JP5378589B2 - 静電気保護部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は静電気保護部品及びその製造方法に関するものである。
近年、携帯情報機器等の電子機器は、小型化、高機能化が進んでいるが、これに伴って電子機器の耐電圧が低下している。このため、携帯情報機器等の電子機器には、静電気パルスや外来ノイズによって印加される過電圧から当該電子機器を保護するために静電気保護部品が用いられている。
静電気保護部品はギャップを介して対向する表電極と、前記ギャップに設けられた静電気保護膜とを有するものであり、電子機器において過電圧が印加されるおそれのあるラインとグランドとの間に設けられ、前記ラインに過電圧が印加されたときに前記表電極間(即ち静電気保護膜)で放電することによって当該過電圧から電子機器を保護する。
なお、従来の静電気保護部品が開示されている先行技術文献としては、例えば下記の特許文献1がある。
特開2009−194130号公報
現在、携帯情報機器等の電子機器の小型化、高機能化の進展に伴って、静電気保護部品に対する過電圧保護機能の要求が益々高まっていることから、静電気保護部品の諸特性の向上がさけばれている。
そして、静電気保護部品の諸特性のうち、特に重要なものの一つに絶縁抵抗がある。絶縁抵抗は極力大きい(即ちリーク電流が極力小さい)方が望ましく、また、部品ごと絶縁抵抗(リーク電流)のバラツキも極力小さい方が望ましい。ところが、絶縁抵抗は、静電気保護部品にESD(Electro-Static Discharge)電圧を印加後に低下し、且つ、その電圧印加回数が増えるに伴って更に低下する傾向がある。
従って本発明は上記の事情に鑑み、ESD電圧印加後の絶縁抵抗の低下を極力少なくすることができ、また、部品ごとの絶縁抵抗のバラツキも極力小さくすることができる静電気保護部品及びその製造方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決する方策としては、大別して、静電気保護部品の構造を工夫する方策と、静電気保護膜の材料を工夫する方策とが考えられる。本発明は前者の方策に着目し、静電気保護部品の構造を鋭意検討した結果として得られたものであり、以下のような特徴を有している。
即ち、第1発明の静電気保護部品は、絶縁基板上に形成され、第1のギャップを介して対向している表電極と、
前記表電極上に形成されて前記表電極の上面及び両側面を覆い、且つ、前記第1のギャップに連なる第2のギャップを介して対向している絶縁膜と、
中央部と両側部を有し、前記中央部が前記第1のギャップ及び第2のギャップに設けられ、前記両側部が前記絶縁膜の上面に重なっている静電気保護膜と、
を有していることを特徴とする。
また、第2発明の静電気保護部品は、第1発明の静電気保護部品において、
前記絶縁膜はガラス膜であることを特徴とする。
また、第3発明の静電気保護部品は、第1又は第2発明の静電気保護部品において、
前記静電気保護膜と保護膜との間に中間層が設けられており、
前記絶縁膜が、この中間層と前記表電極との間に介在していることを特徴とする。
また、第4発明の静電気保護部品の製造方法は、第1発明の静電気保護部品の製造方法であって、
絶縁基板上に表電極の膜を形成する第1の工程と、
前記表電極の膜上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜によって前記表電極の膜の上面及び両側面を覆う第2の工程と、
前記第1の工程で形成した表電極の膜と、前記第2の工程で形成した絶縁膜とを切断して、第1のギャップと第2のギャップとを形成する第3の工程と、
中央部と両側部を有する形状とし、前記中央部を前記第1のギャップ及び第2のギャップに設け、前記両側部を前記絶縁膜の上面に重ねるようにして、静電気保護膜を形成する第4の工程と、
を有することを特徴とする。
また、第5発明の静電気保護部品の製造方法は、第4発明の静電気保護部品の製造方法において、
前記絶縁膜はガラス膜であることを特徴とする。
また、第6発明の静電気保護部品の製造方法は、第4又は第5発明の静電気保護部品の製造方法において、
前記第3の工程では、前記第1の工程で形成した表電極の膜と、前記第2の工程で形成した絶縁膜とを、UV波長領域を有する第三次高調波レーザを用いて同時に切断することにより、第1のギャップと第2のギャップとを形成することを特徴とする。
第1発明の静電気保護部品によれば、絶縁基板上に形成され、第1のギャップを介して対向している表電極と、前記表電極上に形成されて前記表電極の上面及び両側面を覆い、且つ、前記第1のギャップに連なる第2のギャップを介して対向している絶縁膜と、中央部と両側部を有し、前記中央部が前記第1のギャップ及び第2のギャップに設けられ、前記両側部が前記絶縁膜の上面に重なっている静電気保護膜とを有していることを特徴としているため、表電極に対しては、表電極の間の第1のギャップにだけ静電気保護膜が設けられている。即ち、静電気保護膜は、表電極に対してギャップ側の端面のみに接しており、前記端面以外の部分には接していない。
このため、第1発明の静電気保護部品は、静電気保護膜が表電極の端面以外の部分にも接している静電気保護部品に比べて、絶縁抵抗を非常に大きくすることができ、且つ、部品ごとの絶縁抵抗のバラツキも非常に小さくすることができる。
