JP2009152348A - 静電気対策部品 - Google Patents

静電気対策部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2009152348A
JP2009152348A JP2007328346A JP2007328346A JP2009152348A JP 2009152348 A JP2009152348 A JP 2009152348A JP 2007328346 A JP2007328346 A JP 2007328346A JP 2007328346 A JP2007328346 A JP 2007328346A JP 2009152348 A JP2009152348 A JP 2009152348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gap
width
electrode
extraction electrode
ceramic substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007328346A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Yoshioka
功一 吉岡
Takashi Morino
貴 森野
Masakatsu Nawate
優克 縄手
Kenji Nozoe
研治 野添
Takeshi Izeki
健 井関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007328346A priority Critical patent/JP2009152348A/ja
Publication of JP2009152348A publication Critical patent/JP2009152348A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は、高電圧の静電気パルスが印加されたとしても、ショート不良が発生し難く、かつピーク電圧も高いものを必要とせず、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の静電気対策部品は、第1の引出電極15と第2の引出電極16との間に位置して中間電極17を形成することにより、第1の引出電極15と中間電極17との間に第1のギャップ13を形成するとともに第2の引出電極16と中間電極17との間に第2のギャップ14を形成し、かつ第1のギャップ13の幅と第2のギャップ14の幅は、それらの総和が所定の幅xとほぼ同じになるように構成し、さらに中間電極17の幅は、第1のギャップ13の幅および第2のギャップ14の幅より大きくなるように構成するとともに、過電圧保護材料層18は、少なくとも第1のギャップ13、第2のギャップ14および中間電極17を覆うように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は電子機器を静電気から保護する静電気対策部品に関するものである。
近年、携帯電話等の電子機器の小型化、高性能化が急速に進み、それに伴い電子機器に用いられる電子部品の小型化も急速に進んでいる。しかしながら、その反面、この小型化に伴って電子機器や電子部品の耐電圧は低下するもので、これにより、人体と電子機器の端子が接触した時に発生する静電気パルスによって機器内部の電気回路が破壊するのが増えてきている。これは静電気パルスによって1ナノ秒以下の立ち上がり速度でかつ数百〜数キロボルトという高電圧が機器内部の電気回路に印加されるからである。
従来から、このような静電気パルスへの対策として、静電気が入るラインとグランド間に対策部品を設ける方法がとられているが、近年では信号ラインの伝送速度が数百Mbps以上といった高速化が進んでおり、前記した対策部品の浮遊容量が大きい場合には信号品質が劣るため、より小さい方が好ましく、したがって、数百Mbps以上の伝送速度になると1pF以下の低静電容量の対策部品が必要になってくるものである。
このような高速伝送ラインでの静電気対策として、従来においては、対向する引出電極のギャップ間に過電圧保護材料を充填するタイプの静電気対策部品が提案されている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−15831号公報
上記した対向する引出電極のギャップ間に過電圧保護材料を充填するタイプの静電気対策部品における特性発現のメカニズムは、対向する引出電極のギャップ間に静電気による過電圧が印加された際に、対向する引出電極のギャップ間の過電圧保護材料中に散在する導電粒子間あるいは半導体粒子間に放電電流のようなものが流れ、それを電流としてグランドにバイパスさせるというものである。特許文献1に記載の静電気対策部品では、図4(a)(b)に示すように、絶縁基板1上の導体2に所定の幅xを有するギャップ3を形成して一対の引出電極4を形成する場合に、レーザーで導体2を切断することによってギャップ3を形成する手法が開示されている。このギャップ3は幅が約10μmと狭く形成されるものであるため、この静電気対策部品に15kV以上の過大な静電気パルスが印加された場合には、静電気放電によって引出電極4を構成する金属がごく微量ではあるが溶解して、図4(c)に示すように、この溶解した金属の微粒子5がギャップ3内に付着し、これにより、ギャップ3がショートして静電気対策部品としての機能を果たさなくなるという可能性を有していた。
