JP2009092595A - 圧電振動子 - Google Patents

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朗弘 飯野
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Abstract

【課題】角速度センサに高い検出能力を具備させることができる圧電振動子を提供する。
【解決手段】圧電素子14において有頂円筒状体11の軸線Oをその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設されて対をなし、圧電素子14に電圧を印加する少なくとも一対の励振電極15と、圧電素子14において励振電極15の配設位置を回避した位置で、かつ前記軸線Oをその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設されて対をなし、角速度検出用の電圧を出力する少なくとも一対の検出電極16と、を備える圧電振動子10であって、励振電極15および検出電極16それぞれの前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積が互いに異なっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動式の角速度センサに用いられる圧電振動子に関するものである。
物体に働く角速度を検出するものとして、従来からジャイロスコープ等のセンサが知られており、例えば、自動車、船舶や航空機等の姿勢制御等、様々な用途に広く用いられている。この種のセンサは、一般に力学的な慣性を利用して角速度の検出を行っている。このような角速度の検出方法として、従来から、回転体に加わる慣性力を検出することで物体に働く角速度を検出する回転式と呼ばれる方法と、振動する物体に働くコリオリ力を検出することで角速度を求める振動式と呼ばれる方法とが主に知られている。
これらのうち振動式の加速度センサが備える圧電振動子としては、例えば下記特許文献1に示されるような、弾性材料で形成された有頂円筒状体と、この有頂円筒状体の天壁部に設けられたグランド電極と、このグランド電極に設けられた圧電素子と、この圧電素子において前記有頂円筒状体の軸線をその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設され、前記圧電素子に電圧を印加する一対の励振電極と、前記圧電素子において前記励振電極の配設位置を回避した位置で、かつ前記有頂円筒状体の軸線をその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設され、角速度検出用の電圧を出力する一対の検出電極と、を備えた構成が知られている。
この加速度センサにおいては、励振電極から圧電素子に発振用の電圧を印加して有頂円筒状体をその径方向に伸縮振動させた状態で、この有頂円筒状体にその軸線回りの回転角速度が作用すると、この回転に伴うコリオリ力が作用することによって、有頂円筒状体の振動方向が変化するが、この変化した振動方向成分を検出電極が検出して出力し、さらにこの出力電圧をモニタすることで角速度を測定できるようになっている。
米国特許出願公開第2006/266116号明細書
ところで、近年では、角速度センサに高い検出能力を具備させることができる圧電振動子が要望されている。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、角速度センサに高い検出能力を具備させることができる圧電振動子を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の圧電振動子は、弾性材料で形成された有頂円筒状体と、この有頂円筒状体の天壁部に設けられた圧電素子と、この圧電素子において前記有頂円筒状体の軸線をその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設されて対をなし、前記圧電素子に電圧を印加する少なくとも一対の励振電極と、前記圧電素子において前記励振電極の配設位置を回避した位置で、かつ前記軸線をその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設されて対をなし、角速度検出用の電圧を出力する少なくとも一対の検出電極と、を備える圧電振動子であって、前記励振電極および検出電極それぞれの前記軸線に直交する方向に沿った平面積が互いに異なっていることを特徴とする。