第2発明の静電気保護部品によれば、第1発明の静電気保護部品において、前記絶縁膜はガラス膜であることを特徴としているため、静電気保護部品を製造する際、耐熱性且つ絶縁性を有するガラス膜の形成を容易且つ安価に実施することができる。
第3発明の静電気保護部品によれば、第1又は第2発明の静電気保護部品において、前記静電気保護膜と保護膜との間に中間層が設けられており、前記絶縁膜が、この中間層と前記表電極との間に介在していることを特徴としているため、絶縁膜の介在により、中間層は表電極に接触していない。このため、中間層を介して表電極間で異常放電が発生するのを、絶縁膜によって確実に阻止することができる。この場合、例えば、比較的絶縁性の低い材料を用いて中間層を形成することも可能となるため、中間層の材料選択の幅が広がるという効果も得られる。
第4発明の静電気保護部品の製造方法によれば、第1発明の静電気保護部品の製造方法であって、絶縁基板上に表電極の膜を形成する第1の工程と、前記表電極の膜上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜によって前記表電極の膜の上面及び両側面を覆う第2の工程と、前記第1の工程で形成した表電極の膜と、前記第2の工程で形成した絶縁膜とを切断して、第1のギャップと第2のギャップとを形成する第3の工程と、中央部と両側部を有する形状とし、前記中央部を前記第1のギャップ及び第2のギャップに設け、前記両側部を前記絶縁膜の上面に重ねるようにして、静電気保護膜を形成する第4の工程とを有することを特徴としているため、表電極に対しては、表電極の間の第1のギャップにだけ静電気保護膜を設けることができる。即ち、静電気保護膜を、表電極に対してギャップ側の端面のみに接して、前記端面以外の部分には接しないように形成することができる。
このため、第4発明の静電気保護部品の製造方法によって製造した静電気保護部品は、静電気保護膜が表電極の端面以外の部分にも接している静電気保護部品に比べて、絶縁抵抗を非常に大きくすることができ、且つ、部品ごとの絶縁抵抗のバラツキも非常に小さくすることができる。
また、第5発明の静電気保護部品の製造方法によれば、第4発明の静電気保護部品の製造方法において、前記絶縁膜はガラス膜であることを特徴としているため、耐熱性且つ絶縁性を有するガラス膜の形成を容易且つ安価に実施することができる。
また、第6発明の静電気保護部品の製造方法によれば、第4又は第5発明の静電気保護部品の製造方法において、前記第3の工程では、前記第1の工程で形成した表電極の膜と、前記第2の工程で形成した絶縁膜とを、UV波長領域を有する第三次高調波レーザを用いて同時に切断することにより、第1のギャップと第2のギャップとを形成することを特徴としているため、第1のギャップ及び第2のギャップを容易に精度よく形成することができる。
本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の構造を示す断面図(図2のB−B線矢視断面図)である。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の構造を示す上面図(図1のA方向矢視図)である。 (a)は図1のC−C線矢視断面図、(b)は図1のD−D線矢視断面図である。 比較例の静電気保護部品の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の製造工程の第1説明図である。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の製造工程の第2説明図である。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の製造工程の第3説明図である。 (a)は本発明(実施例)の静電気保護部品(ガラス膜有り)のESD抑制ピーク電圧測定結果を示す表、(b)は比較例の静電気保護部品(ガラス膜無し)のESD抑制ピーク電圧測定結果を示す表である。 (a)は本発明(実施例)の静電気保護部品(ガラス膜有り)のリーク電流測定結果を示す表、(b)は比較例の静電気保護部品のリーク電流測定結果を示す表である。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の他の構造例(ガラス膜部分の構造例)を示す断面図(図12のF−F線矢視断面図)である。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の他の構造例(ガラス膜部分の構造例)を示す上面図(図11のE方向矢視図)である。 (a)は図11のG−G線矢視断面図、(b)は図11のH−H線矢視断面図である。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の他の構造例(ガラス膜部分の構造例)を示す断面図(図15のJ−J線矢視断面図)である。 本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の他の構造例(ガラス膜部分の構造例)を示す上面図(図14のI方向矢視図)である。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1〜図3に基づき、本発明の実施の形態例に係る静電気保護部品の構造について説明する。
