心軸線20の方向に関して、センサボディ2の開口縁23と同じ位置にある。柱状部25の先端面25aは、支持基板31の支持部14の表面14aに接着されている。接着には、たとえば、樹脂材料からなる接着剤17が用いられてもよい。その他、金属のロウ材(たとえば半田)を用いて柱状部25を支持基板31に接合したり、シリコン同士の直接接合によって柱状部25と支持基板31とを接合したりしてもよい。
センサボディ2の開口縁23は、堀込み部15に対向している。堀込み部15の底面15aが支持基板31の表面31aよりも低い位置(センサボディ2から離れる方向に後退した位置)に後退しており、センサボディ2の開口縁23が柱状部25の先端面25aと同じ高さ(中心軸線20方向に関して同じ位置)にあるので、開口縁23と堀込み部15の底面15aとの間に隙間16が形成されている。こうして、支持基板31および柱状部25によって、センサボディ2をその中心軸線20上の位置で支持する支持構造3が構成されている。
柱状部25は、中心軸線20に沿って見た平面視において、中心軸線20を内包する結合領域18で底部21に一体的に結合されている。結合領域18は、中心軸線20を中心とした円形の領域であり、中心軸線20の近傍の領域である。結合領域18は、中心軸線20に沿って見た平面視において、センサボディ2の外縁よりも内側にある。より具体的には、結合領域18の直径は、平面視におけるセンサボディ2の直径(この実施形態では底部21および胴部22の直径に等しい)の1/2以下である。結合領域18の直径は、平面視におけるセンサボディ2の直径の1/20以上であることが好ましい。この結合領域18の全域において、柱状部25と底部21とが結合されている。したがって、柱状部25は、中心軸線20上でセンサボディ2の底部21に結合されている。電極Ed,Esの内側端部に配置されたボンディングパッド9は、平面視において、結合領域18内に位置している。すなわち、平面視において、ボンディングパッド9は、柱状部25と重なりあっている。
センサボディ2は、たとえば、SOI基板10を用いて作製されている。SOI基板10は、シリコン基板11と、シリコン基板11の表面に形成された絶縁膜12(典型的には酸化膜)と、その絶縁膜12の表面に形成されたシリコン層13とを含む。柱状部25と胴部22との間の環状凹所は、シリコン基板11の裏面(絶縁膜12とは反対側)の表面からのエッチングによって形成される。このエッチングは、胴部22をシリコンから切り離すための胴部22外側のエッチングと同じ工程で行われてもよい。
図2に最もよく表れているように、底部21の外表面には、下部電極5が形成されている。この実施形態では、下部電極5は、底部21の外表面の全域に形成されている。その下部電極5の表面に圧電体膜6が形成されている。この実施形態では、圧電体膜6は、下部電極5の表面全域に形成されている。すなわち、圧電体膜6は、底部21の外表面の全域に渡って連続している。圧電体膜6の表面に励振電極Ed1〜Ed4および検出電極Es1〜Es4が形成されている。
励振電極Ed1〜Ed4は、圧電体膜6を挟んで下部電極5に対向している。したがって、励振電極Ed1〜Ed4が圧電体膜6に接している領域には、励振電極Ed1〜Ed4および下部電極5の間に圧電体膜6を挟持した励振用圧電素子Pd1〜Pd4(圧電アクチュエータ:以下総称するときには「励振用圧電素子Pd」という。)が構成されている。検出電極Es1〜Es4は、圧電体膜6を挟んで下部電極5に対向している。したがって、検出電極Es1〜Es4が圧電体膜6に接している領域には、検出電極Es1〜Es4および下部電極5の間に圧電体膜6を挟持した検出用圧電素子Ps1〜Ps4(圧電センサ:以下総称するときには「検出用圧電素子Ps」という。)が構成されている。
図5は、電極Ed1〜Ed4,Es1〜Es4の配置を説明するための平面図である。圧電体膜6の表面に配置された2n個(nは自然数。この実施形態ではn=4)個の電極Ed1〜Ed4,Es1〜Es4は、中心軸線20まわりに、2n回対称の位置に配置されている。換言すれば、2n個の電極は、360/2n度(n=4のときには45度)の角度間隔で等角度間隔に配置されている。n個(nは自然数。この実施形態では、n=4)の励振電極Ed(明瞭化のために図5において斜線を付して示す。)は、中心軸線20まわりにn回対称の位置に配置されている。換言すれば、n個の励振電極Edは、中心軸線20まわりに360/n度(n=4のときには90度)の角度間隔で等角度間隔に配置されている。同様に、n個(nは自然数。この実施形態では、n=4)の検出電極Esは、中心軸線20まわりにn回対称の位置に配置されている。換言すれば、n個の検出電極Esは、中心軸線20まわりに360/n度(n=4のときには90度)の角度間隔で等角度間隔に配置されている。そして、励振電極Edと検出電極Esとが、中心軸線20まわりの周方向に交互に配置されており、隣り合う励振電極Edと検出電極Esとの角度間隔は360/2n度(n=4のときには45度)である。この実施形態では、n=n=nである。
中心軸線20を挟んで対称に配置された一対の励振電極Ed1,Ed3と、中心軸線20を挟んで対称に配置された別の一対の励振電極Ed2,Ed4とは、中心軸線20のまわりに90度回転移動した位置関係を有している。これらの2対の励振電極Ed1,Ed3;Ed2,Ed4には、たとえば、位相が180度異なる駆動電圧が印加される。具体的には、第1対の励振電極Ed1,Ed3に下部電極5の電位を基準として+5Vが印加されているとき、第2対の励振電極Ed2,Ed4には下部電極5の電位を基準として−5Vの電圧が印加される。
図6は、底部21の中央付近の拡大断面図である。中心軸線20付近において、圧電体膜6およびシリコン層13が除去されて凹部27が形成されている。この凹部27は、絶縁膜12まで達している。下部電極5への接続のためのボンディングワイヤBcのボール28は、凹部27内に配置されている。ボール28は、凹部27の周壁面27aにおいて、シリコン層13の露出端面および下部電極5の露出端面に接している。ボール28は、圧電体膜6に接していてもよいが、上部電極としての励振電極Edおよび検出電極Esのいずれにも接してはならない。
ボンディングワイヤBcは下部電極5に直接接して電気的に接続されているほか、シリコン層13を介して下部電極5に至る通電経路も形成されている。シリコン層13は、不純物を添加して低抵抗化してあり、ボンディングワイヤBcと下部電極5との間の通電経路を提供している。
シリコン層13の電気抵抗を充分に低くしておいて、シリコン層13を圧電素子Pd1〜Pd4,Ps1〜Ps4の下部電極として用い、下部電極5を省いてもよい。
図7Aはセンサボディ2の平面図であり、図7Bは図7AのB−B線断面図であり、図7Cは図7AのC−C線断面図である。励振電極Ed1〜Ed4にセンサボディ2の固有周波数の駆動電圧を印加すると、センサボディ2にはワイングラスモードの定常波SWが生じる。具体的には、中心軸線20を挟んで対向する一対の励振電極Ed1,Ed3と、他の一対の励振電極Ed2,Ed4とに沿って、交互に、底部21の伸張および収縮が生じる。それに応じて、底部21が反り変形し、その反り変形に応じて胴部22にも変形が生じる。その結果、図8に示すように、センサボディ2には三次元的な変形が生じる。
ワイングラスモードで定常振動しているとき、中心軸線20を挟んで対向する一対の励振電極Ed1,Ed3の方向と、これと直交するように配置された他の一対の励振電極Ed2,Ed4の方向とが、定常振動の腹ANとなる。そして、中心軸線20から見て各検出電極Es1〜Es4の方向は、定常振動の節Nとなる。よって、外力が生じていないときには、検出用圧電素子Ps1〜Ps4はセンサボディ2の変形を検出しない。
