JP2008172130A - 静電気対策部品およびその製造方法 - Google Patents

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Kenji Nozoe
研治 野添
Takeshi Izeki
健 井関
Koichi Yoshioka
功一 吉岡
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Abstract

【課題】本発明は、隣接する信号端子間でのクロストークの影響が少なく、信頼性に優れている複数回路用多端子タイプの静電気対策部品を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明の静電気対策部品は、絶縁基板11の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極17と、絶縁基板11の上面の短辺側両端部から中央部にかけて形成された上面グランド電極16と、複数の上面電極17と上面グランド電極16との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層20と、この過電圧保護材料層20を完全に覆う上面保護樹脂層21とを備え、前記過電圧保護材料層20を複数の上面電極17毎に独立するように形成したものである。
【選択図】図3

Description

本発明は電子機器を静電気から保護する静電気対策部品、特に集積回路の保護に用いる複数回路用多端子タイプの静電気対策部品およびその製造方法に関するものである。
近年、携帯電話等の電子機器の小型化、高性能化が急速に進み、それに伴い電子機器に用いられる電子部品の小型化も急速に進んでいる。しかしながら、その反面、この小型化に伴って電子機器や電子部品の耐電圧は低下するもので、これにより、人体と電子機器の端子が接触した時に発生する静電気パルスによって機器内部の電気回路が損傷するのが増えてきている。これは静電気パルスによって1ナノ秒以下の立ち上がり速度でかつ数百ボルトから数キロボルトという高電圧が機器内部の電気回路に印加されるからである。
従来から、このような静電気パルスへの対策として、静電気が入るラインとグランド間に対策部品を設ける方法がとられているが、近年では信号ラインの伝送速度が数百Mbps以上といった高速化が進んでおり、前記した対策部品の浮遊容量が大きい場合には信号品質が劣るため、より小さい方が好ましく、したがって、数百Mbps以上の伝送速度になると1pF以下の低静電容量の対策部品が必要になってくるものである。
このような高速伝送ラインでの静電気対策として、従来においては複数の信号端子とグランド端子を有する集積回路を静電気から保護するために複数の静電気対策部品を使用していた。ここで集積回路の信号端子とグランド端子の順序および間隔に対応させて実装効率を高めるために、複数の静電気対策部品を1個のチップ部品で提供することへの要望が高まってきている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2000−188368号公報
特許文献1に記載の従来の静電気対策部品においては、図13に示すように、集積回路のグランド端子に接続される共通電極1と、集積回路の複数の信号端子に接続される複数の上面電極2が、ギャップ3を隔てて絶縁基板4の上面に形成され、そして前記複数の上面電極2間の空間と、前記複数の上面電極2と前記共通電極1との間のギャップ3の両方を充填するように過電圧保護材料層5が形成されているものである。
上記した複数の上面電極2と共通電極1との間のギャップ3に過電圧保護材料層5を充填するタイプの静電気対策部品における特性発現のメカニズムは、複数の上面電極2と共通電極1との間のギャップ3に静電気による過電圧が印加された際に、複数の上面電極2と共通電極1との間のギャップ3に充填された過電圧保護材料層5中に散在する導電粒子間あるいは半導体粒子間に放電電流のようなものが流れ、それを電流としてグランド端子にバイパスさせるというものである。特許文献1に記載の従来の静電気対策部品では、複数の上面電極2間の空間を充填するように過電圧保護材料層5が形成されているため、隣接する信号端子の間においてクロストークが発生しやすくなり、また、アルミナからなる絶縁基板4と保護樹脂層との接合面積が小さいため、保護樹脂層の密着力が不足して信頼性が不十分なものであり、さらには、過電圧保護材料層5の使用量が多くなるため、コストダウンも困難であるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、隣接する信号端子間でのクロストークの影響が少なく、信頼性において優れている複数回路用多端子タイプの静電気対策部品およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と、この複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面電極と、前記絶縁基板の上面の短辺側両端部から中央部にかけて形成された上面グランド電極と、この上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の短辺側の端面に形成された端面グランド電極と、前記複数の上面電極と前記上面グランド電極との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層と、この過電圧保護材料層を完全に覆う上面保護樹脂層とを備え、前記過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成したもので、この構成によれば、過電圧保護材料層を複数の上面電極毎に独立するように形成しているため、集積回路の複数の信号端子に複数の上面電極が接続された場合、隣接する信号端子間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した複数回路用多端子タイプの静電気対策部品が得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と、この複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面電極と、前記絶縁基板の上面の短辺側両端部から中央部にかけて形成された上面グランド電極と、この上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の短辺側の端面に形成された端面グランド電極と、前記複数の上面電極と前記上面グランド電極との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層と、この過電圧保護材料層を完全に覆う上面保護樹脂層とを備え、前記過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成し、かつ前記複数の上面電極と前記上面グランド電極を前記絶縁基板の中心に対して点対称となる位置に形成したもので、この構成によれば、過電圧保護材料層を複数の上面電極毎に独立するように形成しているため、集積回路の複数の信号端子に複数の上面電極が接続された場合、隣接する信号端子間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した複数回路用多端子タイプの静電気対策部品が得られる。