この課題を解決する方法として、従来においては、ギャップ3の所定の幅xを広げることによって微粒子5の付着に起因するショート不良を防ぐ方法が取られていたが、ギャップ3の所定の幅xを大きく広げた場合には、静電気対策部品のショート不良の発生は低減できるものの、この静電気対策部品を動作させるためには、高いピーク電圧が必要となり、その結果、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品を得ることができないものであった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、高電圧の静電気パルスが印加されたとしても、ショート不良が発生し難く、かつピーク電圧も高いものを必要とせず、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、セラミック基板と、このセラミック基板の上面の一端部に形成された第1の引出電極と、前記セラミック基板の上面の他端部に形成された第2の引出電極と、前記第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置して設けられた所定の幅x(μm)を有するギャップと、このギャップを少なくとも覆う過電圧保護材料層とを備え、前記第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置して前記セラミック基板の上に1個の中間電極を形成することにより、前記第1の引出電極と中間電極との間に第1のギャップを形成するとともに前記第2の引出電極と中間電極との間に第2のギャップを形成し、かつ前記第1のギャップの幅と第2のギャップの幅は、それらの総和の幅が前記ギャップの所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成し、さらに前記1個の中間電極の幅は、前記第1のギャップの幅および第2のギャップの幅より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層は、少なくとも前記第1のギャップ、第2のギャップおよび1個の中間電極を覆うように構成したもので、この構成によれば、第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置してセラミック基板の上に1個の中間電極を形成することにより、前記第1の引出電極と中間電極との間に第1のギャップを形成するとともに前記第2の引出電極と中間電極との間に第2のギャップを形成しているため、静電気対策部品に高電圧の静電気パルスが繰り返し印加された場合においても、引出電極や中間電極を構成する金属が微量に溶解して前記第1のギャップと第2のギャップの両方が同時にショートするということは極めて少なく、この場合は、いずれか一方のギャップのみがショートすることになって、いずれか他方のギャップはショートしていないため、このショートしていない他方のギャップで絶縁性能を維持することができ、これにより、高電圧の静電気パルスが繰り返し印加されたとしても、ギャップはショートし難くショート不良が発生し難くなるものである。また、前記第1のギャップの幅と第2のギャップの幅は、それらの総和の幅が前記ギャップの所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成しているため、ギャップを2本有することにより、みかけ上のギャップの幅が広がることになり、これにより、静電気対策部品を動作させるためのピーク電圧も抑えることができるため、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品が得られるものである。そしてまた、前記1個の中間電極の幅は、前記第1のギャップの幅および第2のギャップの幅より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層は、少なくとも前記第1のギャップ、第2のギャップおよび1個の中間電極を覆うように構成しているため、高電圧の静電気パルスが静電気対策部品に印加された場合においても、その時の放電によって中間電極が消失して第1のギャップと第2のギャップがつながってしまうということはなく、所定のピーク電圧で確実に動作する静電気対策部品が得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、第1のギャップの幅と第2のギャップの幅をほぼ等しくしたもので、この構成によれば、第1のギャップの幅と第2のギャップの幅をほぼ等しくしているため、第1のギャップがショートする確率と第2のギャップがショートする確率はほぼ等しく、両方のギャップがショートして