JP5377368B2 - 発泡ポリウレタンおよびその製造方法、ならびに発泡ポリウレタンで構成された自動車用防振部材 - Google Patents
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Description
まず、溶融工程において熱可塑性ポリウレタン組成物を加熱により溶融状態とする。具体的には、熱可塑性ポリウレタン組成物を、ホッパーなどより、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内に送入し、熱可塑性ポリウレタン組成物の融点あるいは可塑化温度以上の温度、具体的には160〜240℃の温度にて加熱することにより溶融状態とする。
つぎに、溶解工程において溶融状態の熱可塑性ポリウレタン組成物に超臨界状態の非反応性ガスを混合し、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物とする。具体的には、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内にて溶融状態に保たれた熱可塑性ポリウレタン組成物に、超臨界状態の窒素ガス、二酸化炭素ガスなどの非反応性ガスを混合し、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物とする。例えば、超臨界状態の非反応性ガスは、液化(または気化)状態の非反応性ガスを貯蔵するボンベより定量ポンプに注入され、該定量ポンプ内で昇圧され、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内にて溶融状態に保たれた熱可塑性ポリウレタン組成物に混合される。このとき、樹脂溶融シリンダー内に存在する非反応性ガスが超臨界状態であると、溶融状態の熱可塑性ポリウレタン組成物に対する溶解拡散効果が大幅に高まり、短時間で溶融状態にある熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物中に浸透する。溶解工程において、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内の設定温度は、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物の温度を160〜240℃の範囲内とするために、165〜245℃とすることが好ましい。
つぎに、射出成形工程において、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を金型に射出成形する。具体的には、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内に存在する非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を、例えば射出プランジャーを備える射出装置に送入し、かかる射出装置にて計量した後、金型内に射出する。本発明に係る製造方法においては、射出成形工程における非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物の射出量と、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物中の非反応性ガスの混合量とを調整することにより、任意の比重および発泡倍率を有する発泡ウレタンを製造することができる。
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準分子量ポリプロピレングリコール(PPG)により換算した。測定したMwをMnで除することで、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。GPCを使用した測定条件は以下のとおりである。
GPC装置:LC−10A(島津製作所社製)
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.7ml/min
室温(25℃)測定
カラム温度:40℃
使用カラム:PLMix E2本(Polymer Laboratories社製)
試料濃度:0.3wt%
試料注入量:40μl
標準物質:標準分子量PPG(Mp=4950,2100,1060,810,470,192)
直径30mm×厚さ12.5mmの直円柱形状の発泡ウレタン試験片を作製して、JIS K7312に準拠して圧縮永久歪(%)を測定した。圧縮永久歪が小さいほど、耐ヘタリ性に優れることを意味する。
製造した発泡ポリウレタンにおいて、ボイドの発生の有無を目視にて確認した。ボイドが存在する場合を「有り」、存在しない場合を「無し」とした。
ポリテトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成された熱可塑性ポリウレタン(「E380−MNAT」、日本ポリウレタン工業社製)100重量部を、90℃にて5時間以上乾燥させた。この熱可塑性ポリウレタンと、ポリテトラメチレングリコールおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成されたイソシアネート末端プレポリマー(「クロスネートEM30」(数平均分子量1800)、大日精化工業社製)10重量部と、表1に記載の各種シリコン系界面活性剤(熱可塑性ポリウレタン100重量部に対するシリコン系界面活性剤の各配合部数は表1に記載)と、をMuCell型射出成形機(日本製鋼所社製)のホッパーから樹脂溶融シリンダー内に送入して溶融し(溶融工程)、さらに超臨界状態の窒素ガス(非反応性ガス)を、熱可塑性ポリウレタン組成物に対して0.1重量%となるように樹脂溶融シリンダー内に送入して混合し、窒素ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物とした(溶解工程)。また、溶解工程における樹脂溶融シリンダー内の設定温度は200℃に設定し、このときの窒素ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物の温度は195℃であった。さらに、195℃の窒素ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を、40℃に設定した金型内に射出成形し、5分間放置後に金型より脱型して発泡ポリウレタンを製造した。かかる発泡ポリウレタンを使用して、上記特性評価を行った結果を表1に示す。
L−5340:重量平均分子量(Mw)=5800、数平均分子量(Mn)=2160、分子量分布2.69、日本ユニカー社製
L−5420:重量平均分子量(Mw)=4840、数平均分子量(Mn)=1210、分子量分布4.00、日本ユニカー社製
SZ−1705:重量平均分子量(Mw)=8740、数平均分子量(Mn)=1980、分子量分布4.41、東レダウコーニング社製
SZ−1666:重量平均分子量(Mw)=4440、数平均分子量(Mn)=1490、分子量分布2.98、東レダウコーニング社製
SF−2908:重量平均分子量(Mw)=5200、数平均分子量(Mn)=820、分子量分布6.34、東レダウコーニング社製
SF−2939:重量平均分子量(Mw)=7060、数平均分子量(Mn)=2300、分子量分布3.07、東レダウコーニング社製
SF−2937F:重量平均分子量(Mw)=3500、数平均分子量(Mn)=2000、分子量分布1.75、東レダウコーニング社製
SF−2938F:重量平均分子量(Mw)=3350、数平均分子量(Mn)=1900、分子量分布1.76、東レダウコーニング社製
SF−2915F:重量平均分子量(Mw)=5110、数平均分子量(Mn)=3120、分子量分布1.64、東レダウコーニング社製
SF−2969:重量平均分子量(Mw)=998、数平均分子量(Mn)=907、分子量分布1.10、東レダウコーニング社製
SH−192:重量平均分子量(Mw)=5650、数平均分子量(Mn)=620、分子量分布9.11、東レダウコーニング社製
SH−193:重量平均分子量(Mw)=3000、数平均分子量(Mn)=1300、分子量分布2.31、東レダウコーニング社製
SZ−1923:重量平均分子量(Mw)=6060、数平均分子量(Mn)=270、分子量分布22.44、東レダウコーニング社製
SZ−1932:重量平均分子量(Mw)=5590、数平均分子量(Mn)=260、分子量分布21.50、東レダウコーニング社製
274DL:重量平均分子量(Mw)=1370、数平均分子量(Mn)=570、分子量分布2.40、東レダウコーニング社製
シリコン系界面活性剤を使用しないこと以外は、上記と同じ方法によって発泡ポリウレタンを製造した。かかる発泡ポリウレタンを使用して、上記特性評価を行った結果を表1に示す。
Claims (5)
- 溶融状態の熱可塑性ポリウレタン組成物に超臨界状態の非反応性ガスを混合して得られる非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を、金型に射出成形することにより得られる発泡ポリウレタンであって、
前記熱可塑性ポリウレタン組成物が、熱可塑性ポリウレタンと、イソシアネート末端プレポリマーと、シリコン系界面活性剤と、を含有するものであることを特徴とする発泡ポリウレタン。 - 前記シリコン系界面活性剤が、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルとの共重合体であり、かつ前記シリコン系界面活性剤の分子量分布(Mw/Mn)が2.5〜7.5である請求項1に記載の発泡ポリウレタン。
- 請求項1または2に記載の発泡ポリウレタンで構成された自動車用防振部材。
- 熱可塑性ポリウレタン組成物を加熱により溶融状態とする溶融工程と、溶融状態の前記熱可塑性ポリウレタン組成物に超臨界状態の非反応性ガスを混合し、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物とする溶解工程と、前記非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を金型に射出成形する射出成形工程と、を含む発泡ポリウレタンの製造方法であって、
前記熱可塑性ポリウレタン組成物が、熱可塑性ポリウレタンと、イソシアネート末端プレポリマーと、シリコン系界面活性剤と、を含有するものであることを特徴とする発泡ポリウレタンの製造方法。 - 前記シリコン系界面活性剤が、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルとの共重合体であり、かつ前記シリコン系界面活性剤の分子量分布(Mw/Mn)が2.5〜7.5である請求項4に記載の発泡ポリウレタンの製造方法。
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