JP5379259B2 - 画面表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、情報をコンピュータ等の画面に表示する画面表示装置に関し、特に、地図等のように大容量の画像を表示する技術に関する。
従来から、一画面に入りきらない大容量の情報を表示するための技術として、スクロールが知られている。スクロールは、画面内に表示しきれない部分を表示するために、表示内容を上下左右に移動させる技術である。スクロールによって大容量の情報を閲覧する場合には、スクロール量が多くなるので手間がかかる。また、スクロールのスピードを上げると、スクロール中に表示内容を把握することができない。
画面に表示する画像の縮尺を変更する技術としてズームを変更する技術が知られている。縮尺を拡大することを「ズームイン」と呼び、縮尺を縮小することを「ズームアウト」と呼ぶ。画面表示をズームアウトすることにより、画面内に表示しきれない部分を表示することができる。
従来の画面表示装置では、スクロールとズームが別々のインターフェースとして構成されているものが多い。従って、スクロールとズームの操作によって大容量の画像の中から所望の情報を見つけ出すためには、スクロールとズームの切替え操作を何度も行う必要があり、操作が煩雑であった。例えば、画面表示を一旦ズームアウトして、ズームアウトされた表示内容を見ながら、所望の情報のおおよその位置を検索し、その後に情報を詳しく検索するために再度ズームインする操作が必要であった。
上記の操作の煩雑さを解決する方法として、スクロールとズームとを関連付けた方法が非特許文献1に開示されている。この文献には、スクロール操作の速度に応じて自動的にズームレベルを調整するインターフェースが開示されている。この文献が提案する基本的なコンセプトは、情報空間中での実際の移動速度に関わらず、画面上での見かけの速度を一定にするというものである。これにより、スクロールによって目が追いつかなくなるという問題を解決する。また、この文献では、スクロールの速度を上げたときに、急激にズームアウトが起こることを防止するための工夫として、ズームレベルを入力値の累乗で計算することも提案されている。
「移動速度に応じた自動ズーミングによる効率的ナビゲーション」五十嵐 健夫、Ken Hinckley、インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップVIII(日本ソフトウェア科学会 WISS2000)pp.57-66、2000年12月
しかし、上記した非特許文献1の技術は、画面上での見かけの速度を一定にするというものなので、入力デバイスにて入力されたスクロール速度以上で情報空間をスクロールすることはできない。例えば、スクロール速度の入力値が2倍になれば、ズームが1/2となった画面表示において、見かけ上同じ速度でスクロールが行われるだけで、情報空間上を2倍以上の速度でスクロールできるわけではない。従って、地図等のように極めて大容量の情報の中から、所望の情報を検索するには非常に時間がかかる。
また、情報空間において遠くにある情報に適切な時間でアクセス可能なように、入力デバイスの入力値とスクロール速度との関係を設定すると、入力デバイスの入力レンジには制限があるので、入力値のレンジと情報空間の大きさとのギャップにより、入力値のわずかな変化によってズームが敏感に変化する現象が起こる。特に、地図等のように、ズームインした画面表示でもズームアウトした画面表示でも同じように有用な情報を提供する場合には、ズーム率が頻繁に変化すると実用的に問題がある。
そこで、本発明は、上記背景に鑑み、大容量の情報から所望の情報を容易に検索できるインターフェースを有する画面表示装置を提供することを目的とする。
本発明の画面表示装置は、入力デバイスからスクロールの方向およびその速度を示す操作情報を受信する操作情報受信部と、前記操作情報受信部にて受信した操作情報に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、同じ方向にスクロールされた時間とそのスクロールの速度に基づいて、ズーム率を変更する処理を行う画面制御部と、を備える。
このようにスクロールの方向およびその速度を示す操作情報から得られるスクロールされた時間についての情報を利用して、ズーム率を変更する処理を行うことにより、スクロールの操作を行うことによって自動的にズーム率の変更がなされる。また、ズーム率は、スクロールの速度に比例するのではなく、スクロールの速度および同じ方向にスクロールされた時間に応じて制御されるので、スクロールの速度の変化に応じて頻繁にズーム率が変化することを防止した制御が可能となる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、前記スクロールの速度が所定時間連続して所定の閾値より大きいことを検知したときに画面表示をズームアウトする処理を行い、前記ズームアウト処理は前記スクロールの速度が前記閾値以下となったことを検知するか、あるいはあらかじめ定められた最小のズーム率となるまで継続してもよい。
このようにスクロールの速度が所定時間連続して所定の閾値を超えたときにズームアウト処理が行われ、スクロールの速度が所定の閾値以下にされるとズームアウト処理が停止するので、スクロールの速度を変える操作によって任意のズーム率に変更することが可能で、かつ、停止した時点のズーム率でスクロールすることが可能となる。また、本発明によれば、所定時間連続して所定の閾値を超える速度でスクロールする操作によって初めて、ズームアウト処理が行われる。この操作は、ユーザが遠くの情報を見たいという意思を持って行うと考えられるので、現在閲覧中の情報の付近で情報を検索する際に、ユーザの意思に反してズーム率が変化してしまうということがなく、情報の検索を容易に行える。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、画面表示がズームアウトされた状態において、所定時間連続して前記スクロールの速度が前記所定の閾値より小さい第2の閾値以下であることを検知したときに画面表示をズームインする処理を行い、前記ズームイン処理は前記スクロールの速度が前記第2の閾値より大きくなるか、あるいはあらかじめ定められた最大のズーム率となるまで継続してもよい。
このようにスクロールの速度が所定時間連続して第2の閾値以下となったときにズームイン処理が行われ、スクロールの速度が第2の閾値より大きくなるとズームイン処理が停止するので、スクロールの速度を変える操作によって任意のズーム率に変更することが可能で、かつ、停止した時点のズーム率でスクロールすることが可能となる。また、スクロールの速度が第2の閾値より大きく、かつ所定の閾値以下の範囲では、任意のズーム率に固定した状態で、周辺の情報をスクロールすることができる。さらに、本発明によれば、所定時間連続してスクロールの速度を第2の閾値以下にするという操作によって、ズームイン処理が行われる。この操作はユーザが付近の情報を検索したいときに行うと考えられるので、付近の情報を検索したいというユーザの意思に応じて画面表示がズームインされる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、前記スクロールの速度に応じてズームインまたはズームアウトの速度を制御してもよい。
このようにズームインまたはズームアウトの速度をスクロールの速度に対応させることにより、ユーザの意思に合わせたズーム率変更処理を行うことができる。
本発明の画面表示装置において、前記操作情報受信部は、前記スクロールの方向を示す操作情報としてジョイスティックの傾いた方向を示す信号を受信し、前記スクロールの速度を示す操作情報としてジョイスティックの傾き角度を示す信号を受信してもよい。
このようにジョイスティックを傾けた方向および傾き角度に応じて、スクロールの方向および速度を示す操作情報を受信できる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、同じ方向にスクロールされた時間とそのスクロールの速度とに基づいて、ズーム変更処理を行うか否かを判定する判定値を求め、前記判定値が所定の閾値より大きい場合に画面表示をズームアウトする処理を行い、前記判定値が所定の閾値以下の場合に画面をズームインする処理を行い、前記ズームアウト処理および前記ズームイン処理はあらかじめ定められたズーム率の範囲内で行ってもよい。
このようにスクロールされた時間とスクロールの速度に基づいて求めた判定値が所定の閾値を超えた場合にズームアウト処理が行われるので、スクロールの時間および速度を変えることによって任意のズーム率に変更することが可能である。また、ズームアウト処理およびズームイン処理は、あらかじめ定められたズーム率の範囲内で行われるので、画面表示があらかじめ定められた最小のズーム率である場合には、判定値が所定の閾値以下であってもズームイン処理は行われない。従って、スクロールの速度を大きくしないで付近の情報を検索する場合には、ユーザの意思に反してズーム率が変更されることはなく、情報の検索を行いやすい。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、同じ方向に繰り返しスクロールされたときの周期とそのスクロールの速度とに基づいて、ズーム変更処理を行うか否かを判定する判定値を求め、前記判定値が所定の閾値より大きい場合に画面表示をズームアウトする処理を行い、前記判定値が所定の閾値以下の場合に画面をズームインする処理を行い、前記ズームアウト処理および前記ズームイン処理はあらかじめ定められたズーム率の範囲内で行ってもよい。
このように繰り返しスクロールされたときの周期とスクロールの速度に基づいて求めた判定値が所定の閾値を超えた場合にズームアウト処理が行われるので、スクロールの周期および速度を変えることによって任意のズーム率に変更することが可能である。また、ズームアウト処理およびズームイン処理は、あらかじめ定められたズーム率の範囲内で行われるので、画面表示があらかじめ定められた最小のズーム率である場合には、判定値が所定の閾値以下であってもズームイン処理は行われない。従って、スクロールの速度を大きくしないで付近の情報を検索する場合には、ユーザの意思に反してズーム率が変更されることはなく、情報の検索を行いやすい。