図9は、センサボディ2が中心軸線20まわりに角速度ωを伴って運動する運動系に置かれたときにセンサボディ2の底部21に生じる力および変位を表す。ワイングラスモードでの定常振動が生じているとき、センサボディ2の底部21では、励振電極Edの位置が振動の腹ANとなり、この振動の腹ANでは、中心軸線20に沿う方向の振動が生じている。任意の瞬間において、隣り合う励振電極Edの一方において、中心軸線20の一方側に向かう変位が生じており、それらの励振電極Edのうちの他方において、中心軸線20の他方側に向かう変位が生じている。したがって、中心軸線20を挟んで対向する2対の励振電極Ed1,Ed3;Ed2,Ed4のうちの一方の対に対して、中心軸線20まわりの周方向に沿って一方の向きのコリオリ力FC1が生じ、他方の対に対して、中心軸線20まわりの周方向に沿って他方の向きのコリオリ力FC2が生じる。コリオリ力FC1,FC2のために、中心軸線20を挟んで対向する2対の検出電極Esのうちの一方の対Es1,Es3の位置では、底部21の周縁部が中心軸線20の一方に向かう変位DS1が生じ、他方の対Es2,Es4の位置では、底部21の周縁部が中心軸線20の他方に向かう変位DS2が生じる。これらの変位DS1,DS2が、各検出電極Es1〜Es4に対応した検出用圧電素子Ps1〜Ps4によって検出される。
図10Aはセンサボディ2の平面図であり、図10Bは図10AのB−B線断面図であり、図10Cは図10AのC−C線断面図である。角速度ωが生じているときには、コリオリ力に起因して検出電極Esの位置でも振動OSが生じる。具体的には、中心軸線20を挟んで対向する一対の検出電極Es1,Es3と、他の一対の検出電極Es2,Es4とに沿って、交互に、底部21の伸張および収縮が生じる。それに応じて、底部21が反り変形し、その反り変形に応じて胴部22にも変形が生じる。その結果、図8に示す変形に対して、さらにコリオリ力による振動を加えた複雑な三次元変形がセンサボディ2に生じる。
角速度ωが生じているときには、したがって、コリオリ力に起因する振動OSが、中心軸線20を挟んで対向する一対の検出用圧電素子Ps1,Ps3と、これに直交する方向に配置された他の一対の検出用圧電素子Ps2,Ps4とによって検出される。
図11A〜図11Lは、センサボディ2の製造工程を説明するための断面図である。
図11Aに示すように、SOI基板10が準備される。SOI基板10は、シリコン基板11と、その表面に形成された絶縁膜12(いわゆる埋め込み酸化膜)と、その表面に形成されたシリコン層13(活性層)とを含む。シリコン基板11は、たとえば、厚さ525nmであってもよい。絶縁膜12は、たとえば、厚さ1000nmのシリコン酸化膜であってもよい。シリコン層13は、不純物を添加して低抵抗化することにより、導電性を持たせた半導体層であり、たとえば厚さ20μm、比抵抗が1〜10Ω・cmであってもよい。
図11Bに示すように、SOI基板10のシリコン層13の表面の全域に下部電極5が形成され、さらに下部電極5上に圧電体膜6が積層される。下部電極5は、たとえば、シリコン層13の表面に、Ti層(密着層)およびPt層を順に積層した積層電極膜からなっていてもよい。下部電極5上に、圧電体膜6を形成するためのシード層がさらに形成されてもよい。シード層としては、(Pa,La)TiO3(PLT)膜が用いられてもよい。Ti層、Pt層、PLT層は、多元スパッタ装置を用いて連続して成膜することができる。各層の成膜条件の例は、次のとおりである。
Figure 0006455751
圧電体膜6は、たとえばPZTからなる。一般に、圧電体膜6は、Pb,ZrおよびTi(PZT)を主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、Pb,Mg,NbおよびTi(PMNT)を主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、K,NaおよびNb(KNN)を主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、またはBa,CaおよびTi(BCT)を主成分とするペロブスカイト構造の酸化物からなっていればよい。このような圧電体膜6は、ゾルゲル法またはスパッタ法により形成できる。たとえば、スパッタ法によってPZT膜を形成する場合の条件の例は次のとおりである。
Figure 0006455751
次に、図11Cに示すように、圧電体膜6上にフォトレジストパターン61が形成される。フォトレジストパターン61は、励振電極Edおよび検出電極Esの形成位置に対応した開口62を有している。
図11Dに示すように、フォトレジストパターン61上に上部電極膜63が堆積させられる。上部電極膜63は、フォトレジストパターン61の開口62内において圧電体膜6に接し、その開口62外においてフォトレジストパターン61の表面に接する。上部電極膜63は、たとえばPt膜であってもよい。また、後のワイヤボンディングを考慮して、ワイヤとの接合性に優れたAu(金)を用いてもよい。ただし、金自体をPZTの表面に直接成膜すると密着性が悪いので、PZTの表面に密着層としてCr膜(たとえば膜厚約50nm)を成膜し、その後にAu膜(たとえば膜厚約100nm)を成膜することが好ましい。これらの膜は、スパッタ装置を用いて行うことができる。
次いで、図11Eに示すように、フォトレジストパターン61が除去される。このとき、フォトレジストパターン61の表面の上部電極膜63がリフトオフされ、フォトレジストパターン61の開口62内の上部電極膜63のみが圧電体膜6上に残されて、励振電極Edおよび検出電極Esを構成する。
次に、図11Fに示すように、シリコン層13を選択エッチングするためのエッチングマスク層65がシリコン層13側の全表面に形成され、かつシリコン基板11を裏面から選択エッチングするためのエッチングマスク層66がシリコン基板11の裏面の全面に形成される。エッチングマスク層65,66は、たとえば、Cr(クロム)膜からなっていてもよい。活性層であるシリコン層13のエッチングはシリコン基板11のエッチングに比較してCrに対する選択比がよくないので、シリコン層13側のCr層の膜厚(たとえば800nm)を、シリコン基板11裏面のCr層の膜厚(たとえば500nm)よりも大きくしておくことが好ましい。
次いで、図11Gに示すように、それらのエッチングマスク層65,66の表面に、それぞれレジストパターン67,68が形成される。表面側のレジストパターン67は、センサボディ2の底部21の外周縁を規定する環状の開口69と、底部21中央の凹部27に対応した円形の開口70とを有している。裏面側のレジストパターン68は、センサボディ2の胴部22の外周を規定する環状の開口71と、センサボディ2の胴部22の内周および柱状部25の周面を規定する環状の開口72とを有している。
図11Hに示すように、これらのレジストパターン67,68をマスクにエッチングマスク層65,66がエッチング(たとえばクロム用エッチング液を用いたウェットエッチング)され、エッチングマスク層65,66が、レジストパターン67,68と同様のパターンにパターニングされる。パターニング後のエッチングマスク層65は、電極Ed,Esの上面および端面を覆っている。