この発明では、励振電極および検出電極それぞれの前記軸線に直交する方向に沿った平面積が互いに異なっているので、励振電極および検出電極のうちいずれか一方を他方よりも前記軸線に直交する方向に沿った平面積を大きくすることが可能になり、角速度センサに高い検出能力を具備可能な圧電振動子を得ることができる。
例えば、励振電極の前記軸線に直交する方向に沿った平面積を検出電極よりも大きくすると、励振電極から圧電素子に印加する電圧を大きくして有頂円筒状体を径方向に大きく伸縮振動させることが可能になり、有頂円筒状体にその軸線回りの回転角速度が作用したときに発生するコリオリ力を高めることができる。
一方、検出電極の前記軸線に直交する方向に沿った平面積を励振電極よりも大きくすると、検出電極から出力される角速度検出用の電圧を大きくすることが可能になる。
以上のいずれの場合においても、当該圧電振動子を備えた角速度センサのS/N比を高めることが可能になり、角速度センサに高い検出能力を具備させることができる。
ここで、前記圧電素子は一体に形成された円板状体であってもよい。
この場合、圧電素子が一体に形成された円板状体となっているので、当該圧電振動子を容易かつ高精度に形成することが可能になり、この圧電振動子の性能が製品間でばらつくのを抑制することができるとともに、製造コストを抑えることができ、さらには、圧電素子の前記軸線に直交する方向に沿った平面積を大きく確保することが可能になることから、有頂円筒状体を径方向に一層大きく伸縮振動させることもできる。
なお、前記従来の圧電振動子では、天壁部に、グランド電極および圧電素子が前記軸線方向に積層された状態で前記有頂円筒状体の周方向に間隔をあけて複数配置されていたので、グランド電極および圧電素子からなる各積層体について、例えば接着強度や接着層の厚さ等の接着状態がばらつき易い上に、天壁部における前記積層体の配設位置を高精度に位置決めするのが困難で時間も長くかかり、圧電振動子の性能が製品間でばらつき易い上に、製造コストを抑えるのが困難であるという問題があった。
さらに、前記天壁部の径方向中央部には前記軸線に沿って延びる支持部材が設けられるとともに、前述のように円板状体に形成された圧電素子の径方向中央部には前記支持部材が内部に挿入された貫通孔が形成されてもよい。
この場合、圧電素子の貫通孔内に天壁部の支持部材が挿入されているので、圧電振動子を形成するに際し、圧電素子を天壁部に容易かつ高精度に位置決めして配置することが可能なるとともに、圧電素子が天壁部上で位置ずれするのを防ぐことが可能になり、この圧電振動子の性能が製品間でばらつくことや製造コストを確実に抑えることができる。
また、前記圧電素子は、前記有頂円筒状体の内側に配置されてもよい。
この場合、圧電素子が前記有頂円筒状体の内側に配置されているので、前述と同様にこの圧電振動子の性能が製品間でばらつくことや製造コストを確実に抑えることができる。
なお、前記支持部材を前記軸線に沿って有頂円筒状体の内側に向けて延設させ、圧電素子を有頂円筒状体に内側に配置した状態で、前記支持部材を圧電素子の貫通孔内に挿入してもよい。
さらに、前記圧電素子において、一対の励振電極の配設された各位置から前記軸線を中心に90°離れた各位置には、当該励振電極と同形同大の第1電極が配設されるとともに、一対の検出電極の配設された各位置から前記軸線を中心に90°離れた各位置には、当該検出電極と同形同大の第2電極が配設されてもよい。
この場合、圧電振動子の重量が有頂円筒状体の周方向でばらつくのを抑えることが可能になり、この有頂円筒状体が前述のように径方向に伸縮振動したときに、この振動の腹や節の位置が変動して不安定になり易くなるのを防ぐことができる。
この構成において、前記第1電極は、その分極方向が前記一対の励振電極の分極方向と逆向きとされるとともに、前記圧電振動子に電圧を印加する構成とされてもよい。
この場合、有頂円筒状体を径方向により一層大きく伸縮振動させることが可能になる。
さらにまたこの構成において、前記第2電極は、その分極方向が前記一対の検出電極の分極方向と逆向きとされるとともに、角速度検出用の電圧を出力する構成とされてもよい。
この場合、検出電極から出力される角速度検出用の電圧をより一層大きくすることができる。
この発明に係る圧電振動子によれば、角速度センサに高い検出能力を具備させることができる。