本発明の画面表示装置は、指またはポインティングデバイスの接触位置を検知する平面型座標入力装置を備え、前記操作情報受信部は、前記スクロールの方向を示す操作情報として前記平面型座標入力装置をなぞった方向を示す信号を受信し、前記スクロールの速度を示す操作情報として前記平面型座標入力装置をなぞった速度を示す信号を受信し、前記画面制御部は、前記平面型座標入力装置を繰り返しなぞったときの周期と指またはポインティングデバイスが前記平面型座標入力装置を離れたときの速度とに基づいて前記判定値を求めてもよい。
このように平面型座標入力装置を同じ方向に繰り返しなぞったときの周期と指が離れたときの速度とに基づいて求めた判定値が所定の閾値を超えた場合にズームアウト処理が行われるので、平面型座標入力装置をなぞる操作によって任意のズーム率に変更することが可能である。判定値は、指が平面型座標入力装置を離れたときの指またはポインティングデバイスの速度が大きいほど大きくなり、平面型座標入力装置をなぞる周期が短くなるほど大きくなるように規定した値である。本発明によれば、平面型座標入力装置を同じ方向に繰り返しなぞる操作によって初めて、ズームアウト処理が行われる。この操作は、ユーザが遠くの情報を見たいという意思を持って行うと考えられるので、現在閲覧中の情報の付近で情報を検索する際には、ユーザの意思に反してズーム率が変化してしまうということがなく、情報の検索を容易に行える。なお、平面型座標入力装置から指またはポインティングデバイスが離れたときの指の速度に基づいて、画面表示をズームアウトするか否かの判定値を得ているので、指またはポインティングデバイスが離れたときの速度が大きい場合にズームアップされることになる。画面上に表示された画面を一片の紙面と見たときに、紙面を「投げる」という感覚に合ったインターフェースを提供できる。なお、平面型座標入力装置としては、例えば、タッチパッドまたはタッチパネルを用いることができる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、ズームインまたはズームアウトの処理中に、指またはポインティングデバイスが平面型座標入力装置に触れたときの平面型座標入力装置をなぞる速度が0であることを検知したときに、指またはポインティングデバイスがタッチパッドを離れるまでズームインまたはズームアウトの処理を停止してもよい。
この構成により、画面表示を任意のズーム率に固定してスクロールすることができる。平面型座標入力装置を触れたときの平面型座標入力装置をなぞる速度が0となる操作は、ズーム率の変更処理中の画面を上から押さえるようにして触れる操作である。従って、表示された画面を押さえるような感覚でズーム率の変化を停止し、停止した状態でスクロールを行えるので、ユーザの感覚に合ったインターフェースを提供できる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、前記判定値に応じてズームインまたはズームアウトの速度を制御してもよい。
このようにズームインまたはズームアウトの速度を判定値に対応させることにより、ユーザの意思に合わせたズーム率変更処理を行うことができる。
本発明の画面表示装置において、表示対象となる画像には、画像内の所定の位置を示すポイントが設定されており、前記画面制御部は、ズームアウトされた状態で前記ポイントが含まれている画面表示をズームイン処理する場合には、前記ポイントが画面の中心にくるように画像の位置を調整してもよい。
このように所定の位置を示すポイントが画面の中心にくるようにズームインすることにより、そのポイント付近の情報に容易にアクセスすることができる。
本発明の画面表示方法は、入力デバイスからスクロールの方向およびその速度を示す操作情報を受信する操作情報受信ステップと、前記操作情報受信ステップにて受信した操作情報に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、同じ方向にスクロールされた時間とそのスクロールの速度に基づいて、ズーム率を変更する処理を行う画面制御ステップとを備える。
この構成により、本発明の画面表示装置と同様に、スクロールの操作を行うことによって自動的にズーム率を変更できると共に、スクロールの速度の変化に応じて頻繁にズーム率が変化することを防止した制御が可能となる。また、本発明の画面表示装置の各種の構成を、本発明の画面表示方法に適用することが可能である。
本発明のプログラムは、入力デバイスから受信した操作情報に基づいて画面表示を行うためのプログラムであって、コンピュータに、入力デバイスからスクロールの方向およびその速度を示す操作情報を受信する操作情報受信ステップと、前記操作情報受信ステップにて受信した操作情報に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、同じ方向にスクロールされた時間とそのスクロールの速度に基づいて、ズーム率を変更する処理を行う画面制御ステップとを実行させる。
この構成により、本発明の画面表示装置と同様に、スクロールの操作を行うことによって自動的にズーム率を変更できると共に、スクロールの速度の変化に応じて頻繁にズーム率が変化することを防止した制御が可能となる。また、本発明の画面表示装置の各種の構成を、本発明のプログラムに適用することが可能である。
本発明の別の態様に係る画面表示装置は、画面内における指の接触位置を検知するタッチパネルと、前記接触位置に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、所定時間連続して指が接触していることを検知したときに、前記接触位置に基づいてスクロールしつつ画面表示をズームアウトする処理を行う画面制御部とを備える。
このように、所定時間連続してタッチパネルに指が接触している場合には、ユーザが遠くの情報を見たいという意思を持っていると考えられるので、ズームアウト処理およびスクロール処理を行うことにより、ユーザの意思に応じて情報空間内を早くスクロールできる。
本発明の別の態様に係る画面表示装置は、画面内における指の接触位置を検出するタッチパネルと、前記接触位置に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、所定時間連続して指が接触していることを検知したときに、前記接触位置に基づいてスクロールしつつ画面表示をズームアウトする処理を行う第1のモードと、指が接触している時間にかかわらずスクロール処理のみを行う第2のモードとを有する画面制御部と前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替える切替部とを備える。
このように、ズームアウト処理とスクロール処理とを同時に行なう第1のモードと、スクロール処理のみを行うスクロール処理を切り替えることができる構成により、ユーザの意思に応じて、適切なスクロール処理を行うことができる。また、第1のモードにおいて、所定時間連続してタッチパネルに指が接触している場合に、ズームアウト処理およびスクロール処理を行うことにより、ユーザの意思に応じて情報空間内を早くスクロールできる。
本発明の画面表示装置において、前記切替部は、前記第1のモードと前記第2のモードのいずれかを選択するスイッチを用いてもよい。
このように、第1のモードと第2のモードとをスイッチによって切り替えることにより、ユーザは、容易かつ確実にモードを切り替えることができる。
本発明の画面表示装置において、前記切替部は、前記接触位置が前記タッチパネルの所定の領域内に含まれるか否かに応じて、前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替えてもよい。
このように、画面内における指の接触位置に応じて、第1のモードと第2のモードとを切り替えることにより、タッチパネルに対する操作のみでモードを切り替えることができる。
本発明の画面表示装置において、前記切替部は、前記接触位置が画面の中心を含む所定領域である場合に前記第2のモードとし、前記接触位置が前記所定領域以外の画面の周縁領域である場合に前記第1のモードとしてもよい。
このように、周縁領域において指の接触を検知した場合には、ユーザは、隣接する地域の地図を見たいという意思を持っていると考えられるので、第1のモードにすることにより、ズームアウト処理を行って素早く所望の地域を表示した画面にスクロールすることができる。
本発明の画面表示装置において、前記切替部は、前記タッチパネルに2本以上の指が接触しているか否かに応じて、前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替えてもよい。
このように、タッチパネルに接触する指の本数に応じて、第1のモードと第2のモードとを切り替えることにより、タッチパネルに対する操作のみでモードを切り替えることができる。
本発明の画面表示装置において、前記タッチパネルは、指がタッチパネルを押す押圧力を検知し、前記切替部は、前記押圧力に応じて、前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替えてもよい。
このように、タッチパネルに接触する際の指の押圧力に応じて、第1のモードと第2のモードとを切り替えることにより、タッチパネルに対する操作のみでモードを切り替えることができる。
本発明の画面表示装置において、前記切替部は、前記タッチパネルに指が接触した状態で指が所定の閾値以上移動したか否かに応じて、前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替えてもよい。
このように、画面内における指の動きに応じて、第1のモードと第2のモードとを切り替えることにより、タッチパネルに対する操作のみでモードを切り替えることができる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、前記第1のモードにおいて、あらかじめ定められた最小のズーム率になるまで、ズームアウトする処理を継続してもよい。