また、従来のように過電圧保護材料層を複数の上面電極間を充填するように形成する場合に比べて、絶縁基板と上面保護樹脂層とが接する面積が広くなるため、絶縁基板と上面保護樹脂層との密着力が高まり、これにより、静電気対策部品の信頼性が向上する。そしてまた、前記複数の上面電極と上面グランド電極を絶縁基板の中心に対して点対称となる位置に形成しているため、静電気対策部品を実装する向きが180度回転しても問題はなく、静電気対策部品の実装効率が向上するという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、絶縁基板の上面に金を主成分とする導体を形成する工程と、前記絶縁基板の上面の長辺側両端部に位置する複数の上面電極およびこの複数の上面電極とギャップを隔てて対向し前記絶縁基板の上面の短辺側両端部から中央部にかけて位置する上面グランド電極を形成するために前記導体の不要部分を除去する工程と、前記ギャップを充填する過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成する工程と、前記過電圧保護材料層を完全に覆うように上面保護樹脂層を形成する工程と、前記複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に端面電極を形成する工程と、前記上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の短辺側の端面に端面グランド電極を形成する工程とを備えたもので、この製造方法によれば、複数の上面電極と上面グランド電極との間に形成されるギャップを充填する過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成しているため、集積回路の複数の信号端子に複数の上面電極が接続された場合、隣接する信号端子間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した多端子タイプの静電気対策部品が得られる。また、従来のように過電圧保護材料層を複数の上面電極間を充填するように形成する場合に比べて、絶縁基板と上面保護樹脂層とが接する面積が広くなるため、絶縁基板と上面保護樹脂層との密着力が高まり、これにより、静電気対策部品の信頼性が向上するという作用効果を有するものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と、この複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面電極と、前記絶縁基板の上面の長辺側両端部における対角線上に位置する部分から中央部にかけて形成された上面グランド電極と、この上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面グランド電極と、前記複数の上面電極と前記上面グランド電極との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層と、この過電圧保護材料層を完全に覆う上面保護樹脂層とを備え、前記過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成したもので、この構成によれば、過電圧保護材料層を複数の上面電極毎に独立するように形成しているため、集積回路の複数の信号端子に複数の上面電極が接続された場合、隣接する信号端子間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した複数回路用多端子タイプの静電気対策部品が得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項5に記載の発明は、絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と、この複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面電極と、前記絶縁基板の上面の長辺側両端部における対角線上に位置する部分から中央部にかけて形成された上面グランド電極と、この上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面グランド電極と、前記複数の上面電極と前記上面グランド電極との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層と、この過電圧保護材料層を完全に覆う上面保護樹脂層とを備え、前記過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成し、かつ前記複数の上面電極と前記上面グランド電極を前記絶縁基板の中心に対して点対称となる位置に形成したもので、この構成によれば、過電圧保護材料層を複数の上面電極毎に独立するように形成しているため、集積回路の複数の信号端子に複数の上面電極が接続された場合、隣接する信号端子間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した複数回路用多端子タイプの静電気対策部品が得られる。また、従来のように過電圧保護材料層を複数の上面電極間を充填するように形成する場合に比べて、絶縁基板と上面保護樹脂層とが接する面積が広くなるため、絶縁基板と上面保護樹脂層との密着力が高まり、これにより、静電気対策部品の信頼性が向上する。そしてまた、前記複数の上面電極と上面グランド電極を絶縁基板の中心に対して点対称となる位置に形成しているため、静電気対策部品を実装する向きが180度回転しても問題はなく、静電気対策部品の実装効率が向上するという作用効果を有するものである。
