JP5270423B2 - 筒状弾性部材、ストラットマウント、ならびに該ストラットマウントの製造方法 - Google Patents

筒状弾性部材、ストラットマウント、ならびに該ストラットマウントの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ストラットマウント、アッパーサポート、およびバウンドストッパなどの防振装置用弾性部材として使用可能な筒状弾性部材、ストラットマウント、ならびに該ストラットマウントの製造方法に関する。
例えば、自動車のサスペンションにおいては、車体と車輪との間に生ずる変位量を弾性的に規制するために、弾性部材を備えた防振装置が配設されており、かかる弾性部材としてはゴムが一般的に使用されている。また、近年においては、防振装置の軽量化や、防振装置が備える弾性部材が圧縮変形する際に発生する異音防止などの観点から、かかる弾性部材として、ゴムに代えて発泡ポリウレタンが使用される傾向がある(例えば、下記特許文献1および特許文献2)。しかしながら、これらの特許文献に記載の発泡ポリウレタンを備える防振装置では、走行時などにおける水の付着や、空気中の水分の影響で、発泡ポリウレタンが経時的に加水分解を受ける傾向があり、結果として発泡ポリウレタンの弾性的な特性が悪化する、さらには破損する傾向があった。
下記特許文献3では、発泡ウレタンとして、ポリエステル系ポリオールと、ポリイソシアネートと、発泡剤と、に加えて、フッ素系撥水剤を必須成分とする発泡性組成物を発泡・硬化させて得られた発泡ポリウレタンが記載されている。この発泡ポリウレタンは、必須成分としてフッ素系撥水剤を使用する点が最大の特徴であり、このような構成により、かかる特許文献3に記載の発明では、発泡ポリウレタンの耐加水分解性を向上することを目的としている。しかしながら、かかる特許文献3に記載の発泡ウレタンは、ポリエステル系ポリオールを必須成分とすることから、依然として加水分解を受け易かった。加えて、この特許文献に記載の発泡ポリウレタンは、防振装置内で局所的な歪を受けた場合に、容易に亀裂や破損が発生し易く、耐久性の点で問題があった。また、この特許文献に記載の発泡ポリウレタンを備える防振装置では、減衰特性の点で、更なる改良の余地があった。
特開2002−264622号公報 特開2003−184937号公報 特開2004−293697号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた減衰特性を有し、かつ耐久性に優れた筒状弾性部材、ストラットマウント、ならびに該ストラットマウントの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、図3に示すとおり、作動軸10を軸心として、この作動軸10に取り付けられた内筒部20と、内筒部20の外側にて、この内筒部20を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部30と、を連結する筒状弾性部材40を備える防振装置の耐久試験を繰り返し行った。その結果、筒状弾性部材40の内筒部20との当接面の中でも、内筒部20の外周側端部20Eとの当接面40Eにて歪が集中し易く、特に内筒部20の断面形状が矩形形状である場合には、その角部にて歪が集中し易くなるため、かかる当接面40Eにおいて亀裂が発生し易いことを見出した。本発明は、上記の検討の結果なされたものであり、下記の如き構成により上述の目的を達成するものである。
即ち、本発明に係る筒状弾性部材は、作動軸を軸心として、前記作動軸に取り付けられた内筒部と、前記内筒部の外側にて、前記内筒部を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部と、を連結し、無発泡弾性体と発泡弾性体とを有する筒状弾性部材において、前記内筒部との当接面のうち、少なくとも前記内筒部の外周側端部との当接面が前記無発泡弾性体で形成され、前記外筒部との当接面のうち、少なくとも前記外筒部の作動軸方向両内側面との当接面が前記発泡弾性体で形成されたものであることを特徴とする。
本発明に係る筒状弾性部材は、無発泡弾性体と発泡弾性体とを有するものであり、内筒部との当接面のうち、少なくとも内筒部の外周側端部との当接面が無発泡弾性体で形成されている。ここで、この無発泡弾性体は、発泡弾性体に比べて高弾性であって、かつ亀裂発生の起点となり得る気泡を殆ど含有しない。このため、筒状弾性部材の、内筒部との当接面の中でも、歪が集中し易い内筒部の外周側端部との当接面において、亀裂の発生を防止することができる。その結果、本発明に係る筒状弾性部材は、優れた耐久性を有する。また、本発明に係る筒状弾性部材は、外筒部との当接面のうち、少なくとも外筒部の作動軸方向両内側面との当接面が発泡弾性体で形成されている。筒状弾性部材の、外筒部の作動軸方向両内側面との当接面を発泡弾性体で形成すると、外筒部および内筒部に対して、筒状弾性部材が均一な減衰特性を発揮する。その結果、本発明に係る筒状弾性部材は、優れた減衰特性を有する。