このようにあらかじめ定められた最小のズーム率になるまでズームアウトし、最小のズーム率でズームアウト処理を停止することにより、最小のズーム率の画面でスクロールすることができる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、ズーム率に応じてスクロールする速度を変更してもよい。
このように、ズーム率に応じてスクロール速度を変更することにより、各ズーム率に適したスクロール操作感を得られる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、画面表示がズームアウトした状態において、前記タッチパネルから指が離れたことを検知したときに、あらかじめ定められた最大のズーム率になるまで画面表示をズームインする処理を行ってもよい。
このようにタッチパネルから指を離すという簡単な操作によって、ズーム率を元に戻すことができる。
本発明の画面表示装置において、前記画面制御部は、前記ズームインする処理を行う際に、前記タッチパネルから指が離れる前に最後に検知された前記接触位置に基づいてスクロールする処理を行ってもよい。
このように指が離れた後も、指が最後に検知された位置に基づいてスクロールすることにより、ズームアウトした状態でのスクロールの慣性でズームイン中もスクロールが継続しているように見え、快適な操作感を実現できる。
本発明の画面表示装置において、前記タッチパネルから指が離れたことを検知したときに、最大のズーム率になったときに画面に表示される領域を予測し、ズームアウトされた状態の画面上に予測された領域を示してもよい。
この構成により、最大ズーム率で表示される画面の全体における位置を把握することができる。
本発明の画面表示装置において、前記第1のモードと前記第2のモードとの切替えをユーザに報知する報知部を備えてもよい。
このように第1のモードと第2のモードの切替えをユーザに報知することにより、ユーザは、ズーム付きスクロールが開始されるか否かを知ることができる。
本発明の別の態様の画面表示装置は、指またはポインティングデバイスの接触位置を検知する平面型座標入力装置と、前記接触位置に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、所定時間連続して指またはポインティングデバイスが接触していることを検知したときに、前記接触位置に基づいてスクロールしつつ画面表示をズームアウトする処理を行う画面制御部と、前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替える切替部とを備える。
このように、所定時間連続して平面型座標入力装置に指またはポインティングデバイスが接触している場合には、ユーザが遠くの情報を見たいという意思を持っていると考えられるので、ズームアウト処理およびスクロール処理を行うことにより、ユーザの意思に応じて情報空間内を早くスクロールできる。
本発明の別の態様の画面表示装置は、傾けられた方向および傾き角度を検知するジョイスティックと、前記ジョイスティックの傾き方向および傾き角度に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、同じ方向にスクロールされた時間とそのスクロールの速度に基づいて、ズーム率を変更する処理を行う画面制御部とを備える。
この構成により、ジョイスティックを用いたスクロールを行う場合にも、スクロールの方向および速度に応じて、自動的にズーム率を変更することが可能である。なお、画面制御部は、ジョイスティックの傾いた方向によってスクロールの方向を決定し、ジョイスティックの傾き角度によってスクロールの速度を決定してもよい。
本発明の画面表示装置において、前記ジョイスティックは、ユーザに触覚情報を伝える機能を有し、前記ジョイスティックは、傾き角度が前記所定の角度を超えるときにジョイスティックの動きに抗する力をユーザに伝えてもよい。
このように、傾き角度が所定の角度を超えるときに、ジョイスティックの動きに抗する力をユーザに伝えることにより、ユーザはズーム付きスクロールが開始されるか否かを知ることができる。
本発明の別の態様の画面表示装置は、回転方向および回転速度を検知する回転式入力デバイスと、前記回転式入力デバイスの回転方向および回転速度に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、同じ方向にスクロールされた時間とそのスクロールの速度に基づいて、ズーム率を変更する処理を行う画面制御部とを備える。
この構成により、回転式入力デバイスを用いたスクロールを行う場合にも、スクロールの方向および速度に応じて、自動的にズーム率を変更することが可能である。なお、回転式入力デバイスとしては、例えば、トラックボール、ジョグダイヤル、回転式つまみ(オーディオ機器の音量つまみのような入力デバイス)がある。
本発明の画面表示装置において、前記回転式入力デバイスは、ユーザに触覚情報を伝える機能を有し、前記画面制御部によってズーム率の変更処理が開始される際に、回転に抗する力をユーザに伝えてもよい。
このようにズーム率の変更処理が開始されるときに、回転に抗する力をユーザに伝えることにより、ユーザはズーム付きスクロールが開始されるか否かを知ることができる。
本発明の別の態様のプログラムは、タッチパネルから受信した指の接触位置の情報に基づいて画面表示を行うためのプログラムであって、コンピュータに、タッチパネルから接触位置の情報を受信するステップと、前記接触位置に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、所定時間連続して指が接触していることを検知したときに、前記接触位置に基づいてスクロールしつつ画面表示をズームアウトする処理を行うステップとを実行させる。
このプログラムを実行することにより、所定時間連続してタッチパネルに指が接触している場合にズームアウト処理およびスクロール処理を行うので、ユーザの意思に応じて情報空間内を早くスクロールできる。
本発明によれば、スクロールの操作を行うことによって自動的にズーム率を変更できると共に、スクロールの速度の変化に応じて頻繁にズーム率が変化することを防止した制御が可能というすぐれた効果を有する。
以下、本発明の実施の形態の画面表示装置について図面を用いて説明する。以下の実施の形態では、地図を表示する画面表示装置を例として説明するが、本発明は地図を表示する装置に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の画面表示装置1の構成を示す図である。画面表示装置1は、ジョイスティック20からの操作情報を受信する操作情報受信部10と、操作情報受信部10にて受信した操作情報に基づいて画面表示を制御する画面制御部12と、操作情報受信部10にて受信した操作情報を記憶しておくRAM14と、画面制御部12による制御に従って画面表示するディスプレイ16とを備えている。
図2は、ジョイスティック20の外観を示す図である。ジョイスティック20は、台部26の上に、いずれの方向に倒すことができるレバー22を備えている。ジョイスティック20は、レバー22が倒された方向およびその傾き角度を示す信号(操作情報)を画面表示装置1に送信する。ジョイスティック20のレバー22の上部には、複数のスイッチ24が備えられている。また、レバー22を支持する台部26にも複数のスイッチ28が備えられている。ジョイスティック20は、スイッチ24,28等が押下されたことを示す信号を画面表示装置1に送信してもよい。
画面表示装置1の画面制御部12は、操作情報受信部10にて受信したジョイスティック20が傾けられた方向とその傾き角度に基づいて画面のスクロールおよびズームを制御する機能を有する。具体的には、画面制御部12は、画面表示がスクロールまたはズームしたように見せるように、地図情報記憶部18から読み出した地図情報を連続的に変化させてディスプレイ16に表示する。
画面制御部12は、ジョイスティック20から受信した操作情報に基づいて、ジョイスティック20が傾けられた方向に、その傾き角度に対応する速度で画面表示をスクロールさせる。
また、画面制御部12は、入力された操作情報とRAM14に記憶された過去の操作情報とに基づいて、ズーム率の制御を行う。具体的には、画面制御部12は、ジョイスティック20が所定時間連続して同じ方向に閾値D1より大きく傾けられたことを検知したときに、ズームアウト処理を行う。このとき、画面制御部12は、一定の速度でズームアウト処理を行い、滑らかにズームするように見せる。なお、ズームアウトの上限は、あらかじめ定められており、上限のズーム率に達した場合には、ズームアウト処理を停止する。
また、画面制御部12は、ズームアウトされた状態において、ジョイスティック20が所定時間連続して閾値D1より小さい閾値D2以下の傾き角度にされたことを検知したときに、ズームイン処理を行う。このとき、画面制御部12は、一定の速度でズームイン処理を行い、滑らかにズームするように見せる。なお、ズームインの下限は、あらかじめ定められており、下限のズーム率に達した場合には、ズームイン処理を停止する。本実施の形態では、下限のズーム率は、ズーム率が最初に表示された画面表示(以下、「デフォルト」という)のズーム率である。従って、デフォルトの状態からズームアウトした状態でなければ、画面制御部12は、ズームイン処理を行わない。
図3は、ジョイスティック20のレバー22の可動域とズーム制御を行うための閾値D1,D2との関係を示す図である。図3の縦軸および横軸はそれぞれ、レバー22の縦方向および横方向の傾き角度を示す。図3に示す最外円は、ジョイスティック20のレバー22の可動域を示す範囲である。ズームアウト処理を行うのは、ジョイスティック20の傾き角度が所定の閾値D1より大きい場合であり、図3に示す領域(3)にジョイスティック20のレバー22が傾けられているときである。ズームイン処理を行うのは、ジョイスティック20の傾き角度が所定の閾値D2以下の場合であり、図3に示す領域(1)にジョイスティック20のレバー22が傾けられているときである。なお、ジョイスティック20の傾き角度が領域(2)にあるときには、ズーム率の変化に対しては中立で、画面制御部12は、ズーム率を変更する処理を行わない。このように、本実施の形態の画面制御部12は、ジョイスティック20がいずれかの方向に大きく傾けられたときにズームアウト処理を行い、傾き角度が小さくなったときにズームイン処理を行うので、ユーザの感覚に合った画面制御を行うことができる。
