JP5378594B2 - 航空機の組立方法 - Google Patents

Description

本発明は、ユニバーサルプラットホームとこれを用いた航空機の組立方法に係り、特に、高低の調節及び機種による形状の変更が可能なユニバーサルプラットホームとこれを用いた航空機の組立方法に関するものである。

一般に、航空機の胴体の組立工程は、プラットホームを地面に設置したあと、その上で作業が行われる。

図１は、従来のプラットホームを示す図である。

図１に示すように、従来には、プラットホームが航空機別に一体の固定型で製作されることによって、ウイングまたは水平尾翼の装着が困難になって、後続工程との統合が不可能であった。

また、従来のプラットホームは、航空機別に製作されて、航空機の機種や部分的な形状が変更されるごとに、既存のプラットホームを撤去したあとに新しく製作しなければならないので、過大な費用及び時間が必要とされるという問題点があった。

加えて、胴体の組立後、着陸系統の装着が完了したにもかかわらず、クレーンで移動させることによって事故の危険があった。

さらに、従来のプラットホームは、作業の位置による高さ調節が不可能で作業効率が低下されるのはもちろん、作業者らの筋骨格系に疾患が発生するという問題点も内在されていた。

本発明は、前述した問題点を解決するためのもので、その目的は、作業者の条件に合うように高低の調節が可能なユニバーサルプラットホームを提供することにある。

本発明の他の目的は、航空機の変更にも一部部品の入れ替えだけで、直ちに使用可能なユニバーサルプラットホームを提供することにある。

本発明のまた他の目的は、効率的な空間活用が可能なユニバーサルプラットホームを提供することにある。

本発明のまた他の目的は、後続工程との統合が可能な航空機の組立方法を提供することにある。

前述した技術的課題を解決するための手段として、

（１）請求項１に記載の発明は、ベースフレームと、前記ベースフレームの上部に位置する受けフレームと、前記受けフレームの上部に固定結合される受け台と、前記受けフレームとベースフレームとの間に相互に回動自在に枢結される複数のリンク部材と、前記リンク部材と前記ベースフレームに結合されて、前記受けフレームを上下にリフティングさせる複数の油圧シリンダと、前記受け台にスライド可能に結合されるスライド部材と、を含むシザーズリフトが多数設けられて航空機の周辺に配置され、前記スライド部材は、前記受け台から前記航空機の方向にスライドされて、作業者が高低によって作業し得るようにしたことを特徴とする、ユニバーサルプラットホームを提供する。

（２）請求項２に記載の発明は、前記スライド部材は、前記受け台の下面に設置された空圧シリンダによってスライドされることを特徴とする、上記（１）に記載のユニバーサルプラットホームを提供する。

（３）請求項３に記載の発明は、前記スライド部材は、前記航空機の機種の変更によって入れ替え可能なことを特徴とする、上記（１）に記載のユニバーサルプラットホームを提供する。

（４）請求項４に記載された発明は、前記スライド部材の端部は、前記航空機の外部表面と一致する形状を有することを特徴とする、上記（１）に記載のユニバーサルプラットホームを提供する。

（５）請求項５に記載の発明は、前記受け台は、上方向に折れ曲がったフォルダ部材をさらに具備することを特徴とする、上記（１）に記載のユニバーサルプラットホームを提供する。

（６）請求項６に記載の発明は、前記フォルダ部材は、前記受け台の下面に設置された油圧シリンダによって作動されることを特徴とする、上記（５）に記載のユニバーサルプラットホームを提供する。

（７）請求項７に記載の発明は、前記フォルダ部材は、前記航空機の機種の変更によって入れ替え可能なことを特徴とする、上記（５）に記載のユニバーサルプラットホームを提供する。

（８）請求項８に記載の発明は、前記受け台の一側には、階段構造物の上端が回動自在に結合されることを特徴とする、上記（１）に記載のユニバーサルプラットホームを提供する。

（９）請求項９に記載の発明は、前記階段構造物は、下端に多数の車輪を具備することを特徴とする、上記（８）に記載のユニバーサルプラットホームを提供する。

（１０）上記（１）乃至（９）の記載のうちいずれか一つによるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法であって、天井クレーンを用いて前記航空機を前記ユニバーサルプラットホームの一側に移動させる段階と、前記航空機の損傷を防止することができるように、前記ユニバーサルプラットホームの全体を下降させる段階と、前記航空機をリフトジャッキに装着する段階と、前記ユニバーサルプラットホームを作業位置に上昇させる段階と、前記空圧シリンダを作動して前記スライド部材を航空機に密着させる段階と、前記油圧シリンダを作動して前記フォルダ部材を上方向に立てる段階と、前記航空機に主翼と車輪を装着する段階と、前記ユニバーサルプラットホームを下降させる段階と、前記車輪を用いて、前記航空機を次の工程が行われる前記ユニバーサルプラットホームの他側に移動させる段階と、前記スライド部材を前記航空機に密着させる段階と、フラップ及び水平尾翼を装着して前記航空機を完成する段階と、前記ユニバーサルプラットホームを前記航空機から離隔させたあと、前記航空機を移動させる段階と、を含み、一連の工程が連続的に行われることを特徴とする、ユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を提供する。