上記筒状弾性部材において、前記内筒部との当接面の全体が前記無発泡弾性体で形成されたものであることが好ましい。かかる構成によれば、歪の集中し易い内筒部との当接面の全体が無発泡弾性体で形成されているため、筒状弾性部材における亀裂の発生をより効果的に防止することができる。
上記筒状弾性部材において、前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面が、作動軸方向に対して略垂直に延びるものであることが好ましい。かかる構成によれば、無発泡弾性体と発泡弾性体との当接面にかかる歪が均一化されることから、筒状弾性部材における亀裂の発生を特に効果的に防止することができる。
上記筒状弾性部材において、前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体とが自己接着したものであることが好ましい。かかる構成によれば、無発泡弾性体と発泡弾性体との間に接着剤層が必要ないことから、接着剤層を起点とする亀裂の発生がなく、かつ接着剤層に起因する減衰特性の悪化がない。その結果、筒状弾性部材の減衰特性と耐久性とを、特にバランスよく向上することができる。
上記筒状弾性部材において、前記外筒部の作動軸方向内側面との当接面から、前記内筒部との当接面までの作動軸方向高さをH、前記外筒部の作動軸方向内側面との当接面から、前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面までの作動軸方向高さをH1としたとき、0.4H≦H1≦0.9Hであることが好ましい。かかる構成によれば、筒状弾性部材の減衰特性と耐久性とを、さらにバランスよく向上することができる。
また、本発明に係るストラットマウントは、作動軸を軸心として、前記作動軸に取り付けられた内筒部と、前記内筒部の外側にて、前記内筒部を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部と、前記内筒部と前記外筒部とを連結し、無発泡弾性体と発泡弾性体とを有する筒状弾性部材と、を備えるストラットマウントにおいて、前記筒状弾性部材は、前記内筒部との当接面のうち、少なくとも前記内筒部の外周側端部との当接面が前記無発泡弾性体で形成され、前記外筒部との当接面のうち、少なくとも前記外筒部の作動軸方向両内側面との当接面が前記発泡弾性体で形成されたものであることを特徴とする。
本発明に係るストラットマウントは、内筒部と外筒部とが、無発泡弾性体と発泡弾性体とを有する筒状弾性部材により連結されている。上述したとおり、この筒状弾性部材は、優れた減衰特性を有し、かつ耐久性に優れたものであることから、この筒状弾性部材を備えるストラットマウントも、優れた減衰特性を有し、かつ耐久性に優れる。
上記ストラットマウントにおいて、前記内筒部との当接面の全体が前記無発泡弾性体で形成されたものであることが好ましい。また、前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面が、作動軸方向に対して略垂直に延びるものであることが好ましい。また、前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体とが自己接着したものであることが好ましい。さらに、前記外筒部の作動軸方向内側面との当接面から、前記内筒部との当接面までの作動軸方向高さをH、前記外筒部の作動軸方向内側面との当接面から、前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面までの作動軸方向高さをH1としたとき、0.4H≦H1≦0.9Hであることが好ましい。これらの構成によれば、ストラットマウントの減衰特性と耐久性とが特に優れたものとなる。
また、本発明に係るストラットマウントの製造方法は、作動軸を軸心として、前記作動軸に取り付けられた内筒部と、前記内筒部の外側にて、前記内筒部を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部と、前記内筒部と前記外筒部とを連結し、無発泡弾性体と発泡弾性体とを有する筒状弾性部材と、を備えるストラットマウントの製造方法において、少なくとも前記内筒部の外周側端部との当接面に前記無発泡弾性体を形成する第1工程と、少なくとも前記外筒部の作動軸方向両内側面との当接面に前記発泡弾性体を形成する第2工程と、を有することを特徴とする。かかる製造方法によれば、優れた減衰特性を有し、かつ耐久性に優れたストラットマウントを効率よく製造することができる。
上記ストラットマウントの製造方法において、前記第2工程が、前記無発泡弾性体を形成した後、前記無発泡弾性体と自己接着させつつ前記発泡弾性体を形成するものであることが好ましい。かかる構成によれば、無発泡弾性体と発泡弾性体とを接着する際、接着剤層を形成する必要がないため、接着剤層に起因する減衰性と耐久性との悪化が防止可能なストラットマウントを製造することができる。加えて、接着剤層を形成する工程を省略できることから、ストラットマウントの生産性が向上する。
本発明に係るストラットマウントを示す断面図の一例 本発明に係る筒状弾性部材を示す斜視断面図の一例 防振装置に備えられた従来の筒状弾性部材において、亀裂が発生し易い箇所を示した断面図の一例
