JP2002201301A - ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体及びその製造方法 - Google Patents

ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体及びその製造方法

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JP2002201301A
JP2002201301A JP2001313943A JP2001313943A JP2002201301A JP 2002201301 A JP2002201301 A JP 2002201301A JP 2001313943 A JP2001313943 A JP 2001313943A JP 2001313943 A JP2001313943 A JP 2001313943A JP 2002201301 A JP2002201301 A JP 2002201301A
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urethane
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foam
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Ryuji Haseyama
龍 二 長谷山
Masahiko Hashiba
場 正 彦 橋
Kaoru Yoda
田 馨 依
Shigeo Nishikawa
川 茂 雄 西
Yoko Shimada
田 陽 子 島
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係るウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物発泡体の製造方法は、ウレタン系熱可塑性
エラストマー(A−1)及びその他の熱可塑性エラスト
マー(A−2)からなり、質量比(A−1/A−2)が
20/80〜99/1である溶融状態のウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(A)100質量部に対して0.1〜3
0質量部の二酸化炭素(B)を添加、混合し、溶融ウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物(C)を形成する工
程(ガス溶解工程)と、前記溶融ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物(C)の温度を低下させる工程(冷却
工程)とを含むことを特徴としている。 【効果】 低発泡製品から高発泡製品のウレタン系熱可
塑性エラストマー発泡体が品質一定で製造可能である。
また、柔軟性、断熱性、表面外観に優れた発泡体を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物発泡体、その製造方法及び該発泡体から
なる成型物または積層体に関する。さらに詳しくは、特
定のウレタン系熱可塑性エラストマーと必要に応じてそ
の他の熱可塑性エラストマーとの組成物と、発泡剤とし
て二酸化炭素を用いて得られる、発泡体の品質が一定で
あるウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体、そ
の製造方法及び該発泡体からなる成型物又は積層体に関
する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、柔軟性、緩衝特性に優れる
発泡体として、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどから
なる発泡体が用いられてきた。また、熱成形性に優れる
発泡体として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどからなる発泡体が用いられてきた。
【0003】ポリエチレン発泡体の製造方法は、例えば
特公昭41−6278号公報に開示されているが、この
方法で製造される発泡体は真空成形などの熱成形性に優
れるものの、柔軟な緩衝特性を示さないという問題があ
った。また熱可塑性ポリウレタン発泡体の製造方法とし
ては、特開平7−157588号公報に開示されてい
る、アゾジカルボンアミド等熱分解型発泡剤を用いる化
学発泡が知られている。化学発泡においては熱可塑性ポ
リウレタンの一部が分解して発泡するため、セル荒れが
発生しやすく、また高分子量の発泡体を製造することが
困難であった。
【0004】このため、永久伸び、ヒシテリス、 セル
の均一性、および耐熱性のいずれにも優れる発泡体の出
現が望まれていた。またそのような発泡体の簡便な製造
方法及びそれらを用いた成形体、積層体等の出現が望ま
れていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、永久伸び、ヒシテリス、セル
の均一性、耐熱性に優れた発泡体、詳しくは熱可塑性ポ
リウレタンを含有する組成物(100%熱可塑性ポリウ
レタン樹脂であるものも含む。以下特に断りが無い限り
熱可塑性ポリウレタン組成物とはこの組成物を意味す
る)から得られる発泡体、その発泡体を製造する方法、
さらにはその発泡体から得られる成型体、積層体を提供
することを目的としている。
【0006】また本願発明は熱可塑性ポリウレタン組成
物を容易に発泡させる方法をも提供するものである。
【0007】
【発明の概要】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭
意研究し、永久伸び、ヒステリス、セルの均一性、耐熱
性に優れた熱可塑性ポリウレタン組成物から得られる発
泡体を見出した。また、特定のウレタン系熱可塑性エラ
ストマーとその他の熱可塑性エラストマーを任意の組成
比で配合したウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
と、発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡すると、様々
な発泡倍率の発泡体が得られ、熱可塑性ポリウレタン発
泡体が簡便に得られることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明に係るウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発
泡体は、熱可塑性ポリウレタン樹脂を20質量%以上含
有する熱可塑性ポリウレタン樹脂含有組成物からなる発
泡体であって、その発泡体の平均セル径が0.1μm以
上1000μm以下であり、平均セル数が103〜1016
/cm3であり、永久伸びが1%以上100%以下であ
り、嵩密度が0.03以上1.10g/cm3以下であるこ
とを特徴としている。
【0009】前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物発泡体の融点(Tm1)と未発泡体の融点(Tm2)は下
記式(1) Tm1―Tm2≧5℃ (1) を満たすことが好ましい。クロロホルム不溶分は、前記
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体中に10
質量%以上含有されていることが好ましい。
【0010】前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物発泡体を、クロロホルムで抽出した後の残さが20質
量%以上であり、クロロホルム抽出後の残さの5%重量
減少温度が180℃以上であることが好ましい。本発明
に係るウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の
第1の製造方法は、ウレタン系熱可塑性エラストマー
(A−1)及びその他の熱可塑性エラストマー(A−
2)からなり、(A−1)と(A−2)の質量比(A−
1/A−2)が20/80〜99/1である溶融状態のウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)に、該ウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物(A)100質量部
に対して0.1〜30質量部の二酸化炭素(B)を添
加、混合し、前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物(A)と二酸化炭素(B)との混合状態の溶融ウレタ
ン系熱可塑性エラストマー組成物(C)を形成する工程
(ガス溶解工程)と、前記溶融ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(C)の温度を低下させる工程(冷却工
程)とを含むことを特徴としている。
【0011】また、本発明に係るウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物発泡体の第2の製造方法は、溶融状態
の熱可塑性ポリウレタン樹脂に、該ウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物(A)100質量部に対して0.1
〜30質量部の二酸化炭素(B)を添加、混合し、前記
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)と二酸化
炭素(B)との混合状態の溶融ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(C)を形成する工程(ガス溶解工程)
と、ついで前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組
成物(C)の温度を低下させる工程(冷却工程)を経て
得られた前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物(C)を、前記冷却工程よりも低い圧力に制御された
空間に充填または移送し、前記溶融ウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物(C)中にセル核を発生させた後、
発泡倍率を制御しながら発泡する工程(発泡制御工程)
とを含むことを特徴とするものである。
【0012】前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物(A)は、メルトフローレート(ASTMD-1238-65T)が
0.5〜50g/10分であることが好ましい。前記ウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)が、前記ウ
レタン系熱可塑性エラストマー(A−1)と、メルトフ
ローレート(ASTMD-1238-65T)が0.01g/10分以
上50g/10分未満であるその他の熱可塑性エラスト
マー(A−2)とからなり、前記ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物(A)100質量部に対して、前記そ
の他の熱可塑性エラストマー(A−2)が5〜60質量
部の量で含まれることが好ましい。
【0013】前記ガス溶融工程での前記溶融ウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物の温度が100〜240℃
の範囲にあり、冷却工程での前記溶融ウレタン系熱可塑
性エラストマー組成物の温度が前記ガス溶融工程での温
度よりも10〜100℃低い範囲にあることが好まし
い。前記二酸化炭素(B)の添加量は、前記ウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物(A)100質量部に対し
て0.1〜20質量部の量であることが好ましい。
【0014】前記二酸化炭素(B)は、超臨界状態の二
酸化炭素(B−1)であることが好ましい。前記ガス溶
解工程における二酸化炭素の添加方法は、二酸化炭素を
液体状態に維持したまま二酸化炭素を吐出するためのポ
ンプに注入し、該ポンプからの二酸化炭素の吐出圧力を
二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)〜40MPaの範囲内
で一定圧力となるようにして、前記ポンプから二酸化炭
素を吐出した後、吐出された二酸化炭素を二酸化炭素の
臨界温度(31℃)以上に昇温して超臨界二酸化炭素と
してから、溶融状態のウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物に添加するものであることが好ましい。
【0015】前記ウレタン系熱可塑性エラストマー(A
−1)は、ウレタン結合、ウレア結合、チアウレタン結
合およびチオウレア結合からなる群から選ばれる少なく
とも1種を含むアモルファスポリマー、半結晶性ポリマ
ー、液晶ポリマー、熱可塑性ポリマー並びにエラストマ
ーからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが
好ましい。
【0016】本発明に係るウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物発泡体は、さらに、ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー(A−1)及びその他の熱可塑性エラストマー
(A−2)からなり、前記(A−1)と(A−2)との
質量比(A−1/A−2)が20/80〜99/1である溶融状
態のウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)に、
該ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)100
質量部に対して0.1〜30質量部の二酸化炭素(B)
を添加し、前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
(A)と二酸化炭素(B)との混合状態の溶融ウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物(C)を形成する工程
(ガス溶解工程)と、前記溶融ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(C)の温度を低下させる工程(冷却工
程)とを経て得られる、平均セル径が0.1μm以上1
000μm以下であり、平均セル数が103〜1016個/c
3であり、永久伸びが1%以上100%以下であり、
嵩密度が0.03以上1.10g/cm3以下であることを
特徴としている。
【0017】またさらに、本発明に係るウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物発泡体は、溶融状態のウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物(A)に、該ウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物(A)100質量部に対し
て0.1〜30質量部の二酸化炭素(B)を添加し、前
記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)と二酸
化炭素(B)との混合状態の溶融ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物(C)を形成する工程(ガス溶解工
程)と、前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物(C)の温度を低下させる工程(冷却工程)と、前記
ガス溶融工程と前記冷却工程とを経て得られる前記溶融
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(C)を、前記
冷却工程よりも低い圧力に制御された空間に充填または
移送し、前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物(C)中にセル核を発生させた後、発泡倍率を制御し
ながら発泡する工程(発泡制御工程)とを経て得られ
る、平均セル径が0.1μm以上1000μm以下であ
り、平均セル数が103〜1016個/cm3であり、永久伸び
が1%以上100%以下であり、嵩密度が0.03以上
1.10g/cm3以下であることを特徴としている。
【0018】本発明に係る積層体は、前記ウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物発泡体を含んでいる。本発明
に係る成型物は前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組
成物発泡体からなる。このような本発明によれば、大き
さの揃った微細な気泡が発泡体全体に、ムラなく均一に
分布しており、表面状態が良好で外観に優れ、しかも柔
軟性、力学的特性などにも優れる高品位のポリウレタン
系発泡体を得ることができる。特に二酸化炭素を用いて
発泡することにより、フロンガスや有機溶剤などを使用
することなく、円滑に、且つ高い生産性で提供すること
ができ、環境対策、安全性に優れる。
【0019】さらに、本発明によれば、熱可塑性樹脂
(TPU等)を使用原料にしているため、リサイクル性
に優れ、環境負荷の低い、ウレタン系熱可塑性樹脂材料
として、提供することができる。本発明のウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物の発泡体から得られる成形体
等は、軽量性、柔軟性、断熱性および表面外観に優れ、
たとえば、自動車、車両、船舶の内装材、緩衝材、断熱
材、家屋など建築物の内装材として好適に用いることが
できる。本発明のポリウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物の発泡体は積層体に好適に用いることができる。
【0020】
【発明の具体的説明】本発明に係るウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物発泡体は、熱可塑性ポリウレタン樹
脂を20質量%以上含有する熱可塑性ポリウレタン樹脂
含有組成物からなる発泡体であって、その発泡体の平均
セル径は0.1μm 以上 1000μm以下であり、平
均セル数は103 〜 1016 個/cm3であり、永久のび
は1%以上100%以下であり、嵩密度は0.03以上
1.10g/cm3以下である。この発泡体は例えば熱可塑
性ポリウレタン樹脂に、必要に応じてその他の熱可塑性
樹脂等を添加、溶融し、超臨界炭酸ガスを混合、発泡す
ることによって得られる。
【0021】以下まず発泡体から説明する。[熱可塑性
ポリウレタン樹脂を含有する組成物から得られる発泡
体]本発明のウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発
泡体(以下「発泡体」ということがある。)は、熱可塑
性ポリウレタン樹脂を20質量%以上含有する熱可塑性
ポリウレタン樹脂含有組成物からなる発泡体であって、
その発泡体の平均セル径は0.1μm 以上1000μ
m以下であり、平均セル数は103〜1016個/cm3であ
り、永久のびは1%以上100%以下であり、嵩密度は
0.03以上1.10g/cm3以下である。
【0022】前記平均セル径は0.1 μm以上200
μm以下が好ましく、0.1μm以上 100μm以下
が更に好ましい。前記平均セル数は104 個/cm3以上
1016個/cm3以下が好ましく、105個/cm3以上1016
個/cm3以下であることが更に好ましい。前記永久伸
びは1%以上60%以下が好ましく、1%以上50%以
下が更に好ましい。
【0023】前記嵩密度は0.03g/cm3以上1.0
g/cm3以下が好ましく、0.03g/cm3以上0.9
g/cm3以下が更に好ましい。本発明の発泡体は、発泡
体の融点(Tm1)と該発泡体が未発泡体であるときの融
点(Tm2)との差(Tm1―Tm2)が、下記式(1) Tm1―Tm2≧5℃ (1) を満たすことが好ましく、その差(Tm1―Tm2)は、さ
らに好ましくは10 ℃以上、特に好ましくは15 ℃以
上であることが望ましい。
【0024】なお、発泡体が未発泡であるときの融点と
は、前記熱可塑性ポリウレタン樹脂を20質量%以上含
有する熱可塑性ポリウレタン樹脂含有組成物と同じ樹脂
組成物で、発泡させずに硬化させて得られる組成物の融
点である。本発明の発泡体のクロロホルム不溶分が10
質量%以上であることが好ましく、20%以上であるこ
とが更に好ましく50質量%以上が特に好ましい。
【0025】本発明の発泡体のクロロホルムで抽出した
後の残さは、好ましくは20質量%以上、さらに好まし
くは50質量%以上であり、その発泡体をクロロホルム
で抽出した後の残さの5%重量減少温度が、好ましくは
180℃以上、さらに好ましくは240℃以上であるこ
とが望ましい。なお、発泡体のクロロホルム不溶分と
は、後述するクロロホルム不溶解分と同義(ゲル含量)
である。
【0026】発泡体をクロロホルムで抽出した後の残さ
とは、クロロホルム不溶分でかつ300メッシュの金網
を通らなかったものを意味している。発泡体をクロロホ
ルムで抽出した後の残さの5%質量減少温度とは、クロ
ロホルム不溶分をTG−DTAにより測定した5%重量
減少温度を意味している。本発明の発泡体のMFRは、
好ましくは0.01g/10分以上50g/10分以
下、さらに好ましくは0.1 g/10分以上40g/
10分以下であることが望ましい。発泡体のMFRを測定
する場合は発泡体の最大幅が3mm以下となるように裁断
し、シリンダーに充填後、6分放置し、ガス抜きをした
後に測定する。
【0027】本発明の発泡体の結晶化熱は、好ましくは
5j/g以上、さらに好ましくは8j/g以上であることが
望ましい。本発明の発泡体が耐溶剤性、耐熱性 、永久
伸び等の性能を必要とする場合は、発泡体は、該発泡体
の全質量に対してアロファネート結合を好ましくは0.