図11Iに示すように、エッチングマスク層65,66をマスクとして、圧電体膜6、下部電極5およびシリコン層13がエッチングされる。圧電体膜6(たとえばPZT膜)のエッチングは、NLD−RIE(magnetic Neutral Loop Discharge Reactive Ion Etching:磁気中性線放電反応性イオンエッチング)装置を用いて行ってもよい。NLD−RIEは、反応室内に磁場を発生させることによって低気圧下でプラズマを発生させ、プラズマの高密度化および面内均一性向上を図ることができる方法である。PLTからなるシード層および下部電極5(Pt/Ti)も同装置で同様の条件でエッチングできる。その後、シリコン層13のエッチングが行われる。シリコン層13のエッチングも同装置を用いて行うことができる。圧電体膜6(PZT)とシリコン層13とのエッチング加工条件例を以下に示す。
Figure 0006455751
この後は、図11Jに示すように、表面側のパターンをレジスト74で覆った状態で、エッチングマスク層66をマスクとして、裏面側から、シリコン基板11がエッチングされる。このエッチングは、たとえば、ICP−RIE(Inductively Couple Plasma Reactive Ion Etching)装置を用いたドライエッチングであってもよい。より具体的には、反応性の高いガスを用いたエッチングプロセスと、Si表面にポリマーによる保護膜を堆積するプロセスとを繰り返すことによって、側面のエッチングを抑えつつ高いアスペクト比を実現するBoschプロセスを使用してもよい。たとえば、シリコンのエッチングにはSFを用いることができ、保護膜生成にはCを用いてもよい。加工条件の一例を以下に示す。
Figure 0006455751
その後、図11Kに示すように、底部21の外側の絶縁膜12をエッチング除去することにより、センサボディ2がSOI基板10から切り離される。エッチングは、たとえばICP−RIE装置を用いたドライエッチングであってもよい。エッチング条件の一例を次に示す。
Figure 0006455751
そして、図11Lに示すように、エッチングマスク層65,66(Cr層)をクロム用エッチング液で除去することによって、センサボディ2が得られる。
図12A〜図12Gは、支持基板31の製造工程を説明するための断面図である。
図12Aに示すように、表面に絶縁膜81(たとえば熱酸化により形成された酸化シリコン膜)が形成されたシリコン基板80が準備される。シリコン基板80の厚さはたとえば300μm程度、絶縁膜81の膜厚は100nm程度であってもよい。
図12Bに示すように、絶縁膜81の表面に、配線Wd,Ws,Wcのパターンに対応した開口82を有するレジストパターン83が形成される。その上に、図12Cに示すように、全面に配線膜85が堆積させられる。配線膜85は、絶縁膜81に接する密着層としてのCr膜(たとえば膜厚約50nm)と、その上に積層されたAu膜たとえば膜厚約100nm)との積層膜であってもよい。これらの膜は、スパッタ装置を用いて行うことができる。配線膜85は、レジストパターン83の開口82内に入り込んで絶縁膜81上に形成され、開口82外ではレジストパターン83上に形成される。
次いで、図12Dに示すように、レジストパターン83を除去すると、レジストパターン83上の配線膜85がリフトオフされ、それによって、レジストパターン83の開口82に対応した配線Wd,Ws,Wcが絶縁膜81上に残される。
次に、図12Eに示すように、堀込み部15に対応した環状の開口87を有するレジストパターン88が形成される。このレジストパターン88をマスクとして、図12Fに示すように、絶縁膜81がエッチングされ、さらにシリコン基板80がエッチングされる。これにより、環状の堀込み部15が形成され、その内側に円柱状の支持部14が形成される。その後、図12Gに示すように、レジストパターン88を除去することによって、支持基板31が得られる。
絶縁膜81のエッチングは、たとえば、バッファドフッ酸(BHF)を用いたウェットエッチングで行ってもよい。また、シリコン基板80のエッチングは、センサボディ2のシリコン基板11の場合と同様に、ICP−RIE装置を用いたドライエッチングで行ってもよい。加工条件は、センサボディ2のシリコン基板11の場合と同様とすればよい。エッチングの深さは、プロセスサイクル数を調整することによって設定でき、たとえば、150μm程度としてもよい。
その後は、支持部14に柱状部25を接着することによって、センサボディ2と支持基板31とが柱状部25を介して結合される。そして、センサボディ2の電極Ed,Es,5を支持基板31上の配線Wd,Ws,Wcにワイヤボンディングすることにより、MEMS圧電センサ1が得られる。
図13は、センサボディ2の振動を確認した実験結果を示す。実験に用いたセンサボディ2の各部の寸法(図2参照)は、次のとおりである。すなわち、柱状部25の直径D1=1mm、底部21の直径D2=3mm、胴部22の高さH=525μm、底部21の厚さT=20μm、胴部22の厚さT=30μmである。各電極Ed,Esは、幅100μm、長さ1100μmの長方形である。
励振電極Ed1〜Ed4に正弦波を印加し、その周波数を掃引する一方で、レーザドップラー振動計(Laser Doppler Vibrometer)で励振電極Ed1〜Ed4の近傍の振動を計測した。その結果、周波数34kHz付近で、振動の位相が反転し、かつ振幅が極大となり、共振が確認された。
図14は、ワイングラスモードによる定常振動を確認した実験結果を示す。実験に用いたセンサボディ2は図13の場合と同じである。励振電極Ed1〜Ed4に周波数34kHz付近の正弦波を印加し、底部21の周縁部における振幅をレーザドップラー振動計で計測した。横軸は、中心軸線20を挟んで対向する一対の励振電極Ed1,Ed3に沿って定義したx軸方向の位置であり、縦軸は中心軸線20を挟んで対向する他の一対の励振電極Ed2,Ed4に沿って定義したy軸方向の位置であり、x軸およびy軸の交点である原点は、底部21の中心軸線20に相当している。原点からの距離が、中心軸線20まわりの各方向の周縁部での振幅を表している。
図14から、励振電極Edの位置が振動の腹となり、それらの間の中間位置、すなわち検出電極Esの位置が振動の節となっていることが分かる。すなわち、ワイングラスモードの定常振動(共振)が生じていることが分かる。
図15は、検出動作を確認するための実験結果を示す。実験に用いたセンサボディ2は図13の場合と同じである。周波数応答分析装置(Frequency Response Analyzer)を用いて、一対の励振電極Ed1,Ed3に正弦波を印加し、その周波数を掃引する一方で、別の励振電極Ed2,Ed4の出力信号を検出した。その結果、周波数34kHz付近で、検出信号の位相が反転し、かつ振幅(任意単位)が極大となり、共振が確認された。これにより、センサボディ2上の圧電素子により振幅の検出が可能であることが確認できた。
表6は、胴部22の厚みTを20μm、30μmおよび40μmとした試料を準備して、ワイングラスモードでの固有振動数を測定し、さらにワイングラスモードでのQ値を求めた実験結果を示す。
Figure 0006455751
図16Aは、Q値を一定とし、共振状態の振幅が静荷重印加時の変位に比例すると仮定して、胴部22の厚みTに対する正規化されたスケールファクタ(任意単位)の関係を求めた結果を示す図である。図16Bは、胴部22の厚みTと振動状態での正規化されたスケールファクタ(任意単位)との関係を示す。スケールファクタは、1度/秒当たりの電圧変化量を表し、角速度検出感度に相当する。振動状態では、駆動および検出の振動振幅がそれぞれQ値倍となる。そこで、図16Aのスケールファクタに対して、表6の各厚みTに対応したQ値の2乗を乗じ、最大値で正規化することによって、図16Bのスケールファクタが得られる。