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るストラットマウントを示す断面図の一例であり、図2は、本発明に係る筒状弾性部材を示す斜視断面図の一例である。
図1に示すとおり、本発明に係る筒状弾性部材4は、作動軸1を軸心として、作動軸1に取り付けられた内筒部2と、内筒部2の外側にて、内筒部2を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部3と、を連結するための部材である。本実施形態に係る筒状弾性部材4は、内筒部2を作動軸方向両側から挟持しつつ、外筒部3の内周面および作動軸方向両内側面と内接することで、内筒部2と外筒部3とを連結する。
本発明に係る筒状弾性部材4は、無発泡弾性体4bと発泡弾性体4aとを有するものであり、内筒部2との当接面のうち、少なくとも内筒部2の外周側端部との当接面が無発泡弾性体4bで形成され、外筒部3との当接面のうち、少なくとも外筒部3の作動軸方向両内側面との当接面が発泡弾性体4aで形成されている。本実施形態に係る筒状弾性部材4においては、図1および図2に示すとおり、内筒部2との当接面の全体が無発泡弾性体4bで形成されている。かかる構成によれば、歪の集中し易い内筒部2との当接面の全体が無発泡弾性体4bで形成されているため、筒状弾性部材4における亀裂の発生をより効果的に防止することができる。
また、本実施形態に係る筒状弾性部材4は、図1および図2に示すとおり、無発泡弾性体4bと発泡弾性体4aとの当接面が、作動軸方向に対して略垂直に延びるように構成されており、無発泡弾性体4bと発泡弾性体4aとが自己接着している。かかる構成によれば、無発泡弾性体4bと発泡弾性体4aとの当接面にかかる歪が均一化されることから、筒状弾性部材4における亀裂の発生を特に効果的に防止することができるとともに、接着剤層を設けた場合の悪影響をなくすことができる。
本実施形態に係る筒状弾性部材4においては、外筒部3の作動軸方向内側面との当接面から、内筒部2との当接面までの作動軸方向高さをH、外筒部3の作動軸方向内側面との当接面から、無発泡弾性体4bと発泡弾性体4aとの当接面までの作動軸方向高さをH1としたとき、0.4H≦H1≦0.9Hとなるように構成されている。かかる構成によれば、筒状弾性部材4の減衰特性と耐久性とを、さらにバランスよく向上することができる。
本発明に係る筒状弾性部材4の構成材料の一つである発泡弾性体4aは、ある程度の独立気泡を有する発泡弾性体4aであればよく、具体的には、例えば独泡率が70〜98%である発泡弾性体4aが例示される。また、発泡弾性体4aの比重としては、0.40〜0.8が例示される。発泡弾性体4aを構成する材料は特に限定されるものではないが、軽量化を達成しつつ、耐久性および減衰特性を向上した発泡弾性体4aとするためには、熱可塑性ポリウレタンを原料として得られる発泡弾性体4aであることが好ましい。熱可塑性ポリウレタンを原料として得られる発泡弾性体4aについて、以下に説明する。
熱可塑性ポリウレタンを原料として得られる発泡弾性体4aは、公知の方法により製造可能である。しかしながら、本発明においては、溶融状態の熱可塑性ポリウレタン組成物に超臨界状態の非反応性ガスを混合して得られる非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を、射出成形する方法により、発泡弾性体4aを製造することが好ましい。かかる方法により製造された発泡弾性体4a(超臨界発泡弾性体)は、発泡状態が均一であって、かつ高い独泡率を有することから、優れた減衰特性を有するとともに、耐久性にも優れる。
上記熱可塑性ポリウレタン組成物としては、熱可塑性ポリウレタンを主成分として含むものであれば特に限定されるものではない。しかしながら、本発明においては、熱可塑性ポリウレタン組成物が、ポリエーテル系ポリオール、ポリラクトン系ポリオールおよびポリカーボネート系ポリオールの少なくとも1種のポリオール、ならびにポリイソシアネートを必須成分として合成された熱可塑性ポリウレタンと、ポリエーテル系ポリオールおよびポリイソシアネートを必須成分として合成されたイソシアネート末端プレポリマーと、を含有するものであることが好ましい。熱可塑性ポリウレタンと、架橋剤として作用するイソシアネート末端プレポリマーと、を含有する熱可塑性ポリウレタン組成物を原料として得られた超臨界発泡弾性体においては、三次元的な架橋構造が発現する。その結果、かかる超臨界発泡弾性体は、耐ヘタリ性に優れる。また、使用する熱可塑性ポリウレタンが、ポリエーテル系ポリオール、ポリラクトン系ポリオールおよびポリカーボネート系ポリオールの少なくとも1種のポリオール、ならびにポリイソシアネートを必須成分として合成され、イソシアネート末端プレポリマーが、ポリエーテル系ポリオールおよびポリイソシアネートを必須成分として合成されている場合、これらを含有する熱可塑性ポリウレタン組成物を原料として得られる超臨界発泡弾性体は、耐加水分解性に優れる。その結果、超臨界発泡弾性体を有する筒状弾性部材4は、耐久性が優れる。