図1〜図3に示す静電気保護部品100は、携帯情報機器等の電子機器のプリント基板に表面実装するための部品であり、前記プリント基板に実装されている電子回路(電子部品)を、静電気パルスや外来ノイズによる過電圧から保護するため、前記電子機器において前記過電圧が印加されるおそれのあるラインとグランドとの間に設けられるものである。
図1〜図3に示すように、絶縁基板であるセラミックス基板1の表面1aには、表電極2a,2bが形成され、セラミックス基板1の裏面1bには、裏電極3a,3bが形成されている。表電極2a,2bは、基板表面1aの長さ方向全体に亘って形成される一方、裏電極3a,3bは、基板裏面1bの両端部分に形成されている。
基板表面1aの中央部において、表電極2a,2bの間には、ギャップ(狭小部)4a(第1のギャップ)が形成されている。即ち、表電極2a,2bは、ギャップ4aを介して対向している。ギャップ4aはレーザ法等の切断手段により表電極の膜を切断加工して形成されており、幅dが10μm程度(本実施の形態例では7μm)のものである。
そして、表電極2a上(ギャップ近傍)には絶縁膜であるガラス膜21aが形成され、表電極2b上(ギャップ近傍)には絶縁膜であるガラス膜21bが形成されている。ガラス膜21a,21bの間には、ギャップ(狭小部)4b(第2のギャップ)が形成されている。即ち、ガラス膜21a,21bは、ギャップ4bを介して対向している。ギャップ4bは、ギャップ4aと同様にレーザ法等の切断手段でガラス膜を切断加工して形成された幅dが10μm程度(本実施の形態例では7μm)のものであり、ギャップ4aに連なっている。下層のギャップ4aと上層のギャップ4bは重なり合っている。
表電極2aのギャップ側の端部2a−1は、その上面2a−3と両側面2a−4,2a−5が(即ちギャップ側の端面2a−6以外の部分が)、ガラス膜21aによって覆われている(特に図3(a)を参照)。同様に、表電極2bのギャップ側の端部2b−1は、その上面2b−3と両側面2b−4,2b−5が(即ちギャップ側の端面2b−6以外の部分が)、ガラス膜21bによって覆われている(特に図3(b)を参照)。
ギャップ4a,4bには静電気保護膜5が形成され、この静電気保護膜5と表電極2a,2bとが接続されている。しかも、表電極2aの端部2a−1はギャップ側の端面2a−6以外の部分がガラス膜21aに覆われているため、静電気保護膜5は、表電極2aに対して端面2a−6のみに接し、前記端面2a−6以外の部分には接していない。同様に、表電極2bの端部2b−1はギャップ側の端面2b−6以外の部分がガラス膜21bに覆われているため、静電気保護膜5は、表電極2bに対して端面2b−6のみに接し、前記端面2b−6以外の部分には接していない。
詳述すると、静電気保護膜5は縦断面形状(図1参照)がT字状を成しており、中央部5cと両側部5a,5bとを有している。静電気保護膜5の中央部5cは、前述の如くギャップ4a,4bに設けられており(即ちギャップ4a,4bを塞いでおり)、静電気保護膜5の両側部5a,5bは、ガラス膜21a,21bのギャップ側の端部21a−1,21b−1の上面21a−2,21b−2にそれぞれ重なっている(即ちガラス膜21a,21bの内側の両端を覆っている)。
静電気保護部品の構造を鋭意検討した結果、ESD電圧を印加後の絶縁抵抗の低下を極力少なくするには、静電気保護膜5を表電極2a,2bの間のギャップ4aのみに設けることが望ましい。
しかし、図4に示す比較例の静電気保護部品200の如く、ガラス膜は設けずに表電極2a,2b上に直接、スクリーン印刷法によって静電気保護膜5を形成した場合、ギャップ4aの幅が非常に狭いため、ギャップ4aにだけ静電気保護膜5を設けることはできず、どうしても静電気保護膜5の両側部5a,5bが、表電極2a,2bの端部2a−1,2b−1の上面2a−3,2b−3に重なった状態にならざるを得ない。
そこで、本発明では、製造方法を工夫して、図1等に示すように表電極2a,2bの上にガラス膜21a,21bを形成した後、ガラス膜21a,21bの上からスクリーン印刷法によって静電気保護膜5を形成する方法を実施した。その結果、ガラス膜21a,21bに対しては、ギャップ4bに静電気保護膜5(中央部5c)が設けられるだけでなく、静電気保護膜5の両端部5a,5bがガラス膜21a,21bの上面に重なるが、表電極2a,2bに対しては、静電気保護膜5の両端部5a,5bが上面2a−3,2b−3に重なるガラス膜21a,21bによって防ぐことができるため、ギャップ4aにだけ静電気保護膜5(中央部5c)を設けることができた。
静電気保護膜5は、バインダであるシリコーン樹脂に導電性粒子と絶縁性粒子の2種を混合してなる材料を用いて形成したものである。導電性粒子及び絶縁性粒子は、導電性粒子の表面に不動態層の設けることや、絶縁性粒子の表面に他の物質をドープすることなどの特殊な処理を行なっていないものである。
また、導電性粒子は、導電性金属粒子のアルミニウム(Al)粉であり、絶縁性粒子は酸化亜鉛(ZnO)粉である。酸化亜鉛粉には、JIS規格の第1種の絶縁性を有する酸化亜鉛、即ち体積抵抗率200MΩcm以上の酸化亜鉛を用いている。更に、シリコーン樹脂とアルミニウム粉と酸化亜鉛の3成分の配合比は、前記シリコーン樹脂が100重量部であるのに対して、前記アルミニウム粉が160重量部以上、前記酸化亜鉛粉が120重量部である。この静電気保護用ペーストの配合比は、ESD抑制ピーク電圧を500V以下で、ESD耐量(20回電圧印加)が規格値のリーク電流10μA以下(絶縁抵抗R=3MΩ以上)という目標値を、本発明と比較例の静電気保護部品100,200の何れにおいても、満足するものである。しかし、本発明の静電気保護部品100の方が、よりリーク電流が小さい(図10参照:詳細後述)。よって、本発明の静電気保護部品100の方が、より絶縁性が向上している。なお、ESD抑制ピーク電圧とは、放電開始時に生じる電圧である。
