JP2010027636A - 静電気対策部品 - Google Patents

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Koichi Yoshioka
功一 吉岡
Takeshi Izeki
健 井関
Takashi Morino
貴 森野
Kenji Nozoe
研治 野添
Mitsuo Ioka
満雄 井岡
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Abstract

【課題】本発明は、静電気の繰り返し印加に対して耐性があり、かつ静電気対策部品にかかるピーク電圧が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定している静電気対策部品を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明の静電気対策部品は、絶縁基板11と、この絶縁基板11の上面に対向するように形成された一対の引出電極12と、この一対の引出電極12間に形成されたギャップと、このギャップを覆う過電圧保護材料層17とを備え、前記ギャップを少なくとも間隔が狭い第1のギャップ13と、この第1のギャップ13の間隔より間隔が広い第2のギャップ14とで構成したものである。
【選択図】図1

Description

本発明は電子機器を静電気から保護する静電気対策部品に関するものである。
近年、携帯電話等の電子機器の小型化、高性能化が急速に進み、それに伴い電子機器に用いられる電子部品の小型化も急速に進んでいる。しかしながら、その反面、この小型化に伴って電子機器や電子部品の耐電圧は低下するもので、これにより、人体と電子機器の端子が接触した時に発生する静電気パルスによって機器内部の電気回路が損傷するのが増えてきている。これは静電気パルスによって1ナノ秒以下の立ち上がり速度でかつ数百〜数キロボルトという高電圧が機器内部の電気回路に印加されるからである。
従来から、このような静電気パルスへの対策として、静電気が入るラインとグランド間に対策部品を設ける方法がとられているが、近年では信号ラインの伝送速度が数百Mbps以上といった高速化が進んでおり、前記した対策部品の浮遊容量が大きい場合には信号品質が劣るため、対策部品の浮遊容量はより小さい方が好ましく、したがって、数百Mbps以上の伝送速度になると1pF以下の低静電容量の対策部品が必要になってくるものである。
このような高速伝送ラインでの静電気対策として、従来においては、図10(a)(b)に示すように、絶縁基板1の上面両端部に位置して対向する一対の引出電極2間に形成されたギャップ3と一対の引出電極2の一部を過電圧保護材料層4で覆うタイプの静電気対策部品が提案されている。ここで説明の都合上、図10(a)には静電気対策部品の仕掛かり品の上面図、図10(b)には静電気対策部品の仕掛かり品の断面図を示しており、この仕掛かり品に保護膜、端面電極、めっき等が施されて完成品となるものである。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特表2002−538601号公報
上記した対向する一対の引出電極2間に形成されたギャップ3と一対の引出電極2の一部を過電圧保護材料層4で覆うタイプの静電気対策部品における特性発現のメカニズムは、対向する一対の引出電極2間のギャップ3に静電気による過電圧が印加された際に、対向する一対の引出電極2間のギャップ3に位置する過電圧保護材料層4中に散在する導電粒子間あるいは半導体粒子間に放電電流のようなものが流れ、それを電流としてグランドにバイパスさせるというものである。このタイプの従来の静電気対策部品では、静電気印加を繰り返し実施することにより、静電気をグランドにバイパスさせる特性が劣化する場合も見られた。静電気印加を繰り返した後に、静電気対策部品をX線透過顕微鏡などの非破壊分析手法で観察すると、対向する一対の引出電極2間のギャップ3の間隔が、初期状態と比較してわずかに拡大している。これは、静電気印加時に流れる電流により対向する一対の引出電極2が発熱し、その熱によって一対の引出電極2の材料がわずかに溶解するのも一因であると考えられる。また、静電気の繰り返し印加によって、ギャップ3を覆っている過電圧保護材料層4に物理的な力が繰り返し加わり、過電圧保護材料層4の内部にクラックが発生したり、過電圧保護材料層4の密着力が低下することも、静電気をグランドにバイパスさせる特性が劣化する一因であると考えられる。