静電気対策部品がショート不良になる確率は、いずれか一方のギャップがショートする確率の2乗にほぼ等しくなり、これにより、高電圧の静電気パルスが繰り返し印加されたとしても、ショート不良が発生し難い静電気対策部品が得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、セラミック基板と、このセラミック基板の上面の一端部に形成された第1の引出電極と、前記セラミック基板の上面の他端部に形成された第2の引出電極と、前記第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置して設けられた所定の幅x(μm)を有するギャップと、このギャップを少なくとも覆う過電圧保護材料層とを備え、前記第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置して前記セラミック基板の上に複数個の中間電極を形成することにより、前記第1、第2の引出電極とそれぞれ隣り合う中間電極との間および前記複数個の中間電極において隣り合う中間電極同士の間にそれぞれギャップを形成し、かつ前記それぞれのギャップの幅はそれらの総和の幅が前記ギャップの所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成し、さらに前記複数個の中間電極の幅は、前記それぞれのギャップの幅より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層は、少なくとも前記それぞれのギャップおよび複数個の中間電極を覆うように構成したもので、この構成によれば、第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置してセラミック基板の上に複数個の中間電極を形成することにより、前記第1、第2の引出電極とそれぞれ隣り合う中間電極との間および前記複数個の中間電極において隣り合う中間電極同士の間にそれぞれギャップを形成しているため、静電気対策部品に高電圧の静電気パルスが繰り返し印加された場合においても、引出電極や中間電極を構成する金属が微量に溶解して前記それぞれのギャップが同時にショートするということは極めて少なく、この場合は全部のギャップのうち、少なくとも1個のギャップはショートしていないため、このショートしていないギャップで絶縁性能を維持することができ、これにより、高電圧の静電気パルスが繰り返し印加されたとしても、ギャップはショートし難くショート不良が発生し難くなるものである。また、前記それぞれのギャップの幅はそれらの総和の幅が前記ギャップの所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成しているため、ギャップを複数本有することにより、みかけ上のギャップの幅が広がることになり、これにより、静電気対策部品を動作させるためのピーク電圧も抑えることができるため、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品が得られるものである。そしてまた、前記複数個の中間電極の幅は、前記それぞれのギャップの幅より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層は、少なくとも前記それぞれのギャップおよび複数個の中間電極を覆うように構成しているため、高電圧の静電気パルスが静電気対策部品に印加された場合においても、その時の放電によって複数の中間電極が消失してすべてのギャップがつながってしまうということはなく、所定のピーク電圧で確実に動作する静電気対策部品が得られるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の静電気対策部品は、第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置してセラミック基板の上に1個の中間電極を形成することにより、前記第1の引出電極と中間電極との間に第1のギャップを形成するとともに前記第2の引出電極と中間電極との間に第2のギャップを形成しているため、静電気対策部品に高電圧の静電気パルスが繰り返し印加された場合においても、引出電極や中間電極を構成する金属が微量に溶解して前記第1のギャップと第2のギャップの両方が同時にショートするということは極めて少なく、この場合は、いずれか一方のギャップのみがショートすることになって、いずれか他方のギャップはショートしていないため、このショートしていない他方のギャップで絶縁性能を維持することができ、これにより、高電圧の静電気パルスが繰り返し印加されたとしても、ギャップはショートし難くショート不良が発生し難くなるものである。また、前記第1のギャップの幅と第2のギャップの幅は、それらの総和の幅が前記ギャップの所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成しているため、ギャップを2本有することにより、みかけ上のギャップの幅が広がることになり、これにより、静電気対策部品を動作させるためのピーク電圧も抑えることができるため、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品が得られるものである。