上記ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコールなどが挙げられる。ポリラクトン系ポリオールとしては、ポリカプロラクトングリコール、ポリプロピオラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコールなどが挙げられる。ポリカーボネート系ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの多価アルコールと、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオールが挙げられる。これらのポリエーテル系ポリオール、ポリラクトン系ポリオールまたはポリカーボネート系ポリオールは、単独で、あるいは2種以上のポリオールを混合して使用することができる。
上記ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジメチルジフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、単独で、あるいは2種以上のポリイソシアネートを混合して使用することができる。
熱可塑性ポリウレタンは、上記必須成分に加えて、任意成分として他のポリオール、鎖延長剤などを含有する組成物から合成されたものであってもよい。但し、超臨界発泡弾性体の耐加水分解性を向上するためには、アジペート系ポリオールを含有しない組成物から合成されたものであることが好ましい。
鎖延長剤としては、両末端に活性水素を有する2官能性鎖延長剤を使用する。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルオクタンジオール、1,9−ノナンジオールなどの脂肪族ジオール類;1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環族ジオール類;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ヒドロキノン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノールA、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,6−ジヒドロキシナフタリンなどの芳香族ジオールなどが挙げられる。これらの鎖延長剤は、単独で、あるいは2種以上の鎖延長剤を混合して使用することができる。
イソシアネート末端プレポリマーとしては、ポリエーテル系ポリオールおよびポリイソシアネートを必須成分として合成されたものが挙げられ、ポリエーテル系ポリオールおよびポリイソシアネートとしては、上述したものと同じものを使用することができる。ここで、イソシアネート末端プレポリマーの分子量は、数平均分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましい。数平均分子量が3000を超えると、超臨界発泡弾性体の耐ヘタリ性が悪化する場合がある。一方、イソシアネート末端プレポリマーの数平均分子量の下限は特に限定されるものではないが、常温にて固体状態である程度の数平均分子量、具体的には550以上であることが好ましい。
熱可塑性ポリウレタン組成物は、上記熱可塑性ポリウレタンとイソシアネート末端プレポリマーとに加えて、必要に応じて任意成分として、ポリウレタン以外の他の熱可塑性樹脂、可塑剤、分散剤、相溶化剤、架橋剤、架橋助剤、プロセスオイル、顔料、酸化防止剤、補強材、着色剤、加水分解防止剤、整泡剤などを含有してもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。熱可塑性樹脂を熱可塑性ポリウレタンとともに使用する場合、ポリウレタンの特性を良好に維持するためには、熱可塑性ポリウレタン100重量部に対して、熱可塑性樹脂の含有量は20重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましい。
次に、本発明に係る筒状弾性部材4の構成材料の一つである無発泡弾性体4bについて説明する。無発泡弾性体4bを構成する材料としては、射出成形可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、ゴム、熱可塑性ポリウレタン、あるいは各種熱可塑性樹脂が挙げられる。この中でも、上述したとおり発泡弾性体4aとして、熱可塑性ポリウレタン組成物を原料として得られた超臨界発泡弾性体を使用する場合、熱可塑性ポリウレタンを材料として無発泡弾性体4bを使用することが好ましい。この場合、無発泡弾性体4bと超臨界発泡弾性体とが、同じポリウレタン系の材料で構成されることから、特に接着性が向上する傾向がある。なお無発泡弾性体4bの比重としては、0.9〜1.2が例示される。
本発明に係る筒状弾性部材4は、優れた減衰特性を有し、かつ耐久性に優れたものであることから、ストラットマウント、アッパーサポート、およびバウンドストッパなどの防振装置用弾性部材として特に有用である。
次に、本発明に係る筒状弾性部材4を備えるストラットマウントについて説明する。