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、静電気の繰り返し印加に対して耐性があり、かつ静電気対策部品にかかるピーク電圧が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定している静電気対策部品を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁基板と、この絶縁基板の上面に対向するように形成された一対の引出電極と、この一対の引出電極間に形成されたギャップと、このギャップを覆う過電圧保護材料層とを備え、前記ギャップを少なくとも間隔が狭い第1のギャップと、この第1のギャップの間隔より間隔が広い第2のギャップとで構成したもので、この構成によれば、前記一対の引出電極間に形成されるギャップを少なくとも間隔が狭い第1のギャップと、この第1のギャップの間隔より間隔が広い第2のギャップとで構成しているため、静電気印加の初期段階においては間隔が狭い第1のギャップが放電して静電気対策部品が動作し、そして、その後は静電気印加が繰り返されることにより、第1のギャップの間隔が広がりかつ第1のギャップを覆う過電圧保護材料層が劣化することになり、そしてこの第1のギャップが機能しなくなった後は、間隔が広い第2のギャップが機能して静電気対策部品は引き続き動作することになるため、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実に保護することができる効果の高い静電気対策部品が得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、絶縁基板と、この絶縁基板の一方の面および他方の面にそれぞれ対向するように形成された一対の引出電極と、これらの一対の引出電極間にそれぞれ形成されたギャップと、これらのギャップを覆う過電圧保護材料層とを備え、前記ギャップを前記絶縁基板の一方の面に位置し、かつ間隔が狭い第1のギャップと、前記絶縁基板の他方の面に位置し、かつ第1のギャップの間隔より間隔が広い第2のギャップとで構成したもので、この構成によれば、前記ギャップを前記絶縁基板の一方の面に位置し、かつ間隔が狭い第1のギャップと、前記絶縁基板の他方の面に位置し、かつ第1のギャップの間隔より間隔が広い第2のギャップとで構成しているため、静電気印加の初期段階においては間隔が狭い第1のギャップが放電して静電気対策部品が動作し、そして、その後は静電気印加が繰り返されることにより、第1のギャップの間隔が広がりかつ第1のギャップを覆う過電圧保護材料層が劣化することになり、そしてこの第1のギャップが機能しなくなった後は、間隔が広い第2のギャップが機能して静電気対策部品は引き続き動作することになるため、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実に保護することができる効果の高い静電気対策部品が得られる。また、絶縁基板の一方の面と他方の面にギャップを有する一対の引出電極をそれぞれ形成しているため、絶縁基板の両面を有効活用することによって静電気対策部品を小型化することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、第1のギャップの間隔と第2のギャップの間隔との差を5μm以上15μm以下としたもので、この構成によれば、第1のギャップの間隔と第2のギャップの間隔との差を15μm以下としているため、静電気印加の初期段階においては間隔の狭い第1のギャップが放電して静電気対策部品が動作し、そして、その後は静電気印加が繰り返されることにより第1のギャップの間隔が広がりかつ第1のギャップを覆う過電圧保護材料層が劣化することになり、そして、この第1のギャップが機能しなくなった後は、間隔が広い第2のギャップが機能して静電気対策部品は引き続き動作することになり、そして、この第2のギャップの間隔は第1のギャップの間隔よりわずかに広くしているため、第1のギャップが機能しなくなった後に第2のギャップが機能して放電する場合における静電気対策部品が動作するピーク電圧は、最初に第1のギャップで放電する場合における静電気対策部品が動作するピーク電圧に比べて著しく高くなることはなく、ピーク電圧の規格値以下に収まることになり、これにより、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実に保護することができる効果の高い静電気対策部品が得られる。