そしてまた、前記1個の中間電極の幅は、前記第1のギャップの幅および第2のギャップの幅より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層は、少なくとも前記第1のギャップ、第2のギャップおよび1個の中間電極を覆うように構成しているため、高電圧の静電気パルスが静電気対策部品に印加された場合においても、その時の放電によって中間電極が消失して第1のギャップと第2のギャップがつながってしまうということはなく、所定のピーク電圧で確実に動作する静電気対策部品が得られるという優れた効果を奏するものである。
以下、本発明の一実施の形態における静電気対策部品について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(e)は本発明の一実施の形態における静電気対策部品の製造方法を示す断面図、図2(a)〜(e)は同静電気対策部品の製造方法を示す上面図である。
まず、図1(a)および図2(a)に示すように、アルミナ等の誘電率が50以下、好ましくは10以下の低誘電率材料を900〜1300℃で焼成することにより得られるセラミック基板11の上面に、金を主成分とする導電性材料を配置することにより導体12を形成する。この導体12の形成に用いる金を主成分とする材料には金系の有機物ペースト(レジネートペースト)を用いて印刷・焼成することによって引出電極を形成することが、他の金系材料、例えば金系スパッタ等を選択するよりも生産性やコストの面から好ましいものである。導体12の焼成後の厚みは0.2〜2.0μmと薄く形成されるものである。図2(a)には、静電気対策部品の個片サイズである長辺がL(mm)で短辺がW(mm)の矩形状のセラミック基板11が示されており、以下の製造工程の説明でもこの個片サイズのセラミック基板11を用いて説明しているが、実際の製造工程では、このセラミック基板11を多数個縦横に得ることができるシート状のセラミック基板を用いて、後述する端子電極の形成工程前にシート状のセラミック基板を短冊状または個片状に分割しているものである。なお、ここで導体12はセラミック基板11の長辺側に余白を残して印刷しているが、セラミック基板11の短辺側に余白を残して印刷してもよいものである。
次に、図1(b)および図2(b)に示すように、導体12の略中央部の2箇所をUVレーザーを用いて切断することにより、第1のギャップ13および第2のギャップ14を形成して、セラミック基板11の上面に第1の引出電極15、第2の引出電極16および1個の中間電極17を形成する。ここで、第1のギャップ13の幅と第2のギャップ14の幅は、それらの総和の幅が、図4(b)に示される従来の静電気対策部品のギャップ3の所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように、すなわち、第1のギャップ13の幅と第2のギャップ14の幅をほぼ等しくして、それぞれx/2(μm)としているものである。なぜならば、ギャップ3が所定の幅x(μm)を有している場合は、静電気対策部品は所望のピーク電圧で動作するが、ギャップ3の幅が所定の幅より大きくなると、この静電気対策部品を動作させるためには、高いピーク電圧が必要となり、その結果、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品を得ることができなくなるものである。しかるに、本発明の一実施の形態のように導体12の略中央部に2本のギャップ13、14を形成すれば、みかけ上のギャップの幅が所定の幅よりも広がることになり、これにより、静電気対策部品を動作させるためのピーク電圧も抑えることができるため、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品が得られるものである。
また、前記導体12は金系の有機物ペーストを印刷・焼成することによって形成されているため、その厚みは0.2〜2.0μmと薄く、したがって、比較的低い出力のUVレーザーを用いて第1のギャップ13および第2のギャップ14を確実に精度良く形成することが可能となるものである。そしてまた、前記中間電極17の幅は、第1のギャップ13の幅および第2のギャップ14の幅より大きくなるように構成しているものである。なぜならば、中間電極17の幅が第1のギャップ13の幅および第2のギャップ14の幅よりも小さい場合には、高電圧の静電気パルスが印加された場合、その放電によって中間電極17が消失して第1のギャップ13と第2のギャップ14がつながってしまい、静電気対策部品としての機能を果たさなくなるからである。
なお、前記第1のギャップ13および第2のギャップ14の形成方法はUVレーザーを用いて導体12を切断する方法に限定されるものではなく、フォトリソプロセスによって導体12をエッチングすることにより形成してもよいものである。また、前記第1のギャップ13および第2のギャップ14はセラミック基板11の短辺とほぼ平行に形成しているが、セラミック基板11の長辺とほぼ平行に形成してもよいものである。この場合は、導体12を形成する際に、セラミック基板12の短辺側に余白を残して印刷しておくのが好ましい。