01mmol/g以上、さらに好ましくは0.1mmol/g以上含
有することが望ましい。
【0028】本発明の発泡体が耐水性、耐溶剤性、耐熱
性等の性能を必要とする場合はウレア結合が、発泡体の
全質量に対して好ましくは0.1mmol/g以下、さらに好
ましくは0.05mmol/g以下含有されていることが望ま
しい。[熱可塑性ポリウレタン樹脂]本願発明に用いられ
る熱可塑性ポリウレタン樹脂は通常の熱可塑性ポリウレ
タン樹脂の製造に用いられる有機ポリイソシアネート化
合物と活性水素を有する化合物と、必要に応じてその他
の添加剤の共存下反応することにより製造することがで
きる。活性水素化合物はポリオール、又はポリオールを
主成分とする活性水素化合物を用いることが好ましい。
これらはそれぞれ単独でも複数を併用してもよい。
【0029】本発明に係るウレタン系熱可塑性組成物発
泡体は、少なくとも熱可塑性ポリウレタン樹脂を含む熱
可塑性ポリウレタン樹脂含有組成物を発泡させて得られ
るものであり、熱可塑性ポリウレタン樹脂の他に、必要
に応じ、その他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。こ
の熱可塑性ポリウレタン樹脂含有組成物中、前記熱可塑
性ポリウレタン樹脂は、熱可塑性ポリウレタン樹脂とそ
の他の熱可塑性樹脂の合計量に対して、20〜100質
量%、好ましくは20〜99質量%、さらに好ましくは
40〜95質量%、特に好ましくは50〜90質量%の
割合で含まれることが望ましい。
【0030】この場合、後述するように、発泡方法1で
は、ウレタン系熱可塑性樹脂とその他の熱可塑性エラス
トマーとを必須成分とし、発泡方法2では、その他の熱
可塑性エラストマーを必要に応じ用いることから、上記
熱可塑性ポリウレタン樹脂の割合で20〜100質量%
については発泡方法2に適用され、その他は、発泡方法
1、2に適用することができる。
【0031】熱可塑性ポリウレタン樹脂のメルトフロー
レート(ASTMD-1238-65T)は、好ましくは0.5〜50
g/10分の範囲、さらに好ましくは0.5〜20g/
10分の範囲、特に好ましくは0.5〜10/10分の
範囲にあるものが望ましい。これらの熱可塑性ポリウレ
タン樹脂のなかでは、ウレタン系熱可塑性エラストマー
(A−1)を用いることが好ましい。
【0032】また、その他の熱可塑性樹脂としては、そ
の他の熱可塑性エラストマー(A−2)が望ましい。ま
た、前記熱可塑性ポリウレタン樹脂含有組成物に加え、
必要に応じて軟化剤等その他添加剤を併用してもよい。
したがって、本発明で用いる前記熱可塑性ポリウレタン
樹脂含有組成物としては、ウレタン系熱可塑性エラスト
マー(A−1)と、必要に応じ、その他の熱可塑性エラ
ストマー(A−2)とからなるウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(A)を用いることが望ましい。
【0033】したがって、第2の製造方法にも用いられ
るウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)につい
ても、メルトフローレート(ASTMD-1238-65T)は、好ま
しくは0.5〜50g/10分の範囲、さらに好ましく
は0.5〜20g/10分の範囲、特に好ましくは0.
5〜10/10分の範囲にあるものが望ましい。また、
第2の製造方法に用いられるウレタン系熱可塑性エラス
トマーは単独のウレタン系熱可塑性エラストマーでも複
数を併用してもよい。
【0034】以下、前記ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー(A−1)、その他の熱可塑性エラストマー(A−
2)について説明する。 <ウレタン系熱可塑性エラストマー(A−1)>ウレタ
ン熱可塑性エラストマー(A−1)は、イソシアネート
化合物とポリオール化合物等の活性水素化合物と必要に
応じて鎖伸長剤等をウレタン化反応させることにより合
成された樹脂である。これらは発泡体製造時に同時に製
造しても、あらかじめ製造していたものを使用しても、
また市販のものを購入して使用してもよい。
【0035】イソシアネート化合物としては、炭素数
(NCO基中の炭素を除く)6〜20の芳香族ジイソシア
ネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素
数4-15脂環式ジイソシアネート、炭素数4-15の芳香脂肪
族ジイソシアネートおよびこれらのジイソシアネートの
変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネー
ト基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウ
レトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基
含有変性物など)が含まれる。
【0036】具体的には、トリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシク
ロメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、ノルボルナンジメチル
イソシアナート等が挙げられる。活性水素化合物として
はポリオール化合物、ポリアミン化合物等が挙げられ
る。
【0037】ポリオール化合物としては、具体的には、
エステル系、アジペート系、エーテル系、ラクトン系、
カーボネート系のポリオール化合物が挙げられる。又、
鎖伸長剤としては低分子ジオール又はアルキレンジアミ
ン等が挙げられる。エステル系及びアジペート系のポリ
オール化合物としては、たとえば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブテンジ
オール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、ネオペ
ンチルジオール、ペンタンジオール等の多価アルコール
と、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、マレイン酸、芳香族カルボン酸等
の2塩基酸との縮合反応により得られる化合物が挙げら
れる。
【0038】エーテル系のポリオール化合物としては、
たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンエ
ーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げ
られる。ラクトン系のポリオール化合物としては、たと
えば、ポリカプロラクトングリコール、ポリプロピオラ
クトングリコール、ポリバレロラクトングリコール等が
挙げられる。
【0039】カーボネート系のポリオール化合物として
は、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ペンタンジオール、オクタンジ
オール、ノナンジオール等の多価アルコールと、ジエチ
レンカーボネート、ジプロピレンカーボネート等との脱
アルコール反応により得られる化合物が挙げられる。 (市販のウレンタン系熱可塑性エラストマー)市販のウ
レタン系熱可塑性エラストマーとしては、たとえば、ペ
レセン2103シリーズ(PTMGエーテル型)、21
02シリーズ(カプロエステル型)2355シリーズ
(ポリエステルアジペート型)、2363シリーズ(P
TMGエーテル型)(以上商品名、ダウ・ケミカル社
製)、レザミンP−1000シリーズ及びP−7000
シリーズ(アジペート型エステルタイプ)、P−200
0シリーズ(エーテルタイプ)、P−4000シリーズ
(カプロラクトンタイプ),P−800シリーズ(カー
ボネートタイプ)(以上商品名、大日精化社製)、パン
デックスTシリーズ(商品名、デイアイシーバイエルポ
リマー社製)、ミラクトランEタイプ、Pタイプ(商品
名、日本ミラクトラン社製)、エラストラン(商品名、
武田バーデイシェウレタン工業社製)、モルセン(商品
名、モートン社製造品)等が挙げられる。(これらを、
以下、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)と
言うことがある。) 上記ウレタン系熱可塑性エラストマーのうちでは、発泡
剤の含浸量を多くすることができ、発泡圧力を低くする
ことができることから、アジペート系の樹脂を使用する
ことが好ましい。さらに、樹脂硬度が80(ショアー
A)以下であるTPUが、発泡圧力を常圧程度で処理す
ることができることからより好ましい。
【0040】このようなウレタン系熱可塑性エラストマ
ー(A−1)のうち、メルトフローレート(ASTMD-1238
-65T)は、好ましくは0.5〜50g/10分、さらに
好ましくは0.5〜20g/10分、特に好ましくは
0.5〜10/10分の範囲にあるウレタン系熱可塑性
エラストマー(A−1)を用いることが望ましい。メル
トフローレートはASTMD-1238-65Tに従って測定した。
【0041】<その他の熱可塑性エラストマー(A−
2)>永久伸び、耐熱性、メルトテンション、又は耐溶
剤性、耐水性等の少なくとも1種以上の性能が向上して
いることが好ましい用途においは、前記ウレタン系熱可
塑性エラストマー(A−1)と共にその他の熱可塑性エ
ラストマー(A−2)を併用することが好ましい。メル
トテンションを向上させると高発泡倍率の発泡体を得る
ことができるので低密度の発泡体等を必要とするときに
は容易に製造することができ好ましい。
【0042】前記その他の熱可塑性エラストマー(A−
2)としては、メルトフローレートが、0.01g/1
0分以上50g/10分未満の範囲であることが好まし
くは、0.1〜20g/10分の範囲であることが更に
好ましく、0.2〜20g/10分の範囲であることが
特に好ましい。メルトフローレートはASTMD-1238-65Tに
従って測定した。
【0043】このようなその他の熱可塑性エラストマー
(A−2)は、前記ウレタン熱可塑性エラストマー(A
−1)との質量比(A−1/A−2(合計を100とす
る))で、発泡方法2では、好ましくは20/80〜1
00/0、さらに発泡方法1、2では、好ましくは20
/80〜99/1、さらに好ましくは40/60〜95
/5、特に好ましくは50/50〜90/10の割合で
用いられることが望ましい。
【0044】その他の熱可塑性エラストマー(A−2)
を上記割合で用いると、発泡倍率に優れた発泡体とな
る。また、本発明で用いる前記ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(A)は、必要に応じ、その他の熱可塑
性エラストマー(A−2)として、ウレタン系熱可塑性
エラストマー(A−1)と異なるその他の熱可塑性ウレ
タンエラストマーを50質量%以上含んでいてもよい。
【0045】このような本発明において用いることがで
きるその他の熱可塑性エラストマー(A−2)として
は、スチレン系樹脂、(例えば、ポリスチレン、ブタジ
エン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン
共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共
重合体等)、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン樹脂、エチレン−エチルアク
リレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ
アリーレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリ
ビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
ステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等)、生分解性ポリエステル
樹脂(例えば、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸
縮合物、ポリブチレンサクシネートのようなジオールと
ジカルボン酸の縮合物等)、ポリエステルエラストマー
(TPEE)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラ
バン酸、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサ
ルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケト
ン、液晶ポリマー等が挙げられる。
【0046】これらは、1種単独で、または複数を併用
して用いてもよい。これらのその他の熱可塑性エラスト
マー(A−2)のなかで、オレフィン系熱可塑性エラス
トマーを併用する場合、特に非架橋型ゴム状物質の場合
は、架橋剤と混合し、加熱下で混練しても架橋しにく
く、流動性を低下させにくい炭化水素系のゴム状物質で
あるポリイソブチレン、ブチルゴム、プロピレン含量が
70モル%以上のプロピレン・エチレンランダム共重合
体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体等が好ま
しく用いられる。
【0047】これらのうちでは、ポリイソブチレン、ブ
チルゴムが性能および取扱い上、好ましい。特にムーニ
ー粘度[MLl+4(100℃)]が80以下であるポリ
イソブチレン、ブチルゴムが、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーに対する流動性を改善する点で好ましい。前
記その他の熱可塑性ウレタンエラストマー(A−2)を
用いる場合、ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
(A)100質量部中、(A−2)を5〜60質量部、
好ましくは5〜30質量部の割合で用いることができ
る。
【0048】<その他添加剤>本発明では、軟化剤
(D)、可塑剤、ワックス類、分散剤、相溶化剤、架橋
剤、架橋助剤、プロセスオイル、付着防止剤、顔料、耐
候安定剤、酸化防止剤、充填剤、繊維補強材、着色剤、
結晶化促進剤、防菌・防カビ剤、帯電防止剤、金属粉等
を目的、用途に応じ適宜使用することが可能である。
【0049】ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
(A)の流動性を向上させることが好ましい場合は、可
塑剤、ワックス類、分散剤、相溶化剤等の少なくとも1
種を、ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物と併用す
ることが好ましい。これらその他添加剤は発泡体の製造
時それぞれを独立して添加しても、複数を同時に添加し
てもよく、さらにはそれぞれを適宜、熱可塑性ポリウレ
タンや、必要に応じて添加されるその他熱可塑性エラス
トマー(A−2)等に添加して用いてもよい。 (軟化剤(D))本発明で用いられるウレタン系熱可塑
性エラストマー組成物(A)は、軟化剤(D)を併用し
てもよい。
【0050】このような軟化剤(D)としては、通常、
ゴムをロール加工する際、ゴムの分子間力を弱め加工を
容易にするとともに、カーボンブラック等の分散を助
け、あるいは加硫ゴムの硬度を低下せしめて、柔軟性を
増す目的で使用されている高沸点の石油留分が挙げられ
る。このような石油留分は、パラフィン系、ナフテン
系、あるいは芳香族系等に区分されたものを用いること
ができる。
【0051】本発明において例えばゴムに使用される軟
化剤を用いることができ、具体的には鉱物油系軟化剤、
プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィ
ン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、
石油アスファルト、ワセリンなどの合成石油系物質、コ
ールタール、コールタールピッチなどのコールタール
類、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等
の脂肪油、トール油、蜜蝋、カルナウバ蝋、ラノリンな
どの蝋類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン
酸、エルカ酸等の脂肪酸および/またはその金属塩、石
油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロ
ピレンなどの合成高分子、ジオクチルフタレート、ジオ
クチルアジペート、ジオクチルセバケートなどのエステ
ル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、液
状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物、液
状チオコールなどが挙げられる。この中でも鉱物油系軟
化剤が好ましい。
【0052】軟化剤(D)の使用量は、ウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物(A)100質量部に対して、
好ましくは5〜100質量部、さらに好ましくは5〜8
0質量部、特に好ましくは5〜50質量部の割合で用い
ることが望ましい。このような割合で軟化剤(D)を用
いると、発泡体の耐熱性、引張特性を低下することな
く、ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)の流
動性を改善することができる。 (可塑剤)前記可塑剤としては、例えばフタル酸ジ−n−
ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、
フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フ
タル酸ジイソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタ
ル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル等のフタル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチル
ヘキシル(DOA)、アジピン酸ジ−n−デシル、アジ
ピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸
ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族エステル系可塑
剤、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ
デシルなどのピロメリット酸系可塑剤、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸2−エチ
ルヘキシルジフェニル、リン酸トリクレジルなどのリン
酸エステル系可塑剤、エポキシ系大豆油などのエポキシ
系可塑剤、ポリエステル系高分子可塑剤などが挙げら
れ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0053】可塑剤を用いる場合、ウレタン系熱可塑性
エラストマー(A−1)100質量部に対して5〜80
質量部、より好ましくは10〜60質量部の量で用いる
ことが望ましい。5質量部未満では軟質樹脂的性質、成
形加工性が損なわれ、80質量部を越える場合ではブリ
ードアウトが顕著となるおそれがある。また、熱安定
性,ブリ−ドアウトの抑制という観点からエステル系可
塑剤の使用が好ましい。 (ワックス類)ワックス類は、摩擦を低くする内部およ
び外部滑剤として働くことでTPUの流動特性を向上さ