また、第1のギャップの間隔と第2のギャップの間隔との差を5μm以上としているため、静電気印加の初期段階においては間隔が狭い第1のギャップが放電し、かつこの第1のギャップが放電して動作している間は第2のギャップおよび第2のギャップを覆う過電圧保護材料層には静電気放電が発生せず、そして、第1のギャップが機能しなくなった後に第2のギャップが機能して放電する場合においては、第2のギャップおよび第2のギャップを覆う過電圧保護材料層はほとんど劣化していない状態でその機能を果たすことになり、これにより、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実に保護することができる効果の高い静電気対策部品が得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、第1のギャップを覆う過電圧保護材料層と第2のギャップを覆う過電圧保護材料層とをそれぞれ独立して形成するようにしたもので、この構成によれば、第1のギャップを覆う過電圧保護材料層と第2のギャップを覆う過電圧保護材料層とをそれぞれ独立して形成するようにしているため、静電気印加が繰り返されることにより第1のギャップ近傍の引出電極材料が発熱して第1のギャップを覆う過電圧保護材料層が劣化した場合でも、この発熱による劣化の影響が第2のギャップを覆う過電圧保護材料層に及ぶ可能性は低く、これにより、第1のギャップが動作しなくなった後も第2のギャップが機能して静電気対策部品は引き続き動作することになるため、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実に保護することができる効果の高い静電気対策部品が得られるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の静電気対策部品は、絶縁基板と、この絶縁基板の上面に対向するように形成された一対の引出電極と、この一対の引出電極間に形成されたギャップと、このギャップを覆う過電圧保護材料層とを備え、前記ギャップを少なくとも間隔が狭い第1のギャップと、この第1のギャップの間隔より間隔が広い第2のギャップとで構成しているため、静電気印加の初期段階においては間隔が狭い第1のギャップが放電して静電気対策部品が動作し、そして、その後は静電気印加が繰り返されることにより、第1のギャップの間隔が広がりかつ第1のギャップを覆う過電圧保護材料層が劣化することになり、そして、この第1のギャップが機能しなくなった後は、間隔が広い第2のギャップが機能して静電気対策部品は引き続き動作することになるため、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実に保護することができるという優れた効果を奏するものである。
以下、本発明の一実施の形態における静電気対策部品について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の一実施の形態における静電気対策部品の仕掛かり品の上面図、図1(b)は同静電気対策部品の完成品における図1(a)のA−A線断面図を示したもので、11は絶縁基板、12は一対の引出電極、13は第1のギャップ、14は第2のギャップ、15は再上面電極、16は裏面電極、17は過電圧保護材料層、18は中間層、19は保護樹脂層、20は端面電極、21はニッケルめっき層、22は錫めっき層である。
上記図1(a)(b)に示すように、本発明の一実施の形態における静電気対策部品は、誘電率が50以下、好ましくは10以下の絶縁基板11の上面に位置する引出電極12の中央部に第1のギャップ13および第2のギャップ14を形成しており、そして前記一対の引出電極12の上に一対の再上面電極15を形成し、さらに前記絶縁基板11の裏面に一対の裏面電極16を形成し、さらにその後、前記第1のギャップ13と第2のギャップ14をそれぞれ独立した状態で覆うように少なくとも金属粉とシリコーン系樹脂からなる過電圧保護材料層17を設け、そしてこの過電圧保護材料層17の上に、少なくとも一種類以上の絶縁体粉とシリコーン系樹脂からなる中間層18を形成し、その後、この中間層18の上に、この中間層18を完全に覆うとともに、前記再上面電極15の一部を覆うように保護樹脂層19を形成し、さらにその後、前記絶縁基板11の両端部に前記一対の引出電極12、再上面電極15および裏面電極16と電気的に接続される端面電極20を形成し、そして最後に、前記端面電極20の上に、バレルめっき法を用いてニッケルめっき層21と錫めっき層22を形成することによって構成しているものである。
次に、本発明の一実施の形態における静電気対策部品の製造方法について説明する。
図2(a)〜(c)、図3(a)〜(d)、図4(a)〜(e)、図5(a)〜(d)および図6(a)(b)は本発明の一実施の形態における静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図であり、以下、この製造方法について説明する。なお、図2(a)、図3(a)(c)、図4(a)(c)、図5(a)(c)および図6(a)は個片状の基板の断面図を示し、また図2(b)(c)、図3(b)(d)、図4(d)(e)、図5(b)(d)および図6(b)は個片状の基板の上面図を示し、さらに図4(b)は個片状の基板の裏面図を示しているものである。