図4は、本実施の形態の画面表示装置1の動作を示す図である。画面表示装置1は、ジョイスティック20から逐次送信される操作情報を受信し、操作情報に基づいて画面表示制御を行う。以下、操作情報を受信してからの画面表示装置1の動作について説明する。
本実施の形態の画面表示装置1は、ジョイスティック20のレバー22の倒された方向およびその傾き角度を示す操作情報をジョイスティック20から受信する(S10)。画面表示装置1は、操作情報受信部10にて受信した操作情報を画面制御部12に入力し、画面制御部12は入力された操作情報をRAM14に一時的に記憶する(S12)。
画面制御部12は、入力された操作情報に基づいて、ジョイスティック20の傾き角度を判定する(S14)。傾き角度の判定の結果、ジョイスティック20の傾き角度が閾値D2以下(図3の領域(1)に含まれる)の場合には、画面制御部12は、以下の処理を行う。まず、画面制御部12は、傾き角度が閾値D2以下の状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(S16)。
この判定の結果、傾き角度が閾値D2以下の状態が所定時間以上継続していないと判定された場合には(S16でNO)、画面制御部12は、入力された操作情報に基づいてスクロールを行う(S26)。傾き角度が閾値D2以下の状態が所定時間以上継続していると判定された場合(S16でYES)、画面制御部12は、現在のズーム率が最大のズーム率(デフォルトのズーム率)であるか否かを判定する(S18)。
この判定の結果、現在のズーム率が最大のズーム率であると判定された場合には(S18でYES)、画面制御部12は、入力された操作情報に基づいてスクロールを行う(S26)。現在のズーム率が最大のズーム率でないと判定された場合には(S18でNO)、画面制御部12は、画面表示をズームインしつつ、入力された操作情報に基づいてスクロールする処理を行う(S20)。その後、画面表示装置1は、ジョイスティック20から操作情報を受信するステップS10に戻る。
ジョイスティック20の傾き角度の判定(S14)の結果、ジョイスティック20の傾き角度が閾値D2より大きく閾値D1以下(図3の領域(2)に含まれる)の場合には、画面制御部12は、以下の処理を行う。まず、画面制御部12は、ズームの変更処理中であるか否かを判定する(S22)。すなわち、画面制御部12は、ズームイン処理(S20)またはズームアウト処理(S32)を行っているか否かを判定する。
この判定の結果、ズーム変更処理中であると判定された場合には(S22でYES)、画面制御部12は、ズーム変更処理を停止し(S24)、入力された操作情報に基づいてスクロールを行う(S26)。ズーム変更処理中であるか否かの判定(S22)において、ズーム変更処理中ではないと判定された場合には(S22でNO)、入力された操作情報に基づいてスクロールを行う(S26)。その後、画面表示装置1は、ジョイスティック20から操作情報を受信するステップS10に戻る。
ジョイスティック20の傾き角度の判定(S14)の結果、ジョイスティック20の傾き角度が閾値D1より大きい(図3の領域(3)に含まれる)場合には、画面制御部12は、以下の処理を行う。まず、画面制御部12は、同じ方向への傾き角度が閾値D1より大きい状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(S28)。
この判定の結果、傾き角度が閾値D1より大きい状態が所定時間以上継続していないと判定された場合には(S28でNO)、画面制御部12は、入力された操作情報に基づいてスクロールを行う(S26)。傾き角度が閾値D1より大きい状態が所定時間以上継続していると判定された場合(S28でYES)、画面制御部12は、現在のズーム率が最小のズーム率であるか否かを判定する(S30)。
この判定の結果、現在のズーム率が最小のズーム率であると判定された場合には(S30でYES)、画面制御部12は、入力された操作情報に基づいてスクロールを行う(S26)。現在のズーム率が最小のズーム率でないと判定された場合には(S30でNO)、画面制御部12は、画面表示をズームアウトしつつ、入力された操作情報に基づいてスクロールする処理を行う(S32)。その後、画面表示装置1は、ジョイスティック20から操作情報を受信するステップS10に戻る。
以上、第1の実施の形態の画面表示装置1の構成および動作について説明した。
第1の実施の形態の画面表示装置1は、ジョイスティック20が同じ方向に所定時間連続して閾値D1を超えて傾けられるとズームアウト処理が行われ(S30)、その傾き角度が閾値D1以下にされるとズームアウト処理が停止する(S24)。これにより、任意のズーム率に変更することが可能で、かつ、停止した時点のズーム率でスクロールすることが可能となる。このようにジョイスティックを倒す操作のみで容易にズーム率を変更してスクロールできるので、大容量の情報を容易に検索できる。地図のようにズームインした状態でもズームアウトした状態でも情報を見たいという要望がある場合には、本実施の形態の構成は特に便利である。
第1の実施の形態の画面表示装置1は、ジョイスティック20を所定時間連続して同じ方向に傾けるという操作(S28)によって初めてズームアウト処理が行われる。このような操作は、ユーザが遠くの情報を見たいという意思を持って行うと考えられる。つまり、本実施の形態では、現在閲覧中の情報の付近で情報を検索する際に、ユーザの意思に反してズーム率が変化してしまうということがなく、情報の検索を容易に行える。
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態の画面表示装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態の画面表示装置2は、基本的な構成は、第1の実施の形態の画面表示装置1と同じである。第2の実施の形態の画面表示装置2には、ジョイスティック20に代えてタッチパッド30が接続されている。第2の実施の形態において、画面制御部12は、タッチパッド30からの送信される操作情報に基づいて画面の制御を行う。以下、第2の実施の形態における画面制御部12の制御について説明する。
まず、画面制御部12の説明に先立って、タッチパッド30について説明する。タッチパッド30は、パッドを指でなぞることによって、情報を入力するデバイスである。本実施の形態では、パッドにかかる指の圧力で動きを感知する感圧式のタッチパッド30を採用しており、指の位置を検出して入力値に変換する。タッチパッド30は、タッチパッド30をなぞった方向およびなぞった速度を示す信号(操作情報)を画面表示装置2に送信する。
次に、第2の実施の形態の画面制御部12について説明する。画面制御部12は、タッチパッド30から受信した操作情報に基づいて、タッチパッド30をなぞった方向に、なぞった速度に対応する速度で画面表示をスクロールさせる機能を有する。
また、画面制御部12は、入力された操作情報とRAM14に記憶された過去の操作情報とに基づいて、ズーム率の制御を行う。具体的には、画面制御部12は、タッチパッド30が繰り返し同じ方向になぞられた場合(以下、「繰り返し入力」という)にズームアウトの処理を行う。このとき、画面制御部12は、一定の速度でズームアウト処理を行い、滑らかにズームするように見せる。なお、ズームアウトの上限は、あらかじめ定められており、上限のズーム率に達した場合には、ズームアウト処理を停止する。
繰り返し入力が検知されない場合には、画面制御部12は、ズームイン処理を行う。このとき、画面制御部12は、一定の速度でズームイン処理を行い、滑らかにズームするように見せる。なお、ズームインの下限はあらかじめ定められており、下限のズーム率(デフォルト)に達した場合には、ズームイン処理を停止する。従って、デフォルトの状態においては、画面制御部12は、繰り返し入力が検知されない限り、デフォルトのズーム率を保持する。
ここで、繰り返し入力に基づいて、ズームアウト処理を行うか否かの判定について説明する。画面制御部12は、繰り返し入力があったときに、繰り返しの周期と、タッチパッド30から指が離れたときの指の速度に基づいてズームアウト処理を制御する。具体的には、繰り返しの周期とタッチパッド30から指が離れたときの指の速度に基づいてズームアウト処理するか否かを判定するための判定値を求める。本実施の形態では、紙飛行機のモデルを利用して、この判定値を求めている。以下、この判定値について詳しく説明する。
図6は、判定値を求める原理を説明するための図である。判定値は、紙飛行機のモデルにおいて「揚力」に相当する。画面制御部12は、揚力として、指が離れたときの速度に対して、繰り返しの周期の逆数(単位時間あたりの繰り返し回数)だけ回転したときの高さを求める。なお、図6は、原理を示す図であり、実際に揚力を求めるときには、適宜定数を加えたり、定数を掛けたりしてもよい。図6から明らかなように、判定値は、繰り返しの周期が短ければ短いほど大きくなり、指が離れたときの速度が速いほど大きくなる。逆に、指が離れたときの速度が0であったり、繰り返し入力が行われない場合には、判定値は0となる。このようにして求めた判定値は、ユーザが遠くを見ようとする意思に応じた値となる。画面制御部12は、紙飛行機のモデルにおいて「揚力」が「重力」を上回ったときに紙飛行機が飛行するのと同様に、判定値(揚力)が所定の閾値(重力)を上回ったときにズームアウト処理を行い、判定値が所定の閾値以下のときにズームイン処理を行う。画面表示装置1を構成する際には、所定の閾値として適切な値を設定する。
図7は、第2の実施の形態の画面表示装置2の動作について説明する図である。画面表示装置2は、タッチパネル30から逐次送信される操作情報を受信し、操作情報に基づいて画面表示制御を行う。以下、操作情報を受信してからの画面表示装置2の動作について説明する。