本発明に係るストラットマウントは、図1に示すとおり、作動軸1を軸心として、作動軸1に取り付けられた内筒部2と、内筒部2の外側にて、内筒部2を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部3と、上述した筒状弾性部材4と、を備える。上述したとおり、本発明に係る筒状弾性部材4は、優れた減衰特性を有し、かつ耐久性に優れたものであることから、これを備えるストラットマウントも、同様に優れた減衰特性を有し、かつ耐久性も優れたものとなる。以下に、本発明に係るストラットマウントの製造方法について説明する。
まず、作動軸1に取り付けられた内筒部2と、内筒部2の外側にて、内筒部2を取り囲むように同軸上に外筒部3を離間配置する。次に、内筒部2の外周側端部との当接面に無発泡弾性体4bを形成する(第1工程)。好ましくは、第1工程において、内筒部2との当接面全体に無発泡弾性体4bを形成する。無発泡弾性体4bの形成方法としては、特に限定されるものではないが、無発泡弾性体4bの原料組成物を射出成形することで形成する方法が好ましい。次に、外筒部3の作動軸方向両内側面との当接面に発泡弾性体4aを形成する(第2工程)。好ましくは、第2工程において、無発泡弾性体4bを形成した後、無発泡弾性体4bと自己接着させつつ発泡弾性体4aを形成する。無発泡弾性体4bと発泡弾性体4aとをより確実に自己接着させるためには、発泡弾性体4aは、この原料組成物を射出成形することで形成されたものであって、無発泡弾性体4bの軟化点をT1、射出成形時の発泡弾性体4aの樹脂温度をT2としたとき、T2−T1≧50(℃)とすることが好ましい。本発明において使用する無発泡弾性体4bとしては、例えば軟化点T1が50〜110℃のものが挙げられる。
発泡弾性体4aの形成方法としては、特に限定されるものではないが、無発泡弾性体4bの形成方法と同様に、発泡弾性体4aの原料組成物を射出成形することで形成する方法が好ましく、溶融状態の熱可塑性ポリウレタン組成物に超臨界状態の非反応性ガスを混合して得られる非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を、射出成形する方法が特に好ましい。かかる方法により製造された超臨界発泡弾性体は、発泡状態が均一であって、かつ高い独泡率を有することから、優れた減衰特性を有するとともに、耐久性にも優れる。以下に、この超臨界発泡弾性体を形成する方法について説明する。
超臨界発泡弾性体の形成工程においては、熱可塑性ポリウレタン組成物を加熱により溶融状態とする溶融工程と、溶融状態の熱可塑性ポリウレタン組成物に超臨界状態の非反応性ガスを混合し、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物とする溶解工程と、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を射出成形する射出成形工程と、を含む。
(溶融工程)
まず、溶融工程において熱可塑性ポリウレタン組成物を加熱により溶融状態とする。具体的には、熱可塑性ポリウレタン組成物を、ホッパーなどより、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内に送入し、熱可塑性ポリウレタン組成物の融点あるいは可塑化温度以上の温度、具体的には160〜240℃の温度にて加熱することにより溶融状態とする。
(溶解工程)
つぎに、溶解工程において溶融状態の熱可塑性ポリウレタン組成物に超臨界状態の非反応性ガスを混合し、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物とする。具体的には、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内にて溶融状態に保たれた熱可塑性ポリウレタン組成物に、超臨界状態の窒素ガス、二酸化炭素ガスなどの非反応性ガスを混合し、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物とする。例えば、超臨界状態の非反応性ガスは、液化(または気化)状態の非反応性ガスを貯蔵するボンベより定量ポンプに注入され、該定量ポンプ内で昇圧され、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内にて溶融状態に保たれた熱可塑性ポリウレタン組成物に混合される。このとき、樹脂溶融シリンダー内に存在する非反応性ガスが超臨界状態であると、溶融状態の熱可塑性ポリウレタン組成物に対する溶解拡散効果が大幅に高まり、短時間で溶融状態にある熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物中に浸透する。溶解工程において、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内の設定温度は、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物の温度を160〜240℃の範囲内とするために、165〜245℃とすることが好ましい。