まず、図2(a)(b)に示すように、誘電率が50以下、好ましくは10以下のアルミナを900〜1300℃で焼成することにより得られる絶縁基板11を準備し、そしてこの絶縁基板11の上面に引出電極を構成する導体12aを形成する。ここで、機能素子を形成する絶縁基板にアルミナを用いるのは、アルミナが耐熱性ならびに機能素子との密着性に優れた材料であるためである。なお、この図2(a)(b)には、静電気対策部品の個片サイズである長辺がL(mm)で短辺がW(mm)の矩形状の絶縁基板11が示されているもので、以下の製造工程の説明でもこの個片サイズの絶縁基板11を用いて説明しているが、実際の製造工程では、この個片サイズの絶縁基板11を多数個縦横に得ることができるシート状の絶縁基板を用いて、後述する端面電極の形成工程前に短冊状または個片状に分割するものである。
上記した導体12aは、図2(b)に示すような略ロ字形のパターンで金を主成分とする比抵抗の小さい材料を配置することにより形成する。この場合、金からなる導体ペーストをスクリーン印刷法により帯状に印刷し、そして850℃で45分間焼成することにより導体12aを形成する。このような導体12aの形成方法が、他の金系材料、例えば金系スパッタ等を選択するよりも生産性やコストの面から好ましいものである。なお、この場合、図2(c)に示すように導体12aを、後述する第2のギャップ14となる部分をあらかじめ形成したパターンで印刷してもよいものである。また、この導体12aの焼成後の厚みは1〜3μmであり、絶縁基板11の長辺側に余白を残して印刷しているものである。
次に、図3(a)(b)に示すように、略ロ字形の導体12aの略中央部をUVレーザーを用いて切断し、間隔が狭い第1のギャップ13と、この第1のギャップ13の間隔より間隔が広い第2のギャップ14を形成することにより、一対の引出電極12を形成する。ここで導体12aは金の導体ペーストをスクリーン印刷・焼成することによって膜厚の比較的薄い状態に形成されているため、比較的低い出力である0.2Wの出力のUVレーザーを用いて導体12aを物理的に切削して第1のギャップ13および第2のギャップ14を確実に精度良く形成することが可能となるものであり、フォトリソプロセスによって導体12aに第1のギャップ13および第2のギャップ14を形成する場合と比べた場合、第1のギャップ13および第2のギャップ14のショート不良が起こりにくくなるものである。
なお、ここで測定ばらつきや加工精度も考慮して、間隔が狭い第1のギャップ13の間隔(ギャップ幅x)を7〜12μm、間隔が広い第2のギャップ14の間隔(ギャップ幅y)を17〜22μmとすることにより、第1のギャップ13の間隔と第2のギャップ14の間隔との差を5μm以上15μm以下としているものである。
次に、図3(c)(d)に示すように、一対の引出電極12の一部を覆うように、樹脂銀ペーストからなる一対の再上面電極15をスクリーン印刷法を用いて3〜20μmの厚みで印刷し、かつ100〜200℃で5〜15分間乾燥させることにより形成する。
次に、図4(a)(b)に示すように、絶縁基板11の裏面に、樹脂銀ペーストからなる一対の裏面電極16をスクリーン印刷法を用いて3〜20μmの厚みで印刷し、かつ100〜200℃で5〜15分間乾燥させることにより形成する。なお、この裏面電極16は、後述する端面電極によって回路基板への実装強度が十分確保される場合には、必ずしも形成する必要はないものである。
次に、図4(c)(d)に示すように、第1のギャップ13および第2のギャップ14をそれぞれ独立して覆うように過電圧保護材料ペーストをスクリーン印刷法を用いて5〜50μmの厚みで印刷し、かつ150℃で5〜15分間乾燥させることにより過電圧保護材料層17を形成する。この過電圧保護材料層17を構成する過電圧保護材料ペーストは、平均粒径が0.3〜10μmで球状のNi,Al,Ag,Pd,Cu等のいずれかからなる金属粉とメチルシリコーン等のシリコーン系樹脂の混合物に適当な有機溶剤を加え、これらを3本ロールミルにより混練・分散させることによって作製するものである。
次に、図4(c)(e)に示すように、中間層用ペーストをスクリーン印刷法を用いて5〜50μmの厚みで前記過電圧保護材料層17を完全に覆うように印刷し、かつ150℃で5〜15分間乾燥させることにより中間層18を形成する。この中間層18を形成する中間層用ペーストは、平均粒径が0.3〜10μmのAl23,SiO2,MgOあるいはこれらの複合酸化物等からなる絶縁体粉とメチルシリコーン等のシリコーン系樹脂の混合物に適当な有機溶剤を加え、これらを3本ロールミルにより混練・分散させることによって作製した。なお、ここでは十分な静電気耐量を得るために、過電圧保護材料層17と中間層18の乾燥後の厚みの和は30μm以上としている。なお、過電圧保護材料層17の厚みが十分厚くて、静電気耐量が所望の条件を満たす場合には、中間層18は必ずしも形成する必要はないものである。