次に、平均粒径が0.3〜10μmで球状のNi、Al、Ag、Pd、Cu等のいずれかからなる金属粉とメチルシリコーン等のシリコーン系樹脂の混合物に適当な有機溶剤を加え、これらを3本ロールミルにより混練・分散させることによって、過電圧保護材料ペーストを作製した。そしてこの過電圧保護材料ペーストを、図1(c)および図2(c)に示すように、スクリーン印刷法を用いて印刷し、かつ150℃で5〜15分間乾燥させることにより過電圧保護材料層18を形成した。この場合、過電圧保護材料層18は、図1(c)および図2(c)に示すように、少なくとも第1のギャップ13、第2のギャップ14および1個の中間電極17を覆い、かつ第1の引出電極15および第2の引出電極16の一部を覆うようにパターン形成されるものである。また、この過電圧保護材料層18の乾燥後の厚みは、要求される静電気耐量のレベルに応じて5μm以上50μm以下の範囲に設定するのが、高電圧の静電気パルスに対する信頼性と製品の小型化形状を両立させる点で好ましいものである。
次に、図1(d)および図2(d)に示すように、過電圧保護材料層18を完全に覆うように、かつセラミック基板11の両端に第1の引出電極15および第2の引出電極16の端部が残った状態となるように保護膜19を形成した。この保護膜19はエポキシ樹脂、フェノール樹脂等からなる保護樹脂ペーストをスクリーン印刷法を用いて印刷し、かつ150℃で5〜15分間乾燥させ、その後、150〜200℃で15〜60分間硬化させることにより形成するものである。ここで、この保護膜19における過電圧保護材料層18上に位置する部分の硬化後の厚みは、高電圧の静電気パルスに対する信頼性と製品の小型化形状を両立させるために、10μm以上40μm以下としているものである。なお、この保護膜19は、製品の上面形状を平滑化するために2回以上の工程に分けて形成してもよいものである。
上記保護膜19を形成した後は、シート状のセラミック基板を短冊状に分割し、そして、この短冊状のセラミック基板の上面および裏面からスパッタを施すことによって、図1(e)および図2(e)に示すように、第1の引出電極15および第2の引出電極16の端部と電気的に接続されるようにセラミック基板11の両端部に端子電極20を形成した。そして、その後、短冊状のセラミック基板を個片状に分割してから、バレルめっき法によって端子電極20の表面にニッケルめっき(図示せず)および錫めっき(図示せず)を形成して、本発明の一実施の形態における静電気対策部品を得た。
上記製造方法によって製造された本発明の一実施の形態における静電気対策部品は、通常使用時(定格電圧下)においては、第1の引出電極15と第2の引出電極16の間に位置する第1のギャップ13および第2のギャップ14に存在する過電圧保護材料層18のシリコーン系樹脂が絶縁性を有するため、電気的にオープンになる。しかしながら、静電気パルス等の高電圧が印加された場合には、過電圧保護材料層18中のシリコーン系樹脂を介して存在する金属粒子間で放電電流が生じてインピーダンスが著しく減少するため、本発明の一実施の形態における静電気対策部品はその現象を利用して静電気パルス、サージ等の異常電圧をグランドにバイパスさせるものである。
ここで、ギャップ本数が1本からなる従来の静電気対策部品と本発明の一実施の形態における静電気対策部品において、静電気印加試験を実施した場合のショート不良発生率とピーク電圧を比較した。ショート不良発生率を測定する印加電圧は8kV、15kV、20kVの3水準とし、放電容量は150pF、放電抵抗は330Ω、気中放電で印加回数は10回とし、各測定条件においてサンプル数30個中ショート不良が発生したサンプル数を記録した。また、静電気対策部品が動作するピーク電圧の測定条件は、印加電圧8kV、放電容量150pF、放電抵抗330Ω、接触放電で印加回数1回とした。
Figure 2009152348
この(表1)から明らかなように、ギャップ本数が1本からなる従来の静電気対策部品においては、15kV以上の高電圧の静電気パルスが印加された場合、30個中3個以上のショート不良が発生していたが、本発明の一実施の形態における静電気対策部品においては、15kV以上の静電気パルスが印加された場合でも、ショート不良は発生し難いものである。これは、第1の引出電極15と第2の引出電極16との間に1個の中間電極17を形成して、前記第1の引出電極15と中間電極17との間に第1のギャップ13を形成するとともに前記第2の引出電極16と中間電極17との間に第2のギャップ14を形成しているため、静電気対策部品に高電圧の静電気パルスが繰り返し印加された場合においても、第1の引出電極15、第2の引出電極16や中間電極17を構成する金属が微量に溶解して前記第1のギャップ13と第2のギャップ14の両方が同時にショートするということは極めて少なく、この場合は、いずれか一方のギャップのみがショートすることになって、いずれか他方のギャップはショートしていないため、このショートしていない他方のギャップで絶縁性能を維持することができ、これにより、高電圧の静電気パルスが繰り返し印加されたとしても、ギャップはショートし難くショート不良が発生し難くなるからであると考えられる。