胴部22の厚みTが小さいほどスケールファクタが大きく、したがって、感度の高いMEMS圧電センサ1を提供できる。すなわち、胴部22の厚みTが小さいほど、コリオリ力による変位が大きくなるので、それに応じて、高感度なセンサを実現できる。ただし、厚みTは10μm以上とすることが好ましく、10μm以上の範囲において胴部22の厚みTを薄くするほど、高感度なセンサを実現できる。
以上のように、この実施形態のMEMS圧電センサ1によれば、センサボディ2は、カップ形状を有しており、その中心軸線20上で支持構造3に結合されて支持されている。したがって、センサボディ2は中心軸線20上で支持された状態でほぼ全体が振動可能である。
センサボディ2の表面に形成された圧電体膜6には、複数個の電極が接合されている。複数個の電極は、この実施形態では、4個の励振電極Ed1〜Ed4および4個の検出電極Es1〜Es4を含み、これらは、カップ形状の中心軸線20を中心とした放射状に配置されている。これらの電極Ed,Esを用いて、センサボディ2のほぼ全体に渡る振動を生じさせたり、外力その他の影響で圧電体膜6に生じる起電力を検出したりすることができる。センサボディ2のほぼ全体が振動するので、感度の高い検出が可能である。
また、外力、温度、湿度、加速度、角速度、角加速度等の種々の物理量に応じてカップ状のセンサボディ2には3次元的な変形が生じるので、複数の座標軸方向に関する物理量を同時に検出することができ、いわゆる多軸化を実現できる。
この実施形態の構成では、2対の励振電極Ed1,Ed3;Ed2,Ed4に駆動電圧を印加することにより、逆圧電効果によって、圧電体膜6を伸縮させ、それによって、センサボディ2を振動させることができる。一方、2対の検出電極Es1,Es3;Es2,Es4は、圧電効果によって圧電体膜6に生じる電圧を導出することができる。これにより、センサボディ2を振動させ、かつセンサボディ2の変形を検出することができるから、高感度な振動型センサを提供できる。また、カップ状のセンサボディ2に生じる3次元的な変形を検出電極Es1〜Es4によって検出でき、それによって、いわゆる多軸化を実現できる。
また、この実施形態では、励振電極Edおよび検出電極Esは、中心軸線20まわりに2n回対称(ただしnは自然数。この実施形態では、n=4)の位置に設けられている。そして、中心軸線20を挟んでそれぞれ対称な位置に2対の励振電極Ed1,Ed3;Ed2,Ed4が配置され、中心軸線20を挟んでそれぞれ対称な位置に2対の検出電極Es1,Es3;Es2,Es4が配置されている。そして、励振電極Edと検出電極Esとが2n回対称の位置に交互に配置されている。これにより、センサボディ2を効果的に励振でき、大きな振幅で振動させることができる。また、センサボディ2の形状変化を精度良く検出することができ、それにより、センサボディ2の振動を高感度に検出でき、かつ多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を実現できる。
さらに、この実施形態では、励振電極Edによってセンサボディ2に定常振動(ワイングラスモード)を生じさせた状態で、検出電極Esによって物理量を検出することができる。検出電極Esは、定常振動の節Nに配置されているので、励振電極Edにより生じた振動の影響が抑制された状態で、センサボディ2に生じる変化を検出できる。
より具体的には、この実施形態では、センサボディ2に定常振動が生じた状態で、MEMS圧電センサ1に角速度が働くと、コリオリ力によって定常振動が変化し、この変化を表す信号が検出電極Esから取り出される。それによって、角速度を検出できる。センサボディ2には3次元的な振動が生じるので、検出電極Esから取り出される信号に対して適切な処理を行うことによって、同時に3軸に関する角速度の検出が可能である。
また、この実施形態では、センサボディ2に生じる定常振動がワイングラスモードである。ワイングラスモードでは、振動損失が少ないのでQ値が高く、かつ、外部からの加速度等の影響を受けにくい。これにより、感度の高い検出が可能であり、多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を提供できる。
また、この実施形態では、センサボディ2が、底部21および胴部22を含み、支持構造3が底部21においてセンサボディ2に結合されている。したがって、センサボディ2がその底部21で支持されているので、センサボディ2の全体に振動を生じさせることができるから、振動損失の少ない振動、たとえばワイングラスモードでの振動が可能になる。それによって、高感度の検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を提供できる。
具体的には、この実施形態では、底部21に結合された柱状部25によってセンサボディ2が支持されている。これにより、センサボディ2の全体に振動を生じさせることができるから、振動損失の少ない振動、たとえばワイングラスモードでの振動が可能になる。
また、この実施形態では、柱状部25がカップ形状の内側においてセンサボディ2の底部21に結合されている。そして、支持構造3は、センサボディ2の開口縁23側で柱状部25に結合された支持基板31を含む。この構成では、カップ形状の内側に柱状部25を配置できるので、小型かつ高感度で、しかも多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を提供できる。
また、この実施形態では、支持基板31の表面とセンサボディ2の開口縁23とが離隔しているので、センサボディ2の振動が支持基板31によって阻害されることがない。それにより、センサボディ2を効率的に振動させることができるので、高感度で多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を提供できる。
さらに、この実施形態では、支持基板31の表面において柱状部25に対応する位置に支持部14が設けられており、支持基板31の表面においてセンサボディ2の開口縁23に対向する位置に、支持部14よりも掘り下げた堀込み部15が形成されている。この構成によれば、支持基板31の表面の支持部14で柱状部25を支持する一方で、センサボディ2の開口縁23に対向する位置には支持基板31の表面に凹所(堀込み部15)が形成されている。これにより、センサボディ2の効率的な振動を確保した状態でセンサボディ2を支持できる。
また、柱状部25は、中心軸線20に沿う方向に関して、センサボディ2の開口縁23よりもセンサボディ2の外方(底部21とは離れる方向)に突出していなくてもよい。より具体的には、柱状部25の支持基板31に対向する端部が、中心軸線20に沿う方向に関して、センサボディ2の開口縁23と同じ位置にあってもよい。このような構造は、SOI基板10をエッチングしてセンサボディ2と、それと一体化した柱状部25とを同時に形成して得られる。したがって、MEMS工程でセンサボディ2および柱状部25を同時に形成した構造により、支持基板31に形成した堀込み部15によって、センサボディ2の効率的な振動を確保できる。
さらに、この実施形態では、支持基板31は回路配線Wd,Ws,Wcが形成された回路基板であり、その回路配線Wd,Ws,WcにボンディングワイヤBd1〜Bd4,Bs1〜Bs4によって電極5,Ed〜1Ed4,Es1〜Es4が接続されている。すなわち、ワイヤボンディングによって、電極と回路配線との接続が確保されている。励振電極Ed1〜Ed4および検出電極Es1〜Es4が形成されている底部21は平坦な外表面21aを有しているので、それらの電極5,Ed〜1Ed4,Es1〜Es4と支持基板31上の配線とのワイヤボンディングは容易に達成できる。