以下、図1から図4を参照し、この発明の実施の形態について説明する。この実施形態に係る圧電振動子10は、弾性材料で形成された有頂円筒状体11と、この有頂円筒状体11の天壁部11aに設けられたグランド電極13と、このグランド電極13に設けられた圧電素子14と、この圧電素子14において有頂円筒状体11の軸線Oをその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設されて対をなし、圧電素子14に電圧を印加する少なくとも一対の励振電極15と、圧電素子14において励振電極15の配設位置を回避した位置で、かつ前記軸線Oをその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設されて対をなし、角速度検出用の電圧を出力する少なくとも一対の検出電極16と、を備えている。
図示の例では、励振電極15および検出電極16はそれぞれ一対ずつ備えられ、圧電素子14には、これらの励振電極15および検出電極16の他に、前記軸線Oをその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設された一対のピックアップ電極22および補正電極23が設けられている。また、圧電素子14の表面において、励振電極15の配設位置から前記軸線Oを中心に右回りに45°ずつ位置をずらして、検出電極16、ピックアップ電極22および補正電極23がこの順に設けられている。さらに、これらの各電極15、16、22、23の分極方向は全て同じ方向となっている。
ここで、ピックアップ電極22は、そこで検出される信号の検出レベルから、励振電極15に印加される電圧の周波数と圧電振動子10の固有周波数との関係(両者の差)、例えば温度変動等による変動を把握し、圧電素子14に印加される電圧の周波数が圧電振動子10の固有周波数に対して常に同じ状態となるように励振電極15に付与する電圧を制御できるようになっている。
また、補正電極23は、これに補正用の信号を入力することにより、励振電極15から圧電素子14に発振用の電圧を印加して有頂円筒状体11をその径方向に伸縮振動させる過程において、例えば有頂円筒状体11の加工精度の影響によりこの振動の腹や節の位置が変動したときに、その位置を所定の位置に戻せるようになっている。
そして、この圧電振動子10を備える角速度センサ1は、例えば、自動車、船舶や航空機等の姿勢制御用センサ等として好適に用いられ、内部に圧電振動子10が収納された有底筒状のケース17と、このケース17の上端開口部を閉塞する蓋体18と、圧電振動子10をケース17内で支持する支持体19と、ケース17の上端開口縁にその全周にわたって配設された基板20と、この基板20において、圧電振動子10の励振電極15、検出電極16、ピックアップ電極22および補正電極23それぞれの径方向外側に位置する部分に各別に配設された複数の配線パターン部21と、これらの配線パターン部21と励振電極15、検出電極16、ピックアップ電極22および補正電極23とを各別に電気的に接続する複数のリード線24と、複数の配線パターン部21に各別に電気的に接続された複数の外部接続端子25と、を備えている。
ここで、図示の例では、有頂円筒状体11における天壁部11aの径方向中央部に凹部11bが設けられており、この凹部11bの底壁に貫通孔が形成されている。また、有頂円筒状体11を形成する弾性材料としては、例えばエリンバ等の恒弾性金属材料が理想だが、要求性能によってはステンレス等の金属材料でもよい。
また、図示の例では、天壁部11aの上面に前述したグランド電極13が配置され、このグランド電極13の上面に圧電素子14が配置され、さらにこの圧電素子14の上面に励振電極15、検出電極16、ピックアップ電極22および補正電極23が有頂円筒状体11の周方向に間隔をあけて配置されている。なお、励振電極15、検出電極16、ピックアップ電極22および補正電極23はそれぞれ、上面視扇形状を呈している。
前記ケース17は、例えばステンレスやアルミニウム等の金属材料で有底筒状に形成され、この底面の中央部に前記支持体19が前記軸線O方向に沿って上方に向けて延設されている。本実施形態では、支持体19は円柱状体とされ、ケース17の底面と一体に形成されている。また、支持体19の上端面には雌ねじ部が形成されている。
そして、上記圧電振動子10は、有頂円筒状体11の内側に支持体19を挿入させつつ、この支持体19の上端面に有頂円筒状体11における凹部11bの底壁の下面を当接させた状態で、凹部11bの底壁に形成された貫通孔にボルト26を挿入して支持体19の上端面に形成された雌ねじ部に螺合させることによって、ケース17内に固定されて収納されている。また、有頂円筒状体11の周壁部11cは、ケース17の底面および内周面のいずれにも非接触となっている。