表電極2a,2b上には、上部電極6a,6bがそれぞれ形成されている。表電極2a,2bは薄膜であるため、上部電極6a,6bによって表電極2a,2bの機械的強度を補強している。但し、静電気保護膜5には接しないように(静電気保護膜5から離れた位置に)、上部電極6a,6bを形成している。その理由は、上部電極6a,6bが静電気保護膜5に接していると、静電気パルス等による過電圧が静電気保護部品100に印加されたとき、表電極2a,2b間ではなく、上部電極6a,6b間や上部電極6a,6bと表電極2a,2bとの間で放電が開始されるおそれがあり、その場合には静電気保護部品本来の静電気保護機能を発揮することができなくなってしまうからである。
なお、絶縁膜であるガラス膜21a,21bは、上部電極6a,6bの下層には形成されていない。
静電気保護膜5は中間層7に覆われており、中間層7は保護膜8に覆われている。保護膜8は、両端部8a,8bが、上部電極6a,6bの一部(ギャップ側の部分)にそれぞれ重なっている。そして、ガラス膜21a,21bは、静電気保護膜5の両側部5a,5bと表電極2a,2bの間に介在するだけでなく、中間層7と表電極2a,2bとの間にも介在している。
保護膜8は耐湿性などに優れており、静電気保護膜5などを湿度などの外部環境等から保護するために設けられている。しかし、保護膜8は耐熱性が不十分であるため、放電時に発熱する静電気保護膜5を直接保護膜8で覆うことはせず、耐熱性に優れている中間層7で静電気保護膜5を覆い、この中間層7を保護膜8で覆う構造としている。
中間層7は、表電極2a,2b間で異常放電が発生するのを回避する機能も有している。また、中間層7はシリコーン樹脂などの樹脂材料にシリカなどの無機フィラーを適量加えた弾力性のあるもの(エラストマー)であり、表電極2a,2b間のギャップ4a(静電気保護膜5)で放電したときの内部エネルギ(内圧)の上昇を抑制して(前記内部エナルギを吸収して)、前記内部エネルギの上昇による衝撃で静電気保護部品100が破損するのを防止する機能(緩衝機能)も有している。
セラミックス基板1の両端面1c,1dには端面電極9a,9bがそれぞれ形成されており、これらの端面電極9a,9bによって表電極2a,2bと裏電極3a,3bとをそれぞれ電気的に接続している。また、端面電極9a,9bの端部9a−1,9a−2,9b−1,9b−2が、表電極2a,2bの端部2a−2,2b−2と、裏電極3a,3bの端部3a−1,3b−1とにそれぞれ重なっているため、端面電極9a,9bと表電極2a,2b及び裏電極3a,3bとの接続が、より確実になっている。
更に、端面電極9a,9bなどに対して、端子電極としての信頼性を向上させるため、ニッケル(Ni)のめっき膜10a,10bと、スズ(Sn)のめっき膜11a,11bとが順に形成されている。ニッケルめっき膜10a,10bは端面電極9a,9bと、裏電極3a,3bと、表電極2a,2bの一部と、上部電極6a,6bの一部とをそれぞれ覆っており、スズめっき膜11a,11bはニッケルめっき膜10a,10bをそれぞれ覆っている。
次に、図5〜図8に基づき、本実施の形態例の静電気保護部品100の製造方法について説明する。図5のフローチャートの各製造工程(ステップ)にはS1〜S20の符号を付した。また、図6の(a)〜(d)、図7の(a)〜(d)、図8(a)〜(d)には、各製造工程における静電気保護部品100の製造状態を順に示している。
なお、本実施の形態例では1005タイプの静電気保護部品100(図2に示す幅Wが0.5mm、長さLが1.0mmのもの)を製造した。
最初の工程(ステップS1)では、図6(a)に示すように、セラミックス基板1を、静電気保護部品100の製造工程(図示省略)に受け入れる。ここではセラミックス基板1として、アルミナ基板を用いた。このアルミナ基板は、96%アルミナをセラミックス材料として用いることにより製造したをものである。
なお、図6(a)には1個片の静電気保護部品100に対応する1つの個片領域のセラミックス基板1のみを図示しているが、ステップS15で一次分割される前の実際のセラミックス基板1は、一次スリットと二次スリットが縦横に複数本形成されて、個片領域が縦横に複数個連なったシート状のものである。
次の工程(ステップS2)では、図6(b)に示すように、セラミックス基板1の裏面1bに裏電極3a,3bを形成する。裏電極3a,3bは、スクリーン印刷法により、電極ペーストを基板裏面1bに塗布してパターン化することにより形成される。ここでは電極ペーストとして、銀(Ag)ペーストを用いた。スクリーン印刷した裏電極3a,3bは、乾燥させて電極ペースト中の溶剤を蒸発させる。
次の工程(ステップS3)では、図6(c)に示すように、セラミックス基板1の表面1aに表電極2の膜(後の工程で表電極2a,2bを形成するための膜)を形成する。表電極の膜2は、スクリーン印刷法により、電極ペーストを基板表面1aに塗布してパターン化することにより形成される。ここでは電極ペーストとして、金レジネートペーストを用いた。スクリーン印刷した表電極2の膜は、乾燥させて電極ペースト中の溶剤を蒸発させる。