また、この実施形態では、センサボディ2が、平板状の底部21と、底部21に結合された筒状の胴部22とを含む。そして、平板状の底部21の外表面21aに圧電体膜6が配置されている。このように、センサボディ2が平板状の底部21と筒状の胴部22とを有する構造は、SOI基板10をエッチングする工程で製造できる。また、電極Ed,Esは、センサボディ2の外側に配置されるので、電極Ed,Esの外部接続が容易である。
また、この実施形態では、センサボディ2が、シリコンを主成分とする材料からなっているので、シリコンの加工によってセンサボディ2を作製できる。
センサボディ2の胴部22は、直径D2が0.2mm以上5mm以下、かつ肉厚Tが前記直径D2の1/20以下の円筒形状であることが好ましい。そして、その円筒形状の中心軸線20方向の長さHが100μm以上1mm以下であることが好ましい。これにより、センサボディ2を効率的に励振でき、かつ感度の高い検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を提供できる。
センサボディ2の直径D2を0.2mm以上5mm以下とすることにより、加工および配線が容易で、かつ共振周波数を高感度検出が可能な高周波数域にできる。すなわち、センサボディ2の直径D2が0.2mm未満では、円筒形状の加工および配線が困難になる。また、センサボディ2の直径D2が5mmを超えると、共振周波数が低くなり、感度低下の懸念がある。
胴部22の肉厚Tは、薄いほど感度が向上するので、円筒形状の直径D2の1/20以下とすることが好ましい。ただし、肉厚Tが薄すぎると加工形状が不安定になって、センサ特性のバラツキの原因となるので、肉厚Tは10μm以上が好ましい。
胴部22の長さHは、短すぎるとQ値が下がり、感度が低下する懸念があるので、100μm以上とすることが好ましい。一方、胴部22の長さHが長すぎると、加工時間がかかりすぎて実用的でないので、1mm以下が好ましい。
また、支持構造3を構成する柱状部25は、胴部22の円筒形状の直径D2の1/20以上1/2以下の直径D1を有する円形断面を有する円柱状であることが好ましい。これにより、センサボディ2を効率的に励振でき、かつ感度の高い検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を提供できる。とくに、円筒形状の胴部22を円形断面の柱状部25により支持する構造は、センサボディ2全体を効率良く振動させることができる。なお、柱状部25の円形断面は、中心軸線20に垂直な切断面の形状である。
柱状部25の直径D1を胴部22の円筒形状の直径D2の1/20以上としておくことにより、柱状部25と底部21との結合が充分な強度を有する。また、柱状部25と底部21との結合領域18に電極Ed,Esの接続部であるボンディングパッド9を設けることができ、柱状部25によって確実に支持された状態で、電極Ed,Esのボンディングパッド9に対する配線接続(ワイヤボンディング)を安定に行うことができる。また、柱状部25の直径D1を胴部22の円筒形状の直径D2の1/2以下としておくことにより、柱状部25による振動の拘束を抑制できるから、センサボディ2全体を効率的に振動させることができる。
また、圧電体膜6の膜厚は、0.2μm以上5μm以下であることが好ましい。これにより、圧電体膜6がセンサボディ2の振動および変形を拘束することを回避でき、かつ圧電体膜6が必要な逆圧電効果および圧電効果を生じるので、感度の高い検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を提供できる。膜厚が0.2μm未満では、リーク発生の懸念があり、励振できないおそれがある。また、膜厚が5μmを超えると、微細加工が困難になるおそれがある。
圧電体膜6は、前述のとおり、Pb,Zr,Tiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物(PZT)、Pb,Mg,Nb,Tiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物(PMNT)、K,Na,Nbを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物(KNN)、またはBa,Ca,Tiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物(BCT)からなることが好ましい。これらは、高い圧電特性を有する圧電薄膜材料であるので、圧電体膜6は、大きな逆圧電効果および圧電効果を生じるから、感度の高い検出が可能となる。
このような圧電体膜6は、ゾルゲル法またはスパッタ法により形成することができ、それにより、必要な膜厚の圧電体膜6を形成できる。したがって、感度の高い検出が可能で、多軸化に有利なMEMS圧電センサ1を提供できる。
図17は、この発明の他の実施形態に係るMEMS圧電センサ1Aの構成を説明するための図解的な断面図である。図17において、前述の実施形態の各部に対応する部分には同一参照符号を付して示す。
この実施形態では、カップ形状のセンサボディ2は、底部21を支持基板31に対向させ、開口縁23を支持基板31とは反対側に向けた姿勢で、支持基板31上に支持されている。支持基板31は、平坦な表面31aを有しており、その表面に配線Wc,Wd,Wsが形成されている。配線Wc,Wd,Wsの一端にバンプ90が配置されている。センサボディ2の底部21には、支持基板31に対向する外表面21aに下部電極5が形成されており、下部電極5上に圧電体膜6が積層されており、さらに圧電体膜6上に励振電極Edおよび検出電極Esが積層されている。電極Es,Edの一端部(たとえば内方側の端部)にバンプ91が配置されている。このバンプ91が配線Wd,Ws側のバンプ90に接合されている。一方、下部電極5の一部が圧電体膜6から露出している。この実施形態では、下部電極5は、中心軸線20を含む領域で露出している。この下部電極5の露出部から圧電体膜6の表面に引き出し配線93が引き出されており、この引き出し配線93にバンプ92が設けられている。このバンプ92は、支持基板31上の配線Wc上に設けられたバンプ90に接合されている。
このように、この実施形態では、センサボディ2の内部に柱状部25を設けることなく、センサボディ2がその中心軸線20の近傍の結合領域18で支持基板31に支持されている。この実施形態では、支持構造3は、支持基板31と、バンプ90〜92とを含む。
この実施形態では、支持構造3が、カップ形状の外側においてセンサボディ2の底部21に結合されている。したがって、支持構造3とセンサボディ2との結合が容易であるので、簡単な構造で、感度が高く、多軸化に有利なMEMS圧電センサ1Aを提供できる。
また、センサボディ2の底部21の外表面21aを支持基板31に対向させた状態でセンサボディ2を支持できるので、支持構造3を簡単にしながら、感度が高く、かつ多軸化に有利な構造のMEMS圧電センサ1Aを提供できる。
そして、支持基板31の表面31aに回路配線Wc,Wd,Wsが形成されており、その回路配線Wc,Wd,Wsと電極5,Ed,Esとがワイヤレスボンディングで接続されている。それにより、接続構造を簡単にしながら、感度が高く、かつ多軸化に有利なMEMS圧電センサ1Aを提供できる。また、電気的接続のための構造をセンサボディ2の支持構造3の一部に利用できるので、全体の構造を簡単にすることができる。
図18は、この発明のさらに他の実施形態に係るMEMS圧電センサ1Bの構成を説明するための図解的な断面図である。図18において、前述の各実施形態に示された各部の対応部分は同一参照符号で示してある。