ここでは、前記中間電極17の幅を10〜30μmにして、第1のギャップ13の幅(5μm)および第2のギャップ14の幅(5μm)より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層18は、少なくとも第1のギャップ13、第2のギャップ14および1個の中間電極17を覆うように構成しているため、高電圧の静電気パルスが静電気対策部品に印加された場合においても、その時の放電によって中間電極17が消失して第1のギャップ13と第2のギャップ14がつながってしまうということはなく、所定のピーク電圧で確実に動作する静電気対策部品が得られるものである。ただ、中間電極17の幅を大きくすると、20kV以上の高電圧でのショート不良率が悪化するものである。これは、高電圧の静電気パルスが印加されると、静電気対策部品における第1の引出電極15、第2の引出電極16、中間電極17に急激な電子の流れが発生し、この電子の流れによって第1の引出電極15、第2の引出電極16、中間電極17から微量の金属が溶解するものであるが、中間電極17の幅が大きい場合には中間電極17に含まれる金属の量も多くなり、同じ電圧の静電気パルスが印加された場合でも溶解する金属の量が多くなって、ギャップがショートする可能性も高くなるものと考えられる。したがって、中間電極17の幅は第1のギャップ13の幅および第2のギャップ14の幅より大きくなるように構成する必要はあるものの、第1のギャップ13の幅および第2のギャップ14の幅の2倍以内に抑えるのが好ましいものである。
また、前記第1のギャップ13の幅と第2のギャップ14の幅は、それらの総和の幅が従来の静電気対策部品におけるギャップの所定の幅とほぼ同じになるように構成しているもので、このような構成にすれば、ギャップを2本有することにより、みかけ上のギャップの幅が広がることになり、これにより、静電気対策部品を動作させるためのピーク電圧も抑えることができるため、低いピーク電圧で動作する静電気対策部品が得られるものである。そしてまた、前記第1のギャップ13の幅と第2のギャップ14の幅をほぼ等しくすることにより、ギャップがショートする確率も第1のギャップ13と第2のギャップ14でほぼ等しくなるため、両方のギャップがショートして静電気対策部品がショート不良になる確率は、いずれか一方のギャップがショートする確率の2乗にほぼ等しくなり、その結果、ショート不良が発生し難い静電気対策部品が得られるものである。
ここで、ギャップの所定の幅とは、ギャップを1本有する従来の静電気対策部品の構成において所望のピーク電圧で静電気対策部品が動作するギャップの幅を意味しており、(表1)においては10μmである。(表1)の参考例に示すように、従来の静電気対策部品のギャップの所定の幅10μmと同じ幅のギャップを2本設けた場合には、ショート不良の抑制効果の点では優れているものの、みかけ上のギャップの幅が20μmに広がってしまうため、静電気対策部品の動作するピーク電圧は590Vと高くなり、その結果、十分な静電気保護効果が得られないものである。この傾向は、従来の静電気対策部品の構成において、ギャップの幅を所定の幅よりも大きくした場合(ギャップの幅が20μmのデータ参照)と同じ傾向である。
なお、上記本発明の一実施の形態においては、中間電極17を1個形成してギャップを2本形成する場合について説明したが、中間電極17を2個以上の複数個形成してもよく、この場合は、第1の引出電極15と第2の引出電極16との間に位置してセラミック基板11の上に複数個の中間電極を形成して前記第1、第2の引出電極15、16とそれぞれ隣り合う中間電極との間および前記複数個の中間電極において隣り合う中間電極同士の間にそれぞれギャップを形成し、かつ前記それぞれのギャップの幅はそれらの総和の幅が前記ギャップの所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成し、さらに前記複数個の中間電極の幅は、前記それぞれのギャップの幅より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層18は、少なくとも前記それぞれのギャップおよび複数個の中間電極を覆うように構成するものである。例えば図3に示すように、第1のギャップ21、第2のギャップ22、第3のギャップ23、第1の中間電極24、第2の中間電極25を有する構成とし、そして第1のギャップ21から第3のギャップ23までのそれぞれのギャップ幅を、それらの総和の幅が所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成し、さらに第1の中間電極24および第2の中間電極25の幅を、前記それぞれのギャップ幅よりも大きくなるように構成するもので、この構成においても、上記した本発明の一実施の形態における静電気対策部品と同様の効果が得られるものである。