なお、表電極2の膜を形成するための電極ペーストとしては、金以外のレジネートペースト(金属有機物ペースト)を用いることもできる。例えば、白金(Pt)や銀(Ag)のレジネートペーストなどを用いることができる。裏電極3a,3bを形成するための電極ペーストとして、銀・パラジウム(Ag・Pd)ペーストを用いることもできる。
次の工程(ステップS4)では、ステップS2で形成した裏電極3a,3bとステップS3で形成した表電極2とを、850℃の温度で40分間、同時に焼成する。
そして、次の工程(ステップS5)では、図6(d)に示すように、表電極2の中央部にガラス膜21(後の工程でガラス膜21a,21bを形成するための膜)を形成する。ガラス膜21は、スクリーン印刷法により、硼珪酸系ガラスペーストを表電極2上に(表電極2の中央部を覆うように)塗布してパターン化することにより形成される。
次の工程(ステップS6)では、ステップS5で形成したガラス膜21を、600℃の温度で焼成した。
次の工程(ステップS7)では、図7(a)に示すように、UV波長領域を有するレーザ(図示省略)を用いたレーザ法によって、ステップS6で焼成したガラス膜21の中央部とステップS4で焼成した表電極2の中央部とを同時に切断加工することにより、一列に連なる(重なり合う)上層のギャップ4bと下層のギャップ4aとを同時に形成する。ここではUV波長領域を有するレーザとして、第三次高調波レーザ(波長:355nm)を用いた。ギャップ4a,4bの幅dは7μmとした。ギャップ4a,4bを形成した結果、ギャップ4aを介して一対の表電極2a,2bが対向する構造となり、且つ、ギャップ4bを介して一対のガラス膜21a,21bが対向する構造となる。
次の工程(ステップS8)では、図7(b)に示すように、スクリーン印刷法により、導電性ペーストを、表電極2a,2bのそれぞれに塗布してパターン化することより、表電極2a,2bの上に上部電極6a,6bを形成する。このときのスクリーン印刷の回数は1回である。上部電極6a,6bは、静電気保護膜5に接触しなようにするため、静電気保護膜5から離れた位置において、表電極2a,2bに重なるように形成される。スクリーン印刷後の上部電極6a,6bは、乾燥させて導電性ペースト中の溶剤を蒸発させる。
このスクリーン印刷で用いたスクリーンメッシュは、メッシュサイズ400で、エマルジョン厚8±2μmのものである(品番:st400)。
また、導電性ペーストとしては、銀粉とエポキシ樹脂とを混練したものを用いた。なお、これに限らず、ニッケル(Ni),銅(Cu)粉などと、エポキシ樹脂とを混練した厚膜電極ペーストなどを、上部電極用の導電性ペーストとして用いてもよい。
次の工程(ステップS9)では、図7(c)に示すように、スクリーン印刷法により、静電気保護用ペーストを、ギャップ4a,4b部分に塗布してパターン化することにより、静電気保護膜5を形成する。このとき静電気保護膜5は中央部5cと両側部5a,5bとを有する形状となる。表電極2a,2bに対しては、静電気保護膜5の中央部5cがギャップ4aのみに設けられて(ギャップ4aを塞いで)、表電極2a,2bに接続され、ガラス膜21a,21bに対しては、静電気保護膜5の中央部5cがギャップ4bに設けられ(ギャップ4bを塞ぎ)、且つ、静電気保護膜5の両端部5a,5bがガラス膜21a,21bの上面21a−2,21b−2の一部(ギャップ側の端部)に重なる。
スクリーン印刷後の静電気保護膜5は、100℃の温度で10分間乾燥させて静電気保護用ペースト中の溶剤を蒸発させる。
なお、このスクリーン印刷で用いたスクリーンメッシュはカレンダーメッシュであり、メッシュサイズ400で線径18μm、エマルジョン厚5±2μmのものである(品番:cal400/18)。
また、ここで用いた静電気保護用ペーストは、シリコーン樹脂のバインダを基本材料とし、このシリコーン樹脂に、導電性粒子として用いたアルミニウム粉と、絶縁性粒子として用いた酸化亜鉛粉の2種を混練したものである。更に、これら3成分の配合比は、シリコーン樹脂が100重量部であるのに対して、アルミニウム粉が160重量部、酸化亜鉛粉が120重量部とした。この場合、ESD抑制ピーク電圧が500V以下で、ESD耐量が規格値のリーク電流10μA以下(絶縁抵抗R=3MΩ以上)という目標値を満足する。
また、シリコーン樹脂としては、体積抵抗率2×1015Ωcm、誘電率2.7の付加反応型シリコーン樹脂を用いた。
アルミニウム粉としては、アルミニウムを溶融し、高圧噴霧し冷却固化して成る平均粒径3.0〜3.6μmのアルミニウム粉を用いた。
酸化亜鉛粉としては、JIS規格の第1種絶縁性(体積抵抗率200MΩcm以上)を有する酸化亜鉛を用いた。また、この酸化亜鉛粉には、粒径が0.3〜1.5μmで分布し、平均粒径が0.6μmであり、一次凝集での粒径が1.5μmである酸化亜鉛粉を適用した。
次の工程(ステップS10)では、ステップS8で形成した上部電極6a,6bとステップS9で形成した静電気保護膜5とを、200℃の温度で30分間、同時に焼付けする。
次の工程(ステップS11)では、図7(d)に示すように、スクリーン印刷法により、シリコーン樹脂ペーストを、静電気保護膜5及びガラス膜21a,21bに塗布してパターン化することより、静電気保護膜5などを覆う中間層7を形成する。このときのスクリーン印刷の回数は1回である。