画面表示装置2は、タッチパッド30のなぞられた方向およびその速度を示す操作情報をタッチパッド30から受信する(S40)。画面表示装置2は、操作情報受信部10にて受信した操作情報を画面制御部12に入力し、画面制御部12は入力された操作情報をRAM14に一時的に記憶する(S42)。
画面表示装置2の画面制御部12は、操作情報に基づいて、タッチパッド30に指が触れたか否かを判定する(S44)。タッチパッド30に指が触れたことを検出しなかった場合には(S44でNO)、指がすでにタッチパッドに触れている場合である。画面制御部12は、タッチパッド30から指が離れたか否かを判定する(S46)。この判定において、指が離れたことを検出しなかった場合には(S46でNO)、指がタッチパッド30に付いたままの状態で動かされたことになる。この場合、画面制御部12は、タッチパッド30をなぞった方向に、なぞった速度に応じてスクロールを行う(S60)。
タッチパッド30から指の離れを検出したか否かの判定(S46)において、指の離れを検出した場合には(S46でYES)、画面制御部12は、指が離れたときの速度を算出する(S48)。指が離れたときの速度は、指が離れるときの微小時間における指の速度である。次に、画面制御部12は、RAM14に記憶された操作情報に基づいて、パッドをなぞった周期を算出する(S50)。画面制御部12は、RAM14に記憶された操作情報に基づいて、繰り返し入力を検出した場合には、指が離れた時刻から指が触れた時刻までの所要時間の平均値を周期として求め、繰り返し入力を検出しなかった場合には、周期を「∞」(単位時間当たりの繰り返し回数=0)とする。
画面制御部12は、指が離れたときの速度およびパッドをなぞる周期に基づいて判定値を求め、判定値が所定の閾値を超える場合にズームアウト処理、所定の閾値以下の場合にズームイン処理を行う(S52)。繰り返し入力がない場合には、周期が「∞」なので判定値は0となり、画面制御部12は、ズームイン処理を行う。ただし、デフォルトのズーム率で画面表示がなされている場合には、それ以上のズームイン処理を行わないので、デフォルトのズーム率が保持される。その後、画面制御部12は、タッチパッド30から操作情報を受信するステップS40に戻る。
タッチパッド30への指の触れの検出の判定(S44)において、指の触れを検出すると(S44でYES)、画面制御部12は、以下の処理を行う。まず、画面制御部12は、タッチパッド30に指が触れたときの速度が0であったか否かを判定する(S54)。指がタッチパッド30に触れたときの速度は、指が触れるときの微小時間における指の速度である。なお、この判定(S54)では、速度が0であるか否かを判定しているが、厳密な意味で速度が0とならなくても、画面制御部12は、速度が0であると判定してもよい。どの範囲で速度を0と判定するかは、タッチパッドの感度等に応じて適宜設定する。
この判定(S54)において、指が触れたときに速度が0でなかったと判定されると(S54でNO)、画面制御部12は、タッチパッド30をなぞった方向に、なぞった速度に応じてスクロールを行う(S60)。
指が触れたときに速度が0であったか否かの判定(S54)において、速度が0であったと判定されると(S54でYES)、画面制御部12は、ズーム変更処理中であるか否かを判定する(S56)。すなわち、画面制御部12は、ズーム変更処理(S52)を行っているか否かを判定する。この判定の結果、ズーム変更処理中の場合には(S56でYES)、画面制御部12は、ズーム変更処理を停止し(S58)、タッチパッド30をなぞった方向に、なぞった速度に応じてスクロールを行う(S60)。ズーム変更処理中であるか否かの判定(S56)において、ズーム変更処理中ではないと判定された場合には(S56でNO)、画面制御部12は、タッチパッド30をなぞった方向に、なぞった速度に応じてスクロールを行う(S60)。その後、画面制御部12は、タッチパッド30から操作情報を受信するステップS40に戻る。
以上、本発明の第2の実施の形態の画面表示装置2の構成および動作について説明した。
本実施の形態の画面表示装置2は、繰り返し入力の周期および指が離れたときの速度に基づいて求めた判定値が所定の閾値を超えた場合にズームアウト処理を行い、タッチパッド30をなぞる速度が0でタッチパッド30に触れるまでズームアウトするので、タッチパッドをなぞる操作だけで、任意のズーム率に変更することが可能である。
本実施の形態の画面表示装置2において、判定値は、繰り返し入力の周期が短くなるほど大きくなり、指がタッチパッド30を離れたときの指の速度が大きいほど大きくなるように規定されている。同じ方向へ繰り返しなぞるという操作は、なぞられた方向に大きくスクロールしたいという意思を持って行われる。従って、判定値が所定の閾値を超えたときに初めてズームアウト処理を行う構成により、現在閲覧中の情報の付近で情報を検索する際には、ユーザの意思に反してズーム率が変化してしまうということがなく、情報の検索を容易に行える。
本実施の形態の画面表示装置2では、タッチパッド30から指が離れたときの指の速度に基づいて、画面表示をズームアウトするか否か、すなわちユーザが遠くの情報を見たいと考えているか否かの判定値を得ている。指が離れるときに速度を有するという状態は、画面上に表示された画面を一片の紙面と見たときに紙面を「投げる」感覚に近く、ユーザの感覚に合わせて画面表示のスクロールを行えるインターフェースを提供できる。
本実施の形態の画面表示装置2では、タッチパッド30に触れたときの指の速度が0であった場合に(S54でYES)、ズーム変更処理を停止する。タッチパッド30をなぞる速度が0となる操作は、ズーム率の変更処理中の画面を上から押さえるようにして触れる操作である。従って、表示された画面上に表示された画面を一片の紙面とみたときに、紙面を「押さえる」ような感覚で、ズーム率の変化を停止できる。また、指を離さないでなぞることにより、ズーム率を停止した状態でスクロールすることができるので、ユーザの感覚に合ったインターフェースを提供できる。
なお、本実施の形態では、タッチパッドを例として説明したが、指の検知装置と画面とが一体となったタッチパネルを用いても、本実施の形態と同様の画面制御を行うことが可能である。また、指またはポインティングデバイスの接触位置を検知する平面型の座標入力装置であれば、タッチパネル以外の入力デバイスを用いることもできる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の画面表示装置3は、第1の実施の形態の画面表示装置1と基本的な構成は同じであるが(図1参照)、地図情報として吸着ポイント40を記憶している点が異なる。吸着ポイント40は、ズームイン処理を行う際に画面表示の中心となる位置を示すポイントである。
図8は、地図情報記憶部18に記憶された地図情報を示す図である。地図情報記憶部18は、日本地図上に設定された複数の吸着ポイント40の情報を有している。
第3の実施の形態の画面表示装置3は、吸着ポイント40が含まれた画面表示をズームインする際に、吸着ポイント40が画面の中心にくるようにズームイン処理を行う。ズームアウトされた画面表示に複数の吸着ポイント40が含まれる場合には、画面の中心に最も近い吸着ポイント40が中心になるようにズームイン処理を行う。
第3の実施の形態では、吸着ポイント40が中心にくるようにズームインするので、手動で、吸着ポイント40が中心にくるように精度良く調整しなくてもよいので、使い勝手の良いインターフェースを提供できる。例えば、参照される可能性の高い都市部や駅などを吸着ポイント40として設定しておくことにより、容易に、都市部や駅等を中心としてズームアウトした画面表示を得られる。
なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態の画面表示装置1と基本的な構成が同じ装置について説明したが、第2の実施の形態のように、タッチパッド30を利用した画面表示装置2にも、吸着ポイント40を設定する構成を適用できる。
(第4の実施の形態)
図9は、本発明の第4の実施の形態の画像表示装置を備えたカーナビゲーションシステム50を示す図である。
図9において、カーナビゲーションシステム50は、位置検出器52、地図データ入力部54、操作スイッチ群56、送受信機58、外部メモリ60、表示装置62、音声コントローラ64、スピーカ66、音声認識装置68、マイク70、リモコンセンサ72、リモートコントロール端末(以下、「リモコン」という)74と、これら各装置が接続された制御装置76を備えている。
制御装置76は、通常のコンピュータとして構成されている。制御装置76の内部にはCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも不図示)が備えられている。制御装置76は、位置検出器52、地図データ入力部54、操作スイッチ群56、送受信機58、外部メモリ60、音声コントローラ64、リモコンセンサ72から入力された各種情報に基づき、所定の処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。
位置検出器52は、地磁気センサ80、ジャイロスコープ82、距離センサ84、およびGPS(Global Positioning System)受信機86を有している。GPS受信機86は
、衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出する機能を有する。位置検出器52に含まれる各センサは、性質の異なる誤差を持っているので、複数のセンサにより補完しながら使用するように構成されている。また、位置検出器52として、ステアリングの回転センサ、各転動輪の車両センサ等を用いてもよい。なお、位置検出の精度によっては、上述の一部のセンサによって位置検出器52を構成してもよい。
地図データ入力器54は、記憶媒体(不図示)が装着され、該記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための装置である。記憶媒体としては、大容量の情報を記録できるCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード、HDD等を用いてもよい。
