JPH09178489A - 振動ジャイロ - Google Patents

振動ジャイロ

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JPH09178489A
JPH09178489A JP7339179A JP33917995A JPH09178489A JP H09178489 A JPH09178489 A JP H09178489A JP 7339179 A JP7339179 A JP 7339179A JP 33917995 A JP33917995 A JP 33917995A JP H09178489 A JPH09178489 A JP H09178489A
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JP7339179A
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Inventor
Kokichi Terajima
厚吉 寺嶋
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Akai Electric Co Ltd
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Akai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した検出感度が得られ、しかも低コス
ト、かつ小型にできる振動ジャイロを提供する。 【解決手段】 弾性材料よりなる殻状振動体1の外周側
面または内周側面に、それぞれ駆動および検出の二つの
機能を備えた、少なくとも実質一対の圧電素子2a,2
bを形成するか、あるいは、弾性材料よりなる殻状振動
体1の外周側面または内周側面に、それぞれ駆動、帰還
および検出の三つの機能を備えた、少なくとも実質一対
の圧電素子2a,2bを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、角速度の検出に
用いる振動ジャイロ、特に、少数の圧電素子の形成をも
って、殻状振動子の組み立てを容易ならしめ、小型化を
可能にした振動ジャイロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の振動ジャイロとして、例えば、図
12に斜視図で示すような環状振動子301を用いるも
のがある。この環状振動子301は、図13に底面図を
も示すように、圧電材料よりなる環状振動体101の外
周側面に、それぞれ駆動、帰還または検出の独立した機
能を持つように45度の間隔で独立電極201〜208
を設けると共に、各独立電極を挟むように、外周側面全
周に亘って櫛状に共通電極209を設けて構成され、独
立電極201〜208のうち、最低三つの独立電極、例
えば、独立電極201が駆動用、それと90度回転位置
にある独立電極207が帰還用、反対方向の45度回転
位置にある独立電極202が検出用として用いられるよ
うになっている。
【0003】かかる従来の振動ジャイロでは、図14に
示すように、駆動回路210の出力を駆動用の独立電極
201に供給して、該独立電極201とその両側の共通
電極209との間の圧電作用により環状振動子301を
振動させ、その振動を制御するために帰還用の独立電極
207とその両側の共通電極209との間に生じる信号
を、帰還用の独立電極207からAGC回路211およ
びPLL回路212に供給して、その振動の振幅および
周波数を安定化させて駆動回路210に供給することに
より、環状振動子301を自励振動させるようにしてい
る。
【0004】また、検出用の独立電極202とその両側
にある共通電極209との間に生じる出力は検出回路2
13に供給し、ここでPLL回路212の出力に基づい
て同期検波して、環状振動子301に作用した周方向の
角速度によって生じたコリオリの力を検出するようにし
ている。なお、図14において、駆動用、帰還用および
検出用の独立電極201、207および202を除く電
極、すなわち共通電極209および独立電極203〜2
06、208は、接地されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の振動ジャイロにおいては、環状振動子301を
得るにあたって、環状振動体101の外周側面全体に亘
って電極を設ける必要があるため、電極形成が極めて面
倒となり、しかも側面を一周して形成するために累積誤
差によるずれも生じ易くなって、電極を精度良く形成す
ることが困難となる。このため、電極形成の製造コスト
が高くなるうえ、電極のずれにより安定な振動を得るこ
とが困難となって、安定した検出感度が得にくくなる。
さらに、回路構成も大規模となって、製造コストが高く
なり、加えて全体として大型になることが避けられない
という種々の問題があった。