せる。また例えば鋳型などに粘着するのを防止する離型
剤としても有効であり、かつ他の添加剤、例えば顔料お
よび抗ブロッキング剤(antiblocking a
gents)など用の分散剤としても有効である。例え
ば脂肪酸エステル、例えばステアリン酸エステルおよび
モンタン酸エステルなどばかりでなく、それらの金属石
鹸、並びに脂肪酸アミド類、例えばステアリン酸アミド
およびオレイン酸アミド、高級脂肪酸ビスアミドなど、
またモンタン酸エステルワックス、ポリエチレンワック
ス類などである。
【0054】高級脂肪酸ビスアミドとしては、炭素数1
4〜35の飽和高級脂肪酸と炭素数1〜10の脂肪族ジ
アミンとの反応により得られる高級脂肪酸ビスアミドが
好ましい。その場合の飽和高級脂肪酸の例としては、ミ
リスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデ
シル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸、セチン酸、セロチン酸、ヘプ
タコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などを挙げること
ができ、また脂肪族ジアミンの例としては、メチレンジ
アミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,
8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,
10−ジアミノデカンなどを挙げることができる。上記
した飽和高級脂肪酸と脂肪族ジアミンとの反応により得
られる高級脂肪酸ビスアミドのうちでも、メチレンビス
ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、テトラメチレンビスステラリン酸アミド、ヘキサメ
チレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスモンタン
酸アミド、テトラメチレンビスモンタン酸アミド、ヘキ
サメチレンビスモンタン酸アミドが好ましく、メチレン
ビスステアリン酸アミドおよび/またはエチレンビスス
テアリン酸アミドがより好ましく用いられる。
【0055】このようなワックス類を使用する場合に
は、ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)10
0質量部に対して、ワックス類が10質量部以下、好ま
しくは、5質量部以下である。 (分散剤)前記分散剤としては、(無水)マレイン酸変
性ポリプロピレン、(無水)マレイン酸変性ポリエチレ
ン、アミノ変性低分子量ポリプロピレン、アミノ変性低
分子量ポリエチレン、末端水酸基水添マレイン酸変性ポ
リプロピレン、末端水酸基水添マレイン酸変性ポリエチ
レンおよびこれらの1種以上の混合物などが挙げられ、
好ましいものは、(無水)マレイン酸変性ポリエチレ
ン、(無水)マレイン酸変性ポリプロピレンである。
【0056】分散剤の数平均分子量は、通常1,000
〜10万、好ましくは1,000〜5万である。分散剤
を使用する場合には、ウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物(A)100質量に対して、分散剤が好ましくは
20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下であ
ることが望ましい。 (相溶化剤)前記相溶化剤として、オルガノポリシロキ
サンがあげられる。オルガノポリシロキサンとしては、
ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、
ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジ
ェンシロキサン、および/または、これらオルガノポリ
シロキサンがエポキシ基含有化合物、アミノ基含有化合
物、エステル結合含有化合物によって変性された変性オ
ルガノポリシロキサンが挙げられる。なかでも樹脂中へ
の分散性、溶解性、表面外観改良の効果等の観点から、
ポリジメチルシロキサンが好ましい。
【0057】相溶化剤、たとえばオルガノポリシロキサ
ンの添加量はウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ま
しくは0.2〜8質量部さらに好ましくは0.3〜5質
量部の範囲で用いることが好ましい。オルガノポリシロ
キサンの添加量が、0.1質量部未満においては、表面
外観改良の効果が乏しく、また10質量部以上よりも多
い場合には、樹脂が発泡時のガス圧に耐えるだけの粘度
を保持できず、破泡を生じ微小なセルを生成することが
不可能となるため好ましくない。
【0058】(架橋剤)本発明のウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物(A)は、前記ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー(A−1)、必要に応じて、その他の熱可塑
性エラストマー(A−2)、軟化剤(D)等とを含有す
る被架橋処理物を、好ましくは架橋剤の存在下に動的に
熱処理することにより得ることができる。
【0059】なお、前記「動的に熱処理する」とは、上
記のような各成分を融解状態で混練することをいう。こ
のような架橋剤としては、たとえば、有機ペルオキシ
ド、硫黄、フェノール樹脂、アミノ樹脂、キノン及びそ
の誘導体、アミン系化合物、アゾ化合物、エポキシ系化
合物等、熱硬化型ゴムで一般に使用される架橋剤を使用
できる。このうち、有機ペルオキシドが特に好ましく用
いられる。
【0060】前記有機ペルオキシドとしては、具体的に
は、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert
−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン
−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチル
ペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、n−ブチル−4,4,−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−
クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベン
ゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベン
ゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカ
ーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペル
オキシド、tert−ブチルクミルペルオキシドなどが
挙げられる。
【0061】これらの中では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−
ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
n−ブチル−4,4,−ビス(tert−ブチルペルオ
キシ)バレレートを好ましく用いることができ、さらに
1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼンを特に好ましく用いることができる。
【0062】前記架橋剤としては、通常のポリウレタン
樹脂の原料として用いられている2官能以上のイソシア
ネートが好適に用いられる。なお、架橋剤として、ポリ
カルボジイミド、ポリオキサゾリジン、イソシアヌレー
トからなる群から選択される1官能以上のイソシアネー
ト誘導体を含有していても良い。
【0063】さらに具体的には、架橋剤としては、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー
酸ジイソシアネート系などもあげられ、これらのオリゴ
マーやポリオールと反応させて得られるイソシアネート
基残留ポリマーも使用可能である。なかでも、値段が安
く、入手しやすいという点から、ジフェニルメタンジイ
ソシアネートなどを用いるのが好ましい。
【0064】これらのうちでは、特に好ましいものとし
て、ビス(4−イソシアネートフェニルメチル)ベンゼ
ンイソシアネート、ビス(4−イソシアネートフェニル
メチル)ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニレンポリイソシアネート等を挙げること
ができる。また、これらのカルボジイミド変性型あるい
はフェノール類、ラクタム類等によってイソシアネート
基をマスクしたブロック型等のポリイソシアネート変性
体もイソシアネート類に含まれる。
【0065】これらの中で、特に好ましいポリイソシア
ネート類は数平均分子量が260から約800のポリメ
チレンポリフェニレンポリイソシアネートである。な
お、ポリイソシアネート類の架橋反応を促進せしめる触
媒としての第3級アミン類、第4級アンモニウム塩類、
ホスフィン類、イミダゾール類等の添加は何ら制限され
るものではない。
【0066】このような架橋剤は、ウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物(A)100質量部に対して、好ま
しくは0.05〜3質量部、さらに好ましくは0.1〜
2質量部の量を添加することが望ましい。 (架橋用触媒)なお架橋反応をより容易に行わせるため
に、架橋用触媒を用いることもできる。このような触媒
としては、例えばモノアミン類、ジアミン類、トリアミ
ン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルア
ミン類などの第3級アミン系触媒、有機すず化合物など
の有機金属化合物などがあげられる。ただし、架橋剤が
多価アミンであり、架橋性官能基がエポキシ基である場
合は、前記アミンとエポキシだけで充分に反応性が高い
ため、触媒を用いなくてもよい。
【0067】また、架橋用触媒の使用量としては、例え
ば架橋性官能基がエピキシ基の場合は、エポキシ基に対
して0.1〜5当量、多すぎても効果が小さいため、
0.1〜1当量であるのが好ましい。イソシアネート基
の場合は、ポリイソシアナート類に対して0.01〜1
%であればよいが、副反応を抑えるという観点から、
0.01〜0.2%であるのが好ましい。
【0068】このような架橋用触媒を用いる場合は、ウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)100質量
部に対して、好ましくは0.05〜3質量部、さらに好
ましくは0.1〜2質量部の量を添加することが望まし
い。 (架橋助剤)本発明においては、前記架橋剤による架橋
処理に際しては、ペルオキシ架橋助剤、多官能性メタク
リレートモノマー、多官能性ビニルモノマーからなる群
より選ばれるいずれか1つ以上の架橋助剤を配合するこ
とができる。
【0069】前記ペルオキシ架橋助剤としては、たとえ
ば、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾ
イルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロ
ソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジ
ン、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレ
ンジマレイミドなどが挙げられる。前記多官能性メタク
リレートモノマーとしては、たとえば、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリ
レートなどが挙げられる。
【0070】また、前記多官能性ビニルモノマーとして
は、たとえば、ビニルブチラート、ビニルステアレート
などが挙げられる。このような架橋助剤を用いることに
より、均一かつ緩和な架橋反応を行うことができる。本
発明においては、前記架橋助剤のうちでは、ジビニルベ
ンゼンを好ましく用いることができる。ジビニルベンゼ
ンは、取り扱いやすく、前記被架橋処理物の主成分であ
るウレタン系熱可塑性エラストマー(A−1)あるいは
その他の熱可塑性エラストマー(A−2)との相溶性が
良好であり、かつ架橋剤を可溶化する作用を有し、架橋
剤の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均
質で、流動性と物性のバランスの取れた架橋されたウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体を得ることが
できる。
【0071】本発明においては、このような架橋助剤を
用いる場合は、前記被架橋処理物全体に対して、好まし
くは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜2質
量%の割合で用いることが望ましい。架橋助剤の配合割
合が上記範囲にあると、得られる架橋されたウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物発泡体は、架橋助剤がエラ
ストマー中に未反応のモノマーとして存在することがな
いため、発泡させつつ成形加工する際に熱履歴による物
性の変化が生じることがない。しかも成形加工時の流動
性に優れたものとなり、複雑な形状の成形体を容易に得
ることができる。
【0072】[発泡剤等] (二酸化炭素)本発明で発泡剤として用いられる二酸化
炭素は、熱可塑性ポリウレタン樹脂含有組成物あるいは
その好ましい組成物であるウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物(A)100質量部に対して0.1〜30質
量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましく
は0.2〜20質量部、特に好ましくは0.2〜15質
量部の量を用いることが望ましい。
【0073】発泡剤として用いられる二酸化炭素は単独
で使用できるが、二酸化炭素と窒素を混合して使用して
も良い。この場合その混合比率はモル比で1:9〜9:
1の範囲であることが望ましい。発泡体に使用するその
他の熱可塑性樹脂(A−2)がPET,PTEE、PB
T,ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等の場合発泡剤を二酸化炭素単独で使用
するよりも二酸化炭素と窒素を併用する方がセルの微細
化、高セル密度化し易く好ましい。
【0074】発泡剤が0.1質量部未満では十分な発泡
倍率が得られないことがある。また30質量部を超える
と、添加した二酸化炭素の膨張力が大きいため、発泡体
表面に水膨れ状の外観不良が生じることがあり、さら
に、所望の形状に賦形するには、冷却工程の時間を長く
する必要があり、生産に要する時間が長くなるために生
産効率が低下することがある。
【0075】これら二酸化炭素は、溶融したウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物(A)中への溶解性、浸透
性、拡散性等の観点から、押出機内部等、ウレタン系熱
可塑性エラストマー混合前及び/または混合中に超臨界
状態となていることが好ましい。 (発泡核剤)本発明では、熱分解により二酸化炭素およ
び/または窒素を発生する熱分解型発泡剤の1種または
2種以上を、発泡を均一にする発泡核剤として二酸化炭
素と併用することもできる。
【0076】発泡核剤の具体例として、蓚酸、クエン
酸、コハク酸や重曹又はこれらの混合類等があげられ
る。なかでも重曹―クエン酸混合物が好ましい。 (熱分解型発泡剤)このような熱分解型発泡剤としては、
たとえば、アゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トルエンス
ルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロジニトリル、
アゾジアミノベンゼン、アゾヘキサヒドロベンゾジニト
リル、バリウムアゾジカルボキシレート、N,N’−ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニト
ロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド、t−ブチ
ルアミノニトリル、p−トルエンスルホニルアセトンヒ
ドラゾンなどの有機系熱分解型発泡剤;クエン酸、重炭
酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの無機系熱分解型
発泡剤などを挙げることがでる。
【0077】これらのうち1種または2種以上を使用す
ることができる。このうちでも、アゾジカルボンアミド
系の発泡剤が、熱可塑性ポリウレタン組成物の溶融温度
以上の分解温度を有していて、取扱い性に優れており、
ガス発生量が多く、しかもその分解挙動がポリウレタン
組成物の溶融成形に適しているなどの点から好ましく用
いられる。また、上記の熱分解型発泡剤のうちで、例え
ば、アゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トルエンスルホニ
ルヒドラジド、重炭酸ナトリウムなどはポリウレタンの
分子量低下を引き起こす作用があり、一方、N,N’−
ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどはポリウレタ
ンの架橋を促進する作用を有する。そのため、ポリウレ
タンの分子量低下を引き起こす発泡剤と、架橋を促進す
る発泡剤を併用した場合には、ポリウレタンに適度な架
橋をもたらし、溶融粘度の低下の抑制が可能となり、機
械的特性、物理的特性、化学的特性に優れ、発泡状態の
良好な発泡体を形成させることができる。
【0078】このような熱分解型発泡剤を使用すると、
得られる発泡体のセル径が均一になりやすい。前記熱分
解型発泡剤を使用する場合、その使用量はウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物(A)100質量部に対し
て、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましく
は0.01〜5質量部であることが望ましく、二酸化炭
素と熱分解型発泡剤の総量は、好ましくは0.1〜30
質量部、さらに好ましくは0.1〜20質量部であるこ
とが望ましい。 (その他の発泡用添加剤)本発明に用いるウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物(A)の発泡用添加剤とし
て、得られる発泡体が破泡することなく、発泡体の表面
外観を良好とするために、各種添加剤の1種又はそれ以
上を添加することが可能である。これら添加剤としては
通常の発泡成形で使用されている公知のものが使用で
き、たとえば、脂肪族カルボン酸およびその誘導体を好
ましく用いることができる。
【0079】このような脂肪族カルボン酸およびその誘
導体としては、たとえば、脂肪族カルボン酸、酸無水
物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられ
る。前記脂肪族カルボン酸としては、炭素数3〜30の
脂肪族カルボン酸が好適であり、たとえば、ラウリン
酸、ステアリン酸、クロトン酸、オレイン酸、マレイン
酸、グルタル酸、モンタン酸等が好ましく用いられる。
このうち、樹脂中への分散性、溶解性、表面外観改良の
効果等の観点から、ステアリン酸、ステアリン酸誘導