本発明によれば、高低の調節が可能なシザーズリフトを使用することによって、作業効率を向上させることができる。

また、本発明によれば、プラットホームを分離型で製作することによって、従来のプラットホームの撤去及び再設置に必要とされた費用及び時間を節減することができる。

さらに、本発明によれば、多様な機種の航空機に適用することができて、生産の柔軟性を増大させ、生産段階の単純化を図ることができる。

また、本発明によれば、作業者らの安全性確保及び健康増進を向上させることができるという長所がある。

加えて、本発明によれば、後続工程への航空機の移動が便利で、航空機の安全事故を防止することができる。

従来のプラットホームを示す図である。 本発明のシザーズリフトの平面図及び側面図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームが設置された状態を示す図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法の工程図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を示す図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を示す図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を示す図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を示す図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を示す図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を示す図である。 本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を示す図である。

以下では、添付の図面を参考にして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。ところが、本発明は、様々な相違した形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。

まず、本発明によるユニバーサルプラットホームについて説明する。

図２の（ａ）は、本発明のシザーズリフトの平面図、図２の（ｂ）は、本発明のシザーズリフトの側面図、図３は、本発明によるユニバーサルプラットホームが設置された状態を示す図である。

本発明によるユニバーサルプラットホームは、図２に示すようなシザーズリフト１００を用いる。

前記シザーズリフト１００は、航空機の周辺に配置されて、作業者と工具などを作業位置に安全に運び上げるためのものであって、ベースフレーム１０と、前記ベースフレーム１０の上部に位置する受けフレーム２０と、前記受けフレーム２０の上部に固定結合される受け台３０と、前記受けフレーム２０とベースフレーム１０との間に相互に回動自在に枢結される複数のリンク部材４０と、前記リンク部材４０と前記ベースフレーム１０に結合されて、前記受けフレーム２０を上下にリフティングさせる複数の油圧シリンダ５０と、を基本的な構成としている。

本発明によるユニバーサルプラットホーム２００は、前記シザーズリフト１００にスライド部材３１をさらに具備することを特徴とする。

具体的に、前記受け台３０の下面にガイド部材（図示せず）のような案内手段が締結され、前記受け台３０と前記案内手段との間に前記スライド部材３１がスライド可能に結合される。

前記スライド部材３１は、前記航空機側にスライドされることによって、前記航空機と前記シザーズリフト１００との間の空間を埋めることになる。これによって、航空機の組立時に作業者や工具などの落下を防止することができる。

この場合、前記スライド部材３１は、航空機の機種に応じて少なくとも一つ以上形成されることができ、また、多様な形態で変形されることもできる。

図３に示すように、本発明によるユニバーサルプラットホーム２００は、前記シザーズリフト１００を多数用意して、航空機の周辺に配置することによって設置される。

より詳細には、航空機１の前方と後方の左右側に前記シザーズリフト１００をそれぞれ一台ずつ配置したあと、前記スライド部材３１を航空機１に密着させることによって、作業者の作業空間を確保することができる。

この場合、前記スライド部材３１を自動でスライドさせるために、前記受け台３０の下面に空圧シリンダ（図示せず）を形成することができる。

また、前記スライド部材３１は、前記航空機１と前記受け台３０との間の空き空間を最小化するために、前記航空機１の外部表面と一致する流線形または直線形の端部形状を有することが好ましい。

前記受け台３０には、前記スライド部材３１の他に、必要によって上方向に折曲成形されたフォルダ部材３２がさらに具備されることができる。

この場合、前記フォルダ部材３２は、前記スライド部材３１と同様に前記受け台３０の下面に設置された油圧シリンダ（図示せず）によって作動されることができる。

ここで、前記スライド部材３１とフォルダ部材３２は、前記航空機１の機種が変更される場合、それに合う形態を有するもので入れ替えが可能である。

本発明によるユニバーサルプラットホーム２００は、作業者の便宜のために前記受け台３０の一側に階段構造物６０を具備することができる。

この場合、前記受け台３０の上下運動と同時に自然に高低調節が可能なように、前記階段構造物６０は、その上端のみが前記受け台３０の一側に回動自在に締結され、下端には多数の車輪が形成されることが好ましい。

以上で、本発明によるシザーズリフト及びユニバーサルプラットホームについて説明した。本発明によれば、前記ユニバーサルプラットホームを用いて航空機をより安全に組み立てることができることから、以下では、ユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法について、図面を参考にして詳細に説明する。

図４は、本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法の工程図であり、図５乃至図１１は、本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法を示す図である。