なお、本実施形態では、支持体19と圧電振動子10とをボルト26を用いて固定した例を示したが、この場合に限定されず、どのような手段で固定しても構わない。例えば、ピンを圧入する方式で固定させても構わないし、接着固定しても構わない。
上記基板20は、リング状に形成された例えばフレキシブル基板等となっている。ここで、圧電振動子10の励振電極15、検出電極16、ピックアップ電極22および補正電極23それぞれの上面は、前記軸線Oに直交する方向に沿って延びる同一の仮想平面上に位置しており、さらにこの仮想平面上に基板20の上面も位置している。
上記配線パターン部21は、基板20の周方向に沿って断続的に複数配置され、各配線パターン部21の両周端部にそれぞれ、第1接続パッド21aおよび第2接続パッド21bが設けられている。そして、複数の配線パターン部21それぞれの第1接続パッド21aと、励振電極15、検出電極16、ピックアップ電極22および補正電極23とは上記複数のリード線24を介して各別に接続されている。また、第2接続パッド21bには、上記外部接続端子25が電気的に接続された状態で立設されている。
上記蓋体18は、外部接続端子25の先端側を外部に突出させた状態で、ケース17の上端に着脱可能に固定され、ケース17内を密閉するものである。この蓋体18は、ケース17と同様に例えばステンレスやアルミニウム等の金属材料により形成されており、複数の外部接続端子25を各別に挿通させる複数の挿通孔が形成されている。なお、この挿通孔の内面には、図示しないガラス等の絶縁材が充填されており、外部接続端子25と蓋体18とを電気的に絶縁し、かつケース17の内部と外部との連通が遮断されている。
そして、本実施形態では、励振電極15および検出電極16それぞれの前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積が互いに異なっている。図示の例では、励振電極15の前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積が検出電極16よりも大きくなっている。また、励振電極15およびピックアップ電極22それぞれの前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積が同等とされるとともに、検出電極16および補正電極23それぞれの前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積も同等となっている。
そして、圧電振動子10の上面視形状は、前記軸線Oを基準にした点対称となっている。なお、前述したように、励振電極15、検出電極16、ピックアップ電極22および補正電極23はそれぞれ、上面視で扇形状に形成され、これらの各電極15、16、22、23の半径は全て同等とされ、励振電極15およびピックアップ電極22の各周長は、検出電極16および補正電極23の各周長の約2倍の大きさとなっている。
すなわち、以上を言い換えると、圧電素子14において、一対の励振電極15の配設された各位置から前記軸線Oを中心に90°離れた各位置には、励振電極15と同形同大のピックアップ電極(第1電極)22が配設されるとともに、一対の検出電極16の配設された各位置から前記軸線Oを中心に90°離れた各位置には、検出電極16と同形同大の補正電極(第2電極)23が配設されている。
また、本実施形態では、圧電素子14は一体に形成された円板状体となっている。ここで、グランド電極13は、この円板状体をなす圧電素子14の下面にその全域にわたって配置されている。そして、圧電素子14およびグランド電極13の各径方向中央部には、天壁部11aに設けられた凹部11bの内径よりも大径の貫通孔27が形成されており、扇形に形成された前記各電極15、16、22、23は、その内外周縁がそれぞれ、圧電振動子10の上面視で圧電素子14の内外周縁に各別に沿うように、圧電素子14の上面に配置されている。
以上のように構成された角速度センサ1は、各種の装置に組み込まれている実装基板等に実装されて使用される。例えば、実装基板に形成されたスルーホールに外部接続端子25を挿入した状態で半田等により電気接続することで、実装することができる。この状態で、一対の励振電極15は、リード線24、配線パターン部21および外部接続端子25を介して図示されない1つの励振回路に接続され、一対の検出電極16は、リード線24、配線パターン部21および外部接続端子25を介して図示されない1つの検出回路に接続され、一対のピックアップ電極22は、リード線24、配線パターン部21および外部接続端子25を介して図示されない1つのピックアップ回路に接続され、一対の補正電極23は、リード線24、配線パターン部21および外部接続端子25を介して図示されない1つの補正回路に接続される。