操作スイッチ群56は、電源ボタン等のメカニカルなスイッチに加え、表示装置62と一体になったタッチパネルを備えている。タッチパネルは、表示画面上において、指の接触位置を検知し、検知した情報を制御装置76へ送信する。操作スイッチ群56は、スイッチ操作に基づいて、制御装置76へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の操作指示を行う。なお、本実施の形態では、指の接触を検知するタッチパネルについて説明しているが、スタイラス等の指示デバイスによる指示位置を検知するタッチパネルを用いてもよいことは明らかであり、スタイラス等の指示デバイスを用いる態様も本発明に含まれる。
リモコン74には、複数の操作スイッチ(不図示)が設けられている。リモコン74は、スイッチ操作の情報を、リモコンセンサ72を介して制御装置76に入力する。制御装置76は、スイッチ操作に応じて、各種機能を実行する。なお、操作スイッチ群56とリモコン74は、何れのスイッチ操作によっても制御装置76に同じ機能を実行させることが可能である。
リモコン74あるいは操作スイッチ群56を用いて目的地が設定されると、制御装置76は、位置検出器52により検出された現在位置からその目的地までの最適経路を探索し、探索された最適経路を表示装置62に表示する。このように自動的に最適経路を設定する手法としては、ダイクストラ法等の手法が知られている。
表示装置62は、地図や目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能である。表示装置62は、液晶、有機EL等を用いて構成することができる。表示装置62は、地図データ入力器54の情報に基づいて地図を表示すると共に、地図上に目的地までの最適経路を重畳して表示する。また、表示装置62は、位置検出器52により検出された現在位置を示す現在位置マークを地図に重畳して表示する。なお、表示装置62は、現在位置、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報など他の情報を付加的に表示することもできる。
外部メモリ60は、HDD等の書き込み可能な大容量記憶装置である。外部メモリ60には大量のデータや、電源をOFFしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器54からコピーして保存しておく等の用途がある。なお、外部メモリ60は、比較的記憶容量の小さいリムーバルなメモリであってもよい。
送受信機58は、外部(例えばVICS(登録商標)システムなどのインフラ)から提供される交通情報、気象情報、施設情報、広告情報等を受信する機能を有すると共に、外部へ車両情報、ユーザ情報等を発信する機能を有する。送受信機58は、外部から受け取った情報を制御装置76に送信し、制御装置76にて情報を処理する。また、送受信機58は、必要に応じて、制御装置76で処理した情報を送受信機58から出力することもできる。
スピーカ66は、音声コントローラ64から入力された音声出力信号に基づき所定の音声(案内のための音声や画面操作の説明、音声認識結果等)を外部に報知する。
マイク70は、ユーザが発声した音声を電気信号として音声認識装置68に入力する。
音声認識装置68は、マイク70を介し発声されたユーザの入力音声と、内部に記憶する認識辞書(不図示)中の語彙データ(比較対象パターン)とを照合し、最も一致度の高いものを認識結果として音声コントローラ64に入力する。
音声コントローラ64は、音声認識装置68を制御すると共に、ユーザから音声入力があった場合に、スピーカ66を通じてトークバック出力制御(音声出力)する。また、音声認識装置68の認識結果を制御装置76に入力する処理も行う。制御装置76は、音声認識装置68からの情報に基づき、ユーザの発声に対する所定の処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。また、制御装置76で処理された経路案内音声情報等は、音声コントローラ64を介してスピーカ66から適宜報知される。
次に、表示装置62に表示される画面のスクロール処理について説明する。図10は、タッチパネル付きの表示装置62の画面例を示す図である。図10に示すように、表示装置62に表示される画面は、中心部を含む領域(以下、「中心領域」という)Cを通常に表示し、中心部領域以外の周縁部の領域(以下、「周縁領域」という)Eを半透明に表示している。これにより、ユーザは、中心領域Cと周縁領域Eとを容易に見分けることができる。
本実施の形態では、半透明で表示された周縁領域Eがタッチされた場合には、制御部76は、ズーム付きスクロールを行い、通常に表示される中心領域Cがタッチされた場合には、制御部76は、ズームなしのスクロールを行う。以下、ズーム付きスクロールを行う処理を「第1のモード」、ズームなしのスクロールの処理を「第2のモード」という。
図11は、本実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。タッチパネルが指のタッチ(接触)を検出すると(S70)、制御部76は、タッチされた位置が画面の周縁領域Eであるか否かを判定する(S72)。タッチされた場所が周縁領域Eである場合には(S72でYES)、制御部76は、第1のモードによって画面制御を行う。
第1のモードでは、制御部76は、タッチパネルにタッチしている時間が所定時間を経過したか否かを判定する(S90)。タッチの時間が所定時間を経過していない場合には(S90でNO)、表示装置62は、タッチされた位置に応じて、スクロール処理を行う。例えば、画面の中心からタッチされた位置へのベクトルを求め、そのベクトル方向にスクロールする。この際、画面の中心からタッチされた位置までの距離に応じてスクロールの速度を決めてもよい。制御部76は、スクロール処理を行う一方で、タッチパネルから指が離れたか否かを判定する(S94)。指が離れたと判定された場合には(S94でYES)、画面制御を終了する。すなわち、制御部76は、スクロール処理を停止し、停止された位置の地図を表示する。
指が離れていないと判定された場合には(S94でNO)、ステップS90に戻って、制御部76は、タッチしている時間が所定時間を経過したか否かを判定する(S90)。この制御により、タッチしている時間が所定時間を経過するまでは、ズームなしのスクロールが行われ、指が離れた時点で(S94でYES)、画面制御を停止する処理を行う。
タッチしている時間が所定時間を経過した場合には(S90でYES)、制御部76は、タッチしている位置に応じてスクロール処理を行うと共に、ズームアウト処理を行う(S96)。ここで、スクロール速度は、ズーム率にかかわらず一定としてもよいし、ズーム率が小さくなるに応じて遅くしてもよい。ズーム率が小さくなると画面内に広範囲の地域が表示される。スクロール速度を遅くすることによって、広範囲を表示した地図内で、スクロール位置を微調整できる。
制御部76は、ズームアウト処理とスクロール処理を行う一方で、タッチパネルから指が離れたか否かを判定する(S98)。指が離れていないと判定された場合には(S98でNO)、ズームアウト処理とスクロール処理を継続する。なお、ズームアウト処理は、あらかじめ定められた最小のズーム率になった時点で停止し、その後は、最小のズーム率の画面上でスクロール処理を行う。
指が離れたと判定された場合には(S98でYES)、制御部76は、最大のズーム率までズームインしたときに表示される領域を計算によって求め、現在のズーム率の画面上で表示する(S100)。
図12は、ズームインしたときに表示される領域を、現在のズーム率の画面上で表示した例を示す図である。図12に示すように、ズームインしたときに表示される領域Tが示されることにより、ズームインしたときの地域が広域地図内でどこに位置するかを把握できる。なお、本実施の形態では、ズームインしたときに表示される領域Tを表示する例について説明しているが、ズームインしたときに表示される領域Tを表示しないで、単にズームインする構成とすることも可能である。
続いて、制御部76は、ズームイン処理を行い(S102)、最大のズーム率まで戻す。なお、図11のステップS102では、指が離れた後に、ズームイン処理のみを行う例を記載しているが、指が離れたときに最後に検出した指の位置に応じて、スクロールしつつズームイン処理を行ってもよい。この場合、ステップS100におけるズームインしたときに表示される領域の計算は、スクロールによって表示領域がずれる分も考慮して計算する。以上の処理が第1のモードによる画面制御である。
タッチされた位置が画面の周縁領域Eであるか否かの判定(S72)において、タッチされた場所が周縁領域Eでないと判定された場合には(S72でNO)、制御部76は、タッチされた位置に応じて、スクロール処理を行う(S104)。制御部76は、スクロール処理を行う一方で、タッチパネルから指が離れたか否かを判定する(S106)。指が離れていないと判定された場合には(S106でNO)、スクロール処理を継続し、指が離れたと判定された場合には(S106でYES)、画面制御を終了する。すなわち、制御部76は、スクロール処理を停止し、停止された位置での地図を表示する。
以上、本発明の第4の実施の形態の画面表示装置を備えたナビゲーションシステム50について説明した。
本実施の形態の画面表示装置では、タッチパネルの中央領域Cにタッチした場合にはズームなしのスクロールを行い、タッチパネルの周縁領域Eにタッチすることにより、ズーム付きのスクロールを行う。ユーザが、周縁領域Eをタッチする際には、表示されている地域に隣接する地域あるいは、さらに先の地域を見たいという意思を持っていると考えられる。本実施の形態では、周縁領域Eをタッチしたときにズームアウト処理を行うことにより、ユーザの意思に応じて情報空間内を早くスクロールすることができる。
また、本実施の形態の画面表示装置では、周縁領域Eをタッチして所定時間が経過した後にズームアウト処理を行うので、誤って周縁領域Eにタッチした場合にはズームアウトしない。所定時間が経過するまでズームなしのスクロールを行うことにより、ユーザの意思によって周縁領域Eを押していることが推定されるので、適切な状況でズームアウト処理を行うことができる。また、ズームアウト処理の開始によってユーザが驚くこともない。