本発明の請求項6に記載の発明は、絶縁基板の上面に金を主成分とする導体を形成する工程と、前記絶縁基板の上面の長辺側両端部に位置する複数の上面電極およびこの複数の上面電極とギャップを隔てて対向し前記絶縁基板の上面の長辺側両端部における対角線上に位置する部分から中央部にかけて位置する上面グランド電極を形成するために前記導体の不要部分を除去する工程と、前記ギャップを充填する過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成する工程と、前記過電圧保護材料層を完全に覆うように上面保護樹脂層を形成する工程と、前記複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に端面電極を形成する工程と、前記上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に端面グランド電極を形成する工程とを備えたもので、この製造方法によれば、複数の上面電極と上面グランド電極との間に形成されるギャップを充填する過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成しているため、集積回路の複数の信号端子に複数の上面電極が接続された場合、隣接する信号端子間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した多端子タイプの静電気対策部品が得られる。また、従来のように過電圧保護材料層を複数の上面電極間を充填するように形成する場合に比べて、絶縁基板と上面保護樹脂層とが接する面積が広くなるため、絶縁基板と上面保護樹脂層との密着力が高まり、これにより、静電気対策部品の信頼性が向上する。そしてまた、前記上面グランド電極と電気的に接続されるように絶縁基板の長辺側の端面に端面グランド電極を形成する工程を備えているため、絶縁基板の長辺側の端面に端面電極と端面グランド電極を同時に形成することができ、これにより、絶縁基板の長辺側の端面電極と絶縁基板の短辺側の端面グランド電極を別々に形成するものに比べ、製造工程が簡略化されて静電気対策部品のコストダウンが図れるという作用効果が得られるものである。
以上のように本発明の静電気対策部品は、絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と上面グランド電極との間に形成されたギャップを充填する過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成しているため、集積回路の複数の信号端子に複数の上面電極が接続された場合、隣接する信号端子間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した複数回路用多端子タイプの静電気対策部品が得られるという優れた効果を有するものである。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1,2に記載の発明について説明する。
図1(a)〜(c)、図2(a)〜(c)、図3(a)(b)および図4は本発明の実施の形態1における静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図である。なお、図1(a)〜(c)、図2(a)〜(c)および図3(a)(b)では、複数回路用多端子タイプの静電気対策部品の仕掛かり品の個片領域における上面図あるいは裏面図を示しているが、実際の製造工程においては、個片領域が縦横に複数個連なったシート状の絶縁基板を用いて製造されるものである。
まず、図1(a)に示すように、アルミナ等の誘電率が50以下、好ましくは10以下の低誘電率材料を900℃〜1600℃で焼成することにより得られる絶縁基板11の上面に、金レジネートペーストからなる導体12をスクリーン印刷して焼成する。この焼成により、導体12の焼成後の厚みは0.2μm〜2.0μmと薄く形成されるため、後述する絶縁基板11のダイシング工程においては、電極を形成する金属にバリは発生しにくく、安定した寸法形状が得られるものである。
次に、図1(b)に示すように、絶縁基板11の裏面に銀ペースト、銀パラジウムペースト等をスクリーン印刷して焼成することにより、複数の裏面電極13および裏面グランド電極14を形成する。この裏面電極13および裏面グランド電極14は、静電気対策部品を回路基板の配線パターン上に実装する際に、静電気対策部品の裏面にもはんだが浸入して安定した状態で実装できるという効果を狙って形成するものであり、後述する端面電極および端面グランド電極が絶縁基板11の裏面と接する部分まで回路基板の配線パターン形状に対応して形成されていれば、この裏面電極13および裏面グランド電極14は必ずしも形成する必要はないものである。
なお、前記裏面電極13および裏面グランド電極14の形成方法は、銀ペースト、銀パラジウムペースト等をスクリーン印刷して焼成する方法に限定されるものではなく、金レジネートペースト等の金を主成分とする材料を印刷して焼成することにより形成しても良いものである。ここで、金を主成分とする材料を用いて裏面電極13および裏面グランド電極14を形成した場合は、金のはんだ食われ対策として裏面電極13および裏面グランド電極14の上面に硬化用樹脂と銀の混合物ペーストからなる再裏面電極を形成するものである。
次に、図1(c)に示すように、絶縁基板11の上面に感光性のレジスト15を塗布し、このレジスト15をマスクパターン(図示せず)を通して露光し、この露光されたレジスト15の不要部分を現像して除去することにより、レジスト15に上面グランド電極および複数の上面電極となるパターンを形成する。
次に、図2(a)(b)に示すように、レジスト15で一対の上面グランド電極および複数の上面電極となるパターンを形成した絶縁基板11にエッチング処理を施して導体12の不要部分を除去することにより、絶縁基板11の上面の短辺側の両端部から中央部にかけて位置する上面グランド電極16と、絶縁基板11の長辺側の両端部に位置する複数の上面電極17と、この複数の上面電極17と上面グランド電極16との間に設けられる幅約10μmのギャップ18を形成する。ここで、裏面電極13および裏面グランド電極14を構成する材料がエッチング液で腐食されやすい材料の場合は、裏面電極13および裏面グランド電極14の腐食を抑制するために、エッチングを行う前に絶縁基板11の裏面をレジスト等を用いてマスキングしておく必要がある。