体、モンタン酸およびモンタン酸の誘導体が好ましく、
さらに好ましくはステアリン酸のアルカリ金属塩および
アルカリ土類金属塩、特に好ましくはステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウムを用いることが望ましい。
【0080】これらその他の発泡用添加剤の添加量は、
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)100質
量部に対して好ましくは0.01〜10質量部、さらに
好ましくは0.05〜8質量部、特に好ましくは0.1
〜5質量部の範囲にあることが望ましい。添加剤の添加
量が、0.01質量部以上では発泡体の破泡を防止する
ことが容易であり、また10質量部以下では、樹脂が発
泡時のガス圧に耐えるだけの粘度を保持でき、破泡を生
じないで、表面外観を良好にすることができる。
【0081】また本発明にはウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物(A)の発泡用添加剤として、発泡核剤と
して作用する無機微粉末を使用することもできる。この
ような無機微粉末としては、たとえば、タルク、炭酸カ
ルシウム、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ガラ
スビーズ、ガラスパウダー、酸化チタン、カーボンブラ
ック、無水シリカ等が挙げられる。このうち、好ましく
はタルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、無水シリカで
あり、さらに好ましくはタルクを用いることが望まし
い。
【0082】これら無機微粉末の粒径は50μm以下で
あることが好ましく、さらに好ましくは10μm以下、
特に好ましくは5μm以下である。無機微粉末の粒径が
50μm以下であると、発泡体のセル径が小さくなり、
アイゾット衝撃強度が向上でき、また表面外観が良好と
なる。無機微粉末を添加する場合の添加量は、ウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物(A)100質量部に対
して好ましくは0.01〜40質量部、さらに好ましく
は0.05〜20質量部、より好ましくは0.05〜1
0質量部、特に好ましくは0.1〜5質量部の範囲にあ
ることが望ましい。
【0083】無機微粉末の添加量が0.01〜40質量
部の範囲にあると、発泡体の表面外観をより良好とする
ことができる。 [ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製造
方法]本発明に係るウレタン系熱可塑性エラストマー組
成物発泡体の第1の製造方法は、熱可塑性ポリウレタン
樹脂、必要に応じてその他熱可塑性樹脂、添加剤等を溶
融して、二酸化炭素を溶解する工程(ガス溶解工程)
と、前記溶融工程で得られた溶融物を冷却する工程(冷
却工程)とを含むことを特徴としている。
【0084】さらに本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物発泡体の第2の製造方法は、該冷却工程を
経て得られた溶融物を、前記冷却工程よりも低い圧力に
制御された空間に充填または移送し、前記溶融ウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物中にセル核を発生させた
後、発泡倍率を制御しながら発泡させる工程(発泡制御
工)を含む。
【0085】このうち、第1の製造方法において、ウレ
タン系熱可塑性樹脂とその他の熱可塑性エラストマーと
を必須成分とし、前記ガス溶解工程と前記冷却工程から
なり、該冷却工程とを経た後、または該冷却工程におい
て発泡させる発泡体の製造方法を発泡方法1ということ
があり、この方法では、発泡倍率を制御する工程を必ず
しも必要としていない。
【0086】また、第2の製造方法において、前記ガス
溶解工程、冷却工程および発泡制御工程からなる製造方
法を発泡方法2ということがある。発泡体として耐溶剤
性、耐熱性 、永久伸びに優れた発泡体を得る場合には
熱可塑性ポリウレタン樹脂がウレタン系熱可塑性エラス
トマーを含むことが望ましく、具体的には、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂としては、ウレタン系熱可塑性エラスト
マー(A−1)が好ましく、その他樹脂としては、その
他の熱可塑性エラストマー(A−2)を好ましく用いる
ことができ、これらからなるウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物(A)が樹脂成分として好ましく用いられ
る。
【0087】前記製造方法は前記熱可塑性ポリウレタン
樹脂を含有する組成物からなる発泡体の製造に好適に用
いることができる。以下製造方法について詳説する。本
発明の発泡体の製造方法では、発泡体として耐溶剤性、
耐熱性、永久伸びに優れた発泡体を得る場合には、本発
泡体の製造方法において動的架橋をすることが好まし
い。動的架橋するのはガス溶解工程、冷却工程の中でそ
の70%以上の架橋が終了していることが好ましく、ガ
ス溶解工程で主として動的架橋することが特に好まし
い。
【0088】なお本明細書において、架橋するとは、重
合体を架橋剤と熱反応させた際に生じる分解反応と架橋
反応の競争反応において、架橋反応が多い結果、組成物
中の重合体の見かけ分子量が増大する現象をいい、また
分解するとは、分解反応が多い結果、重合体の見かけ分
子量が減少する現象をいう。動的架橋とは、下記の動的
な熱処理により、架橋を行うことをいう。
【0089】動的な熱処理とは、開放型のミキシングロ
ール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー、単軸
または二軸押出機、連続ミキサーなどの混練装置を用い
て行う方法であり、非開放型の混練装置で行うことが好
ましい。また動的な熱処理は、窒素、二酸化炭素などの
不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また混練
は、使用する架橋剤の半減期が1分未満となる温度で行
うのが好ましい。混練温度は、通常、好ましくは140
〜240℃、さらに好ましくは160〜230℃であ
り、混練時間は好ましくは1〜20分間、さらに好まし
くは1〜5分間であることが望ましい。また混練の際に
加えられる剪断力は、通常剪断速度で好ましくは10〜
104sec-1、さらに好ましくは102〜104sec
-1の範囲内で決定されることが望ましい。
【0090】なお、発泡体として耐溶剤性、耐熱性 、
永久伸び等に優れるものを得る場合には、前記発泡方法
2において、ウレタン系熱可塑性エラストマー(A−
1)と、その他の熱可塑性エラストマー(A−2)と、
必要に応じて、鉱物油系軟化剤(D)等を予め混合し、
均一に混練してペレット化した後、得られたペレット
と、ジビニルベンゼンに溶解させた架橋剤と、必要に応
じさらに架橋助剤、加硫促進剤などをタンブラー型ブラ
ベンダー、V型ブラベンダー、ヘンシェルミキサーなど
の公知の設備を用いて均一に混合する。混合は、50℃
以下が好ましい。ペレット化の条件は、適宜選択するこ
とができる。
【0091】このような発泡方法2を用いて発泡体を製
造する場合、本発明で用いるウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物(A)は、前記ウレタン系熱可塑性エラス
トマー(A−1)、必要に応じて、その他の熱可塑性エ
ラストマー(A−2)、鉱物油系軟化剤(D)等とを含
有する被架橋処理物を、好ましくは架橋剤の存在下に動
的に熱処理することにより得ることが好ましい。
【0092】以下発泡方法1および2について、まず、
発泡方法2から詳説する。 <発泡方法2>本発明では、発泡方法2は、溶融状態の
熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、二酸
化炭素を0.1質量部以上30質量部以下添加、混合し
て、溶融熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を形成する工
程(ガス溶解工程)、ついで前記溶融熱可塑性ポリウレ
タン組成物の温度を低下させる工程(冷却工程)を経て
得られた前記溶融熱可塑性ポリウレタン組成物を、冷却
工程よりも低い圧力に制御された空間に充填または移送
し、前記溶融熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物中にセル
核を発生させた後、発泡倍率を制御しながら発泡する工
程(発泡制御工程)とを含む熱可塑性ポリウレタン樹脂
組成物発泡体の製造方法である。
【0093】前記熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、
溶融状態のウレタン系熱可塑性エラストマー組成物が好
ましい。発泡体として耐溶剤性、耐熱性 、永久伸びに
優れた発泡体を得る場合には熱可塑性ポリウレタン樹脂
がウレタン系熱可塑性エラストマー(A−1)と、必要
に応じその他の熱可塑性樹脂と、鉱物油系軟化剤などを
含むことが好ましい。
【0094】すなわち、ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー(A−1)と、必要に応じその他の熱可塑性エラスト
マー(A−2)とからなる、溶融状態のウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物(A)を用いることが好まし
く、その使用量は前述の通りである。そして、該ウレタ
ン系熱可塑性エラストマー組成物(A)100質量部に
対して、0.1〜30質量部の二酸化炭素を添加、混合
し、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(C)
を形成する工程(ガス溶解工程)、ついで前記溶融ウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物(C)の温度を低下
させる工程(冷却工程)を経て得られた前記溶融ウレタ
ン系熱可塑性エラストマー組成物(C)を、冷却工程よ
りも低い圧力に制御された空間に充填または移送し、前
記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(C)中
にセル核を発生させた後、発泡倍率を制御しながら発泡
する工程(発泡制御工程)とを含むウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物発泡体の製造方法を好ましく用いる
ことができる。
【0095】前記ガス溶解工程において、必要に応じて
脂肪族カルボン酸およびその誘導体、発泡核剤、無機微
粉末等を含有する状態、即ちあらかじめ熱可塑性ポリウ
レタン樹脂に含有させても、別途独立して添加してもよ
く、本発明の効果を阻害しない範囲であればガス溶解工
程において熱分解性発泡剤を含有する状態であってもよ
い。
【0096】以下各工程について説明するが、熱可塑性
ポリウレタン樹脂として、ウレタン系熱可塑性エラスト
マー(A−1)と、必要に応じその他の熱可塑性エラス
トマー(A−2)とからなる、溶融状態のウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物(A)を用いる場合を例にと
って説明する場合がある。 (ガス溶解工程)ガス溶融工程では、前記熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂(好ましくはウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物(A))の溶融温度は、好ましくは100〜
240℃、さらに好ましくは110〜240℃、特に好
ましくは140〜230℃である。
【0097】ガス溶融工程において、溶融したウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物(A)中に発泡剤を添加
する方法としては、例えば気体状態の二酸化炭素を直接
あるいは加圧した状態で注入する方法、液体状態の二酸
化炭素をプランジャーポンプ等で添加する方法等があげ
られる。前記ガス溶融工程において、添加される二酸化
炭素(B)は、二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)〜
40MPaの範囲内で一定圧力で、二酸化炭素の臨界温度
(31℃)以上の温度で、超臨界状態の二酸化炭素とし
てから、溶融したウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物に添加することが好ましい。
【0098】さらに、前記ガス溶解工程における二酸化
炭素の添加方法は、二酸化炭素を液体状態に維持したま
ま二酸化炭素を吐出するためのポンプに注入し、該ポン
プからの二酸化炭素の吐出圧力を二酸化炭素の臨界圧力
(7.4MPa)〜40MPaの範囲内で一定圧力となるよう
にして、前記ポンプから二酸化炭素を吐出した後、吐出
された二酸化炭素を二酸化炭素の臨界温度(31℃)以
上に昇温して超臨界二酸化炭素としてから、溶融状態の
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物に添加すること
が好ましい。
【0099】たとえば、図1は、ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物発泡体の製造方法の一例を示す概略図
であるが、図1に示すように、液化二酸化炭素ボンベ
(4)から二酸化炭素を液体状態に維持したまま定量ポ
ンプ(5)に注入し、定量ポンプ(5)の吐出圧力を二
酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)〜40MPaの範囲内で
一定圧力となるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、
二酸化炭素の臨界温度(31℃)以上に昇温して超臨界
二酸化炭素としてから、溶融したウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物(A)に添加する方法が好適に用いら
れる。 (冷却工程)冷却工程では、前記ガス溶解工程で得られ
た溶融熱可塑性ポリウレタン組成物(好ましくは溶融ウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物(C))の可塑化
温度以上であって、前記ガス溶融工程における溶融温度
以下に低下させる。ガス溶解工程で得られた溶融熱可塑
性ポリウレタン樹脂組成物(好ましくは溶融ウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物(C))の温度を、前記ガ
ス溶解工程よりも10〜100℃低い範囲にすることが
好ましい。
【0100】冷却工程においては、ガス溶解工程で得ら
れた溶融熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を50〜23
0℃の温度範囲にすることが好ましく、80〜220℃
の範囲とすることがさらに好ましい。このようにして得
られる溶融熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(好ましく
は溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(C))
は、前記ガス溶解工程、冷却工程が終了するまでは二酸
化炭素が分離してしまうことのないようにすることが好
ましく、そのためにはガス溶融工程および冷却工程にお
ける溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物が存在
する系内の圧力および温度を、二酸化炭素の臨界圧力
(7.4MPa)以上、臨界温度(31℃)以上に維持す
ることが好ましい。
【0101】(発泡制御工程)このようなガス溶融工程と
前記冷却工程とを経て得られた前記溶融熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物(好ましくは溶融ウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物(C)。以下、溶融ウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物(C)を例にして説明する。)
は、さらに該組成物を発泡するための発泡制御工程を含
むことができる。
【0102】発泡制御工程は冷却工程よりも低い圧力に
制御された空間に、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー組成物(C)を充填または移送し、溶融ウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物(C)中に、セル核を発生さ
せた後、発泡倍率を制御しながら発泡する工程である。
セル核を発生させる空間と発泡倍率を制御する空間は共
通でも、それぞれ独立した空間でもよい。共通する空間
である場合はその空間内部を発泡しつつ移動する溶融ウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物(C)の圧力損失
によってその発泡倍率を制御する。発泡倍率を独立した
空間で制御する場合はセル核発生空間と独立してその圧
力を制御することができ、またこの場合もその空間内部
を発泡しつつ移動する樹脂の圧力損失によってもその発
泡倍率を制御することができる。
【0103】また、発泡倍率の制御は、たとえば、セル
核の発生後、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物(C)を結晶化温度以下に冷却して、発生したセル核
の成長を制御することにより行うことによってもでき
る。セル核発生空間の圧力は冷却工程よりも0.1MPa
以上20 MPa以下低い圧力に制御されていることが好ま
しく、0.1MPa以上15MPa以下低い圧力に制御されて
いることが更に好ましい。
【0104】なおその空間内部で圧損を生じつつ発泡倍
率を制御する場合は、冷却工程開始直後すなわち、冷却
工程の開始点から2D(スクリュー径の2倍を意味す
る)経過するまでの間において測定された圧力と、冷却
工程からセル核発生空間となった直後、具体的には 2
D経過するまでの間に測定された圧力差によって求めら
れたものを基準とする。
【0105】具体的なセル核発生空間の圧力としては、
7.4 MPa以上 20 MPa以下が好ましく、7.4 MPa
以上 15 MPa以下が更に好ましい。なおその空間内部
で圧損を生じつつ発泡倍率を制御する場合は、前記と同
様にその圧力は前記圧力差の測定差は冷却工程からセル
核発生空間となった直後具体的には2D経過するまでの
間において測定されたものを基準とする。
【0106】発泡倍率をセル核発生空間と独立して制御
する場合はその圧力はセル核発生空間よりも更に0.1
MPa以上10MPa以下低い圧力に制御されていることが好
ましく、0.1MPa以上5MPa以下低い圧力に制御されて
いることが更に好ましい。この場合の具体的な発泡倍率
制御空間の圧力としては、7.4MPa以上20MPa以下が
好ましく、7.4MPa以上10MPa以下が更に好ましい。
【0107】なおその空間内部で圧損を生じつつ発泡倍
率を制御する場合は、前述と同様に、その圧力は前記圧
力差の測定差はセル核発生空間から発泡倍率制御空間と
なった直後具体的にはそれぞれの空間開始点から2D経
過するまでの間において測定されたものを基準とする。