溶解工程において、熱可塑性ポリウレタン組成物に対する非反応性ガスの混合量は0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜3重量%であることがより好ましい。かかる製造方法によれば、所望の比重を有する超臨界発泡弾性体、具体的には比重が0.40〜0.8である超臨界発泡弾性体が得られる。
(射出成形工程)
つぎに、射出成形工程において、非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を、外筒部3の作動軸方向両内側面との当接面に射出成形する。具体的には、射出成形機の樹脂溶融シリンダー内に存在する非反応性ガス溶解熱可塑性ポリウレタン組成物を、例えば射出プランジャーを備える射出装置に送入し、かかる射出装置にて計量した後、射出成形する。
本実施形態に係るストラットマウントの製造方法においては、図1に示すとおり、無発泡弾性体4bと発泡弾性体4aとの当接面が、作動軸方向に対して略垂直に延びるように、筒状弾性部材4を作成している。これにより、筒状弾性部材4における亀裂の発生を効果的に防止することができ、耐久性に優れたストラットマウントを製造することができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。なお、発泡弾性体4aおよび無発泡弾性体4bを有する筒状弾性部材4の諸物性の評価は、以下のようにして行った。
(1)独泡率
発泡弾性体4aを、スキン層を含まないように20×20×25mmのサンプル形状にて切り出し、空気比較式比重計930型(ベックマン社製)を使用して測定した。独泡率は、測定で得たカウンター値と、サンプル容積値とに基づき、以下の式より算出した。
(独泡率(%))=100×(カウンター値)/(サンプル容積値)
(2)比重
発泡弾性体4aおよび無発泡弾性体4bを、スキン層を含まないように直径30mm×厚み12.5mmの円柱形状にて切り出し、Sartorius−LA230Sを使用して測定した。
(3)耐久性(静的バネ定数Ks(N/mm)の変化率が25%となった時点での振動回数、および亀裂発生部の亀裂深さ)
図2に示す筒状弾性部材4(Htotal=36mm、H=14mm、外径R1=55mm、内径R2=33mm)を、作動軸方向(図2では、上下方向)に半等分した形状を有するサンプルを予め作成し、この半等分した形状を有する2つのサンプルを、作動軸方向に重ねることで、図2に示す筒状弾性部材4を作成した。この筒状弾性部材4を、図1に示すストラットマウントと同様に構成された加振装置の内筒部2を挟持するように外筒部3内に設置した。その後、荷重±4900N、加振周波数2Hzで、任意の回数(n回数)の振動を与えた時の静的バネ定数を測定した。ここで、静的バネ定数の変化率は、以下の式より算出した。
(静的バネ定数の変化率(%))
=100×((n回振動後の静的バネ定数)−(振動前の静的バネ定数))/(振動前の静的バネ定数)
求めた静的バネ定数の変化率が25%となった時点での振動回数、および静的バネ定数の変化率が25%となった時点で発生した亀裂発生部の亀裂深さ(mm)により、筒状弾性部材4の耐久性を評価した。この振動回数が多いほど、あるいは亀裂発生部の亀裂深さが小さいほど、筒状弾性部材4の耐久性が優れることを示す。
(4)減衰特性(ロスファクター/動倍率)
減衰特性の評価は、ロスファクター(tanδ)を動倍率(100Hz時の動的バネ定数Kd(N/mm)/静的バネ定数Ks(N/mm))で除した値により評価した。この値が大きいほど、筒状弾性部材4の減衰特性が優れることを示す。ここで、減衰特性を評価する際に使用した、静的バネ定数Ks(N/mm)と動的バネ定数Kd(N/mm)、さらにロスファクターは以下の方法により測定した。
(i)静的バネ定数Ks(N/mm)
所定荷重をかけた状態から常温にて、JIS K6385に準拠して、静的特性試験の両方向負荷方式において、変位速度10mm/分で±4900Nの範囲の撓みを3回負荷し、3回目の負荷過程での荷重−撓みの関係を測定し、この関係を用いて、JIS K6385に記載の計算方法により、静的バネ定数を算出した。
(ii)動的バネ定数Kd(N/mm)
所定荷重をかけた状態から常温にて、JIS K6385に準拠して、動的性質測定試験の非共振方式において、周波数100Hz、振幅±0.05mmで撓みを加えて、荷重−撓みの関係を測定し、この関係を用いて、JIS K6385に記載の計算方法により、動的バネ定数を算出した。
(iii)ロスファクター(tanδ)
所定荷重をかけた状態から常温にて、JIS K6385に準拠して、動的性質測定試験の非共振方式において、周波数15Hz、振幅±2.0mmで撓みを加えて、荷重−撓みの関係を測定し、この関係を用いて、JIS K6385に記載の計算方法により、ロスファクターを算出した。
実施例1
図2に示す筒状弾性部材4を、作動軸方向(図2では、上下方向)に半等分した形状を有する金型内で、内筒部2との当接面の全体を無発泡弾性体4bで形成した。この無発泡弾性体4bは、ポリテトラメチレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成された熱可塑性ポリウレタン(「ESTANE−58881」、Lubrizol社製)を90℃にて5時間以上乾燥させた後、通常の射出成形方法により、H2=2.5mmとなるように形成した。