【0006】この発明は、上述した従来の種々の問題点
を解決すべくなされたもので、安定した検出感度が得ら
れ、しかも低コスト、かつ小型にできるよう適切に構成
した振動ジャイロを提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の振動ジャイロは、弾性材料よりなる殻状
振動体の外周側面または内周側面に、それぞれ駆動およ
び検出の二つの機能を備えた、少なくとも実質一対の圧
電素子を有することを特徴とするものである。
【0008】さらに、この発明の振動ジャイロは、弾性
材料よりなる殻状振動体の外周側面または内周側面に、
それぞれ駆動、帰還および検出の三つの機能を備えた、
少なくとも実質一対の圧電素子を有することを特徴とす
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の振動ジャイロでは、殻
状振動体の側面に少なくとも一対の圧電素子を形成する
だけでよく、必ずしも全周に亘って形成する必要がない
ので、圧電素子の形成が極めて容易となり、しかもその
形成精度を簡単に高めることが可能となる。さらに、各
圧電素子が、駆動および検出の二つの機能、あるいは駆
動、帰還および検出の三つの機能を有することから、回
路構成も簡単で、低コストかつ小型にすることが可能と
なり、全体として、検出感度の安定化、低コスト化、小
型化が可能となる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照して説明する。図1は、この発明の第1実施例におけ
る殻状振動子の構成を示す斜視図である。この殻状振動
子3は、殻状振動体1と、その外周側面に接着等によっ
て独立して設けた二つの、すなわち一対の圧電素子2
a,2bとを有する。殻状振動体1は、例えば、Fe−
Ni系合金、Cu−Be系合金、アルミニウム等の恒弾
性合金等の金属材料、溶融シリカ、硝子、セラミックス
等の弾性材料からなり、例えば、円環状に形成する。ま
た、圧電素子2a,2bの各々は、例えば、チタン酸ジ
ルコン酸鉛、チタン酸バリウム、水晶その他の圧電作用
を有する材料の対向面に、電極として、金、銀、銅、ア
ルミニウムその他の導電材料を、蒸着、スパッタリン
グ、印刷、接着等により設けて構成する。
【0011】この殻状振動子3においては、例えば、圧
電素子2aの対向する電極間および圧電素子2bの対向
する電極間にそれぞれ電場を与えると、それぞれの圧電
素子2a,2bが応力を生じて殻状振動体1に歪みを与
えるようになる。すなわち、圧電素子2a,2bは、そ
れぞれ殻状振動体1を駆動するように作用する。そし
て、共振点においては、図2に示すように、殻状振動体
1の側面は、半径方向への伸縮運動を生じるようにな
る。すなわち、殻状振動体1の側面は、圧電素子2aの
中心および圧電素子2bの中心と、殻状振動体1の中心
Oとをそれぞれ結ぶ線分による、∠AOBを二等分する
方向、つまりY軸に向いた半径方向に伸び・縮みし、同
時にX軸方向に縮み・伸びする運動を交互に繰り返すこ
とになって、側面形状はそのX軸方向とY軸方向とが長
軸と短軸とを交互に繰り返す楕円形を呈するようにな
る。なお、図2では、この時の伸び・縮みの力を、符号
Vで示している。
【0012】このようにして駆動された殻状振動子3
を、Z軸廻りに回転させて角速度Ωを与えると、その側
面の接線方向にコリオリの力FC を生じるようになり、
側面全体に作用するコリオリの力FC は、その合力方向
として、XY平面内で、XY座標を±45度回転したα
軸と、これと直交するβ軸との方向に作用するようにな
り、角速度Ωが大きくなると、45度方向のコリオリの
力FC の合力が大きくなる。したがって、角速度が与え
られると、殻状振動子3の側面は、回転していないとき
の振動の方向と、コリオリの力FC の合力による振動の
方向とが合成された方向に長軸・短軸を有する楕円形状
に伸縮振動するようになる。すなわち、この時の長軸・
短軸の方向は、Y軸とのなす角が±45度の方向を最大
として、Z軸廻りの回転速度に応じて変化し、回転速度
が小さければ、Y軸方向、つまり0度に近くなり、回転
速度が大きければ、Y軸に対して±45度の方向に近づ
くことになる。
【0013】このように殻状振動子3に角速度が作用し
て、その側面がα軸、β軸方向に向いたコリオリの力F
C の合力によって、その伸縮振動方向が変化すると、圧
電素子2aが形成されている部分の殻状振動体1の周方
向の歪み量と、圧電素子2bが形成されている部分の殻
状振動体1の周方向の歪み量とに差が生じ、それにより
圧電素子2aおよび2bの歪み量に差が生じる。その結
果、それぞれの圧電素子2a,2bは、その圧電効果に
より圧電素子2aのインピーダンスと、圧電素子2bの
インピーダンスとに差が生じることになるため、そのイ
ンピーダンスの差を測定すれば、殻状振動子3に作用し
た角速度Ωを検出することができる。