この実施形態では、センサボディ2の底部21の外表面21aに、柱状部95が結合されている。柱状部95は、センサボディ2の中心軸線20に沿って、底部21の外表面21aから、当該底部21から離れる方向に延びている。柱状部95の先端は、支持基板31の表面31aに支持されている。柱状部95は、たとえば、SOI基板10のシリコン層13を加工して作製することができる。
この実施形態では、カップ形状のセンサボディ2は、底部21を支持基板31に対向させ、開口縁23を支持基板31とは反対側に向けた姿勢で、支持基板31上に支持されている。支持基板31は、平坦な表面31aを有しており、その表面に配線Wc,Wd,Wsが形成されている。配線Wc,Wd,Wsの一端にバンプ90が配置されている。センサボディ2の底部21には、支持基板31に対向する外表面21aに下部電極5が形成されており、下部電極5上に圧電体膜6が積層されており、さらに圧電体膜6上に励振電極Edおよび検出電極Esが積層されている。
電極Es,Edの一端部(たとえば内方側の端部)は、柱状部95の側面に沿って引き出され、柱状部95の先端面95aに至る引き出し部96を有している。この引き出し部96上には、柱状部95の先端面95a上において、バンプ91が配置されている。このバンプ91が配線Wd,Ws側のバンプ90に接合されている。一方、下部電極5の一端部(たとえば内方側の端部)は、柱状部95の側面に沿って引き出され、柱状部95の先端面95aに至る引き出し部97を有している。この引き出し部97上には、柱状部95の先端面上において、バンプ92が設けられている。このバンプ92は、支持基板31上の配線Wc上に設けられたバンプ90に接合されている。
このように、この実施形態では、センサボディ2の外側に設けた柱状部95を介して、センサボディ2が、その中心軸線20の近傍の結合領域18で支持基板31に支持されている。すなわち、この構成によっても、センサボディ2の外側に設けた支持構造3で、センサボディ2をその中心軸線20上で支持できる。
この実施形態では、支持構造3は、支持基板31と、柱状部95と、バンプ90〜92とを含む。柱状部95を設けることによって、支持基板31とセンサボディ2とを確実に離隔させることができる。
図19Aおよび図19Bは、この発明のさらに他の実施形態に係るMEMS圧電センサ1C,1Dの構成を説明するための斜視図である。この実施形態では、支持基板31上に十字状に配置された一対の直線状の梁部101が形成されており、その一対の梁部101の交差部に支持部14が配置されている。支持部14上に、センサボディ2と一体に形成された柱状部25が接着されている。梁部101は、平面視において、センサボディ2の内側および外側に跨がって直線状に延びている。梁部101が十字状になっていて、その交差部に支持部14が配置されているため、センサボディ2を支持部14に配置して組み立てるときに、梁部101を参照することによって、センサボディ2を容易にかつ正確に位置合わせすることができる。それによって、センサボディ2の組立性が向上し、かつ正確な組立が可能になる。
梁部101は、支持基板31の表面31aから掘り込んだ凹所である堀込み部15内に形成されている。
図19Aの構成では、堀込み部15の底面15aからの梁部101の高さは、支持基板31の表面31aよりも低く、底面15aからの支持部14の高さは、支持基板31の表面31aと同じである。そして、センサボディ2の柱状部25の下端と開口縁23とが同一平面内に位置している。したがって、開口縁23と梁部101との間には、梁部101と支持部14との高さの差に応じた隙間が確保されている。
一方、図19Bの構成では、堀込み部15の底面15aからの梁部101の高さは、支持基板の表面31aと同じであり、支持部14の高さも表面31aと同じである。そして、センサボディ2の柱状部25の下端よりも下方(支持基板31に近づく方向)にまで開口縁23が延びている。開口縁23には、梁部101を挿通させるための凹部である切り欠き部24が、梁部101に対応する箇所(この実施形態では4箇所)に配置されている。梁部101は、切り欠き部24を通って、センサボディ2の内側と外側とに跨がって延びている。切り欠き部24により、センサボディ2と梁部101との接触を回避する隙間が確保されている。
なお、梁部101は十字状に交差している必要はなく、互いに交差する少なくとも2つの梁部101が支持基板31の表面に設けられていれば、センサボディ2の位置合わせの際に目印として用いることができる。
このように、この構成では、支持基板31の表面31aに設けられた支持部14から異なる方向(180度以外)に延びた複数の梁部101が設けられており、その複数の梁部101が、センサボディ2の内側と外側とに跨がって延びている。したがって、組立時には、複数の梁部101を目印にして、センサボディ2を支持部14に対して位置合わせできる。
また、図19Bの構成では、センサボディ2の開口縁23には、複数の梁部101に対応する位置に切り欠き部24が形成されているので、梁部101との接触を切り欠き部24で回避できる。したがって、センサボディ2の開口縁23を梁部101の表面よりも支持基板31の表面31aに近い位置に配置することができる。それによって、センサボディ2を大きくすることができるので、より感度の高い検出が可能になる。
図20は、この発明のさらに他の実施形態に係るMEMS圧電センサ1Eの構成を説明するための図解的な断面図である。図20において、前述の実施形態に示した各部の対応部分は同一参照符号で示す。
この実施形態では、センサボディ2の胴部22に圧電素子Pd,Psが形成されている。具体的には、センサボディ2の胴部22の外表面22aに下部電極5が形成されており、その下部電極5に圧電体膜6が積層されており、その圧電体膜6上に励振電極Edおよび検出電極Esが設けられている。これにより、励振電極Edの位置に励振用圧電素子Pdが形成されており、検出電極Esの位置に検出用圧電素子Psが形成されている。
たとえば、合計8個の励振電極Edおよび検出電極Esは、中心軸線20まわりに8回対称の位置に配置されている。具体的には、4個の励振電極Edが、中心軸線20まわりに4回対称の位置に配置されている。また、4個の検出電極Esは、中心軸線20まわりに4回対称の位置に配置されている。励振電極Edおよび検出電極Esは、中心軸線20まわりの8回対称の位置に周方向に沿って交互に配置されている。励振電極Edおよび検出電極Esは、たとえば、ボンディングワイヤBd,Bsによって、支持基板31上の配線Wd,Wsに接続されている。
下部電極5は、圧電体膜6から一部が露出している。その露出部と支持基板31上の配線WcとがボンディングワイヤBcによって接続されている。
なお、センサボディ2の底部21と胴部22との両方に圧電素子を形成することもできる。
図21A〜図21Cは、センサボディ2の形状に関する変形例を示す。これらの図において、前述の実施形態の各部の対応部分には、同一参照符号を付して示す。
図21Aの例では、センサボディ2の胴部22が中心軸線20に対して傾斜していて、円錐台筒形状(コーン形状)に構成されている。より具体的には、底部21から開口縁23に向かって拡がる円錐台筒形状(コーン形状)である。電極Ed,Esは、底部21に配置されてもよいし、胴部22に配置されてもよい。