次に、図2(c)に示すように、上面グランド電極16および上面電極17の一部を覆い、かつ絶縁基板11の端面(シート状の絶縁基板における一次分割ラインと二次分割ライン)を覆わないように、樹脂と銀の混合物ペーストからなる再上面電極19をスクリーン印刷法を用いて3μm〜20μmの厚みで印刷し、かつ100℃〜200℃で5分〜15分間乾燥させることにより再上面電極19を形成する。この再上面電極19は、金を主成分とする材料からなる上面グランド電極16および上面電極17のはんだ食われ対策として形成するものである。
次に、図3(a)に示すように、絶縁基板11の上面にギャップ18(図示せず)、上面電極17および上面グランド電極16を覆うように過電圧保護材料ペーストをスクリーン印刷法を用いて5μm〜50μmの厚みで印刷し、かつ150℃〜200℃で5分〜15分間乾燥させることにより過電圧保護材料層20を複数の上面電極17毎に独立するように形成する。この過電圧保護材料層20を構成する過電圧保護材料ペーストは、平均粒径が0.3μm〜10μmで球状のNi,Al,Ag,Pd,Cuの少なくとも一種類からなる金属粉とメチルシリコーン等のシリコーン系樹脂の混合物に適当な有機溶剤を加え、これらを3本ロールミルにより混練して分散させることにより作製するものである。なお、ここでは、絶縁粒子とメチルシリコーンからなる中間層用ペーストをスクリーン印刷法を用いてギャップ18の上部に位置する過電圧保護材料層20とほぼ同じ大きさで、過電圧保護材料層20を完全に覆うように印刷して乾燥させることにより、中間層を形成しても良いものである。過電圧保護材料層20と中間層の乾燥後の厚みの和は、静電気耐量が所望の条件を満たすように30μm以上とするのが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、過電圧保護材料層20を完全に覆い、かつ絶縁基板11の端部に上面グランド電極16、上面電極17および再上面電極19の一部が残った状態となるように、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等からなる保護樹脂ペーストをスクリーン印刷法を用いて印刷し、かつ100℃〜150℃で5分〜15分間乾燥させ、その後、150℃〜200℃で15分〜60分間硬化させることにより、上面保護樹脂層21を形成する。この上面保護樹脂層21は絶縁基板11の上面に形成された機能素子を保護するだけでなく、絶縁基板11との密着性があまり良くない過電圧保護材料層20の密着力を高めて安定な特性が得られるようにする役割も担うものである。そして前記過電圧保護材料層20の上部に位置する上面保護樹脂層21の乾燥後の厚みは15μm〜35μmとなるようにする。
次に、図4に示すように、シート状の絶縁基板11をダイシング工法を用いて個片状に分割した後、硬化用樹脂と銀を主成分とする導電性ペーストを塗布して乾燥硬化させることにより、上面グランド電極16および裏面グランド電極14(図示せず)と電気的に接続される端面グランド電極22を形成し、その後、硬化用樹脂と銀を主成分とする導電性ペーストを塗布して乾燥硬化させることにより、上面電極17および裏面電極13(図示せず)と電気的に接続される端面電極23を形成する。さらに、バレルメッキ法を用いて上面グランド電極16、上面電極17、再上面電極19、端面グランド電極22、端面電極23、裏面電極13(図示せず)および裏面グランド電極14(図示せず)を覆うようにニッケルめっき層(図示せず)と、このニッケルめっき層(図示せず)を覆う錫めっき層(図示せず)を形成した後、完成品検査を経て本発明の実施の形態1における静電気対策部品を得ることができるものである。
図5は上記した本発明の実施の形態1における静電気対策部品を、集積回路素子24と共に回路基板25上に実装した状態を示した図であり、この図5を用いてその動作原理を説明する。なお、ここでは説明のために、本発明の実施の形態1における静電気対策部品の上面斜視図から上面保護樹脂層21を省略した図を示している。
図5から明らかなように、集積回路素子24の通常使用時(定格電圧下)においては、上面電極17と上面グランド電極16との間のギャップ18(図示せず)に存在する過電圧保護材料層20のシリコーン系樹脂が絶縁性を有するため、上面電極17と上面グランド電極16との間は電気的にオープンになり、そのため、集積回路素子24からの信号は回路基板25上に設けられた配線パターン26を通って伝達される。しかしながら、集積回路素子24の少なくとも1つの信号端子27に静電気パルス等の高電圧が印加された場合には、過電圧保護材料層20中のシリコーン系樹脂を介して存在する金属粒子間で放電電流が生じてインピーダンスが著しく減少するため、本発明の実施の形態1における静電気対策部品はその現象を利用して静電気パルス、サージ等の異常電圧を配線パターン26から端面電極23、上面電極17、過電圧保護材料層20、上面グランド電極16、端面グランド電極22を通ってグランド端子28にバイパスさせることにより、集積回路素子24を保護するものである。
上記した本発明の実施の形態1における静電気対策部品においては、過電圧保護材料層20を複数の上面電極17毎に独立するように形成しているため、集積回路素子24の複数の信号端子27に複数の上面電極17が接続された場合、隣接する信号端子27間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した複数回路用多端子タイプの静電気対策部品が得られるものである。また、従来のように過電圧保護材料層20を複数の上面電極17間を充填するように形成する場合に比べて、絶縁基板11と上面保護樹脂層21とが接する面積が広くなるため、絶縁基板11と上面保護樹脂層21との密着力が高まり、これにより、静電気対策部品の信頼性が向上するものである。そしてまた、複数の上面電極17と上面グランド電極16を絶縁基板11の中心に対して点対称となる位置に形成しているため、静電気対策部品を実装する向きが180度回転しても問題はなく、静電気対策部品の実装効率が向上するものである。
なお、上記本発明の実施の形態1においては、シート状の絶縁基板を個片状に分割する際に、ダイシング工法を用いた例について説明したが、このダイシング工法に限定されるものではなく、これ以外の方法、例えば、あらかじめ縦横の分割溝を有するシート状の絶縁基板を用いて機能素子を形成し、その後シート状の絶縁基板に応力を付加して分割する方法を用いても良いものである。