【0014】図3は、第1実施例における振動ジャイロ
の回路構成を示すものである。この実施例では、駆動装
置4の出力端をインピーダンス素子Z1 ,Z2 を介して
圧電素子2a,2bの表面電極に接続し、それぞれの圧
電素子2a,2bの対向する電極、すなわち殻状振動体
1側の電極を接地して、殻状振動子3を上述したように
半径方向に振動させるようにする。
【0015】また、圧電素子2aとインピーダンス素子
1 との接続点における出力電圧、および圧電素子2b
とインピーダンスZ2 との接続点における出力電圧は、
差動増幅器5にそれぞれ供給し、この差動増幅器5の出
力に基づいて角速度検出信号を得るようにする。すなわ
ち、殻状振動子3が角速度の作用によりZ軸(図2参
照)廻りに回転すると、圧電素子2a,2bとインピー
ダンス素子Z1 ,Z2 とのそれぞれの接続点の電圧が変
化するので、この電圧の差を検出すれば、角速度の大き
さを知ることができる。つまり、この実施例では、一対
の圧電素子2a,2bが、それぞれ駆動および検出の二
つの機能を有している。
【0016】なお、殻状振動子3は、駆動装置4に発振
器を内蔵させることにより、他励振動させることがで
き、また、一対の圧電素子2a,2bを形成した部分を
除く殻状振動体1の側面上の部分に、帰還信号を生成す
るための帰還用圧電素子を形成し、この帰還用圧電素子
からの帰還信号を駆動装置4に供給することにより、自
励振動させることもできる。
【0017】図4は、この発明の第2実施例における振
動ジャイロの回路構成を示すものである。この実施例で
は、図1に示した殻状振動子3を用い、その圧電素子2
a,2bの殻状振動体1側の電極に、駆動装置4からの
駆動信号を供給する。また、圧電素子2aの表面電極は
増幅器7の反転入力端子に、圧電素子2bの表面電極は
増幅器8の反転入力端子にそれぞれ接続して、増幅器
7,8において圧電素子2a,2bを流れる電流をそれ
ぞれ電圧に変換し、これら増幅器7,8の出力を差動増
幅器5に供給して、この差動増幅器5の出力に基づいて
角速度検出信号を得るようにする。
【0018】すなわち、この実施例においては、殻状振
動子3が角速度の作用によりZ軸(図2参照)廻りに回
転すると、圧電素子2aを流れる電流の大きさ(振幅)
と、圧電素子2bを流れる電流の大きさとに差が生じ、
それに応じて増幅器7,8の出力電圧に差が生じるの
で、その出力電圧の差を差動増幅器5で検出すれば、そ
れに基づいて角速度の大きさを知ることができる。した
がって、この実施例の場合も、第1実施例と同様に、一
対の圧電素子2a,2bは、それぞれ駆動および検出の
二つの機能を有する。なお、この実施例においても、駆
動装置4に発振器を内蔵させることにより、殻状振動子
3を他励振動させることができ、また、別に帰還用圧電
素子を形成することにより、殻状振動子3を自励振動さ
せることも可能であることは言うまでもない。
【0019】図5は、この発明の第3実施例における振
動ジャイロの回路構成を示すものである。この実施例で
は、図1に示した殻状振動子3を用い、駆動装置4の出
力端をインピーダンス素子Z1 ,Z2 を介して圧電素子
2a,2bの表面電極に接続すると共に、この駆動装置
4の出力端をさらに他のインピーダンス素子Z3 を経て
容量素子Cにも接続して、これら圧電素子2a,2bお
よび容量素子Cに、駆動装置4からの駆動信号を印加す
る。なお、圧電素子2a,2bの対向するそれぞれの電
極、すなわち殻状振動体1側の電極は接地する。
【0020】また、インピーダンス素子Z1 ,Z2 と、
圧電素子2a,2bとのそれぞれの接続点における出力
は合成し、その合成出力と、インピーダンス素子Z3
よび容量素子Cの接続点における出力とを差動増幅器9
に供給して、その差動出力を駆動装置4に帰還すること
により、殻状振動子3を自励振動させるようにする。さ
らに、インピーダンス素子Z1 ,Z2 と、圧電素子2
a,2bとのそれぞれの接続点における出力は差動増幅
器5に供給し、この差動増幅器5の出力に基づいて角速
度の大きさを検出するようにする。すなわち、この実施
例では、一対の圧電素子2a,2bの各々が、駆動、帰
還および検出の三つの機能を有する。なお、インピーダ
ンス素子Z3 および容量素子Cの接続点の信号は、必要
に応じて省略することもできる。
【0021】なお、図5に示す回路構成では、圧電素子
2a,2bの殻状振動体1側の電極を接地し、インピー
ダンス素子Z1 ,Z2 と、圧電素子2a,2bとのそれ
ぞれの接続点の合成出力と、インピーダンス素子Z3
よび容量素子Cの接続点における出力とを差動増幅器9
に供給して、その差動出力を駆動装置4に帰還すること
により、殻状振動子3を自励振動させるようにしたが、
インピーダンス素子Z 1 ,Z2 と、圧電素子2a,2b
とのそれぞれの接続点の合成出力に代えて、圧電素子2
a,2bの殻状振動体1側の電極を接地することなく、