次に、ポリエーテルおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成された熱可塑性ポリウレタン(「PH−2285」、大日精化社製)100重量部と、ポリテトラメチレングリコールおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成されたイソシアネート末端プレポリマー(「クロスネートEM30」(数平均分子量1800)、大日精化工業社製)5重量部とを、MuCell型射出成形機(日本製鋼所社製)のホッパーから樹脂溶融シリンダー内に送入して溶融し、さらに超臨界状態の窒素ガスを、熱可塑性ポリウレタン組成物に対して0.1重量%となるように樹脂溶融シリンダー内に送入して混合後、図2に示す筒状弾性部材4を、作動軸方向に半等分した形状を有する金型内で射出成形を行うことで、無発泡弾性体4bに発泡弾性体4a(超臨界発泡弾性体)が自己接着し、かつ無発泡弾性体4bと発泡弾性体4aとの当接面が、作動軸方向に対して略垂直に延びた筒状弾性部材4を作成した(H1=12mm、H1=0.828H)。かかる筒状弾性部材4を使用して、上記特性評価を行った結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、ポリテトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成された熱可塑性ポリウレタン(「E380−MNAT」、日本ポリウレタン工業社製)を使用して無発泡弾性体4bを形成した以外は、実施例1と同様の方法により筒状弾性部材4を作成した。かかる筒状弾性部材4を使用して、上記特性評価を行った結果を表1に示す。
比較例1
ポリエーテルおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成された熱可塑性ポリウレタン(「PH−2285」、大日精化社製)100重量部と、ポリテトラメチレングリコールおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成されたイソシアネート末端プレポリマー(「クロスネートEM30」(数平均分子量1800)、大日精化工業社製)5重量部と、から構成された発泡弾性体4a(超臨界発泡弾性体)のみで、実施例1と同じ形状を有する筒状弾性部材4を作成した。かかる筒状弾性部材4を使用して、上記特性評価を行った結果を表1に示す。
比較例2
ポリテトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成された熱可塑性ポリウレタン(「E380−MNAT」、日本ポリウレタン工業社製)100重量部と、ポリテトラメチレングリコールおよびジフェニルメタンジイソシアネートを含有する組成物から合成されたイソシアネート末端プレポリマー(「クロスネートEM30」(数平均分子量1800)、大日精化工業社製)10重量部と、から構成された発泡弾性体4a(超臨界発泡弾性体)のみで、実施例1と同じ形状を有する筒状弾性部材4を作成した。かかる筒状弾性部材4を使用して、上記特性評価を行った結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、H2=1.0mmとなるように無発泡弾性体4bを形成し、H1=13.5mmとなるように発泡弾性体4a(超臨界発泡弾性体)を形成した以外は、実施例1と同様の方法により筒状弾性部材4を作成した(H1=0.931H)。かかる筒状弾性部材4を使用して、上記特性評価を行った結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、H2=10.0mmとなるように無発泡弾性体4bを形成し、H1=4.5mmとなるように発泡弾性体4a(超臨界発泡弾性体)を形成した以外は、実施例1と同様の方法により筒状弾性部材4を作成した(H1=0.310H)。かかる筒状弾性部材4を使用して、上記特性評価を行った結果を表1に示す。
Figure 0005270423
表1の結果から、実施例1および実施例2に係る筒状弾性部材4は、100万回以上振動を繰り返しても亀裂が発生せず、耐久性が優れるとともに、減衰特性が優れることがわかる。また、実施例1および実施例2に係る筒状弾性部材4を備えるストラットマウントにおいても、同様に耐久性と減衰特性とが優れることがわかった。
一方、比較例1および比較例2に係る筒状弾性部材4は、発泡弾性体4aが内筒部2の外周側端部と当接することから、10万回以下の振動回数で亀裂が発生し、耐久性が悪化することがわかる。さらに、減衰特性についても、比較例1および比較例2に係る筒状弾性部材4は、実施例1および実施例2に係る筒状弾性部材4に比べて悪化した。
また、比較例3に係る筒状弾性部材4は、内筒部2との当接面における無発泡弾性体4bの作動軸方向厚みが薄いため、やはり15万回程度の振動回数で亀裂が発生し、耐久性が悪化することがわかる。さらに、減衰特性についても、比較例3に係る筒状弾性部材4は、実施例1および実施例2に係る筒状弾性部材4に比べて悪化した。