また、上記本発明の実施の形態1においては、絶縁基板11の裏面の長辺側両端部に形成された複数対の裏面電極13を電気的に接続しておらず、そして回路基板25上の配線パターン26を静電気対策部品が実装される面にも形成して集積回路素子24のそれぞれの信号端子27が電気的に接続されるようにしていたが、回路基板25上の配線パターン26を静電気対策部品が実装される面には形成せずに、絶縁基板11の裏面に複数対の裏面電極13をそれぞれ電気的に接続する裏面配線を形成し、この裏面配線を通して集積回路素子24のそれぞれの信号端子27が電気的に接続されるようにしても良いものである。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項1,2に記載の発明について説明する。
図6(a)〜(c)および図7(a)(b)は本発明の実施の形態2における静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図であり、以下、この製造方法について説明する。なお、図6(a)〜(c)および図7(a)(b)では、複数回路用多端子タイプの静電気対策部品の仕掛かり品の個片領域における上面図あるいは裏面図を示しているが、実際の製造工程においては、個片領域が縦横に複数個連なったシート状の絶縁基板を用いて製造されるものである。
まず、図6(a)に示すように、アルミナ等の誘電率が50以下、好ましくは10以下の低誘電率材料を900℃〜1600℃で焼成することにより得られる絶縁基板41の裏面に銀ペースト、銀パラジウムペースト等をスクリーン印刷して焼成することにより、複数の裏面電極42および裏面グランド電極43を形成する。この裏面電極42および裏面グランド電極43は、静電気対策部品を回路基板の配線パターン上に実装する際に、静電気対策部品の裏面にもはんだが浸入して安定した状態で実装できるという効果を狙って形成するものであり、後述する端面電極および端面グランド電極が絶縁基板41の裏面と接する部分まで回路基板の配線パターン形状に対応して形成されていれば、この裏面電極42および裏面グランド電極43は必ずしも形成する必要はないものである。
なお、前記裏面電極42および裏面グランド電極43の形成方法は、銀ペースト、銀パラジウムペースト等をスクリーン印刷して焼成する方法に限定されるものではなく、金レジネートペースト等の金を主成分とする材料を印刷して焼成することにより形成しても良いものである。ここで、金を主成分とする材料を用いて裏面電極42および裏面グランド電極43を形成した場合は、金のはんだ食われ対策として、裏面電極42および裏面グランド電極43の上面に硬化用樹脂と銀の混合物ペーストからなる再裏面電極を形成するものである。
次に、図6(b)に示すように、絶縁基板41の上面に、金レジネートペーストからなる導体44をスクリーン印刷して焼成する。この焼成により、導体44の焼成後の厚みは0.2μm〜2.0μmと薄く形成されるため、絶縁基板41のダイシング工程においては、後に上面グランド電極と上面電極となる導体にバリは発生しにくく、安定した寸法形状が得られるものである。
次に、図6(c)に示すように、導体44の不要部分をUVレーザー等を用いて切断除去することにより、絶縁基板41の短辺側の両端部から中央部にかけて位置する上面グランド電極45と、絶縁基板41の長辺側の両端部に位置する複数の上面電極46と、この複数の上面電極46と上面グランド電極45との間に設けられる幅約10μmのギャップ47を形成する。なお、このギャップ47の形成方法は、上記したUVレーザーカットに限定されるものではなく、ダイシング等の他の切断手段を用いて形成しても良いものである。
次に、図7(a)に示すように、上面電極46および上面グランド電極45の一部を覆い、かつ絶縁基板41の端面(シート状の絶縁基板における一次分割ラインと二次分割ライン)を覆わないように、樹脂と銀の混合物ペーストからなる再上面電極48をスクリーン印刷法を用いて3μm〜20μmの厚みで印刷し、かつ100℃〜200℃で5分〜15分間乾燥させることにより再上面電極48を形成する。この再上面電極48は、金を主成分とする材料からなる上面電極46および上面グランド電極45のはんだ食われ対策として形成するものである。
次に、図7(b)に示すように、絶縁基板41の上面にギャップ47(図示せず)と上面電極46を覆うように過電圧保護材料ペーストをスクリーン印刷法を用いて5μm〜50μmの厚みで印刷し、かつ150℃〜200℃で5分〜15分間乾燥させることにより過電圧保護材料層49を複数の上面電極46毎に独立するように形成する。この過電圧保護材料層49を構成する過電圧保護材料ペーストは、平均粒径が0.3μm〜10μmで球状のNi,Al,Ag,Pd,Cuの少なくとも一種類からなる金属粉とメチルシリコーン等のシリコーン系樹脂の混合物に適当な有機溶剤を加え、これらを3本ロールミルにより混練して分散させることにより作製するものである。なお、ここでは、絶縁粒子とメチルシリコーンからなる中間層用ペーストをスクリーン印刷法を用いてギャップ47の上部に位置する過電圧保護材料層49とほぼ同じ大きさで、過電圧保護材料層49を完全に覆うように印刷して乾燥させることにより、中間層を形成しても良いものである。過電圧保護材料層49と中間層の乾燥後の厚みの和は、静電気耐量が所望の条件を満たすように30μm以上とするのが好ましい。
この後、上面保護樹脂層、端面グランド電極、端面電極、ニッケルめっき層および錫めっき層を形成することにより、本発明の実施の形態2における静電気対策部品を得ることができるが、その工程は上記本発明の実施の形態1において図3(b)および図4を用いて説明した工程と同様であり、また、その静電気対策部品の動作原理も、本発明の実施の形態1において図5を用いて説明した動作原理と同様であるため、以下の工程ならびに動作原理の説明は省略する。
上記した本発明の実施の形態2における静電気対策部品においては、前述した本発明の実施の形態1において説明した効果に加えて、ギャップ47をUVレーザーを用いて形成しているため、幅約10μmの狭いギャップ47を精度良く形成することができ、これにより、過電圧保護特性の安定した複数回路用多端子タイプの静電気対策部品が得られるものである。