そして、角速度センサ1を作動させる場合には、外部接続端子25を介して一対の励振電極15に発振用の電圧を印加する。すると、電圧を印加された励振電極15に接する圧電素子14が発振し、該発振を受けて有頂円筒状体11が径方向に伸縮振動する。
具体的には、有頂円筒状体11の横断面視形状は、伸縮振動する前は略真円形状をなし、前述のように圧電素子14が発振すると、当該横断面視において前記軸線Oで互いに交差する2軸の直交座標系で、一方の軸方向に圧縮変形し、かつ他方の軸方向に伸長変形した略楕円形状となった後に、一方の軸方向に伸長変形し、かつ他方の軸方向に圧縮変形して前記略楕円形状とは長軸および短軸が逆の略楕円形状となり、この変形が繰り返されることで有頂円筒状体11が伸縮振動する。この過程において、有頂円筒状体11に軸線O回りの回転角速度が作用するのに伴いこの有頂円筒状体11にコリオリ力が作用する。このコリオリ力により変化した有頂円筒状体11の振動方向成分を検出電極16が検出して出力し、さらにこの出力電圧をモニタすることによって角速度が測定される。
以上説明したように本実施形態に係る圧電振動子10によれば、励振電極15の前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積が検出電極16よりも大きなっているので、励振電極15から圧電素子14に印加する電圧を大きくして有頂円筒状体11を径方向に大きく伸縮振動させることが可能になり、有頂円筒状体11にその軸線O回りの回転角速度が作用したときに発生するコリオリ力を高めることができる。
したがって、当該圧電振動子10を備えた角速度センサ1のS/N比を高めることが可能になり、角速度センサ1に高い検出能力を具備させることができる。
また、本実施形態では、圧電素子14が一体に形成された円板状体となっているので、当該圧電振動子10を容易かつ高精度に形成することが可能になり、この圧電振動子10の性能が製品間でばらつくのを抑制することができるとともに、製造コストを抑えることができ、さらには、圧電素子14の前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積を大きく確保することが可能になることから、有頂円筒状体11を径方向に一層大きく伸縮振動させることもできる。
さらに、本実施形態では、圧電素子14において、一対の励振電極15の配設された各位置から前記軸線Oを中心に90°離れた各位置には、励振電極15と同形同大のピックアップ電極22が配設されるとともに、一対の検出電極16の配設された各位置から前記軸線Oを中心に90°離れた各位置には、検出電極16と同形同大の補正電極23が配設されているので、圧電振動子10の重量が有頂円筒状体11の周方向でばらつくのを抑えることが可能になり、この有頂円筒状体11が前述のように径方向に伸縮振動したときに、この振動の腹や節の位置が変動して不安定になり易くなるのを防ぐことができる。
次に、本発明に係る圧電振動子の他の実施形態を、図5から図7を参照して説明する。なお、本実施形態においては、図1から図4で示した実施形態における構成と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る圧電振動子30においては、圧電素子14の上面に、ピックアップ電極22および補正電極23は配設されず、励振電極31および検出電極32がそれぞれ二対ずつ、有頂円筒状体33の周方向に沿って交互に設けられている。二対の励振電極31は4つとも全て同形同大となっている。また、二対の検出電極32も4つ全て同形同大となっている。さらに、各対の励振電極31は、互いに前記軸線Oを中心に90°離れ、また、各対の検出電極32も互いに前記軸線Oを中心に90°離れている。
そして、励振電極31の前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積が検出電極32よりも大きくなっている。また、圧電振動子30の上面視形状は、前記軸線Oを基準にした点対称となっている。さらに、励振電極31および検出電極32はそれぞれ、上面視で扇形状に形成され、これらの各電極31、32の半径は全て同等とされ、励振電極31の周長は、検出電極32の周長の約2倍の大きさとなっている。