本実施の形態の画面表示装置では、表示装置62は、周縁領域Eを半透明で表示し、中央領域を通常の表示としているので、ユーザは画面上のどこが周縁領域Eかを把握することができる。なお、本実施の形態において、周縁領域Eと中心領域Cとを区別できるようにするために、周縁領域Eを半透明に表示にするのではなく、周縁領域Eと中心領域Cの境界に線を表示してもよい。また、画面表示上、周縁領域Eと中心領域Cとを区別しない態様としてもよい。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の画面表示装置を備えたナビゲーションシステムについて説明する。第5の実施の形態のナビゲーションシステムは、第4の実施の形態のナビゲーションシステム50と基本的な構成は同じであるが(図10参照)、第1のモードと第2のモードとを切り替える方法が異なる。
図13は、第5の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。タッチパネルは、画面のタッチを検出すると(S70)、同時に2箇所以上タッチされているか否かを判定する(S74)。同時に2箇所以上タッチされたと判定された場合(S74でYES)、制御部76は、第1のモードによって画面制御(ズーム付きスクロール)を行い、同時に2箇所以上タッチされていないと判定された場合(S74でNO)、制御部76は、第2のモードによって画面制御(ズームなしスクロール)を行う。第1のモード、および第2のモードによる画面制御は、第4の実施の形態と同じである。
第5の実施の形態の画面表示装置は、ズーム付きスクロールを行うか否かを、タッチパネルにタッチした指の本数によって切り替えることができるので、ユーザは、タッチパネルを操作するだけでモードの切替えを行える。
なお、本実施の形態の変形例として、第1のモードにおいてズームアウト処理を行っている最中に、一本の指がタッチパネルから離れたことを検知した場合に、ズームアウトを停止して、停止されたズーム率にてスクロールのみを行うこととしてもよい。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態の画面表示装置を備えたナビゲーションシステムについて説明する。第6の実施の形態のナビゲーションシステムは、第4の実施の形態のナビゲーションシステム50と基本的な構成は同じであるが(図10参照)、第6の実施の形態においては、タッチパネルは、指が触れたときの圧力を検知する機能を有する。また、第6の実施の形態は、第1のモードと第2のモードとを切り替える方法が、第4の実施の形態とは異なる。
図14は、第6の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。タッチパネルは、画面のタッチを検出すると(S70)、タッチの押圧力が所定の閾値より大きいか否かを判定する(S76)。押圧力が所定の閾値以下であると判定された場合には(S76でNO)、制御部76は第2のモードで画面制御を行う。押圧力が所定の閾値より大きいと判定された場合には(S76でYES)、制御部76は第1のモードで画面制御を行う。本実施の形態では、第1のモードの画面制御を行う前に、第1のモードであることをユーザに報知する(S78)。報知の方法は、例えば、「ズーム付きスクロールです」との音声メッセージを出力してもよいし、電子音を鳴らしてもよい。これにより、ユーザは、所望のモードでスクロールがなされるか否かを知ることができる。なお、本実施の形態では、第1のモードに入ったときに、ユーザに第1のモードであることを報知する例を挙げているが、第2のモードに入ったときに第2のモードであることを報知してもよいし、第1のモードと第2のモードのいずれに入った場合にも、そのモードを報知する構成としてもよい。以下の第1のモードによる画面制御、および第2のモードによる画面制御は、第4の実施の形態と同じである。
第6の実施の形態の画面表示装置は、ズーム付きスクロールを行うか否かを、タッチパネルにタッチした際の押圧力によって切り替えることができるので、ユーザは、タッチパネルを操作するだけで、モードの切替えを行える。
なお、本実施の形態においては、指が離れたことを検知した場合に(S94、S98、S106でYES)、画面制御がいったん終了して各モードを終了する例について説明しているが、指がタッチパネルに触れたままの状態で押圧力が変化したときに第1のモードと第2のモードとを切り替えることとしてもよい。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態の画面表示装置を備えたナビゲーションシステムについて説明する。第7の実施の形態のナビゲーションシステムは、第4の実施の形態のナビゲーションシステム50と基本的な構成は同じであるが(図10参照)、画面制御を第1のモードと第2のモードとを切り替える方法が異なる。
図15は、第7の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。タッチパネルは、画面のタッチを検出すると(S70)、タッチした指の動きをトレースし、指の移動が所定の閾値より長いか否かを判定する(S82)。指の移動が所定の閾値より長い場合には(S82でYES)、制御部76は、第1のモードで画面制御を行う。第1のモードで画面制御を行う際には、第6の実施の形態と同様に、第1のモードであることをユーザに報知する(S84)。指の移動が所定の閾値以下である場合には(S82でNO)、制御部76は、第2のモードで画面制御を行う。以下の第1のモードによる画面制御、および第2のモードによる画面制御は、第4の実施の形態と同じである。
第7の実施の形態の画面表示装置は、ズーム付きスクロールを行うか否かを、指の動きによって切り替えることができるので、ユーザは、タッチパネルを操作するだけで、モードの切替えを行える。
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態の画面表示装置を備えたナビゲーションシステムについて説明する。第8の実施の形態のナビゲーションシステムは、第4の実施の形態のナビゲーションシステム50と基本的な構成は同じであるが(図10参照)、操作スイッチ群56の中に、モードを切り替えるモード切替スイッチを有する。モードを切り替えるスイッチは、例えば、ハンドルに設けておく。
図16は、第8の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。タッチパネルは、画面のタッチを検出すると(S70)、モード切替スイッチが、第1のモードと第2のモードのどちらに設定されているか判定する(S86)。制御部76は、モード切替スイッチの設定に従って、第1のモードあるいは第2のモードで画面制御を行う。第1のモード、および第2のモードによる画面制御は、第4の実施の形態と同じである。
第8の実施の形態の画面表示装置は、ズーム付きスクロールを行うか否かを、モード切替スイッチによって切り替えることができるので、ユーザは、確実かつ容易に、モードの切替えを行える。
(第9の実施の形態)
図17は、本発明の第9の実施の形態の画面表示装置90の構成を示す図である。第9の実施の形態の画面表示装置90の基本的な構成は、第1の実施の形態の画面表示装置1と同じであるが、第9の実施の形態の画面表示装置は、ジョイスティック20の動きに抗する力を発生する抗力発生部92を備えている。
第9の実施の形態の画面表示装置90は、第1の実施の形態と同様に、ジョイスティック20の傾き角度が第1の閾値D1以下の場合にはズームなしのスクロールを行い、第1の閾値D1より大きい場合にはズーム付きのスクロールを行う。また、ズーム付きスクロール中に、ジョイスティック20の角度が第2の閾値D2以下になった場合には、ズームイン処理を行う。
第9の実施の形態の画面表示装置90では、抗力発生部92は、ジョイスティック20が第1の閾値D1より大きく傾けようとしたときに、傾き角度を第1の閾値D1以下に抑える方向の力をジョイスティック20に与える。また、抗力発生部92は、ズーム付きスクロール中にジョイスティック20の傾きを第2の閾値D2より小さくしようとしたときに、傾き角度を第2の閾値D2以上にする方向の力をジョイスティック20に与える。
第9の実施の形態の画面表示装置90では、第1の閾値D1あるいは第2の閾値D2を超えてジョイスティック20の傾きを変えようとした場合に、それに抗する力をジョイスティック20に与えることによって、ユーザに報知する。これにより、ユーザは、抵抗力に逆らってジョイスティック20を動かした場合に、ズームアウト処理あるいはズームイン処理が開始することを、触覚によって感知できる。
以上、本発明の画面表示装置について、実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
上記した実施の形態の画面表示装置1,2において、ズームの変更処理を停止するズーム停止ボタンを設けることとしてもよい。任意のズーム率に変更した上でズーム停止ボタンを押すことにより、ズーム率を固定してスクロールすることが可能となる。これにより、どのような操作を行っても自動的にズーム率が変更されてしまうことがないので、ユーザは安心してスクロール操作をすることができる。
上記した実施の形態の画面表示装置1,2において、画面制御部12は、ズームを一定の速度で変更する例について説明したが、ズームを変更する速度を必ずしも一定にする必要はない。例えば、第1の実施の形態の画面表示装置1では、ジョイスティック20の傾き角度に応じて、ズームの速度を決めてもよい。第2の実施の形態の画面表示装置2では、繰り返し入力に基づいて求められる判定値の大きさに応じて、ズームの速度を決めてもよい。ただし、いずれの場合にも、ズームの速度が激しく変動しないように制御する。このように、ジョイスティック20やタッチパッド30等の入力デバイスからの入力値に応じてズームの速度を変更することにより、ユーザの意思に応じたズーム速度制御を行うことができる。