ここではシリコーン樹脂ペーストとして、40〜50%のシリカを含有するシリコーン樹脂ペーストを用いた。
また、このスクリーン印刷で用いたスクリーンメッシュはカレンダーメッシュであり、メッシュサイズ400で線径18μm、エマルジョン厚5±2μmのものである(品番:cal400/18)。
次の工程(ステップS12)では、ステップS11で形成した中間層7を、150℃の温度で30分間焼付けをする。
次の工程(ステップS13)では、図8(a)に示すように、スクリーン印刷法により、エポキシ樹脂ペーストを、中間層7、ガラス膜21a,21b、表電極2a,2b及び上部電極6a,6bに塗布してパターン化することにより、中間層7などを覆う保護膜8を形成する。このときのスクリーン印刷の回数は2回である。
なお、このスクリーン印刷で用いたスクリーンメッシュは、メッシュサイズ400で、エマルジョン厚10±2μmのものである(品番:3DSus400/19)。
次の工程(ステップS14)では、ステップS13で形成した保護膜8を、200℃の温度で30分間焼付けする。
次の工程(ステップS15)では、シート状のセラミックス基板1に形成されている1次スリットに沿って、セラミックス基板1を1次分割する。その結果、セラミックス基板1は複数個の個片領域が横一列に連なった帯状のものとなり、端面1c,1dが生じる。
次の工程(ステップS16)では、図8(b)に示すように、転写法により、導電性ペーストを、セラミックス基板1の端面1c,1d、表電極2a,2bの一部、裏電極3a,3bの一部に塗布し、これを次の工程(ステップS17)で、200℃の温度で30分間焼付けすることにより、端面電極9a,9bを形成する。このとき端面電極9a,9bは表電極2a,2b及び裏電極3a,3bに一部重なり、表電極2a,2bと裏電極3a,3bとを電気的に接続する。
ここでは導電性ペーストとして、銀粉とエポキシ樹脂とを混練したペーストを用いた。
次の工程(ステップS18)では、帯状のセラミックス基板1に形成されている2次スリットに沿って、セラミックス基板1を2次分割する。その結果、セラミックス基板1は各個片領域ごとに分割されて、個片となる。
次の工程(ステップS19)では、図8(c)に示すように、バレルめっき方式により、端面電極9a,9bと、裏電極3a,3bと、表電極2a,2bの一部と、上部電極6a,6bの一部の上に電気めっきして、ニッケルめっき膜10a,10bを形成する。
最後の工程(ステップS20)では、図8(d)に示すように、バレルめっき方式により、ステップS19で形成したニッケルめっき膜10a,10bの上に電気めっきして、スズめっき膜11a,11bを形成する。かくして、静電気保護部品100が完成する。
次に、図9及び図10に基づき、本発明のガラス膜21a,21bを有する静電気保護部品100(図1)と、比較例のガラス膜が無い静電気保護部品200に対して行なったESD試験の結果について説明する。
ESD試験は、IEC61000‐4‐2 8kVに準拠したESD電圧を静電気保護部品100,200に印加する方法で行なった。
本発明の静電気保護部品100については、上記と同様の製造工程で10個の試料を製造し、比較例の静電気保護部品200については、ガラス膜が無いこと以外は上記と同様の製造工程で10個の試料を製造した。そして、何れの試料に対してもESD電圧を20回印加した。
図9(a)には本発明の静電気保護部品100の試料に対して1回目のESD電圧印加時のESD抑制ピーク電圧の測定結果を示し、図9(b)には比較例の静電気保護部品200の試料に対して1回目のESD電圧印加時のESD抑制ピーク電圧の測定結果を示している。
これらの測定結果から、ESD抑制ピーク電圧に関しては、何れの試料も500V以下の目標値を満足しており、両試料に顕著な差異はみられなかった。
一方、図10(a)には本発明の静電気保護部品100の試料に対して1回目と10回目と20回目のESD電圧印加後にリーク電流を測定した結果を示し、図10(b)には比較例の静電気保護部品200の試料に対して20回目のESD電圧印加後にリーク電流を測定した結果を示している。
そして、図10(a)に示すように、本発明の静電気保護部品100については、何れの試料も、1回目と10回目と20回目の何れのESD電圧印加後においても、リーク電流が0.001μAという非常に小さな値であり、且つ、試料(部品)ごとのリーク電流のバラツキも、ほとんど無かった。即ち、何れの試料も、絶縁抵抗が非常に大きく、且つ、試料ごとの絶縁抵抗のバラツキも、ほとんど無いことが確認できた。
これに対して、図10(b)に示すように、比較例の静電気保護部品200については、何れの試料も10μA以下という目標値は満足しているが、図10(a)の結果と比較すると、リーク電流の大きい試料が多くみられ、しかも、試料ごとのリーク電流のバラツキも非常に大きかった。即ち、絶縁抵抗が比較的小さく、且つ、試料ごとの絶縁抵抗のバラツキも大きいことが確認できた。
なお、ガラス膜21a,21bの構造は、図1〜図3に示す構造に限定するものではなく、例えば図11〜図13に示すような構造や、図14及び図15に示すような構造であってもよい。