なお、上記本発明の実施の形態2においては、絶縁基板41の長辺側において上面電極46の間隔が一定である例について説明したが、図8に示すように上面電極46の間隔を中央で広く取るようにしても良いものである。この図8において、46aおよび46bは第1のデータラインに接続される上面電極であり、また46cおよび46dは第2のデータラインに接続される上面電極である。この場合、第1のデータラインに接続される上面電極46a,46bと第2のデータラインに接続される上面電極46c,46d間のクロストークの影響が最も大きく現れるため、上面電極46bと上面電極46cの間隔を他の間隔よりも広く取ってこの間のクロストークの影響を緩和することが、クロストークの影響を低減して高周波回路において信号品質の確保が確実で動作の安定した多端子タイプの静電気対策部品を得るのに有効な手段である。
また、本発明の実施の形態2においては、上面グランド電極45を絶縁基板41の短辺側両端部から中央部にかけて形成し、そしてこの上面グランド電極45の一方の端部と他方の端部が電気的に接続されている例について説明したが、図9に示すように、上面グランド電極45を絶縁基板41の短辺側両端部にそれぞれ独立するように形成しても良いものである。この構成によれば、めっき層形成時において上面グランド電極45に流れる電流と上面電極46に流れる電流との間にばらつきが少なくなるため、上面グランド電極45に形成されるめっき層と上面電極46に形成されるめっき層との間の厚みのばらつきが少なくなって、安定した寸法形状が得られるものである。
そしてまた、本発明の実施の形態2においては、絶縁基板41の上面の短辺側両端部から中央部にかけて上面グランド電極45を配置し、かつ絶縁基板41の上面の長辺側両端部に複数の上面電極46を配置した例について説明したが、この配置を逆にして、絶縁基板41の上面の長辺側両端部から中央部にかけて上面グランド電極45を配置し、かつ絶縁基板41の上面の短辺側両端部に複数の上面電極46を配置しても良いものである。この構成によれば、上面グランド電極45の面積を広くとることができるため、極めて高電圧の静電気が印加されて上面グランド電極45に大電流が流れる可能性のある回路に適用することができるものである。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項3,4に記載の発明について説明する。
図10(a)〜(c)、図11(a)〜(c)および図12は本発明の実施の形態3における静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図であり、以下、この製造方法について説明する。なお、図10(a)〜(c)および図11(a)〜(c)では、複数回路用多端子タイプの静電気対策部品の仕掛かり品の個片領域における上面図あるいは裏面図を示しているが、実際の製造工程においては、個片領域が縦横に複数個連なったシート状の絶縁基板を用いて製造されるものである。
まず、図10(a)に示すように、アルミナ等の誘電率が50以下、好ましくは10以下の低誘電率材料を900℃〜1600℃で焼成することにより得られる絶縁基板61の裏面に銀ペースト、銀パラジウムペースト等をスクリーン印刷して焼成することにより、複数の裏面電極62、裏面グランド電極63および裏面ダミー電極64を形成する。この裏面電極62、裏面グランド電極63および裏面ダミー電極64は、静電気対策部品を回路基板の配線パターン上に実装する際に、静電気対策部品の裏面にもはんだが浸入して安定した状態で実装できるという効果を狙って形成するものであり、後述する端面電極、端面グランド電極および端面ダミー電極が絶縁基板61の裏面と接する部分まで回路基板の配線パターン形状に対応して形成されていれば、この裏面電極62、裏面グランド電極63および裏面ダミー電極64は必ずしも形成する必要はないものである。また、前記裏面ダミー電極64は、裏面グランド電極63をシート状の絶縁基板61に印刷する際に、裏面グランド電極63の印刷位置が絶縁基板61の個片領域の短辺と平行な方向にずれた場合でも、裏面グランド電極63が絶縁基板61の端部に接するようにして、後述する端面グランド電極との電気的接続が確保されるように形成するものである。
なお、前記裏面電極62、裏面グランド電極63および裏面ダミー電極64の形成方法は、銀ペースト、銀パラジウムペースト等をスクリーン印刷して焼成する方法に限定されるものではなく、金レジネートペースト等の金を主成分とする材料を印刷して焼成することにより形成しても良いものである。ここで、金を主成分とする材料を用いて裏面電極62および裏面グランド電極63を形成した場合は、金のはんだ食われ対策として、裏面電極62および裏面グランド電極63の上面に硬化用樹脂と銀の混合物ペーストからなる再裏面電極を形成するものである。
次に、図10(b)に示すように、絶縁基板61の上面に、金レジネートペーストからなる導体65と上面ダミー電極66をスクリーン印刷して焼成する。この焼成により、導体65と上面ダミー電極66の焼成後の厚みは0.2μm〜2.0μmと薄く形成されるため、絶縁基板61のダイシング工程においては、後に上面グランド電極と上面電極となる導体65と上面ダミー電極66にバリは発生しにくく、安定した寸法形状が得られるものである。なお、ここで上面ダミー電極66は、後述する上面グランド電極の一部を構成する導体65をシート状の絶縁基板61に印刷する際に、導体65の印刷位置が絶縁基板61の個片領域の短辺と平行な方向にずれた場合でも、導体65が絶縁基板61の端部に接するようにして、後述する上面グランド電極と端面グランド電極との電気的接続が確保されるように形成するものである。
次に、図10(c)に示すように、導体65の不要部分をUVレーザー等を用いて切断除去することにより、絶縁基板61の長辺側両端部における対角線上に位置する部分から中央部にかけて位置する上面グランド電極67と、絶縁基板61の長辺側の両端部に位置する複数の上面電極68と、この複数の上面電極68と上面グランド電極67との間に設けられる幅約10μmのギャップ69を形成する。なお、このギャップ69の形成方法は、上記したUVレーザーカットに限定されるものではなく、ダイシング等の他の切断手段を用いて形成しても良く、また、上記本発明の実施の形態1で説明したようにフォトリソ工法(ウェットエッチング工法)で形成しても良いものである。