図４を参考すると、本発明によるユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法は、航空機をユニバーサルプラットホームに移動させる段階（Ｓ１０）と、ユニバーサルプラットホームの全体を下降させる段階（Ｓ２０）と、航空機をリフトジャッキに装着する段階（Ｓ３０）と、ユニバーサルプラットホームを作業位置に上昇させる段階（Ｓ４０）と、スライド部材を航空機に密着させる段階（Ｓ５０）と、フォルダ部材を立てる段階（Ｓ６０）と、航空機に主翼と車輪を装着する段階（Ｓ７０）と、ユニバーサルプラットホームを下降させる段階（Ｓ８０）と、車輪を用いて航空機を移動させる段階（Ｓ９０）と、スライド部材を航空機に密着させたあと、フラップと水平尾翼を装着する段階（Ｓ１００）と、ユニバーサルプラットホームを航空機から離隔させたあと、航空機を移動させる段階（Ｓ１１０）と、からなる。

以下、前記各工程を図５乃至図１１を参考にして、より詳細に説明する。

まず、図５に示すように、ボディーの形状を備えた航空機１を天井クレーン（図示せず）を用いてユニバーサルプラットホーム２００の一側に移動させる。

次に、図６に示すように、前記航空機１を地面に設置されたリフトジャッキ６に装着する。この場合には、前記航空機１の損傷を防止することができるように、前記ユニバーサルプラットホーム２００の全体を下降させるようにする。

続いて、主翼２の装着作業のために下降されたユニバーサルプラットホーム２００を作業部位まで上昇させる。以後、作業者が前記航空機１に接近して円滑に作業することができるように、図７のように、前記スライド部材３１は前記航空機１のボディーに密着させ、前記フォルダ部材３２は上方向に立てたあと、前記主翼２を装着する。この場合、前記スライド部材３１とフォルダ部材３２は、前述のような空圧シリンダまたは油圧シリンダによって自動で制御されることができる。

以上のように作業条件を整えたあと、図７及び図８に示すように、前記航空機１に前記主翼２と車輪３を各々装着する。装着が完了すると、図９に示すように、前記ユニバーサルプラットホーム２００を下降させて、前記航空機１を前記車輪３を用いて次の工程が実施される前記ユニバーサルプラットホーム２００の他側に移動させる。

次に、図９及び図１０を参考すると、前記スライド部材３１を前記航空機１に密着させて、後続工程であるフラップ４及び水平尾翼５の装着作業を実施する。

最後に、図１１を参考すると、前記航空機１の組立が完成すると、前記ユニバーサルプラットホーム２００を前記航空機１から所定距離だけ離隔させたあと、前記航空機１をテスト場所または格納庫などに移動させる。

以上、本発明の好ましい実施例を図面を参考して詳細に説明した。本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形が可能であるということを理解できるだろう。

したがって、本発明の範囲は、上述した詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味、範囲、及びその均等概念から導出されるすべての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。

１ 航空機
２ 主翼
３ 車輪
４ フラップ
５ 水平尾翼
６ リフトジャッキ
１０ ベースフレーム
２０ 受けフレーム
３０ 受け台
３１ スライド部材
３２ フォルダ部材
４０ リンク部材
５０ 油圧シリンダ
６０ 階段構造物
１００ シザーズリフト
２００ ユニバーサルプラットホーム

Claims (2)

1. ベースフレームと、前記ベースフレームの上部に位置する受けフレームと、前記受けフレームの上部に固定結合される受け台と、前記受けフレームとベースフレームとの間に相互に回動自在に枢結される複数のリンク部材と、前記リンク部材と前記ベースフレームに結合されて、前記受けフレームを上下にリフティングさせる複数の油圧シリンダと、前記受け台にスライド可能に結合されるスライド部材と、を含むシザーズリフトが複数設けられて航空機の周辺に配置され、
   前記スライド部材の端部は、前記航空機の外部表面と一致する形状を有し、
   前記スライド部材は、前記受け台から前記航空機の方向にスライドされて前記端部が前記航空機に密着し、作業者が高低によって作業し得るようにしたことを特徴とする、ユニバーサルプラットホームを用いた航空機の組立方法であって、
   （ａ）天井クレーンを用いて前記航空機を前記ユニバーサルプラットホームの一側に移動させる段階と、
   （ｂ）前記航空機の損傷を防止することができるように、前記ユニバーサルプラットホームの全体を下降させる段階と、
   （ｃ）前記航空機をリフトジャッキに装着する段階と、
   （ｄ）前記ユニバーサルプラットホームを作業位置に上昇させる段階と、
   （ｅ）前記スライド部材を航空機に密着させる段階と、
   （ｇ）前記航空機に主翼と車輪を装着する段階と、
   （ｈ）前記ユニバーサルプラットホームを下降させる段階と、
   （ｉ）前記車輪を用いて、前記航空機を次の工程が行われる前記ユニバーサルプラットホームの他側に移動させる段階と、
   （ｊ）前記（ｅ）段階を再実施したあと、フラップ及び水平尾翼を装着して前記航空機を完成する段階と、
   （ｋ）前記ユニバーサルプラットホームを前記航空機から離隔させたあと、前記航空機を移動させる段階と、を含み、
   一連の工程が連続的に行われることを特徴とする、航空機の組立方法。
2. 前記受け台は、上方向に折れ曲がったフォルダ部材をさらに具備し、
   （ｆ）前記（ｅ）段階と同じときに前記油圧シリンダを作動して、前記フォルダ部材を上方向に立てる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項１に記載の航空機の組立方法。