さらに、比較例4に係る筒状弾性部材4は、発泡弾性体4aの作動軸方向厚みが薄いため、実施例1および実施例2に係る筒状弾性部材4に比べて、減衰特性が特に悪化した。
1:作動軸
2:内筒部
3:外筒部
4:筒状弾性部材
4a:発泡弾性体
4b:無発泡弾性体

Claims (11)

  1. 作動軸を軸心として、前記作動軸に取り付けられた内筒部と、前記内筒部の外側にて、前記内筒部を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部と、を連結し、無発泡弾性体と発泡弾性体とを有する筒状弾性部材において、
    前記内筒部との当接面のうち、少なくとも前記内筒部の外周側端部との当接面が前記無発泡弾性体で形成され、
    前記外筒部との当接面のうち、少なくとも前記外筒部の作動軸方向両内側面との当接面が前記発泡弾性体で形成されたものであり、
    前記内筒部との当接面の全体が前記無発泡弾性体で形成されたものであり、
    前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面が、作動軸方向に対して略垂直に延びるものであることを特徴とする筒状弾性部材。
  2. 前記発泡弾性体および前記無発泡弾性体が、いずれも熱可塑性ポリウレタンを原料として得られるものである請求項1に記載の筒状弾性部材。
  3. 前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体とが自己接着したものである請求項1または2に記載の筒状弾性部材。
  4. 前記外筒部の作動軸方向内側面との当接面から、前記内筒部との当接面までの作動軸方向高さをH、前記外筒部の作動軸方向内側面との当接面から、前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面までの作動軸方向高さをH1としたとき、0.4H≦H1≦0.9Hである請求項1〜のいずれかに記載の筒状弾性部材。
  5. 作動軸を軸心として、前記作動軸に取り付けられた内筒部と、前記内筒部の外側にて、前記内筒部を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部と、前記内筒部と前記外筒部とを連結し、無発泡弾性体と発泡弾性体とを有する筒状弾性部材と、を備えるストラットマウントにおいて、
    前記筒状弾性部材は、前記内筒部との当接面のうち、少なくとも前記内筒部の外周側端部との当接面が前記無発泡弾性体で形成され、前記外筒部との当接面のうち、少なくとも前記外筒部の作動軸方向両内側面との当接面が前記発泡弾性体で形成されたものであり、
    前記内筒部との当接面の全体が前記無発泡弾性体で形成されたものであり、
    前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面が、作動軸方向に対して略垂直に延びるものであることを特徴とするストラットマウント。
  6. 前記発泡弾性体および前記無発泡弾性体が、いずれも熱可塑性ポリウレタンを原料として得られるものである請求項5に記載のストラットマウント。
  7. 前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体とが自己接着したものである請求項5または6に記載のストラットマウント。
  8. 前記外筒部の作動軸方向内側面との当接面から、前記内筒部との当接面までの作動軸方向高さをH、前記外筒部の作動軸方向内側面との当接面から、前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面までの作動軸方向高さをH1としたとき、0.4H≦H1≦0.9Hである請求項のいずれかに記載のストラットマウント。
  9. 作動軸を軸心として、前記作動軸に取り付けられた内筒部と、前記内筒部の外側にて、前記内筒部を取り囲むように同軸上に離間配置された外筒部と、前記内筒部と前記外筒部とを連結し、無発泡弾性体と発泡弾性体とを有し、
    前記内筒部との当接面の全体が前記無発泡弾性体で形成されたものであり、
    前記無発泡弾性体と前記発泡弾性体との当接面が、作動軸方向に対して略垂直に延びるものである筒状弾性部材と、を備えるストラットマウントの製造方法において、
    少なくとも前記内筒部の外周側端部との当接面に前記無発泡弾性体を形成する第1工程と、
    少なくとも前記外筒部の作動軸方向両内側面との当接面に前記発泡弾性体を形成する第2工程と、を有することを特徴とするストラットマウントの製造方法。
  10. 前記発泡弾性体および前記無発泡弾性体が、いずれも熱可塑性ポリウレタンを原料として得られるものである請求項9に記載のストラットマウントの製造方法。
  11. 前記第2工程が、前記無発泡弾性体を形成した後、前記無発泡弾性体と自己接着させつつ前記発泡弾性体を形成するものである請求項9または10に記載のストラットマウントの製造方法。
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