次に、図5(a)(b)に示すように、前記中間層18を完全に覆い、かつ両端に一対の再上面電極15の端部が露出した状態となるように、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等からなる保護樹脂ペーストをスクリーン印刷法を用いて印刷し、かつ150℃で5〜15分間乾燥させ、その後、150〜200℃で15〜60分間硬化させることにより、保護樹脂層19を形成する。この場合、保護樹脂層19の乾燥後の厚みは15〜35μmとする。
次に、図5(c)(d)に示すように、一次分割ラインに相当する絶縁基板11の短辺側に沿ってダイシングすることによって得られた短冊状基板の端面に、樹脂銀ペーストを塗布することによって引出電極12、再上面電極15および裏面電極16と電気的に接続される端面電極20を形成する。
最後に、図6(a)(b)に示すように、二次分割ラインに相当する絶縁基板11の長辺側に沿って分割することによって得られた個片状基板の端面に、バレルめっき法を用いてニッケルめっき層21と錫めっき層22を形成すれば、本発明の一実施の形態における静電気対策部品を得ることができるものである。
上記製造方法によって製造された本発明の一実施の形態における静電気対策部品は、通常使用時(定格電圧下)においては、対向する一対の引出電極12間に形成した第1のギャップ13および第2のギャップ14を覆う過電圧保護材料層17のシリコーン系樹脂が絶縁性を有するため、電気的にオープンになっている。しかしながら、静電気パルス等の高電圧が印加された場合には、過電圧保護材料層17中のシリコーン系樹脂を介して存在する金属粒子間で放電電流が生じてインピーダンスが著しく減少するため、本発明の一実施の形態における静電気対策部品はその現象を利用して静電気パルス、サージ等の異常電圧をグランドにバイパスさせるものである。
次に、上記のように構成した本発明の一実施の形態における静電気対策部品について、以下に示すような試験を実施した。図7に示すように、本発明の一実施の形態における静電気対策部品23の一方の端子をグランド24に接地するとともに、他方の端子から引き出した静電気パルス印加部25に静電気試験ガン26を接触させて静電気パルスを印加した。静電気試験の条件は放電抵抗を330Ω、放電容量を150pF、印加電圧を8kVとした。
図8は、図7に示す静電気試験の試験結果を、従来の静電気対策部品と本発明の一実施の形態における静電気対策部品においてそれぞれ示したグラフである。このグラフにおいて、横軸は静電気パルスを印加した繰り返し回数を示し、また縦軸はその際のピーク電圧を示す。なお、ピーク電圧の増加は、より高い電圧の静電気が印加されないと静電気対策部品が動作しなくなることであるため、静電気対策部品の引出電極12および過電圧保護材料層17の劣化を示すものである。
上記図8からも明らかなように、本発明の一実施の形態における静電気対策部品においては、静電気印加を繰り返した場合でも、静電気対策部品が動作するピーク電圧の上昇傾向が従来の静電気対策部品に比べて緩やかであるため、静電気印加を繰り返した場合でもピーク電圧が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定している効果が得られていることがわかる。この原因は次のように考えられる。
上記した本発明の一実施の形態のように、一対の引出電極12に、間隔が狭い第1のギャップ13と、この第1のギャップ13の間隔より間隔が広い第2のギャップ14とを形成した構成の静電気対策部品においては、この静電気対策部品に静電気を印加した場合、まず間隔が狭い第1のギャップ13から放電を開始する。そして、静電気印加を繰り返した場合、第1のギャップ13の近傍に位置する一対の引出電極12の材料が少しずつ溶解して第1のギャップ13の間隔が広がるとともに、第1のギャップ13を覆う過電圧保護材料層17も徐々に劣化して一対の引出電極12との密着力が低下していく。このように、静電気印加が繰り返されて第1のギャップ13の間隔が広がりかつ第1のギャップ13を覆う過電圧保護材料層17が劣化することによって第1のギャップ13が機能しなくなった後は、間隔が広い第2のギャップ14が機能して静電気対策部品は引き続き動作するものである。この時、第2のギャップ14を覆う過電圧保護材料層17は、第1のギャップ13が動作している間は使用されず劣化していないため、第2のギャップ14が動作する際のピーク電圧も、規格値上限(500V)以下で安定しているものである。ここで、図8に示す本発明の一実施の形態における静電気対策部品において第2のギャップ14が動作したのは、静電気の繰り返し回数200回を超えた時で、その時のピーク電圧は400Vであった。