図21Bの例では、センサボディ2の胴部22は、中心軸線20に対して第1の傾斜角で傾斜した第1部分221と、第2の傾斜角で傾斜した第2部分222とを含む。第1部分221は、底部21に結合され、底部21から離れるに従って中心軸線20から離れるように外側に向かって傾斜した側面を有する円錐台筒形状(コーン形状)である。第2部分222は、第1部分221の外側縁部に連続する外側縁部を有し、その外側縁部から中心軸線20に向かって内方に傾斜して延びた側面を有する円錐台筒形状(コーン形状)である。すなわち、第1部分221は底部21から離れるに従って外側に拡がる形状であり、第2部分222は底部21から離れるに従って内側に窄まる形状であり、それらの外側縁部同士が結合されている。電極Ed,Esは、底部21に配置されてもよいし、胴部22(たとえば第1部分221)に配置されてもよい。
図21Cの例では、胴部22は円筒形状であり、底部21とは反対側の縁部には、中心軸線20に垂直な平面に沿って内方に延びた環状のフランジ部223が結合されている。電極Ed,Esは、底部21に配置されてもよいし、胴部22に配置されてもよい。
図22は、センサボディ2の形状に関する変形例を示す。この例では、センサボディ2は、ワイングラス形に形成されている。より具体的には、センサボディ2は、中心軸線20まわりの回転体であって、中心軸線20を含む切断面において、底部21および胴部22が区切りなく連続した湾曲線に沿っている。たとえば、底部21および胴部22が切断面において従う湾曲線は、部分楕円(具体的には半楕円)の周形状であってもよい。図22の例では、底部21の中心軸線20に沿って柱状部95がセンサボディ2と一体的に設けられている。この例では、柱状部95は、センサボディ2の外側に配置されているが、同様の柱状部95をセンサボディ2の内側に設けることもできる。また、柱状部95を設けずに、図17と同様な支持構造3によって、センサボディ2を支持基板31上に支持することもできる。電極Ed,Esは、底部21に配置されてもよいし、胴部22に配置されてもよい。
図23は、ワイングラス形のセンサボディ2の内側に圧電素子Pd,Psを配置した構成例を示す。センサボディ2の内表面に下部電極5が形成され、その下部電極5に圧電体膜6が積層されている。そして、圧電体膜6の表面に励振電極Edおよび検出電極Esが配置されている。センサボディ2の内側に圧電素子Pd,Psを配置することによって、センサボディ2の内方で支持基板31との電気的接続を行うことができる。それによって、MEMS圧電センサの小型化を図ることができる。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、次に例示的に列記するとおり、さらに他の形態で実施することもできる。
(1) センサボディは、必ずしも回転体である必要はない。たとえば、多角筒状体、多角錘台筒状体などでセンサボディを構成してもよい。
(2) センサボディの内側への圧電素子の配置は、図23の形状のセンサボディに限らず、他の形態のセンサボディであっても、その内側に圧電素子を配置することができる。
(3) 圧電体膜を挟んで下部電極に対向する上部電極(励振電極および検出電極)は、少なくとも2個あればよい。少なくとも2個の上部電極は、少なくとも一つの励振電極と、少なくとも一つの検出電極とを含むことが好ましい。励振電極と検出電極とは同数である必要はない。したがって、上部電極の総数は奇数であっても偶数であってもよい。たとえば、一つの励振電極と、2つの検出電極とを設けて、合計3つの上部電極を設けてもよい。さらに、複数個の上部電極は、少なくとも一対の励振電極と、少なくとも一対の検出電極を有することが好ましい。この場合には、少なくとも4個の上部電極が設けられることになる。
(4) 励振電極と検出電極とは、センサボディ上の等価な位置に必ずしも配置する必要はない。たとえば、励振電極をセンサボディの底部に配置し、検出電極をセンサボディの胴部に配置してもよく、その反対の配置としてもよい。
(5) センサボディと支持構造との結合領域は、図1等の実施形態では柱状部25と底部21とが結合された円形の領域であり、その全域で柱状部25が底部21に結合されている。それに対して、図17、図18等の実施形態では、バンプ90等を包含する領域であって、その内部では複数のバンプ90の位置においてセンサボディ2と支持構造3とが結合されている。そして、複数のバンプ90が中心軸線20を取り囲むように配置されているので、センサボディ2は、実質的には、中心軸線20上で支持構造3に結合されていると言える。同様な結合は、結合部分が円弧形状をなす場合や、環状をなす場合にも達成され得る。
(6) 圧電体膜6は、センサボディ2の底部21および胴部22の一方のみに配置してもよいし、両方に配置してもよい。また、センサボディ2の底部21の内表面および外表面のいずれに圧電体膜6を配置してもよいし、それらの両方に圧電体膜6を配置してもよい。同様に、センサボディ2の胴部22の内表面および外表面のいずれに圧電体膜6を配置してもよいし、それらの両方に圧電体膜6を配置してもよい。カップ状のセンサボディ2の全体が振動および変形するので、圧電体膜6は底部21および胴部22のいずれに配置してもよく、その圧電体膜の配置に応じて電極を配置すればよい。
(6) 中心軸線20まわりの2n回対称の位置に電極Ed,Esを配置する場合に、すべての位置に電極を配置せずに、いずれか少なくとも一つの位置を空位としてもよい。たとえば、8回対称の位置のうちの6箇所のみに電極を配置してもよい。具体的には、8回対称の位置のうちの2箇所に励振電極Edをそれぞれ配置し、それらの位置のうちの4箇所に検出電極Esをそれぞれ配置してもよい。ただし、すべての位置に電極Ed,Esを配置する方が、より高感度な検出が可能になる。
(7) 励振電極Edと検出電極Esとの数は同数でなくてもよい。たとえば、中心軸線20まわりの6回対称の位置のうちの2箇所に励振電極Edをそれぞれ配置し、それらのうちの4箇所に検出電極Esをそれぞれ配置してもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1,1A,1B,1C,1D,1E MEMS圧電センサ
2 センサボディ
3 支持構造
5 下部電極
6 圧電体膜
8 下部電極接続部
9 ボンディングパッド(上部電極の接続部)
10 SOI基板
11 シリコン基板
12 絶縁膜
13 シリコン層
14 支持部
15 堀込み部(凹所)
16 隙間
17 接着剤
18 結合領域
20 中心軸線
21 底部
22 胴部
23 開口縁
24 切り欠き部(凹部)
25 柱状部
28 ボンディングワイヤのボール
31 支持基板
51 駆動回路
52 検出回路
90〜92 バンプ
95 柱状部
101 梁部
221 第1部分
222 第2部分
223 フランジ部
Ed,Ed1〜Ed4 励振電極
Es,Es1〜Es4 検出電極
Pd1〜Pd4 励振用圧電素子
Ps1〜Ps4 検出用圧電素子
Wd,Wd1〜Wd4 励振配線
Ws,Ws1〜Ws4 検出配線
Wc 共通配線
Bd,Bd1〜Bd4 ボンディングワイヤ
Bs,Bs1〜Bs4 ボンディングワイヤ
Bc ボンディングワイヤ
SW 定常波
OS 振動
AN 定常振動の腹
N 定常振動の節
ω 角速度

Claims (29)

  1. 中心軸線を有するカップ形状のセンサボディと、
    前記中心軸線を含む所定の結合領域で前記センサボディに結合され、前記センサボディを支持する支持構造と、
    前記センサボディの表面に形成された下部電極と、
    前記下部電極に接するように形成された圧電体膜と、
    前記カップ形状の前記中心軸線を中心とした放射状に配置され、前記圧電体膜の前記下部電極とは反対側の表面に接合された複数個の電極と
    を含み、
    前記支持構造が、表面に回路配線が形成された支持基板を含み、