その電極側の出力を用い、この出力とインピーダンス素
子Z3 および容量素子Cの接続点における出力とを差動
増幅器9に供給して、その差動出力を駆動装置4に帰還
することにより、殻状振動子3を自励振動させるように
することもできる。
【0022】この場合も、差動増幅器5において、イン
ピーダンス素子Z1 ,Z2 と、圧電素子2a,2bとの
それぞれの接続点の出力電圧の差動をとることにより、
角速度の大きさを検出することができる。したがって、
この場合にも、この場合も、一対の圧電素子2a,2b
の各々は、駆動、帰還および検出の三つの機能を有す
る。なお、かかる構成においても、インピーダンス素子
3 および容量素子Cの接続点の信号は、必要に応じて
省略することができる。
【0023】図6は、この発明の第4実施例における振
動ジャイロの回路構成を示すものである。この実施例で
は、図1に示す構成の殻状振動子3を用い、駆動装置4
の駆動信号出力端子を増幅器6および増幅器10のそれ
ぞれの非反転入力端子に接続し、増幅器6の反転入力端
子を圧電素子2a,2bの殻状振動体1側の電極に接続
する。また、駆動装置4の補償信号出力端子は、容量素
子Cを経て増幅器6の反転入力端子に接続し、この増幅
器6の出力を増幅器10の反転入力端子に供給して、増
幅器10の出力を駆動装置4に帰還することにより、殻
状振動子3をその共振点において自励振動させるように
する。すなわち、駆動装置4の補償信号出力端子から、
補償信号として、圧電素子2a,2bのそれぞれの制動
容量を流れる電流の合成量に対応した大きさの電流を出
力させ、これにより制動容量を流れる電流の増幅器6へ
の流れ込みを打ち消して、殻状振動子3を、その直列共
振周波数で正確に自励振動させるようにする。
【0024】また、圧電素子2a,2bの表面電極は、
それぞれ増幅器7,8の反転入力端子に接続する。これ
ら増幅器7,8の反転入力端子には、増幅器10の出力
も供給して、増幅器7,8において、圧電素子2a,2
bを通過する電流をそれぞれ電圧に変換し、これら増幅
器7,8の出力電圧を差動増幅器5に供給する。
【0025】この実施例においても、殻状振動子3がZ
軸廻りに回転すると、圧電素子2aを通過する電流の大
きさと、圧電素子2bを通過する電流の大きさとに差が
生じるので、差動増幅器5で増幅器7,8の出力電圧の
差動をとれば、それによって角速度を検出することがで
きる。したがって、この場合も、一対の圧電素子2a,
2bはの各々は、駆動、帰還および検出の三つの機能を
有する。なお、この実施例において、増幅器6の反転入
力端子に印加する補償信号は、必要に応じて省略するこ
とができる。
【0026】図7は、この発明の第5実施例における振
動ジャイロの回路構成を示すものである。この実施例で
は、図1に示す構成の殻状振動子3を用い、駆動装置4
の駆動信号出力端子を、増幅器7,8および10のそれ
ぞれの非反転入力端子に接続し、増幅器7,8の反転入
力端子に圧電素子2a,2bの表面電極をそれぞれ接続
する。また、圧電素子2a,2bの殻状振動体1側の電
極は、増幅器6の反転入力端子に接続する。さらに、こ
の増幅器6の反転入力端子は、容量素子Cを経て駆動装
置4の補償信号出力端子にも接続し、この増幅器6の出
力を駆動装置4に帰還して、殻状振動子3をその共振点
において自励振動させるようにする。すなわち、第4実
施例の場合と同様に、駆動装置4の補償信号出力端子か
ら、補償信号として、圧電素子2a,2bのそれぞれの
制動容量を流れる電流の合成量に対応した大きさの電流
を出力させ、これにより制動容量を流れる電流の増幅器
6への流れ込みを打ち消して、殻状振動子3を、その直
列共振周波数で正確に自励振動させるようにする。
【0027】また、増幅器10の出力は、増幅器7,8
の反転入力端子にも供給して、これら増幅器7,8にお
いて、圧電素子2a,2bを通過する電流をそれぞれ電
圧に変換し、これら増幅器7,8の出力電圧を差動増幅
器5に供給する。
【0028】この実施例においても、第4実施例と同様
に、殻状振動子3がZ軸廻りに回転すると、圧電素子2
aを通過する電流の大きさと、圧電素子2bを通過する
電流の大きさとに差が生じるので、差動増幅器5で増幅
器7,8の出力電圧の差動をとれば、それによって角速
度を検出することができる。したがって、この場合も、
一対の圧電素子2a,2bはの各々は、駆動、帰還およ
び検出の三つの機能を有する。なお、この実施例におい
ても、増幅器6の反転入力端子に印加する補償信号は、
必要に応じて省略することができる。
【0029】図8は、この発明の第6実施例における殻
状振動子の構成を示す斜視図である。この殻状振動子3
は、一対の圧電素子2a,2bを、殻状振動体1の外周
側面上で、Z軸方向に偏って周方向に並んで形成したも
のである。この場合には、圧電素子2a,2bにより殻
状振動体1を駆動すると、その上端面側の振動と、下端