さらに、本実施形態では、検出電極32を前記周方向で挟んで隣り合う各励振電極31の分極方向が互いに逆方向とされるとともに、励振電極31を前記周方向で挟んで隣り合う各検出電極32の分極方向も互いに逆方向となっている。なお、対をなす2つの励振電極31、31の各分極方向は互いに同じ方向とされるとともに、対をなす2つの検出電極32、32の各分極方向も互いに同じ方向となっている。すなわち、二対の励振電極31は対ごとで分極方向が互いに逆方向となり、また、二対の検出電極32も対ごとで分極方向が互いに逆方向となっている。
また、本実施形態では、有頂円筒状体33における天壁部34の径方向中央部に、貫通孔34aが形成されるとともに、この貫通孔34aの開口周縁部に円筒状の支持部材35が前記軸線O方向に沿って上方に向けて延設されている。そして、圧電素子14およびグランド電極13の各径方向中央部に形成された貫通孔27内に、支持部材35が挿入された状態で、グランド電極13および圧電素子14がこの順に天壁部34の上面に配設されている。
なお、以上のように構成された圧電振動子30を備える角速度センサは、各種の装置に組み込まれている実装基板等に実装されて使用される。例えば、前記実施形態と同様に、実装基板に形成されたスルーホールに外部接続端子25を挿入した状態で半田等により電気接続することで、実装することができる。この状態で、図7に示されるように、二対の励振電極31は、リード線24、配線パターン部21および外部接続端子25を介して1つの励振回路41に接続され、二対の検出電極16は、リード線24、配線パターン部21および外部接続端子25を介して1つの検出回路42に接続される。
以上説明したように本実施形態に係る圧電振動子30によれば、圧電素子14およびグランド電極13の貫通孔27内に天壁部34の支持部材35が挿入されているので、圧電振動子30を形成するに際し、圧電素子14を天壁部34に容易かつ高精度に位置決めして配置することが可能なるとともに、圧電素子14が天壁部34上で位置ずれするのを防ぐことが可能になり、この圧電振動子30の性能が製品間でばらつくことや製造コストを確実に抑えることができる。
また、本実施形態では、二対の励振電極31が備えられ、各対の励振電極31が互いに前記軸線Oを中心に90°離れ、かつ二対の励振電極31が対ごとで分極方向が互いに逆方向となっているので、有頂円筒状体33を径方向により一層大きく伸縮振動させることが可能になる。さらに、二対の検出電極32が備えられ、各対の検出電極32が互いに前記軸線Oを中心に90°離れ、かつ二対の検出電極32が対ごとで分極方向が互いに逆方向となっているので、検出電極32から出力される角速度検出用の電圧をより一層大きくすることができる。
以上より、当該圧電振動子30を備えた角速度センサのS/N比を確実に高めることが可能になり、角速度センサに高い検出能力を具備させることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、励振電極15、31、検出電極16、32、ピックアップ電極22および補正電極23として、上面視扇形状の構成を示したが、これに限らず、上面視長方形状を呈し、その長手方向を天壁部11a、34の径方向に向けた状態でその周方向に間隔をあけて天壁部11a、34に配置してもよい。
また、前記実施形態では、圧電素子14およびグランド電極13として一体に形成された円板状体を示したが、これに限らず例えば、励振電極15、31、検出電極16、32、ピックアップ電極22および補正電極23の上面視形状と同形同大等にしてもよい。さらにまた、例えば、圧電素子14は一体に形成された円板状体とした上で、グランド電極13は前記実施形態に代えて、励振電極15、31、検出電極16、32、ピックアップ電極22および補正電極23の上面視形状と同形同大等にしてもよい。
さらに、前記実施形態では、グランド電極13、圧電素子14、励振電極15、31、検出電極16、32、ピックアップ電極22および補正電極23を、天壁部11a、34の上面、つまり有頂円筒状体11、33の外側に設けたが、有頂円筒状体11、33の内側において天壁部11a、34の下面に配置してもよい。
この場合、圧電素子14が有頂円筒状体11、33の内側に配置されているので、前述と同様にこの圧電振動子10、30の性能が製品間でばらつくことや製造コストを確実に抑えることができる。