    前記下部電極および前記複数個の電極が、前記圧電体膜の表面の側に配置されたボンディングワイヤまたはバンプを介して前記回路配線に接続されている、MEMS圧電センサ。
  2. 前記複数個の電極が、少なくとも一つの励振電極と、少なくとも一つの検出電極とを含む、請求項1に記載のMEMS圧電センサ。
  3. 前記複数個の電極が、少なくとも一対の励振電極と、少なくとも一対の検出電極とを含む、請求項1に記載のMEMS圧電センサ。
  4. 前記複数個の電極が、前記中心軸線まわりに2n回対称(ただしnは自然数)の位置に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  5. 2n個の前記電極(ただしnは自然数)が、前記中心軸線まわりに2n回対称の位置に設けられている、請求項1に記載のMEMS圧電センサ。
  6. 前記2n個の電極が、前記中心軸線まわりに交互に配置されたn個の励振電極とn個の検出電極とを含む、請求項5に記載のMEMS圧電センサ。
  7. 前記複数個の電極が、
    前記カップ形状の前記中心軸線に対して対称に配置され前記圧電体膜の表面に接合された一対の励振電極と、
    前記カップ形状の中心軸線に対して対称に配置され前記圧電体膜の表面に接合された一対の検出電極と
    を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  8. 前記励振電極によって圧電体膜を駆動することにより、前記センサボディに定常振動が生じ、前記定常振動の腹に前記励振電極が配置され、前記定常振動の節に前記検出電極が配置されている、請求項2、3、6または7に記載のMEMS圧電センサ。
  9. 前記励振電極によって圧電体膜を駆動することにより前記センサボディに生じる振動がワイングラスモードである、請求項2、3、6、7または8に記載のMEMS圧電センサ。
  10. 前記センサボディが、底部および胴部を含み、前記支持構造が前記底部において前記センサボディに結合されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  11. 前記支持構造が、前記底部に結合され、前記中心軸線に沿って延びる柱状部を含む、請求項10に記載のMEMS圧電センサ。
  12. 前記柱状部が前記カップ形状の内側において前記センサボディの底部に結合されており、
    前記支持基板が、前記センサボディの開口縁側で前記柱状部に結合されている、請求項11に記載のMEMS圧電センサ。
  13. 前記支持基板の表面と前記開口縁とが離隔している、請求項12に記載のMEMS圧電センサ。
  14. 前記支持基板の表面において前記柱状部に対応する位置に支持部が設けられており、
    前記支持基板の表面において前記センサボディの開口縁に対向する位置に、前記支持部よりも掘り下げた凹所が形成されている、請求項13に記載のMEMS圧電センサ。
  15. 前記支持基板の表面において前記柱状部に対応する位置に支持部が設けられており、
    前記支持部において交差する異なる方向に沿って前記センサボディの内部および外部に跨がってそれぞれ延びた複数の梁部を含み、
    前記センサボディの開口縁には、前記複数の梁部に対応する位置に凹部が形成されている、請求項13に記載のMEMS圧電センサ。
  16. 前記柱状部と前記支持基板とが、樹脂、金属またはシリコンの直接接合により接続されている、請求項12〜15のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  17. 前記支持構造が、前記カップ形状の外側において前記センサボディの底部に結合されている、請求項10または11に記載のMEMS圧電センサ。
  18. 前記支持基板が、前記センサボディの底部の外表面に対向しており、
    前記回路配線と前記電極とが前記バンプを介するワイヤレスボンディングで接続されている、請求項17に記載のMEMS圧電センサ。
  19. 前記センサボディが、平板状の底部と、前記底部に結合された筒状の胴部とを含み、
    前記底部または前記胴部に前記圧電体膜が配置されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  20. 前記センサボディの外表面に前記圧電体膜が配置されている、請求項1〜19のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  21. 前記センサボディの内表面に前記圧電体膜が配置されている、請求項1〜19のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  22. 前記センサボディが、シリコンを主成分とする材料からなる、請求項1〜21のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  23. 前記センサボディが、SOI(Silicon-On-Insulator)基板に対して半導体プロセスによる加工を施して作製されており、前記SOI基板のシリコン層上に前記下部電極が形成されている、請求項1〜21のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  24. 前記センサボディが、SOI(Silicon-On-Insulator)基板に対して半導体プロセスによる加工を施して作製されており、前記SOI基板のシリコン層上に前記下部電極が形成されており、
    前記圧電体膜、前記下部電極および前記SOI基板の前記シリコン層が除去されて前記SOI基板の絶縁膜を露出させる凹部が形成されており、前記凹部内に前記下部電極への接続のための前記ボンディングワイヤのボールが配置されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  25. 前記センサボディは直径が0.2mm以上5mm以下、かつ肉厚が前記直径の1/20以下の円筒形状の胴部を含み、前記円筒形状の中心軸線方向の長さが100μm以上1mm以下である、請求項1〜24のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  26. 前記センサボディは、前記胴部に結合された底部を含み、
    前記支持構造は、前記底部に結合され、前記胴部の円筒形状の直径の1/20以上1/2以下の直径を有する円形断面を有する柱状部を含む、請求項25に記載のMEMS圧電センサ。
  27. 前記圧電体膜の膜厚が0.2μm以上5μm以下である、請求項1〜26のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  28. 前記圧電体膜が、Pb,ZrおよびTiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、Pb,Mg,NbおよびTiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、K,NaおよびNbを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物、またはBa,CaおよびTiを主成分とするペロブスカイト構造の酸化物からなる、請求項1〜27のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
  29. 前記圧電体膜が、ゾルゲル法またはスパッタ法により形成された圧電材料膜である、請求項1〜28のいずれか一項に記載のMEMS圧電センサ。
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