たとえば、発泡制御工程としては、具体的には、たとえ
ば、射出装置等により、前記溶融ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物の一定量が金型などの発泡を行うため
の空間に充填または移送される。たとえば、金型あるい
はダイスなどの発泡のための空間に、金型の場合は該金
型内に射出して充填し、ダイスの場合は該ダイス内に移
送された前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物(C)は、たとえば金型内あるいはダイスなどの発泡
のための空間の圧力を低下させることにより、溶融ウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物(C)中にセル核を
発生させ、発泡させて、ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー組成物発泡体(溶融熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
の場合は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物発泡体)を
得ることができる。
【0108】本発明における、ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物発泡体の成形には、たとえば、押出成
形、射出成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロ
ー成形、インフレーション成形、スタンピングモールド
成形、圧縮成形、ビーズ成形等の公知の樹脂加工方法に
使用される成形機を適用することができる。なお、後述
する連続可塑化装置はこれらの成形機に含まれる。
【0109】また本発明のウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物発泡体は、その製品形状においても特に限定
されるものではない。例えば押出成形において得られる
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製品形
状についてもシート状、板状、角材状、パイプ状、チュ
ーブ状、円柱状、楕円状、田字状、ストランド状、パウ
ダー状、ビーズ状、フィラメント状、網状、異形押出、
多層押出、電線被覆等、特に限定されない。
【0110】さらに本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物発泡体は、発泡倍率においても特に制限さ
れることはないが、1〜4倍の低発泡品、4〜50倍の
高発泡品が実用上あるいは工業的な生産において好適で
ある。 <発泡方法1>本発明の発泡方法1は、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂(好ましくはウレタン系熱可塑性エラストマ
ー(A−1))20質量部以上99質量部以下に対して
ウレタン以外の熱可塑性樹脂からなるエラストマー(そ
の他の熱可塑性エラストマー(A−2))を80質量部
以下、好ましくは1〜80質量部を含有する溶融状態の
熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(好ましくはウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物(A))100質量部
(すなわち、(A−2)の含有量の上限が80質量部)
に対して、二酸化炭素を0.1質量部以上30質量部以
下を添加し、前記熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物と二
酸化炭素とを混合、溶解させる工程(ガス溶解工程)、
前記ガス溶解工程で得られた溶融物の温度を低下させる
工程(冷却工程)を含む発泡体の製造方法である。発泡
体として耐溶剤性、耐熱性 、永久伸びに優れた発泡体
を得る場合には熱可塑性ポリウレタン樹脂がウレタン系
熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
【0111】例えば、ウレタン系熱可塑性エラストマー
(A−1)、前記添加剤等および必要によりその他の熱
可塑性エラストマー(A−2)を、高速撹拌機等で均一
混合した後、充分な混練能力のある一軸あるいは多軸の
押出機、混合ロール、ニーダー、ブラベンダー等で溶融
混練する方法等で製造できる。またウレタン系熱可塑性
エラストマー(A−1)、前記添加剤等および必要によ
りその他の熱可塑性エラストマー(A−2)を均一混合
した状態で使用することも差し支えない。
【0112】このようにして架橋されたウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物(A)を得ることができる。ウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)を調製する
方法として、押出成形を採用する場合、前記ウレタン系
熱可塑性エラストマー(A−1)とその他の熱可塑性エ
ラストマー(A−2)とを用いることが望ましい。この
場合、ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)1
00質量部のうち、好ましくは(A−1)を40〜95
質量部、(A−2)を1〜60質量部、さらに好ましく
は(A−1)を60〜95質量部、(A−2)を1〜2
5質量部、特に好ましくは(A−1)を70〜95質量
部、(A−2)を1〜10質量部の割合で用いることが
望ましい。このような割合でその他の熱可塑性エラスト
マー(A−2)を用いると、ウレタン系熱可塑性エラス
トマー(A−1)単独では得難い、柔軟性、耐熱性に優
れた高発泡倍率の発泡体組成物が得られる。なお、上記
数値は、前記ウレタン系熱可塑性エラストマー(A−
1)とその他の熱可塑性エラストマー(A−2)とその
他添加剤との合計量に対する割合である。
【0113】このような発泡方法1におけるガス溶解工
程、冷却工程等は前記発泡方法2と同様ににして実施す
ることができる。 (ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製造
装置)本発明の製造方法に基づくウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物発泡体を得るためには、前記製造方法
と同様の条件を適用した製造装置を用いればよい。
【0114】この場合、前記発泡方法1または2におい
て、冷却工程に対応する冷却手段では、ガス溶解工程で
得られた溶融熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、11
0〜230℃の温度範囲にすることが好ましく、130
〜220℃の範囲で、該溶融ウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物の可塑化温度以上であって、前記ガス溶融
工程における溶融温度以下に低下させるように構成する
必要があり、その他の構成は、前記製造方法に準じた同
様の条件で構成する。 (ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製造
方法の具体例)本発明の発泡体を射出成形により製造す
る方法の一例について、図1を用いてさらに詳細に説明
する。
【0115】溶融したウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物(A)に発泡剤を添加するラインを有する樹脂可
塑化シリンダー(1)に、開閉バルブ(10)を介して
射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)を接
続する。この樹脂可塑化シリンダー(1)にウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物を送入し、加熱溶融しなが
ら二酸化炭素を添加し、相溶状態の溶融ウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物を形成する。
【0116】この後、該溶融ウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物は、射出プランジャー(11)を有する射
出装置(2)へと送入される。送入された後、開閉バル
ブ(10)を閉じることで、樹脂可塑化シリンダー
(1)と射出装置(2)は互いに独立した状態となる。
樹脂可塑化シリンダー(1)は、射出装置(2)が金型
(3)へ充填する溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物の計量および射出を行っている間も停止すること
なく、連続的に溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組
成物を形成する。なおこの場合、射出装置(2)に計量
しないため、樹脂可塑化シリンダー(1)内の圧力は上
昇するが、圧力の上昇によって溶融ウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物の相溶状態が壊れることはないの
で、ガス溶解工程、冷却工程を継続することに問題はな
い。しかしながら樹脂可塑化シリンダー(1)の耐圧能
力に問題が生じる場合には、開閉バルブ(10)の作動
で溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物を系外に
排出できる装置としておくことも、本発明の主旨を逸脱
しない。
【0117】一方射出装置(2)は計量終了後射出を行
うが、通常の射出成形機においては、計量終了後背圧が
一旦切れてしまうが、本発明においては、計量開始から
射出終了まで発泡剤とウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物とが分離することのないように、常に背圧をかけ
た状態に維持する。この時の背圧は、発泡剤とウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物が分離しない最低限の圧
力であれば良いが、発泡剤の臨界圧力以上であることが
好ましい。
【0118】この様にして、樹脂可塑化シリンダー
(1)内で形成された溶融ウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物は、発泡剤とウレタン系熱可塑性エラストマ
ー組成物が相分離することなく、金型(3)内へ射出さ
れる。金型(3)内では、溶融ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物を射出したのちに、金型(3)内に充填
した高圧ガスの脱ガスおよび/または金型(3)コアの
一部あるいは全部を後退することで発泡制御工程を行
う。
【0119】また本発明の射出成形による実施態様の一
つを図2に示す。溶融したウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物に発泡剤を添加するラインを有する樹脂可塑
化シリンダー(1)と、射出プランジャー(11)を有
する射出装置(2)の間に、開閉バルブ(10)を介し
て射出装置(2)と接続される該樹脂可塑化シリンダー
(1)の流出路に接続された、混合部を有するアダプタ
ー(12)を設けることは、溶融した熱可塑性エラスト
マー組成物と二酸化炭素の混合をさらに進行させ、ウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物と二酸化炭素の相溶
状態の形成が容易になること、および該アダプター(1
2)の温度制御により溶融ウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物を、この後の射出、発泡に適した粘度になる
よう冷却することが容易となる。
【0120】この混合部を有するアダプター(12)に
ついては特に制限は無いが、溶融ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物の混練および冷却を行うことからスタ
ティックミキサーを内蔵するアダプター(12)が好適
に用いられる。また本発明の射出成形による実施態様の
一つを図3に示す。射出プランジャー(11)を有する
射出装置(2)の前に、開閉バルブ(10)を介して射
出装置(2)と接続される、樹脂アキュムレータプラン
ジャー(13)を有する樹脂アキュムレータ装置(1
4)を設けることで、計量終了後、該開閉バルブ(1
0)が閉に切り替わり、該射出プランジャー(11)に
よって、金型(3)内への射出を行う間、樹脂可塑化シ
リンダー(1)から送られてくる溶融ウレタン系熱可塑
性エラストマー組成物は、該開閉バルブ(10)直前に
備えられている樹脂アキュムレータ装置(14)へと送
られ、該溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の
流入によって、樹脂アキュムレータ装置(14)のプラ
ンジャーが後退するという該樹脂アキュムレータ装置
(14)の制御により、装置系内を所定圧力に維持しや
すく、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の混
合状態の維持が容易であり、発泡体の表面外観が良好に
なるため好ましい。
【0121】また本発明の射出成形による実施態様の一
つを図4に示す。さらに同様にプランジャーを有する樹
脂アキュムレータ装置(14)に代えてもう一台の射出
プランジャー(11)を有する射出装置(2)を設ける
ことも可能であり、装置系内を所定圧力に維持しやす
く、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の相溶
状態の維持が容易であり、発泡体の表面外観が良好にな
るため好ましい。
【0122】図1〜4に示した、樹脂可塑化シリンダー
(1)と射出装置(2)が独立した射出成形機の場合に
は、ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物と発泡剤が
分離することのないよう、系内圧力を維持することが容
易であるため、本発明が目的とする熱可塑性エラストマ
ー組成物発泡体の製造が容易であるが、ガスを溶解し冷
却しながら計量射出する間、常に背圧をかけることので
きる射出成形機であれば、図5に示した様なインライン
スクリュー式射出成形機(15)でも、本発明のウレタ
ン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製造が可能で
ある。
【0123】なお、本発明におけるウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物および二酸化炭素の混合状態を形成
するガス溶解工程は、図1に示したウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物発泡体の製造方法の例においては、
樹脂可塑化シリンダー(1)内でウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物を加熱溶融したのち、溶融した該ウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物中に、二酸化炭素を
添加し、均一に混合する工程である。
【0124】冷却工程または冷却手段は、溶融ウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物を冷却し、射出、発泡に
適した粘度になる様調整する工程である。このようなガ
ス溶解工程および冷却工程は、図2に示したウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製造方法の例にお
いては、樹脂可塑化シリンダー(1)およびアダプター
(12)で行う。また図3に示したウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物の製造方法の例においては、樹脂可
塑化シリンダー(1)、アダプター(12)および樹脂
アキュムレータ装置(14)で行う。
【0125】発泡制御工程は、射出、発泡に適した粘度
になるよう、温度制御された溶融ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物を射出装置(2)に計量し、該射出プ
ランジャー(11)で射出を行い、金型(3)内に射出
された溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物を加
圧下より圧力低下させ、セル核を発生させかつ発泡倍率
を制御して、発泡を行う工程である。
【0126】これらのうち少なくとも、ガス溶解工程お
よび冷却工程は、特開平8−11190号公報記載の方
法に準じ、以下の様に行うことができる。図1において
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物を、ホッパー
(16)より樹脂可塑化シリンダー(1)内に送入し、
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の融点あるいは
可塑化温度以上の温度で溶融する。この時の温度として
は、120〜240℃で加熱溶融させる。また、二酸化
炭素は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より定量ポンプ
(5)に注入され、そこで昇圧され、圧力制御された二
酸化炭素を樹脂可塑化シリンダー(1)内の溶融したウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物中に添加する。こ
のとき、樹脂可塑化シリンダー(1)内に存在する二酸
化炭素が、溶融した該ウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物に対する溶解拡散を大幅に高め、短時間で溶融し
たウレタン系熱可塑性エラストマー組成物中に浸透する
ことを可能とするため、系内を該二酸化炭素の臨界圧力
(7.4MPa)以上および臨界温度(31℃)以上に維
持することが好ましい。
【0127】また、樹脂可塑化シリンダー(1)内の溶
融したウレタン系熱可塑性エラストマー組成物に添加さ
れる以前に昇温昇圧され、超臨界状態となってから添加
されることが好ましい。樹脂可塑化シリンダー(1)内
で溶融したウレタン系熱可塑性エラストマー組成物と二
酸化炭素とがスクリュウ(17)により混練され、ウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物と二酸化炭素の相溶
状態を形成させる。相溶後冷却工程において、樹脂可塑
化シリンダー(1)先端の温度制御で、溶融ウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物を該溶融ウレタン系熱可塑
性エラストマー組成物の可塑化温度以上、該溶融ウレタ
ン系熱可塑性エラストマー組成物の可塑化温度より50
℃高い温度以下でかつ前記ガス溶解工程における溶融温
度以下の温度に冷却する。この時の温度範囲としては、
110〜230℃、好ましくは130〜220℃でかつ
溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の可塑化温
度以上に冷却し、この後の射出、発泡に適した粘度にな
るよう調整する。
【0128】本発明の一例を図によりさらに詳しく説明
する。図1〜5において、(1)は樹脂可塑化シリンダ
ー、(2)は射出装置、(3)は金型、(4)は液化二