ちなみに、第1のギャップ13の間隔と第2のギャップ14の間隔との差が15μmより大きい場合には、第2のギャップ14の間隔が広すぎるため、静電気を繰り返し印加していく際に第1のギャップ13が機能しなくなった時点で第2のギャップ14が動作する際のピーク電圧が規格値上限よりも高くなり、このため、電子部品を静電気の繰り返し印加から保護する効果が十分に得られないものである。一方、第1のギャップ13の間隔と第2のギャップ14の間隔との差が5μmより小さい場合には、静電気を繰り返し印加していく際に最初のうちは第1のギャップ13が放電するものの、第1のギャップ13の間隔が少し広がりかつ第1のギャップ13を覆う過電圧保護材料層17が少し劣化した段階で第2のギャップ14の方が放電しやすくなり、この第2のギャップ14が放電して第2のギャップ14の間隔が少し広がりかつ第2のギャップ14を覆う過電圧保護材料層17が少し劣化した段階で、再び第1のギャップ13の方が放電しやすくなるものである。このように静電気印加を繰り返すことによって放電するギャップが第1のギャップ13と第2のギャップ14との間で頻繁に入れ替わるため、第1のギャップ13および第2のギャップ14を覆う過電圧保護材料層17にかかるストレスも多くなって過電圧保護材料層17の劣化の進行が早くなり、電子部品を静電気の繰り返し印加から保護する効果が十分に得られないものである。従って、第1のギャップ13の間隔と第2のギャップ14の間隔との差は5μm以上15μm以下とすることが好ましいものである。
以上のような理由により、図10(a)(b)に示すような従来の構成、すなわち、一対の引出電極2間に略均一な幅のギャップ3を有する従来の静電気対策部品に比べて、本発明の一実施の形態における静電気対策部品は、間隔が狭い第1のギャップ13と、この第1のギャップ13の間隔より間隔が広い第2のギャップ14とを備えた構成としているため、第1のギャップ13が機能しなくなった後は、間隔が広い第2のギャップ14が機能して静電気対策部品は引き続き動作することになり、これにより、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実に保護することができる効果の高い静電気対策部品が得られるものである。
なお、上記本発明の一実施の形態においては、絶縁基板11の上面に間隔が狭い第1のギャップ13と、この第1のギャップ13の間隔より間隔が広い第2のギャップ14とを備えた一対の引出電極12を形成した構成について説明したが、この構成に限定されるものではなく、図9に示すように、絶縁基板11の一方の面に間隔が狭い第1のギャップ13を有する一対の引出電極12を形成するとともに、絶縁基板11の他方の面に前記第1のギャップ13の間隔より間隔が広い第2のギャップ14を有する一対の引出電極12を形成するようにしてもよく、このような構成においても、上記した本発明の一実施の形態における静電気対策部品と同様の効果が得られるものである。この図9において、上記図1〜図6で示した本発明の一実施の形態における静電気対策部品と同様の構成部品については、同一番号を付しており、その説明は省略する。
このように絶縁基板11の一方の面および他方の面にそれぞれギャップを有する一対の引出電極12を形成することにより、絶縁基板11の両面を有効活用することができるため、静電気対策部品を小型化することができるものである。また、この図9に示す構成においては、再上面電極15の厚み(引出電極12の表面から再上面電極15の表面までの距離)を保護樹脂層19の厚み(引出電極12の表面から保護樹脂層19の表面までの距離)以上とすることにより、絶縁基板11の表裏どちらの面を実装面とした場合でも確実に実装できるようにしているものである。
また、上記本発明の一実施の形態においては、絶縁基板11の上面に間隔が狭い第1のギャップ13と、この第1のギャップ13の間隔より間隔が広い第2のギャップ14とを備えた一対の引出電極12を形成した構成について説明したが、この構成に限定されるものではなく、間隔の異なる2本以上のギャップを有する構成であれば、上記した本発明の一実施の形態と同様の効果が得られるものであるため、印刷や加工の精度が許す範囲でギャップの本数を3本以上としてもよいものである。
そしてまた、上記本発明の一実施の形態においては、第1のギャップ13を覆う過電圧保護材料層17と第2のギャップ14を覆う過電圧保護材料層17の組成は同じものを用いているが、別の組成のものを用いてもよく、また、第2のギャップ14を覆う過電圧保護材料層17に含まれる金属粉の含有割合を、第1のギャップ13を覆う過電圧保護材料層17に含まれる金属粉の含有割合より多くしてもよいもので、このような構成とすることにより、第2のギャップ14を覆う過電圧保護材料層17に含まれる金属粉の含有割合が高いため、電流は流れやすくなり、これにより、静電気を繰り返し印加していく際に第1のギャップ13が機能しなくなった時点で第2のギャップ14が動作する際のピーク電圧は規格値上限よりも十分低くなるため、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実に保護することができる効果がより一層高くなるものである。