本発明に係る静電気対策部品は、第1の引出電極と第2の引出電極に中間電極を設けることにより、ギャップを複数本形成したもので、この構成により、ショート不良が発生し難く、かつピーク電圧も低いピーク電圧で動作する静電気対策部品が得られるという効果を有するものであり、特に電子機器を静電気から保護する静電気対策部品に適用することにより有用となるものである。
(a)〜(e)本発明の一実施の形態における静電気対策部品の製造方法を説明するための断面図 (a)〜(e)同静電気対策部品の製造方法を説明するための上面図 本発明の他の実施の形態における静電気対策部品の製造方法を説明するための上面図 (a)〜(c)従来の静電気対策部品の製造方法を説明するための断面図
符号の説明
11 セラミック基板
13 第1のギャップ
14 第2のギャップ
15 第1の引出電極
16 第2の引出電極
17 中間電極
18 過電圧保護材料層
21 第1のギャップ
22 第2のギャップ
23 第3のギャップ
24 第1の中間電極
25 第2の中間電極

Claims (3)

  1. セラミック基板と、このセラミック基板の上面の一端部に形成された第1の引出電極と、前記セラミック基板の上面の他端部に形成された第2の引出電極と、前記第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置して設けられた所定の幅x(μm)を有するギャップと、このギャップを少なくとも覆う過電圧保護材料層とを備え、前記第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置して前記セラミック基板の上に1個の中間電極を形成することにより、前記第1の引出電極と中間電極との間に第1のギャップを形成するとともに前記第2の引出電極と中間電極との間に第2のギャップを形成し、かつ前記第1のギャップの幅と第2のギャップの幅は、それらの総和の幅が前記ギャップの所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成し、さらに前記1個の中間電極の幅は、前記第1のギャップの幅および第2のギャップの幅より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層は、少なくとも前記第1のギャップ、第2のギャップおよび1個の中間電極を覆うように構成した静電気対策部品。
  2. 第1のギャップの幅と第2のギャップの幅をほぼ等しくした請求項1記載の静電気対策部品。
  3. セラミック基板と、このセラミック基板の上面の一端部に形成された第1の引出電極と、前記セラミック基板の上面の他端部に形成された第2の引出電極と、前記第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置して設けられた所定の幅x(μm)を有するギャップと、このギャップを少なくとも覆う過電圧保護材料層とを備え、前記第1の引出電極と第2の引出電極との間に位置して前記セラミック基板の上に複数個の中間電極を形成することにより、前記第1、第2の引出電極とそれぞれ隣り合う中間電極との間および前記複数個の中間電極において隣り合う中間電極同士の間にそれぞれギャップを形成し、かつ前記それぞれのギャップの幅はそれらの総和の幅が前記ギャップの所定の幅x(μm)とほぼ同じになるように構成し、さらに前記複数個の中間電極の幅は、前記それぞれのギャップの幅より大きくなるように構成するとともに、前記過電圧保護材料層は、少なくとも前記それぞれのギャップおよび複数個の中間電極を覆うように構成した静電気対策部品。
JP2007328346A 2007-12-20 2007-12-20 静電気対策部品 Pending JP2009152348A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007328346A JP2009152348A (ja) 2007-12-20 2007-12-20 静電気対策部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007328346A JP2009152348A (ja) 2007-12-20 2007-12-20 静電気対策部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009152348A true JP2009152348A (ja) 2009-07-09

Family

ID=40921165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007328346A Pending JP2009152348A (ja) 2007-12-20 2007-12-20 静電気対策部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009152348A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011024780A1 (ja) * 2009-08-27 2011-03-03 株式会社村田製作所 Esd保護デバイスおよびその製造方法