第2の実施の形態の画面表示装置2では、タッチパッド30を触れる指の速度が0であるときに、ズーム変更処理を停止する例について説明したが、第1の実施の形態と同様に、判定値を判定するための閾値を2つ設定し、判定値が第1の閾値を超えた場合にズームアウト処理、第2の閾値以下の場合にズームイン処理としてもよい。これにより、判定値が第1の閾値以下かつ第2の閾値を超える場合には、ズーム変更処理が停止されることとなる。
第2の実施の形態の画面表示装置2において、画面表示装置2は、タッチパッド30に触れたときの圧力を示す信号を受信し、タッチパッド30に触れたときの圧力を用いて、ズームを変更する制御を行ってもよい。例えば、強く押してなぞった場合に、ズームアウトするような構成を採用してもよい。
上記した実施の形態の画面表示装置1に、画面表示される地図情報のアングルを変える機能を備え、アングルを変えた状態で上記で説明したズームアウトおよびズームインの処理を行うこととしてもよい。例えば、斜め上から見下ろす方向から見た画面表示において、所定の閾値より大きい傾き角度でジョイスティック20が倒されたときに、真上から見た画面表示に滑らかに移行しつつ、ズームアウトする処理を行ってもよい。
上記した実施の形態では、入力デバイスとして、ジョイスティック、タッチパッド、タッチパネルを例として説明したが、本発明は実施の形態で挙げた入力デバイス以外にも適用可能である。例えば、マウス等のポインティングデバイスや、ジョグダイヤル、トラックボール、回転式つまみ等から送信される操作情報に基づいて、本発明の画面表示装置の制御を行うことも可能である。ジョグダイヤルは、ダイヤルの回転および押し込みによって、操作を行う入力デバイスである。ジョグダイヤルの場合、ジョグダイヤルの回転に応じて画面をスクロールさせると共に、ジョグダイヤルを押し込んだか否かに応じて、ズーム付きスクロールを行うか否かを切り替えることができる。
上記した第4〜第8の実施の形態では、タッチパネルを例として説明したが、タッチパネルに代えてタッチパッドを用いることも可能である。また、指またはポインティングデバイスの接触位置を検知する平面型の座標入力装置であれば、タッチパネル以外の入力デバイスを用いることも可能である。
また、上記した第9の実施の形態では、ズームが変更されるジョイスティック20の傾き角度で、ジョイスティック20に抗力を与える例について説明したが、抗力を与える条件は、ズームが変更される場合に限られない。
また、上記した第9の実施の形態において、ジョイスティック20からユーザに対して抗力を与える例について説明したが、抗力を与えることがデバイスは、ジョイスティックに限定されない。例えば、トラックボール、ジョグダイヤル、回転式つまみ等の回転式入力デバイスにおいても、ズーム率を変更する際に、回転に抗する力を与える構成とすることが可能である。
例えば、県や市町村の境界を跨いで画面表示のスクロールが行われる際に、抗力を与えることとしてもよい。これにより、ユーザは、画面表示が、県境や市町村の境を跨いだことを容易に知ることができる。また、目的地までの経路が設定されている場合には、画面表示装置は、画面から経路が外れる方向にスクロールする操作情報が入力されたときに、抵抗力を与えることとしてもよい。これにより、ユーザは、ジョイスティック20の効力にガイドされるので、経路に沿った画面表示のスクロールを行える。また、経路が設定されていない場合にも、画面表示装置は、海の方向にスクロールする操作情報が入力されたときに、抗力を与えることとしてもよい。ナビゲーションシステムにおいては、通常、海に向かってスクロールすることはないので、ユーザが海の方向にスクロールしようとした場合には、誤操作であると考えられる。ジョイスティック20に抗力を与えることにより、ユーザに誤操作であることを報知できる。
また、上記実施の形態では、入力デバイスの操作に応じて画面表示をスクロールする際に、ズーム付きスクロールを行う例について説明したが、ズーム付きスクロールは、例えば、検索された目的地付近の地図を表示する場合にも適用できる。例えば、名称による検索や電話番号等によって目的地を検索した場合に、目的地付近に地図に切り替えるのではなく、現在表示されている地域から目的地付近までズーム付きスクロールを行う。これにより、現在位置と目的地との位置関係を把握することができる。また、この際に、現在地から目的地までの経路に沿ってズーム付きスクロールを行ってもよい。これにより、ユーザは、経路の概要を理解することができる。
上記した実施の形態では、画面表示装置およびその動作について説明したが、本発明は、上記した画面表示装置による処理をコンピュータによって実行させるプログラムも含まれる。
本発明によれば、任意のズーム率に変更することが可能で、かつ、ズーム処理を停止した時点のズーム率でスクロールすることが可能となるというすぐれた効果を有し、画面表示を行う以下のような様々な装置に利用可能である。すなわち、本発明は、例えば、ナビゲーション装置、携帯端末、パーソナルコンピュータ、ゲーム等のアミューズメント機器、医療用画像閲覧装置、ビデオ、テレビを含む家電製品等における画面表示に利用可能である。
第1の実施の形態の画面表示装置の構成を示す図である。 ジョイスティックの外観を示す図である。 ジョイスティックのレバーの可動域とズーム制御を行うための閾値との関係を示す図である。 第1の実施の形態の画面表示装置の動作を示す図である。 第2の実施の形態の画面表示装置の構成を示す図である。 判定値(揚力)を求める原理を説明するための図である。 第2の実施の形態の画面表示装置の動作を示す図である。 第3の実施の形態の地図情報記憶部に記憶された地図情報を示す図である。 第4の実施の形態の画像表示装置を備えたカーナビゲーションシステムを示す図である。 タッチパネル付きの表示装置の画面例を示す図である。 第4の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。 ズームインしたときに表示される領域を、現在のズーム率の画面上で表示した例を示す図である。 第5の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。 第6の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。 第7の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。 第8の実施の形態のスクロール方法を示すフローチャートである。 第9の実施の形態の画面表示装置の構成を示す図である。
1,2 画面表示装置
10 操作情報受信部
12 画面制御部
14 RAM
16 ディスプレイ
18 地図情報記憶部
20 ジョイスティック
22 レバー
24 スイッチ
26 台部
28 スイッチ
30 タッチパッド
40 吸着ポイント
50 ナビゲーションシステム
52 位置検出器
54 地図データ入力器
56 操作スイッチ群
58 送受信機
60 外部メモリ
62 表示装置
64 音声コントローラ
66 スピーカ
68 音声認識装置
70 マイク
72 リモコンセンサ
74 リモコン
76 制御装置
78 VICS(登録商標)センサ
80 地磁気センサ
82 ジャイロスコープ
84 距離センサ
86 GPS受信機
90 画面表示装置
92 抗力発生器

Claims (8)

  1. 地図が表示される画面内における指の接触位置を検知するタッチパネルと、
    前記接触位置に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、所定時間連続して指が接触していることを検知したときに、前記接触位置に基づいてスクロールしつつ画面表示をズームアウトする処理を行う第1のモードと、指が接触している時間にかかわらずスクロール処理のみを行う第2のモードとを有する画面制御部と、
    前記接触位置が前記画面の中心を含む所定領域である場合に前記第2のモードとし、前記接触位置が前記所定領域以外の前記画面の周縁領域である場合に前記第1のモードとする切り替えを行う切替部と、
    を備える画面表示装置。
  2. 前記画面制御部は、前記第1のモードにおいて、あらかじめ定められた最小のズーム率になるまで、ズームアウトする処理を継続する請求項に記載の画面表示装置。
  3. 前記画面制御部は、ズーム率に応じてスクロールする速度を変更する請求項1または2に記載の画面表示装置。
  4. 前記画面制御部は、画面表示がズームアウトした状態において、前記タッチパネルから指が離れたことを検知したときに、あらかじめ定められた最大のズーム率になるまで画面表示をズームインする処理を行う請求項1〜3のいずれかに記載の画面表示装置。
  5. 前記画面制御部は、前記ズームインする処理を行う際に、前記タッチパネルから指が離れる前に最後に検知された前記接触位置に基づいてスクロールする処理を行う請求項に記載の画面表示装置。
  6. 前記タッチパネルから指が離れたことを検知したときに、最大のズーム率になったときに前記画面に表示される領域を予測し、ズームアウトされた状態の画面上に予測された領域を示す請求項4または5に記載の画面表示装置。
  7. 前記第1のモードと前記第2のモードとの切替えをユーザに報知する報知部を備える請求項1〜6のいずれかに記載の画面表示装置。
  8. 地図が表示される画面内におけるタッチパネルから受信した指の接触位置の情報に基づいて画面表示を行うためのプログラムであって、コンピュータに、
    タッチパネルから接触位置の情報を受信するステップと、
    前記接触位置に基づいて画面表示をスクロールする処理を行うと共に、所定時間連続して指が接触していることを検知したときに、前記接触位置に基づいてスクロールしつつ画面表示をズームアウトする第1のモードでの処理を行うステップと、
    指が接触している時間にかかわらずスクロール処理のみを行う第2のモードでの処理を行うステップと、
    前記接触位置が前記画面の中心を含む所定領域である場合に前記第2のモードとし、前記接触位置が前記所定領域以外の前記画面の周縁領域である場合に前記第1のモードとする切り替えを行うステップと、
    を実行させるプログラム。
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