酸化炭素ボンベ、(5)は定量ポンプ、(10)は開閉
バルブ、(11)は射出プランジャー、(12)はアダ
プター、(13)は樹脂アキュムレータプランジャー、
(14)は樹脂アキュムレータ装置、(15)はインラ
インスクリュウ式射出成形機、(16)はホッパー、
(17)はスクリュウ、(18)はガスボンベ、(1
9)は圧力制御バルブ、(20)は開閉バルブである。
【0129】二酸化炭素の場合、臨界圧力は7.4MP
a、臨界温度は31℃であり、樹脂可塑化シリンダー
(1)内は、圧力が7.4〜40MPa、好ましくは10
〜30MPaの範囲が、温度は110〜300℃、好まし
くは130〜280℃、より好ましくは240℃以下、
特に好ましくは130〜235℃の範囲であることが望
ましい。
【0130】また、発泡剤である二酸化炭素は樹脂可塑
化シリンダー(1)内の溶融したウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物に添加される以前に昇温昇圧され、超
臨界状態となってから添加されることが好ましい。樹脂
可塑化シリンダー(1)内で溶融したウレタン系熱可塑
性エラストマー組成物と二酸化炭素とがスクリュウ(1
7)により混練され、ウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物と二酸化炭素の相溶状態を形成させる。相溶後冷
却工程において、樹脂可塑化シリンダー(1)先端の温
度制御で、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
を110〜230℃、好ましくは130〜220℃で且
つ該溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の可塑
化温度以上に冷却し、この後の射出、発泡に適した粘度
になるよう調整する。
【0131】射出、発泡に適した粘度になる様に温度制
御された溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
は、発泡制御工程の始めの段階において、開閉バルブ
(10)を介して接続された射出プランジャー(11)
を有する射出装置(2)へと送られる。該開閉バルブ
(10)が開にあるとき、溶融ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物の射出装置(2)内への流入で、該射出
プランジャー(11)の後退によって計量される。
【0132】インラインスクリュウ式、プランジャー式
等いずれの形式の射出成形機も、通常の射出成形機にお
いては、計量終了後に直ちに背圧は停止するが、本発明
では、この時に射出装置(2)内で、溶融ウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物が発泡剤と熱可塑性エラスト
マー組成物とに分離しないよう、また溶融ウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物が発泡しないよう、射出終了
後まで背圧をかけ系内圧力を制御し続ける必要がある。
【0133】このときの背圧は、溶融ウレタン系熱可塑
性エラストマー組成物が発泡剤とウレタン系熱可塑性エ
ラストマーとに分離しないため、また溶融ウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物が発泡しないための最低限の
圧力を維持すれば良いが、二酸化炭素の臨界圧力以上で
あることが好ましい。ガス溶解工程、冷却工程および発
泡制御工程における計量の一連の工程が終了するまで
は、常に圧力を維持し、溶融ウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物がウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
とガスに分離してしまうことのないようにする必要があ
る。
【0134】発泡制御工程における計量終了後、該開閉
バルブ(10)が閉に切り替わり、該射出プランジャー
(11)によって、金型(3)内への射出を行う。計量
後射出を行う前に該射出プランジャー(11)をサック
バックさせることで、射出装置(2)内の圧力をわずか
に低下させることでセル核の生成を誘発する方法も好適
に用いられる。
【0135】射出される直前の金型(3)内には、ガス
ボンベ(18)あるいは定量ポンプ(5)より圧力制御
バルブ(19)を介して注入される高圧ガスを所定の圧
力で充填しておく。例えば、高圧ガスとして窒素を使用
する場合、発泡剤として使用する二酸化炭素の臨界圧力
以上の圧力であることが好ましい。予め金型(3)内に
高圧ガスを充填しておくことで、金型(3)内に射出さ
れた溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物は発泡
することなく金型(3)内に充填され表面外観が良好と
なる。
【0136】さらに発泡制御工程において、該高圧ガス
を充填させた金型(3)内にウレタン系熱可塑性エラス
トマーと二酸化炭素の相溶状態を形成した溶融ウレタン
系熱可塑性エラストマー組成物を射出する。射出後、金
型(3)内に充填した高圧ガスを急速に抜くことによ
り、金型(3)内に急激な圧力低下を生じさせる。該工
程により、ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物に含
浸しているガスは、過飽和状態となり、多数のセル核が
生じる。
【0137】また金型(3)内で急激な圧力低下を生じ
させる方法として、金型(3)内にウレタン系熱可塑性
エラストマーと二酸化炭素の相溶状態を形成した溶融ウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物を射出したのち、
コアの一部または全部を後退させ、金型(3)内の容量
を急激に増し、金型(3)内に急激な圧力低下を生じさ
せる方法も好適に用いられる。このような圧力の低下幅
は、好ましくは7.4〜30MPa、さらに好ましくは
7.4〜25MPaの範囲で行うことが望ましい。
【0138】発泡倍率は、金型(3)温度、金型(3)
内圧力、または金型(3)内のコア後退量により適宜制
御することが可能であり、所望の発泡倍率のウレタン系
熱可塑性エラストマー組成物発泡体を得る。これら金型
内の圧力を低下させつつ発泡を制御する方法はそれぞれ
単独であっても十分な発泡制御効果が得られるが、2つ
の方法を併用することには何ら支障はない。
【0139】本発明の射出成形によるウレタン系熱可塑
性エラストマー組成物発泡体の製造方法では、発泡剤で
ある二酸化炭素の所定量を定量的かつ安定的に溶融した
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物に添加すること
が可能なため、樹脂可塑化シリンダー(1)内の溶融し
たウレタン系熱可塑性エラストマー組成物に二酸化炭素
を添加し十分に混練したのち、射出装置(2)に計量し
射出成形し、その間常に背圧をかけることから、相溶状
態の溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の形成
および該溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の
相溶状態の維持が容易であるため、発泡体の表面外観が
良好になり、低発泡製品から高発泡製品のウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物発泡体が品質一定で製造可能
となる。
【0140】なお、このような本発明のウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物発泡体を得るためには、前述し
た製造方法と同様の条件を適用した製造装置を用いるこ
とが好ましい。 (ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡体積層体の製造
方法例)本発明では、ウレタン系熱可塑性エラストマー
と熱可塑性樹脂構造体を積層したウレタン系熱可塑性エ
ラストマー発泡体積層体の製造も可能である。
【0141】なお、本明細書において、熱可塑性樹脂構
造体とは、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成
形、回転成形、射出圧縮成形など、その他公知の樹脂成
形方法により成形される全ての成形品を意味し、発泡
体、繊維強化発泡体、長繊維積層体、非発泡射出成形
品、非発泡押出成形品等が包含される。このようなウレ
タン系熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法として
は、たとえば、下記の方法が挙げられる。
【0142】金型(3)内に溶融ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー組成物を射出する前に、金型の開作動を行
い、熱可塑性樹脂構造体を金型(3)キャビティー内に
装着する。装着後、金型の閉作動をしたのち、必要に応
じて金型(3)内に高圧ガスを充填し、その後、前述し
た本発明のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡体の製
造方法により、熱可塑性樹脂構造体にウレタン系熱可塑
性エラストマー発泡体を積層し、ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー発泡体積層体を製造する。
【0143】また金型の開閉操作を行い、熱可塑性樹脂
構造体を金型(3)キャビティー内に装着する方法以外
に、ダブルインジェクション成形機などにより、金型
(3)内で熱可塑性樹脂構造体を成形したのちに、前述
した本発明のウレタン系熱可塑性エラストマー発泡体の
製造方法により、熱可塑性樹脂構造体にウレタン系熱可
塑性エラストマー発泡体を積層し、ウレタン系熱可塑性
エラストマー発泡体積層体を製造する方法も好適に用い
られる。
【0144】本発明の押出成形による実施態様の一例を
図により以下に説明する。図6において、(4)は液化
二酸化炭素ボンベ、(5)は定量ポンプ、(6)は冷媒
循環器、(7)は保圧弁、(8)はヒーター、(9)は
流量計、(21)は第1押出機、(22)は第2押出
機、(23)は連結部、(24)はダイス、(25)は
発泡体、(26)はホッパー、(27)はスクリュウ、
(28)は冷却装置である。
【0145】連続可塑化装置の入り口側を構成する、溶
融したウレタン系熱可塑性エラストマーに発泡剤を添加
するラインを有する第1押出機(21)にウレタン系熱
可塑性エラストマーを装入し、加熱溶融しながら二酸化
炭素を添加し、ウレタン系熱可塑性エラストマーと発泡
剤の相溶状態の溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組
成物を形成する。
【0146】連続可塑化装置内の溶融したウレタン系熱
可塑性エラストマー中に発泡剤を添加する方法として
は、例えば気体状態の二酸化炭素を直接あるいは加圧し
た状態で注入する方法、液体状態の二酸化炭素をプラン
ジャーポンプ等で添加する方法等が挙げられるが、液化
二酸化炭素ボンベ(4)等から、二酸化炭素を液体状態
に維持したまま定量ポンプ(5)に注入し、定量ポンプ
(5)の吐出圧力を二酸化炭素の臨界圧力(7.4MP
a)〜40MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁
(7)で制御し吐出した後、二酸化炭素の臨界温度(3
1℃)以上に昇温して超臨界二酸化炭素としてから、溶
融したウレタン系熱可塑性エラストマーに添加する方法
が好適に用いられる。
【0147】該溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組
成物は、この後連続可塑化装置の出口側を構成する第2
押出機(22)へと移送され発泡に最適な温度条件まで
徐々に温度を下げていく。このとき第2押出機(22)
先端部までの圧力及び温度条件が、二酸化炭素の臨界圧
力以上および臨界温度以上の超臨界状態であることが好
ましい。
【0148】好ましくは第1押出機(21)と第2押出
機(22)との連結部(23)に、混合部を有するアダ
プターを設けられる。これによって溶融したウレタン系
熱可塑性エラストマーと二酸化炭素の混合をさらに進行
させ、ウレタン系熱可塑性エラストマーと二酸化炭素の
相溶状態の形成が容易になること、および該アダプター
で温度制御することにより溶融ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物を、この後の発泡に適した粘度になるよ
う冷却することが容易となる。
【0149】この混合部を有するアダプターの種類は特
に制限は無いが、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物の混練および冷却を行うことができるスタティッ
クミキサーを内蔵するアダプターが好適に用いられる。
しかしながら第1押出機(21)内において、充分に該
溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の相溶状態
が形成でき、最適発泡温度まで冷却が可能であれば、連
続可塑化装置を第2押出機(22)を用いるタンデム型
発泡押出機とする必要はなく、1台の押出機のみの構成
としてもよい。
【0150】次に前記溶融ウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物を最適発泡温度に設定した連続可塑化装置先
端部に接続したダイス(24)へと移送し、圧力を低下
させて発泡を開始させる。本発明の押出成形によるウレ
タン系熱可塑性エラストマー発泡体積層体の製造方法に
おいては、ウレタン系熱可塑性エラストマーと二酸化炭
素との相溶状態を形成するガス溶解工程では、連続可塑
化装置の入り口側を構成する第1押出機(21)内でウ
レタン系熱可塑性エラストマーを加熱溶融したのち、該
溶融したウレタン系熱可塑性エラストマー中に二酸化炭
素を添加し、均一に混合する。冷却工程では、連続可塑
化装置の出口側にて、溶融ウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物を冷却し、発泡に適した粘度になる様調整す
る。
【0151】発泡制御工程では、該溶融ウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物をダイス(24)において、圧
力を二酸化炭素の臨界圧力以下の圧力に圧力低下するこ
とで、二酸化炭素を過飽和状態にし、過飽和状態になっ
た該溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物に多数
のセル核を発生させる。さらに、発泡体(25)を速や
かに、ウレタン系熱可塑性エラストマーの結晶化温度以
下の温度で冷却して、発生したセルの成長を制御し、所
望の発泡倍率に制御する。
【0152】これらのうち少なくともガス溶解工程及び
冷却工程は、特開平8−11190号公報記載の特許請
求の範囲及び各実施例に記載の方法に準じ、たとえば、
以下のように行うことができる。図6に示すように、ウ
レタン系熱可塑性エラストマーを、ホッパー(26)よ
り連続可塑化装置の入り口側を構成する第1押出機(2
1)内に添加し、ウレタン系熱可塑性エラストマーの可
塑化温度以上の温度で溶融する。この時の温度として
は、一般には100℃以上、より好ましくは110℃以
上、さらに好ましくは150〜240℃、特に好ましく
は160〜230℃で加熱溶融させることが望ましい。
また、二酸化炭素は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より
定量ポンプ(5)に注入され、そこで昇圧され、圧力制
御された二酸化炭素を第1押出機(21)内の溶融した
ウレタン系熱可塑性エラストマーに添加する。
【0153】このとき、第1押出機(21)内に存在す
る二酸化炭素が、溶融したウレタン系熱可塑性エラスト
マーに対する溶解拡散を大幅に高め、短時間でウレタン
系熱可塑性エラストマー中に浸透することを可能とする
ため、系内を該二酸化炭素の臨界圧力以上および臨界温
度以上に維持されていることが好ましい。また、第1押
出機(21)内に添加される二酸化炭素は、第1押出機
(21)内に添加される以前に昇温昇圧され、超臨界状
態となってから添加されても良い。
【0154】第1押出機(21)内で溶融したウレタン
系熱可塑性エラストマーと二酸化炭素とがスクリュウ
(27)により混練され、ウレタン系熱可塑性エラスト
マーと二酸化炭素の相溶状態を形成させる。相溶後冷却
工程において、連続可塑化装置の出口側を構成する第2
押出機(22)先端の温度制御で、溶融ウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物を、該溶融ウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物の可塑化温度以上で、該溶融ウレタ
ン系熱可塑性エラストマー組成物の可塑化温度より50
℃高い温度以下の温度で、かつ前記ガス溶解工程におけ
る溶融温度以下の温度に冷却する。この時の温度として
は、50〜230℃好ましくは80〜220℃で且つ溶
融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の可塑化温度
以上に冷却し、この後の発泡に適した粘度になるよう調
整する。
【0155】本発明のウレタン系熱可塑性エラストマー
組成物発泡体の製造方法により、連続的に発泡シートを
製造する方法の一例を図により以下にさらに詳しく説明
する。なおここでは、サーキュラーダイスを用いた例を
例示するが、コートハンガーダイ、フィッシュテールダ
イ等の、T−ダイを用いることもできる。図7におい
て、(4)は液化二酸化炭素ボンベ、(5)は定量ポン
プ、(6)は冷媒循環器、(7)は保圧弁、(8)はヒ
ーター、(9)は流量計、(21)は第1押出機、(2
2)は第2押出機、(23)は連結部、(26)はホッ
パー、(27)はスクリュウ、(29)はサーキュラー
ダイス、(30)は発泡シート、(31)は水冷式マン
ドレルである。
【0156】図7において、ガス溶解工程において、ウ
レタン系熱可塑性エラストマー組成物100質量部を、
ホッパー(26)より連続可塑化装置の入り口側を構成
する第1押出機(21)内に添加し、加熱溶融させる。
また、二酸化炭素は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より
温度制御されて定量ポンプ(5)に注入され、そこで昇
圧され、圧力制御された二酸化炭素0.1〜20質量部
が第1押出機(21)内の溶融ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物中に添加され、ガス溶解工程を行う。
【0157】このとき、第1押出機(21)内に存在す
る二酸化炭素が、溶融したウレタン系熱可塑性エラスト
マーに対する溶解拡散を大幅に高め、短時間でウレタン
系熱可塑性エラストマー中に浸透することを可能とする
ため、系内は該二酸化炭素の臨界圧力以上および臨界温
度以上に維持されていることが好ましい。二酸化炭素の
場合、臨界圧力は7.4MPa、臨界温度は31℃であ
り、第1押出機(21)内は、圧力が7.4〜40MP
a、好ましくは10〜30MPaの範囲、温度は一般には1
00℃以上、より好ましくは110℃以上、さらに好ま
しくは150〜300℃、特に好ましくは160〜28
0℃、上限値として最も好ましくは230℃以下である
ことが望ましい。
【0158】また、第1押出機(21)内で溶融したウ