詳述すると、図11〜図13に示す静電気保護部品300では、図1〜図3に示す静電気保護部品100に比べて(特に図2,図3参照)、ガラス膜21a,21bの幅が広くなっている(特に図12,図13参照:これらの図の上下方向がガラス膜21a,21bの幅方向である)。
具体的には、図2及び図3に示すように、静電気保護部品100におけるガラス膜21a,21bは、表電極2a,2bの幅よりは広いが、静電気保護膜5の幅よりは狭い幅となっており、表電極2aの両側面2a−4,2a−5や表電極2bの両側面2b−4,2bを覆って前記側面2a−4,2a−5,2b−4,2b−5が静電気保護膜5に接するのを防ぐことが可能な最小限の幅を有している。これに対して、図12及び図13に示すように、静電気保護部品300におけるガラス膜21a,21bは、表電極2a,2bの幅、静電気保護膜5の幅、及び、中間層7の幅の何れよりも広い幅を有している。
なお、静電気保護部品300の他の構造につては、静電気保護部品100の構造と同様である。また、静電気保護部品300の製造方法についても、静電気保護部品100の製造方法と同様である。
図14のK−K線矢視断面及びL−L線矢視断面の構造については、図3(a)に示す断面及び図3(b)に示す断面の構造と同様であるため、図3を参照する。
図3,図14及び図15に示すように、静電気保護部品400は、図1〜図3に示す静電気保護部品100に比べて(特に図1,図2参照)、ガラス膜21a,21bの長さが短くなっている(特に図14,図15参照:これらの図の左右方向がガラス膜21a,21bの長さ方向である)。
具体的には、図1及び図2に示すように、静電気保護部品100におけるガラス膜21a,21bは、静電気保護膜5の長さ、及び、中間層7の長さの何れよりも長くなっている。これに対して、図14及び図15に示すように、静電気保護部品400におけるガラス膜21a,21bは、静電気保護膜5の長さよりは長いが、中間層7の長さよりは短くなっており、静電気保護膜5の両側部5a,5bと表電極2a,2bとの間に介在して(即ち表電極2a,2bの端部2a−1,2b−1の表面2a−3,2b−3を覆って)静電気保護膜5の両側部5a,5bが表電極2a,2bに接するのを防ぐことが可能な最小限の長さを有している。
なお、静電気保護部品400の他の構造につては、静電気保護部品100の構造と同様である。また、静電気保護部品400の製造方法についても、静電気保護部品100の製造方法と同様である。
以上のように、本実施の形態例の静電気保護部品100,300,400によれば、セラミックス基板1上に形成され、ギャップ4aを介して対向している表電極2a,2bと、表電極2a,2b上に形成されて表電極2a,2bの上面2a−3,2b−3及び両側面2a−4,2a−5,2b−4,2b−5を覆い、且つ、ギャップ4aに連なるギャップ4bを介して対向しているガラス膜21a,21bと、中央部5cと両側部5a,5bを有し、中央部5cがギャップ4a及びギャップ4bに設けられ、両側部5a,5bがガラス膜21a,21b上面21a−2,21b−2に重なっている静電気保護膜5とを有していることを特徴としているため、表電極2a,2bに対しては、表電極2a,2bの間のギャップ4aにだけ静電気保護膜5(中央部5c)が設けるられている。即ち、静電気保護膜5は、表電極2a,2bに対してギャップ側の端面2a−6,2b−6のみに接しており、前記端面2a−6,2b−6以外の部分には接していない。
このため、静電気保護部品100は、静電気保護膜5が表電極2a,2bの端面以外の部分にも接している静電気保護部品200に比べて、絶縁抵抗を非常に大きくすることができ、且つ、部品ごとの絶縁抵抗のバラツキも非常に小さくすることができる。
また、静電気保護部品100,300,400によれば、絶縁膜がガラス膜21a,21bであることを特徴としているため、静電気保護部品100を製造する際、耐熱性且つ絶縁性を有するガラス膜21a,21bの形成を容易且つ安価に実施することができる。
また、静電気保護部品100,300によれば、ガラス膜21a,21bが、中間層7と表電極2a,2bとの間に介在していることを特徴としているため、ガラス膜21a,21bの介在により、中間層7は表電極2a,2bに接触していない。このため、中間層7を介して表電極2a,2b間で異常放電が発生するのを、ガラス膜21a,21bによって確実に阻止することができる。この場合、例えば、比較的絶縁性の低い材料を用いて中間層7を形成することも可能となるため、中間層7の材料選択の幅が広がるという効果も得られる。
また、本実施の形態例の静電気保護部品100の製造方法によれば、セラミックス基板1上に表電極2の膜を形成する第1の工程と、表電極2の膜上にガラス膜21を形成し、このガラス膜21によって表電極2の膜の上面及び両側面を覆う第2の工程と、前記第1の工程で形成した表電極2の膜と、前記第2の工程で形成したガラス膜21とを切断して、ギャップ4aとギャップ4bとを形成する第3の工程と、中央部5cと両側部5a,5bを有する形状とし、前記中央部5cをギャップ4a及びギャップ4bに設け、前記両側部5a,5bをガラス膜21a,21bの上面21a−2,21b−2に重ねるようにして、静電気保護膜5を形成する第4の工程とを有することを特徴としているため、表電極2a,2bに対しては、表電極2a,2bの間のギャップ4aにだけ静電気保護膜5(中央部5c)を設けることができる。即ち、静電気保護膜5を、表電極2a,2bに対してギャップ側の端面2a−6,2b−6のみに接して、前記端面2a−6,2b−6以外の部分には接しないように形成することができる。