さらに、上記本発明の一実施の形態においては、過電圧保護材料層17を完全に覆う中間層18を設けるとともに、この中間層18および前記過電圧保護材料層17を保護樹脂層19で完全に覆うようにしているため、静電気パルス印加時に生じる最外層に位置する保護樹脂層19の絶縁劣化を防ぐことができるものである。
さらにまた、上記本発明の一実施の形態においては、一対の引出電極12の一部に重なるように一対の再上面電極15を形成しているため、錫めっき層22と保護樹脂層19の隙間から流入する実装時のはんだが一対の引出電極12と直接接するということはなくなり、そしてはんだは再上面電極15と接するため、引出電極12にはんだ食われ現象が生じて抵抗値が上昇し静電気抑制効果が低下するということもなく、その結果、静電気抑制効果が常に安定している静電気対策部品が得られるものである。
また、上記本発明の実施の形態1においては、一対の引出電極を構成する導体12aを金を主成分とする材料で構成するという表現をしているが、これは、金を用いて引出電極12を構成した場合、何らかの不純物が混入している可能性があることを考慮して表現しているものであって、合金を意味するものではない。
本発明に係る静電気対策部品は、電子部品を静電気の繰り返し印加から確実の保護することができる効果の高い静電気対策部品が得られるという効果を有するものであり、特に電子機器を静電気から保護する微小サイズの静電気対策部品に適用することにより有用となるものである。
(a)本発明の一実施の形態における静電気対策部品の仕掛かり品の上面図、(b)同静電気対策部品の完成品における図1(a)のA−A線断面図 (a)〜(c)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(d)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(e)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(d)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 (a)(b)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 同静電気対策部品の静電気試験方法を示す模式図 同静電気対策部品の図7に示す静電気試験の試験結果を示す図 本発明の他の実施の形態における静電気対策部品の断面図 (a)従来の静電気対策部品の仕掛かり品の上面図、(b)同静電気対策部品の仕掛かり品の断面図
符号の説明
11 絶縁基板
12 一対の引出電極
13 第1のギャップ
14 第2のギャップ
17 過電圧保護材料層

Claims (4)

  1. 絶縁基板と、この絶縁基板の上面に対向するように形成された一対の引出電極と、この一対の引出電極間に形成されたギャップと、このギャップを覆う過電圧保護材料層とを備え、前記ギャップを少なくとも間隔が狭い第1のギャップと、この第1のギャップの間隔より間隔が広い第2のギャップとで構成した静電気対策部品。
  2. 絶縁基板と、この絶縁基板の一方の面および他方の面にそれぞれ対向するように形成された一対の引出電極と、これらの一対の引出電極間にそれぞれ形成されたギャップと、これらのギャップを覆う過電圧保護材料層とを備え、前記ギャップを前記絶縁基板の一方の面に位置し、かつ間隔が狭い第1のギャップと、前記絶縁基板の他方の面に位置し、かつ第1のギャップの間隔より間隔が広い第2のギャップとで構成した静電気対策部品。
  3. 第1のギャップの間隔と第2のギャップの間隔との差を5μm以上15μm以下とした請求項1または2に記載の静電気対策部品。
  4. 第1のギャップを覆う過電圧保護材料層と第2のギャップを覆う過電圧保護材料層とをそれぞれ独立して形成するようにした請求項1記載の静電気対策部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103988380A (zh) * 2011-12-12 2014-08-13 Tdk株式会社 静电应对元件
US9136702B2 (en) 2012-06-18 2015-09-15 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Electrostatic discharge protection device and composite electronic component including the same
US10013948B2 (en) 2014-12-01 2018-07-03 Samsung Display Co., Ltd. Display device having improved electrostatic discharge protection

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