レタン系熱可塑性エラストマーに添加される二酸化炭素
は、添加される以前に昇温昇圧され、超臨界状態となっ
てから添加されてもよい。第1押出機(21)内で溶融
したウレタン系熱可塑性エラストマーと二酸化炭素とが
スクリュウ(27)により混練され、ウレタン系熱可塑
性エラストマーと二酸化炭素の相溶状態を形成させる。
【0159】相溶後冷却工程において、ウレタン系熱可
塑性エラストマーに対する二酸化炭素の溶解性を高める
ため、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物を連
続可塑化装置の出口側を構成する第2押出機(22)へ
と送入し、発泡に適した温度まで下げていく。このとき
の温度は、110〜230℃、好ましくは130〜22
0℃でかつ溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
の可塑化温度以上の温度を保って冷却し、この後の発泡
に適した粘度になる様に温度を調整する。
【0160】この第2押出機(22)を用いた冷却工程
は、発泡に適した温度条件に無理なく近づけるための工
程である。この工程で充分に冷却することにより、連続
的かつ安定的な、ウレタン系熱可塑性エラストマー発泡
体の製造が容易となる。ただし連続可塑化装置として第
1押出機(21)だけで該溶融ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー組成物を発泡に適した温度まで充分に冷却可能
な装置を使用する場合は、連続可塑化装置の出口側とし
て第2押出機(22)を連結する必要はなく、単一の押
出機で発泡体を製造することも可能である。
【0161】また該溶融ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー組成物の二酸化炭素の溶解状態を向上させるために、
第1押出機(21)と第2押出機(22)の連結部(2
3)にスタティックミキサー等の混練部を接続しておく
とより好ましい。次に発泡制御工程において、溶融ウレ
タン系熱可塑性エラストマー組成物を最適発泡温度に設
定した連続可塑化装置の出口側に接続したサーキュラー
ダイス(29)へと移送し、発泡を開始させる。サーキ
ュラーダイス(29)出口で制御された条件で圧力低下
させて二酸化炭素を過飽和状態にする。
【0162】過飽和状態になった溶融ウレタン系熱可塑
性エラストマー組成物は、熱的不安定状態になり多数の
セルを発生する。一般的にガスが含まれている樹脂のガ
ラス転移温度は、ガスの含浸量に比例して低下すること
が知られているが、サーキュラーダイス(29)内の温
度は、溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物のガ
ラス転移温度以上であることが好ましい。
【0163】発泡を開始した該溶融ウレタン系熱可塑性
エラストマー組成物は、サーキュラーダイス(29)出
口より押し出される。サーキュラーダイス(29)から
押し出された溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
物は、吐出と同時に発泡を開始するが、サーキュラーダ
イス(29)の先に設置された水冷式マンドレル(3
1)に被せることで、円筒状に賦形された発泡体は、該
水冷式マンドレル(31)に沿って冷却されながら進行
した後、カッター刃によって切断され、ウレタン系熱可
塑性エラストマー発泡シート(30)を得る。
【0164】本発明においては、ガス溶解工程、冷却工
程が終了するまでは、溶融ウレタン系熱可塑性エラスト
マー組成物がウレタン系熱可塑性エラストマー組成物と
二酸化炭素に分離してしまうことのないようにする必要
があるが、そのためには二酸化炭素の臨界圧力以上の圧
力を維持することが好ましい。本発明の押出成形による
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製造方
法では、連続可塑化装置の入り口側を構成する第1押出
機(21)内の溶融したウレタン系熱可塑性エラストマ
ー組成物に二酸化炭素を添加し、充分に混練したのち、
ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物と二酸化炭素の
相溶状態を形成し、連続可塑化装置の出口側において、
溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の温度を下
げ、圧力低下により発泡を開始し、冷却装置(11)で
発泡倍率を制御することにより、1〜4倍程度の低倍率
発泡体から、4〜50倍程度の高倍率発泡体に至るま
で、広範なウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡
体が連続的に品質一定で製造可能となる。
【0165】なお、このような本発明のウレタン系熱可
塑性エラストマー組成物発泡体を得るためには、前述し
た製造方法と同様の条件を適用した製造装置を用いるこ
とが好ましい。また、射出成形を採用する場合は、ウレ
タン系熱可塑性エラストマー(A−1)単独でも発泡を
行うことができる。またウレタン系熱可塑性エラストマ
ー(A−1)とその他の熱可塑性エラストマー(A−
2)とを混合する場合においても、その比率は、使用の
用途・目的に合わせて任意に選択が可能である。
【0166】[ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
発泡体の用途]本発明のウレタン系熱可塑性エラストマ
ー組成物発泡体の製造方法により得られるウレタン系熱
可塑性エラストマー組成物発泡体は、製造されうる製品
形状においても特に限定されるものではなく、様々な成
型物に用いることができる。ウレタン系熱可塑性エラス
トマー組成物発泡体の用途としては、たとえば、インス
トゥルメントパネル表皮、ドア表皮、インストゥルメン
トパネル表皮やドア表皮の裏打ち発泡体、ドアトリム、
ピラー、コンソールボックス、ステアリングホイール、
ギアレバー、エアーボックス、ダッシュボード、取り替
え式座席シート、デフガーニッシュ、カールトップガー
ニッシュ、天井材、ウェザーストリップスポンジ等;ト
ランクルームの内張り、エンジンルームの内張り、バン
パー、フェンダー、ボンネットの表層、サイドシール
ド、クッション等の自動車部品;ハンドル、ヘルメット
の内側、座席、レーシングスーツの表層等の二輪部品;
マウス、キーボード、OAハウジング、ヘッドホーン、
電卓、電話の受話器、PHS、携帯電話等の筐体や、マ
ウスパッド、デスクマット等のOA機器関連の部品・製
品;MO、CD−ROM、DVD等記録媒体デスク用パ
ッキング剤、システム手帳、財布、ノート、ファイル、
バッグ、便座、ペンシル、ボールペン、万年筆、カーペ
ット、草履、下駄、スリッパ、包丁、鋏のグリップ、靴
底、サンダル等の履き物などの雑貨;電線被覆、コネク
ター、キャップ、プラグ等の電機部品;上水板、シール
スポンジ、スキー用マット、騒音防止壁等の土木資材;
ゴルフクラブのグリップ、ゴルフボール、野球バットグ
リップ、テニスラケットグリップ、水泳用フィン、水中
眼鏡等のレジャー用品;サニタリー(紙おむつ)、多孔
質フイルム・シート、合成皮革、農業用フイルム、制振
防音シート、ガスケット、防水布、ガーデンホース、ベ
ルト等の雑品、工業用パッキン等が挙げられる。
【0167】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明の内容はこれらの実施例に限定されるものではない。 (物性評価法)実施例および比較例に記した物性評価は
次の方法に従って実施した。 1)表面外観 目視観察で、発泡シートの表面が一様で均一な場合を
A、破泡のため表面にセル荒れが観察される場合をB、
水膨れ状の膨れがある等、著しく不良の場合をCとし、
Aを合格とした。 2)発泡倍率 連続的にウレタン系熱可塑性エラストマー発泡シートあ
るいは発泡体を製造し、10分毎にサンプルを3点取得
した。取得したサンプルを、寸法が30mm×30mm
の大きさに加工し、電子密度計を用いて密度を測定し
た。3点の測定値より原料であるウレタン系熱可塑性エ
ラストマーの密度に対する割合を算出し、小数点以下第
2位を四捨五入した値を発泡倍率とした。 3)柔軟性 サンプルの触感がゴムスポンジの様に軟らかい場合を
A、非発泡樹脂の様に硬い場合をCとし、両者の間を程
度によりA-、B、B-とし、A-以上を合格とした。 4)耐熱性 TG−DTAによる5%重量減少温度を測定し、280
℃以上をA、260℃以上、280℃未満をB、260
℃未満をCとし、B以上を合格とした。 5)平均セル径 連続的にウレタン系熱可塑性エラストマー発泡シートあ
るいは発泡体を製造し、10分毎にサンプルを3点取得
した。3点のサンプルの断面を走査型電子顕微鏡により
撮影した。
【0168】それぞれの断面写真を画像処理し、500
μm四方にあるセルについて円相当径を測定し、平均円
相当径を算出した。3点の平均円相当径の平均値を平均
セル径とした。 6)セルの均一性 3点のサンプルそれぞれについて、走査型電子顕微鏡に
より撮影した発泡シート断面写真(500μm四方)中
の最大の円相当径が、平均円相当径の1.5倍以下で、
且つ3点の平均円相当径が、平均セル径の2/3〜1.
5倍以内である場合をA、同様に最大の円相当径が、平
均円相当径の2倍以下で、且つ3点の平均円相当径が、
平均セル径の1/2〜2倍以内である場合をB、Bの範
囲を越えたものをCとし、B以上を合格とした。 7)品質の安定性 上記評価の、表面外観、セルの均一性が共にAの場合を
A、共にB以上の場合をB、これ以外をCとし、B以上
を合格とした。セル荒れが無い物A,ごくわずかあり
B,少しありCとした。 8)永久伸び JISK6301−3に準拠し、伸長率200%にて1
0分間保持し、荷重除去10分後の永久伸び。 永久伸
びが50%以下、好ましくは0.5〜40%、さらに好
ましくは0.5〜30%以下。 9)ゲル含量(クロロホルム不溶解分) ウレタン系熱可塑性発泡体組成物の試料を0.5mm×
0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、ついで得られ
た細片を500mg秤量して、300メッシュ金網(1
00mm×100mm)に試料を包み込み、ホッチキス
で封印し、再秤量する。試料入り金網を300mlフラ
スコにいれ、これにクロロホム約200mlを加える。
スターラー付きホットプレート上で軽く攪拌しながら、
約5時間加熱溶解する。金網をフラスコから取り出し、
真空乾燥機(100℃)で約5時間乾燥する。室温にも
どし、試料入り金網の重さを秤量する。
【0169】 ゲル分率={不溶TPU質量/試料の質量}×100 通常のゲル分率は10〜98質量部、好ましくは20〜
98質量部もちいられる。ゲル分率が小さい事は、クロ
ロホルム可溶分が多い事をあらわし、これは熱分解等に
より生じたTPU組成物のオリゴマー領域や低分子化合
物が混在するために生じた現象と考えられ、望ましくな
い。 10)嵩密度 JIS K7112の水中置換法に準じて測定した。
【0170】
【実施例1】実施例1では、本明細書に記載の図1に示
した装置を使用した。二酸化炭素添加部は、樹脂可塑化
シリンダー(1)の中央付近に設けた。ウレタン系熱可
塑性エラストマーとして、ペレセン2103―90AEL
(商品名、ダウ・ケミカル社製、110℃で4時間乾燥処理
を行ったもの。メルトフローレート(ASTMD-1238-65T、
190℃、2.16kg荷重)0.7g/10分、DSC測定による融解
温度166℃、結晶化熱11.6J/g、アミン分解法
を用いて逆滴定で測定したアロファネート基の含有値は
0.095mmol/g)(以下「TPU−1」という
ことがある。)を使用した。
【0171】このウレタン系熱可塑性エラストマーを、
ホッパー(16)より樹脂可塑化シリンダー(1)に添
加し、230℃で加熱溶融させた。二酸化炭素は、サイ
ホン式の液化二酸化炭素ボンベ(4)を使用し、液相部
分から直接取り出せるようにした。液化二酸化炭素ボン
ベ(4)からプランジャーポンプ(5)までの流路を冷
媒循環器(6)を用いて、−12℃に調節したエチレン
グリコール水溶液で冷却し、二酸化炭素を液体状態でプ
ランジャーポンプ(5)まで注入できるようにした。次
に注入した液状二酸化炭素がウレタン系熱可塑性エラス
トマー100質量部に対して1質量部となるようプラン
ジャーポンプ(5)を制御し、プランジャーポンプ
(5)の吐出圧力を30MPaとなるよう保圧弁(7)に
て調整した。次に保圧弁(7)から樹脂可塑化シリンダ
ー(1)の二酸化炭素添加部までのラインを50℃とな
るようヒーター(8)で加熱し、二酸化炭素を樹脂可塑
化シリンダー(1)内の溶融したウレタン系熱可塑性エ
ラストマーに添加した。このときの添加部の溶融樹脂圧
力は20MPaであった。つまり、溶融したウレタン系熱
可塑性エラストマーに溶解する直前の二酸化炭素は、温
度が50℃以上、圧力が20MPaである超臨界状態の二
酸化炭素となっている。
【0172】このようにして、完全に溶融したウレタン
系熱可塑性エラストマーに対して二酸化炭素を添加し
た。樹脂可塑化シリンダー(1)内で二酸化炭素と溶融
したウレタン系熱可塑性エラストマーを混練溶解させ、
溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物の温度を徐
々に160℃まで冷却し、160℃に設定した射出装置
(2)へ計量後、40℃に設定した金型(3)内に射出
した。このとき、射出される直前の金型(3)内には、
窒素ガスを8MPaの圧力下で充填しておいた。射出終
了後、金型(3)内に充填した窒素ガスを1秒間で抜
き、さらに発泡倍率を2倍程度とするために、キャビテ
ィーの寸法が、60×60×2(厚み)mmである金型
(3)のコアを2mm後退させ、ウレタン系熱可塑性エ
ラストマー発泡体である平板(60mm×60mm×4
mm)を得た。
【0173】得られた発泡体の評価結果を表1に示す。
柔軟性、耐熱性及び表面外観が優れた発泡体であった。
【0174】
【実施例2】実施例1において、ウレタン系熱可塑性エ
ラストマーとして、ペレセン2355―80AE(商品
名、ダウ・ケミカル社製、メルトフローレート(ASTMD-
1238-65T、190℃、2.16kg荷重)2.7g/10分,結晶化熱1
0.8J/g)(以下「TPU−2」と言うことがあ
る。)100質量部を用い、液状二酸化炭素をTPU−
2に対して2質量部使用した以外は、実施例1の操作手
順と同様にして発泡体を得た。
【0175】得られた発泡体の評価結果を表1に示す。
柔軟性、耐熱性及び表面外観が優れた発泡体であった。
【0176】
【比較例1、2】実施例1において、熱可塑性エラスト
マーと二酸化炭素の割合を表1に示した割合とした以外
は、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡
体の評価の結果を表2に示す。表面外観不良、所望の発
泡倍率ではない等の点で好ましくなく、本発明で意図す
る発泡体は製造不可能であった。
【0177】
【比較例3】実施例1において、発泡剤として二酸化炭
素に代えてアゾジカルボンアミドを2質量部を使用し、
アゾジカルボンアミドを分解してガスを発生させるた
め、シリンダー温度を200℃としたこと以外は、実施
例1と同様にして発泡体を得た。
【0178】得られた発泡体の評価の結果を表2に示
す。セル径が不均一で、また表面外観が不良な発泡体で
あり、本発明が意図する発泡体ではなかった。
【0179】
【比較例4】実施例2において、発泡剤として二酸化炭
素に代えてアゾジカルボンアミドを2質量部使用し、ア
ゾジカルボンアミドを分解してガスを発生させるため、
シリンダー温度を200℃としたこと以外は、実施例2
と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の評価の結
果を表2に示す。セル径が不均一で、また表面外観が不
良な発泡体であり、本発明が意図する発泡体ではなかっ
た。
【0180】
【実施例3】ウレタン系熱可塑性エラストマーとして、
ペレセン2363―80AE(商品名、ダウ・ケミカル社
製、メルトフローレート(ASTMD-1238-65T、190℃、2.1
6kg荷重)4.1g/10分,結晶化熱7.3J/g)(以下
「TPU−3」ということがある。)を液状二酸化炭素
はTPU−3に対して3質量部使用した以外は、実施例
1と同様の操作手順に従い発泡体を得た。
【0181】さらに、実施例1において、金型(3)の
コアの後退量を10mmとし、設定倍率を6倍程度とし
た以外は実施例1に従いウレタン系熱可塑性エラストマ
ー発泡体である平板(60mm×60mm×12mm)
を得た。得られた発泡体の評価結果を表1に示す。柔軟
性、耐熱性及び表面外観が優れた発泡体であった。
【0182】
【実施例4】実施例1において、ウレタン系熱可塑性エ
ラストマーとして、ペレセン2102―80A(商品
名、ダウ・ケミカル社製、メルトフローレート(ASTMD-
1238-65T、190℃、2.16kg荷重)1.6g/10分,結晶化熱
9.7J/g)(以下「TPU−4」ということがあ
る)100質量部を用い、液状二酸化炭素をTPU−4
に対して2質量部使用した以外は、実施例1の操作手順
に従い発泡体を得た。
【0183】さらに、実施例1において、金型(3)の
コアの後退量を4mmとし、設定倍率を3倍とした以外
は、実施例1に従いウレタン系熱可塑性エラストマー発
泡体である平板(60mm×60mm×6mm)を得
た。得られた発泡体の評価結果を表1に示す。柔軟性、
耐熱性及び表面外観が優れた発泡体であった。
【0184】
【比較例5】実施例3において、発泡剤としてブタンガ
スを3質量部使用した以外は実施例3と同様にして、発
泡体の平板を得た(60mm×60mm×10mm)。
得られた発泡体の評価の結果を表2に示す。発泡体は、
柔軟性は良好だが、耐熱性が不良であり、本発明が意図
する性能を有する発泡体ではなかった。
【0185】
【比較例6】実施例4において、発泡剤としてブタンガ
スを3質量部使用した以外は実施例4と同様にして、発
泡体の平板を得た(60mm×60mm×10mm)。
得られた発泡体の評価の結果を表2に示す。発泡体は、
耐熱性は良好だが、柔軟性が不良であり、本発明が意図
する性能を有する発泡体ではなかった。
【0186】
【比較例7】実施例2において、発泡剤としてブタンガ
スを3質量部使用した以外は実施例2と同様にして、発
泡体の平板を得た(60mm×60mm×10mm)。
得られた発泡体の評価の結果を表2に示す。発泡体は、
耐熱性は良好だが、柔軟性が不良であり、本発明が意図
する性能を有する発泡体ではなかった。
【0187】
【実施例5〜7】メルトフローレート(ASTMD-1238-65
T、190℃、2.16kg荷重)がそれぞれ0.7g
/10分、2.7g/10分である、ペレセン2103
―90AEL及びペレセン2355―80AEを表1に示す
量で使用し、さらに二酸化炭素の割合を5質量部使用し
た以外は、実施例2と同様にして発泡体を得た。
【0188】得られた発泡体の評価結果を表1に示す。
柔軟性、耐熱性及び表面外観が優れた発泡体であった。
【0189】
【実施例8〜16】発泡体の製造には、明細書に記載し
た図7に示した装置を使用した。連続可塑化装置とし
て、スクリュウ径50mmの第1押出機(21)とスクリ
ュウ径65mmの第2押出機(22)を有するタンデム型
の押出機を使用し、第2押出機(22)の先端には、出
口隙間が0.5mm、直径が80mmのサーキュラーダイス
(29)を接続し、冷却装置として、直径200mmの
水冷式マンドレル(31)を使用した。第1押出機(2
1)の回転数は40rpmとした。また、熱可塑性樹脂
組成物の押出し量は約10kg/Hrとした。