このため、本製造方法によって製造した静電気保護部品100は、静電気保護膜5が表電極2a,2bの端面以外の部分にも接している静電気保護部品200に比べて、絶縁抵抗を非常に大きくすることができ、且つ、部品ごとの絶縁抵抗のバラツキも非常に小さくすることができる。
また、本製造方法によれば、絶縁膜はガラス膜21a,21bであることを特徴としているため、耐熱性且つ絶縁性を有するガラス膜21a,21bの形成を容易且つ安価に実施することができる。
また、本製造方法によれば、前記第3の工程では、前記第1の工程で形成した表電極2の膜と、前記第2の工程で形成したガラス膜21とを、UV波長領域を有する第三次高調波レーザを用いて同時に切断することにより、ギャップ4a,4bを形成することを特徴としているため、ギャップ4a,4bを容易に精度よく形成することができる。
なお、上記では、1つのセラミックス基板1上に1つの静電気保護膜5を形成した静電気保護部品の実施例を述べたが、これに限定するものではなく、1つのセラミックス基板1上に2つ以上の静電気保護膜5を形成した静電気保護部品も、本発明の範囲内とする。
また、上記では、シリコーン樹脂とアルミニウム粉と酸化亜鉛粉の3成分を混練したペーストを用いて静電気保護膜を形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限定するものではなく、本発明の静電気保護部品の構造は、上記とは異なる成分の材料で静電気保護膜が形成されている静電気保護部品にも適用することができる。
本発明は静電気保護部品及びその製造方法に関するものであり、静電気保護部品の絶縁抵抗特性の向上を図る場合に適用して有用なものである。
1 セラミックス基板、 1a 基板表面、 1b 基板裏面、 1c,1d 基板端面、 2 表電極の膜、 2a,2b 表電極、 2a−1,2a−2,2b−1,2b−2 表電極の端部、 2a−3,2b−3 表電極の上面、 2a−4,2a−5,2b−4,2b−5 表電極の側面、 2a−6,2b−6 表電極の端面、 3a,3b 裏電極、 3a−1,3b−1 裏電極の端部、 4a,4b ギャップ、 5 静電気保護膜、 5a,5b 静電気保護膜の側部、 5c 静電気保護膜の中央部、 6a,6b 上部電極、 7 中間層、 8 保護膜、 8a,8b 保護膜の端部、 9a,9b 端面電極、 9a−1,9a−2,9b−1,9b−2 端面電極の端部、 10a,10b ニッケルめっき膜、 11a,11b スズめっき膜、 21,21a,21b ガラス膜、 21a−1,21b−1 ガラス膜の端部、 21a−2,21b−2 ガラス膜の上面、 100 静電気保護部品(ガラス膜有り)、 200 静電気保護部品(ガラス膜無し)、 300 静電気保護部品(ガラス膜有り)、 400 静電気保護部品(ガラス膜有り)

Claims (6)

  1. 絶縁基板上に形成され、第1のギャップを介して対向している表電極と、
    前記表電極上に形成されて前記表電極の上面及び両側面を覆い、且つ、前記第1のギャップに連なる第2のギャップを介して対向している絶縁膜と、
    中央部と両側部を有し、前記中央部が前記第1のギャップ及び第2のギャップに設けられ、前記両側部が前記絶縁膜の上面に重なっている静電気保護膜と、
    を有していることを特徴とする静電気保護部品。
  2. 請求項1に記載する静電気保護部品において、
    前記絶縁膜はガラス膜であることを特徴とする静電気保護部品。
  3. 請求項1又は2に記載の静電気保護部品において、
    前記静電気保護膜と保護膜との間に中間層が設けられており、
    前記絶縁膜が、この中間層と前記表電極との間に介在していることを特徴とする静電気保護部品。
  4. 請求項1に記載する静電気保護部品の製造方法であって、
    絶縁基板上に表電極の膜を形成する第1の工程と、
    前記表電極の膜上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜によって前記表電極の膜の上面及び両側面を覆う第2の工程と、
    前記第1の工程で形成した表電極の膜と、前記第2の工程で形成した絶縁膜とを切断して、第1のギャップと第2のギャップとを形成する第3の工程と、
    中央部と両側部を有する形状とし、前記中央部を前記第1のギャップ及び第2のギャップに設け、前記両側部を前記絶縁膜の上面に重ねるようにして、静電気保護膜を形成する第4の工程と、
    を有することを特徴とする静電気保護部品の製造方法。
  5. 請求項4に記載する静電気保護部品の製造方法において、
    前記絶縁膜はガラス膜であることを特徴とする静電気保護部品の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載する静電気保護部品の製造方法において、
    前記第3の工程では、前記第1の工程で形成した表電極の膜と、前記第2の工程で形成した絶縁膜とを、UV波長領域を有する第三次高調波レーザを用いて同時に切断することにより、第1のギャップと第2のギャップとを形成することを特徴とする静電気保護部品の製造方法。
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