面側の振動とが、時間的に180度位相角が異なるよう
に、例えば、図9に示すように、上端面側がX軸方向に
伸びたときに、下端面側がY軸方向に伸びるように変形
振動することになる。すなわち、この殻状振動子3にお
いては、その側面が変位しない部分、すなわち節円11
が生じることになる。
【0030】図8に示す殻状振動子3においても、例え
ば、図3〜図7に示した回路構成とすることにより、一
対の圧電素子2a,2bの各々を、駆動および検出の二
つの機能を有するものとして、あるいは、駆動、帰還お
よび検出の三つの機能を有するものとして用いることが
できる。
【0031】なお、以上の説明では、殻状振動体1を円
環状としたが、これに限るものではなく、例えば、図1
0に示すような多角環状として、その任意の二つの側面
に圧電素子2a,2bを形成することもできる。また、
図11aおよび図11bに示すような有底のカップ状の
もの等、種々の形状の殻状振動体1を用いることができ
る。さらに、一対の圧電素子2a,2bは、殻状振動体
の外周面に限らず、内周面に形成することもできる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の振動ジ
ャイロによれば、殻状振動体の側面の一部分に、少なく
とも一対の圧電素子を形成するだけで、必ずしも全周に
亘って形成する必要がないので、圧電素子の形成が極め
て容易となり、しかもその圧電素子の形成に累積誤差が
生じにくいので、形成精度を簡単に高めることができ
る。したがって、殻状振動子の安定な振動を得ることが
でき、安定した検出感度を得ることができる。また、各
圧電素子に駆動および検出の二つの機能、あるいは駆
動、帰還および検出の三つの機能を持たせているので、
回路構成も簡単にでき、全体を低コストかつ小型にでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例における殻状振動子の構
成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す殻状振動子の動作を示す図である。
【図3】第1実施例における振動ジャイロの回路構成を
示す図である。
【図4】この発明の第2実施例における振動ジャイロの
回路構成を示す図である。
【図5】同じく、第3実施例における振動ジャイロの回
路構成を示す図である。
【図6】同じく、第4実施例における振動ジャイロの回
路構成を示す図である。
【図7】同じく、第5実施例における振動ジャイロの回
路構成を示す図である。
【図8】同じく、第6実施例における殻状振動子の構成
を示す斜視図である。
【図9】図8に示す殻状振動子の動作を説明するための
図である。
【図10】この発明に適用可能な殻状振動子の変形例を
示す図である。
【図11】同じく、殻状振動体の二つの変形例を示す図
である。
【図12】従来の振動ジャイロにおける環状振動子の構
成を示す斜視図である。
【図13】図12の底面図である。
【図14】従来の振動ジャイロの回路構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 殻状振動体 2a,2b 圧電素子 3 殻状振動子 4 駆動装置 5 差動増幅器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性材料よりなる殻状振動体の外周側面
    または内周側面に、それぞれ駆動および検出の二つの機
    能を備えた、少なくとも実質一対の圧電素子を有するこ
    とを特徴とする振動ジャイロ。
  2. 【請求項2】 弾性材料よりなる殻状振動体の外周側面
    または内周側面に、それぞれ駆動、帰還および検出の三
    つの機能を備えた、少なくとも実質一対の圧電素子を有
    することを特徴とする振動ジャイロ。
JP7339179A 1995-12-26 1995-12-26 振動ジャイロ Pending JPH09178489A (ja)

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JP7339179A JPH09178489A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 振動ジャイロ

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JP7339179A JPH09178489A (ja) 1995-12-26 1995-12-26 振動ジャイロ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016031237A (ja) * 2014-07-25 2016-03-07 ローム株式会社 Mems圧電センサ

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