【0190】二酸化炭素添加部は、第1押出機(21)
の中央付近に設けた。ウレタン系熱可塑性エラストマー
として、実施例1と同様の、TPU−1を使用し、該組
成物をホッパー(26)より第1押出機(21)に添加
し、220℃で加熱溶融させた。二酸化炭素は、サイホ
ン式の液化二酸化炭素ボンベ(4)を使用し、液相部分
から直接取り出せるようにした。液化二酸化炭素ボンベ
(4)からプランジャーポンプ(5)までの流路を冷媒
循環器(6)を用いて、−12℃に調節したエチレング
リコール水溶液で冷却し、二酸化炭素を液体状態でプラ
ンジャーポンプ(3)まで注入できるようにした。次に
注入した液状二酸化炭素を1kg/時間となるようプラン
ジャーポンプ(3)を制御し、プランジャーポンプ
(3)の吐出圧力を30MPaとなるよう保圧弁(7)に
て調整した。このとき、プランジャーポンプ(3)の容
積効率は、65%で一定となった。次に保圧弁(7)か
ら第1押出機(21)の二酸化炭素添加部までのライン
を50℃となるようヒーター(8)で加熱し、二酸化炭
素を第1押出機(21)内の溶融したウレタン系熱可塑
性エラストマーに添加した。このときの添加部の溶融樹
脂圧力は20MPaであった。つまり、該溶融したウレタ
ン系熱可塑性エラストマーに溶解する直前の二酸化炭素
は、温度が50℃以上、圧力が20MPaである超臨界状
態の二酸化炭素となっている。
【0191】このようにして、超臨界状態の二酸化炭素
を流量計(9)で測定しながら、溶融したウレタン系熱
可塑性エラストマー100質量部に対して1質量部の割
合で第1押出機(21)内に添加し、スクリュウ(2
7)で均一に混合させた。次にこの溶融ウレタン系熱可
塑性エラストマーを第2押出機(22)へ送り、樹脂温
度を200℃に調整し、10kg/時間の押出量でサーキ
ュラーダイス(29)より押し出した。このときのダイ
ス圧力は、8MPaであった。押し出されたウレタン系熱
可塑性エラストマーは、サーキュラーダイス(29)か
ら出たと同時に発泡し、サーキュラーダイス(29)の
先に設置された水冷式マンドレル(31)に被せる。円
筒状に賦形されたウレタン系熱可塑性エラストマー発泡
体を、該マンドレル(31)に沿って冷却しながら進行
させた後、カッター刃によって切断し、ウレタン系熱可
塑性エラストマー発泡シート(30)を作製した。得ら
れたウレタン系熱可塑性エラストマー発泡シート(3
0)は、幅63mm、厚さ1.5mmで外観流麗であった。
【0192】得られた発泡シートの評価結果を表1、表
3および表4に示す。柔軟性、耐熱性及び表面外観が優
れた発泡体がえられた。
【0193】
【比較例8】実施例8において、熱可塑性エラストマー
と二酸化炭素の割合を表2に示した割合とした以外は、
実施例8と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の
評価の結果を表2に示す。所望の発泡倍率ではない、柔
軟性に劣る、品質の安定性に欠ける等の点で好ましくな
く、本発明で意図する発泡体は製造不可能であった。
【0194】
【参考例1】 バッチ法によるTPUシートの発泡例。 ペレセン2103―90AELペレットをあらかじめ熱
プレス機で厚さ1mm、100mm×100mmのシー
トを成形した。このシートを300ccのオートクレー
ブに投入し、温度40℃、圧力15MPに昇圧した超臨
界二酸化炭素を導入し、3時間、保持することで、ポリ
マー中で二酸化炭素を含浸させた。其の後、圧力を開放
して、発泡体シートをえた。発泡TPUシートをDSC
で測定したところ融解熱及び結晶化熱は発泡前のTPU
ペレットと同等かもしくは若干低下していた。
【0195】なお、押し出し機内でTPUを超臨界二酸
化発泡成形すると、分子配向しやすく、ハートセグメン
トが凝集しやすいため、融解温度Tmの上昇が生じるも
のと考えられる。これに対し、バッチ法では等方向的に
発泡するためこの効果が少ない為と考えられる。
【0196】
【表1】
【0197】
【表2】
【0198】
【表3】
【0199】
【表4】
【0200】
【発明の効果】本発明は、所定量の二酸化炭素を溶融し
たウレタン系熱可塑性エラストマーへ定量的かつ安定的
に添加し、低発泡製品から高発泡製品のウレタン系熱可
塑性エラストマー発泡体が品質一定で製造可能である。
また、柔軟性、断熱性、表面外観に優れた発泡体を得る
ことができる。さらに従来のフロンやブタンの代替とし
て二酸化炭素を用いることから、大気汚染やオゾン層破
壊の心配もなく、安全性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図であ
る。
【図2】 図2は、本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図であ
る。
【図3】 図3は、本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図であ
る。
【図4】 図4は、本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図であ
る。
【図5】 図5は、本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図であ
る。
【図6】 図6は、本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図であ
る。
【図7】 図7は、本発明のウレタン系熱可塑性エラス
トマー発泡体の製造方法により、連続的に発泡シートを
製造する方法の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
(1)樹脂可塑化シリンダー (2)射出装置 (3)金型 (4)液化二酸化炭素ボンベ (5)定量ポンプ (6)冷媒循環器 (7)保圧弁 (8)ヒーター (9)流量計 (10)開閉バルブ (11)射出プランジャー (12)アダプター (13)樹脂アキュムレータプランジャー (14)樹脂アキュムレータ装置 (15)インラインスクリュウ式射出成形機 (16)ホッパー (17)スクリュウ (18)ガスボンベ (19)圧力制御バルブ (20)開閉バルブ (21)第1押出機 (22)第2押出機 (23)連結部 (24)ダイス (25)発泡体 (26)ホッパー (27)スクリュウ (28)冷却装置 (29)サーキュラーダイス (30)発泡シート (31)水冷式マンドレル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 75:00 B29K 105:04 105:04 B29C 67/22 (72)発明者 依 田 馨 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 西 川 茂 雄 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 島 田 陽 子 東京都小平市小川東町3−2−6−508 Fターム(参考) 4F074 AA09A AA09D AA23A AA24 AA25A AA26 AA32 AA32A AA32D AA33 AA33A AA35 AA38 AA42 AA47 AA48 AA48A AA49A AA49D AA56 AA57 AA65 AA66 AA67 AA68 AA70 AA71 AA74 AA77 AA78 AA87 BA32 CB52 CC03X CC04X CC05X CC31 CC33X CC34X DA02 DA03 4F206 AA31 AB02 AG20 AH81 AR12 JA04 JF04 JF23 JN25 JN33 4F212 AA45 AD16 AG01 AG03 AH20 AR12 VA11 VD07 VD10 VD16 VL32 VP11 4J002 AC08X BB02X BB07X BB11X BB14X BB15X BB17X BB18X BC02X BC05X BC06X BD03X BD10X BD12X BE02X BG06X BN15X CB00X CF00X CF03X CF05X CF06X CF16X CF18X CG01X CH07X CH09X CK02W CL00X CM04X CN01X

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン樹脂を20質量%
    以上含有する熱可塑性ポリウレタン樹脂含有組成物から
    なる発泡体であって、その発泡体の平均セル径が0.1
    μm以上1000μm以下であり、 平均セル数が103〜1016個/cm3であり、 永久伸びが1%以上100%以下であり、 嵩密度が0.03以上1.10g/cm3以下であることを
    特徴とするウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡
    体。
  2. 【請求項2】 前記ウレタン系熱可塑性エラストマー
    組成物発泡体の融点(Tm1)と未発泡体の融点(Tm2
    が下記式(1) Tm1―Tm2≧5℃ (1) を満たすことを特徴とする請求項1に記載のウレタン系
    熱可塑性エラストマー組成物発泡体。
  3. 【請求項3】 クロロホルム不溶分を、前記ウレタン系
    熱可塑性エラストマー組成物発泡体中に10質量%以上
    含有することを特徴とする請求項1または2に記載のウ
    レタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体。
  4. 【請求項4】 前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組
    成物発泡体を、クロロホルムで抽出した後の残さが20
    質量%以上であり、 クロロホルム抽出後の残さの5%重量減少温度が180
    ℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡
    体。
  5. 【請求項5】 ウレタン系熱可塑性エラストマー(A−
    1)及びその他の熱可塑性エラストマー(A−2)から
    なり、(A−1)と(A−2)の質量比(A−1/A−
    2)が20/80〜99/1である溶融状態のウレタン系熱可塑
    性エラストマー組成物(A)に、該ウレタン系熱可塑性
    エラストマー組成物(A)100質量部に対して0.1
    〜30質量部の二酸化炭素(B)を添加、混合し、前記
    ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)と二酸化
    炭素(B)との混合状態の溶融ウレタン系熱可塑性エラ
    ストマー組成物(C)を形成する工程(ガス溶解工程)
    と、 前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(C)
    の温度を低下させる工程(冷却工程)とを含むことを特
    徴とするウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶融状態のウレタン系熱可塑性エラスト
    マー組成物(A)100質量部に対して0.1〜30質
    量部の二酸化炭素(B)を添加、混合し、前記ウレタン
    系熱可塑性エラストマー組成物(A)と二酸化炭素
    (B)との混合状態の溶融ウレタン系熱可塑性エラスト
    マー組成物(C)を形成する工程(ガス溶解工程)と、 ついで前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
    (C)の温度を低下させる工程(冷却工程)を経て得ら
    れた前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物
    (C)を、前記冷却工程よりも低い圧力に制御された空
    間に充填または移送し、前記溶融ウレタン系熱可塑性エ
    ラストマー組成物(C)中にセル核を発生させた後、発
    泡倍率を制御しながら発泡する工程(発泡制御工程)と
    を含むことを特徴とするウレタン系熱可塑性エラストマ
    ー組成物発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組
    成物(A)が、メルトフローレート(ASTMD-1238-65T)
    が0.5〜50g/10分であることを特徴とする請求
    項5または6に記載のウレタン系熱可塑性エラストマー
    組成物発泡体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組
    成物(A)が、前記ウレタン系熱可塑性エラストマー
    (A−1)と、メルトフローレート(ASTMD-1238-65T)
    が0.01g/10分以上50g/10分未満であるそ
    の他の熱可塑性エラストマー(A−2)とからなり、 前記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)10
    0質量部に対して、前記その他の熱可塑性エラストマー
    (A−2)が5〜60質量部の量で含まれることを特徴
    とする請求項5〜7のいずれかに記載のウレタン系熱可
    塑性エラストマー組成物発泡体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ガス溶融工程での前記溶融ウレタン
    系熱可塑性エラストマー組成物の温度が100〜240
    ℃の範囲にあり、冷却工程での前記溶融ウレタン系熱可
    塑性エラストマー組成物の温度が前記ガス溶融工程での
    温度よりも10〜100℃低い範囲にあることを特徴と
    する請求項5〜8のいずれかに記載のウレタン系熱可塑
    性エラストマー組成物発泡体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記二酸化炭素(B)の添加量が、前
    記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)100
    質量部に対して0.1〜20質量部の量であることを特
    徴とする請求項5〜9のいずれかに記載のウレタン系熱
    可塑性エラストマー組成物発泡体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記二酸化炭素(B)が、超臨界状態
    の二酸化炭素(B−1)であることを特徴とする請求項
    5〜10のいずれかに記載のウレタン系熱可塑性エラス
    トマー組成物発泡体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ガス溶解工程における二酸化炭素
    の添加方法が、二酸化炭素を液体状態に維持したまま二
    酸化炭素を吐出するためのポンプに注入し、該ポンプか
    らの二酸化炭素の吐出圧力を二酸化炭素の臨界圧力
    (7.4MPa)〜40MPaの範囲内で一定圧力となるよう
    にして、前記ポンプから二酸化炭素を吐出した後、吐出
    された二酸化炭素を二酸化炭素の臨界温度(31℃)以
    上に昇温して超臨界二酸化炭素としてから、溶融状態の
    ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物に添加すること
    を特徴とする請求項5〜11のいずれかに記載のウレタ
    ン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ウレタン系熱可塑性エラストマー
    (A−1)が、ウレタン結合、ウレア結合、チアウレタ
    ン結合およびチオウレア結合からなる群から選ばれる少
    なくとも1種を含むアモルファスポリマー、半結晶性ポ
    リマー、液晶ポリマー、熱可塑性ポリマー並びにエラス
    トマーからなる群から選ばれる少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項5〜12のいずれかに記載のウレ
    タン系熱可塑性エラストマー組成物発泡体の製造方法。
  14. 【請求項14】 ウレタン系熱可塑性エラストマー(A
    −1)及びその他の熱可塑性エラストマー(A−2)か
    らなり、前記(A−1)と(A−2)との質量比(A−
    1/A−2)が20/80〜99/1である溶融状態のウレタン
    系熱可塑性エラストマー組成物(A)に、該ウレタン系
    熱可塑性エラストマー組成物(A)100質量部に対し
    て0.1〜30質量部の二酸化炭素(B)を添加し、前
    記ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(A)と二酸
    化炭素(B)との混合状態の溶融ウレタン系熱可塑性エ
    ラストマー組成物(C)を形成する工程(ガス溶解工
    程)と、前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
    物(C)の温度を低下させる工程(冷却工程)とを経て
    得られる、 平均セル径が0.1μm以上1000μm以下であり、 平均セル数が103〜1016個/cm3であり、 永久伸びが1%以上100%以下であり、 嵩密度が0.03以上1.10g/cm3以下であることを
    特徴とするウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡
    体。
  15. 【請求項15】 溶融状態のウレタン系熱可塑性エラス
    トマー組成物(A)100質量部に対して0.1〜30
    質量部の二酸化炭素(B)を添加し、前記ウレタン系熱
    可塑性エラストマー組成物(A)と二酸化炭素(B)と
    の混合状態の溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成
    物(C)を形成する工程(ガス溶解工程)と、 前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(C)
    の温度を低下させる工程(冷却工程)と、 前記ガス溶融工程と前記冷却工程とを経て得られる前記
    溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー組成物(C)を、
    前記冷却工程よりも低い圧力に制御された空間に充填ま
    たは移送し、前記溶融ウレタン系熱可塑性エラストマー
    組成物(C)中にセル核を発生させた後、発泡倍率を制
    御しながら発泡する工程(発泡制御工程)とを経て得ら
    れる、 平均セル径が0.1μm以上1000μm以下であり、 平均セル数が103〜1016個/cm3であり、 永久伸びが1%以上100%以下であり、 嵩密度が0.03以上1.10g/cm3以下であることを
    特徴とするウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発泡
    体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜4、14および15のいず
    れかに記載のウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発
    泡体を含む積層体。
  17. 【請求項17】 請求項1〜4、14および15のいず
    れかに記載のウレタン系熱可塑性エラストマー組成物発
    泡体からなる成型物。
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