次に、図11(a)に示すように、上面電極68および上面グランド電極67の一部を覆い、かつ絶縁基板61の端面(シート状の絶縁基板における一次分割ラインと二次分割ライン)を覆わないように、樹脂と銀の混合物ペーストからなる再上面電極70をスクリーン印刷法を用いて3μm〜20μmの厚みで印刷し、かつ100℃〜200℃で5分〜15分間乾燥させることにより再上面電極70を形成する。この再上面電極70は、金を主成分とする材料からなる上面電極68および上面グランド電極67のはんだ食われ対策として形成するものである。
次に、図11(b)に示すように、絶縁基板61の上面にギャップ69(図示せず)と上面電極68を覆うように過電圧保護材料ペーストをスクリーン印刷法を用いて5μm〜50μmの厚みで印刷し、かつ150℃〜200℃で5分〜15分間乾燥させることにより過電圧保護材料層71を複数の上面電極68毎に独立するように形成する。この過電圧保護材料層71を構成する過電圧保護材料ペーストは、平均粒径が0.3μm〜10μmで球状のNi,Al,Ag,Pd,Cuの少なくとも一種類からなる金属粉とメチルシリコーン等のシリコーン系樹脂の混合物に適当な有機溶剤を加え、これらを3本ロールミルにより混練して分散させることにより作製するものである。なお、ここでは、絶縁粒子とメチルシリコーンからなる中間層用ペーストをスクリーン印刷法を用いてギャップ69の上部に位置する過電圧保護材料層71とほぼ同じ大きさで、過電圧保護材料層71を完全に覆うように印刷して乾燥させることにより、中間層を形成しても良いものである。過電圧保護材料層71と中間層の乾燥後の厚みの和は、静電気耐量が所望の条件を満たすように30μm以上とするのが好ましい。
次に、図11(c)に示すように、過電圧保護材料層71を完全に覆い、かつ絶縁基板61の端部に上面ダミー電極66、上面電極68、上面グランド電極67および再上面電極70の一部が残った状態となるように、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等からなる保護樹脂ペーストをスクリーン印刷法を用いて印刷し、かつ100℃〜150℃で5分〜15分間乾燥させ、その後、150℃〜200℃で15分〜60分間硬化させることにより、上面保護樹脂層72を形成する。この上面保護樹脂層72は絶縁基板61の上面に形成された機能素子を保護するだけでなく、絶縁基板61との密着性があまり良くない過電圧保護材料層71の密着力を高めて安定な特性が得られるようにする役割も担うものである。そして前記過電圧保護材料層71の上部に位置する上面保護樹脂層72の乾燥後の厚みは15μm〜35μmとなるようにする。
次に、図12に示すように、シート状の絶縁基板61をダイシング工法を用いて個片状に分割した後、硬化用樹脂と銀を主成分とする導電性ペーストを塗布して乾燥硬化させることにより、上面電極68および裏面電極62(図示せず)と電気的に接続される端面電極73、上面グランド電極67および裏面グランド電極63(図示せず)と電気的に接続される端面グランド電極74、上面ダミー電極66および裏面ダミー電極64(図示せず)と電気的に接続される端面ダミー電極75を同時に形成する。さらに、バレルメッキ法を用いて上面電極68、上面グランド電極67、上面ダミー電極66、再上面電極70、端面電極73、端面グランド電極74、端面ダミー電極75、裏面電極62(図示せず)、裏面グランド電極63(図示せず)および裏面ダミー電極64(図示せず)を覆うようにニッケルめっき層(図示せず)と、このニッケルめっき層(図示せず)を覆う錫めっき層(図示せず)を形成した後、完成品検査を経て本発明の実施の形態3における静電気対策部品を得ることができるものである。
上記した本発明の実施の形態3における静電気対策部品の製造方法においては、前述した本発明の実施の形態1における効果に加えて、上面グランド電極67と電気的に接続されるように絶縁基板61の長辺側の端面に端面グランド電極74を形成する工程を備えているため、絶縁基板61の長辺側の端面に端面電極73と端面グランド電極74を同時に形成することができ、これにより、前述した本発明の実施の形態1における静電気対策部品の製造方法のように端面電極23と端面グランド電極22をそれぞれ別個の工程で形成する必要はなくなるため、製造工程が簡略化されて静電気対策部品のコストダウンが図れるという作用効果が得られるものである。
なお、上記本発明の実施の形態3における静電気対策部品の動作原理は、前述した本発明の実施の形態1において図5を用いて説明した動作原理と同様であるため、その説明は省略する。
本発明に係る静電気対策部品は、絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と上面グランド電極との間に形成されたギャップを充填する過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成することにより、集積回路素子の複数の信号端子に複数の上面電極が接続された場合に隣接する信号端子間でクロストークの影響が生じることは少なくなり、これにより、高周波回路においても信号品質の確保が確実で動作の安定した複数回路用多端子タイプの静電気対策部品が得られるという効果を有するものであり、特に集積回路素子を静電気から保護する複数回路用多端子タイプの静電気対策部品に適用することにより有用となるものである。
(a)〜(c)本発明の実施の形態1における静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(c)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 (a)(b)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 同静電気対策部品の動作原理を示す図 (a)〜(c)本発明の実施の形態2における静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 (a)(b)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 本発明の静電気対策部品の他の実施の形態を示す図 同静電気対策部品の他の実施の形態を示す図 (a)〜(c)本発明の実施の形態3における静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 (a)〜(c)同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 同静電気対策部品の製造方法を示す製造工程図 従来の静電気対策部品の仕掛かり品の上面図