US8421582B2 (en) 2009-09-30 2013-04-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. ESD protection device and manufacturing method therefor
CN103155312A (zh) * 2010-09-29 2013-06-12 株式会社村田制作所 Esd保护器件及其制造方法
CN103210456A (zh) * 2010-09-03 2013-07-17 埃普科斯股份有限公司 陶瓷器件和用于制造陶瓷器件的方法
JP2018037634A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 抵抗素子及び抵抗素子アセンブリ

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011024780A1 (ja) * 2009-08-27 2011-03-03 株式会社村田製作所 Esd保護デバイスおよびその製造方法
CN102484355A (zh) * 2009-08-27 2012-05-30 株式会社村田制作所 Esd保护器件及其制造方法
JP5246338B2 (ja) * 2009-08-27 2013-07-24 株式会社村田製作所 Esd保護デバイスおよびその製造方法
US8885312B2 (en) 2009-08-27 2014-11-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. ESD protection device and manufacturing method thereof
US8421582B2 (en) 2009-09-30 2013-04-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. ESD protection device and manufacturing method therefor
CN103210456A (zh) * 2010-09-03 2013-07-17 埃普科斯股份有限公司 陶瓷器件和用于制造陶瓷器件的方法
JP2013536989A (ja) * 2010-09-03 2013-09-26 エプコス アーゲー セラミックデバイス及びその製造方法
CN103155312A (zh) * 2010-09-29 2013-06-12 株式会社村田制作所 Esd保护器件及其制造方法
US9077174B2 (en) 2010-09-29 2015-07-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. ESD protection device and manufacturing method therefor
JP2018037634A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 抵抗素子及び抵抗素子アセンブリ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4697306B2 (ja) 静電気対策部品およびその製造方法
JP4844631B2 (ja) 静電気対策部品の製造方法
JP2007265713A (ja) 静電気保護材料ペーストおよびそれを用いた静電気対策部品
JP5029698B2 (ja) 静電気対策部品の製造方法
US9590417B2 (en) ESD protective device
JP5971416B2 (ja) Esd保護装置
JP2009301819A (ja) 静電気対策部品およびその製造方法
JP5206415B2 (ja) 静電気対策部品およびその製造方法
JP2009152348A (ja) 静電気対策部品
JP2009267202A (ja) 静電気対策部品
JP2009117735A (ja) 静電気対策部品およびその製造方法
KR101450417B1 (ko) 정전기 보호 부품 및 그 제조 방법
JP2008294325A (ja) 静電気保護素子とその製造方法
JP2010027636A (ja) 静電気対策部品
JP2007081012A (ja) 静電気対策部品の特性検査方法
CN101548347A (zh) 防静电部件以及其制造方法
JP2009194130A (ja) 静電気対策部品
KR100781487B1 (ko) 높은 써지 내량 과 빠른 반응 속도를 갖는 과전압 보호 칩
JP2008147271A (ja) 静電気対策部品およびその製造方法
JP2010182560A (ja) 電子部品の製造方法
KR20170141039A (ko) 기판 및 그 제조방법
CN108028514B (zh) 过电压保护器件和用于制造过电压保护器件的方法
JP2016157896A (ja) 過電圧保護部品および過電圧保護部品用の過電圧保護材料
JP2008172130A (ja) 静電気対策部品およびその製造方法
JP2010097791A (ja) 過電圧保護部品