なお、この構成において、前記第2実施形態で示した支持部材35を前記軸線Oに沿って有頂円筒状体11、33の内側に向けて延設させ、この支持部材を圧電素子14およびグランド電極13の貫通孔27内に挿入してもよい。
この場合、圧電振動子10、30の性能が製品間でばらつくことや製造コストをより一層確実に抑えることができる。
また、前記実施形態では、励振電極15、31の前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積を検出電極16、32よりも大きくしたが、これとは逆に検出電極16、32の前記軸線Oに直交する方向に沿った平面積を励振電極15、31よりも大きくしてもよい。
この場合、検出電極16、32から出力される角速度検出用の電圧を大きくすることが可能になり、前記実施形態と同様に、当該圧電振動子10、30を備えた角速度センサのS/N比を高めることが可能になり、角速度センサに高い検出能力を具備させることができる。
さらに、前記実施形態では、グランド電極13を有する圧電振動子10、30を示したが、このグランド電極13を有しない構成を採用してもよい。すなわち、圧電素子14を有頂円筒状体11、33の天壁部11a、34に例えばゾルゲル法、あるいはスパッタリング、さらには印刷等を施して形成した場合には、天壁部11a、34をグランド電極13として作用させることができる。
本発明に係る一実施形態として示した圧電振動子の斜視図である。 図1に示す圧電振動子の一部分解図である。 図1および図2に示す圧電振動子を備えた角速度センサの縦断面図である。 図3に示す角速度センサにおいて蓋体を外したときの上面図である。 本発明に係る他の実施形態として示した圧電振動子の斜視図である。 図5に示す圧電振動子の縦断面図である。 図5および図6に示す圧電振動子を備えた角速度センサの模式図である。
符号の説明
10、30 圧電振動子
11、33 有頂円筒状体
11a、34 天壁部
13 グランド電極
14 圧電素子
15、31 励振電極
16、32 検出電極
27 貫通孔
35 支持部材
O 軸線

Claims (7)

  1. 弾性材料で形成された有頂円筒状体と、
    この有頂円筒状体の天壁部に設けられた圧電素子と、
    この圧電素子において前記有頂円筒状体の軸線をその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設されて対をなし、前記圧電素子に電圧を印加する少なくとも一対の励振電極と、
    前記圧電素子において前記励振電極の配設位置を回避した位置で、かつ前記軸線をその径方向で挟んだ互いに反対となる各位置に1つずつ配設されて対をなし、角速度検出用の電圧を出力する少なくとも一対の検出電極と、
    を備える圧電振動子であって、
    前記励振電極および検出電極それぞれの前記軸線に直交する方向に沿った平面積が互いに異なっていることを特徴とする圧電振動子。
  2. 請求項1記載の圧電振動子であって、
    前記励振電極は検出電極よりも前記平面積が大きくなっていることを特徴とする圧電振動子。
  3. 請求項1または2に記載の圧電振動子であって、
    前記圧電素子は一体に形成された円板状体であることを特徴とする圧電振動子。
  4. 請求項3記載の圧電振動子であって、
    前記天壁部の径方向中央部には前記軸線に沿って延びる支持部材が設けられるとともに、前記圧電素子の径方向中央部には前記支持部材が内部に挿入された貫通孔が形成されていることを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の圧電振動子であって、
    前記圧電素子において、一対の励振電極の配設された各位置から前記軸線を中心に90°離れた各位置には、当該励振電極と同形同大の第1電極が配設されるとともに、一対の検出電極の配設された各位置から前記軸線を中心に90°離れた各位置には、当該検出電極と同形同大の第2電極が配設されていることを特徴とする圧電振動子。
  6. 請求項5記載の圧電振動子であって、
    前記第1電極は、その分極方向が前記一対の励振電極の分極方向と逆向きとされるとともに、前記圧電振動子に電圧を印加する構成とされたことを特徴とする圧電振動子。
  7. 請求項5または6に記載の圧電振動子であって、
    前記第2電極は、その分極方向が前記一対の検出電極の分極方向と逆向きとされるとともに、角速度検出用の電圧を出力する構成とされたことを特徴とする圧電振動子。
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