符号の説明
11 絶縁基板
12 導体
16 上面グランド電極
17 上面電極
18 ギャップ
20 過電圧保護材料層
21 上面保護樹脂層
22 端面グランド電極
23 端面電極
41 絶縁基板
44 導体
45 上面グランド電極
46 上面電極
46a〜46d 上面電極
47 ギャップ
49 過電圧保護材料層
61 絶縁基板
65 導体
67 上面グランド電極
68 上面電極
69 ギャップ
71 過電圧保護材料層
72 上面保護樹脂層
73 端面電極
74 端面グランド電極

Claims (6)

  1. 絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と、この複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面電極と、前記絶縁基板の上面の短辺側両端部から中央部にかけて形成された上面グランド電極と、この上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の短辺側の端面に形成された端面グランド電極と、前記複数の上面電極と前記上面グランド電極との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層と、この過電圧保護材料層を完全に覆う上面保護樹脂層とを備え、前記過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成した静電気対策部品。
  2. 絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と、この複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面電極と、前記絶縁基板の上面の短辺側両端部から中央部にかけて形成された上面グランド電極と、この上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の短辺側の端面に形成された端面グランド電極と、前記複数の上面電極と前記上面グランド電極との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層と、この過電圧保護材料層を完全に覆う上面保護樹脂層とを備え、前記過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成し、かつ前記複数の上面電極と前記上面グランド電極を前記絶縁基板の中心に対して点対称となる位置に形成した静電気対策部品。
  3. 絶縁基板の上面に金を主成分とする導体を形成する工程と、前記絶縁基板の上面の長辺側両端部に位置する複数の上面電極およびこの複数の上面電極とギャップを隔てて対向し前記絶縁基板の上面の短辺側両端部から中央部にかけて位置する上面グランド電極を形成するために前記導体の不要部分を除去する工程と、前記ギャップを充填する過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成する工程と、前記過電圧保護材料層を完全に覆うように上面保護樹脂層を形成する工程と、前記複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に端面電極を形成する工程と、前記上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の短辺側の端面に端面グランド電極を形成する工程とを備えた静電気対策部品の製造方法。
  4. 絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と、この複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面電極と、前記絶縁基板の上面の長辺側両端部における対角線上に位置する部分から中央部にかけて形成された上面グランド電極と、この上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面グランド電極と、前記複数の上面電極と前記上面グランド電極との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層と、この過電圧保護材料層を完全に覆う上面保護樹脂層とを備え、前記過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成した静電気対策部品。
  5. 絶縁基板の上面の長辺側両端部に形成された複数の上面電極と、この複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面電極と、前記絶縁基板の上面の長辺側両端部における対角線上に位置する部分から中央部にかけて形成された上面グランド電極と、この上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に形成された端面グランド電極と、前記複数の上面電極と前記上面グランド電極との間に形成されたギャップと、このギャップを充填する過電圧保護材料層と、この過電圧保護材料層を完全に覆う上面保護樹脂層とを備え、前記過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成し、かつ前記複数の上面電極と前記上面グランド電極を前記絶縁基板の中心に対して点対称となる位置に形成した静電気対策部品。
  6. 絶縁基板の上面に金を主成分とする導体を形成する工程と、前記絶縁基板の上面の長辺側両端部に位置する複数の上面電極およびこの複数の上面電極とギャップを隔てて対向し前記絶縁基板の上面の長辺側両端部における対角線上に位置する部分から中央部にかけて位置する上面グランド電極を形成するために前記導体の不要部分を除去する工程と、前記ギャップを充填する過電圧保護材料層を前記複数の上面電極毎に独立するように形成する工程と、前記過電圧保護材料層を完全に覆うように上面保護樹脂層を形成する工程と、前記複数の上面電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に端面電極を形成する工程と、前記上面グランド電極と電気的に接続されるように前記絶縁基板の長辺側の端面に端面グランド電極を形成する工程とを備えた静電気対策部品の製造方法。
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